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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086100
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20220602BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20220602BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20220602BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
H05K7/12 R
H05K9/00 T
H05K7/00 P
G09F9/00 350Z
G09F9/00 348A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197930
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川田 政行
【テーマコード(参考)】
4E352
4E353
5E321
5G435
【Fターム(参考)】
4E352AA03
4E352AA16
4E352BB02
4E352BB15
4E352CC04
4E352CC12
4E352CC52
4E352DD04
4E352DR02
4E352DR25
4E352EE03
4E352FF04
4E352GG07
4E352GG20
4E353AA11
4E353BB02
4E353BB13
4E353CC02
4E353CC12
4E353CC13
4E353CC34
4E353DD03
4E353DR02
4E353DR27
4E353DR36
4E353EE03
4E353GG13
4E353GG29
5E321AA32
5E321CC22
5E321GG05
5E321GG09
5E321GH10
5G435AA14
5G435AA16
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE07
5G435EE08
5G435EE34
5G435EE41
5G435GG33
5G435GG42
5G435HH11
5G435HH18
5G435KK02
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】ノイズ対策と強度を両立できる表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態の表示装置1は、ケーブル2を貫通させる貫通孔36を有する下ケース31と、ケーブル2が接続されるコネクタ21を有し、下ケース31に収容される回路基板20と、下ケース31の外側に配置され、一端53側から他端54側にケーブル2を通してケーブル2を流れるノイズ信号を抑制するフェライトコア51と、一端55側から他端56側にケーブル2を通してフェライトコア51を収容するフェライトコアケース52と、を備える。フェライトコア51又はフェライトコアケース52は、少なくともフェライトコア51の一端53側又はフェライトコアケース52の一端55側において、フェライトコア51の一端53と他端54とを結ぶ方向及びフェライトコアケース52の一端55と他端56とを結ぶ方向が、貫通孔36の軸方向と略一致するように下ケース31に固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを貫通させる貫通孔を有する本体ケースと、
前記ケーブルが接続されるコネクタを有し、前記本体ケースに収容される回路基板と、
前記本体ケースの外側に配置され、一端側から他端側に前記ケーブルを通して前記ケーブルを流れるノイズ信号を抑制するノイズ抑制部材と、
一端側から他端側に前記ケーブルを通して前記ノイズ抑制部材を収容するノイズ抑制部材ケースと、を備え、
前記ノイズ抑制部材又は前記ノイズ抑制部材ケースは、少なくとも前記ノイズ抑制部材の前記一端側又は前記ノイズ抑制部材ケースの前記一端側において、前記ノイズ抑制部材の前記一端と前記他端とを結ぶ方向及び前記ノイズ抑制部材ケースの前記一端と前記他端とを結ぶ方向が、前記貫通孔の軸方向と略一致するように前記本体ケースに固定される、表示装置。
【請求項2】
前記本体ケースは、前記貫通孔を有し雄ねじ又は雌ねじを有する固定部を有し、
前記ノイズ抑制部材ケースの前記一端が前記固定部の前記雄ねじ又は前記雌ねじに対応する雌ねじ又は雄ねじを有し、
前記ノイズ抑制部材ケースは、前記ノイズ抑制部材ケースの前記雌ねじ又は前記雄ねじにおいて前記固定部の前記雄ねじ又は前記雌ねじと結合することにより、前記本体ケースに固定される、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記本体ケースは、前記貫通孔を有し雄ねじ又は雌ねじを有する固定部を有し、
前記ノイズ抑制部材の前記一端が前記固定部の前記雄ねじ又は前記雌ねじに対応する雌ねじ又は雄ねじを有し、
前記ノイズ抑制部材は、前記ノイズ抑制部材の前記雌ねじ又は前記雄ねじにおいて前記固定部の前記雄ねじ又は前記雌ねじと結合することにより、前記本体ケースに固定される、請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記ノイズ抑制部材ケース又は前記本体ケースは、フックを有し、
前記ノイズ抑制部材ケースは前記フックを介して前記本体ケースに固定される、請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記ノイズ抑制部材ケースは、ねじ止めにより前記本体ケースに固定される、請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記ノイズ抑制部材の前記他端及び前記ノイズ抑制部材ケースの前記他端と、前記ケーブルとの隙間を埋める緩衝材をさらに備える、請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルを流れるノイズ信号を抑制するため、フェライトコアを用いることが知られている。フェライトコアは、例えば円筒状であり、この中空部分に沿ってケーブルを通す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-245543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フェライトコアは、例えば内部を通るケーブルを孔に圧入すること等により、ケーブルに固定される。フェライトコアは、ある程度の重量物であるため、例えば走行時の車両の振動により振動する。この場合、フェライトコアの振動はケーブルにも伝わる。すると、ケーブルが接続先から外れてしまったり、ケーブルが接続箇所から欠損してしまったりする虞がある。
【0005】
本開示はこのような事情を考慮してなされたもので、ノイズ対策と強度を両立できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、上述した課題を解決するために、ケーブルを貫通させる貫通孔を有する本体ケースと、前記ケーブルが接続されるコネクタを有し、前記本体ケースに収容される回路基板と、前記本体ケースの外側に配置され、一端側から他端側に前記ケーブルを通して前記ケーブルを流れるノイズ信号を抑制するノイズ抑制部材と、一端側から他端側に前記ケーブルを通して前記ノイズ抑制部材を収容するノイズ抑制部材ケースと、を備え、前記ノイズ抑制部材又は前記ノイズ抑制部材ケースは、少なくとも前記ノイズ抑制部材の前記一端側又は前記ノイズ抑制部材ケースの前記一端側において、前記ノイズ抑制部材の前記一端と前記他端とを結ぶ方向及び前記ノイズ抑制部材ケースの前記一端と前記他端とを結ぶ方向が、前記貫通孔の軸方向と略一致するように前記本体ケースに固定される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置においては、ノイズ対策と強度を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の表示装置の実施形態である表示装置を正面側から見た図。
図2図1のII-II線に沿う断面図。
図3】フェライトコアが雌ねじを有する場合のフェライトコアユニットを説明する断面図。
図4】フェライトコアユニットを下ケースに固定する他の態様を説明する斜視図。
図5】フェライトコアユニットを下ケースに固定するさらに他の態様を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の表示装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本開示の表示装置は、例えば自動車や二輪車等の車両や、船舶、農業機械、建設機械に搭載される表示装置に適用することができる。
【0010】
図1は、本開示の表示装置の実施形態である表示装置1を正面側から見た図である。
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
【0011】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、図1から図5における定義「Fr.」、「Re.」、「To.」、「Bo.」、「R」、及び「L」に従う。尚、表示装置1がユーザに視認される側を「前」とする。
【0012】
表示装置1は、表示ユニット10と、回路基板20と、ケース30(本体ケース)と、保護カバー40と、フェライトコアユニット50と、を有する。
【0013】
表示ユニット10は、表示パネルと、バックライトユニットと、ベゼルと、を有する。表示パネルは、例えばTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶表示パネルである。表示パネルは、液晶層を封入する一対のガラス基板を有する。一対のガラス基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等により透明電極が形成される。また、表示パネルは、一対のガラス基板を挟み込むように配置された一対の偏光板(偏光フィルタ)を有する。表示パネルは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC(Flexible Printed Circuits))を介して、回路基板20に接続される。表示パネルは、回路基板20の制御部により制御されることにより、透明電極を介して液晶層に駆動電圧が印加される。これにより、液晶層の液晶分子の配向が制御され、表示パネルの個々の画素の透過率が変化することにより、表示パネルは画像を表示する。
【0014】
バックライトユニットは、表示パネルの後方に設けられる。バックライトユニットは、光源基板及び導光体からなり、表示パネルを後方から照明する。光源基板は、光源の一例である複数のLED(Light Emitting Diode)を実装する。光源基板は、FPC等の可撓性基板を介して、回路基板20と接続される。LEDは、駆動電流が供給されると、導光体に向けて光を出射する。導光体は、LEDが出射した光を表示パネルに向けて導く。
【0015】
ベゼルは、金属製の枠体(フレーム)であり、表示パネル及びバックライトユニットを収容する。ベゼルは、表示ユニット10の前面においては、少なくとも表示画面11を露出させて表示パネルの外縁を覆う。
【0016】
回路基板20は、中ケース32に支持されて表示ユニット10の後方に配置される。回路基板20は、表示ユニット10を制御するための制御部を主に有する。
【0017】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、例えば、ROMに書き込まれたプログラムに従って所定の演算処理を実行する。制御部は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)から車速、エンジン回転数、各種車両情報、ナビゲーション情報等を、各種センサ等を介して取得する。制御部は、取得した情報に基づき、表示ユニット10に情報を表示させる。
【0018】
回路基板20は、ケーブル2が接続されるためのコネクタ21を有する。ケーブル2は、車両のECU等と表示装置1を接続し、所要のデータを送受信する。ケーブル2は、例えば高速データ通信が可能なハイスピードデータ(HDS)コネクタを有するケーブル2であり、LVDS(Low voltage differential signaling)、Ethernet、USB(Universal Serial Bus)等の規格に基づいて通信する。
【0019】
ケース30は、下ケース31と、中ケース32と、を有する。
【0020】
下ケース31は、表示装置1の外郭を成す、遮光性の樹脂(例えば白色のポリプロピレン)である。下ケース31は、内部空間に、中ケース32に支持される表示ユニット10及び回路基板20を主に収容する。下ケース31は、背面33に固定部35を有する。固定部35は、背面33から後方に突出した筒状部分であり、ケーブル2を貫通させる貫通孔36を有する。固定部35は、外周に雄ねじ37を有する。
【0021】
中ケース32は、遮光性の樹脂(例えば白色のABS樹脂)である。中ケース32は、表示ユニット10及び回路基板20を主に支持する。
【0022】
保護カバー40は、透光性を有する板状部材(例えば無機ガラス、ポリカーボネート樹脂、PMMA樹脂)である。保護カバー40は、ケース30の前側開口38を覆うことにより、ケース30の内部の表示ユニット10や回路基板20を塵埃等から保護する。保護カバー40は、外縁において、シール材41を介して中ケース32の外縁に接着される。
【0023】
フェライトコアユニット50は、フェライトコア51(ノイズ抑制部材)と、フェライトコアケース52(ノイズ抑制部材ケース)と、を有する。フェライトコアユニット50は、フェライトコアケース52の内側において、フェライトコア51がフェライトコアケース52と一体になるように配置される。フェライトコアユニット50は、ケース30側の一端からケース30とは反対側の他端の方向に沿って二分されており、ヒンジを介して開閉可能である。フェライトコアユニット50(フェライトコア51)は、ケース30の外側に配置され、ケース30側の一端53側からケース30とは反対側の他端54側にケーブル2を通し、ケーブル2を流れるノイズ信号を抑制する。
【0024】
フェライトコア51は、円筒状のフェライトからなる磁性体であり、酸化鉄を主成分とするセラミックスである。フェライトコアケース52は、フェライトコア51を通るケーブル2を一端55側から他端56側に通して、フェライトコア51を収容する。
【0025】
フェライトコアケース52は、一端55に雌ねじ58を有する。雌ねじ58は、下ケース31の固定部35の雄ねじ37に対応する。これにより、フェライトコアケース52は、フェライトコア51の一端53側及びフェライトコアケース52の一端55側で、雌ねじ58で雄ねじ37と結合することにより、下ケース31に固定される。すなわち、フェライトコア51の一端53と他端54とを結ぶ方向(円筒軸方向)及びフェライトコアケース52の一端55と他端56とを結ぶ方向が、貫通孔36の軸方向と略一致するようにフェライトコアケース52は固定部35に固定される。
【0026】
このとき、フェライトコアユニット50の円筒軸方向全域に亘って、貫通孔36の軸方向と一致している必要はなく、フェライトコアユニット50の一端側において円筒軸方向が貫通孔36の軸方向と一致していれば、例えばフェライトコアユニット50の他端側が貫通孔36の軸方向に対して傾斜していたり曲がっていたりしてもよい。
【0027】
フェライトコアユニット50は、緩衝材59をさらに有する。緩衝材59は、フェライトコア51の他端54及びフェライトコアケース52の他端56と、ケーブル2との隙間を埋める。緩衝材59は、柔軟性があり、且つフェライトコア51の他端54及びフェライトコアケース52の他端56とケーブル2との隙間からフェライトコアユニット50内部に塵埃や水分が浸入しないような防塵性、防水性を有する材料(スポンジ、ゴム、樹脂)からなる。
【0028】
このような表示装置1は、フェライトコアユニット50を下ケース31の固定部35に固定した。すなわち、フェライトコアユニット50は、例えばフェライトコアユニット50に対するケーブル2の圧入等によりケーブル2自体に固定されることなく、下ケース31に強固に固定される。これにより、表示装置1の振動に伴いフェライトコアユニット50も振動するが、その振動をケーブル2に直接影響させることがない。
【0029】
また、表示装置1は、フェライトコアユニット50の他端側に緩衝材59を有することにより、フェライトコアユニット50が振動してもケーブル2に直接振動や衝撃が伝わらないようになっている。
【0030】
その結果、表示装置1は、ケーブル2のコネクタと回路基板20のコネクタ21との接続箇所や、ケーブル2とケーブル2のコネクタとの接続箇所に負荷がかかることを低減でき、ケーブル2が外れることや破損することを低減できる。ゆえに、表示装置1は、ノイズ対策と強度を両立できる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0032】
例えば、ノイズ抑制部材は、フェライトコア51に限らず非磁性体(強磁性体ではない、反磁性体、常磁性体、反強磁性体)材料からなる部材であってもよい。本発明は、表示ユニット10に種々の所要の情報を表示する表示装置1のみならず、指針式計器を有する表示装置にも適用可能である。
【0033】
ノイズ抑制部材ケースとしてのフェライトコアケース52が雌ねじ58を有し、本体ケースとしての下ケース31の固定部35が雄ねじ37を有する例を説明したが、雌ねじ58と雄ねじ37の関係が反対であってもよい。また、図3に示すように、フェライトコアケース52aに雌ねじ58(又は雄ねじ)を設けるのに代えて、ノイズ抑制部材としてのフェライトコア51aに雌ねじ58a(又は雄ねじ)を設けてもよい。
【0034】
また、下ケース31とフェライトコアユニット50は、フェライトコアユニット50の円筒軸方向が貫通孔36の軸方向と略一致するように下ケース31に固定されていれば、他の固定方法が用いられていてもよい。例えば、図4に示すように、下ケース31は、背面33から後方に突出する複数のフック71を有していてもよい。フック71がフェライトコアユニット50(フェライトコアケース52)と引っ掛かり前後方向に支持することにより、フェライトコアユニット50はフック71を介して下ケース31に固定される。又は、フェライトコアケース52が下ケース31に向って突出する複数のフックを有し、下ケース31がフックと掛かり合う孔等を有していてもよい。この場合においても、フェライトコアユニット50は、フックを介して下ケース31に固定される。
【0035】
さらに、図5に示すように、フェライトコアケース52が下ケース31に延びる固定部材72を有していてもよい。この場合、フェライトコアケース52は、この固定部材72を介して下ケース31の背面33にねじ止めされることにより、下ケース31に固定される。
【符号の説明】
【0036】
1 表示装置
2 ケーブル
10 表示ユニット
11 表示画面
20 回路基板
21 コネクタ
30 ケース
31 下ケース
32 中ケース
33 背面
35 固定部
36 貫通孔
37 雄ねじ
38 前側開口
40 保護カバー
41 シール材
50 フェライトコアユニット
51、51a フェライトコア
52、52a フェライトコアケース
53、55 一端
54、56 他端
58、58a 雌ねじ
59 緩衝材
71 フック
72 固定部材
図1
図2
図3
図4
図5