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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085846
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】リード端子及び電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20220601BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220601BHJP
【FI】
H01L23/48 P
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157475
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2020196587
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】神山 悦宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 智大
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA21
5H770DA03
5H770QA06
5H770QA13
(57)【要約】
【課題】信頼性を高くすることができ、かつ、小型化することが容易なリード端子を提供する。
【解決手段】第1接続対象部に接続される第1接続部21と、第1接続部21に繋がる基体部22と、基体部22から分岐して繋がる複数の腕部23U,23V,23Wと、複数の腕部23U,23V,23Wの先端部にそれぞれ設けられ、複数の第2接続対象部10U,10V,10Wにそれぞれ接続される複数の第2接続部24U,24V,24Wとを備え、第1接続部21から複数の第2接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが均等化されているリード端子GND。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続対象部に接続される第1接続部と、
前記第1接続部に繋がる基体部と、
前記基体部から分岐して繋がる複数の腕部と、
前記複数の腕部の先端部にそれぞれ設けられ、複数の第2接続対象部にそれぞれ接続される複数の第2接続部と、
を備え、
前記第1接続部から前記複数の第2接続部までのそれぞれのインダクタンスが均等化されているリード端子。
【請求項2】
前記第1接続部から前記複数の第2接続部までのそれぞれの配線長、及び前記複数の腕部の断面の周囲長に基づいて、前記インダクタンスが均等化されている請求項1に記載のリード端子。
【請求項3】
前記複数の腕部は3つの腕部からなり、前記3つの腕部の先端部にそれぞれ設けられた3つの第2接続部を備える請求項1又は2に記載のリード端子。
【請求項4】
前記複数の腕部と前記基体部との間に形成された共通リードフレームをさらに備える請求項1~3のいずれかに記載のリード端子。
【請求項5】
基板と、
請求項1~4のいずれかに記載のリード端子と、
を備え、
前記複数の第2接続対象部が前記基板上に設けられている電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード端子及び電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電源から入力した直流電力を交流電力に変換して出力する電子モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電子モジュールにおいて、基板には、第1モータ端子と接続された回路が構成される第1相領域、第2モータ端子と接続された回路が構成される第2相領域及び第3モータ端子と接続された回路が構成される第3相領域がそれぞれ形成されており、基板上には配線部が設けられている。また、基板上において、基板の長辺に沿って1つの接地バスバーが設けられている。第1相領域、第2相領域及び第3相領域にはそれぞれ、第1スイッチ素子と、第1スイッチ素子と直列に接続された第2スイッチ素子と、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子の接続点と接続されている第3スイッチ素子とが1つずつ設けられている。3つの第3スイッチ素子は、クリップリード、基板上の配線、及び、シャント抵抗を介して接地バスバーにそれぞれ接続されている。接地バスバーの長辺方向の中央の位置には、接地バスバーと接続された接地端子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-197985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子モジュールにおいて、3つの第3スイッチ素子は、接地端子(リード端子)、基板上の配線、及び、シャント抵抗を介して接地バスバーにそれぞれ接続されており、接地バスバーの長辺方向の中央の位置に接地端子が設けられている。そのため、接地端子の外部接続部から、接地バスバーにおけるシャント抵抗との接続部分までの配線長が相ごとに異なり、インダクタンスが相ごとに異なるため、他の相からのスイッチングノイズの影響を受け易くなる。また、特許文献1に記載の電子モジュールにおいては、基板上に接地バスバーを設置する面積が必要となり、電子モジュールを小型化することが難しい、という問題もある。
【0005】
そこで、本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、電子モジュールに適用したときに、信頼性を高くすることができ、かつ、電子モジュールを小型化することが可能なリード端子を提供することを目的とする。また、このようなリード端子を用いた電子モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリード端子は、第1接続対象部に接続される第1接続部(例えば、第1実施形態における外部接続部21)と、前記第1接続部に繋がる基体部と、前記基体部から分岐して繋がる複数の腕部と、前記複数の腕部の先端部にそれぞれ設けられ、複数の第2接続対象部(例えば、第1実施形態における接地配線部10U,10V,10W)にそれぞれ接続される複数の第2接続部(例えば、第1実施形態における内部接続部24U,24V,24W)とを備える。そして、前記第1接続部から前記複数の第2接続部までのそれぞれのインダクタンスを均等化したことを特徴とする。
【0007】
本発明の電子モジュールは、基板と、上記構成のリード端子とを備え、前記複数の第2接続対象部が前記基板上に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリード端子及び電子モジュールによれば、第1接続部から複数の第2接続部までのそれぞれのインダクタンスが均等化されているため、電子モジュールにリード端子を搭載したときに、他の相と接続される別の第2接続部及び腕部からのスイッチングノイズの影響を受け難くなる。従って、意図しないタイミングでスイッチがオンする等の誤動作が起こることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0009】
また、本発明のリード端子及び電子モジュールによれば、第1接続対象部に接続される第1接続部と、第1接続部に繋がる基体部と、基体部から分岐して繋がる複数の腕部と、複数の腕部の先端部にそれぞれ設けられ、複数の第2接続対象部にそれぞれ接続される複数の第2接続部とを備えるため、電子モジュールにリード端子を搭載したときに、第1接続部から、基体部、腕部及び第2接続部を介して基板上の配線に直接接続することができる。従って、特許文献1の接地バスバーのような基板上の配線が必要なく、設置面積を小さくすることができることから、電子モジュールを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る電子モジュール1の斜視図であり、(a)は電子モジュール1の上方斜視図、(b)は電子モジュール1の下側を上にしたときの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る電子モジュール1を説明するために示す平面図である。
図3】第1実施形態に係る電子モジュール1における基板上の配線、スイッチ素子及び接続子の配置を示す平面図である。
図4】第1実施形態に係る電子モジュール1と接地端子GNDとの関係を示す平面図である。
図5】第1実施形態に係る接地端子GNDを示す図であり、(a)は接地端子GNDの平面図、(b)は接地端子GNDの上方斜視図である。
図6】第1実施形態に係る電子モジュール1の回路構成を示す回路図である。
図7】第2実施形態に係る電子モジュール2と接地端子GND2との関係を示す平面図である。
図8】第2実施形態に係る接地端子GND2を示す図であり、(a)は接地端子GND2の平面図、(b)は接地端子GND2の上方斜視図である。
図9】第3実施形態に係る電子モジュール3を説明するために示す平面図である。
図10】第3実施形態に係る接地端子GND3を示す図であり、(a)は接地端子GND3の平面図、(b)は接地端子GND3の上方斜視図である。
図11】第1変形例に係る接地端子GND4を示す図であり、(a)は接地端子GND4の平面図、(b)は接地端子GND4の下方斜視図である。
図12】第2変形例に係る接地端子GND5を示す図であり、(a)は接地端子GND5の平面図、(b)は接地端子GND5の下方斜視図である。
図13】第3変形例に係る接地端子GND6を示す図であり、(a)は接地端子GND6の平面図、(b)は接地端子GND6の下方斜視図である。
図14】第4変形例に係る接地端子GND7を示す図であり、(a)は接地端子GND7の平面図、(b)は接地端子GND7の下方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のリード端子及び電子モジュールについて、図面を参照して説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の寸法を厳密に反映したものではない。以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。各実施形態においては、基本的な構成、特徴、機能等が同じ構成、要素(形状等が完全に同一ではない構成要素を含む。)については、実施形態をまたいで同じ符号を使用するとともに再度の説明を省略することがある。
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る電子モジュール1は、電源から3相モータに供給される電力を制御するための電子モジュールである。電子モジュール1は、図2及び図3に示すように、基板Xと、3つの第1スイッチ素子Q1~Q3と、3つの第2スイッチ素子Q4~Q6と、3つの第3スイッチ素子Q7~Q9と、3つの第1接続子CL1~CL3と、3つの第2接続子CL4~CL6と、3つの第3接続子CL7~CL9と、3つの第4接続子CL10~CL12と、3つの第5接続子CL13~CL15と、3つの第6接続子CL16~CL18と、3つのシャント抵抗R1~R3と、サーミスタRTと、電源端子VCCと、3つのモータ端子U,V,Wと、接地端子GNDと、複数の信号端子30と、封止部材Aとを備える。電子モジュール1は、図1に示すように、各端子において他の基板等に接続される外部接続部側の部分、及び、基板Xの裏面の金属板11を除き、封止部材Aで封止されている。第1実施形態では、本発明に係るリード端子の一例として、接地端子GNDに本発明を適用した形態について説明する。
【0013】
基板Xは、例えば、セラミック基板等の絶縁基板である。基板Xは、互いに対向する2つの長辺(以下、第1辺X1、第2辺X2と称する)と、互いに対向する2つの短辺(以下、第3辺X3、第4辺X4と称する)とを有する矩形形状である。基板Xの一方の面(以下、表面Sと称する)には、金属板を張り付けてなる複数の配線部が設けられており、基板Xの他方の面(裏面)には、放熱用の金属板11が張り付けられている。具体的には、基板Xの表面Sにおいて、第2辺X2側の位置には、第2辺X2に沿って第3辺X3の近傍から第4辺X4の近傍まで延びる矩形状の電源配線部12が設けられている。電源配線部12は、後述する第1ゲート配線部16Vと出力配線部14Wの間の位置において、第1辺X1側まで延び、その端部側が第1辺X1に沿って第4辺X4側に延びるL字形状の部分を有している。
【0014】
基板Xの表面Sにおいて、電源配線部12に隣接する第1辺X1側の位置には、3つの中央配線部13U,13V,13Wと、3つの第1ゲート配線部16U,16V,16Wと、3つの出力配線部14U,14V,14Wとが設けられている。中央配線部13Uは、第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第3辺X3側に延びるL字形状になっており、第3辺X3に隣接する位置に設けられている。中央配線部13V,13Wはそれぞれ、第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第4辺X4側に延びるL字形状になっている。中央配線部13Wは、第4辺X4に隣接する位置に設けられている。中央配線部13Vは、基板Xにおける長辺方向の略中央の位置に設けられている。
【0015】
3つの第1ゲート配線部16U,16V,16Wはそれぞれ、第2辺X2側から第1辺X1側に延びる矩形状になっている。第1ゲート配線部16Uは、第3辺X3及び中央配線部13Uに隣接する位置に設けられており、L字形状の中央配線部13Uと組み合わされた全体形状が矩形状となるように配置されている。第1ゲート配線部16Wは、第4辺X4及び中央配線部13Wに隣接する位置に設けられており、L字形状の中央配線部13Wと組み合わされた全体形状が矩形状となるように配置されている。第1ゲート配線部16Vは、中央配線部13Vに隣接する位置に設けられており、L字形状の中央配線部13Vと組み合わされた全体形状が矩形状となるように配置されている。
【0016】
3つの出力配線部14U,14V,14Wはそれぞれ、第2辺X2側から第1辺X1側に延びる矩形状になっている。2つの出力配線部14U,14Vは、2つの中央配線部13U,13Vの間の位置に、互いに隣接して設けられている。出力配線部14Uが中央配線部13Uに隣接した位置に設けられ、出力配線部14Vが中央配線部13Vに隣接した位置に設けられている。出力配線部14Wは、2つの中央配線部13V,13Wの間の位置に、中央配線部13Wに隣接して設けられている。
【0017】
基板Xの表面Sにおいて、中央配線部13U,13V,13W及び出力配線部14U,14V,14Wに隣接する第1辺X1側の位置には、3つの第2ゲート配線部17U,17V,17Wと、3つのソース配線部15U,15V,15Wと、3つの第3ゲート配線部18U,18V,18Wと、3つの接地配線部10U,10V,10Wとが設けられている。第2ゲート配線部17Uは、第3辺X3に隣接する位置に設けられ、第3辺X3に沿って中央配線部13U側から第1辺X1側に延び、その端部側が第1辺X1に沿って第4辺X4側に延びるL字形状になっている。第2ゲート配線部17Wは、第4辺X4に隣接する位置に設けられ、第4辺X4に沿って中央配線部13Wから第1辺X1側に延び、その端部側が第1辺X1に沿って第3辺X3側に延びるL字形状になっている。第2ゲート配線部17Vは、中央配線部13Vに隣接する位置に設けられ、中央配線部13V側から第1辺X1側に延びる矩形形状になっている。
【0018】
2つのソース配線部15U,15Wは、第2辺X2側から第1辺X1側に延びる矩形状となっている。ソース配線部15Uは、中央配線部13U及び第2ゲート配線部17Uに隣接する位置に設けられている。ソース配線部15Wは、中央配線部13W及び第2ゲート配線部17Wに隣接する位置に設けられている。ソース配線部15Vは、中央配線部13V及び第2ゲート配線部17Vに隣接する位置に設けられ、中央配線部13V側から第1辺X1側に延びており、中央配線部13V側の幅が第1辺X1側の幅よりも大きくなった略L字形状になっている。
【0019】
第3ゲート配線部18Uは、出力配線部14Uに隣接する位置に設けられ、出力配線部14Uに沿って第4辺X4側から第3辺X3側に延び、その端部側がソース配線部15Uに沿って第1辺X1側に延びる略L字形状となっている。第3ゲート配線部18Uの第3辺X3側の端部(L字形状の角部)には、中央配線部13Uを避けるように切り欠きが設けられている。第3ゲート配線部18Vは、出力配線部14Vに隣接する位置に設けられ、出力配線部14Vに沿って第3辺X3側から第4辺X4側に延び、その端部側がソース配線部15Vに沿って第1辺X1側に延びる略L字形状となっている。第3ゲート配線部18Vの第4辺X4側の端部(L字形状の角部)には、中央配線部13Vを避けるように切り欠きが設けられている。第3ゲート配線部18Wは、出力配線部14Wに隣接する位置に設けられ、出力配線部14Wに沿って第3辺X3側から第4辺X4側に延び、その端部側がソース配線部15Vに沿って第1辺X1側に延びる略L字形状となっている。第3ゲート配線部18Wの第4辺X4側の端部(L字形状の角部)には、中央配線部13Wを避けるように切り欠きが設けられている。
【0020】
接地配線部10U(第1接地配線部)は、第3ゲート配線部18Uに隣接する位置に設けられ、第3ゲート配線部18U側から第1辺X1側に延びた略矩形形状になっている。接地配線部10Uは、第3ゲート配線部18U側の幅が第1辺X1側の幅よりも若干大きくなっている。接地配線部10V(第2接地配線部)は、第3ゲート配線部18V及び接地配線部10Uに隣接する位置に設けられ、接地配線部10Uに沿って第3ゲート配線部18V側から第1辺X1側に延びて略矩形形状になっている。接地配線部10Vは、第3ゲート配線部18V側の幅が第1辺X1側の幅よりも若干大きくなっている。接地配線部10W(第3接地配線部)は、第3ゲート配線部18Wに隣接する位置に設けられ、第3ゲート配線部18W側から第1辺X1側に延びる矩形形状になっている。
【0021】
基板Xの表面Sにおいて、第1辺X1側の位置には、3つの第1電流検出配線部LC1U,LC1V,LC1Wと、3つの第2電流検出配線部LC2U,LC2V,LC2Wと、1つの第1サーミスタ配線部LT1と、1つの第2サーミスタ配線部LT2とが設けられている。第1及び第2サーミスタ配線部LT1,LT2は、第2ゲート配線部17Vと第1辺X1の間の位置に、第1辺X1に沿った方向に並んで設けられている。第1及び第2サーミスタ配線部LT1,LT2は、第2ゲート配線部17Vから第1辺X1側に向かって延びており、中間部で斜めにクランク状に折り曲げられた形状になっている。
【0022】
第1電流検出配線部LC1Uは、ソース配線部15Uに隣接する位置に設けられ、ソース配線部15Uに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第3辺X3側に延びるL字形状になっている。第1電流検出配線部LC1Uの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R1の下でソース配線部15Uに接続されている。第1電流検出配線部LC1Vは、ソース配線部15Vに隣接する位置に設けられ、ソース配線部15Vに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第4辺X4側に延びるL字形状になっている。第1電流検出配線部LC1Vの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R2の下でソース配線部15Vに接続されている。第1電流検出配線部LC1Wは、ソース配線部15Wに隣接する位置に設けられ、ソース配線部15Wに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第3辺X3側に延びるL字形状になっている。第1電流検出配線部LC1Wの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R3の下でソース配線部15Vに接続されている。
【0023】
第2電流検出配線部LC2Uは、接地配線部10Uに隣接する位置に設けられ、接地配線部10Uに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第4辺X4側に延びるL字形状になっている。第2電流検出配線部LC2Uの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R1の下で接地配線部10Uに接続されている。第2電流検出配線部LC2Vは、接地配線部10Vに隣接する位置に設けられ、接地配線部10Vに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第3辺X3側に延びるL字形状になっている。第2電流検出配線部LC2Vの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R2の下で接地配線部10Uに接続されている。第2電流検出配線部LC2Wは、接地配線部10Wに隣接する位置に設けられ、接地配線部10Wに沿って第2辺X2側から第1辺X1側に延び、その端部側が第3辺X3側に延びるL字形状になっている。第2電流検出配線部LC2Wの第2辺X2側の端部は、シャント抵抗R3の下で接地配線部10Wに接続されている。
【0024】
3つの第1スイッチ素子Q1~Q3、3つの第2スイッチ素子Q4~Q6、及び、3つの第3スイッチ素子Q7~Q9はそれぞれ、適宜のスイッチング素子を用いることができるが、電子モジュール1では同じ形状のMOSFETが用いられている。3つの第1接続子CL1~CL3、3つの第2接続子CL4~CL6、3つの第3接続子CL7~CL9、3つの第4接続子CL10~CL12、3つの第5接続子CL13~CL15、3つの第6接続子CL16~CL18はそれぞれ、板状の導電性部材に折り曲げ加工等を施してなり、各スイッチ素子の上面の電極に接続される第1接続部と、表面S上の配線部に接続される第2接続部と、第1接続部及び第2接続部を繋ぐ連結部とを有している。この連結部は、当該接続子によって接続する2つの配線部を短絡させないように断面視略コの字状のアーチ形状になっている。3つの第1接続子CL1~CL3、3つの第2接続子CL4~CL6及び3つの第3接続子CL7~CL9は、各スイッチ素子のソース電極と表面S上の配線部とを接続するもので、すべて同じ形状をしている。これらの接続子の第1接続部はソース電極の幅に対応した幅となっており、第2接続部は第1接続部よりも幅が狭くなっている。3つの第4接続子CL10~CL12、3つの第5接続子CL13~CL15、及び3つの第6接続子CL16~CL18は、各スイッチ素子のゲート電極と表面S上の配線部とを接続するもので、すべて同じ形状をしている。これらの接続子の第1接続部はゲート電極の幅に対応した幅となっており、第2接続部は第1接続部よりも幅が広くなっている。
【0025】
3つの第1スイッチ素子Q1~Q3は、それぞれ電源配線部12上に配置されている。第1スイッチ素子Q1は、電源配線部12上の第3辺X3に近い位置に設けられている。第1スイッチ素子Q2は、電源配線部12上における第2辺X2に沿った方向の略中央の位置に設けられている。第1スイッチ素子Q3は、電源配線部12上の第4辺X4に近い位置に設けられている。3つの第1スイッチ素子Q1~Q3はそれぞれ、各スイッチ素子の表面側にソース電極とゲート電極とが並んで形成され、裏面側にドレイン電極が形成されている。第1スイッチ素子Q1は、ゲート電極が第3辺X3側に配置され、ドレイン電極が電源配線部12に接続されるように設けられている。第1スイッチ素子Q1のソース電極は第1接続子CL1を介して中央配線部13Uに接続され、第1スイッチ素子Q1のゲート電極は、第4接続子CL10を介して第1ゲート配線部16Uに接続されている。第1スイッチ素子Q2は、ゲート電極が第4辺X4側に向くように配置され、ドレイン電極が電源配線部12に接続されるように設けられている。第1スイッチ素子Q2のソース電極は第1接続子CL2を介して中央配線部13Vに接続され、第1スイッチ素子Q2のゲート電極は、第4接続子CL11を介して第1ゲート配線部16Vに接続されている。第1スイッチ素子Q3は、ゲート電極が第4辺X4側に配置され、ドレイン電極が電源配線部12に接続されるように設けられている。第1スイッチ素子Q3のソース電極は、第1接続子CL3を介して中央配線部13Wに接続され、第1スイッチ素子Q3のゲート電極は、第4接続子CL12を介して第1ゲート配線部16Wに接続されている。
【0026】
3つの第2スイッチ素子Q4~Q6はそれぞれ、中央配線部13U,13V,13W上の第1辺X1側の位置に設けられている。3つの第2スイッチ素子Q4~Q6はそれぞれ、各スイッチ素子の表面側にソース電極とゲート電極とが並んで形成され、裏面側にドレイン電極が形成されている。第2スイッチ素子Q4は、ゲート電極が第3辺X3側に配置され、ドレイン電極が中央配線部13Uに接続されるように設けられている。第2スイッチ素子Q4のソース電極は、第2接続子CL4を介してソース配線部15Uに接続され、第2スイッチ素子Q4のゲート電極は、第5接続子CL13を介して第2ゲート配線部17Uに接続されている。第2スイッチ素子Q5は、ゲート電極が第4辺X4側に向くように配置され、ドレイン電極が中央配線部13Vに接続されるように設けられている。第2スイッチ素子Q5のソース電極は、第2接続子CL5を介してソース配線部15Vに接続され、第2スイッチ素子Q5のゲート電極は、第5接続子CL14を介して第2ゲート配線部17Vに接続されている。第2スイッチ素子Q6は、ゲート電極が第4辺X4側に配置され、ドレイン電極が中央配線部13Wに接続されるように設けられている。第2スイッチ素子Q6のソース電極は、第2接続子CL6を介してソース配線部15Wに接続され、第2スイッチ素子Q6のゲート電極は、第5接続子CL15を介して第2ゲート配線部17Wに接続されている。
【0027】
3つの第3スイッチ素子Q7~Q9はそれぞれ、出力配線部14U,14V,14Wの略中央の位置に設けられている。3つの第3スイッチ素子Q7~Q9はそれぞれ、各スイッチ素子の表面側にソース電極とゲート電極とが並んで形成され、裏面側にドレイン電極が形成されている。第3スイッチ素子Q7は、ゲート電極が第1辺X1側に向くように配置され、ドレイン電極が出力配線部14Uに接続されるように設けられている。第3スイッチ素子Q7のソース電極は、第3接続子CL7を介して中央配線部13Uに接続され、第3スイッチ素子Q7のゲート電極は、第6接続子CL16を介して第3ゲート配線部18Uに接続されている。第3スイッチ素子Q8は、ゲート電極が第1辺X1側に向くように配置され、ドレイン電極が出力配線部14Vに接続されるように設けられている。第3スイッチ素子Q8のソース電極は、第3接続子CL8を介して中央配線部13Vに接続され、第3スイッチ素子Q8のゲート電極は、第6接続子CL17を介して第3ゲート配線部18Vに接続されている。第3スイッチ素子Q9は、ゲート電極が第1辺X1側に向くように配置され、ドレイン電極が出力配線部14Wに接続されるように設けられている。第3スイッチ素子Q9のソース電極は第3接続子CL9を介して中央配線部13Wに接続され、第3スイッチ素子Q9のゲート電極は、第6接続子CL18を介して第3ゲート配線部18Wに接続されている。
【0028】
3つのシャント抵抗R1~R3はそれぞれ、ソース配線部15U,15V,15W及び接地配線部10U,10V,10Wの第1辺X1側の位置に、ソース配線部15U,15V,15W及び接地配線部10U,10V,10Wに跨って設けられている。シャント抵抗R1は、ソース配線部15Uと接地配線部10Uとを接続するように跨がって設けられている。シャント抵抗R2は、ソース配線部15Vと接地配線部10Vとを接続するように跨がって設けられている。シャント抵抗R3は、ソース配線部15Wと接地配線部10Wとを接続するように跨がって設けられている。
【0029】
サーミスタRTは、第1サーミスタ配線部LT1の第2辺X2側の端部側と第2サーミスタ配線部LT2の第2辺X2側の端部側に跨がって設けられている。
【0030】
電源端子VCC、3つのモータ端子U,V,W、接地端子GND、及び複数の信号端子30は、いずれも導電性の板状部材を加工してなる。電源端子VCC、3つのモータ端子U,V,W及び接地端子GNDは、基板Xとは別の基板等に接続される各端子の外部接続部が第2辺X2の外側位置に第2辺X2に沿って並ぶように設けられており、第3辺X3側から順番に、モータ端子U、モータ端子V、接地端子GND、電源端子VCC、モータ端子Wの順に配置されている。なお、以下では、3つのモータ端子U,V,Wを、第1モータ端子U、第2モータ端子V、第3モータ端子Wとも称して説明する。電源端子VCCは、封止部材Aの外部に配置される外部接続部と、その外部接続部に繋がる基体部と、その基体部から延びた先端部に設けられた内部接続部とを有する。電源端子VCCの内部接続部は、電源配線部12に実装された第1スイッチ素子Q2の側方位置において、電源配線部12に接続される。電源端子VCCの外部接続部は、当該内部接続部から第2辺X2方向に延びて封止部材Aの外部に突出した位置に配置される。
【0031】
第1モータ端子Uは、封止部材Aの外部に配置される外部接続部と、その外部接続部に繋がる基体部と、その基体部から延びる腕部と、その腕部の先端部に設けられた内部接続部とを有する。第1モータ端子Uの内部接続部は、出力配線部14Uに接続される。第1モータ端子Uの外部接続部は、基板Xの第2辺X2の外側位置において、最も第3辺X3側の位置に配置される。第1モータ端子Uの腕部は、上記のように内部及び外部接続部が配置されるようにクランク状に曲がった形状になっている。
【0032】
第2モータ端子Vは、封止部材Aの外部に配置される外部接続部と、その外部接続部に繋がる基体部と、その基体部から延びる腕部と、その腕部の先端部に設けられた内部接続部とを有する。第2モータ端子Vの内部接続部は、出力配線部14Vに接続される。第2モータ端子Vの外部接続部は、基板Xの第2辺X2の外側位置において、第1モータ端子Uの側方位置に配置される。第2モータ端子Vの腕部は、上記のように内部及び外部接続部が配置されるようにクランク状に曲がった形状になっている。
【0033】
第3モータ端子Wは、封止部材Aの外部に配置される外部接続部と、その外部接続部に繋がる基体部と、その基体部から延びる腕部と、その腕部の先端部に設けられた内部接続部とを有する。第3モータ端子Wの内部接続部は、出力配線部14Wに接続される。第3モータ端子Wの外部接続部は、基板Xの第2辺X2の外側位置において、最も第4辺X4側の位置に配置される。第3モータ端子Wの腕部は、上記のように内部及び外部接続部が配置されるようにクランク状に曲がった形状になっている。
【0034】
複数の信号端子30は、3つの第1ゲート配線部16U,16V,16Wにそれぞれ接続される3つの第1ゲート信号端子GTU,GTV,GTWと、3つの中央配線部13U,13V,13Wにそれぞれ接続される3つの中央信号端子STU、STV,STWと、3つの第2ゲート配線部17U,17V,17Wにそれぞれ接続される3つの第2ゲート信号端子GBU,GBV,GBWと、3つの第3ゲート配線部18U,18V,18Wにそれぞれ接続される3つの第3ゲート信号端子GTU1,GTV1,GTW1と、電源配線部12の第1辺X1側まで延びた部分に接続される電源信号端子VLNKSと、第1及び第2サーミスタ配線部LT1,LT2にそれぞれ接続される第1及び第2サーミスタ端子RTP,RTNと、3つの第1電流検出配線部LC1U,LC1V,LC1Wにそれぞれ接続される3つの第1電流検出端子CP1,CP2,CP3と、3つの第2電流検出配線部LC2U,LC2V,LC2Wにそれぞれ接続される3つの第2電流検出端子CN1,CN2,CN3とを有する。複数の信号端子30は、基板Xとは別の基板等に接続される各端子の外部接続部が第1辺X1の外側位置に第1辺X1に沿って並ぶように設けられている。
【0035】
基板Xの表面Sには、図2及び図3に示すように、モータ端子Uを介して3相モータに供給される電力を制御するための回路が構成されるU相領域UA(第1相領域)と、モータ端子Vを介して3相モータに供給される電力を制御するための回路が構成されるV相領域VA(第2相領域)と、モータ端子Wを介して3相モータに供給される電力を制御するための回路が構成されるW相領域WA(第3相領域)とが、この順序で第3辺X3側から第4辺X4側に向かって並んで形成されている。
【0036】
U相領域UAには、第1スイッチ素子Q1、第1接続子CL1、中央配線部13U、第2スイッチ素子Q4、第2接続子CL4、ソース配線部15U、シャント抵抗R1、接地配線部10U、第3接続子CL7、第3スイッチ素子Q7、出力配線部14U、第4接続子CL10、第5接続子CL13、及び第6接続子CL16が配置されている。U相領域UAにおいて、電源端子VCCは、図2図3及び図6に示すように、電源配線部12、第1接続子CL1、第1スイッチ素子Q1、中央配線部13U、第2スイッチ素子Q4、第2接続子CL4、ソース配線部15U、シャント抵抗R1、及び接地配線部10Uを介して接地端子GNDと電気的に接続される。また、電源端子VCCは、中央配線部13Uから第3接続子CL7、第3スイッチ素子Q7、及び出力配線部14Uを介してモータ端子Uと電気的に接続され、モータ端子Uから3相モータに供給される電力の制御回路が構成されている。
【0037】
V相領域VAには、第1スイッチ素子Q2、第1接続子CL2、中央配線部13V、第2スイッチ素子Q5、第2接続子CL5、ソース配線部15V、シャント抵抗R2、接地配線部10V、第3接続子CL8、第3スイッチ素子Q8、出力配線部14V、第4接続子CL11、第5接続子CL14、及び第6接続子CL17が配置されている。V相領域VAにおいて、電源端子VCCは、電源配線部12、第1接続子CL2、第1スイッチ素子Q2、中央配線部13V、第2スイッチ素子Q5、第2接続子CL5、ソース配線部15V、シャント抵抗R2、及び接地配線部10Vを介して接地端子GNDと電気的に接続される。また、電源端子VCCは、中央配線部13Vから第3接続子CL8、第3スイッチ素子Q8、及び出力配線部14Vを介してモータ端子Vと電気的に接続され、モータ端子Vから3相モータに供給される電力の制御回路が構成されている。
【0038】
W相領域WAには、第1スイッチ素子Q3、第1接続子CL3、中央配線部13W、第2スイッチ素子Q6、第2接続子CL6、ソース配線部15W、シャント抵抗R3、接地配線部10W、第3接続子CL9、第3スイッチ素子Q9、出力配線部14W、第4接続子CL12、第5接続子CL15、及び第6接続子CL18が配置されている。W相領域WAにおいて、電源端子VCCは、電源配線部12、第1接続子CL3、第1スイッチ素子Q3、中央配線部13W、第2スイッチ素子Q6、第2接続子CL6、ソース配線部15W、シャント抵抗R3、及び接地配線部10Wを介して接地端子GNDと電気的に接続される。また、電源端子VCCは、中央配線部13Wから第3接続子CL9、第3スイッチ素子Q9、及び出力配線部14Wを介してモータ端子Wと接続され、モータ端子Wから3相モータに供給される電力の制御回路が構成されている。
【0039】
図3に示すように、U相領域UAにおいて破線BL1で示す領域内の回路構成と、V相領域VAにおいて破線BL2で示す領域内の回路構成とは、境界線AX1に対して線対称の配置構成になっている。また、U相領域UAにおいて破線BL1で示す回路構成と、W相領域WAにおいて破線BL3で示す領域内の回路構成とは、基板Xの長辺方向の中心を通る直線AX2に対して線対称の配置構成になっている。さらに、V相領域VAにおいて破線BL2で示す領域内の回路構成と、W相領域WAにおいて破線BL3で示す領域内の回路構成とは、同じ配置構成になっている。
【0040】
次に、接地端子GNDの構成について説明する。なお、以下の説明では、図5に示す前後、左右及び上下の矢印の方向を、前後方向、左右方向及び上下方向と称して説明する。接地端子GNDは、図4及び図5に示すように、封止部材Aの外部に配置される外部接続部21(特許請求の範囲に記載の「第1接続部」に相当)と、外部接続部21から略直交する方向に折り曲げられて繋がる基体部22と、基体部22から3つの方向に分岐して繋がる3つの腕部23U,23V,23Wと、3つの腕部23U,23V,23Wの先端部にそれぞれ設けられた3つの内部接続部24U,24V,24W(特許請求の範囲に記載の「複数の第2接続部」に相当)とを有する。外部接続部21は、基板Xとは別の基板等(特許請求の範囲に記載の「第1接続対象部」に相当)に接続される。3つの内部接続部24U,24V,24Wはそれぞれ、基板X上の接地配線部10U,10V,10W(特許請求の範囲に記載の「複数の第2接続対象部」に相当)に接続される。なお、以下では、3つの腕部23U,23V,23Wを、第1腕部23U、第2腕部23V、第3腕部23Wとも称する。また、3つの内部接続部24U,24V,24Wを、第1内部接続部24U、第2内部接続部24V、第3内部接続部24Wとも称する。
【0041】
外部接続部21は、上下方向に延びる板状部材である。基体部22は、外部接続部21の下端部に繋がって前方に延びる板状部材であり、その前端部側が左右方向に幅広になった平面視T字形状になっている。
【0042】
3つの腕部23U,23V,23Wはそれぞれ、基体部22の幅広になった前端部に繋がって前方に延びる長尺板状部材である。3つの腕部23U,23V,23Wは、断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しくなっている。第1腕部23Uは、基体部22の前端部における左端側の位置に繋がっている。第1腕部23Uは、基体部22から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から左斜め前方に延びる中腕部と、中腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第1腕部23Uの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第1内部接続部24Uが設けられている。
【0043】
第2腕部23Vは、基体部22の前端部における中央位置に繋がっている。第2腕部23Vは、第1腕部23Uと同様に、基体部22から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から左斜め前方に延びる中腕部と、中腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第2腕部23Vの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第2内部接続部24Vが設けられている。第2腕部23Vは、第1腕部23Uの右側に隣接した位置において、後腕部から前腕部までの全体が第1腕部23Uの全体と並行に並んで延びている。第2腕部23Vの前端に設けられた第2内部接続部24Vは、第1腕部23Uの前端に設けられた第1内部接続部24Uの右側に隣接した位置において、第1内部接続部24Uと並んだ配置になっている。
【0044】
第3腕部23Wは、基体部22の前端部における右端側の位置に繋がっている。第3腕部23Wは、基体部22から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から右斜め前方に延びる第1中腕部と、第1中腕部の前端から前方に延びる第2中腕部と、第2中腕部の前端から右斜め前方に延びる第1前腕部と、第1前腕部の前端から前方に延びる第2前腕部とを有する。この第2前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第3内部接続部24Wが設けられている。第3腕部23Wの後腕部は、第2腕部23Vの後腕部の右側に隣接した位置において、第2腕部23Vの後腕部と並行に並んで延びている。第3腕部23Wの前端に設けられた第3内部接続部24Wは、第2腕部23Vの前端に設けられた第2内部接続部24Vの右方に離隔した位置において、第2内部接続部24Vと並んだ配置になっている。
【0045】
接地端子GNDは、外部接続部21から第1内部接続部24Uまでの第1配線長L1と、外部接続部21から第2内部接続部24Vまでの第2配線長L2と、外部接続部21から第3内部接続部24Wまでの第3配線長L3とが同じ長さになっている。接地端子GNDでは、各内部接続部24U,24V,24Wから外部接続部21までの電流経路が基体部22において合流するため、その合流点26から外部接続部21までの経路は共通である。そのため、接地端子GNDでは、合流点26から3つの内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれの配線長が同じ長さになっているとも言い換えることができる。
【0046】
接地端子GNDでは、3つの腕部23U,23V,23Wにおける断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しく、上記のように第1~第3配線長L1~L3をそれぞれ同じ長さにすることにより、外部接続部21から3つの内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが、同じインダクタンスとなるように設定されている(各インダクタンスを均等化している)。なお、各腕部のインダクタンスLsは、各腕部の配線長をLとし、腕部の幅をWとし、厚さをHとしたときに、以下の式で算出される。
【数1】
【0047】
このように構成される接地端子GNDは、図2及び図4に示すように、第1内部接続部24Uの下面がU相領域UAの接地配線部10Uに接続され、第2内部接続部24Vの下面がV相領域VAの接地配線部10Vに接続され、第3内部接続部24Wの下面がW相領域WAの接地配線部10Wに接続される。電子モジュール1が封止部材Aによって封止された状態において、接地端子GNDは、基体部22の大部分(外部接続部21と繋がる部分側の一部を除く部分)及び3つの腕部23U,23V,23Wが封止部材Aの内部に配置される。
【0048】
第1実施形態に係るリード端子GND及び電子モジュール1によれば、外部接続部21から複数の内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが均等化されているため、他の相と接続される別の第2接続部及び腕部からのスイッチングノイズの影響を受け難くなる。従って、意図しないタイミングでスイッチがオンする等の誤動作が起こることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0049】
また、第1実施形態に係るリード端子GND及び電子モジュール1によれば、基板Xとは別の基板等に接続される外部接続部21と、外部接続部21に繋がる基体部22と、基体部22から分岐して繋がる複数の腕部23U,23V,23Wと、複数の腕部23U,23V,23Wの先端部にそれぞれ設けられ、複数の内部接続対象部にそれぞれ接続される複数の内部接続部24U,24V,24Wとを備えるため、外部接続部21から基体部22、腕部23U,23V,23W及び内部接続部24U,24V,24Wを介して基板X上の接地配線部10U,10V,10Wに直接接続することができる。従って、特許文献1の接地バスバーのような基板上の配線が必要なく、設置面積を小さくすることができることから、電子モジュールを小型化することができる。
【0050】
また、第1実施形態に係るリード端子GND及び電子モジュール1によれば、腕部23U,23V,23Wの断面の周囲長がそれぞれ等しいため、各腕部23U,23V,23Wのインダクタンスを高い精度で均等化することができ、信頼性をより高くすることができる。
【0051】
また、第1実施形態に係るリード端子GND及び電子モジュール1によれば、複数の腕部は3つの腕部23U,23V,23Wからなり、3つの腕部23U,23V,23Wの先端部にそれぞれ設けられた3つの内部接続部24U,24V,24Wを備えるため、3相モータに供給される電力を制御するための回路が構成されるU相領域UA、V相領域VA、W相領域WAのそれぞれの配線部(接地配線部10U,10V,10W)と基板X以外の基板等と接続するのに適したリード端子GNDとなる。
【0052】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る電子モジュールは、第1実施形態に係る電子モジュール1の接地端子GNDに代えて、接地端子GND2を備える点だけが異なり、その他の構成は上記電子モジュール1と同様である。そのため、第2実施形態においては、接地端子GND2の構成を説明し、その他の構成については省略する。なお、第2実施形態の説明では、図8に示す前後、左右及び上下の矢印の方向を、前後方向、左右方向及び上下方向と称して説明する。
【0053】
接地端子GND2は、図7及び図8に示すように、封止部材Aの外部に配置される外部接続部21と、外部接続部21から略直交する方向に折り曲げられて繋がる基体部22aと、基体部22aから2つの方向に分岐して繋がる2つの腕部23UV,23Wと、2つの腕部23UV,23Wの先端部にそれぞれ設けられた2つの内部接続部24UV,24Wとを有する。内部接続部24UVは、基板X上の2つの接地配線部10U,10Vに跨って接続される。内部接続部24Wは、基板X上の接地配線部10Wに接続される。なお、以下では、2つの腕部23UV,23Wを、第1腕部23UV、第2腕部23Wとも称する。また、2つの内部接続部24UV,24Wを、第1内部接続部24UV、第2内部接続部24Wとも称する。
【0054】
外部接続部21は、上下方向に延びる板状部材である。基体部22aは、外部接続部21の下端部に繋がって前方に延びる板状部材であり、その前端部側が左右方向に幅広になった平面視T字形状になっている。
【0055】
2つの腕部23UV,23Wはそれぞれ、基体部22aの幅広になった前端部に繋がって前方に延びる長尺板状部材である。2つの腕部23UV,23Wは、断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しくなっている。第1腕部23UVは、基体部22aの前端部における左端側の位置に繋がっている。第1腕部23UVは、基体部22aから前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から左斜め前方に延びる中腕部と、中腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第1腕部23UVの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第1内部接続部24UVが設けられている。
【0056】
第2腕部23Wは、基体部22の前端部における右端側の位置に繋がっている。第2腕部23Wは、基体部22aから前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から右斜め前方に延びる第1中腕部と、第1中腕部の前端から前方に延びる第2中腕部と、第2中腕部の前端から右斜め前方に延びる第1前腕部と、第1前腕部の前端から前方に延びる第2前腕部とを有する。この第2前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第2内部接続部24Wが設けられている。第2腕部23Wの後腕部は、第1腕部23UVの後腕部の右側に隣接した位置において、第1腕部23UVの後腕部と並行に並んで延びている。第2腕部23Wの前端に設けられた第2内部接続部24Wは、第1腕部23UVの前端に設けられた第1内部接続部24UVの右方に離間した位置において、第1内部接続部24UVと並んだ配置になっている。
【0057】
接地端子GND2は、外部接続部21から第1内部接続部24UVまでの第1配線長L4と、外部接続部21から第2内部接続部24Wまでの第2配線長L5とが同じ長さになっている。接地端子GND2では、各内部接続部24UV,24Wから外部接続部21までの電流経路が基体部22aにおいて合流するため、その合流点27から外部接続部21までの経路は共通である。そのため、接地端子GND2では、合流点27から2つの内部接続部24UV,24Wまでのそれぞれの配線長が同じ長さになっているとも言い換えることができる。
【0058】
接地端子GND2では、2つの腕部23UV,23Wにおける断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しく、上記のように第1及び第2配線長L4,L5をそれぞれ同じ長さにすることにより、外部接続部21から2つの内部接続部24UV,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが、同じインダクタンスとなるように設定されている(各インダクタンスを均等化している)。
【0059】
このように、第2実施形態に係る接地端子GND2及び電子モジュール2は、リード端子の構成が第1実施形態に係る接地端子GND及び電子モジュール1の場合とは異なるが、第1実施形態に係る電子モジュール1の場合と同様に、外部接続部21から複数の内部接続部24UV,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが均等化されているため、他の相と接続される別の内部接続部及び腕部からのスイッチングノイズの影響を受け難くなる。従って、意図しないタイミングでスイッチがオンする等の誤動作が起こることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0060】
なお、第2実施形態に係る電子モジュール及び接地端子GND2では、接地端子GNDの構成以外については、第1実施形態に係る電子モジュール1及び接地端子GNDと同様の構成を有するため、第1実施形態に係る電子モジュール1及び接地端子GNDが有する効果のうち該当する効果を有する。
【0061】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る電子モジュールは、第1実施形態に係る電子モジュール1の接地端子GNDに代えて、接地端子GND3を備える点だけが異なり、その他の構成は上記電子モジュール1と同様である。そのため、第3実施形態においては、接地端子GND3の構成を説明し、その他の構成については省略する。なお、第3実施形態の説明では、図10に示す前後、左右及び上下の矢印の方向を、前後方向、左右方向及び上下方向と称して説明する。
【0062】
接地端子GND3は、図9及び図10に示すように、封止部材Aの外部に配置される外部接続部21と、外部接続部21から略直交する方向に折り曲げられて繋がる基体部22と、基体部22に繋がり左右方向に広がった前方向に伸びる共通リードフレーム25と、基体部22から共通リードフレーム25を介して分岐して繋がる3つの腕部23U,23V,23Wと、3つの腕部23U,23V,23Wの先端部にそれぞれ設けられた3つの内部接続部24U,24V,24Wとを有する。
【0063】
外部接続部21は、上下方向に延びる板状部材である。基体部22は、外部接続部21の下端部に繋がって前方に延びる板状部材であり、その前端部側が左右方向に幅広になった平面視T字形状になっている。
【0064】
共通リードフレーム25は、基体部22の前端部側と繋がって左右方向に広がり前方に延びる板状部材である。共通リードフレーム25は、基体部22から前方に延びる後フレーム部と、後フレーム部の前端から右側がテーパ状に広がりながら前方に延びる第1中フレーム部と、第1中フレーム部の前端から右側がテーパ状に広がるとともに左側もテーパ状に広がりながら前方に延びる第2中フレーム部と、第2中フレーム部の前端から前方に延びる前フレーム部とを有する。いわば、共通リードフレーム25は、第1実施形態における3つの腕部23U,23V,23Wにおける互いに隣接する腕部の間の空間を埋めた形状を有する。共通リードフレーム25は、第1スイッチ素子Q2のゲート電極近傍を除く大部分、第3スイッチ素子Q8の角の一部分を除く大部分、第2スイッチ素子Q5全体、第3スイッチ素子Q7の第4辺X4側の4割程度、及び、第3スイッチ素子Q9の第3辺X3側の4割程度を覆っている。
【0065】
3つの腕部23U,23V,23Wはそれぞれ、共通リードフレーム25の幅広になった前端部に繋がって前方に延びる長尺板状部材である。3つの腕部23U,23V,23Wは、断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しくなっている。第1腕部23Uは、共通リードフレーム25の前端部における左端側の位置に繋がっている。第1腕部23Uは、共通リードフレーム25の前端部から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第1腕部23Uの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第1内部接続部24Uが設けられている。
【0066】
第2腕部23Vは、共通リードフレーム25の前端部における第1腕部23Uの右側に隣接した位置に繋がっている。第2腕部23Vは、共通リードフレーム25の前端部から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第1腕部23Uの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第2内部接続部24Vが設けられている。第2腕部23Vの後腕部から前腕部までの全体が第1腕部23Uの全体と並行に並んで延びている。
【0067】
第3腕部23Wは、共通リードフレーム25の前端部における右端側の位置に繋がっている。第3腕部23Wは、共通リードフレーム25の前端部から前方に延びる後腕部と、後腕部の前端から前方に延びる前腕部とを有する。第3腕部23Wの前腕部の前端側は斜め下方に折り曲げられており、その前端部に繋がって前方に延びる平板状の第3内部接続部24Wが設けられている。
【0068】
接地端子GND3における、外部接続部21から第1内部接続部24Uまでの間と、外部接続部21から第2内部接続部24Vまでの間と、外部接続部21から第3内部接続部24Wまでの間において、3つの腕部23U,23V,23Wと基体部22との間に共通リードフレーム25が形成されている。従って、接地端子GND3では、各内部接続部24U,24V,24Wから外部接続部21までの電流経路が共通リードフレーム25において共通するため、3つの腕部23U,23V,23Wから外部接続部21までの経路は共通である。そのため、接地端子GND3では、3つの腕部23U,23V,23Wから3つの内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれの配線長が同じ長さになっているとも言い換えることができる。
【0069】
接地端子GND3では、3つの腕部23U,23V,23Wにおける断面の周囲長(幅及び厚さ)がそれぞれ等しく、上記のように3つの腕部23U,23V,23Wから外部接続部21までの長さをそれぞれ同じ長さにすることにより、外部接続部21から3つの内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが、同じインダクタンスとなるように設定されている(各インダクタンスを均等化している)。
【0070】
このように、第3実施形態に係る接地端子GND3及び電子モジュール3は、接地端子GNDに代えて、接地端子GND3を備える点で第1実施形態に係る接地端子GND及び電子モジュール1の場合とは異なるが、第1実施形態に係る接地端子GND及び電子モジュール1の場合と同様に、外部接続部21から複数の内部接続部24U,24V,24Wまでのそれぞれのインダクタンスが均等化されているため、他の相と接続される別の内部接続部及び腕部からのスイッチングノイズの影響を受け難くなる。従って、意図しないタイミングでスイッチがオンする等の誤動作が起こることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0071】
また、第3実施形態に係る電子モジュール及び接地端子GND3によれば、3つの腕部23U,23V,23Wと基体部22との間に形成された共通リードフレーム25を備えるため、共通リードフレーム25によって電子部品(第1スイッチ素子Q2、第3スイッチ素子Q8、第2スイッチ素子Q5、第3スイッチ素子Q7、及び、第3スイッチ素子Q9)を覆うことができ、電子部品から発生することがある電磁ノイズを遮断することができる。
【0072】
また、第3実施形態に係る電子モジュール及び接地端子GND3によれば、3つの腕部23U,23V,23Wと基体部22との間に形成された共通リードフレーム25を備えるため、基体部22から細長い腕部に分岐した場合と比較して、抵抗成分が小さく、インダクタンスを小さくすることができる。
【0073】
なお、第3実施形態に係る電子モジュール及び接地端子GND3では、接地端子GNDに代えて、接地端子GND3を備える点以外については、第1実施形態に係る電子モジュール1及び接地端子GNDと同様の構成を有するため、第1実施形態に係る電子モジュール1及び接地端子GNDが有する効果のうち該当する効果を有する。
【0074】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0075】
上記各実施形態において記載した形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0076】
上記各実施形態では、接地端子において、各腕部の断面の周囲長(幅及び厚さ)を等しく、外部接続部から複数の内部接続部までのそれぞれの配線長を等しくすることにより、外部接続部から複数の内部接続部までのそれぞれのインダクタンスが均等化されている。しかしながら、腕部の断面の周囲長と、外部接続部から複数の内部接続部までのそれぞれの配線長とを適宜調整することにより、それぞれの当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。すなわち、外部接続部から複数の内部接続部までのそれぞれの配線長や、腕部の断面の周囲長(幅及び厚さ)が等しくなくてもよい。
【0077】
例えば、図11に示すように、3つの腕部23U,23V,23Wにおける第1~第3配線長L1~L3はそれぞれ同じ長さであるが、第3腕部23Wの幅が第1及び第2腕部23U,23Vの幅よりも小さい場合には、第3腕部23Wの厚さを第1及び第2腕部23U,23Vの厚さよりも大きくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。図12に示すように、3つの腕部23U,23V,23Wにおける第1~第3配線長L1~L3はそれぞれ同じ長さであるが、第3腕部23Wの幅が第1及び第2腕部23U,23Vの幅よりも大きい場合には、第3腕部23Wの厚さを第1及び第2腕部23U,23Vの厚さよりも小さくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。なお、幅や厚さの値については、前述の式から算出される。
【0078】
図13に示すように、第3腕部23Wの第3配線長L3が、第1及び第2腕部23U,23Vの第1及び第2配線長L1,L2よりも短い場合には、第3腕部23Wの幅を第1及び第2腕部23U,23Vの幅よりも小さくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。このとき、幅ではなく、第3腕部23Wの厚さを第1及び第2腕部23U,23Vの厚さよりも小さくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。さらに、幅及び厚さの両方を小さくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。図14に示すように、第3腕部23Wの第3配線長L3が、第1及び第2腕部23U,23Vの第1及び第2配線長L1,L2よりも長い場合には、第3腕部23Wの厚さを第1及び第2腕部23U,23Vの厚さよりも大きくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。このとき、厚さではなく、第3腕部23Wの幅を第1及び第2腕部23U,23Vの幅よりも大きくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。さらに、幅及び厚さの両方を大きくすることにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。なお、幅や厚さの値については、上記の式から算出される。このように腕部の幅、厚さ及び配線長の少なくともいずれかを調整することにより、当該インダクタンスを均等化するようにしてもよい。
【0079】
上記各実施形態では、本発明に係るリード端子を接地端子に適用した例について説明したが、本発明に係るリード端子は、接地端子以外の端子に適用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…電子モジュール、10U,10V,10W,10VW…接地配線部、21…外部接続部(第1接続部)、22,22a…基体部、23U,23V,23W,23UV…腕部、24U,24V,24W,24UV…内部接続部(第2接続部)、共通リードフレーム25,GND,GND2,GND3,GND4,GND5,GND6,GND7…リード端子(接地端子)
図1
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