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特開2022-85897エアギャップ距離を置いてエンコーダの磁場を検知できるセンサ
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  • 特開-エアギャップ距離を置いてエンコーダの磁場を検知できるセンサ 図1a
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  • 特開-エアギャップ距離を置いてエンコーダの磁場を検知できるセンサ 図4a
  • 特開-エアギャップ距離を置いてエンコーダの磁場を検知できるセンサ 図4b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022085897
(43)【公開日】2022-06-08
(54)【発明の名称】エアギャップ距離を置いてエンコーダの磁場を検知できるセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
G01D5/245 B
G01D5/245 110L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021192874
(22)【出願日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】2012265
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】507018894
【氏名又は名称】エヌテエヌ-エスエヌエール ルルモン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デュノワイエ アイメリク
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA41
2F077JJ01
2F077JJ07
2F077JJ23
2F077NN04
2F077PP11
2F077VV03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エアギャップ距離を置いて配置したエンコーダの移動によって放出された磁場を検知できる高感度構成部品を含むセンサを提供する。
【解決手段】センサ4はプリント回路7を含み、プリント回路7は、高感度構成部品5が埋め込まれている面8を有し、面と対向して配置された検知面9を有し、プリント回路7は、面8の少なくとも一部を被覆する層16を含み、被覆層16は、高感度構成部品5が中に配置される凹部17を形成し、被覆層の厚みは、検知面9が被覆層の自由面26に開いている凹部17の開口部と同じ高さになるような厚みであり、開口部は、検知面9を覆うように配置されている保護フィルム18で隠れている、センサ4に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアギャップ距離(D)を置いて配置したエンコーダ(3)の移動によって放出された磁場を検知できる高感度構成部品(5)を含むセンサ(4)であって、前記センサはプリント回路(7)を含み、前記プリント回路は、前記高感度構成部品が埋め込まれている面(8)を有し、前記面と対向して配置された検知面(9)を有し、前記プリント回路は、前記面(8)の少なくとも一部を被覆する層(16)を含む、センサにおいて、前記センサは、前記被覆層(16)が、前記高感度構成部品(5)が中に配置される凹部(17)を形成し、前記被覆層の厚みは、前記検知面(9)が前記被覆層の自由面(26)に開いている前記凹部(17)の開口部と同じ高さになるような厚みであり、前記開口部は、前記検知面(9)を覆うように配置されている保護フィルム(18)で隠れていることを特徴とする、センサ(4)。
【請求項2】
前記保護フィルム(18)は、前記被覆層(16)の前記自由面(26)に結合して前記凹部(17)の開口部を覆うことを特徴とする、請求項1に記載のセンサ(4)。
【請求項3】
前記保護フィルム(18)は、前記被覆層(16)の前記自由面(26)の全体に広がっていることを特徴とする、請求項2に記載のセンサ(4)。
【請求項4】
前記検知面(9)は、前記被覆層(16)の前記自由面(26)の平面(P1)に配置されることを特徴とする、請求項2または3に記載のセンサ(4)。
【請求項5】
前記保護フィルム(18)は、アルミニウムまたはポリカーボネートの類の非磁性材料で作製されることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項6】
前記凹部(17)は、前記高感度構成部品(5)をコーティングする材料(27)で充填され、前記検知面(9)と前記コーティング材の自由面(28)との間に前記保護フィルム(18)を形成することを特徴とする、請求項1に記載のセンサ(4)。
【請求項7】
前記コーティング材(27)の前記自由面(28)は、前記被覆層(16)の前記自由面(26)の前記平面(P1)に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のセンサ(4)。
【請求項8】
前記コーティング材(27)は、ポリウレタン、エポキシまたはシリコンを基盤とする非磁性樹脂を含むことを特徴とする、請求項6または7に記載のセンサ(4)。
【請求項9】
前記保護フィルム(18)は、厚みが1mm未満、とりわけ0.5mm未満であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項10】
前記プリント回路(7)は、前記高感度構成部品(5)の前記検知面(9)をエンコーダ(3)からエアギャップ距離(D)を置いて配置することを可能にする結合手段(10)を備えていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項11】
前記プリント回路(7)には、少なくとも1つの結合孔(10)が開けられることを特徴とする、請求項10に記載のセンサ(4)。
【請求項12】
前記プリント回路(7)は、保護フィルム(20)を有する対向面(19)を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項13】
前記プリント回路(7)は、複数の導電層(12a,12b)を含み,前記高感度構成部品(5)は、外層(12a)に埋め込まれることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項14】
前記高感度構成部品(5)は、少なくとも2つの高感度要素を含み、前記高感度要素はそれぞれ、前記エンコーダ(3)によって放出される場に応じた信号を発信でき、前記センサは、前記エンコーダ(3)の移動に関する少なくとも1つの情報を特定する装置を含み、前記特定する装置は、
-前記高感度要素が発信する信号を処理する装置であって、直角位相で同一振幅の2つの信号を提供するように構成され、前記信号それぞれが磁場を表している装置と、
-前記直角位相信号を基に、前記エンコーダ(3)の移動に関する前記情報を計算する装置と
を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサ(4)。
【請求項15】
固定構造(2)に対して移動するように取り付けられた部材(1)を含むアセンブリであって、前記アセンブリ内でエンコーダ(3)が前記可動部材(1)と連動して移動を表す磁場を放出でき、前記アセンブリは、請求項1~14のいずれか一項に記載のセンサ(4)をさらに含み、前記センサの前記プリント回路(7)は、前記固定構造(2)に結合され、前記高感度構成部品(5)の前記検知面(9)を前記エンコーダ(3)からエアギャップ距離(D)を置いて前記保護フィルム(18)を介して配置する、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアギャップ距離を置いて配置されたエンコーダの移動によってもたらされる磁場を検知できる高感度構成部品を含むセンサに関し、かつそのようなエンコーダを備えている可動部材を含み、可動部材がそのようなセンサを備えた固定構造に対して移動するように取り付けられているアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、特に、そのようなアセンブリと、可動部材の移動に関する少なくとも1つの情報を特定するシステムと、この情報によって管理される電力供給システムとを含む電気機械に適用される。
【背景技術】
【0003】
特定の用途では、機械は、例えば自動車または無人搬送車の運転を補助するユニットに属する装置を電動化する目的で、電気を供給されて可動部材の移動を引き起こすように作動する。別の用途では、機械は、システムに電力供給できるように可動部材を移動させることで電気を発生させる。
【0004】
この種の電気機械では、とりわけ原動機の電源を操作し、かつ/または発電機から供給される電気を制御できるように、可動部材の移動に関する少なくとも1つの情報、例えば可動部材の位置、速度、加速度または移動方向などのパラメータを、リアルタイムかつ最高の信頼性で把握したい場合がある。
【0005】
そのために、エンコーダが、例えば伝達シャフトなどの回転部材に接続している少なくとも1つの磁気トラックと、プリント回路を含むセンサとを備え、プリント回路が、高感度構成部品が埋め込まれた面を有し、この面の反対側には、エンコーダに対面するように検知面が配置されている、アセンブリが知られている。
【0006】
衝撃および/または正常な動作を害するおそれのある異物の侵入、とりわけ埃の侵入を防ぐために、高感度構成部品を保護する必要がある。そのために、エンコーダによって放出される場の磁気検知を妨げないように、高感度構成部品が例えばプラスチックおよび/またはアルミニウムなどの非磁性材料でできたケースの中に閉じ込められているアセンブリが知られている。
【0007】
この解決策は、エンコーダによって放出される磁場の良好な検知を確実にするために十分に短い、とりわけ1mm未満のエアギャップ距離を得ることができないという点で、完全に納得のいくものではない。
【0008】
実際、このようなケースの組み立てには、とりわけケースの厚みを収めるためだけでなく、このケースの組み立てに必要な機械的な遊びを計算に入れるためにも、高感度構成部品とエンコーダとの境目に十分な遊びが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1403622号
【特許文献2】国際特許公報第2006/064169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、とりわけエンコーダによって放出される磁場のセンサを提供して先行技術の課題を解決することを目的とし、この磁場を確実に検知できるようにするために、短いエアギャップ距離を置いて高感度構成部品を効果的に保護できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、第1の態様によれば、本発明は、エアギャップ距離を置いて配置したエンコーダの移動によって放出される磁場を検知できる高感度構成部品を含むセンサであって、前記センサはプリント回路を含み、プリント回路は、前記高感度構成部品が埋め込まれている面を有し、前記面と対向して配置された検知面を有し、前記プリント回路は、面の少なくとも一部を被覆する層を含み、被覆層は、高感度構成部品が中に配置される凹部を形成し、前記被覆層の厚みは、検知面が前記被覆層の自由面に開いている凹部の開口部と同じ高さになるような厚みであり、前記開口部は、検知面を覆うように配置されている保護フィルムで隠れている、センサを提供する。
【0012】
第2の態様によれば、本発明は、固定構造に対して移動するように取り付けられた部材を含むアセンブリであって、アセンブリ内でエンコーダが可動部材と連動して移動を表す磁場を放出でき、前記アセンブリは、このようなセンサをさらに含み、センサのプリント回路は、固定構造に結合され、高感度構成部品の検知面をエンコーダからエアギャップ距離を置いた所に保護フィルムを介して配置する、アセンブリを提供する。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して記載した以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】本発明の実施形態によるアセンブリの概略図であり、図1bの平面A-Aに沿った断面図である。
図1b】本発明の実施形態によるアセンブリの概略図であり、側面図である。
図2図1aのセンサを中心とする拡大図である。
図3】センサと固定構造の結合部を中心とする、図1bの平面B-Bに沿った拡大断面図である。
図4a】本発明の実施形態によるセンサの構造の長手方向の概略断面図である。
図4b】本発明の実施形態によるセンサの構造の長手方向の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これらの図と関連付けて、固定構造2に対して移動するように取り付けられた部材1を含むアセンブリについて説明する。特に、アセンブリは、機械に組み入れることができ、固定構造2に対して回転するように動く軸の形態である可動部材1を含んでいる。
【0016】
ある用途によれば、機械は、例えば自動車または無人搬送車の運転を補助するユニットに属する装置を電動化する目的で、電気を供給されて可動部材1の移動を引き起こすように作動する。特に、電気機械は、永久磁石同期モータを構成できる。別の用途では、機械は、可動部材1の移動によって電気を発生させる。
【0017】
そのために、電気機械は、
-原動機である場合は、可動部材1の移動を、とりわけトルクおよび移動速度と関連付けて操作できるように、かつ/または
-発電機である場合は、電気供給を、とりわけ発生した電圧の周波数と関連付けて制御するように
管理される電気供給システムを含むことができる。
【0018】
そのために、電気機械は、可動部材1の移動に関する少なくとも1つの情報を特定するシステムを備えており、とりわけこの可動部材の位置に関する情報を発信するように構成され、この情報は、電気供給システムによって機械を管理するために使用される。特定した情報は、可動部材1の速度、加速度および/または移動方向にも関連していてよい。
【0019】
特定システムは、可動部材1の移動と連動するエンコーダ3であって、移動を表す磁場を発信できるエンコーダ3と、固定構造2と一体のセンサ4であって、エアギャップ距離Dを置いて配置されたこのエンコーダの移動によって放出された磁場を検知できる高感度構成部品5を含むセンサ4とを含む。
【0020】
特に、センサ4は、エンコーダ3の移動に関する少なくとも1つの情報を特定する装置を含むことができる。
【0021】
特定された情報の最適な解像度を可能にする実施形態によれば、エンコーダ3は、疑似正弦波の磁場を放出するように配置されている北磁極と南磁極との一連の対で形成された磁気トラックを有し、高感度構成部品5は、エンコーダ3の磁気トラックから読み取り距離を置いて配置された高感度要素を少なくとも2つ含む。
【0022】
とりわけ欧州特許第1403622号で知られている実施形態によれば、エンコーダ3は、特に絶対位置情報を特定することを可能にする二次磁気トラックを有することができる。特に、エンコーダの二重トラックの特徴により、モータの極の対ごとに基準パルスを生成でき、それによってエンコーダをより容易に操作できる。
【0023】
例として、エンコーダ3は、磁極が構成されている磁石で形成でき、とりわけ少なくとも1つの磁化されたトラック6を形成する。特に、磁石は、例えばプラスチック材またはエラストマー材を基盤として作製されたマトリクスを含むことができ、このマトリクスの中では、磁性粒子、とりわけフェライトの粒子またはNdFeBなどの希土類が分散し、これらは極の連続に従って磁化されている。
【0024】
センサ4の高感度要素はそれぞれ、エンコーダ3のトラック6によって放出される場に応じた信号を発信でき、特定する装置は、
-高感度要素が発信する信号を処理する装置であって、直角位相で同一振幅の2つの信号を提供するように構成され、この信号それぞれが磁場を表している装置と、
-前記直角位相信号を基に、可動部材の移動に関する情報を計算する装置と
を含む。
【0025】
一実施形態によれば、国際特許公報第2006/064169号には、2つの信号を発信するように構成されたセンサが記載され、信号はそれぞれ直角位相で同一振幅のSINとCOSであり、各信号がエンコーダ3のトラック6によってもたらされた磁場を表している。
【0026】
特に、構成部品5は、とりわけ、例えばホール効果を有する磁気感受性プローブ、および/またはトンネル磁気抵抗効果(TMR)、異方性磁気抵抗効果(AMR)または巨大磁気抵抗効果(GMR)を基盤とするプローブから選択された少なくとも1つの高感度要素を含むことができる。
【0027】
さらに、計算装置は、エンコーダ3の移動に関する情報の解像度を上げることができる補間手段を含むことができる。
【0028】
センサ4は、高感度構成部品5が埋め込まれている面8を有するプリント回路7を含み、この面と対向して配置されている検知面9を有する。プリント回路7は、検知面9がエンコーダ3からエアギャップ距離Dを置いて配置された状態で固定構造2に接続される。
【0029】
図示した実施形態では、プリント回路7は、検知面9をエンコーダ3に対してこのように位置付けられるように適応している接続手段10を備えている。特に、プリント回路7には、図3に示したように、固定構造2に接続するためにねじ11を通せるように、厚み全体にわたって少なくとも1つの接続孔10が開けられている。
【0030】
プリント回路7は、例えば銅などの材料を基盤とする複数の導電層12a、12bを含むことができ、高感度構成部品5は、外層12aに埋め込まれる。
【0031】
図4aおよび図4bでは、プリント回路7は、とりわけ樹脂を基盤とする絶縁層13で隔てられた2つの導電層12a、12bを含むほか、高感度構成部品5を有する導電層12aとは反対側の外層12bに埋め込まれている他の2つの電子構成部品14も含む。
【0032】
プリント回路7はさらに、センサ4の接続用のコネクタ15を組み込んでおり、このコネクタは、図4aおよび図4bでは高感度構成部品5と対向している外層12bに接続している。
【0033】
プリント回路7は、高感度構成部品5が埋め込まれている面8の少なくとも一部の被覆層16を含む。
【0034】
被覆層16は、高感度構成部品5が中に入る凹部17を形成し、この被覆層の厚みは、検知面9が被覆層の自由面26に開いている凹部17の開口部と同じ高さになるような厚みであり、この開口部は、検知面9を覆うように配置されている保護フィルム18で隠れている。
【0035】
したがって、検知面9をエンコーダ3から距離Dを置いて配置でき、この距離は、このエンコーダによって放出された磁場を高感度構成部品5が良好に検知できるのに十分短く、かつ、このエンコーダからエアギャップ距離Dを置いてフィルム18を介して配置されているこの面を確実に保護する。
【0036】
有利には、保護フィルム18は、厚みが1mm未満、とりわけ0.5mm未満であり、それによってエアギャップ距離Dを限定することが可能になるだけでなく、高感度構成部品がこのフィルムを介して磁場を検知しやすくなる。
【0037】
プリント回路7は、保護フィルム20を有する対向面19も有することもでき、それによってとりわけこの面19に埋め込まれている可能性のある他の電子構成部品14を保護できる。
【0038】
図4aおよび図4bでは、他の電子構成部品14を有する導電層12bは、
-その外面22に結合している被覆層21であって、3つの凹部23を形成し、各凹部の中には電子構成部品14またはコネクタ15が配置され、各構成部品14の自由面25は、それに対応する凹部23の開口部と同じ高さにある、被覆層21と、
-各電子構成部品14を覆うようにそれぞれのこの開口部を隠す保護フィルム20とを含む。
【0039】
図1a、図2図3および図4aでは、保護フィルム18、20が、例えば接着によって各被覆層16、21の自由面26、19に結合され、中に高感度構成部品5が配置されている凹部17の開口部を覆うようになっており、場合によっては凹部23には他の電子構成部品14またはコネクタ15が入っている。特に、これらの図に示されているフィルム18、20はそれぞれ、対応する被覆層16、21の自由面26、19を全体的に覆う。
【0040】
このような構成により、厚みが薄いフィルム、例えば0.3mm未満のフィルム18、20を選択し、そのフィルムを適度な厚み、例えば0.2mm未満の接着フィルムを用いて被覆層16、21に結合して、電子構成部品5、14、とりわけ高感度構成部品5を覆っている保護材の厚みを容易に制御できる。
【0041】
エンコーダ3によって放出された磁場を妨害しないように、フィルム18、20、とりわけ高感度構成部品5を覆っているフィルム18は、例えばアルミニウムまたはポリカーボネートの類の非磁性材料で作製される。さらに、フィルム18、20を構成している材料は、このフィルムに補足の操作、例えばスクリーン印刷または印刷ができるように、また、孔10を形成し、かつ/またはコネクタ15を通すために孔を開けられるように選択できる。
【0042】
図2および図4aに関して、検知面9は、被覆層16の自由面26の平面P1に配置されている。同じく、図4aでは、他の電子構成部品の自由面25は、他方の被覆層21の自由面19の平面P2に配置されている。
【0043】
図4bでは、各凹部17、23には、高感度構成部品5、コネクタ15または他の電子構成部品14をコーティングする材料27が充填され、該当する方の構成部品5、14の検知面9または自由面25とこのコーティング材の自由面28との間に保護フィルム18、20を形成する。
【0044】
コーティング材27は、とりわけポリウレタン、エポキシまたはシリコンを基盤とする非磁性樹脂を含んでいる。さらに、高感度構成部品5および/またはもう一方の面22の電子構成部品14の目印をわかりやすくするために、樹脂を適切な色に、とりわけ半透明または透明になるように染色できる。
【0045】
高感度構成部品5のコーティング材27の自由面28は、被覆層16の自由面26の平面P1に配置され、よって検知面9は、保護フィルム18の厚みに相当する短い距離だけこの平面から下がっている。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
【外国語明細書】