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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085888
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8239 20060101AFI20220601BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20220601BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H01L27/105 449
H01L27/105 448
H01L45/00 A
H01L45/00 Z
H01L49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192096
(22)【出願日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0163333
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0188076
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】梁 基延
(72)【発明者】
【氏名】安 東浩
(72)【発明者】
【氏名】李 昌承
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA10
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083PR21
5F083PR22
(57)【要約】
【課題】半導体装置を提供する。
【解決手段】複数個の半導体単位素子を含む半導体装置に係り、該半導体単位素子は、基板の法線方向に、互いに離隔されて配される第1絶縁層及び第2絶縁層、並びに第1絶縁層と第2絶縁層との間にも配され、該半導体単位素子は、基板と平行な方向に延長されて並んで配される選択素子層及び相変化物質層を含み、該相変化物質層は、超格子類似構造を有し、該相変化物質層は、第1絶縁層、第2絶縁層及び選択素子層によって形成されたリセス部に沿っても配される。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の法線方向に、互いに離隔されて配される第1絶縁層及び第2絶縁層と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配される半導体単位素子と、を含み、
前記半導体単位素子は、前記基板と平行な方向に延長されて並んで配される選択素子層及び相変化物質層を有し、
前記相変化物質層は、GeTe1-x(0.3≦x≦0.7)を含む第1カルコゲン層、及びSbTe1-y(0.2≦y≦0.8)を含む第2カルコゲン層を含み、
前記選択素子層は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の表面一部をカバーしながら、リセス部を形成するように配され、
前記相変化物質層は、前記リセス部に沿い、前記第1絶縁層、前記選択素子層及び前記第2絶縁層をカバーするように配され、前記第1絶縁層に隣接する面の長さが、前記選択素子層に隣接する面の長さと同じであるか、あるいはそれよりも長い、半導体装置。
【請求項2】
前記相変化物質層は、前記第1絶縁層に隣接する面の長さが、前記選択素子層に隣接する面の長さ対比で、1.0倍超過であり、5.0倍以下である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1カルコゲン層と前記第2カルコゲン層は、共に超格子類似構造を有する、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1カルコゲン層と前記第2カルコゲン層は、前記基板と平行な方向に交互に1回以上配列される、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1カルコゲン層及び前記第2カルコゲン層は、それぞれ独立して、前記基板と平行な方向に1nm以上であり、20nm以下の厚みを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1カルコゲン層と前記第2カルコゲン層とのうち1層以上は、それぞれ独立して、C、N、In、Zn、Sc及びSnからなる群のうちから選択される1または2以上のドーパント物質を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記選択素子層及び前記相変化物質層は、電気的に連結されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記選択素子層と前記相変化物質層との間に、加熱電極層をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記相変化物質層は、30nm以上であり、100nm以下の厚みを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記選択素子層に電気的に連結される第1電極、及び前記相変化物質層に電気的に連結される第2電極をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
複数個の半導体単位素子を含み、
前記複数個の半導体単位素子は、前記第1電極または前記第2電極を共通電極として含む、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記選択素子層は、オボニック閾値スイッチング特性を有する物質を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記選択素子層は、
ゲルマニウム(Ge)及びスズ(Sn)からなる群のうちから1以上選択される第1元素と、
ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)からなる群のうちから1以上選択される第2元素と、
硫黄(S)、セレニウム(Se)及びテルル(Te)からなる群のうちから1以上選択される第3元素と、を含む、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
基板と、
前記基板と平行な方向に延長されて並んで配される第1選択素子層と第1相変化物質層とを含む第1半導体素子と、
前記基板と平行な方向に延長されて並んで配される第2選択素子層と第2相変化物質層とを含む第2半導体素子と、を含み、
前記第1半導体素子と前記第2半導体素子は、絶縁層を挟み、基板の法線方向に、互いに離隔されて配され、
前記第1相変化物質層と前記第2相変化物質層は、それぞれ独立して、GeTe1-x(0.3≦x≦0.7)を含む第1カルコゲン層と、SbTe1-y(0.2≦y≦0.8)を含む第2カルコゲン層と、を含み、
前記第1カルコゲン層と前記第2カルコゲン層は、前記基板と平行な方向に延長されて配列される、半導体装置。
【請求項15】
前記第1相変化物質層と前記第2相変化物質層は、前記絶縁層によって電気的に絶縁されたものである、請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記絶縁層の厚みは、5nm以上であり、50nm以下である、請求項14または15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1相変化物質層と前記第2相変化物質層は、それぞれ独立して、基板と平行な方向に、30nm以上であり、100nm以下の厚みを有する、請求項14から16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1カルコゲン層と前記第2カルコゲン層とのうち1層以上は、それぞれ独立して、C、N、In、Zn、Sc及びSnからなる群のうちから選択される1または2以上のドーパント物質を含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1選択素子層及び前記第2選択素子層のうちいずれか1層に電気的に連結される第1電極をさらに含む、請求項14から18のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1相変化物質層及び前記第2相変化物質層と電気的に連結され、基板の法線方向に延長された第2電極をさらに含む、請求項14から19のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択素子層及び可変抵抗層を含む半導体素子、及びそれを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の軽薄短小化傾向により、半導体素子の高集積化への要求が高まっている。そのために、多様な形態の半導体素子が提示されており、一例として、可変抵抗層と選択素子層とを含む半導体素子を挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、低電力駆動可能であり、高い集積度を有する半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態による半導体装置は、
基板の法線方向に、互いに離隔されて配される第1絶縁層及び第2絶縁層、並びに該第1絶縁層と該第2絶縁層との間に配される半導体単位素子を含み、該半導体単位素子は、該基板と平行な方向に延長されて並んで配される選択素子層及び相変化物質層を含むことにもなる。
【0005】
該選択素子層は、第1絶縁層及び第2絶縁層の表面一部をカバーしながら、リセス(recess)部を形成するようにも配される。
【0006】
該相変化物質層は、該リセス部に沿い、該第1絶縁層、該選択素子層及び該第2絶縁層をカバーするように配され、該第1絶縁層に隣接する面の長さが、選択素子層に隣接する面の長さと同じであるか、あるいはそれよりも長い。
【0007】
該相変化物質層は、GeTe1-x(0.3≦x≦0.7)を含む第1カルコゲン層、及びSbTe1-y(0.2≦y≦0.8)を含む第2カルコゲン層を含み、超格子類似(superlattice-like)構造を有することができる。該第1カルコゲン層と該第2カルコゲン層は、基板と平行な方向に交互に1回以上配列されうる。
【0008】
該相変化物質層は、第1絶縁層に隣接する面の長さが、選択素子層に隣接する面の長さ対比で、1.0倍超過であり、5.0倍以下になるようにも配される。
【0009】
該選択素子層は、pn接合(junction)を含み、MIEC(mixed ion-electron conductors)またはモット転移デバイス(Mott transition device)を含んでもよい。
【0010】
該選択素子層は、オボニック閾値スイッチング特性を有する物質を含んでもよい。該選択素子層は、ゲルマニウム(Ge)及び/またはスズ(Sn)を含む第1元素、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及び/またはビスマス(Bi)を含む第2元素、並びに硫黄(S)、セレニウム(Se)及び/またはテルル(Te)を含む第3元素を含んでもよい。
【0011】
該選択素子層及び該相変化物質層は、電気的に連結されうる。
また、該半導体装置は、選択素子層に電気的に連結される第1電極、及び相変化物質層に電気的に連結される第2電極をさらに含んでもよい。該第1電極及び/または該第2電極は、複数個の半導体単位素子を電気的に連結する共通電極でもある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数個の半導体単位素子を含む半導体装置が提供されうる。また、本発明によれば、超格子類似構造を有する相変化物質層を含む半導体装置が提供されうる。そのような半導体装置は、低電力駆動が可能であり、向上された集積度を具現することができ、電子装置の小型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】複数個の半導体単位素子を含む半導体装置の等価回路図である。
図2】一実施形態による半導体装置の斜視図である。
図3A】一実施形態による半導体装置の平面図である。
図3B図3AのI-I’線方向に切り取った断面図である。
図3C図3BのSA領域を拡大して示した模式図である。
図4】一実施形態による半導体装置の断面図である。
図5】オボニック閾値スイッチング特性を有する物質の電圧・電流曲線を概略的に示したグラフである。
図6A】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6B】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6C】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6D】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6E】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6F】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図6G】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図7A】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図7B】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図7C】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図7D】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
図7E】一実施形態による半導体装置の製造過程一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用される用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、技術的思想を限定する意図ではない。「上部」や「上」と記載されたところは、接触し、すぐ上下左右にあるものだけではなく、非接触で、上下左右にあるものを含んでもよい。
【0015】
単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。「含む」または「有する」のような用語は、特別に反対となる記載がない限り、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせが存在するということを示すものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0016】
「第1」、「第2」、「第3」のような用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的のみに使用され、該構成要素の順序、種類などが限定されるものではない。また、「ユニット」、「手段」、「モジュール」、「…部」というような用語は、ある1つの機能や動作を処理する包括的な構成単位を意味し、それらは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0017】
以下、添付された図面を参照し、本実施形態につき、詳細に説明する。以下の図面において、同一参照符号は、同一構成要素を称し、図面上において、各構成要素の大きさ(層、領域などの幅、厚みなど)は、説明の明瞭さと便宜さとのために誇張されてもいる。一方、以下で説明される実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、そのような実施形態から、多様な変形が可能である。
【0018】
一側面によれば、半導体装置は、離隔された2本の電極ラインが、クロスポイントを有する三次元構造でもあり、クロスポイントに互いに電気的に連結された可変抵抗層と選択素子層とを含む半導体単位素子を含んでもよい。そのような半導体素子及び/または半導体装置は、メモリ素子でもある。
【0019】
図1は、複数個の半導体単位素子を含む半導体装置の等価回路図である。図1を参照すれば、半導体装置101は、第1方向(X方向)に相互平行に延長される複数の第1電極ラインWL1,WL2を含んでもよい。また、半導体装置101は、第1電極ラインWL1,WL2と第3方向(Z方向)に離隔され、第2方向(Y方向)に相互平行に延長される第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4を含んでもよい。半導体単位素子MCは、第1電極ラインWL1,WL2と第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4との間にも配される。具体的には、半導体単位素子MCは、第1電極ラインWL1,WL2及び第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4と電気的に連結されながら、それらライン間の交差点にもそれぞれ配される。また、半導体単位素子MCは、互いに電気的に連結される相変化物質層MEと選択素子層SWとを含んでもよい。例えば、相変化物質層MEと選択素子層SWは、第3方向(Z方向)に沿い、直列に連結されても配され、選択素子層SWは、第1電極ラインWL1,WL2と第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4とのうち1本に電気的に連結され、相変化物質層MEは、他の電極ラインにも電気的に連結される。
【0020】
半導体装置101の駆動方法について簡単に説明すれば、第1電極ラインWL1,WL2と第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4とを介し、半導体素子MCの相変化物質層MEに電圧が印加され、電流が流れる。具体的には、第1電極ラインWL1,WL2及び第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4の選択により、任意の半導体素子MCがアドレスされ、第1電極ラインWL1,WL2と第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4との間に所定信号を印加し、半導体素子MCをプログラミングすることができる。また、第2電極ラインBL1,BL2,BL3,BL4を介し、電流値を測定することにより、当該半導体単位素子MCの相変化物質層MEの抵抗値による情報、すなわち、プログラミングされた情報を読み取ることができる。
【0021】
選択素子層SWは、当該選択素子層SWと電気的に連結された半導体単位素子MCに対する電流の流れを制御し、当該半導体単位素子MCを選択(addressing)する役割を行うことができる。
【0022】
相変化物質層MEは、情報を保存する役割を行うことができる。具体的には、相変化物質層MEは、印加された電圧によって抵抗値が異なりうる。半導体単位素子MCは、相変化物質層MEの抵抗変化により、「0」または「1」のようなデジタル情報を記憶することもでき、消去することもできる。例えば、半導体単位素子MCは、相変化物質層MEの高抵抗状態を「0」として、低抵抗状態を「1」として、データを書き込むことができる。ここで、高抵抗状態「0」からで低抵抗状態「1」への書き込みを、「セット(set)動作」と称し、低抵抗状態「1」から高抵抗状態「0」への書き込みを、「リセット(reset)動作」と称することができる。
【0023】
相変化物質層MEは、温度により、可逆的に相が変わりうる物質を含んでもよい。言い換えれば、相変化物質層MEは、外部からの電気的パルス(electrical pulse)印加時に発生するジュール加熱(Joule heating)により、可逆的に相状態が変わり、そのような相変化により、抵抗が変わりうる物質を含んでもよい。
【0024】
相変化物質層MEは、超格子類似(superlattice-like)構造を有するカルコゲン化合物を含んでもよい。既存の相変化物質層としては、加熱時間(印加熱量)により、結晶質と非晶質との相変化を行いながら、電気抵抗が変化するGST(Ge-Sb-Te)合金が知られている。しかし、超格子類似構造を有するカルコゲン化合物は、GST(Ge-Sb-Te)合金に比べ、半導体装置の低電力及び/または高速駆動にさらに有利でもある。具体的には、Ge-Teを含む第1カルコゲン層と、Sb-Teを含む第2カルコゲン層とが交互に積層され、超格子類似構造を形成する場合、2層のカルコゲン層の界面において、Geの元素結合(bonding)が異なりながら、インバーティッドペトロフ(inverted Petrov)相やKooi相などに相変化(phase change)がなされ、それによって電気抵抗が変わりうる(Adv. Mater. Interfaces 2014, 1, 1300027)。そのようなカルコゲン物質は、GST(Ge-Sb-Te)合金よりさらに小さいエネルギーでも、相変化が可能であり、相変化にかかる時間もさらに短い。
【0025】
なお、図1のように、複数個の半導体単位素子MCがXY平面上に離隔して配された半導体装置の場合、半導体単位素子個数の増加によって要求される面積が拡大されてしまい、最小線幅(minimum feature size)の限界により、小型化趨勢に対応し難い。
【0026】
このような問題に対処するために、一実施形態は、相変化物質層MEが超格子類似構造を有するカルコゲン化合物を含み、低電力/高速駆動が可能であり、複数個の半導体単位素子MCをZ軸に離隔配置し、集積度が向上された半導体装置を提供することができる。
【0027】
図2は、一実施形態による半導体装置の斜視図である。図2を参照すれば、半導体装置20において、XY平面に、選択素子層130と相変化物質層110とが並んで配され、半導体単位素子を構成し、そのような半導体単位素子複数個は、それぞれ第1絶縁層200により、基板100に垂直な方向(Z方向)に離隔されても配される。
【0028】
図3Aは、一実施形態による半導体装置の平面図であり、図3Bは、図3AのI-I’線方向に切り取った断面図であり、図3Cは、図3BのSA領域を拡大して示した模式図である。図3A及び図3Bを参照すれば、半導体装置20において、半導体単位素子MC1a,MC1b,MC2aは、Z方向には、第1絶縁層200を挟み、互いに離隔配され(半導体単位素子MC1a,MC2a)、XY平面上においては、それぞれ第2絶縁層210を挟み、互いに離隔配置され(半導体単位素子MC1a,MC1b)、また、各半導体単位素子MC1a,MC1b,MC2aは、それぞれ基板と平行な方向(X方向)に並んで配された選択素子層130と相変化物質層110とを含んでもよい。
【0029】
また、図3Cを参照すれば、相変化物質層110は、Ge-Teを含む第1カルコゲン層110aと、Sb-Teを含む第2カルコゲン層110bと、を含んでもよい。第1カルコゲン層110aと第2カルコゲン層110bは、共に超格子類似構造を有しうる。具体的には、第1カルコゲン層110aと第2カルコゲン層110bは、基板100と平行な方向(X方向)に交互に1回以上配列されうる。例えば、相変化物質層110は、(A1-mとも表現される。Aは、第1カルコゲン層、Bは、第2カルコゲン層であり、0<m<1であり、nは、第1カルコゲン層と第2カルコゲン層との反復配列回数である。第1カルコゲン層110aと第2カルコゲン層110bとの反復配列回数nは、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、あるいは200以下、150以下、130以下、100以下、95以下または90回以下でもある。
【0030】
第1カルコゲン層110aは、GeTe1-x(0.3≦x≦0.7)で表される化合物を含んでもよく、第2カルコゲン層110bは、SbTe1-y(0.2≦y≦0.8)で表される化合物を含んでもよい。また、第1カルコゲン層110a及び/または第2カルコゲン層110bは、それぞれ独立して、C、N、In、Zn、Sc及びSnからなる群のうちから選択される1または2以上のドーパント物質をさらに含んでもよい。
【0031】
相変化物質層110は、基板100と平行な方向(X方向)に、30nm以上、35nm以上、40nm以上、100nm以下、95nm以下、90nm以下、85nm以下または80nm以下の厚みを有しうる。また、第1カルコゲン層110aと第2カルコゲン層110bは、それぞれ独立して、1nm以上、2nm以上、3nm以上、5nm以上、20nm以下、15nm以下または10nm以下の厚みを有しうる。
【0032】
一方、第1カルコゲン層110a及び/または第2カルコゲン層110bは、各層内部に、電子伝達経路(electron carrier path)を有しうる。それにより、垂直方向(Z方向)に隣接して配される半導体単位素子MC1a,MC2aは、第1カルコゲン層110a及び/または第2カルコゲン層110bを共有し、半導体単位素子MC1a,MC2a間にクロストーク(cross-talk)が発生しうる。
【0033】
一実施形態による半導体装置は、隣接して配される半導体単位素子MC1a,MC2a間において、相変化物質層110の電子伝達を最小化させるか、あるいは防止することができる。
【0034】
一実施形態によれば、図3Cを参照すれば、選択素子層130は、2層の第1絶縁層200の表面一部をカバーしながら、リセス(recess)部Rを形成するように、2層の第1絶縁層200間に配され、相変化物質層110は、そのようなリセス部に沿い、2層の第1絶縁層200と選択素子層130とをカバーするようにも配される。相変化物質層110が第1絶縁層200に隣接する面の長さd2が、相変化物質層110が選択素子層130に隣接する面の長さd1と同じであるか、あるいはそれよりも大きくし、隣接する半導体単位素子MC1a,MC2a間のクロストークを最小化させることができる。例えば、相変化物質層110は、第1絶縁層200に隣接する面の長さd2が、選択素子層に隣接する面の長さd1対比で、1.0倍超過、1.5倍以上、2.0倍以上、5.0倍以下、4.5倍以下または4.0倍以下でもある。
【0035】
他の実施形態による半導体装置においては、第1カルコゲン層と第2カルコゲン層とが第1絶縁層200によって電気的に絶縁されうる。図4は、他の実施形態による半導体装置を図示したものである。図4を参照すれば、半導体装置30は、基板100と平行な方向に延長されて並んで配される第1選択素子層1301と第1相変化物質層1101とを含む第1半導体素子MC1a、及び基板100と平行な方向に延長されて並んで配される第2選択素子層1302と第2相変化物質層1102とを含む第2半導体素子MC2aを含み、第1半導体素子MC1aと第2半導体素子MC2aは、第1絶縁層200を挟み、基板100の法線方向に、互いに離隔されても配される。第1相変化物質層1101と第2相変化物質層1102は、それぞれ基板100と平行な方向に延長されて配列される第1カルコゲン層1101a,1102aと第2カルコゲン層1101b,1102bを含んでもよい。第1相変化物質層1101と第2相変化物質層1102は、互いに第1絶縁層200によって物理的に分離され、電気的に絶縁され、半導体単位素子MC1a,MC2a間の電子伝達が防止されうる。第1絶縁層200の厚みは、5nm以上、10nm以上、15nm以上、50nm以下、45nm以下、40nm以下、35nm以下または30nm以下でもある。
【0036】
再び図3Cを参照すれば、選択素子層130は、両端にかかる電圧の大きさによって抵抗が変化しうる物質を含んでもよい。例えば、選択素子層130は、pn接合を含み、MIEC(mixed ion-electron conductors)またはモット転移デバイス(Mott transition device)を含んでもよい。一実施形態によれば、選択素子層130は、ダイオードでもある。具体的には、該ダイオードは、互いに異なる導電型を有する物質が、基板と平行な方向に延長されて並んで配された接合構造(図示せず)でもある。例えば、該ダイオードは、N型とP型との導電型を有し、N型とP型との導電型のうちいずれか一つは、第1電極CL1に隣接して配され、他の一つは、相変化物質層110及び/または第2電極CL2に隣接するようにも配される。選択素子層130は、P-SiとN-Siが接合されたシリコンダイオードでもある。または、選択素子層130は、P-NiOとN-TiOとが接合されるか、あるいはP-CuOとN-TiOとが接合された酸化物ダイオードでもある。
【0037】
他の実施形態によれば、選択素子層130は、オボニック閾値スイッチング(OTS:ovonic threshold switching)特性を有しうる。
【0038】
図5は、オボニック閾値スイッチング特性を有する選択素子層130の電圧・電流曲線を概略的に示したグラフである。図5を参照すれば、第1曲線61は、選択素子層130に電流がほとんど流れない状態の電圧・電流関係を示す。電圧と電流とが0の状態から、電圧が徐々に上昇するとき、電圧が閾値電圧V(第1電圧レベル63)に達するまで、選択素子層130は、高抵抗状態であり、ほとんど電流が流れない。しかし、電圧が閾値電圧Vを超過するや否や、選択素子層130は、低抵抗状態になり、選択素子層130に流れる電流が急激に増大し、選択素子層130に印加される電圧は、飽和電圧V(第2電圧レベル64)まで低下することになる。第2曲線62は、選択素子層130に電流がさらに円滑に流れる状態における電圧・電流関係を示す。選択素子層130に流れる電流が、第1電流レベル66より高くなることにより、選択素子層130に印加される電圧は、第2電圧レベル64より若干上昇しうる。例えば、選択素子層130に流れる電流が、第1電流レベル66から第2電流レベル67までかなり上昇する間、選択素子層130に印加される電圧は、第2電圧レベル64から微々たるほど上昇しうる。言い換えれば、選択素子層130を介し、電流がいったん流れることになれば、選択素子層130に印加される電圧は、飽和電圧Vにほとんど維持されうる。もし電流が維持電流レベル(第1電流レベル66)以下に低減されれば、選択素子層130は、また高抵抗状態に転換され、電圧が閾値電圧Vに上昇するまで、電流を効果的にブロッキングすることができる。そのような特性により、選択素子層130は、第1電圧レベル63の閾値電圧Vのスイッチング特性を有しうる。
【0039】
オボニック閾値スイッチング特性を有する選択素子層130は、ゲルマニウム(Ge)及び/またはスズ(Sn)を含む第1元素、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及び/またはビスマス(Bi)を含む第2元素、並びに硫黄(S)、セレニウム(Se)及び/またはテルル(Te)を含む第3元素を含んでもよい。
【0040】
選択素子層130の第1元素含量は、総元素含量対比で、5.0at%以上であり、30.0at%以下でもある。例えば、第1元素含量は、総元素対比で、7.0at%以上、10.0at%以上、25.0at%以下、23.0at%以下または20.0at%以下でもある。
【0041】
選択素子層130の第2元素含量は、総元素含量対比で、5.0at%以上であり、50.0at%以下でもある。例えば、第2元素含量は、総元素対比で、7.0at%以上、10.0at%以上、15.0at%以上、20.0at%以上、45.0at%以下、40.0at%以下または35.0at%以下でもある。
【0042】
選択素子層130の第3元素含量は、総元素対比で、0.0at%超過であり、70.0at%以下でもある。例えば、第3元素含量は、総元素対比で、10.0at%以上、15at%以上、20.0at%以上、25.0at%以上、30.0at%以上、35.0at%以上、40.0at%以上、65.0at%以下、60.0at%以下または55.0at%以下でもある。
【0043】
選択素子層130と相変化物質層110は、電気的に連結されうる。例えば、選択素子層130と相変化物質層110との間に、第3電極120をさらに含んでもよい。第3電極120は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、またはそれらの組み合わせによってもなる。例えば、第3電極120は、炭素(C)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンカーボンシリコンナイトライド(TiCSiN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)及び窒化タングステン(WN)のうち、1または2以上選択されうる。
【0044】
また、第3電極120と相変化物質層110との間に、加熱電極(図示せず)がさらに含まれうる。該加熱電極は、第3電極120と一体に形成されるか、あるいは別個層としても形成される。該加熱電極は、相変化物質層110と反応せず、相変化物質層110を相変化させるに十分な熱を発生させることができる導電物質を含んでもよい。該加熱電極は、炭素系の導電物質を含んでもよい。例えば、該加熱電極は、TiN、TiSiN、TiAlN、TaSiN、TaAlN、TaN、WSi、WN、TiW、MoN、NbN、TiBN、ZrSiN、WSiN、WBN、ZrAlN、MoAlN、TiAl、TiON、TiAlON、WON、TaON、炭素(C)、炭化ケイ素(SiC)、シリコンカーボンナイトライド(SiCN)、窒化炭素(CN)、炭窒化チタン(TiCN)、炭窒化タンタル(TaCN)、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0045】
第3電極120は、加熱電極(図示せず)による発熱が、選択素子層130に実質的に影響を及ぼさない厚みにも形成される。また、第3電極120は、熱的障壁(thermal barrier)層をさらに含んでもよく、該熱的障壁層と電極物質層が交互に積層される構造を有しうる。第3電極120は、約10nmないし約100nmほどの厚みを有しうる。
【0046】
第1電極CL1と第2電極CL2は、半導体単位素子MC1a,MC2aの両端にも配される。具体的には、第1電極CL1は、選択素子層130と電気的に連結され、第2電極CL2は、相変化物質層110と電気的に連結されうる。
【0047】
第1電極CL1は、X方向に相互平行にも延長され、第1電極CL1は、2層の第1絶縁層200間にも配される。また、第2電極CL2は、Z方向に相互平行にも延長され、第2電極CL2は、2層の第2絶縁層210間にも配される。半導体装置20,30の駆動側面において、第1電極CL1は、ワードラインとビットラインとのうちいずれか1本にも連結され、第2電極CL2は、他の1本にも連結される。第1電極CL1と第2電極CL2とのうちいずれか一つ以上は、複数個の半導体単位素子MC1a,MC1b,MC2aの共通電極でもある。具体的には、図3A及び図3Bを参照すれば、第1電極CL1は、Z方向に離隔された第1絶縁層200間において、Y方向に延長されても配され、同一レベルに配された複数個の半導体単位素子MC1aまたはMC1bと共通して連結されうる。また、第2電極CL2は、Y方向に離隔された第2絶縁層210の間において、Z方向に延長されても配され、同一レベルに配された複数個の半導体単位素子MC1a,MC1b,MC2aと共通して連結されうる。
【0048】
半導体装置20,30は、基板100を含んでもよい。例えば、基板100は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、炭化ケイ素(SiC)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムヒ素(InAs)、リン化インジウム(InP)のような半導体物質を含んでもよく、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物のような絶縁性物質を含んでもよい。
【0049】
半導体装置20,30は、基板100上に、層間絶縁層(図示せず)をさらに含んでもよい。層間絶縁層(図示せず)は、基板100と、第1電極CL1及び/または第2電極CL2との間に配され、それらを電気的に分離する役割を行うことができる。層間絶縁層(図示せず)は、シリコンオキサイドのような酸化物、及び/またはシリコンナイトライドのような窒化物を含んでもよい。
【0050】
半導体装置20,30は、分離絶縁層150をさらに含んでもよい。図3Bを参照すれば、分離絶縁層150は、基板100の上面と接触し、基板100の上面上において、Z方向(Z)にも延長される。分離絶縁層150は、第1電極CL1及び第1絶縁層200を貫通しても形成される。図3Aを参照すれば、分離絶縁層150は、第1電極CL1の一側面に沿うか、あるいはY方向に沿っても延長され、第2絶縁層210の両側に配されるか、あるいはX方向に隣接して配された2つの第1電極CL1間にも介在される。
【0051】
半導体装置20,30は、基板100上に、駆動回路領域(図示せず)をさらに含んでもよい。該駆動回路領域は、半導体単位素子を駆動するか、あるいは演算処理を行う周辺回路、駆動回路、コア回路のような回路部を含んでもよい。そのような回路は、例えば、ページバッファ(page buffer)、ラッチ回路(latch circuit)、キャッシュ回路(cache circuit)、カラムデコーダ(column decoder)、感知増幅器(sense amplifier)、データイン/アウト回路(datain/out circuit)またはロウデコーダ(row decoder)などを含んでもよい。また、そのような回路は、基板と半導体単位素子との間にも配される。言い換えれば、基板100上に、該駆動回路領域と該半導体素子とが順次に配され、そのような配置構造は、COP(cell on peri)構造でもある。
【0052】
該駆動回路領域は、1または2以上のトランジスタ(TR)と、そのようなトランジスタ(TR)に電気的に連結される配線構造と、を含んでもよい。該トランジスタ(TR)は、素子分離膜によって定義される基板の活性領域(AC)上にも配される。該トランジスタ(TR)は、ゲート(G)、ゲート絶縁膜(GD)及びソース/ドレイン(SD)を含んでもよい。また、絶縁スペーサがゲート(G)の両側壁にも配され、エッチング停止膜がゲート(G)及び/または絶縁スペーサ上にも配される。該エッチング停止膜は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような絶縁物質を含んでもよい。
【0053】
該配線構造は、駆動回路領域のレイアウト、ゲート(G)の種類及び配列などにより、適切な数と位置にも配される。該配線構造は、2層以上の多層構造を有しうる。具体的には、該配線構造は、相互電気的に連結されるコンタクトと配線層とを含み、それらは、基板100上にも順次に積層される。該コンタクトと該配線層は、それぞれ独立して、金属、導電性金属窒化物、金属シリサイド、またはそれらの組み合わせによってもなり、タングステン、モリブデン、チタン、コバルト、タンタル、ニッケル、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、タンタルシリサイド、ニッケルシリサイドのような導電物質を含んでもよい。
【0054】
該配線構造は、各構成要素を電気的に分離する層間絶縁膜を含んでもよい。該層間絶縁膜は、複数のトランジスタ(TR)間、複数の配線層間、及び/または複数のコンタクト間にも配される。該層間絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などを含んでもよい。
【0055】
該半導体装置は、当業界に知られている一般的な方法によっても製造される。図6Aないし図6Gは、一実施形態による半導体素子の製造過程一部を示す断面図である。
【0056】
図6Aを参照すれば、基板100上に、第1絶縁層200と犠牲層300とを交互に積層し、構造物Lを形成する。第1絶縁層200は、基板100表面、及び構造物Lの最上部にも配される。
【0057】
図6Bを参照すれば、構造物Lに、Z方向に垂直トレンチTを形成する。垂直トレンチTの両側に、サブ構造物L1,L2が形成されうる。
【0058】
図6Cを参照すれば、犠牲層300を選択的に除去し、2層の第1絶縁層200間に、X軸方向に水平ホールHを形成する。
【0059】
図6Dを参照すれば、水平ホールH内部の一部に、選択素子層130を形成する。選択素子層130は、2層の第1絶縁層200と共に、第1リセス部R1を形成することができる。
【0060】
図6Eを参照すれば、水平ホールH残り内部の一部に、第3電極120を形成する。第3電極120は、選択素子層130及び基板100と平行な方向に延長されて配され、2層の第1絶縁層200と共に、第2リセス部R2を形成することができる。第2リセス部R2は、2層の第1絶縁層200間の距離d1より、第1絶縁層200が、垂直トレンチT及び水平ホールHに露出された距離d2が長くも形成される。例えば、第1絶縁層200が、垂直トレンチT及び水平ホールHに露出された距離d2は、2層の第1絶縁層200の間の距離d1対比で、1.0倍超過、1.5倍以上、2.0倍以上、5.0倍以下、4.5倍以下または4.0倍以下でもある。
【0061】
図6Fを参照すれば、水平ホールHと垂直トレンチTとの側壁に沿い、相変化物質層110が形成される。相変化物質層110は、第1カルコゲン層110aと第2カルコゲン層110bとが交互に積層されながらも形成される。
【0062】
図6Gを参照すれば、水平ホールHと、トレンチTの残った空間とに、第2電極CL2が形成される。
【0063】
また、図4のような他の実施形態は、図6F図6Gとの間に、図7Aないし図7Eの段階が追加されうる。具体的には、水平ホールHと、垂直トレンチTの残った空間とに犠牲層SLを形成した後(図7A)、第1絶縁層200をカバーする相変化物質層110のほとんどが除去される長さ(X方向)まで、犠牲層SLの一部、第1絶縁層200の一部、及び相変化物質層110の一部を除去(エッチング)する(図7B)。相変化物質層110において、2層の第1絶縁層200間において、犠牲層SLの残り部分によってカバーされずに露出された部分を選択的に除去した後(図7C)、除去された位置には、隣接する相変化物質層110のような高さを有するように(犠牲層SLと接しない高さまで)、さらに相変化物質層110を形成することができる(図7D)。その後、犠牲層SLの残り部分を除去することができ、図6FのトレンチTより幅が広いトレンチT2が形成されうる(図7E)。形成されたトレンチT2は、図6Gのように、第2電極CL2物質によっても充填される。
【0064】
具体的には、第1電極CL1及び第2電極CL2、第1絶縁層200及び第2絶縁層210、選択素子層130、第3電極120、相変化物質層110のような各構成要素は、当業界に知られている方法を介しても形成される。それら構成要素は、それぞれ独立して、原子層蒸着(ALD)、化学気相蒸着(CVD)、物理気相蒸着(PVD)またはスパッタリングのような蒸着方法を介し、所望する組成と厚みとを有するようにも形成される。例えば、相変化物質層110は、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)を含むソースを順次に利用し、原子層蒸着(ALD)によっても製造される。
【0065】
また、それら構成要素は、それぞれ独立して、当業界に知られている方法を介してもパターニングされる。具体的には、マスクパターンを活用する陽刻エッチング方法だけではなく、ダマシン(damascene)方法も使用されうる。
【0066】
以上の例示的な実施形態によれば、複数個の半導体単位素子を含む半導体装置が提供されうる。超格子類似構造を有する相変化物質層を含む半導体装置が提供されうる。そのような半導体装置は、低電力駆動が可能であり、向上された集積度を具現することができ、電子装置の小型化に寄与することができる。
【0067】
以上において、本実施形態について詳細に説明したが、権利範囲は、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義されている基本概念を利用した当業者のさまざまな変形及び改良形態も、権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0068】
20,30,101 半導体装置
110a,1101a,1102a 第1カルゴゲン層
110b,1101b,1102b 第2カルゴゲン層
120 第3電極
150 分離絶縁層
200 第1絶縁層
210 第2絶縁層
CL1 第1電極
CL2 第2電極
MC,MC1a,MC1b,MC2a 半導体単位素子
ME,110,1101,1102 相変化物質層
SW,130,1301,1302 選択素子層
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E