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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086117
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】被覆食品成形方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 11/16 20060101AFI20220602BHJP
   A23P 20/20 20160101ALI20220602BHJP
   A21C 11/00 20060101ALI20220602BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20220602BHJP
   A21D 8/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A21C11/16 B
A23P20/20
A21C11/00 H
A23L5/00 F
A21D8/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197963
(22)【出願日】2020-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】390013941
【氏名又は名称】株式会社コバード
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 博紀
(72)【発明者】
【氏名】吹上 透
【テーマコード(参考)】
4B031
4B032
4B035
4B048
【Fターム(参考)】
4B031CA09
4B031CB02
4B031CG04
4B031CJ20
4B031CL07
4B032DB01
4B032DE05
4B032DP24
4B032DP26
4B032DP30
4B032DP54
4B035LC16
4B035LE06
4B035LP35
4B035LT11
4B048PE12
4B048PP01
(57)【要約】
【課題】本発明は、外皮生地で芯生地の上部の周囲まで外皮生地を確実に密着させて被覆することができる被覆食品成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る被覆食品成形方法は、シート状の外皮生地Sの上面に芯生地Cを配置する配置工程と、外皮生地Sに載置された芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込んで外皮生地Sの中央部分を芯生地Cに密着させる押込み工程と、外皮生地Sの周辺部分を寄せ上げて芯生地Cの上部の周囲まで密着させて被覆する被覆工程とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆工程とを備えている被覆食品成形方法。
【請求項2】
被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部分が底面に回り込んだ状態に整形する整形工程を備えている請求項1に記載の被覆食品成形方法。
【請求項3】
前記被覆工程では、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周囲に寄せ上げる請求項1又は2に記載の被覆食品成形方法。
【請求項4】
前記押込み工程では、押し込まれる前記外皮生地に前記シャッタ片を当接した状態に設定する請求項3に記載の被覆食品成形方法。
【請求項5】
前記被覆工程では、生地玉状に予め形成された前記芯生地の周囲に前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて端縁部を前記芯生地の上部の周囲に密着させて被覆する請求項1から4のいずれかに記載の被覆食品成形方法。
【請求項6】
前記被覆工程では、前記外皮生地の上面にシート状の前記芯生地を重ね合わせた状態で前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周縁部とともに寄せ上げて当該周縁部を寄せ集めて封着するとともに前記外皮生地の端縁部を封着部の周囲に密着させて被覆する請求項1から4のいずれかに記載の被覆食品成形方法。
【請求項7】
シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置手段と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を押込み部材により前記外皮生地に向かって押し込む押込み手段と、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記外皮生地で前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆手段とを備えている被覆食品成形装置。
【請求項8】
被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部が底面に回り込んだ状態に整形する整形手段とを備えている請求項7に記載の被覆食品成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン生地等の芯生地の表面をシート状の外皮生地で被覆して成形する被覆食品成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より芯生地の表面をシート状の外皮生地で被覆した被覆食品が提供されており、代表的な被覆食品としてメロンパンが挙げられる。メロンパンは、芯生地にパン生地を用い、底面以外の表面が表出しないようにシート状のビスケット生地で被覆して成形するようになっている。
【0003】
このように芯生地の表面をシート状の外皮生地で被覆して成形するために、様々な成形方法が提案されている。例えば、特許文献1には、パン生地型内に外皮生地を供給して成形し、成形された外皮生地に内包パン生地を供給して一体化させて菓子パン生地を成形する方法が記載されている。また、特許文献2には、シート状生地によりパン生地の上面を被覆した後シート状生地の周辺部を押圧してパン生地の周囲に密着させ、四角形状の枠体で囲んで偏心回転動作を行うことで成形する方法が記載されている。また、特許文献3には、上掛け生地で被覆した生地玉を挟圧しながら丸め成形を行うことで、生地玉に上掛け生地を均一にむらなく被覆するように成形する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-313041号公報
【特許文献2】特開2007-185170号公報
【特許文献3】特許第6489948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メロンパンといった被覆食品は、シート状の外皮生地で芯生地を被覆して成形する場合、底面以外の表面全体を均一に外皮生地で被覆するように成形するためには、成形品の底面の全周にわたって外皮生地の周辺部が回り込むように成形することが必要となる。
【0006】
特許文献1では、外皮生地を成形型内で成形するようにしているが、外皮生地の周辺部を同じ形状に成形することは難しく、外皮生地の周辺部がパン生地の底面に回り込まずに成形品の底面以外の表面の一部が露出して不良品となるおそれがある。
【0007】
特許文献2及び3では、生地玉の上面に外皮生地を被せるように配置して成形するようにしているが、外皮生地を被せる際に位置ずれが生じやすいといった欠点がある。外皮生地の位置ずれにより生地玉の周囲に配置される外皮生地の周辺部の量にバラツキが生じて成形不良となりやすく、また外皮生地の周辺部を底面に回り込むように成形することが難しいといった課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、外皮生地で芯生地の上部の周囲まで外皮生地を確実に密着させて被覆することができる被覆食品成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る被覆食品成形方法は、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆工程とを備えている。さらに、被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部分が底面に回り込んだ状態に整形する整形工程を備えている。さらに、前記被覆工程では、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周囲に寄せ上げる。さらに、前記押込み工程では、押し込まれる前記外皮生地に前記シャッタ片を当接した状態に設定する。さらに、前記被覆工程では、生地玉状に予め形成された前記芯生地の周囲に前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて端縁部を前記芯生地の上部の周囲に密着させて被覆する。さらに、前記被覆工程では、前記外皮生地の上面にシート状の前記芯生地を重ね合わせた状態で前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周縁部とともに寄せ上げて当該周縁部を寄せ集めて封着するとともに前記外皮生地の端縁部を封着部の周囲に密着させて被覆する。
【0010】
本発明に係る被覆食品成形装置は、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置手段と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を押込み部材により前記外皮生地に向かって押し込む押込み手段と、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記外皮生地で前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆手段とを備えている。さらに、被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部が底面に回り込んだ状態に整形する整形手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を有することで、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置した状態で芯生地を外皮生地に向かって押し込み、外皮生地の周辺部分を寄せ上げて芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆するようにしているので、芯生地の上部の周囲まで外皮生地を確実に密着させて被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施形態に関する概略正面図である。
図2】シャッタに関する平面図である。
図3】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図4】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図5】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図6】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図7】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図8】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図9】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図10】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図11】被覆食品成形装置の被覆工程に関する説明図である。
図12】被覆品に関する外観斜視図である。
図13】被覆食品成形装置の整形工程に関する説明図である。
図14】被覆食品成形装置の変形例に関する工程説明図である。
図15】被覆食品成形装置の別の変形例に関する工程説明図である。
図16】被覆食品成形装置のさらに別の変形例に関する工程説明図である。
図17】被覆食品成形装置のさらに別の変形例に関する工程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明に係る被覆食品成形装置に関する概略正面図である。被覆食品成形装置1は、外皮生地をシート状に形成して供給する外皮生地供給部10、生地玉に形成した芯生地を供給してシート状の外皮生地の上面に配置する芯生地供給部20、芯生地を外皮生地に向かって押し込んで外皮生地の周辺部分を寄せ上げて芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆処理部30、及び、外皮生地で被覆した芯生地を所望の成形品に整形する整形部40を備えている。
【0015】
この例では、芯生地供給部20において、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置工程が行われ、被覆処理部30において、外皮生地に載置された芯生地を外皮生地に向かって押し込む押込み工程及び外皮生地の周辺部分を寄せ上げて芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆工程が行われるようになっている。また、整形部40において、外皮生地のより被覆された芯生地を上部が底面となるように反転させて外皮生地の周辺部分が底面に回り込んだ状態に整形する整形工程が行われるようになっている。
【0016】
外皮生地供給部10は、外皮生地用食材が投入されるホッパ11、ホッパ11内の食材を供給管13に圧送するベーンポンプ12、供給管13に接続された円形の吐出口を有するノズル14、及び、ノズル14から吐出された食材を切断するカッタ15を備えている。ノズル14から円柱状に吐出される食材を吐出方向と直交する方向から横切るようにカッタ15で切断することで、円形シート状の外皮生地Sを形成して供給するようになっている。形成された外皮生地Sは、搬送コンベヤ16に順次配置されて所定間隔を空けて芯生地供給部20に移送される。
【0017】
この例では、食材を切断してシート状の外皮生地を形成するようにしているが、食材に合わせてシート状に形成することができれば切断以外の方法で形成するようにしてもよく、特に限定されない。例えば、圧延ローラ等により薄く均等な厚みのシート状に形成するようにしてもよい。
【0018】
外皮生地に用いる食材としては、例えば、ビスケット生地、クッキー生地、練パイ生地といった薄くスライス可能な生地が挙げられるが、こうした食材以外にも薄く均等な厚みで形成することが可能で伸縮性のない食材であれば用いることができる。
【0019】
芯生地供給部20は、図1の紙面に直交する方向から生地玉に成形された芯生地Cを供給する搬送コンベヤ21と、供給された芯生地Cを保持する保持部22と、保持部22を開閉駆動する駆動部23を備えている。保持部22は一対の保持枠体を備えており、保持枠体を開く方向に回動させることで、下方が開放されて芯生地Cが落下するようになっている。そのため、搬送コンベヤ16により搬送された外皮生地Sを落下位置に位置決めした後駆動部23により保持部22を開くように動作させて芯生地Cを落下させることで、外皮生地Sの上面の中央部分に芯生地Cを正確に配置することができる。芯生地Cが配置された外皮生地Sは搬送コンベヤ24により被覆処理部30に移送される。
【0020】
芯生地に用いる食材としては、例えば、パン生地、中華饅頭生地、デニッシュパン生地、ドーナツ生地といった食材が挙げられる。また、芯生地の形態は、上述したような生地玉状の形態に形成することが好ましいが、これ以外の形態で用いてもよく特に限定されない。例えば、シート状の芯生地を用いて内材を包み込むように周縁部を寄せ集めて封着することで生地玉状に形成することができ、その際に、封着動作は、被覆動作とともに行うことで効率よく成形できる。また、生地玉状に形成した生地に別の食材を内蔵させて用いることも可能で、用途に応じた様々な形態で用いればよい。
【0021】
芯生地に使用する内材としては、例えば、粒餡や漉し餡等の豆類の餡、豆腐ペースト、野菜ペースト、カレーペースト、クリームチーズ等のペースト状の食材が挙げられ、こうしたペースト状の食材には固形食材を混ぜ込んで用いることもできる。混ぜ込む固形食材としては、例えば、大栗、アーモンド、マカダミア・ナッツ、ブルーベリー等の果実類、リンゴやオレンジ等の果肉の角切り、甘納豆、乾燥フルーツ、金時豆、ナッツ類の粒状物、ウィンナ、角切り肉、角切りジャガイモ、角切りニンジン等の加工食材といったものが挙げられる。
【0022】
被覆処理部30は、外皮生地Sの上面に配置された芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込む押込み部31、外皮生地Sの周辺部分を寄せ上げて芯生地Cの上部の周囲まで密着させて被覆するシャッタ部32、及び、外皮生地Sを下方から支持する支持部33を備えている。押込み部31は、シャッタ部32の上方に配置されており、シャッタ部32の下方に支持部33が配置されて装置本体に取り付けられている。
【0023】
押込み部31は、押込み部材を駆動部により上下動させて押込み動作を行うようになっている。この例では、押込み部材が吐出管及び吐出管内に挿着された開閉部材を備えており、開閉部材を動作させて吐出管内に導入された食材を下方から吐出可能となっている。吐出管には供給管38を介してベーンポンプ37が接続されており、ベーンポンプ37にはホッパ36が接続されている。ホッパ36内に投入された食材は、ベーンポンプ37により供給管38に圧送されて吐出管内に送給されるようになっている。
【0024】
押込み部31の押込み部材は、外皮生地Sの上面に配置された芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込む機能を備えていればよく、上述した例に限定されない。例えば、棒状の部材を用いることもできる。押込み部材の押込み動作により外皮生地Sの中央部分と芯生地Cとがしっかりと密着した状態となる。
【0025】
シャッタ部32は、複数のシャッタ片を備えた上下2段に配置された上段シャッタ321及び下段シャッタ322と、上段シャッタ321及び下段シャッタ322の間に装着されたシート状の受け部材323とを備えている。受け部材323には、円形の開口部が形成されている。
【0026】
図2は、上段シャッタ321に関する平面図である。上段シャッタ321は、6枚のシャッタ片321aを備えており、各シャッタ片321aは、中心軸を中心とする円周に等間隔で配置された回動軸に回動可能に取り付けられている。各回動軸には、回動板321bがシャッタ片321aと係合ピン等の係合部材により取り外し可能に連結されて装着されており、回動板321b及びシャッタ片321aが回動軸を中心に一体的に回動するようになっている。回動板321bの回動軸よりも外側の外周縁部には、上面側にリンク部材321cの端部が枢支されており、隣り合う回動板321b同士がリンク部材321cにより連結されている。そのため、6枚の回動板321bは、連動して回動動作を行うようになっており、回動板321bの回動動作によりシャッタ片321aが回動動作を行うようになっている。シャッタ321の装置本体側に配置された回動板321bには、連結ロッド321dの一方の端部が揺動可能に取り付けられており、他方の端部は連結ナットにより駆動ロッド321eと着脱可能に連結されるようになっている。駆動ロッド321eは、装置本体内に配置された駆動機構に連結されており、駆動機構を往復動作させることで、回動板321bを回動軸を中心に揺動させてシャッタ片321aを開閉動作させている。
【0027】
この例では、6枚のシャッタ片321aを時計回りに回動させることで開く方向に動作し、反時計回りに回動させることで閉じる方向に動作するようになっている。そして、回動する角度を調整することで、シャッタ片321aにより囲まれた開口領域の面積を調整することができる。
【0028】
下段シャッタ322についても上段シャッタ321と同様に構成されており、6枚のシャッタ片を開閉動作させて被覆動作を行うようになっている。この例では、下段シャッタ322の開口領域に押し込まれた芯生地C及び外皮生地Sに対して下段シャッタ322を閉じる方向に動作させて外皮生地Sの周辺部分を芯生地Cの周囲に寄せ上げて端縁部を芯生地Cの上部の周囲まで密着させて被覆するように被覆動作が行われる。
【0029】
こうした被覆動作により芯生地Cの下半分は完全に外皮生地Sにより被覆されるとともに上半分も外皮生地Sの端縁部が内方に向かって寄せ上げられて被覆された状態となり、芯生地Cの頂部が部分的に露出した状態で被覆されるようになる。
【0030】
押込み部31の押込み動作により外皮生地Sの中央部分が芯生地Cに密着した状態となっており、下段シャッタ322の寄せ上げ動作により外皮生地Sの周辺部分が密着した状態となって外皮生地Sの端縁部まで芯生地Cに十分密着した状態とすることができ、外皮生地S全体を芯生地Cに確実に密着させて被覆することが可能となる。
【0031】
上段シャッタ321及び下段シャッタ322の開口領域の中心は、受け部材323の開口部の中心と一致するように配置されており、開口領域及び開口部の中心が押込み部30の押込み部材の上下動する動作軸と一致するように位置合せされている。
【0032】
上述したシャッタ部32の例では、6枚シャッタを用いているが、各シャッタのシャッタ片の枚数は6枚に限定されることはなく、2枚以上のシャッタ片を用いたシャッタであれば使用することができる。シャッタ片の枚数は、多くした方が、外皮生地の周辺部分を円形に近い形で寄せ上げることができる。
【0033】
また、上段シャッタ及び下段シャッタのシャッタ片の枚数が異なるように設定することも可能で、上段シャッタ及び下段シャッタのどちらか一方を省略した一段シャッタ及び受け部材で構成することもできる。
【0034】
また、外皮生地を寄せ上げることができる機能を備えていれば、上述した回動するシャッタ機構以外の動作機構を用いることができ、特に限定されない。例えば、開口領域を囲むように配置された複数のシャッタ片を開口領域の中心に向かって直進移動させて開閉動作を行うようにしてもよく、シャッタ片以外にロッド状部材を開口領域の周囲に配置して先端部を開口領域の中心に向かって移動させても外皮生地を寄せ上げる機能を実現することができ、食材に合わせて様々な動作機構を用いることが可能である。
【0035】
搬送コンベヤ24により移送された外皮生地S及び芯生地Cは、搬入コンベヤ34により上段シャッタ321の開口領域に搬入される。
【0036】
支持部33は、芯生地Cを外皮生地Sで被覆した被覆品を搬出する搬送ベルト35を備えており、搬送ベルト35は、従動プーリに張架されて駆動機構の駆動プーリに巻回されて張設されている。そして、搬送ベルト35の一方の従動プーリ側が、下段シャッタ322の下方に延設されており、受け部材323の開口のほぼ直下の位置に支持部材331が設けられている。支持部材331は、搬送ベルト35の上側の下面に当接するように配置されている。
【0037】
支持部材331は、装置本体内から突設された作動部材に支持固定されており、作動部材を装置本体内に設けられた駆動機構により上下動させて支持部材331が上昇及び下降の動作を行うようになっている。後述するように、シャッタ部32において被覆動作を行う際に支持部材331が搬送ベルト35とともに上昇して外皮生地Sを支持し、外皮生地Sで芯生地Cが被覆された被覆品Kを搬送ベルト35上に載置した状態で支持部材331を下降させて搬送ベルト35を駆動することで、被覆品を搬出することができる。
【0038】
整形部40は、被覆品Kを反転させて芯生地Cの上部が底面となるように処理する反転部41及び被覆した外皮生地Sの表面にネット状の模様を形成する模様形成部42を備えている。反転部41では、搬送ベルト35から移送された被覆品Kを搬送コンベヤで所定の高さまで上昇させた後搬送コンベヤの端部から落下させることで反転動作を行う。反転した被覆品Kは、底面側に外皮生地Sの端縁部が全周にわたって回り込んだ状態となっており、良好な成形品Hを得ることができる。また、メロンパン等の成形品の場合には、模様形成部42においてネット状の型体を外皮生地Sの表面に型押しすることで、被覆品Kに模様を形成して所望の成形品Hに整形する。
【0039】
図3から図11は、被覆食品成形装置1の被覆工程に関する説明図である。説明図では、被覆動作に関連する被覆処理部30の押込み部31、シャッタ部32及び支持部33の動作を示している。図3は、搬入コンベヤ34からシート状の外皮生地Sに芯生地Cが配置された状態で搬入された状態を示している。押込み部31の押込み部材311は、上昇した位置に設定され、上段シャッタ321は開いた状態に設定されて受け部材323の開口部が露出した状態となっている。下段シャッタ322は、受け部材323の開口部の内側にシャッタ片が配置された状態となっている。そして、外皮生地S及び芯生地Cは、上段シャッタ321の開口領域に投入されて、受け部材323上に開口部を覆うように配置される。
【0040】
図4では、投入された外皮生地Sに対して、上段シャッタ321を閉じる方向に動作させて外皮生地Sの周縁部に接触させ、受け部材323の開口部の中心に対して位置調整する。押込み部材311は、下降して押込み動作の準備位置に設定される。
【0041】
図5では、下段シャッタ322が開く方向に動作して、受け部材323の開口部に芯生地Cが外皮生地Sとともに落とし込み可能な状態に設定される。そして、上段シャッタ321をさらに閉じる方向に動作させて、受け部材323上の外皮生地Sを開口部の中心に向かって寄せるようにすることで、芯生地Cが受け部材323の開口部内に落ち込むように外皮生地Sが窪んだ状態となる。
【0042】
図6では、押込み部材311がさらに下降して芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込むように動作し、芯生地Cは外皮生地Sとともに受け部材323の開口部内を下方に押し込まれていくようになる。図7では、下段シャッタ322が閉じる方向に動作して下方に押し込まれていく外皮生地Sに接触した状態に設定し、上段シャッタ321も閉じる方向に動作して受け部材323上の外皮生地Sの周縁部に当接する。下段シャッタ322の接触により芯生地C及び外皮生地Sの開口部内への自然落下による急激な落とし込みを抑止するとともに、上段シャッタ321により外皮生地Sの周辺部分の開口部に向かう動きを促進してスムーズな落とし込みを行うことができる。そのため、芯生地C及び外皮生地Sにダメージを与えることなく芯生地Cの底部に外皮生地Sの中央部分を密着させることが可能となる。
【0043】
図8では、押込み部材311が所定量の押込み動作を行った後、上昇して待機位置に戻り、支持部材331が上昇して受け部材323の開口部内に落とし込まれた芯生地C及び外皮生地Sを支持するようになる。上段シャッタ321はさらに閉じる方向に動作し、外皮生地Sの周辺部分は、芯生地Cの上部の周囲に寄せられた状態となる。
【0044】
図9では、上段シャッタ321がさらに閉じる方向に動作して外皮生地Sの周辺部分が内方に向かって寄せ集められた状態となる。図10では、上段シャッタ321の閉じる方向の動作に伴って、下段シャッタ322が閉じる方向に動作しながら支持部材331が下降することで、外皮生地Sの周辺部分が芯生地Cの上部の周囲に寄せ上げられる。
【0045】
その際に下段シャッタ322のシャッタ片が外皮生地Sの周辺部分を開口部の中心に向かって摺接するように動作するため、外皮生地Sの周辺部分を芯生地Cに確実に密着させることができる。また、下段シャッタ322は閉じ切ることなく所定の開口領域が開いた状態で動作を停止するため、芯生地Cの上部を部分的に露出した状態で、外皮生地Sを芯生地Cに密着させて被覆した被覆品Kが得られる。
【0046】
図11では、上段シャッタ321及び下段シャッタ322が開く方向に動作して初期位置に設定され、支持部材331はさらに下降して、搬送ベルトにより被覆品Kを次の整形工程に移送する。
【0047】
図12は、被覆品Kに関する外観斜視図である。この例では、外皮生地Sの端縁部S1は、下段シャッタ322の6枚のシャッタ片に対応して芯生地Cの上部の周囲に6つの突起状の寄せ上げ部分が形成されてしっかりと密着した状態となっている。図13は、整形工程に関する説明図である。整形工程では、被覆品Kを所望の成形品Hに整形するため、被覆品Kを反転して芯生地Cの上部において被覆されずに露出した部分を底面となるようにする。そして、底面の周囲に密着した外皮生地Sの端縁部S1が底面に回り込んだ状態となった成形品Hに整形することができる。被覆品Kでは外皮生地S全体が芯生地Cにしっかりと密着して被覆した状態となっているので、反転動作の際に外皮生地Sが不用意に剥がれることはない。そのため、底面の全周にわたって外皮生地Sが確実に回り込んだ所望の成形品Hを安定して成形することが可能となる。
【0048】
上述した例では、シャッタ部32を上下二段のシャッタで構成しているが、いずれか一方のシャッタでも成形することができる。図14は、シャッタ部32が下段シャッタ322のみの被覆処理部に関する工程説明図である。下段シャッタ322を受け部材323の開口部よりも狭い開口領域となるように設定して外皮生地Sを芯生地Cが上面に配置した状態でセットする(図14(a))。次に、下段シャッタ322を開く方向に動作させて開口領域を拡げて受け部材323の開口部に外皮生地S及び芯生地Cが落ち込むように窪んだ状態となり、上方から押込み部材311が下降する(図14(b))。押込み部材311をさらに下降させて芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込み、受け部材323の開口部内に押し込んでいく(図14(c))。
【0049】
押込み部材311の押し込む動作に合わせて下段シャッタ322が閉じる方向に動作し、各シャッタ片が外皮生地Sに接触した状態で外皮生地Sが芯生地Cとともに押し込まれていく(図14(d))。押し込まれた外皮生地Sの中央部分は支持部材331に支持されて芯生地Cに押圧されて密着するとともに外皮生地Sの周辺部分は芯生地Cの周囲を囲むように寄せられた状態となる(図14(e))。
【0050】
押込み部材311が上昇して押込み動作が終了した後支持部材331が下降して下段シャッタ322のシャッタ片に外皮生地Sの周辺部分が当接しながら下降するとともに下段シャッタ322を閉じる方向に動作させる(図14(f))。そして、下段シャッタ322のシャッタ片が外皮生地Sの周辺部分を寄せ上げながら内方に向かって寄せ集めるように被覆動作を行い、外皮生地Sを芯生地Cに密着させて被覆する(図14(g))。下段シャッタ322は閉じ切ることなく所定の開口領域が開いた状態で動作を停止し、芯生地Cの上部を部分的に露出した被覆品Kが得られる(図14(h))。
【0051】
図15は、シャッタ部32が上段シャッタ321のみの被覆処理部に関する工程説明図である。上段シャッタ321を受け部材323の開口部よりも広い開口領域となるように設定して外皮生地Sを芯生地Cが上面に配置した状態でセットする(図15(a))。次に、上段シャッタ321を閉じる方向に動作させて外皮生地Sの周縁部に当接して受け部材323の開口部に外皮生地S及び芯生地Cが落ち込むように窪んだ状態とし、上方から押込み部材311が下降する(図15(b))。押込み部材311をさらに下降させて芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込み、受け部材323の開口部内に押し込んでいく。その際に上段シャッタ321が閉じる方向に動作を継続して外皮生地Sの周辺部分を開口部の中心に向かって寄せるように動作する(図15(c))。
【0052】
押込み部材311の押し込み動作により外皮生地Sが開口部内に落とし込まれたタイミングで支持部材331が上昇して外皮生地Sを支持し、受け部材323上の外皮生地Sの周辺部分は上段シャッタ321の閉じる方向の動作により開口部に寄せられた状態となる。押込み部材311は上昇して押込み動作は終了する。押し込まれた外皮生地Sの中央部分は支持部材331に支持されて芯生地Cに押圧されて密着するとともに外皮生地Sの周辺部分は芯生地Cの周囲を囲むように寄せられた状態となる(図15(d))。
【0053】
上段シャッタ321をさらに閉じる方向に動作させて芯生地Cの周囲に寄せられた外皮生地Sの周辺部分を内方に向かって寄せ集めるように被覆動作を行い(図15(e))、外皮生地Sの周辺部分を引き上げるように寄せ上げて芯生地Cに密着させて被覆する(図15(f))。上段シャッタ321は閉じ切ることなく所定の開口領域が開いた状態で動作を停止し、芯生地Cの上部を部分的に露出した被覆品Kが得られる(図15(g))。
【0054】
上述した例では、シート状の外皮生地Sの上面に芯生地Cを配置した状態で被覆処理部30に搬入するようにしているが、被覆処理部30において芯生地Cを供給して外皮生地S上に配置することもできる。
【0055】
図16は、被覆処理部30において芯生地Cを供給する工程図である。この例では、押込み部31の下方に保持部22を配置して芯生地Cを供給するようにしている。保持部22は、一対の保持枠体221が上下方向に回動可能に軸支されており、図示せぬ駆動機構により保持枠体221が上方に回動して互いに離間することで下方が開き、下方に回動して互いに接合することで閉じるようになっている。そして、閉じた状態で保持枠体221の下部に収容スペース222が形成されるようになっている。なお、図16では、理解を容易にするために、保持枠体221は、上下方向に沿う断面形状となっており、保持枠体221の内部に収容された芯生地Cが見えるように描かれている。
【0056】
まず、図示せぬ搬送手段により保持部22内に芯生地Cが搬入されて一対の保持枠体221の下部の収容スペース222に芯生地Cが収容される。上段シャッタ321は開いた状態となっており、受け部材323の開口部よりも広い開口領域となるように設定されている。下段シャッタ322は、受け部材323の開口部よりも狭い開口領域で開いた状態に設定されている。外皮生地Sは、受け部材323上に搬入されて開口部を覆うように配置される(図16(a))。
【0057】
次に、押込み部31及び保持部22が下降して準備位置に設定され、上段シャッタ321が閉じる方向に動作して外皮生地Sの周縁部に当接することで、外皮生地Sの中央部分に芯生地Cが配置されるように位置調整が行われる(図16(b))。
【0058】
下段シャッタ322が開く方向に動作して開口領域を拡げるとともに上段シャッタ321をさらに閉じる方向に動作し、外皮生地Sの中央部分が受け部材323の開口部に落とし込まれるように窪んだ形状となる(図16(c))。外皮生地Sの中央部分を窪んだ形状とすることで芯生地Cが中央部分に収まりやすくなる。そして、保持枠体221を開く方向に動作させて芯生地Cを外皮生地Sの中央部分上に落下させて配置する(図16(d))。
【0059】
保持枠体221が開放された状態で押込み部材311が保持枠体221の間を通過して下降し、外皮生地Sの上面に配置された芯生地Cを外皮生地Sに向かって押し込むように動作し、芯生地Cは外皮生地Sとともに受け部材323の開口部内を下方に押し込まれていくようになる(図16(e))。
【0060】
下段シャッタ322が閉じる方向に動作して下方に押し込まれていく外皮生地Sに接触した状態に設定し、上段シャッタ321も閉じる方向に動作して受け部材323上の外皮生地Sの周縁部に当接する。下段シャッタ322の接触により芯生地C及び外皮生地Sの開口部内への自然落下による急激な落とし込みを抑止するとともに、上段シャッタ321により外皮生地Sの周辺部分の開口部に向かう動きを促進してスムーズな落とし込みを行う(図16(f))。
【0061】
押込み部材311が所定量の押込み動作を行った後、保持部22とともに上昇して待機位置に戻り、支持部材331が上昇して受け部材323の開口部内に落とし込まれた芯生地C及び外皮生地Sを支持するようになる。上段シャッタ321はさらに閉じる方向に動作し、外皮生地Sの周辺部分は、芯生地Cの上部の周囲に寄せ集められた状態となる(図16(g))。
【0062】
上段シャッタ321の閉じる方向の動作に伴って、下段シャッタ322が閉じる方向に動作しながら支持部材331が下降することで、外皮生地Sの周辺部分が芯生地Cの上部の周囲に寄せ上げられる(図16(h))。
【0063】
その際に下段シャッタ322のシャッタ片が外皮生地Sの周辺部分を開口部の中心に向かって摺接するように動作するため、外皮生地Sの周辺部分を芯生地Cに確実に密着させることができる。また、下段シャッタ322は閉じ切ることなく所定の開口領域が開いた状態で動作を停止するため、芯生地Cの上部を部分的に露出した状態で、外皮生地Sを芯生地Cに密着させて被覆した被覆品Kが得られる。支持部材331は、被覆品Kを載置した状態で下降し、搬送ベルトにより被覆品Kを次の成形工程に搬送する(図16(i))。
【0064】
図17は、シート状の芯生地を用いて内材を包み込むように周縁部を封着するとともに外皮生地の端縁部を芯生地の封着部の周囲に密着させて被覆する工程に関する説明図である。図17(a)は、初期設定の状態を示している。上段シャッタ321は開いた状態となっており、受け部材323の開口部よりも広い開口領域となるように設定されている。下段シャッタ322は、受け部材323の開口部よりも狭い開口領域で開いた状態に設定されている。
【0065】
芯生地C’はシート状に形成されており、外皮生地Sの上面に重ね合わせて配置されている。芯生地C’は、例えば、分割された生地を圧延装置により圧延してシート状に形成し、シート状の外皮生地S上に配置することができる。芯生地C’は、外皮生地Sよりも大径の円形状に形成されており、重ね合わせた状態で芯生地C’の周縁が外皮生地Sの周縁とほぼ同心円状となるように配置されている。そのため、芯生地C’の周縁部が外皮生地Sの周縁の外側に所定幅だけはみ出すように設定されている。そして、2枚の生地が重ね合わせた状態で受け部材323上に搬入されて開口部を覆うように配置される。
【0066】
この例では、押込み部31は、図1に示すように、内材供給を行うようになっており、円筒状の吐出管313内に円柱状の開閉部材312が挿着されて押込み部材が構成されている。吐出管313には内材Gを供給する供給管38が接続されており、所定量の内材Gが吐出管313内に供給されるようになっている。開閉部材312は上昇した位置に設定されており、供給管38の投入口が開放されて内材Gが導入可能となっている。
【0067】
まず、上段シャッタ321が閉じる方向に動作して芯生地C’の周縁に当接して受け部材323の開口部の中心に対して位置調整を行う。押込み部31は下降して、芯生地C’に近接した位置で準備する(図17(b))。下段シャッタ322が開く方向に動作して開口領域を拡げるとともに上段シャッタ321をさらに閉じる方向に動作し、芯生地C’及び外皮生地Sの中央部分が受け部材323の開口部に落とし込まれるように窪んだ形状となる(図17(c))。
【0068】
押込み部31が下降して吐出管313の下端が芯生地C’の窪んだ中央部分に当接し、供給管38から吐出管313内に内材Gが導入される(図17(d))。そして、開閉部材312が下降することで、吐出管313内に導入された内材Gが芯生地C’及び外皮生地Sに向かって押し出されるように吐出する。そのため、芯生地C’及び外皮生地Sは、受け部材323の開口部内に落とし込まれるようになり、支持部材331により下方から支持されるようになる。そして、芯生地C’は、外皮生地Sに向かって押し込まれて密着するようになる(図17(e))。
【0069】
その際に、下段シャッタ322が閉じる方向に動作して下方に押し込まれていく芯生地C’及び外皮生地Sに接触した状態に設定し、上段シャッタ321も閉じる方向に動作して受け部材323上の芯生地C’及び外皮生地Sの周縁部に当接する。下段シャッタ322の接触により芯生地C’及び外皮生地Sの開口部内への自然落下による急激な落とし込みを抑止するとともに、上段シャッタ321により芯生地C’及び外皮生地Sの周辺部分の開口部に向かう動きを促進してスムーズな落とし込みを行うことができる。そのため、芯生地C’及び外皮生地Sにダメージを与えることなく芯生地C’の中央部分及び外皮生地Sの中央部分を密着させることが可能となる。
【0070】
所定量の内材Gが芯生地C’及び外皮生地Sの中央部分に押し込まれた後押込み部31は上昇して待機位置に設定される(図17(f))。そして、芯生地C’の周縁部は、内材Gを囲むように上段シャッタ321に対向した状態に設定される。
【0071】
次に、支持部材331を下降しながら上段シャッタ321がさらに閉じる方向に動作して芯生地C’の周縁部が内方に向かって寄せ集められる。その際に、外皮生地Sの周辺部分も芯生地C’の周縁部とともに寄せ上げられるようになる(図17(g))。支持部材331が下降しながら下段シャッタ322が閉じる方向に動作して寄せ集められた芯生地C’の周縁部を封着するとともに下段シャッタ322のシャッタ片が外皮生地Sの周辺部分を開口部の中心に向かって摺接し、外皮生地Sの周辺部分を芯生地C’の封着部の周囲に確実に密着させる(図17(h))。
【0072】
下段シャッタ322の封着動作が完了し、芯生地C’で内材Gを包み込むように封着するとともに芯生地C’の上部の封着部を部分的に露出した状態で、外皮生地Sを芯生地C’に密着させて被覆した被覆品K’が得られる。
【0073】
以上説明したように、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置した状態で芯生地を外皮生地に向かって押し込んで両者の中央部分を密着させ、外皮生地の周辺部分を寄せ上げて芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆するようにしているので、芯生地の上部の周囲まで外皮生地全体を確実に密着させて被覆することができる。
【符号の説明】
【0074】
C、C’・・・芯生地、G・・・内材、H・・・成形品、K・・・被覆品、S・・・外皮生地、1・・・被覆食品成形装置、10・・・外皮生地供給部、20・・・芯生地供給部、30・・・被覆処理部、31・・・押込み部、32・・・シャッタ部、33・・・支持部、40・・・整形部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2021-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の外皮生地で芯生地を被覆して成形するとともに底面に露出した芯生地の周囲に外皮生地の端縁部が密着する被覆食品の成形方法であって、前記外皮生地の上面に生地玉状に予め形成された前記芯生地を配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記芯生地の周囲に前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて底面となる前記芯生地の上部の周囲に前記外皮生地の端縁部を密着させて被覆する被覆工程とを備えている被覆食品成形方法。
【請求項2】
シート状の外皮生地で芯生地を被覆して成形するとともに底面に露出した芯生地の周囲に外皮生地の端縁部が密着する被覆食品の成形方法であって、前記外皮生地の上面にシート状の前記芯生地を重ね合わせて配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周縁部とともに寄せ上げて当該周縁部を寄せ集めて封着するとともに底面となる前記芯生地の封着部の周囲に前記外皮生地の端縁部を密着させて被覆する被覆工程とを備えている被覆食品成形方法。
【請求項3】
被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部分が底面に回り込んだ状態に整形する整形工程を備えている請求項1又は2に記載の被覆食品成形方法。
【請求項4】
前記被覆工程では、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周囲に寄せ上げる請求項1から3のいずれかに記載の被覆食品成形方法。
【請求項5】
前記押込み工程では、押し込まれる前記外皮生地に前記シャッタ片を当接した状態に設定する請求項4に記載の被覆食品成形方法。
【請求項6】
シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置手段と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を押込み部材により前記外皮生地に向かって押し込む押込み手段と、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記外皮生地で前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆手段と、被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部が底面に回り込んだ状態に整形する整形手段とを備えている被覆食品成形装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る被覆食品成形方法は、シート状の外皮生地で芯生地を被覆して成形するとともに底面に露出した芯生地の周囲に外皮生地の端縁部が密着する被覆食品の成形方法であって、前記外皮生地の上面に生地玉状に予め形成された前記芯生地を配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記芯生地の周囲に前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて底面となる前記芯生地の上部の周囲に前記外皮生地の端縁部を密着させて被覆する被覆工程とを備えている。
本発明に係る別の被覆食品成形方法は、シート状の外皮生地で芯生地を被覆して成形するとともに底面に露出した芯生地の周囲に外皮生地の端縁部が密着する被覆食品の成形方法であって、前記外皮生地の上面にシート状の前記芯生地を重ね合わせて配置する配置工程と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を前記外皮生地に向かって押し込んで前記外皮生地の中央部分を前記芯生地に密着させる押込み工程と、前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周縁部とともに寄せ上げて当該周縁部を寄せ集めて封着するとともに底面となる前記芯生地の封着部の周囲に前記外皮生地の端縁部を密着させて被覆する被覆工程とを備えている。
さらに、上記の被覆食品成形方法において、被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部分が底面に回り込んだ状態に整形する整形工程を備えている。さらに、前記被覆工程では、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を前記芯生地の周囲に寄せ上げる。さらに、前記押込み工程では、押し込まれる前記外皮生地に前記シャッタ片を当接した状態に設定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る被覆食品成形装置は、シート状の外皮生地の上面に芯生地を配置する配置手段と、前記外皮生地に載置された前記芯生地を押込み部材により前記外皮生地に向かって押し込む押込み手段と、複数のシャッタ片を備えるシャッタを閉じる方向に動作させて前記外皮生地の周辺部分を寄せ上げて前記外皮生地で前記芯生地の上部の周囲まで密着させて被覆する被覆手段と被覆された前記芯生地を前記上部が底面となるように反転させて前記外皮生地の周辺部が底面に回り込んだ状態に整形する整形手段とを備えている。