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特開2022-85881携帯端末、携帯端末による報知方法、携帯端末用報知プログラム、及び、携帯端末システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085881
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】携帯端末、携帯端末による報知方法、携帯端末用報知プログラム、及び、携帯端末システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72454 20210101AFI20220601BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H04M1/72454
H04M1/00 W
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191153
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2020196717
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】520467132
【氏名又は名称】磐梯工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅央
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA25
5K127BA03
5K127GD03
5K127GD21
5K127JA01
5K127JA03
5K127JA06
5K127JA14
5K127JA25
(57)【要約】
【課題】デバイスを落としたり置き忘れたりした場合に、そのことを可能な限り早期にユーザに知らせることができるようにする。
【解決手段】スマートフォン100A本体の加速度を測定する加速度センサ150Aと、加速度センサ150Aによって測定された加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比する対比手段160Aと、対比手段160Aによる対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知する報知手段170Aと、加速度センサ150Aの測定結果を日時情報とともに格納する格納媒体140Aと、格納媒体140Aに格納されている測定結果を踏まえて報知手段170Aによる報知の実行を制御する制御手段180Aと、を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末本体の加速度を測定する加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された鉛直方向下向きの加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比する対比手段と、
前記対比手段による対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知する報知手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記報知手段は、携帯端末本体又は他の携帯端末のスピーカから報知音を出力する又は光源から光を出力する出力手段を含む、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
さらに、前記報知手段は、n回目の報知に対してユーザからの応答がない場合に、前記n回目の報知とは異なるパターンでn+1回目の報知を行う手段である、請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を含む携帯端末による報知方法。
【請求項5】
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を携帯端末に実行させる携帯端末用報知プログラム。
【請求項6】
請求項1記載の携帯端末が相互にネットワークを介して接続されている携帯端末システム。
【請求項7】
前記加速度センサの測定結果を日時情報とともに格納する格納媒体と、
前記格納媒体に格納されている測定結果を踏まえて前記報知手段による報知の実行を制御する制御手段と、
を備える、請求項6記載の携帯端末システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、携帯端末による報知方法、携帯端末用報知プログラム、及び、携帯端末システムに関し、特に、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータなどの携帯端末、携帯端末による報知方法、携帯端末用報知プログラム、及び、携帯端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、アップル社のスマートフォンをどこかに置き忘れても、スマートフォンがどこにあるのか、また行方不明のスマートフォンがどこにありそうか、その場所をマップ上でわかりやすく表示したり、場所を特定するためにスマートフォンから音を鳴らしたりする技術が開示されている。
【0003】
【非特許文献1】アップル社のアプリケーションプログラム「探す」の説明(https://www.apple.com/jp/icloud/find-my/)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1に記載されている技術は、スマートフォンをどこかに置き忘れた場合に留まらず、スマートフォンをどこかに落とした場合にも、それを探すために有益なものであるが、スマートフォンをどこかに置き忘れたことなどに気付いた場合には、スマートフォンをどこかに置き忘れてから既に暫く時間が経過していることもあると考えられる。
【0005】
そうすると、例えば、スマートフォンが発見できるまでに、スマートフォンのバッテリーが切れてしまって、スマートフォンを探しにくくなることも考えられので、スマートフォンを置き忘れたことを可能な限り早期にユーザに知らせることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、非特許文献1に記載されている技術とは全く異なるアプローチによって、デバイスを落としたり置き忘れたりした場合に、そのことを可能な限り早期にユーザに知らせることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定する加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比する対比手段と、
前記対比手段による対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知する報知手段と、
を備える。
【0008】
さらに、本発明の携帯端末は、
前記報知手段は、携帯端末本体又は他の携帯端末のスピーカから報知音を出力する又は光源から光を出力する出力手段を含むこともできる。
【0009】
さらに、前記報知手段は、n回目の報知に対してユーザからの応答がない場合に、前記n回目の報知とは異なるパターンでn+1回目の報知を行うこともできる。
【0010】
前記加速度センサの測定結果を日時情報とともに格納する格納媒体を携帯端末などに設けるとともに、
前記格納媒体に格納されている測定結果を踏まえて前記報知手段による報知の実行を制御する制御手段と、
を備えることもできる。
【0011】
また、本発明の携帯端末による報知方法は、
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を含む。
【0012】
さらに、本発明の携帯端末用報知プログラムは、
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を携帯端末に実行させる。
【0013】
さらにまた、本発明の携帯端末システムは、上記携帯端末が相互にネットワークを介して接続されている。
【発明の実施の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の携帯端末システムの模式的な構成図である。図1には、以下説明する、携帯端末100A~100N(以下、これらの総称を「携帯端末100」という)と、サーバ装置200と、広告端末300と、ネットワーク400と、を示している。
【0016】
携帯端末100は、ユーザによって操作される、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット装置、PDA、携帯電話機などの総称である。携帯端末100は、計算機能と通信機能とを有してさえいれば、これらに限定されるものではない。以下、本実施形態では、携帯端末100がスマートフォン100である場合を例に説明する。
【0017】
サーバ装置200は、本実施形態の携帯端末システムのサービス事業者によって管理されるものである。サーバ装置200は、主として、携帯端末100を操作するユーザ又はその家族等の連絡先を含む各種情報を登録しておき、ユーザに本実施形態の携帯端末サービスを提供するものである。
【0018】
広告端末300は、本実施形態の携帯端末サービスの提供を受けるための携帯端末用報知プログラム(以下、単に「報知アプリ」という)がインストールされたスマートフォン100において、当該報知アプリをフォアグラウンド処理中にディスプレイに表示される広告を配信する端末である。広告端末300によって配信される広告のタイプは不問である。例示するならば、例えば、広告が表示された回数に応じて広告料が発生するインプレッション型、広告がクリックされた回数に応じて広告料が発生するクリック型、広告からアプリがダウンロードされた場合に広告料が発生する成功報酬型広告などが挙げられる。
【0019】
ネットワーク400は、インターネット、携帯電話網などの各種ネットワークの総称である。なお、ネットワーク400は広義には、Wi-Fiやブルートゥースなどの無線ネットワーク、オフィスや家庭等に設けられたローカルエリアネットワークも含む。
【0020】
図2は、図1に示す携帯端末(スマートフォン)100Aの模式的な内部構成図である。図2に示す携帯端末100Aは、以下説明する、通信手段110Aと、表示手段120Aと、受付手段130Aと、格納媒体140Aと、加速度センサ150Aと、対比手段160Aと、報知手段170Aと、制御手段180Aと、を備えている。同様に、例えば、スマートフォン100Bには、上記各手段110A~180Aに相当する手段110B~180Bを備えている。
【0021】
ここでは、あるユーザAがスマートフォン100Aを所持しており、ユーザAがスマートフォン100Aをどこかに置き忘れた場合に、そのことを知らせたいユーザB(例えば、ユーザAの親、子、配偶者などが典型的であろう)がスマートフォン100Bを所持しており、スマートフォン100A,100Bのいずれにも、報知アプリがインストールされていて、スマートフォン100Aではバックグラウンド処理で報知アプリが起動しているものとして説明する。
【0022】
なお、報知アプリは、Apple社が提供するApp Store、Google社が提供するGoogle Playといったアプリのダウンロードサービスを通じてダウンロードしてユーザAがスマートフォン100A等にインストールしてもよいし、スマートフォン100A等の販売前にスマートフォンメーカ又は通信事業者等によってプレインストールされていてもよい。
【0023】
なお、この前提は一例であり、例えば、スマートフォン100A,100Bを一人のユーザAが所持する場合も含まれる。つまり、ユーザAがスマートフォン100A,100Bを所持し、スマートフォン100Aをどこかに置き忘れた場合に,自身のスマートフォン100Bにそのことを送信する場合が排除されない点に留意されたい。
【0024】
通信手段110Aは、典型的には、通話やインターネット通信といったスマートフォン100Aにおいて通常行う通信を実行するものである。また、通信手段110Aは、ユーザAから入力された既述の各種情報をサーバ装置200に対して送信したり、サーバ装置200から送信されるスマートフォン100Bの置き忘れに関する情報を受信したりするものである。
【0025】
報知アプリには、これを通じて、スマートフォン100A,100Bの間で行える音声情報又は文字情報によるチャット機能、いわゆる見守り機能を設けることもできる。通信手段110Aは、これらの機能を設けた場合には、スマートフォン100A,100Bの間でのチャットの音声情報等の通信や、加速度センサ150Bなどを用いて行ったユーザBの歩数等をスマートフォン100Aに送信するといった通信等も行うことができる。
【0026】
さらに、通信手段110Aは、スマートフォン100Aで報知アプリのアイコンをタップしてフォアグラウンド処理した場合に、広告端末300から送信される広告を受信することができ、この結果、報知アプリの表示画像を通じてスマートフォン100Aのディスプレイに表示することもできる。
【0027】
なお、上記各種情報としては、これらに限定されるものではないが、典型的には、ユーザA,Bの各氏名、各住所、各電話番号、各メールアドレス、報知アプリのフォアグラウンド処理開始時に必要なユーザAのユーザID及びパスワードなどの幾つかが挙げられる。
【0028】
表示手段120Aは、通信手段110Aによって受信される上記各種情報の入力画面又は確認画面等を、スマートフォン100A本体のディスプレイに表示するものである。また、表示手段120Aは、適宜、広告端末300から配信される広告を受信して、当該ディスプレイに表示するものである。表示手段120Aによって表示されるディスプレイの表示画像例については、図3を用いて後述する。
【0029】
受付手段130Aは、表示手段120Aによって表示される上記各種情報の入力画像に従って、ユーザAが入力した各種情報を受け付けるものである。受付手段130Aによって受け付けた各種情報は、通信手段110Aによってサーバ装置200に送信されるが、併せて、格納媒体140Aに記憶してもよい。
【0030】
格納媒体140Aは、例えば、受付手段130Aによって受け付けられた各種情報、及び、加速度センサ150Aの測定ログを日時情報とともに格納するものである。また、格納媒体140Aは、上記チャット機能を設けた場合には例えばチャット相手の宛先情報(ユーザBの報知アプリのユーザID等)及び/又はチャットログと、上記見守り機能を設けた場合には例えば加速度センサ150Bなどを用いて行ったユーザBの歩数、スマートフォン100BのGPS機能などを用いて行ったユーザBの歩行経路、スマートフォン100Bの使用履歴などの通信ログとを記憶するものである。
【0031】
加速度センサ150Aは、例えば、スマートフォン100A本体のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向といった3軸方向の加速度を測定するものである。加速度センサ150Aは、スマートフォン100Aを携帯しているユーザAの歩数計測に用いられている。本実施形態では、加速度センサ150による鉛直方向下向きの加速度の計測結果の変化量を、スマートフォン100Aの落下、更にはスマートフォン100Aの置き忘れを検出するために用いている。
【0032】
対比手段160Aは、加速度センサ150Aによって測定された鉛直方向下向きの加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び/又は第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するものである。対比手段160Aによって実現しようとすることは以下のとおりである。
【0033】
例えば、ユーザAがズボンのポケットに入れていた或いはバッグに入れていたスマートフォン100Aをどこかで落としたとする。この場合、それまで略1Gであったスマートフォン100Aの鉛直方向下向きの加速度が急激に略0Gとなり、地面や床に衝突してその硬度に応じて瞬間的にGが増大し、その後に静止して略1Gに戻るので、これに従って加速度センサ150Aの測定結果に変化が生じる。そこで、係る場合には、スマートフォン100Aを落としたとみなして、そのことをユーザAに知らせる。
【0034】
具体的には、例えば、ユーザAがスマートフォン100Aを落とすと想定される場面としては、椅子に座るとき或いは椅子から立ち上がるときが多いと考えられる。椅子の座面高は、固定式であれば40cm~42cmに設定されているものが多く、また、可動式であれば37cm~43cm幅で調整可能なものが多い。
【0035】
そこで、本実施形態では、スマートフォン100Aが落下したことを確実に検知するために、例えば、約20cmの高さから自由落下したスマートフォン100Aが床などに到達するまでに要する大凡の時間である0.2秒間以上の時間、それまで略1Gであった鉛直方向下向きの加速度が略0Gとなったこと、加えてその後に瞬間的な大きな加速度変化があった場合、更にはその後に略1Gとなったことを検知した場合に、スマートフォン100Aが落下したとみなすこととして、そのことを例えばスマートフォン100Aの周辺にいる人又はサーバ装置200を介してユーザBに知らせる。
【0036】
また、例えば、ユーザAがスマートフォン100Aをどこかで置き忘れたとする。この場合、加速度センサ150Aは、ある程度の時間、加速度センサ150Aの測定結果に変化が生じない。そこで、本実施形態では、例えば10分間、加速度センサ150Aによる鉛直方向下向きの測定結果に変化が生じない場合には、スマートフォン100Aを置き忘れた可能性があるとみなして、そのことを例えばスマートフォン100Aの周辺にいる人又はサーバ装置200を介してユーザBに知らせる。
【0037】
このようなことを実現するために、対比手段160Aは、加速度センサ150Aによって測定された3軸方向の加速度のうち、(1)鉛直方向下向きの所定時間(例えば0.2秒間)での変化量と第1の閾値(例えば0.9G)とを対比し、及び/又は、(2)鉛直方向下向きの所定時間(例えば10分間)での変化量と第2の閾値(例えば0.1G)とを対比する。
【0038】
なお、対比手段160Aによって対比される、加速度センサ150Aによって計測された加速度の変化量は、これらに限定されるものではないが、例えば、3軸方向の加速度のうちいずれかの変化量としてもよいし、3軸方向の加速度の変化量の合計としてもよいし、これら以外であってもよい。
【0039】
報知手段170Aは、対比手段160Aによる対比の結果として、スマートフォン100Aの加速度の変化量が第1の閾値以上又は第2の閾値以下であって、スマートフォン100Aを落とした又は置き忘れたと判断したことを、サーバ装置200を介してスマートフォン100BからユーザB等に報知するものである。また、報知手段170Aは、対比手段160Bによる対比の結果としてスマートフォン100Bの加速度の変化量が第2の閾値以下である場合にスマートフォン100Bを置き忘れたと判断されたことを、サーバ装置200を介して受け取って、スマートフォン100AからユーザA等に報知するものである。
【0040】
報知手段170Aは、これらに限定されるものではないが、例えば、スマートフォン100Aのスピーカから報知音を出力する、及び/又は、スマートフォン100Aのディスプレイや主として画像の撮像時の照明用ライトなどの光源から光を出力することによって、スマートフォン100Aを落としたことなどを報知すればよい。
【0041】
一例としては、本実施形態では、スマートフォン100Aの加速度の所定時間での変化量が第2の閾値以下となった場合に、例えば報知手段170Aによって「スマホを置き忘れていませんか?」というような音声をスマートフォン100Aのスピーカから出力するなどしてユーザAに問いかけをすることによって報知をする。
【0042】
なお、報知手段170Aは、複数の報知パターンを用意しておき、1回目の報知時のパターン(例えば、小音量でアラート音を出力し、及び/又は、ディスプレイを少光量で点灯させるなど)、2回目の報知時のパターン(例えば、中音量でアラート音を出力し、及び/又は、ディスプレイを中光量で点灯させるなど)、…、N回目の報知時のパターン(例えば、大音量で不快とされる2000Hz~5000Hz程度の音を出力し、及び、ディスプレイを大光量で点滅させ、かつ、スマートフォン100Bに対して通知するなど)、を異なるものとすることもできる。
【0043】
そうすると、ユーザAが着席してテーブルにスマートフォン100Aを例えば10分間机上に置いていただけで置き忘れてない場合であっても「1回目の報知」をすることになるが、その場合にはユーザAはスマートフォン100Aを操作してアラート音の出力等を停止すればよい。なお、このようにユーザAの応答があった場合、次回の報知は「1回目の報知」とする。
【0044】
一方、実際に、ユーザAがスマートフォン100Aを置き忘れていた場合には、「1回目の報知」に対してユーザAからの応答がない筈であるから、そのことをユーザAやスマートフォン100Aの周囲にいる人により気付きやすい態様で「2回目の報知」をすることができ、以後、同様に、ユーザA等からの応答がない限り、「N回目の報知」をし、その後は、例えば「1回目の報知」に戻ることができる。
【0045】
なお、n回目の報知とn+1回目の報知との態様は、上記の例ではユーザAやスマートフォン100Aの周囲にいる人に、よりスマートフォン100Aの置き忘れを気付かせやすい態様で異なるものとしているが、必ずしもそうする必要はない。典型的には、例えばバッテリー残量が少ない場合には、n回目の報知よりも例えば小音量でのn+1回目の報知とするなど省電力の報知で済むようにしてもよい。
【0046】
また、既述の見守り機能を設けた場合には、同じ手法によって、スマートフォン100Aを落としたことの報知のみならず、ユーザAが転倒したことの報知も可能となり得る。つまり、例えばユーザAがズボンのポケットやカバンにスマートフォン100Aを入れた状態で転倒すると、スマートフォン100Aの加速度センサ150Aによって、例えば0.2秒間以上、鉛直方向下向きの加速度が略0Gとなったことが検知される。その場合、例えばユーザAがお年寄りならば、周囲の人の助けのきっかけとなるので好ましく、更に、ユーザBに対してユーザAがスマートフォン100Aを落としたか転倒したかということを報知することができる
【0047】
制御手段180Aは、格納媒体140Aに日時情報とともに格納されている加速度センサの測定ログを踏まえて、報知手段170Aによる報知の実行を制御するものである。制御手段180Aによって実現しようとすることは以下のとおりである。
【0048】
例えば、ユーザAがテーブル等の上にスマートフォン100Aを置いた状態で、テレビ番組を見たり、読書をしたり、仕事をしたりしている場合には、スマートフォン100Aを置き忘れたわけではないにも拘わらず、スマートフォン100Aの加速度の所定時間での変化量が第2の閾値以下となってしまう。この場合に、不必要な報知をすることは好ましくないので、これを回避することにある。
【0049】
このために、予め、既述の各種情報として基本的な生活パターンについてもユーザAに入力させ、格納媒体140Aに格納しておく。或いは、これに代えて又はこれともに、上記の報知例のように報知をした結果、ユーザAから「置き忘れていない」ことを示す応答、更に一歩進んで「仕事中である」ことを示す応答があれば、スマートフォン100Aはその応答を受け付けて格納媒体140Aに格納していく。
【0050】
こうすれば、スマートフォン100Aでは、スマートフォン100Aの加速度の所定時間での変化量が第2の閾値以下となっても、制御手段180Aが格納媒体140Aを参照して、報知手段170Aによる報知の実行をするか否かを決定することが可能となる。この結果、スマートフォン100Aは、ユーザAに対して余計な問いかけをしないようになる。
【0051】
さらに、ユーザAの手を煩わせることを抑えるために、例えば、ユーザAからの応答と計測ログとを通信手段110Aによってサーバ装置200に送信し、サーバ装置200において、これらをユーザAの学習データとして人工知能装置によって学習を行い、この学習結果をスマートフォン100Aに返信して、格納媒体140Aに格納していくことも一法である。
【0052】
なお、ユーザAによる応答は、例えばスマートフォン100Aに設けられているボタンを押下したり、そのディスプレイに表示される所定位置(例えば、「置き忘れではない」こと、又は、「仕事中」であること等を示す表示部分)をタップしたり、マイクロフォンをオン状態としてユーザAが発する「置き忘れていない」こと等の発声を取り込んで音声解析をすることによって受け付ければよい。
【0053】
図3は、図2の表示手段120Aによってスマートフォン100Aのディスプレイに表示される各種情報を入力する際の画像例を示す図である。図3には、報知アプリを利用するためのログイン情報の設定後の入力画像例を示している。
【0054】
図3(a)には、ユーザA自身の各種情報の入力欄の画面例を示す図を示している。ここでは、例えば、ユーザAの氏名・住所・電話番号・メールアドレスの入力をさせるようにしている。ユーザによって入力された各種情報は、受付手段130Aによって受け付けられる。
【0055】
図3(b)は、ユーザAがスマートフォン100Aを置き忘れた場合に連絡したいユーザBの各種情報の入力欄の画面例を示す図である。図3(b)に示す画面例は、図3(a)に示す入力欄への各種情報の入力後に遷移するものである。
【0056】
この例では、ユーザBの氏名・住所・電話番号・メールアドレスに加えて、ユーザBの報知アプリ用のユーザIDの入力をすることになる。ユーザによって入力された各種情報は、受付手段130Aによって受け付けられる。
【0057】
その後に、図3(a)及び図3(b)に示す入力欄に入力された各種情報は、既述のように、通信手段110Aによってサーバ装置200に送信される。サーバ装置200では、スマートフォン100Aから送信された各種情報を入力すると、図示しないデータベースに登録する。
【0058】
これにより、ユーザAがどこかで、スマートフォン100Aを置き忘れた場合でも、サーバ装置200を用いて、ユーザBに報知することが可能となる。
【0059】
図4は、図1のサーバ装置200に付帯するデータベースに蓄積される各ユーザの基本的な生活パターン情報の格納例を示す図である。本実施形態では、各ユーザの生活パターン情報については格納媒体140Aにも格納しているが、格納先はデータベースのみ又は格納媒体140Aのみでもよい。
【0060】
図4には、ユーザ名と、各ユーザの起床時間と、出発時間と、業務/授業時間と、休憩時間と、帰宅時間と、就寝時間と、が一組で格納されている状態を示している。ユーザAの例でいえば、起床時間が「6:00」、出発時間が「7:00」、業務/授業時間が「8:30~15:30」、休憩時間が「11:45~12:45」、帰宅時間が「16:00」、就寝時間が「22:00」である。
【0061】
したがって、ユーザAについては、例えば、「8:30~15:30」の時間帯のうち、「11:45~12:45」という時間帯を除いて、スマートフォン100Aの加速度の所定時間での変化量が第2の閾値以下となっても、制御手段180Aが格納媒体140Aを参照して、報知手段170Aによる報知を実行しないことも可能となる。
【0062】
図5は、ユーザAがスマートフォン100Aを置き忘れたことをユーザBに報知するメッセージの画面例を示す図である。スマートフォン100Bには、例えば「ユーザAさんが下記の場所にデバイスを10分前に置き忘れたようです」というメッセージと、その置き忘れた場所の所在地として例えば「東京都千代田区霞が関3丁目4-3付近」というテキスト情報と、その所在地に対応する地図とを表示する。また、図5には、広告端末300から配信される広告が掲載される広告掲載領域510も設けている。
【0063】
このような報知態様によれば、仮に、所在地としてユーザAの自宅であることが報知された場合には、ユーザAが倒れている場合もあり得るから、ユーザAを見守る機能も有しているということになる。
【0064】
なお、図5に示すメッセージは、受付手段130Aによって受け付けられたユーザBのメールアドレスを通じて行うことができるが、これとともに又はこれに代えて、ユーザA自身のSNSのウェブページに割り当てられているURLについても受付手段130Aによって受け付けておき、当該SNSを通じてユーザAの知り合いに報知することもできる。
【0065】
また、本実施形態の携帯端末システムのサービス事業者が、報知用ウェブページを用意しておき、ユーザAがログインをして自身のスマートフォン100Aを置き忘れた場所を特定できるようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末システムによれば、ユーザAがスマートフォン100Aを落とした場合には、即座に、そのことをユーザAに知らせることもできるし、ユーザAがスマートフォン100Aをどこかに置き忘れた場合、或いは、ユーザAが自宅等で倒れた場合には、そのことをユーザBに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明の実施形態の携帯端末システムの模式的な構成図である。
図2図1に示す携帯端末(スマートフォン)100Aの模式的な内部構成図である。
図3図2の表示手段120Aによってスマートフォン100Aのディスプレイに表示される各種情報を入力する際の画像例を示す図である。
図4図1のサーバ装置200に付帯するデータベースに蓄積される各ユーザの基本的な生活パターン情報の格納例を示す図である。
図5】ユーザAがスマートフォン100Aを置き忘れたことをユーザBに報知するメッセージの画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
100 携帯端末
110A 通信手段
120A 表示手段
130A 受付手段
140A 格納媒体
150A 加速度センサ
160A 対比手段
170A 報知手段
180A 制御手段
200 サーバ装置
300 広告端末
400 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末本体の加速度を測定する加速度センサと、
前記加速度センサによって測定された鉛直方向下向きの加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比する対比手段と、
前記対比手段による対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上及び第2の閾値以下である場合に報知する報知手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記報知手段は、携帯端末本体又は他の携帯端末のスピーカから報知音を出力する又は光源から光を出力する出力手段を含む、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
さらに、前記報知手段は、n回目の報知に対してユーザからの応答がない場合に、前記n回目の報知とは異なるパターンでn+1回目の報知を行う手段である、請求項1記載の
携帯端末。
【請求項4】
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上及び第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を含む携帯端末による報知方法。
【請求項5】
携帯端末本体の鉛直方向下向きの加速度を測定するステップと、
前記測定した加速度の所定時間での変化量と第1の閾値及び第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とを対比するステップと、
前記対比の結果として前記変化量が第1の閾値以上及び第2の閾値以下である場合に報知するステップと、
を携帯端末に実行させる携帯端末用報知プログラム。