(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086143
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】水処理システム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20060101AFI20220602BHJP
B01D 61/04 20060101ALI20220602BHJP
B01D 61/12 20060101ALI20220602BHJP
B01D 65/08 20060101ALI20220602BHJP
C02F 1/50 20060101ALI20220602BHJP
C02F 1/32 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
C02F1/44 C
B01D61/04
B01D61/12
B01D65/08
C02F1/50 510C
C02F1/50 550L
C02F1/50 560C
C02F1/50 560E
C02F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197998
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】村中 貴志
(72)【発明者】
【氏名】森 優希
【テーマコード(参考)】
4D006
4D037
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006JA53Z
4D006JA57Z
4D006KA02
4D006KA03
4D006KA47
4D006KB04
4D006KD06
4D006KE02P
4D006KE03P
4D006KE03Q
4D006KE04Q
4D006KE12P
4D006KE16P
4D006KE19P
4D006KE22Q
4D006KE28Q
4D006KE30Q
4D006PA01
4D006PB02
4D037AA01
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB01
4D037BB02
4D037CA03
4D037CA16
(57)【要約】
【課題】逆浸透膜装置における微生物の繁殖を抑制できる水処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る水処理システム1は、逆浸透膜を有し、供給水を処理水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置10と、前記逆浸透膜装置10に前記供給水を供給する給水ライン20と、前記給水ライン20にスライムコントロール剤を注入する薬注装置21と、前記給水ライン20の前記スライムコントロール剤の注入点より下流側の前記供給水中又は前記逆浸透膜装置10から流出する前記濃縮水中の前記スライムコントロール剤の有効成分の残留濃度を検出する濃度検出器24と、前記給水ライン20の前記スライムコントロール剤の注入点より下流側に設けられ、前記供給水に紫外線を照射する紫外光源を有する紫外線殺菌装置22と、前記濃度検出器24の検出値に応じて前記紫外線殺菌装置22に前記紫外光源を点灯させる照射制御部54と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆浸透膜を有し、供給水を処理水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置と、
前記逆浸透膜装置に前記供給水を供給する給水ラインと、
前記給水ラインにスライムコントロール剤を注入する薬注装置と、
前記給水ラインの前記スライムコントロール剤の注入点より下流側の前記供給水中又は前記逆浸透膜装置から流出する前記濃縮水中の前記スライムコントロール剤の有効成分の残留濃度を検出する濃度検出器と、
前記給水ラインの前記スライムコントロール剤の注入点より下流側に設けられ、前記供給水に紫外線を照射する紫外光源を有する紫外線殺菌装置と、
前記濃度検出器の検出値に応じて前記紫外線殺菌装置に前記紫外光源を点灯させる照射制御部と、
を備える、水処理システム。
【請求項2】
前記逆浸透膜装置は、前記供給水から主に前記処理水を生成する通常運転を行うことができ、
前記照射制御部は、前記濃度検出器の検出値が小さくなった場合、前記逆浸透膜装置の前記通常運転中に前記紫外光源を点灯又は点滅させる、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記給水ラインに設けられる給水ポンプと、
前記逆浸透膜装置から流出する濃縮水の一部を前記給水ラインの前記給水ポンプの上流側に還流させる循環水ラインと、
をさらに備え、
前記濃度検出器は、前記給水ラインの前記循環水ラインの合流点よりも上流側に設けられ、
前記紫外線殺菌装置は、前記給水ラインの前記循環水ラインの合流点よりも下流側に設けられる、請求項1又は2に記載の水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
逆浸透膜を用いて水を清浄化する水処理システムが広く利用されている。供給水中に微生物が含まれる場合、逆浸透膜の表面に微生物が繁殖してスライム(バイオフィルムともいう)を生成することで、逆浸透膜装置の処理能力を低下させたり、逆浸透膜の破損の原因となったりすることがある。
【0003】
供給水にスライムコントロール剤を添加する方法もあるが、スライムコントロール剤に含まれる塩素は、逆浸透膜にダメージを与え得る。このため、逆浸透膜装置に供給する前に活性炭ろ過装置や還元剤を用いて塩素を除去する必要がある。
【0004】
また、供給水タンクに紫外線殺菌装置を設けた水処理システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。紫外線殺菌装置を用いて供給水に紫外線を照射することにより供給水中の微生物を不活化することができるので、逆浸透膜装置における微生物の繁殖を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ある程度の量の供給水を貯留する供給水タンクにおいて紫外線を照射して供給水中の微生物を十分に不活化させるためには、紫外線の出力を大きくする必要がある。このため、逆浸透膜装置に微生物が進入することを完全に防止することは難しい。
【0007】
従って、本発明は、逆浸透膜装置における微生物の繁殖を抑制できる水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る水処理システムは、逆浸透膜を有し、供給水を処理水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置と、前記逆浸透膜装置に前記供給水を供給する給水ラインと、前記給水ラインにスライムコントロール剤を注入する薬注装置と、前記給水ラインの前記スライムコントロール剤の注入点より下流側の前記供給水中又は前記逆浸透膜装置から流出する前記濃縮水中の前記スライムコントロール剤の有効成分の残留濃度を検出する濃度検出器と、前記給水ラインの前記スライムコントロール剤の注入点より下流側に設けられ、前記供給水に紫外線を照射する紫外光源を有する紫外線殺菌装置と、前記濃度検出器の検出値に応じて前記紫外線殺菌装置に前記紫外光源を点灯させる照射制御部と、を備える。
【0009】
上述の水処理システムにおいて、前記逆浸透膜装置は、前記供給水から主に前記処理水を生成する通常運転を行うことができ、前記照射制御部は、前記濃度検出器の検出値が小さくなった場合、前記逆浸透膜装置の前記通常運転中に前記紫外光源を点灯又は点滅させてもよい。
【0010】
上述の水処理システムは、記給水ラインに設けられる給水ポンプと、前記逆浸透膜装置から流出する濃縮水の一部を前記給水ラインの前記給水ポンプの上流側に還流させる循環水ラインと、をさらに備え、前記濃度検出器は、前記給水ラインの前記循環水ラインの合流点よりも上流側に設けられ、前記紫外線殺菌装置は、前記給水ラインの前記循環水ラインの合流点よりも下流側に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、逆浸透膜装置における微生物の繁殖を抑制できる水処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水処理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の水処理システム1の構成を示す図である。
【0014】
本実施形態の水処理システム1は、逆浸透膜を有し、供給水を処理水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置10と、逆浸透膜装置10に供給水を供給する給水ライン20と、逆浸透膜装置10から流出する処理水を需要先に案内する処理水ライン30と、逆浸透膜装置10から流出する濃縮水の一部を給水ライン20に還流させる循環水ライン40と、各構成要素の動作を制御する制御装置50と、を備える。
【0015】
逆浸透膜装置10は、逆浸透膜を用いて供給水を膜分離することにより、逆浸透膜を透過した処理水と逆浸透膜を透過しなかった濃縮水とに分離する。水処理システム1は、逆浸透膜装置10の雰囲気温度、つまり逆浸透膜装置10の周囲の空気の温度を検出する雰囲気温度センサを備えてもよい。
【0016】
給水ライン20には、スライムコントロール剤を注入する薬注装置21と、供給水に紫外線を照射する紫外線殺菌装置22と、供給水を加圧して逆浸透膜装置10に供給するための給水ポンプ23と、が設けられる。また、給水ライン20には、スライムコントロール剤の有効成分の残留濃度を検出する濃度検出器24と、逆浸透膜装置10に供給される供給水の流量を検出する供給水流量計25と、が設けられる。
【0017】
薬注装置21は、供給水にスライムコントロール剤を注入することにより、供給水中の微生物の活性を低下させる。これにより、逆浸透膜装置10に進入した微生物が逆浸透膜の膜面で繁殖することによるスライムの生成を抑制できるので、スライムによって逆浸透膜が閉塞するバイオファウリングを抑制できる。
【0018】
スライムコントロール剤としては、一般的に酸化作用を有し、逆浸透膜装置10の逆浸透膜を劣化させ得る薬品が用いられる。このため、薬注装置21によるスライムコントロール剤の注入量は、水処理システム1に供給される原水の水質が変化しても逆浸透膜装置10の内部においてスライムコントロール剤が過剰となって逆浸透膜の劣化を劣化させることがないような量に設定される。
【0019】
紫外線殺菌装置22は、給水ライン20の循環水ライン40の合流点と給水ポンプ23との間に設けられ、供給水に紫外線を照射する紫外光源を有する。紫外光源としては、複数の紫外発光ダイオードを有するダイオードアレイ光源が好適に用いられる。
【0020】
紫外線殺菌装置22は、供給水に紫外線を照射することによって、供給水中に存在する微生物を不活化する。これにより、逆浸透膜装置10に進入した微生物が逆浸透膜の膜面で繁殖することによるスライムの生成を抑制できるので、スライムコントロール剤の使用量を少なくしても、スライムによって逆浸透膜が閉塞するバイオファウリングを防止できる。
【0021】
なお、紫外線殺菌装置22において微生物を完全に不活化できない場合や、紫外線殺菌装置22の休止中に供給水が紫外線殺菌装置22を通過する場合がある。これらの場合には、紫外線殺菌装置22から逆浸透膜装置10までの流路や逆浸透膜装置10の内部に微生物が進入し得る。継続的な微生物の進入がなければ逆浸透膜の膜面での微生物の繁殖が促進されることはないが、紫外線殺菌装置22から逆浸透膜装置10までの流路が長くなると、例えば配管の継手等においても微生物が繁殖し得るため、紫外線殺菌装置22から逆浸透膜装置10までの流路を短くすることが望ましい。
【0022】
紫外線殺菌装置22は、給水ポンプ23の上流側に配設されることが好ましい。紫外線殺菌装置22を給水ポンプ23の上流側に配設することで、紫外線殺菌装置22に高い耐圧性能が要求されないため、紫外線殺菌装置22の設計が容易となる。
【0023】
濃度検出器24は、給水ラインのスライムコントロール剤の注入点より下流側の供給水中又は逆浸透膜装置10から流出する濃縮水中のスライムコントロール剤の有効成分の残留濃度を検出するよう配設される。濃度検出器24の検出値は、逆浸透膜装置10に供給される供給水の紫外線殺菌装置22を停止した場合の微生物の活性の指標となる。より詳しくはり、濃度検出器24が検出したスライムコントロール剤の有効成分の残留濃度が高い程、紫外線殺菌装置22を停止した場合に逆浸透膜装置10に供給される供給水中の微生物の活性が低くなり得ると評価できる。
【0024】
濃度検出器24は、本実施形態のように、給水ライン20の循環水ライン40の合流点よりも上流側に設けられることが好ましい。これによって、原水の水質に対するスライムコントロール剤の注入量の不足をより正確に検知できるので、紫外線殺菌装置22の運転の要否を正確に判断できる。また、濃度検出器24は、逆浸透膜装置10に導入される供給水におけるスライムコントロール剤の残留量を検出するよう、給水ライン20の循環水ライン40との合流点よりも下流側に設けられてもよい。さらに、濃度検出器24は、スライムコントロール剤が逆浸透膜を透過せずに濃縮水中に濃縮される場合には循環水ライン40に設けられてもよい。
【0025】
処理水ライン30には処理水の流量を検出する処理水流量計31と、処理水の電気伝導度を検出する電気伝導度センサ32と、が設けられる。
【0026】
循環水ライン40は、濃縮水の一部を給水ライン20に還流させると共に、残部を系外に排出する。このため、循環水ライン40は、逆浸透膜装置10から流出する濃縮水を案内する流出部41と、流出部41から濃縮水の一部を給水ライン20に導く返送部42と、流出部41から濃縮水の残部を排出する排出部43と、を有する。
【0027】
返送部42は、給水ライン20の紫外線殺菌装置22及び給水ポンプ23の上流側に接続される。このため、循環水ライン40は、濃縮水の一部を給水ライン20の紫外線殺菌装置22及び給水ポンプ23の上流側に還流させる。特に、濃縮水は、逆浸透膜装置10において不純物が濃縮されることにより活性を有する微生物の含有量も増大しているため、この濃縮水を紫外線殺菌装置22の上流側に還流させて紫外線により微生物を不活化することで、逆浸透膜装置10におけるスライム生成による逆浸透膜の詰り(バイオファウリング)を効果的に防止できる。
【0028】
循環水ライン40には、流出部41に設けられ、逆浸透膜装置10から流出する濃縮水の流量を調整する濃縮水流量調整弁44と、排出部43に設けられ、系外に排出される濃縮水の流量を調整する排出流量調整弁45と、が設けられる。
【0029】
制御装置50は、逆浸透膜装置10に供給水から主に処理水を生成する通常運転を行わせる通常運転制御部51と、逆浸透膜装置10にフラッシング運転を行わせるフラッシング制御部52と、供給水の流量に対する処理水の流量の比率である回収率を検出する回収率検出部53と、濃度検出器24の検出値に応じて紫外線殺菌装置22に紫外光源を点灯させる照射制御部54と、を有する。
【0030】
制御装置50は、例えばCPU、メモリ、入出力インターフェイス等を有するコンピュータ装置に適切なプログラムを実行させることにより実現できる。上述の制御装置50の各構成要素は、制御装置50の機能を類別したものであって、物理構造及びプログラム構造において明確に区別できるものでなくてもよい。
【0031】
通常運転制御部51は、処理水を得るための通常運転を制御する。例として、通常運転制御部51は、電気伝導度センサ32の検出値を設定値に保持するよう、濃縮水流量調整弁44の開度をフィードバック制御するよう構成され得る。
【0032】
フラッシング制御部52は、例えば通常運転終了時に供給水の流量に対する濃縮水の流量の比率を増大させることにより逆浸透膜に付着した濁質を洗い流すために行われるフラッシング運転を制御する。例として、フラッシング制御部52は、濃縮水流量調整弁44を全開にすることにより、逆浸透膜装置10の回収率、つまり供給水の流量に対する処理水の流量を低下させる。これによって、逆浸透膜を透過する水量に比して逆浸透膜の膜面に沿って流れる水量が大きくなるため、膜面に付着した濁質を剥離して循環水ライン40に流出させられる。
【0033】
フラッシング制御部52によるフラッシング運転は、一般的に、通常運転を停止する際に行われる。これは、逆浸透膜装置10の内部に濃縮された水が滞留すると、水が流れているときよりも水中の無機成分が析出し易くなるため、逆浸透膜装置10の内部に滞留する水の濃縮度合いを可能な限り小さくすることが望まれるからである。また、フラッシング運転は、停止時間が一定時間に達したとき等にも行われ得る。これは、長時間の停止により析出した無機成分を押し出して逆浸透膜の膜面に析出した無機成分が定着することを抑制するためである。
【0034】
回収率検出部53は、供給水流量計25及び処理水流量計31の検出値に基づいて、逆浸透膜装置10の回収率を算出するよう構成され得る。
【0035】
照射制御部54は、濃度検出器24の検出値に応じて紫外線殺菌装置22に紫外光源を点灯させる。薬注装置21によるスライムコントロール剤の注入量を抑制することで逆浸透膜の劣化を防止しつつ、ライムコントロール剤の効果が不十分と考えられる場合には紫外線殺菌装置22により微生物を不活化することでスライムの生成による詰りを防止できる。また、照射制御部54は、スライムコントロール剤の注入量が十分であると考えられる場合には紫外線殺菌装置22に不必要な紫外線の照射を行わせないので消費電力を抑制できる。
【0036】
具体例として、照射制御部54は、濃度検出器24の検出値が小さくなった場合、具体的には、濃度検出器24の検出値が所定値以下となった場合に逆浸透膜装置10の通常運転中に紫外光源を点灯又は点滅させてもよく、濃度検出器24の検出値が所定値以下となった場合に逆浸透膜装置10のフラッシング運転中に紫外光源を点灯又は点滅させてもよく、濃度検出器24の検出値が所定値以下となった場合に逆浸透膜装置10の通常運転及びフラッシング運転の両方で紫外光源を点灯又は点滅させてもよい。
【0037】
照射制御部54が濃度検出器24の検出値に応じて通常運転中に紫外光源を点灯又は点滅させることによって、照射制御部54において過剰な電力を消費することなく逆浸透膜装置10に流入する微生物の活性を低減するので、通常運転中の逆浸透膜のバイオファウリングによる詰りを抑制できる。また、照射制御部54が濃度検出器24の検出値に応じてフラッシング運転中に紫外光源を点灯又は点滅させることによって、過剰な電力を消費することなく運転停止中に逆浸透膜装置10の内部に滞留する水中の微生物の量を低減できるので、運転停止中のスライムの生成による詰りを抑制できる。
【0038】
照射制御部54は、紫外線殺菌装置22の紫外線の光量を濃度検出器24の検出値に応じて変化させてもよい。具体的には、照射制御部54は、紫外線殺菌装置22の紫外光源の発光強度を濃度検出器24の検出値に応じて変化させてもよく、紫外光源の発光時間(デューティ比)を濃度検出器24の検出値に応じて変化させてもよい。
【0039】
また、照射制御部54は、回収率検出部53が検出した逆浸透膜装置10の回収率に応じて紫外線の光量を変化させてもよい。逆浸透膜装置10の回収率が高い場合には循環水ライン40から給水ライン20に還流される濃縮水の流量が小さくなるため、紫外線殺菌装置22を通過する水の流量が低下する。このため、逆浸透膜装置10の回収率が高い場合には紫外線殺菌装置22における紫外線の光量を小さくすることで、微生物の繁殖を効果的に抑制しつつ、消費電力を抑制できる。
【0040】
以上、本発明の水処理システムの好ましい各実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0041】
本発明の水処理システムにおいて、上述の実施形態で説明した全てのセンサが必要とされるわけではなく、採用する制御に必要とされないものは省略してもよく、採用する制御に応じて異なるセンサを設けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 水処理システム
10 逆浸透膜装置
20 給水ライン
21 薬注装置
22 紫外線殺菌装置
23 給水ポンプ
24 濃度検出器
25 供給水流量計
30 処理水ライン
31 処理水流量計
32 電気伝導度センサ
40 循環水ライン
41 流出部
42 返送部
43 排出部
44 濃縮水流量調整弁
45 排出流量調整弁
50 制御装置
51 通常運転制御部
52 フラッシング制御部
53 回収率検出部
54 照射制御部