(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085879
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】仕分け機
(51)【国際特許分類】
B07C 5/36 20060101AFI20220601BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B07C5/36
B65G47/82 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021190779
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10 2020 131 570.8
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506186673
【氏名又は名称】ヴィポテック ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】ADAM-HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】テオ ドュプレ
(72)【発明者】
【氏名】マテイアス ヨアヒム
【テーマコード(参考)】
3F017
3F079
【Fターム(参考)】
3F017AA01
3F017AB07
3F017BA01
3F079AD11
3F079AD17
3F079CA41
3F079CC07
3F079DA12
3F079DA21
3F079EA02
3F079EA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カオス的な配列と互いに相違する寸法とを有する搬送ベルト上の製品を、搬送速度が高い場合にも的確に選別できるようにするために、短い全長を有する装置および方法を提供する。
【解決手段】離散した製品を選別するための仕分け機において、旋回位置に応じて、選別されるべき不合格製品のための仕分けギャップを搬送経路で開くか、または合格製品のさらなる搬送をサポートするために仕分けギャップを閉じる、互いに並んで位置する仕分けフィンガの構造を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
離散した製品を製品流から仕分けするための仕分け機(A)であって、製品流は、仕分けされるべき不合格製品(Pa)とさらに搬送されるべき合格製品(PW)とを含み、製品(Pa,PW)は特に不統一なジオメトリーおよび/または相互間隔を有し、横方向(Y)に対して直交して延びる搬送方向(X)へ供給ベルト(K)によって搬送され、
a)各々の不合格製品(Pa)は前記供給ベルトの上での位置によって個別的にこれに割り当てられる軌道(Ta)を定義し、前記軌道の上で搬送方向(X)に搬送され、前記軌道(Ta)の位置は横方向(Y)とその軌道幅とに関して前記不合格製品(Pa)の横方向位置(Ya)と製品幅(Wa)とによって定義され、
b)前記供給ベルト(K)の上面は搬送方向(X)およびこれに対して直交して延びる横方向(Y)とともに搬送平面(E)を定義し、
c)前記仕分け機(A)は、横方向(Y)で好ましくは一直線上に互いに並ぶように横に並んで位置する、それぞれ仕分け位置(ST)から搬送位置(SF)へ、およびこれから戻るように可動である少なくとも3つの、好ましくは多数の、好ましくは同一構造の幅の狭い仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)を備える仕分け構造(S)を含み、各々の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は、
c1)前記仕分け位置(ST)にあるとき、それぞれの前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)に割り当てられた部分ギャップ(U1,U2,U3...)を搬送平面(E)で解放して、前記仕分け構造(S)に供給される不合格製品(Pa)を搬送方向(X)から出るように、および複数の隣接する部分ギャップ(U1,U2,U3...)から共同で形成される仕分けギャップ(U)を通過して選別することができるようにするために構成され、および
c2)搬送位置(SF)にあるとき、付属の部分ギャップ(U1,U2,U3...)を閉じて、合格製品(PW)を搬送平面(E)でさらに搬送できるようにするために構成され、
d)前記仕分け機は、不合格製品(Pa)の軌道(Ta)に位置する前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)を仕分け位置(ST)へと動かしてそこで保持し、それによって不合格製品(Pa)に適合する仕分けギャップ(U)をその個別的な軌道(Ta)で形成するために設計され、
e)前記仕分け構造(S)の少なくとも3つの、好ましくはすべての前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)がそれぞれ互いに独立して仕分け位置(ST)から搬送位置(SF)へ、およびこれから戻るように可動である、仕分け機。
【請求項2】
各々の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は搬送位置(SF)にあるとき、好ましくは駆動可能な移送ベルトを有する最も上の搬送区域をもって搬送平面(E)に位置して、合格製品(PW)を搬送方向(X)でのさらなる搬送のときに支持および/または搬送することを特徴とする、請求項1に記載の仕分け機(A)。
【請求項3】
各々の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は、それ自体と、上流側に配置された前記供給ベルト(K)との間で、仕分け位置(ST)をとるために1つの区域をもって搬送位置(SF)から上方に向かって上方回動することによって、付属の部分ギャップ(U1,U2,U3...)を解放することを特徴とする、請求項1または2に記載の仕分け機(A)。
【請求項4】
各々の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は仕分け位置(ST)にあるとき、不合格製品(Pa)のほうを向く、好ましくは駆動可能な仕分けベルトを含む仕分け側面(M)をもって搬送平面(E)から突き出して、不合格製品(Pa)を前記仕分け側面(M)との接触時に搬送方向(X)から出して部分ギャップ(U1,U2,U3...)を通るように下方へ誘導することを特徴とする、先行請求項1から3のいずれか1項に記載の仕分け機(A)。
【請求項5】
各々の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は、それ自体と、下流側に接する搬送面(F)との間で、仕分け位置(ST)をとるために搬送位置(SF)から1つの区域をもって下方に向かって離反回動することによって、部分ギャップ(U1,U2,U3...)を空けることを特徴とする、請求項1または2に記載の仕分け機(A)。
【請求項6】
横方向(Y)で好ましくは一直線上に並ぶように互いに並んで位置し、それぞれ誘導位置(LL)から解放位置(LF)へ、およびこれから戻るように可動である少なくとも3つの、好ましくは多数の、好ましくは同一構造の誘導フィンガ(L1,L2,L3...)からなる、前記仕分け構造(S)または搬送平面(E)の上方に位置決めされた誘導構造(L)をさらに有し、各々の前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)は、
a)誘導位置(LL)にあるときには搬送平面(E)に対して垂直に作用する力をもって不合格製品(Pa)を付勢し、複数の前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)からなるグループ(GS)により形成される仕分けギャップ(U)の中へと誘導し、
b)解放位置(LF)にあるときには合格製品(PW)のための搬送経路を解放する、請求項5に記載の仕分け機(A)。
【請求項7】
少なくとも2つの、好ましくはすべての前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)がそれぞれ互いに独立して誘導位置(LL)から解放位置(LF)へ、およびこれから戻るように可動であることを特徴とする、先行請求項1から6のいずれか1項に記載の仕分け機(A)。
【請求項8】
各々の前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)は誘導位置(LL)にあるとき、好ましくは駆動可能な駆動ベルトを含む、不合格製品(Pa)のほうを向く誘導側面(B)を有し、それにより不合格製品(Pa)を前記誘導側面(B)との接触時に搬送方向(X)から出て部分ギャップ(U1,U2,U3...)を通るように誘導および/または搬送することを特徴とする、請求項6または7に記載の仕分け機(A)。
【請求項9】
前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)は仕分け位置(ST)と搬送位置(SF)の間での運動のためにそれぞれ横方向(Y)に延びる好ましくは共通の旋回軸を中心として旋回可能であり、および/または前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)は誘導位置(LL)と解放位置(LF)の間での運動のためにそれぞれ横方向(Y)に延びる好ましくは共通の旋回軸を中心として旋回可能であることを特徴とする、先行請求項1から8のいずれか1項に記載の仕分け機(A)。
【請求項10】
前記仕分け機は、1つまたは複数の前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)を含む誘導フィンガのグループ(GL)を誘導位置(LL)へと動かしてそこで保持するために構成され、このとき前記グループ(GL)の前記誘導フィンガは横方向(Y)に関して好ましくは仕分けギャップ(U)の内部に位置する、請求項6から9のいずれか1項に記載の仕分け機(A)。
【請求項11】
検知手段(D)が設けられ、前記検知手段によって前記供給ベルト(K)の上の不合格製品(Pa)の軌道(Ta)と長手方向位置(XP)を検知可能であり、それにより、軌道(Ta)に位置する、付属の部分ギャップ(L1,L2,L3...)が共同で十分に幅の広い仕分けギャップ(U)を形成する前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)を操作できるようにして、仕分けギャップ(U)に到来する不合格製品(Pa)をそこで選別する、先行請求項1から10のいずれか1項に記載の仕分け機。
【請求項12】
先行請求項1から11のいずれか1項に記載の仕分け機(A)を用いて搬送流から不合格製品(Pa)を選別する方法において、次の各ステップを含み、
1.前記供給ベルト(K)の上で搬送される選別されるべき不合格製品(Pa)の軌道(Ta)が判定され、
2.前記軌道(Ta)に位置する前記仕分けフィンガ(S1,S2,S3...)のグループ(GS)が判定され、
3.前記グループ(GS)の前記仕分けフィンガが搬送位置(SF)から仕分け位置(ST)へと動かされ、それにより仕分けギャップ(U)を形成して、前記仕分けギャップ(U)を通過するように不合格製品(Pa)を選別する、方法。
【請求項13】
前記軌道(Ta)の判定は少なくとも1つの検知器を用いて行われ、好ましくは、前記供給ベルト(K)の上の不合格製品(Pa)の幅(Wa)および/または横方向位置(Ya)を検出するカメラとこれに対応する画像認識方法を用いて行われる、先行請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記供給ベルト(K)の上での不合格製品(Pa)の搬送速度および/またはその長手方向位置(Xp)が、
a)カメラと画像認識方法を用いて、または
b)前記供給ベルト(K)の動作データの評価のもとで決定され、
それにより不合格製品(Pa)が仕分けギャップ(U)に到達する時点を決定する、両方の先行請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項6から11のいずれか1項に記載の仕分け機(A)を用いて搬送流から不合格製品(Pa)を選別する請求項12から14のいずれか1項に記載の方法において、
横方向(Y)に関して好ましくは軌道(Ta)の内部に位置する前記誘導フィンガ(L1,L2,L3...)のグループ(GL)が選択され、前記誘導フィンガが解放位置(LF)から誘導位置(LL)へと動かされ、それにより1つの時点で、または選択可能な時間の間に、前記グループ(GS)の前記仕分けフィンガと前記グループ(GL)の前記誘導フィンガとが同時に仕分け位置(ST)と誘導位置(LL)をとる方法ステップを含む方法。
【請求項16】
前記供給ベルト(K)の上で搬送される、選別されるべきすべての不合格製品(Pa)についての軌道(Ta)の判定が製品ごとに1回だけ、または周期的に反復して、または恒常的に行われ、または再確認されることを特徴とする、先行方法請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離散した製品を製品流から選別するための仕分け機に関する。このような仕分け機はたとえば食品の生産で利用されており、離散した、すなわち個別の物品がコンベヤベルトの上で搬送され、そのうちいくつかが設定可能な基準に従って製品流から選別される。たとえば製品流はハンバーガー、シュニッツェル、カツレツなどのための肉片を、場合により冷凍されて曲げにくい状態で含むことがあり得る。あるいはそれ以外の食品、錠剤ブリスター、またはその他の特に平坦な製品であって、個別化されて搬送されるものも考えられる。
【背景技術】
【0002】
搬送流からの個々の製品(この場合には「不合格製品」とも呼ぶ)の選別は、搬送ベルトの上のすべての製品が単一の軌道で搬送方向に互いに前後して位置し、搬送方向に対して横向きの位置と軌道幅とが事前に規定されており、すべての製品について同一である場合には比較的容易である。その場合、吹付器や転轍器を有する、搬送方向に対して横向きに作用するスライダ(「プッシャー」)によって、識別された不合格製品を搬送ベルトの横から押し落とすことができる。選別されるべきでない製品(以下においては「合格製品」とも呼ぶ)は付勢を受けず、その代わりに搬送方向でさらに搬送されていく。
【0003】
しかし搬送速度が増すにつれて、選別されるべき製品を正しい瞬間に付勢するために、プッシャーや転轍器が非常に高速で搬送方向に対して横向きに往復運動しなければならなくなる。その場合、必然的に高い質量力がプッシャーや転轍器に作用し、損傷や破損につながりかねない高い加速力が製品に作用する。
【0004】
一方、しばしば製品(合格製品および不合格製品)が互いに相違する寸法をもってカオス的な配列で互いに前後左右して搬送ベルトに載り、そのため、隣接する他の製品に対してそれぞれ異なる間隔を有していたり、互いに接触していたりすることさえある。その場合、プッシャーや転轍器は選別のために不向きである。
【0005】
別案として、選択された製品のための引込ベルトまたは開閉ベルトによって、2つの搬送ベルトの間の搬送経路で一時的にギャップを生起し、それにより、ギャップに到達した製品がこれを通過し、それに伴って製品流から落下することが知られている。しかしながら、各ベルトをギャップに入るように、またはこれから出るように往復移動させるための設計コストは甚大である。というのも、そのような引込ベルトは互いに前後して配置される少なくとも3つの搬送ベルトで構成され、選別されるべき製品を通過させて落とすことができるギャップを開くために、たとえばその中央のベルトをたとえば第1のベルトまたは第3のベルトの下へと引込可能である。能動的な選別のための、および初期位置への開閉ベルトの復帰移動ためのタイムスパンが比較的長く、そのため不合格製品と、その代わりにさらに搬送されるべき合格製品との間で搬送方向に最低間隔を生じさせる。最大で50m/分の高い搬送速度では、およびそれに応じて高速で運動するべき引込ベルトでは、その際に発生する加速力があまりに高い。しかも、互いに相違する寸法を有する製品を選別するのが難しい。プッシャーや転轍器の作業位置と休止位置が、そのような寸法に左右され得るからである。
【発明の概要】
【0006】
したがって本発明の課題は、カオス的な配列と互いに相違する寸法とを有する搬送ベルト上の製品を、搬送速度が高い場合にも的確に選別できるようにするために、前述した欠点を克服するための短い全長を有する装置および方法を提供することにある。この装置はモジュール形式で拡張可能であるのがよく、搬送方向でできる限り短い設計形態を有するのがよく、さらには、製品そのものよりも短いのが好ましい。この課題は、請求項1に記載の仕分け機および請求項12に記載の方法によって解決される。その他の好ましい実施形態は従属請求項から明らかとなる。
【0007】
本発明が依拠する知見は、搬送ベルトの上で共通の搬送方向Xに搬送される各々の製品が、カオス的な配列のもとで、当該製品に独自の軌道を定義し、この軌道に沿って搬送されるということにある。このとき(搬送方向Xに対して直交する)横方向Yでの軌道の位置、および軌道の幅は、搬送ベルトの上の製品の横方向の位置によって、および同じく横方向で測定したその最大の幅によって規定される。このように複数の製品の軌道が、それぞれ異なる多数の横方向位置にあり、異なる幅を有し、特に互いに重なり合うことがあり得る。このような知見から、不合格製品の選別(以下においては場合により「排出」とも呼ぶ)を、当該不合格製品のそれぞれの軌道を特別に考慮したうえで行うという考察が帰結される。(以下において、「幅」または「横方向幅」という表現は、これに関して別段の説明がない限り、常に横方向Yでの寸法を指す。)
【0008】
このことは本発明によると、製品を通常の搬送経路で支持もしくは搬送することができるが、それと同時に、選別されるべき製品にちょうど合わせて設定された(「適合する」)仕分けギャップを形成するように構成された、横方向で(好ましくは一直線上に並ぶように)互いに並んで位置する、幅の細い同種類の多数の仕分けフィンガを含む仕分け構造によって行われる(「フィンガ」という名称は、ここでは一般に、旋回軸から自由突出する長尺状の区域を表すものとする)。「適合する」とは、ここでは製品を通過させて排出するためにギャップが十分に大きいが、不必要に大きくはないことを意味するものとする。そのために仕分けフィンガは、横方向Yに延びる共通の旋回軸を中心として、仕分け位置と搬送位置との間で旋回可能である。個々の仕分けフィンガは、好ましくは供給ベルトの幅全体にわたって、旋回軸に沿って互いに並んで隣接するように旋回軸に配置される。仕分けフィンガは、仕分け機の設計と交換部品の備蓄を簡易化するために、同一構造で製作されるのが好ましい。仕分け構造の個々の仕分けフィンガを付け加え、またはこれから取り外すことによって、仕分けフィンガの配置を、モジュール形式の設計形態で容易に変更することができる。共通の軸に一直線上に並ぶように据え付けられた仕分けフィンガの場合、個々の仕分けフィンガをたとえば容易に追加的に軸に嵌めることができ、またはこれから引き抜くことができる。
【0009】
仕分けギャップは、不合格製品に属する製品軌道に部分的または全面的に位置する、1つのグループの仕分けフィンガの旋回によって生成される。このことは不合格製品が仕分け構造に到達する前の早期に、またはちょうどその瞬間に、行われるのが好ましい。そして選別されるべき製品を、生じている仕分けギャップを通して下方に向かって製品流から落下させることができる。このとき、横方向Yで隣接する合格製品は仕分けギャップの横隣に位置し、そこに搬送位置でとどまっている仕分けフィンガの上でさらに搬送方向Xへ支持もしくは搬送することができる。搬送方向で見て、選別されるべき不合格製品の前および後に配置されている合格製品も、仕分けギャップの開放についてのタイムスロットが、仕分けギャップに不合格製品が当たることと可能な限り正確に同期化されれば、同じくさらに搬送することができる。
【0010】
「合格製品」および「不合格製品」という用語は、ここでは単に、それらが少なくとも1つの基準(たとえば寸法、充填重量、不純物、見た目の外観など)に関して異なる製品であるために、合格製品の以後の搬送経路が、不合格製品の搬送経路とは相違するべきであることを明確にするためのものである。したがって「不合格製品」は、そのような製品を搬送方向Xでさらに搬送するのが望ましくなく、したがって当該製品が製品流から選別されるべきであることを意味するにすぎない。それにもかかわらず「不合格製品」が望ましい製品指標を有していて、以後の処理もしくは販売のために意図され、それに対して「合格製品」に瑕疵があり、搬送方向Xへさらに搬送された後に以後の処理がなされず、もしくは破棄されることもあり得る。すなわち本件出願の意味における「合格製品」と「不合格製品」は、これらの製品が仕分け機によって、先へと続く異なる経路へと誘導されることを示すにすぎない。
【0011】
仕分け構造により、搬送ベルトの上でカオス的に配置された、不統一なジオメトリーを有する場合さえある製品の製品流から、不合格製品を迅速に、かつわずかな設計コストで排出することができ、その横方向位置や幅に左右されないという本発明の利点がもたらされる。従来技術から知られる仕分け機は、たとえば正方形や長方形の基本形状、最大の直径または許容範囲内で遵守されるべき直径、一定の辺の長さ、特定の製品高さなど、特定の幾何学寸法を有する製品に合わせて適合化されることが多い。本発明による仕分け機は、製品をその寸法や特定のフォーマットに関わりなく-すなわち「フォーマットフリー」で-搬送および仕分けすることを可能にする。各々の不合格製品について、その個別的な寸法をベースとしたうえで、付属の個別的な軌道が判定されるからである。仕分け機への供給部における製品(合格製品と不合格製品)の配置も、無選択的すなわちカオス的に行うことができる。各々の製品について、その寸法と軌道が個別的に判定されるからである。
【0012】
そのために本発明による仕分け機は、離散した製品(合格製品と不合格製品)がX方向に搬送される供給ベルトを含む。各々の製品が、これに個別的に割り当てられる軌道を定義し、当該製品がその軌道上で搬送方向に搬送される。搬送方向Xに対して直交して延びる横方向Yに関する軌道の位置は、対応する製品の相応の横方向位置によって設定され、同様に軌道幅は、着目される製品の幅によって、たとえば選別されるべき不合格製品の幅によって定義される。供給ベルトの上面は、搬送方向Xおよび横方向Yとともに搬送平面Eを定義する。高さ方向Zは、搬送方向Xおよび横方向Yに対して直交して延びる。
【0013】
さらに、横方向で互いに並んで位置し、それぞれ仕分け位置から搬送位置へ、およびこれから戻るように可動である少なくとも3つの、好ましくは多数の、幅の細い仕分けフィンガの仕分け構造が仕分け機に属する。このとき各々の仕分けフィンガは、仕分け位置にあるとき、自身に割り当てられた部分ギャップを搬送平面で解放するために構成される。それにより、仕分け構造に供給される選別されるべき不合格製品を、複数の隣接する部分ギャップによって共同で形成される、好ましくは下方に向かって開いた仕分けギャップを通して選別することができる。さらに各々の仕分けフィンガは、搬送位置にあるとき、自身に割り当てられた部分ギャップを閉止して、それぞれの仕分けフィンガに当たる合格製品を下方から支持し、搬送方向でさらに搬送できるようにするために構成される。
【0014】
特定の不合格製品を選別するために、不合格製品の軌道に位置する仕分けフィンガのグループを、仕分けタイムスパンの間に本発明に基づいて仕分け位置へと可動であり、かつそこで保持可能であり、それにより、不合格製品に対して適合する仕分けギャップをその個別的な軌道で形成する。これに接する他の仕分けフィンガは、仕分けギャップを必要以上に大きく形成しないために、または隣接する合格製品を下方から支持してさらに搬送するために、搬送位置のまま保つことができる。そのつど選別されるべき不合格製品に合わせて仕分けギャップを個別的に適合化できるようにするために、仕分け構造の少なくとも3つの、好ましくはすべての仕分けフィンガがそれぞれ互いに独立して仕分け位置から搬送位置へ、およびこれから戻るように可動である。それにより、1つまたは複数の仕分けギャップを同時に形成し、または開放もしくは閉止し、その間に1つまたは複数の他の仕分けギャップがすでに開いており、または依然として開いていることがさらに可能となる。
【0015】
搬送位置にあるとき、個々の仕分けフィンガはそれぞれの一番上の搬送区域をもって搬送平面に位置するのが好ましい。このような搬送区域は、搬送方向Xへのさらなる搬送のときに製品を支持するために、および/または仕分けフィンガに下流側で後続する搬送面へと搬送するために、駆動可能な移送ベルトを有することができるのが好都合である。このとき移送ベルトは供給ベルトと同じ速度を有することができ、それにより、供給ベルトから来る合格製品を減速させることなくスムーズに、仕分けフィンガの上面を介してさらに搬送することができる。この速度は、合格製品が仕分け構造の下流側で搬送平面において、そこに設けられる可能性のある搬送手段(たとえば搬出ベルト)によってさらに移動する速度にも相当するのが好都合である。1つあるいは複数の移送ベルト(たとえば平ベルトまたは丸ベルト)に代えて、たとえばチェーンやバンドなど、同様の方式で好適な部材も考慮の対象となる。
【0016】
周回する移送ベルトがその(仕分けギャップのほうを向く)下面で、仕分けフィンガの凹部の中へ沈むように引き戻されるのが好ましい。そして、このような下面により形成される仕分け側面(下記参照)が不合格製品を仕分けギャップの中へ、およびこれを通るように誘導し、(この区域で不合格製品の運動と反対向きに案内される)移送ベルトがその際に当該不合格製品に接触せず、もしくは減速させることがない。
【0017】
本発明によると、仕分けフィンガの運動によって仕分けギャップを生成するために、さまざまな態様が考えられる。1つの実施形態では、仕分けフィンガが搬送方向で見てその後方の、近づいてくる製品のほうを向く区域もしくは端部をもって、搬送位置から上方に向かって仕分け平面から出るように、それぞれの不合格製品の搬送経路へと旋回または回動する(仕分け位置)。このような運動のための旋回軸は、搬送方向で見て前方の、近づいてくる製品と反対を向くほうの各々の仕分けフィンガの端部の領域に位置する。仕分けフィンガ区域の上方回動により、その下面が近づいてくる不合格製品のほうを向く。この下面が仕分け側面として、不合格製品が重力のみに基づいてすでにギャップを通って落下しない場合に、不合格製品を下方に向かって仕分けギャップを通るように誘導するための役目を果たす。
【0018】
仕分け側面に配置された駆動される仕分けベルトによって、このような誘導効果をいっそう強めることができ、該仕分けベルトの不合格製品のほうを向く区域が、好ましくは供給ベルトの搬送速度をもって、仕分けギャップに向かう方向に動く。不合格製品が仕分けベルトと接触すると、上方回動した仕分けフィンガ区域の誘導作用に追加して、不合格製品がさらに能動的に、すなわち仕分けギャップを通るように追いやられる。搬送位置にあるとき、仕分けベルトが搬送平面にまで突き出してはならない。その場合、仕分けフィンガの上面で、仕分けベルトが供給ベルトの搬送方向と反対向きに動くことになるからである。その代わりに仕分けベルトを、そこで凹部の中で搬送方向と反対向きに案内することができる。別案として、仕分けフィンガが旋回したときに、そのつど仕分けベルトの運動方向を反転させることも考えられる。その場合、仕分けベルトは搬送位置にあるとき同時に移送ベルトとして、合格製品を搬送方向Xでさらに搬送するために搬送平面にまで突き出すことができる(そしてこの位置で、相応に搬送方向に駆動することができる)。それに対して仕分け位置では、不合格製品を前述した方式で仕分けギャップを通して追いやるために、仕分けベルトを反転された方向へ駆動することができる。この態様では移送ベルトとしても仕分けベルトとしても利用されるベルトが、凹部の中へ沈むように部分的に引き戻される必要がない。
【0019】
搬送位置と仕分け位置との間の仕分けフィンガの旋回角は90°よりも小さく、好ましくは約60°であるのが好都合であり、旋回角は調整可能であるのがきわめて好ましい。
【0020】
近づいてくる製品に向かって仕分けフィンガがいわば搬送平面から起き上がる前述した実施形態は、仕分けフィンガが二重機能で、一方ではギャップを解放するとともに、他方では、上方に向かって回動した仕分けフィンガの下面にある仕分け側面をもって不合格製品を能動的に仕分けギャップの中へと下方に誘導できるという利点を有する。それに対して、近づいてくる不合格製品のほうを向く仕分けフィンガの端部が、そのために動くという欠点もある。したがって不合格製品と当たるときに仕分けフィンガ全体が、その時点ですでに仕分けギャップが十分大きくなるようにするために、ほぼ仕分け位置をとっていなければならない。不合格製品にすぐ接するように合格製品が後続している場合、合格製品を搬送平面で引き取ることができるようにするために、選別の直後に仕分けフィンガが搬送平面に入るように回動していなければならない。
【0021】
別案の実施形態は、各々の仕分けフィンガが、それ自体と、下流側で接する搬送面との間で、搬送位置から仕分け位置をとるために下方に向かって離反回動することによって、部分ギャップを空けることを意図する。この態様では、仕分けフィンガは仕分け位置にあるとき不合格製品の搬送経路に突き出すことがなく、その代わりに仕分け平面から下方に向かって離反旋回し、旋回軸は、搬送方向で見て後方にある各々の仕分けフィンガの端部の領域に位置する。その場合、ギャップはいわば「搬送方向前方で」下方に向かって開く。
【0022】
この実施形態は個々の仕分けフィンガが、製品がすでにこれに達した後で、もしくは上に載った後で、さらに旋回することができるという利点を有する。たとえば選別されるべき不合格製品が同じ軌道ですぐ後に続いている合格製品が、その軌道に付属する、搬送位置にある仕分けフィンガの選択肢のうちの1つの上に載ったとき、この仕分けフィンガに後続する搬送面へと合格製品が(たとえば少なくとも半分の長さもしくはその重心をもって)十分に遠くへ引き渡されるまで、仕分けフィンガをさしあたり搬送位置で保つことができる。その後直ちに、不合格製品がすでにその上に載っている仕分けフィンガが仕分け位置へ下方回動して、不合格製品を選別することができる。この不合格製品にたとえばすぐ後続する同じ軌道の合格製品を、さしあたり仕分け位置へと下方回動している仕分けフィンガへと搬送することができる。不合格製品が放出された後に、かつ、合格製品が上にまだ載っている間に、仕分けフィンガを再び搬送位置へと上方回動させることができ、それにより、合格製品を通常どおりさらに搬送することができる。
【0023】
この実施形態により、軌道が部分的に互いに重なり合う製品も処理できるという特別な利点がある。各々の合格製品が、横方向で見てその重心が搬送位置の2つの仕分けフィンガの間に位置している限り、選別されることなくさらに搬送される。このように、合格製品をその軌道幅全体にわたって仕分けフィンガにより支持する必要はない。その代わりに、後続または先行する不合格製品の軌道にも同時に位置する、合格製品の軌道でさらに外側に位置する仕分けフィンガが仕分け位置をとることができ、その間に合格製品がさらに搬送される。それにより不合格製品を、密接に隣接していて側方でこれに対してオフセットされて配置された合格製品からも、確実に分離することができる。
【0024】
この実施形態のさらに別の利点は、搬送位置での合格製品のさらなる搬送をサポートする、仕分けフィンガの駆動される移送ベルトを、下方回動した仕分けフィンガの上で不合格製品を仕分けギャップへと搬送して選別するためにも同じ方式で利用できるという点にある。排出方向に向かって進む移送ベルトの上に説明した問題は、搬送平面から出るように下方回動する仕分けフィンガの場合には存在しない。
【0025】
この実施形態では仕分けフィンガが仕分け平面から出るように下方へ回動し、それに伴って製品の搬送経路へと上方回動しないので、仕分けフィンガは、上に説明した二重機能(仕分けギャップを開き、不合格製品を下方に追いやる)をここでは果たさない。このような機能を補足するために、本発明の1つの好ましい実施形態は、仕分け構造または搬送平面の上方に位置決めされる誘導構造を意図する。このような誘導構造は供給ベルトまたは仕分け構造にわたって横方向に延び、横方向Yに互いに並んで位置してそれぞれ誘導位置から解放位置へ、およびこれから戻るように可動である(好ましくは旋回可能である)少なくとも3つの、好ましくは多数の誘導フィンガを含む。
【0026】
誘導フィンガは解放位置にあるとき、製品の搬送経路の外部に位置するので、これを合格製品として妨げなしに搬送方向Xでさらに搬送することができる。解放位置から、各々の誘導フィンガを(厳密には各々の誘導フィンガの一区域を)不合格製品の搬送経路の中に入るように回動させることができ(誘導位置)、それにより、不合格製品と誘導フィンガが接触したときに搬送方向Xへのさらなる搬送が阻止される。誘導位置で製品のほうを向く誘導フィンガの誘導面に不合格製品が達すると、搬送平面に対して垂直に下方に向かって作用する力によって製品が付勢される(この垂直に作用する力は、搬送平面に対して斜めに製品に作用する力の成分であってよい)。誘導位置にあるときの誘導フィンガもしくはその誘導面の形状または向きは、供給ベルトにより不合格製品に対して生成される搬送方向Xを向く送り力から、これに対して直交して搬送平面に向かう方向に作用する、不合格製品に対する方向転換力が生成されるように選択される。そして、これと同時に誘導構造の下方の搬送平面で開く、複数の仕分けフィンガにより形成される仕分けギャップを通して、不合格製品を選別することができる。
【0027】
誘導フィンガは、搬送速度が高いときに特別に効率的であることが判明している。すなわちその場合、搬送方向Xへの不合格製品の速度成分は、仕分けギャップの中への、もしくはこれを通っての落下運動中に、不合格製品がギャップの最後部よりも前で十分に深くまで落下し得るよりも大きい。しかし誘導フィンガが不合格製品を能動的に、重力の力に追加して下方に向かって誘導し、それによって仕分けギャップを通る下降運動が加速される。さらに誘導フィンガは、急に停止された不合格製品の上方に向かおうとする後側端部に対するストッパを形成し、不合格製品が非常に迅速にほぼ垂直の姿勢へと移行して、非常に高速に下方に向かって仕分けギャップの中へと潜る。
【0028】
仕分けフィンガに類似して誘導フィンガも、(好都合には互いに独立して)誘導位置から解放位置へ、およびこれから戻るように可動もしくは旋回可能である。それに応じて多数の誘導フィンガの中から、選別されるべき不合格製品の軌道に位置していてこれを上から付勢するべきものを的確に選択することができ、その間に他の誘導フィンガは解放位置で保たれる。その際に、不合格製品の軌道に配置されているすべての誘導フィンガを誘導位置へと旋回させる必要はない。製品と搬送速度に応じて、少数の、さらにはただ1つの誘導フィンガを、この目的のために操作すればすでに十分であり得る。そこから得られる利点は、不合格製品の軌道に位置すると同時に、これにすぐ先行または後続する合格製品の軌道にも位置する誘導フィンガは、不合格製品の軌道にある少なくとも1つの誘導フィンガが誘導位置を占めることができる限りにおいて、解放位置を維持することができる(ただし維持しなくてもよい)というものである。実際には、不合格製品をその軌道幅に関してほぼ中央で、またはその重心の領域で、1つまたは複数の誘導フィンガによって方向転換させれば十分であり得るという利点があり、それに対して、他の誘導フィンガは不合格製品の軌道の内部で解放位置を維持する。たとえば圧縮空気を節減するために、あるいは動作音を低減するためにも、軌道に位置する最も内側または最も外側の両方の誘導フィンガだけを動かすことができるであろう。
【0029】
ただし、すべての誘導フィンガを不合格製品もしくは仕分けギャップの軌道の幅全体に沿って誘導位置へと旋回させて、選別されるべき製品をその幅全体にわたり、下方へと向かう力によって付勢することも可能である。横方向で仕分けギャップに接する誘導フィンガを誘導位置へと旋回させることさえ考えられる(誘導フィンガがこの位置で搬送平面に突き出さず、または、旋回していない仕分けフィンガと仕分けギャップの向こう側で衝突しない限りにおいて)。
【0030】
仕分けフィンガに類似して誘導フィンガもその誘導側面の領域に、仕分けギャップを通って落下する製品の下降運動を促進または加速する、駆動される誘導ベルトを有することができる。誘導位置と解放位置との間の誘導フィンガの旋回角は90°よりも小さいのが好都合であり、好ましくは約60°であり、旋回角を調整可能であるのがきわめて好ましい。仕分けフィンガの旋回軸も、誘導フィンガの旋回軸と同様に横方向Yに向くのが好都合であり、それにより両方の軸が互いに平行に延びる。さらに仕分けフィンガと誘導フィンガは、それぞれ等しい幅を有するように選択することができ、および/または横方向Yでそれぞれ同じ位置に配置されていてよく、それにより、これらがペアをなして高さ方向Zで互いに向かい合う。このことは、本装置の構造と制御を簡易化する。
【0031】
仕分けフィンガおよび/または誘導フィンガが駆動されるベルトを備えている場合、旋回軸を同時にベルトの駆動軸として構成するのが設計的に難しくなることがある。したがって仕分けフィンガと誘導フィンガは、それぞれの旋回軸と駆動軸に関して、特許出願DE102019127189の範例に従って構成されるのが好ましく、その開示を本件にも取り入れることとし、その教示に従えば仕分け装置の旋回軸と駆動軸が互いに間隔をおく。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、個々の仕分けフィンガと個々の誘導フィンガはそれぞれ等しい幅を有することができ、および/または互いにそれぞれペアとして高さ方向で向かい合うことができ、および/または横方向で、好ましくは供給ベルト(K)のY方向幅全体にわたって、それぞれ互いに近傍に位置する。
【0033】
仕分けフィンガと誘導フィンガの数と横幅は、供給ベルトの上の製品によって定義される、考えられる軌道の数に準拠する。仕分けフィンガの数が多いほど、および、それと同時にそれぞれ個々の仕分けフィンガの横幅が小さいほど、個々の製品軌道に合わせて仕分けプロセスをいっそう厳密に適合させることができる。仕分けフィンガの数が増すにつれて、仕分けギャップの横幅を、対応する不合格製品の実際の軌道幅にいっそう良好に近似させることができるからである。原則として、このような考察は誘導フィンガにも当てはまるが、この場合には-すでに述べたとおり-、1つの軌道のすべての誘導フィンガを方向転換のために操作しなくてよいので、その総数を仕分けフィンガの数に比べて少なく選択することもできる。誘導構造は、横方向Yに互いに並んで位置する誘導フィンガをもって、供給ベルトの幅全体にわたって延びるのが好ましい。そして個々の誘導フィンガの幅を広くすれば、仕分けフィンガと比較して全体的に少ない数が可能となる。
【0034】
仕分けフィンガの数は5よりも多いのが好ましく、15よりも多いのがきわめて好ましい。仕分けフィンガは、十分に多い数およびそれに応じて細かいラスタとして互いに並べて配置できるようにするために幅が細い(ここで幅が細いとは、仕分けフィンガの幅の好ましくは少なくとも5~10倍の大きさである、搬送方向Xにおける仕分けフィンガの広がりを基準とする)。個々の仕分けフィンガの好ましい幅は2mmから30mmの間であり、10mmから20mmがきわめて好ましい。このような寸法により、仕分けギャップを十分に多くの異なる横方向位置で、および十分に多くの異なる幅で、構成することができる。
【0035】
本発明の仕分け機によって不合格製品が製品流から選別されるようにするには、その軌道が既知でなければならず、それは、その軌道に位置するそれぞれ付属の部分ギャップが共同で十分な幅の仕分けギャップを形成して、仕分けギャップに到来した製品をそこで選別するように、仕分けフィンガを操作できるようにするためである。軌道を記述する指定事項は、相応のデータが存在する外部の制御ユニットから、本発明による仕分け機に供給することができる。しかしながら本発明の1つの好ましい実施形態は検知手段を意図しており、これによって供給ベルトの上の製品の軌道を、特に不合格製品の軌道を検知可能である(厳密には、軌道が供給ベルトの上で検知されなくてもよい。軌道がすでに供給ベルトの上流側で検出されて、それ以後変化しなければそれで足りる)。製品軌道は、
a)横方向位置、たとえば横方向Yに関する軌道中心の位置、および、
b)それぞれの製品の幅によって規定される軌道幅
によって記述することができる。
【0036】
検知手段は、検知器を用いて、特に適当な画像処理ソフトウェアを有するカメラを用いて、不合格製品として識別された製品の軌道を検出するために構成されていてよく、該画像処理ソフトウェアがカメラのデータを評価し、そのようにして、横方向Yにおける製品の横方向位置と幅を決定する。さらに、製品が不合格製品であるか合格製品であるかも、画像評価を用いて判定することが考えられる。その際の基準として、たとえば製品寸法、特定の製品の色彩、製品に配置された識別表示、隣接する製品との間隔、または光学式に検知可能なその他の指標を援用することができる。
【0037】
検知手段は、不合格製品の軌道の他、合格製品の軌道も決定することができる。このことは、仕分けフィンガまたは誘導フィンガの制御が、合格製品が不合格製品のどれくらい近くに位置するかに関する知見を前提条件とする場合に好都合であり得る。
【0038】
さらに、仕分けフィンガを正しい時点で操作するために、仕分けフィンガへの不合格製品の到来を決定することが必要である。このことは、たとえば仕分けフィンガの上流側での製品の目下の長手方向位置XPと、供給ベルトの搬送速度との知見のもとで計算することができる。軌道を決定するためのカメラ支援式の検知手段は、目下の長手方向位置XPの検出のために構成されていてよい。別案として、たとえば好ましくは仕分けフィンガまたは誘導フィンガのすぐ上流側に配置されるセンサ、特に光バリアや近接センサを利用することもできる。検知手段によって形成されたデータを、仕分け機の制御ユニットに供給することができる。制御ユニットは、データを記憶装置に保存するために、記憶装置に格納された製品データまたはプロセスデータを読み出すために、仕分け機の個々のコンポーネントを制御するために、およびデータを作成するために、他のデータ処理デバイスおよび上位の制御部とのデータ交換のためにも構成されるのが好ましい。
【0039】
前述した仕分け機を利用して搬送流から製品を仕分けする本発明の方法は、少なくとも次の各ステップを含む:
1.供給ベルトの上で搬送される不合格製品の軌道が判定され;
2.軌道に位置する仕分けフィンガのグループが判定され;
3.このグループの仕分けフィンガが搬送位置から仕分け位置へと動かされ、それにより仕分けギャップを形成して、仕分けギャップを通過するように不合格製品を選別する。
【0040】
前述した方法手順に基づく軌道の判定、および軌道に位置する仕分けフィンガのグループの判定は、供給ベルトの上のすべての製品について、特にすべての不合格製品について、好ましくはそれが仕分け構造の仕分けフィンガまたは誘導構造の誘導フィンガに到達するまで、反復的または恒常的に行うことができる。このことは、以前の計算結果を再確認または修正するための役目を果たし、フィンガの正確な選択と時間的な操作を保証することができる。
【0041】
仕分け機が誘導フィンガも含んでいる場合、本発明による方法は、横方向Yに関してたとえば不合格製品の軌道内部に位置する誘導フィンガのグループが選択されて制御されることも含むことができる。
【0042】
特定の不合格製品を選別するために考慮の対象となる仕分けフィンガと誘導フィンガは、時間的に互いに独立して、かつ、特にそれぞれ異なる時間的な順序で制御することができる。たとえば選択された誘導フィンガが誘導位置または解放位置へと移行する前に、またはその途中に、またはその後に、仕分けフィンガを仕分け位置へ、またはこれから戻して搬送位置へと旋回させることができる。それぞれの不合格製品の軌道内部にある仕分けフィンガがすべて同時に操作されるのが好ましいが、これは強制的なものではなく、製品パラメータやプロセスパラメータに応じて順次行うこともできる。同様のことは誘導フィンガにも準用される。本発明によると、搬送位置から仕分け位置への、および再びこれから戻る仕分けフィンガの旋回は、解放位置から誘導位置への、および再びこれから戻る誘導フィンガの旋回と同様に、非常に高速かつフレキシブルに制御することができる。仕分けフィンガないし誘導フィンガは、近づいてくる合格製品または不合格製品に依存して所望の位置を早期に占め、好ましくはそのつど他方の位置への旋回が必要となるまで維持するために、時間制御されるか、もしくは時間的に最適化されて制御されるのが好ましい。
【0043】
制御は1つの時点で、または選択可能な時間の間に、仕分けフィンガと誘導フィンガが同時に仕分け位置と誘導位置を占めるように行われるのが好ましい。仕分け機は、不合格製品または合格製品のための通路をそのつど形成するために、仕分け位置にある仕分けフィンガが誘導位置にある誘導フィンガに対して平行に配置されるように、および/または搬送位置にある仕分けフィンガが解放位置にある誘導フィンガに対して平行に配置されるように、構成されるのがさらに好ましい。
【0044】
仕分けフィンガまたは誘導フィンガは、別個に構成されるフィンガごとのピストン・シリンダ・ユニットによって、空気圧式に駆動可能であるのが好ましい適当な柔軟な圧縮空気ホースを介してそれぞれ個々のフィンガが、それぞれのホースを所望の旋回運動に応じてバルブの制御により圧縮空気で負荷する分配器と接続されていてよい。仕分けフィンガの数が多いので、1つの好ましい実施形態では、すべての仕分けフィンガについて共通のバルブラックが設けられる。ラックは供給ベルトの幅にわたって延びる。ラックには仕分けフィンガの数に応じて別々のピストン・シリンダ・ユニットが構成され、各々のピストン・シリンダ・ユニットについて1つのバルブも、またはそれぞれ付属の複数のバルブも、ラックに直接配置される。したがって、すべてのバルブのために共同で利用可能な、ラックへのただ1つの圧縮空気配管しか必要ない。個々のシリンダへの圧縮空気の分配は、ラックの内部で横方向Yに延びる固定的な通路を介して行うことができ、それにより、多数の別々の引込配管を省くことができる。フィンガごとに1つの制御可能な電磁弁が設けられるのが好ましい。同様の方式で、誘導フィンガのためのラックも設けられていてよい。
【0045】
仕分けフィンガと誘導フィンガは、必要な場合には、搬送位置と仕分け位置の間ないしは解放位置と誘導位置の間に位置する中間位置へも可動である。さらに、すべてのフィンガを駆動に応じて選択的に急速に、または減速させて、または無段階に、またはコントロールされる速度をもって、個々の旋回位置の間で動かすことができるのが好ましい。次に、実施例を参照しながら本発明について詳しく説明する。図面は次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】仕分けフィンガが搬送位置にある本発明の第1の実施形態を示す部分図である。
【
図2】仕分けフィンガが仕分け位置にある
図1の図面である。
【
図3】仕分けフィンガに仕分けベルトを有している
図2に準ずる図面である。
【
図4】誘導フィンガを有する本発明の別案の実施形態を示す簡略化した側面図である。
【
図5】誘導フィンガないし仕分けフィンガが下方旋回している
図4に準ずる図面である。
【
図6】仕分けフィンガと誘導フィンガを有する仕分け機を示す簡略化した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明による仕分け機Aの第1の実施形態を簡略化した側面図で示している。仕分け機Aは、個々の製品P
a,P
wを搬送流として搬送方向Xに搬送する。このとき製品は-供給ベルトKから来て-仕分け構造Sに供給される。搬送流から選別されるべき不合格製品P
aが、仕分け構造により形成される仕分けギャップUを通して排出されることが意図され、それに対して、さらに搬送されるべき合格製品P
wは搬送方向Xで、搬送平面Eで仕分け構造Sに後続する搬送面Fへとさらに搬送される。このとき各々の製品は、横方向Yにおけるその位置と、その幅とによって個別的な軌道を定義し、この軌道に沿って製品が供給ベルトKの上で搬送方向Xに搬送される(
図1から5の図面は横方向Yの視線で見た側面図であり、したがって製品の軌道はこの図面には見ることができない)。供給ベルトKの上面と搬送平面Fは、搬送方向Xと、これに対して横向きかつ水平方向に延びる横方向Yとに広がる搬送平面Eに位置する。高さ方向Zが、両方の方向X,Yに対して直交して延びる。
【0048】
供給ベルトKと搬送平面Fは、搬送方向Xで中間スペースにより互いに間隔をおいている。この中間スペースに仕分け構造Sが設けられる。仕分け構造Sは、横方向で密接に(かつ好ましくは一直線上に並ぶように)互いに前後して位置する多数の幅の細い仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...を含んでいて、そのうち
図1から5の側面図ではそれぞれ1つのS
1だけが見えており、これがその他の仕分けフィンガS
2,S
3...を隠している。仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...は、横方向Yに延びる共通の仕分け軸J
Sを中心として旋回可能であり、各々の仕分けフィンガは他の仕分けフィンガに関わりなく、仕分け軸J
Sを中心として仕分け位置S
Tから搬送位置S
Fへ、およびこれから戻るように旋回可能である。旋回運動は、詳しくは図示しないピストン・シリンダ・ユニットによって、あるいは、それぞれ個々の仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...のための当業者に周知のその他の駆動部によって行うことができる。
【0049】
図1は仕分けフィンガS
1を搬送位置S
Fで示しており、各々の仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...はこの搬送位置にあるとき、最も上の区域をもって搬送平面Eに位置し、それにより、供給ベルトKから運び込まれてくる合格製品P
Wを、それぞれの仕分けフィンガの上面で支持しながら、搬送方向Xへとさらに搬送面Fまで搬送することができる。搬送面Fは、搬出をするための搬送ベルト(搬出ベルト)として構成されていてもよい。搬送位置S
Fでは各々の仕分けフィンガが、これに付属する、仕分け軸J
Sと、その上流側に位置する供給ベルトKとの間の部分ギャップU
1,U
2,U
3...を閉じており、各々の部分ギャップU
1,U
2,U
3...のY方向幅は、それぞれの仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...の幅に相当する。
【0050】
仕分けフィンガの上面に、搬送面Fへと向かう合格製品のさらなる搬送をサポートするために、
図1および2には図示しない駆動される移送ベルトの上側車間部が配置されていてよい。移送ベルト速度は、供給ベルトKの速度と、および場合により仕分け構造の下流側に設けられる搬出ベルトの搬送速度と、同一に選択されるのが好ましい。
【0051】
図2は、
図1に準ずる仕分け機Aを示しており、ここでは仕分けフィンガS
1が1つの区域をもって、搬送位置S
Fから仕分け位置S
Tへと上方回動している(仕分けフィンガS
1に直接的に接するいくつかの他の仕分けフィンガS
2,S
3...も同じく仕分け位置へと旋回しており、このことは本図には見えていない。搬送位置にある旋回していない他の仕分けフィンガは、図面を見やすくする理由から図示していない)。仕分け位置へと旋回した各々の仕分けフィンガ区域は、仕分け側面Mをもって搬送平面Eを通り抜けて上方へと突き出す。それと同時に、それぞれの仕分けフィンガS
1,S
2,S
3,...がこれに伴って部分ギャップU
1,U
2,U
3...を開き、互いに直接的に隣接する複数の部分ギャップU
1,U
2,U
3...が、不合格製品P
aを仕分けギャップUを通して下方に向かって排出するために、共同で仕分けギャップUを形成する。不合格製品P
aを製品流から排出するために、それぞれの不合格製品の軌道に位置する仕分けギャップが仕分け位置S
Tへと旋回する。横方向Yでこれに隣接する、軌道の外部にあるその他の仕分けフィンガは、合格製品P
Wをそれぞれの軌道でさらに搬送面Fへと搬送できるようにするために、搬送位置S
Fを維持することができる。
【0052】
仕分け位置にあるとき、近づいてくる不合格製品P
aのほうを向く仕分け側面Mは、一方では、それぞれの部分ギャップU
1,U
2,U
3...を開くための役目を果たす。さらに仕分け側面は、近づいてくる不合格製品を搬送平面に対して垂直に向く方向転換力の成分をもって接触時に付勢し、それにより不合格製品を搬送方向Xから出して、仕分け間隙Uを通して下方へと追いやる。このような効果を補強するために、
図3に簡略に図示する態様は、仕分けフィンガの仕分け側面Mに、駆動される仕分けベルトRの下側車間部を意図している。仕分けベルトRは小さい矢印の方向に駆動されて、仕分けベルトと接触する不合格製品P
aを能動的に下方に向かって仕分けギャップを通過するように追いやる。
【0053】
図1から3に示す実施形態は、仕分けフィンガが仕分けのために1つの区域をもって、搬送位置S
Fから出て上方に向かって不合格製品P
aの搬送経路ないしは軌道へと上方回動し、それにより、それぞれの部分ギャップU
1,U
2,U
3...および共同で形成される仕分けギャップUが「製品に向かって」開くことを特徴とする。このとき仕分けフィンガの上方に向かって突き出す区域は、一方ではそれぞれの部分ギャップU
1,U
2,U
3...を開き、他方では搬送面Fに向かう方向への不合格製品P
aの搬送経路をブロックして、不合格製品を方向転換させるという二重機能を果たすことができる。仕分け軸J
Sは、このケースでは搬送方向Xに関して、部分ギャップないし仕分けギャップUの下流側に位置する。
【0054】
本発明による仕分け機の別案の実施形態が、
図4および5に示されている。ここでも-その限りにおいては各実施形態に準じて-、供給ベルトKと搬送面Fとの間に存在する中間スペースに多数の仕分けフィンガS
1,S
2,S
3,...を有する仕分け構造Sが配置されている。同じく仕分けフィンガは、横方向Yに延びる共通の仕分け軸J
Sを中心として搬送位置S
Fから仕分け位置S
Tへ、およびこれから戻るように旋回可能であり、これらは搬送位置SFにあるとき最も上の区域をもって搬送平面Eに位置する。ただしこれらの仕分けフィンガは仕分け位置STをとるために、
図5に見られるとおり、ここでは下方に向かって搬送平面Eから出るように下方回動する。ここでは各々の仕分けフィンガS
1,S
2,S
3,...のそれぞれの部分ギャップU
1,U
2,U
3...は、上記の実施例とは逆に、搬送方向Xに関して仕分け軸JSの下流側で開く。このような実施形態の利点は、合格製品または不合格製品がすでに仕分けフィンガに達している場合でも、もしくはその上に載っている場合でも、仕分けフィンガの旋回がなおも可能であるという点にある。このことは仕分けフィンガの制御に関わるフレキシビリティを高め、搬送方向Xまたは横方向Yで互いの非常に近くに位置する製品を的確に選別し、またはさらに搬送することをいっそう良好に可能にする。ただし
図1から3の実施例の場合とは異なり、ここでは不合格製品を能動的に方向転換させるために仕分けフィンガを同時に利用することはできない。その代わりに排出のために、仕分けギャップの中へと動く不合格製品に対しては重力の力だけが作用する。したがって搬送速度が高いとき、仕分けギャップの終了部に到達するまでに不合格製品が場合によっては十分に深くまで落下せず、その結果として、これに後続する搬送面Fに突き当たる。
【0055】
このような欠点を克服するために仕分け機は、搬送平面Eの上方に配置された誘導構造Lを装備している。仕分け構造に類似して誘導構造Lも、横方向Yの(好ましくは一直線上に並ぶように)互いに前後して配置され、横方向Yに延びる共通の誘導軸JLを中心として旋回可能である、多数の幅の細い誘導フィンガL1,L2,L3...を含んでいる。誘導フィンガもたとえばピストン・シリンダ・ユニットによって、またはこれと同様の作用をする駆動部によって、互いに独立して旋回可能である。解放位置L
Fにあるとき、誘導フィンガL
1,L
2,L
3...は製品の搬送経路の外部に位置し、それによって特に合格製品P
Wを、誘導フィンガの下を通過させて搬送面Fへ搬送することができる。それに対して誘導位置L
Lにあるとき、誘導フィンガは誘導側面Bをもって製品の軌道に突き出し、それにより、搬送面Fへのさらなる搬送が阻止される。(
図4および5は第1の誘導フィンガL
1だけを見せている。横方向Yでその後に位置する、解放位置または誘導位置にある他の誘導フィンガは、図面の見やすさの理由から見えておらず、もしくは図示されていない)。
【0056】
誘導フィンガL
1,L
2,L
3...は、相応の軌道に位置する仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...によって仕分け位置で生成される仕分けギャップUを通して、不合格製品P
aを能動的に誘導するために利用することができる。
図1から3の実施例における仕分けフィンガの仕分け側面Mに類似して、誘導位置L
Lへと下方旋回した誘導フィンガは、不合格製品がそれぞれの誘導フィンガの誘導側面Bに達したときに、搬送平面に対して垂直に下方に向かって作用する方向転換力の成分をこれに対して生成する。
【0057】
図5はこのようなケースを図解している。選別されるべき不合格製品P
aが、複数の隣接する仕分けフィンガS
1,S
2,S
3...により共同で形成される仕分けギャップUを通して排出されることが意図される。不合格製品P
aの軌道に位置する仕分けフィンガが、そのために仕分け位置S
Tへと下方回動する。さらに、不合格製品の軌道に位置するいくつかの誘導フィンガL
1,L
2,L
3...が、解放位置L
Fから誘導位置L
Lへと下方回動する。下方回動した誘導フィンガと仕分けフィンガは、ここでは仕分けギャップUを通って延びる通路を共同で形成する。仕分けギャップUに達した不合格製品P
aは誘導側面Bとの接触により、製品に対する重力の力の作用に追加して仕分けギャップUの中へ、およびこれを通過するように搬送され、それに伴って選別される。仕分けフィンガと誘導フィンガの運動は、好ましくは搬送速度、製品寸法、またはその他の物理的な製品特性、ならびに供給ベルトKの上での他の製品(合格製品および不合格製品)の配置に依存して、同時に、または時間的に互いにオフセットされて行うことができる。
【0058】
個々の誘導フィンガL1,L2,L3...の数、横方向位置、および幅が、個々の仕分けフィンガS1,S2,S3...のそれと一致する必要はない。誘導フィンガの数が仕分けフィンガよりも少ないのが好ましい。製品の方向転換のために、製品の軌道にあるすべての誘導フィンガを誘導位置へと旋回させなくてすむからである。
【0059】
図6は、
図4および5の実施形態を簡略化した斜視図で示している。供給ベルトKの上に、さらに搬送されるべき合格製品P
Wと排出されるべき不合格製品P
aとが搬送方向Xで仕分け構造Sに近づくように搬送されている。このとき各々の製品が、その独自の軌道を定義する。横方向Yで測定した横方向幅W
aを有する選別されるべき製品P
aが、付属の軌道T
aで搬送される。各々の製品の位置は、たとえば定置の基準点に対して相対的な製品の重心または中心点に関して、横方向位置Y
Pと長手方向位置X
Pによって規定される。検知手段Dとしてのカメラによって、各々の選別されるべき、またはさらに搬送されるべき製品について、その現在位置および/または付属の軌道を供給ベルトの上で1回だけ、または反復して判定することができる。選別されるべき製品P
aの軌道T
aが
図6に示唆されており、その位置と幅によって規定され、他の両方の製品の軌道は見やすさの理由から詳しくは図示していない。
【0060】
製品流から製品Paを排出できるようにするために、仕分けフィンガのグループGS(本例では仕分けフィンガS3からS8)が搬送位置SFから仕分け位置STへと下方回動し、それによって仕分けギャップUを製品Paの搬送経路に形成する。その他すべての仕分けフィンガは変わらずに搬送位置SFを占めており、仕分けフィンガS1およびS2を含むグループGSが仕分けギャップUの一方の側でこれに属しており、仕分けギャップの他方の側にある仕分けフィンガを含む、詳しくは図示しない他のグループも同様である。
【0061】
排出を簡易化するために、仕分け構造Sの上方に位置決めされた、16個の誘導フィンガを有する誘導構造Lのうち、製品Paの軌道Taに位置する誘導フィンガL4およびL5により形成されるグループGLが、解放位置LFから誘導位置LLへと下方回動する。誘導フィンガL4,L5に到達した製品Paは、これらによって方向転換力の下方を向く成分で付勢され、それにより、製品が重力の力に追加して、能動的に仕分けギャップUを通過するように追いやられる。その他の排出されるべきでない合格製品PWは、その間に搬送位置SFにとどまっている仕分けフィンガを介して、搬出ベルトとして構成された搬送面Fへとさらに搬送することができる。それに応じて、必要とされない誘導フィンガも解放位置をとる(図示したケースでは、これは誘導フィンガL1からL3およびL6からL16を含むグループGLである)。選別されるべき製品Paの軌道にあるすべての誘導フィンガを誘導位置LLへと下方旋回させる必要はない。製品の性質や搬送速度に応じて、ただ1つあるいは2つの誘導フィンガをそのために利用すれば十分であり得る。このことは、たとえば対応する軌道の両方の中央の誘導フィンガ、または両方の外側の誘導フィンガであり得る。製品を重力の力のみに基づいて確実に排出したいときは、誘導フィンガの操作を全面的に省くことができる。排出されるべき製品が仕分けギャップUを通過すると直ちに、そのために操作されたフィンガを再び解放位置と搬送位置へ上方回動させることができるが、それは、すぐに後続する排出されるべき製品が、前回のフィンガ位置の維持を正当化しない限りにおいてである。
【0062】
仕分けフィンガは移送ベルトRを装備しており、その上側車間部が、供給ベルトKと搬出ベルトFとによって設定される速度で搬送方向Xに動いて、その上に載る合格製品PWを搬送位置SFまたは仕分け位置STでできる限り減速なしにさらに搬送できるようにする。
【0063】
簡略にのみ図示する制御ユニットHは、カメラ信号を評価したうえで、選別されるべき製品の軌道Taとその長手方向位置XPを判定して、好適な時点で適切な仕分けフィンガと誘導フィンガを制御するための役目を果たす。制御ユニットは、搬送速度、製品特性、排出の回数などに関わる信号も処理または生起することができ、適当なインターフェースを介して出力ないし受信することができる。
【符号の説明】
【0064】
A 仕分け機
B 誘導側面
D 検知手段
E 搬送平面
F 搬送面
GL 誘導フィンガのグループ
GS 仕分けフィンガのグループ
H 制御ユニット
JL 誘導軸
JS 仕分け軸
K 供給ベルト
L 誘導構造
L1,L2,L3...誘導フィンガ
LF 解放位置
LL 誘導位置
M 仕分け側面
Pa 選別されるための不合格製品
Pw さらに搬送されるための合格製品
R 移送ベルト
S 仕分け構造
S1,S2,S3… 仕分けフィンガ
SF 搬送位置
ST 仕分け位置
Ta 選別されるべき製品の軌道
U 仕分けギャップ
U1,U2,U3… 部分ギャップ
Wa 選別されるべき製品の横方向Yの幅
X 搬送方向
XP 製品の長手方向位置
Y 横方向
YP 製品の横方向位置
Z 高さ方向
【外国語明細書】