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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086243
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】光電変換モジュール組立体
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20220602BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20220602BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20220602BHJP
【FI】
H02S20/10 U
E04D13/18 ETD
H02S20/10 D
H02S20/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198149
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】市川 直毅
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108KS05
2E108LL01
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】負圧の影響を抑制可能な光電変換モジュール組立体を提供する。
【解決手段】光電変換モジュール組立体10は、光電変換パネル110を有する光電変換モジュール100と、光電変換モジュール100を支える架台200と、光電変換パネル110の裏面側に設けられ、表面側に凸状になるような光電変換パネル110の変形を抑制する抵抗力を与える抵抗部材400と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換パネルを有する光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールを支える架台と、
前記光電変換パネルの裏面側に設けられ、表面側に凸状になるような前記光電変換パネルの変形を抑制する抵抗力を与える抵抗部材と、を有する、光電変換モジュール組立体。
【請求項2】
前記抵抗部材は、少なくとも前記光電変換モジュールの一部から前記架台の一部にわたって延びたワイヤ、綱又は棒部材を有する、請求項1に記載の光電変換モジュール組立体。
【請求項3】
前記光電変換モジュールは、前記光電変換パネルの周りに設けられたフレームを有し、
前記抵抗部材は、前記フレームに係合可能に構成されている、請求項1又は2に記載の光電変換モジュール組立体。
【請求項4】
前記光電変換モジュールは、前記光電変換パネルの周りに設けられたフレームと、前記光電変換パネルの裏面側で前記光電変換パネルを横断する補強部材と、を有し、
前記抵抗部材は、前記補強部材に係合可能に構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換モジュール組立体。
【請求項5】
前記抵抗部材は、前記架台の、前記光電変換パネルから10cm以上離れた位置に、係合可能に構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュール組立体。
【請求項6】
前記光電変換モジュールを、前記光電変換モジュールの隅で局所的に前記架台に固定する複数の固定部材を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換モジュール組立体。
【請求項7】
前記固定部材どうしの間の距離を三等分した値を「L3」としたときに、前記抵抗部材は、前記光電変換モジュールの、前記固定部材からL3よりも離れた位置に、係合可能に構成されている、請求項6に記載の光電変換モジュール組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換モジュール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば住宅や工場のような建造物の屋根等に設置される太陽電池モジュールのような光電変換モジュールが知られている。近年、光電変換モジュールは、様々な建造物の屋根に設置されている。
【0003】
特許文献1は、屋根上に複数配列された太陽電池モジュールを開示している。特許文献1では、各々の太陽電池モジュールは、架台上に支持されている。具体的には、太陽電池モジュールは、架台上に設けられた固定具の上面によって規定される積載部上に積載されている。さらに、クランプが、太陽電池モジュールの角に設けられている。クランプは、互いに隣接する太陽電池モジュールどうしの間隔を規定するとともに、太陽電池モジュールの端部を積載部に向けて押しつけている。これにより、太陽電池モジュールの端部は、クランプと積載部によって挟み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/008620号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、太陽電池モジュールを直接的に固定するクランプは、太陽電池モジュールの角に局所的に設けられている。このように、太陽電池モジュールのような光電変換モジュールは、局所的な位置でのみ直接的に固定されることがある。
【0006】
しかしながら、この場合には、風等の影響により光電変換モジュールの表面に負圧がかかると、光電変換モジュールが表面側に凸になるよう変形することがある。
【0007】
したがって、負圧の影響を抑制可能な光電変換モジュール組立体が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る光電変換モジュール組立体は、光電変換パネルを有する光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールを支える架台と、前記光電変換パネルの裏面側に設けられ、表面側に凸状になるような前記光電変換パネルの変形を抑制する抵抗力を与える抵抗部材と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、負圧の影響を抑制可能な光電変換モジュール組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における光電変換モジュール組立体の模式的斜視図である。
図2図1の2A方向から見た光電変換モジュール組立体の部分的側面図である。
図3図1に示す光電変換モジュール組立体のうちの1つの光電変換パネルを透視的に描いた模式的斜視図である。
図4】第1実施形態に係る光電変換モジュールの模式的表面図である。
図5】光電変換モジュールの模式的裏面図である。
図6図4の6A-6A線に沿った光電変換モジュールの模式的断面図である。
図7】第1実施形態に係る第1フレームの模式的斜視図である。
図8図4の8A-8A線に沿った光電変換モジュールの模式的断面図である。
図9】第1実施形態に係る第2フレームの模式的斜視図である。
図10】第1実施形態に係る抵抗部材の図である。
図11】第2実施形態に係る光電変換モジュール組立体のうちの1つの光電変換パネルを透視的に描いた模式的斜視図である。
図12図11の領域12Aの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における光電変換モジュール組立体の模式的斜視図である。図2は、図1の2A方向から見た光電変換モジュール組立体の部分的側面図である。図3は、透視的に描かれた1つの光電変換パネルを含む図1に示す光電変換モジュール組立体の模式的斜視図である。図3は、図1に示す光電変換モジュール組立体のうちの1つの光電変換パネルを透視的に描いた模式的斜視図である。なお、図3において、透視的に描かれた光電変換パネルのまわりに取り付けられた後述する第1フレーム及び第2フレームは実線で描かれていることに留意されたい。
【0013】
本実施形態において、光電変換モジュール組立体10は、少なくとも1つの光電変換モジュール100、光電変換モジュール100を支える架台200、及び抵抗部材400を有していてよい。光電変換モジュール組立体10は、好ましくは建造物の屋根や地面のような設置面Sに設けられていてよい。
【0014】
建造物は、例えば工場、倉庫及び一般住宅等であってよい。光電変換モジュール組立体が設置される屋根の種類は、特に制限されない。例えば、屋根は、比較的緩やかな勾配を有する陸屋根であってよい。
【0015】
図1に示す例では、光電変換モジュール組立体10は、複数の光電変換モジュール100を有する。この代わりに、光電変換モジュール組立体10は、1つの光電変換モジュール100を有していてもよい。
【0016】
光電変換モジュール100は、架台200に支えられていてよい。架台200は、設置面Sに置かれている。架台200は、設置面Sに当接する複数の脚部300を有していてよい。
【0017】
具体的一例では、架台200は、光電変換モジュール100を下方から支える積載部210と、基部220と、脚部300と、を有していてよい。積載部210は、光電変換モジュール100、具体的には後述するフレーム120,130と当接してよい。積載部210は、光電変換モジュール100を水平面から傾斜した状態で支持可能に構成されていてよい。
【0018】
本実施形態では、光電変換モジュール100の隅付近が、積載部210上に積載されている。そのため、積載部210は、光電変換モジュール100のそれぞれの隅付近に設けられている。
【0019】
また、固定部材350が、光電変換モジュール100の隅付近に設けられていてよい(図4も参照)。図4では、固定部材350の位置をわかり易くするために、固定部材350が描かれている。
【0020】
固定部材350は、光電変換モジュール100の隅付近の部分を、積載部210に向けて押圧する。したがって、光電変換モジュール100の隅付近の部分は、積載部210と固定部材350によって挟まれる。このように、光電変換モジュール100は、局所的な位置で直接的に架台200に固定されていてよい。固定部材350は、例えばビスや螺子のような締結部材によって積載部210に締結されていてよい。
【0021】
基部220は、本実施形態では、設置面Sに概ね平行に延びていてよい。基部220は、積載部210の位置を変更することができるレールとして構成されていてもよい。これにより、架台200に対する光電変換モジュール100の位置を調整することができる。
【0022】
本実施形態では、複数の基部220が、光電変換モジュール100の下方で、光電変換モジュール100の一方向に延びる辺に沿って延びている。また、架台200は、複数の基部220どうしを連結する連結部材230を有していてもよい。連結部材230は、光電変換モジュール100の裏側に位置する。
【0023】
脚部300は、設置面Sから高さ方向に延びていてよい。脚部300は、設置面Sから光電変換モジュール100までの高さを規定する。この代わりに、架台200は、脚部300を有していなくてもよい。この場合、前述した基部220が設置面Sに当接していてよい。
【0024】
水平面に対する光電変換モジュール100の表面の傾斜角は、特に制限されない。風により光電変換モジュール100にかかる負荷を抑制するという観点からは、水平面に対する光電変換モジュール100の表面の傾斜角は、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下であってよい。
【0025】
次に、光電変換モジュールの構成の一例について、図4図9を用いて説明する。図4は、第1実施形態に係る光電変換モジュールの模式的表面図である。図5は、第1実施形態に係る光電変換モジュールの模式的裏面図である。すなわち、図5は、図4とは反対側から見た光電変換モジュールの図である。図6は、図4の6A-6A線に沿った光電変換モジュールの模式的断面図である。図7は、第1実施形態に係る第1フレームの模式的斜視図である。図8は、図4の8A-8A線に沿った光電変換モジュールの模式的断面図である。図9は、第1実施形態に係る第2フレームの模式的斜視図である。
【0026】
光電変換モジュール100は、光エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する光電変換パネル110を有していてよい。光電変換パネル110は、例えば太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するパネルであってよい。なお、本明細書において、光電変換モジュール100及び光電変換パネル110の「表面側」は、光エネルギーを受ける側、又は光エネルギーを発する側を意味する。光電変換パネル110が太陽電池パネルである場合、「表面側」は、太陽光を受ける受光側に相当する。また、「裏面側」は、「表面側」と反対側を意味する。
【0027】
光電変換モジュール100は、第1フレーム120と、第2フレーム130と、を有していてよい。第1フレーム120及び第2フレーム130は、それぞれ光電変換パネル110の縁に沿って設けられている。本実施形態では、第1フレーム120は、太陽電池パネル110の長辺(横方向)に沿って延びており、第2フレーム130は、太陽電池パネル110の短辺(縦方向)に沿って延びていてよい。
【0028】
第1フレーム120は、光電変換パネル110の縁を受け入れ可能に構成された第1受け入れ部125を有する(図6及び図7)。第1受け入れ部125は、光電変換パネル110の中央の方に向けて突出した第1フランジ123及び第1保持部124によって構成されていてよい。したがって、第1受け入れ部125は、第1フレーム120の延在方向に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有していてよい。
【0029】
第1保持部124は、光電変換パネル110の縁を下から支えていてよい。第1フランジ123は、光電変換パネル110の縁の表面側に位置する。第1受け入れ部125の内部には、不図示の封止材が充填されていてもよい。これにより、第1受け入れ部125は、光電変換パネル110の端部を受け入れた状態で、光電変換パネル110を保持する。
【0030】
光電変換パネル110の裏側において、第1フレーム120は、光電変換パネル110の表面に交差する方向に延びた第1側壁部121を有していてよい。第1フレーム120は、第1側壁部121の、光電変換パネル110から最も遠い側の端部に位置する第1脚部122を有していてよい。
【0031】
第1脚部122は、光電変換パネル110と概ね平行な方向に突出していてよい。本実施形態では、第1脚部122は、前述した第1フランジ123と概ね同じ方向に突出している。
【0032】
第1側壁部121、第1脚部122、第1フランジ123及び第1保持部124は、第1フレーム120の延在方向から見た側面視で、全体として略「E」の字型の形状を有していてよい(図6も参照)。第1側壁部121、第1脚部122、第1フランジ123及び第1保持部124は、一体に形成されていてよい。
【0033】
第1フレーム120の第1側壁部121は、ボルトのような締結部材が挿通可能な複数の第1孔部126を有していてよい。第1孔部126は、第1フレーム120の両側の端部付近に設けられていてよい。第1孔部126は、第1フレーム120と第2フレーム130とを互いに連結するために用いられる。
【0034】
第2フレーム130は、光電変換パネル110の外縁を受け入れ可能に構成された第2受け入れ部135を有していてよい(図8及び図9参照)。第2受け入れ部135は、光電変換パネル110の中央の方に向けて突出した第2フランジ133及び第2保持部134によって構成されていてよい。したがって、第2受け入れ部135は、第2フレーム130の延在方向に直交する断面において、略「C」の字型の形状を有していてよい。
【0035】
第2保持部134は、光電変換パネル110の縁を下から支えていてよい。第2フランジ133は、光電変換パネル110の縁の表面側に位置する。第2受け入れ部135の内部には、不図示の封止材が充填されていてもよい。これにより、第2受け入れ部135は、光電変換パネル110の端部を受け入れた状態で、光電変換パネル110を保持する。
【0036】
光電変換パネル110の裏側において、第2フレーム130は、光電変換パネル110の表面に交差する方向に延びた第2側壁部131を有していてよい。第2フレーム130は、第2側壁部131の、光電変換パネル110から最も遠い側の端部に位置する第2脚部132を有していてよい。
【0037】
第2脚部132は、光電変換パネル110と概ね平行な方向に突出していてよい。本実施形態では、第2脚部132は、前述した第2フランジ133と概ね同じ方向に突出している。
【0038】
第2側壁部131、第2脚部132、第2フランジ133及び第2保持部134は、第2フレーム130の延在方向から見た側面視で、全体として略「E」の字型の形状を有していてよい(図8も参照)。第2側壁部131、第2脚部132、第2フランジ133及び第2保持部134は、一体に形成されていてよい。
【0039】
第2フレーム130は、不図示の締結部材が挿入される第2孔部136を有する。本実施形態では、第2孔部136は、第2保持部134の下側と、第2脚部132の上側に設けられている。具体的には、第2保持部134及び第2脚部132を構成する壁部から断面視C字形状の部材137が、第2フレーム130が延びている方向に沿って延びている。このC字形状の部材137の内側部分が、締結部材が挿入される第2孔部136を構成する。この代わりに、第2孔部136を構成するC字形状の部材137は、第2側壁部131に設けられていてもよい。
【0040】
第2フレーム130の第2孔部136は、第1フレーム120の第1孔部126と位置合わせされている。ボルトのような締結部材が、第1フレーム120の第1孔部126と第2フレーム130の第2孔部136の両方を通る。これにより、第1フレーム120と第2フレーム130が互いに締結されている。第2フレーム130は、その両側の端部において、第1フレーム120に締結されていてよい。
【0041】
光電変換モジュール100は、光電変換パネル110の裏面側に設けられた補強部材140を有していてよい(図5参照)。補強部材140は、光電変換パネル110の裏面側で光電変換パネル110を横断するよう構成されていてよい。
【0042】
本実施形態では、補強部材140は、第2フレーム130が延びている方向と同じ方向に延びている。補強部材140の両端は、第1フレーム120に連結されていてよい。この代わりに、補強部材140は、第1フレーム120が延びている方向と同じ方向に延びており、補強部材140の両端が第2フレーム130に連結されていてもよい。
【0043】
抵抗部材400は、光電変換パネル110の裏面側に設けられていてよい(図2及び図3参照)。抵抗部材400は、表面側に凸状になるような光電変換パネル110の変形を抑制する抵抗力を与えるよう構成されている。すなわち、光電変換パネル110が表面側に凸状に変形しようとしたときに、抵抗部材400は、光電変換モジュール100の一部に裏面側に引っ張る抵抗力を与えることによって、光電変換パネル110の変形を抑制する。これにより、風等の影響により光電変換パネル110の表面に負圧がかかったとしても、光電変換パネル110が表面側に凸状に変形することを抑制することができる。
【0044】
図10は、第1実施形態に係る抵抗部材400の図である。第1実施形態では、抵抗部材400は、例えば金属又は合成樹脂製の柔軟性を有するワイヤや綱であってよい。抵抗部材400は、少なくとも光電変換モジュール100の一部から架台200の一部にわたって延びていてよい。抵抗部材400は、例えば、光電変換モジュール100のフレーム120,130と架台200とを連結していてよい。図2及び図3に示す例では、抵抗部材400は、張られた状態で、光電変換モジュール100の第1フレーム120と架台200の連結部材230とを連結している。
【0045】
抵抗部材400は、第1フレーム120及び/又は第2フレーム130に係合可能に構成されていてよい。これにより、抵抗部材400は、第1フレーム120及び/又は第2フレーム130に前述した抵抗力を付与することができる。
【0046】
第1フレーム120が第2フレーム130よりも長い場合、抵抗部材400は、好ましくは第1フレーム120に係合可能に構成されていることが好ましい。これにより、抵抗部材400は、負圧のような外力によって変形しやすい第1フレーム120の変形を抑制することができる。
【0047】
第1フレーム120は、抵抗部材400を挿通可能な穴128を有していてよい。図示した例では、穴128は、第1フレーム120の第1脚部122に設けられている(図5及び図6参照)。同様に、架台200は、抵抗部材400を挿通可能な穴250を有していてよい。図示した例では、穴250は、架台200の連結部材230に設けられている。
【0048】
図10に示すように、抵抗部材400の一端は、ループ410を有していてよい。抵抗部材400の他端は、フック420を有していてよい。例えば、抵抗部材400のループ410を第1フレーム120の穴128に通し、さらにフック420をループ410内に通してフック420を引っ張ることにより、抵抗部材400のループ410側の端部を第1フレーム120に括り付けることができる。この状態で、抵抗部材400のフック420を、架台200の穴250を通し、さらにループ410側の端部を括り付けた第1フレーム120とは反対側の第1フレーム120の穴128にフック420を引っ掛けることができる。これにより、図2及び図3に示すように、抵抗部材400は、一対の第1フレーム120の第1脚部122と架台200の連結部材230とに係合している。この状態で、抵抗部材400は、ほとんど緩むことなく張られた状態になることが好ましい。
【0049】
抵抗部材400は、架台20の、光電変換パネル110から10cm以上離れた位置に、係合可能に構成されていることが好ましい(図2の距離「D1」参照)。これにより、抵抗部材400から光電変換モジュール100に付与される抵抗力(張力)の、光電変換パネル110の表面に直交する方向の成分の大きさが、比較的大きくなる。したがって、光電変換モジュール100の変形を抑制する効果が高くなる。
【0050】
互いに隣接する固定部材350どうしの間の距離を三等分した値を「L3」としたときに、抵抗部材400は、光電変換モジュール100の、固定部材350からL3よりも離れた位置に、係合可能に構成されていることが好ましい。すなわち、第1フレーム120に設けられた穴128は、固定部材350から距離L3よりも遠い位置に設けられていることが好ましい(図4及び図5参照)。これにより、抵抗部材400は、固定部材350から離れた位置において、第1フレーム120の変形を抑制することができる。より好ましくは、抵抗部材400は、第1フレーム120の延在方向における中央付近に係合可能に構成される。
【0051】
ここで、光電変換モジュール100を架台200に固定する位置、すなわち固定部材350の位置は、架台200の構成に依存することがある。また、架台200の構成は、屋根の種類に依存する。さらに、架台200や固定部材350を構成する部品の数の抑制、及びコスト削減という観点から、架台200や固定部材350の構成や位置に制約が生じることもある。このような様々な観点から、光電変換モジュール100を架台200に固定する固定部材350の位置に制約が生じ、それにより固定部材350だけで負圧による光電変換モジュール100の変形を抑制することが困難になることがある。
【0052】
本実施形態では、このような場合であっても、抵抗部材400の利用によって光電変換モジュール100の変形を抑制させることができる。したがって、抵抗部材400は、局所的な位置で光電変換モジュール100を架台200に固定する固定部材350とともに好適に利用することができる。
【0053】
図示した例において、抵抗部材400と係合可能な穴128は、第1フレーム120の脚部122に設けられている。この代わりに、穴128は、第1フレーム120の側壁部121に設けられていてもよい。また、抵抗部材400と係合可能な穴128は、第2フレーム130に設けられていてもよい。
【0054】
また、図示した例において、抵抗部材400を架台200に係合させる穴250は、連結部材230に設けられている。この代わりに、穴250は、基部220や脚部300に設けられていてもよい。
【0055】
さらに、図示した例では、抵抗部材400を係合させるために穴128,250が設けられている。この代わりに、抵抗部材400を係合させる手段は、穴128,250に限定されない。例えば、抵抗部材400は、架台200の連結部材230の下方を通って一対の第1フレーム120の穴128に係合していてもよい。なお、この場合であっても、抵抗部材400は、抵抗力を付与するために架台200の連結部材230に係り合っており、連結部材230に係合しているものと言えることに留意されたい。また、抵抗部材400は、基部220や脚部300に巻き付けられることによって基部220や脚部300に係合していてもよい。
【0056】
図示した例では、1つの光電変換モジュール100に対して1つの抵抗部材400が設けられている。この代わりに、1つの光電変換モジュール100に対して複数の抵抗部材400が設けられていてもよい。例えば、ある抵抗部材400が、架台200の連結部材230と1つの第1フレーム120又は1つの第2フレーム130のとの間にわたって延びていてよく、かつ別の抵抗部材400が、架台200の連結部材230ともう1つの第1フレーム120又はもう1つの第2フレーム130のとの間にわたって延びていてもよい。
【0057】
前述したように、抵抗部材400を係合させる手段や、抵抗部材400を係合させる位置は、光電変換モジュール100に前述の抵抗力を付与することができれば、特に限定されないことに留意されたい。
【0058】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光電変換モジュール組立体10について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係る光電変換モジュール組立体のうちの1つの光電変換パネルを透視的に描いた模式的斜視図である。なお、図11において、透視的に描かれた光電変換パネルのまわりに取り付けられた第1フレーム及び第2フレームは実線で描かれていることに留意されたい。図12は、図11の領域12Aの拡大図である。
【0059】
第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されていることに留意されたい。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0060】
第2実施形態では、表面側に凸状になるような光電変換パネル110の変形を抑制する抵抗力を与える抵抗部材500と、抵抗部材500を係合する手段が、第1実施形態と異なっている。
【0061】
図12に示すように、第2実施形態では、抵抗部材500は、少なくとも光電変換モジュール100の一部から架台200の一部にわたって延びた棒部材を有する。抵抗部材500の一端は、フック520を有する。
【0062】
抵抗部材500は、光電変換モジュール100の補強部材140に係合可能に構成されていてよい。具体的には、補強部材140は、抵抗部材500のフック520を係合させる穴148を有していてよい(図5も参照)。また、抵抗部材500の図示されたフック520とは反対側の端部にも、不図示のフックが設けられていてよい。不図示のフックは、架台200、例えば連結部材230に設けられた穴250に係合していてよい。
【0063】
補強部材140は、第1フレーム120と連結されている。したがって、抵抗部材500から与えられた抵抗力は、補強部材140を介して第1フレーム120に加えられる。したがって、第2実施形態においても、抵抗部材500は、風等の影響により光電変換パネル110の表面に負圧がかかったとしても、光電変換パネル110が表面側に凸状に変形することを抑制することができる。
【0064】
図11及び図12に示した例では、抵抗部材500と係合可能な穴148は、補強部材140に設けられている。この代わりに、穴148は、第1フレーム120及び/又は第2フレーム130に設けられていてもよい。
【0065】
また、図示した例において、抵抗部材500を架台200に係合させる穴250は、連結部材230に設けられている。この代わりに、穴250は、可能であれば、基部220や脚部300に設けられていてもよい。
【0066】
さらに、図示した例では、抵抗部材500を係合させるために穴148,250が設けられている。この代わりに、抵抗部材500を係合させる手段は、穴148,250に限定されない。例えば、穴148,250の代わりに、フック520と係合可能な凹部が設けられていてもよい。
【0067】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0068】
例えば、架台は、前述した構成に限定されないことに留意されたい。本発明は、様々な構成を有する架台に適用可能である。
【0069】
また、第1フレーム120及び/又は第2フレーム130は、前述した構成に限定されない。本発明は、様々な構成を有するフレームに適用可能である。
【0070】
さらに、抵抗部材400,500は、前述した構造に限定されず、光電変換モジュール100に対して前述した抵抗力を付与できれば、どのような構造であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 光電変換モジュール組立体
100 光電変換モジュール
110 光電変換パネル
120 第1フレーム
128 穴
130 第2フレーム
140 補強部材
148 穴
200 架台

250 穴
350 固定部材
400,500 抵抗部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12