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特開2022-85828エアモビリティーのプロペラティルティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085828
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】エアモビリティーのプロペラティルティング装置
(51)【国際特許分類】
   B64D 27/26 20060101AFI20220601BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220601BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20220601BHJP
   B64C 27/26 20060101ALI20220601BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20220601BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B64D27/26
B64D27/24
B64C27/08
B64C27/26
F16H1/16
F16H25/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117831
(22)【出願日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0162345
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ギュフン
(72)【発明者】
【氏名】イム、チョンシク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェヨン
【テーマコード(参考)】
3J009
3J062
【Fターム(参考)】
3J009DA20
3J009EA06
3J009EA19
3J009EA25
3J009EA35
3J009EA44
3J009EB23
3J009EC06
3J009FA30
3J062AA41
3J062AB21
3J062AC07
3J062BA11
3J062CD22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロペラを前後に移動するスライド機構とプロペラ角度を変化させるティルティング機構とを単一のモーターにより駆動することで、プロペラ移動・回動構造を単純化したホバリング又はクルージング飛行時のプロペラ推進力損失を防止するエアモビリティーのプロペラティルティング装置を提供する。
【解決手段】前後に延びるガイドブラケットと、ガイドブラケットに前後に移動可能に取り付けられ、回転力を発生する駆動モーター及びガイドブラケットに連結されて駆動モーター回転を直線運動に変換させる動力変換ユニットを備えるスライド機構と、動力変換ユニットに連結されてスライド機構とともに移動し、プロペラ用モーターをティルティング可能に取付けられ、プロペラ用モーター及び動力変換ユニットに連結され、動力変換ユニットを介した回転力によってプロペラ用モーターをティルティングさせる角度変換ユニットを備えるティルティング機構とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びるガイドブラケットと、
ガイドブラケットに前後方向に移動可能に取り付けられ、回転力を発生させる駆動モーター及びガイドブラケットに連結されて駆動モーターの回転力を直線運動に変換させる動力変換ユニットを備えるスライド機構と、
動力変換ユニットに連結されてスライド機構とともに移動し、プロペラ用モーターが上下方向にティルティング可能に取り付けられ、プロペラ用モーター及び動力変換ユニットに連結され、動力変換ユニットを介して伝達された回転力によってプロペラ用モーターをティルティングさせる角度変換ユニットを備えるティルティング機構とを含む、エアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項2】
ガイドブラケットは前後方向に延びるガイドレールを備え、
スライド機構は、駆動モーターがガイドレールにスライド可能に装着され、ガイドレールに沿って移動することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項3】
動力変換ユニットは、ガイドブラケットに固定されたナット部と、駆動モーターからガイドブラケットに沿って延びてナット部に貫通して締結され、角度変換ユニットと連結されたスクリュー部とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項4】
ティルティング機構は、
動力変換ユニットと連結された角度変換ユニットを介してガイドブラケットに前後に直線運動可能に取り付けられる移動ブラケットと、
プロペラ用モーターが装着され、角度変換ユニットを介して移動ブラケットに対して角度が変化するように取り付けられたティルティングブラケットとをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項5】
ガイドブラケットは前後方向に延びるガイド棒を備え、
移動ブラケットはガイド棒にスライド可能に装着されることを特徴とする、請求項4に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項6】
移動ブラケットは、横方向幅がガイドブラケットの横方向幅より大きく形成され、前方に移動するときにガイドブラケットから離隔し、後方に移動するときにガイドブラケットが内側に挿入されて重畳するように配置されることを特徴とする、請求項4に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項7】
角度変換ユニットは、動力変換ユニットから回転力を受けて回転するウォームギア部と、ウォームギア部と噛み合い、ティルティングブラケットに結合され、ウォームギア部の回転による回転の際、ティルティングブラケットの角度を変化させるウォームホイール部とを含んでなることを特徴とする、請求項4に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項8】
ウォームギア部は移動ブラケットに回転可能に取り付けられ、動力変換ユニットに結合されて動力変換ユニットと同時に回転することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項9】
ウォームホイール部は、中心から延びる中心軸部がティルティングブラケットに貫通して一体に結合され、中心軸部が移動ブラケットを貫通して移動ブラケットに回転可能に装着されることを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項10】
ウォームホイール部はウォームギア部の上側に位置してウォームギア部と噛み合うことを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項11】
ティルティング機構は、スライド機構がガイドブラケットに導入された場合、プロペラ用モーターが垂直に配置され、スライド機構がガイドブラケットから引き出された場合、プロペラ用モーターが水平に配置されることにより、プロペラ用モーターの動作による推進力発生の方向が変化することを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【請求項12】
ガイドブラケットは飛行動体のウィングに取り付けられ、プロペラ用モーターは複数のプロペラを備え、
スライド機構は、ガイドブラケットから引き出されるとき、ティルティング機構のプロペラが飛行動体のウィングから離隔するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティーのプロペラティルティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアモビリティーのプロペラティルティング装置に関するもので、飛行動体の飛行モードによってプロペラがティルティングされるエアモビリティーのプロペラティルティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、貨物コンテナ、医療輸送などの多様な方面に使用可能な飛行モビリティーが開発されており、飛行モビリティーのエネルギー効率及び安定化が向上して実用化される段階になった。
【0003】
このような航空モビリティーはプロペラの起動によって飛行し、これにより垂直方向への離着陸が具現される。特に、最近には、航空モビリティーのプロペラが飛行モードによってティルティングされることにより、垂直方向に離着陸するホバリングの場合又は前方に飛行するクルージングの場合によってプロペラの角度が変化するように構成される。ただ、プロペラが水平状態に転換してホバリングするとき、プロペラが航空モビリティーのウィング又はブームのような部品と干渉すれば、プロペラの回転による推進力の損失が発生する。このような問題を解消するために、プロペラを航空モビリティーから離隔するように構成するが、プロペラが不必要に遠くなることによるさらなる問題が発生する。
【0004】
前記背景技術として説明した事項は本発明の背景に対する理解増進のためのものであるだけで、当該技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に相当することを認めるものと受け入れてはいけないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2020-0104582A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたもので、単一のモーターによってプロペラが前後方に直線運動するとともにプロペラの角度が変化することにより、構造が単純化し、飛行モードによるプロペラの位置で推進力の損失を低減するエアモビリティーのプロペラティルティング装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための本発明によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置は、前後方向に延びるガイドブラケットと、ガイドブラケットに前後方向に移動可能に取り付けられ、回転力を発生させる駆動モーター及びガイドブラケットに連結されて駆動モーターの回転力を直線運動に変換させる動力変換ユニットを備えるスライド機構と、動力変換ユニットに連結されてスライド機構とともに移動し、プロペラ用モーターが上下方向にティルティング可能に取り付けられ、プロペラ用モーター及び動力変換ユニットに連結され、動力変換ユニットを介して伝達された回転力によってプロペラ用モーターをティルティングさせる角度変換ユニットを備えるティルティング機構とを含む。
ガイドブラケットは前後方向に延びるガイドレールを備え、スライド機構は、駆動モーターがガイドレールにスライド可能に装着され、ガイドレールに沿って移動することができる。
動力変換ユニットは、ガイドブラケットに固定されたナット部と、駆動モーターからガイドブラケットに沿って延びてナット部に貫通して締結され、角度変換ユニットと連結されたスクリュー部とを含んでなることができる。
ティルティング機構は、動力変換ユニットと連結された角度変換ユニットを介してガイドブラケットに前後に直線運動可能に取り付けられる移動ブラケットと、プロペラ用モーターが装着され、角度変換ユニットを介して移動ブラケットに対して角度が変化するように取り付けられたティルティングブラケットとをさらに含むことができる。
ガイドブラケットは前後方向に延びるガイド棒を備え、移動ブラケットはガイド棒にスライド可能に装着されることができる。
移動ブラケットは、横方向幅がガイドブラケットの横方向幅より大きく形成され、前方に移動するときにガイドブラケットから離隔し、後方に移動するときにガイドブラケットが内側に挿入されて重畳するように配置されることができる。
角度変換ユニットは、動力変換ユニットから回転力を受けて回転するウォームギア部と、ウォームギア部と噛み合い、ティルティングブラケットに結合され、ウォームギア部の回転による回転の際、ティルティングブラケットの角度を変化させるウォームホイール部とを含んでなることができる。
ウォームギア部は移動ブラケットに回転可能に取り付けられ、動力変換ユニットに結合されて動力変換ユニットと同時に回転することができる。
ウォームホイール部は、中心から延びる中心軸部がティルティングブラケットに貫通して一体に結合され、中心軸部が移動ブラケットを貫通して移動ブラケットに回転可能に装着されることができる。
ウォームホイール部はウォームギア部の上側に位置してウォームギア部と噛み合うことができる。
ティルティング機構は、スライド機構がガイドブラケットに導入された場合、プロペラ用モーターが垂直に配置され、スライド機構がガイドブラケットから引き出された場合、プロペラ用モーターが水平に配置されることにより、プロペラ用モーターの動作による推進力発生の方向が変化することができる。
ガイドブラケットは飛行動体のウィングに取り付けられ、プロペラ用モーターは複数のプロペラを備え、スライド機構は、ガイドブラケットから引き出されるとき、ティルティング機構のプロペラが飛行動体のウィングから離隔するように構成されることができる。
【発明の効果】
【0008】
上述したような構造を有するエアモビリティーのプロペラティルティング装置は、一つの駆動モーターによってスライド機構の移動とともにティルティング機構のティルティング動作を同時遂行して、プロペラが前後方に移動するとともにプロペラの角度が変化する。これにより、プロペラの位置移動のための構造が単純化し、ホバリング又はクルージング飛行モードでプロペラの推進力の損失を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による飛行動体を示す図である。
図2】本発明によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置を示す図である。
図3】本発明によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置を示す図である。
図4図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置の組立図である。
図5図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置のティルティング機構を示す図である。
図6図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置による作動状態を説明するための図である。
図7図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置による作動状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付図面を参照して本発明の好適な実施例によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置について説明する。
【0011】
図1は本発明による飛行動体を示す図、図2及び図3は本発明によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置を示す図、図4図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置の組立図、図5図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置のティルティング機構を示す図、図6及び図7図2に示すエアモビリティーのプロペラティルティング装置による作動状態を説明するための図である。
【0012】
本発明によるエアモビリティーのプロペラティルティング装置は、図1図4に示すように、前後方向に延びるガイドブラケット100と、ガイドブラケット100に前後方向に移動可能に取り付けられ、回転力を発生させる駆動モーター210、及びガイドブラケット100に連結され、駆動モーター210の回転力を直線運動に変換させる動力変換ユニット220を備えるスライド機構200と、動力変換ユニット220に連結され、スライド機構200とともに移動し、プロペラ用モーター331が上下方向にティルティング可能に取り付けられ、プロペラ用モーター331及び動力変換ユニット220に連結され、動力変換ユニット220を介して伝達された回転力によってプロペラ用モーター331をティルティングさせる角度変換ユニット310を備えるティルティング機構300とを含む。
【0013】
飛行動体Mは垂直離着陸が可能なものであり、高速飛行の際に揚力を発生させるウィングWを備え、ガイドブラケット100がウィングWに取り付けられることができる。ガイドブラケット100は飛行動体MのウィングWだけでなく飛行動体M又はブームのような外部部品に取り付けられることができる。
【0014】
一方、ガイドブラケット100には、回転力を発生させる駆動モーター210及び駆動モーター210の回転力を直線運動に変換させる動力変換ユニット220を備えるスライド機構200が取り付けられる。ここで、ガイドブラケット100は前後方向に延びるガイドレール110を備え、スライド機構200は、駆動モーター210がガイドレール110にスライド可能に装着されてガイドレール110に沿って移動することができる。ガイドレール110はガイドブラケット100に沿って前後方向に延び、駆動モーター210はスライドブロック211を介してガイドレール110に取り付けられてガイドレール110に沿って前後方向に移動する。特に、駆動モーター210には動力変換ユニット220が連結されることにより、駆動モーター210の回転力によってスライド機構200が直線運動することができる。詳細には、動力変換ユニット220は、ガイドブラケット100に固定されたナット部221と、駆動モーター210からガイドブラケット100に沿って延びてナット部221を貫通して締結され、角度変換ユニット310に連結されたスクリュー部222とからなることができる。このように、動力変換ユニット220はナット部221とスクリュー部222とからなり、ナット部221はガイドブラケット100に固定され、スクリュー部222が駆動モーター210から延びてナット部221に貫通して締結される。これにより、駆動モーター210が動作してスクリュー部222が回転するとき、ナット部221と螺合したスクリュー部222が前後方向に往復移動することにより、駆動モーター210とともにスライド機構200が全体的に移動することができる。また、スクリュー部222には角度変換ユニット310が連結されることにより、スクリュー部222の移動によって角度変換ユニット310を備えたティルティング機構300も一緒に前後方向に移動する。
【0015】
一方、ティルティング機構300は、動力変換ユニット220のスクリュー部222と連結されて前後方向に移動し、プロペラ用モーター331が上下方向にティルティング可能に取り付けられ、プロペラ用モーター331及び動力変換ユニット220に連結され、動力変換ユニット220を介して伝達された回転力によってプロペラ用モーター331をティルティングさせる角度変換ユニット310を備える。ここで、プロペラ用モーター331には複数のプロペラ331aが取り付けられ、回転の際に推進力を発生させ、角度変換ユニット310は動力変換ユニット220を介して伝達された回転力によってプロペラ用モーター331のティルティング角度を調節する。特に、角度変換ユニット310は動力変換ユニット220と連結され、駆動モーター210から発生した回転力によって同時に動作する。すなわち、スライド機構200の駆動モーター210が動作すれば、動力変換ユニット220が回転力を直線運動に変換させてスライド機構200が前後方向に移動するようにし、スライド機構200とともにティルティング機構300が移動するとき、角度変換ユニット310が動力変換ユニット220を介して伝達された回転力によってプロペラ用モーター331をティルティングさせる。これにより、スライド機構200とティルティング機構300は、駆動モーター210の動作の際に同時に動作し、互いに連動関係を有することにより、プロペラ用モーター331の直線移動及びティルティング角度調節を同時に遂行する。
【0016】
ティルティング機構300について具体的に説明すれば、図4及び図5に示すように、ティルティング機構300は、動力変換ユニット220と連結された角度変換ユニット310を介してガイドブラケット100に前後に直線運動するように設けられる移動ブラケット320と、プロペラ用モーター331が装着され、角度変換ユニット310を介して移動ブラケット320に対して角度が変化するように取り付けられたティルティングブラケット330とをさらに含む。
【0017】
すなわち、移動ブラケット320は角度変換ユニット310を介して動力変換ユニット220と連結され、スライド機構200の直線運動の際、一緒に前後方向に直線運動する。ティルティングブラケット330はプロペラ用モーター331が装着され、角度変換ユニット310を介して移動ブラケット320に装着される。これにより、ティルティングブラケット330は移動ブラケット320とともに前後方向に直線移動するとともに、角度変換ユニット310によって移動ブラケット320の直線移動の際に同時に角度が変化してプロペラ用モーター331の位置を変化させる。
【0018】
詳細には、ガイドブラケット100は前後方向に延びるガイド棒120を備え、移動ブラケット320はガイド棒120にスライド可能に装着される。ガイド棒120はガイドブラケット100に沿って前後方向に延び、移動ブラケット320がスライダーSを介してガイド棒120に取り付けられ、ガイド棒120に沿って前後方向に移動することができる。このようなスライダーSは移動ブラケット320に固定され、角度変換ユニット310が取り付けられるブラケットとして作用することができる。
【0019】
一方、移動ブラケット320は横方向幅がガイドブラケット100の横方向幅より大きく形成され、前方に移動するときにガイドブラケット100から離隔し、後方に移動するときにガイドブラケット100が内側に挿入されて重畳するように配置されることができる。これにより、移動ブラケット320がガイドブラケット100に対して前後方に移動するとき、相互間の干渉が回避される。また、図3に示すように、移動ブラケット320が後方に移動すればガイドブラケット100が内側に挿入されて重畳する構造を成すことにより、移動ブラケット320とガイドブラケット100の接触による支持剛性が確保される。
【0020】
一方、角度変換ユニット310は、動力変換ユニット220から回転力を受けて回転するウォームギア部311と、ウォームギア部311と噛み合い、ティルティングブラケット330に結合され、ウォームギア部311の回転による回転の際にティルティングブラケット330の角度を変化させるウォームホイール部312とからなる。
【0021】
ここで、ウォームギア部311は動力変換ユニット220のスクリュー部222の端部に結合されて一緒に回転し、ウォームホイール部312はティルティングブラケット330に結合され、移動ブラケット320に回転可能に装着され、ウォームギア部311と噛み合う。これにより、プロペラ用モーター331が装着されたティルティングブラケット330は、駆動モーター210が動作して動力変換ユニット220から伝達された回転力によってウォームギア部311が回転するとき、ウォームギア部311と噛み合うウォームホイール部312が回転することによってティルティング角度が変化することができる。ここで、ウォームギア部311とウォームホイール部312のギア歯は、スライド機構200が前後方向に完全に移動するとき、ティルティングブラケット330のティルティング角度が90°になるように構成されることができる。
【0022】
また、ウォームギア部311は移動ブラケット320に回転可能に取り付けられ、動力変換ユニット220に結合され、動力変換ユニット220とともに回転することができる。すなわち、ウォームギア部311は上述したスライダーSを介して移動ブラケット320に取り付けられることができる。このように、ウォームギア部311は動力変換ユニット220に結合され、動力変換ユニット220と同時回転し、スライド機構200とともに前後方向に移動する。また、ウォームギア部311は移動ブラケット320にスライダーSを介して取り付けられることによって移動ブラケット320とともに前後方向に移動し、スライダーSに回転可能に装着されて回転動作を円滑に遂行することができる。
また、ウォームホイール部312は、中心から延びる中心軸部312aがティルティングブラケット330に貫通して一体に結合され、中心軸部312aが移動ブラケット320を貫通して移動ブラケット320に回転可能に装着されることができる。すなわち、ウォームホイール部312は、中心軸部312aがティルティングブラケット330に貫通して一体に結合されることにより、ウォームホイール部312とティルティングブラケット330が一緒に回転し、中心軸部312aが移動ブラケット320に貫通して回転可能に装着されることにより、プロペラ用モーター331が装着されたティルティングブラケット330が移動ブラケット320でティルティング調節されることができる。ここで、ウォームホイール部312の中心軸部312aは移動ブラケット320の貫通部位にベアリングホルダーHを介して装着されることができる。
【0023】
このようなウォームホイール部312はウォームギア部311の上側に位置してウォームギア部311と噛み合うことにより、ウォームホイール部312に結合されたティルティングブラケット330がウォームギア部311と干渉せずに円滑にティルティング動作することができる。
【0024】
一方、ティルティング機構300は、スライド機構200がガイドブラケット100内に導入された場合、プロペラ用モーター331が垂直に配置され、スライド機構200がガイドブラケット100から引き出された場合、プロペラ用モーター331が水平に配置されることにより、プロペラ用モーター331の動作による推進力発生の方向が変化することができる。
【0025】
すなわち、図6に示すように、スライド機構200がガイドブラケット100に導入される場合、プロペラ用モーター331が垂直に配置されることにより、プロペラはクルージング飛行に適した状態になる。これにより、スライド機構200がガイドブラケット100に導入されることによってプロペラ331aがウィングWに隣接して位置することにより、プロペラ用モーター331が動作して発生した推進力がウィングWに円滑に作用して飛行性能が向上する。
【0026】
一方、図7に示すように、スライド機構200がガイドブラケット100から引き出される場合、プロペラ用モーター331が水平に配置されることにより、プロペラ331aはホバリング飛行に適した状態になる。これにより、スライド機構200がガイドブラケット100から引き出されてウィングWから遠く位置することにより、プロペラ用モーター331が動作して発生した推進力がウィングWと干渉しないので、推進力の損失が低下する。
これにより、スライド機構200がガイドブラケット100から引き出されるとき、ティルティング機構300のプロペラが飛行動体Mから離隔するように構成される。よって、プロペラ331aのサイズ又はスライド機構200の引出距離を設定してプロペラ331aとウィングWとの間の離隔距離を確保することができる。このように、スライド機構200がガイドブラケット100から引き出されるとき、プロペラが飛行動体MのウィングWから離隔することにより、プロペラの回転時に発生する推進力がウィングWと干渉して損失されることを防止する。
【0027】
上述したような構造を有するエアモビリティーのプロペラティルティング装置は、単一の駆動モーター210によってスライド機構200の移動とともにティルティング機構300のティルティング動作を同時に遂行してプロペラが前後方に移動するとともにプロペラの角度が変化する。これにより、プロペラの位置移動のための構造が単純化し、ホバリング又はクルージング飛行モードでのプロペラの推進力の損失を防止する。
【0028】
本発明の特定の実施例について示して説明したが、以下の特許請求範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で本発明が多様に改良及び変化可能であるというのは当該分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0029】
100 ガイドブラケット
110 ガイドレール
120 ガイド棒
200 スライド機構
210 駆動モーター
220 動力変換ユニット
221 ナット部
222 スクリュー部
300 ティルティング機構
310 角度変換ユニット
311 ウォームギア部
312 ウォームホイール部
320 移動ブラケット
330 ティルティングブラケット
331 プロペラ用モーター
331a プロペラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7