(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086328
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】会計処理装置、会計処理方法、及び会計処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20220602BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198273
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 龍
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】建設仮勘定を階層管理できるようにすることで、建設仮勘定の精度を向上させること。
【解決手段】本実施の形態に係る会計処理装置は、1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力し、2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理する会計処理装置であって、
前記制御部は、
1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力手段と、
2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力手段と、
を備えたことを特徴とする会計処理装置。
【請求項2】
前記建仮配賦入力手段は、前記管理費配賦額を、2階層目の場合は前記工事管理費を見積金額の按分比率で按分した額とし、3階層以降の場合は前階層の管理費配賦額を見積金額の按分比率で按分した額とすることを特徴とする請求項1に記載の会計処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記建仮明細情報の前記振替分類が入力された最下層について、当該振替の分類に基づいて、固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルを作成する建仮振替手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の会計処理装置。
【請求項4】
前記作成した固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルは、固定資産システム又は財務会計システムと連携することを特徴とする請求項3に記載の会計処理装置。
【請求項5】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行され、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理する会計処理方法であって、
前記制御部において実行される、
1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力工程と、
2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力工程と、
を含むことを特徴とする会計処理方法。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行され、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理するための会計処理プログラムであって、
前記制御部において、
1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力工程と、
2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力工程と、
を実行させるための会計処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会計処理装置、会計処理方法、及び会計処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、不動産業界では修繕工事の建設仮勘定(以下、「建仮」と略記する場合がある)の振替という経理業務がある。建仮は固定資産か費用勘定の2択で振替となる。建仮の振替を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、建設仮勘定を階層管理できるようにすることで、建設仮勘定の精度を向上させることに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、建設仮勘定を階層管理できるようにすることで、建設仮勘定の精度を向上させることが可能な会計処理装置、会計処理方法、及び会計処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備え、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理する会計処理装置であって、前記制御部は、1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費とを含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力手段と、2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記建仮配賦入力手段は、前記管理費配賦額を、2階層目の場合は前記工事管理費を見積金額の按分比率で按分した額とし、3階層以降の場合は前階層の管理費配賦額を見積金額の按分比率で按分した額とすることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記建仮明細情報の前記振替分類が入力された最下層について、当該振替の分類に基づいて、固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルを作成する建仮振替手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、前記作成した固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルは、固定資産システム又は財務会計システムと連携することにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行され、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理する会計処理方法であって、前記制御部において実行される、1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費とを含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力工程と、2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行され、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理するための会計処理プログラムであって、前記制御部において、1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費とを含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力工程と、2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力工程と、を実行させるための会計処理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建設仮勘定を階層管理できるようにすることで、建設仮勘定の精度を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る会計処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る会計処理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る会計処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る会計処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係る会計処理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る会計処理装置、会計処理方法、及び会計処理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
例えば、不動産業界では修繕工事の建設仮勘定の振替という経理業務がある。建仮は固定資産か費用勘定かの2択で振替となる。この業務で大規模な工事案件は工事内訳で枝分かれ階層化して、振替対象とする最下層までの構造が複雑な場合がある。工事案件全体に共通の工事管理費は内訳毎の見積金額比で配賦して最下層まで適切な経費を賦課する必要がある。
【0016】
従来は、工事内訳の階層管理は経理業務に直接関係しない会計システムの範囲外であったため、会計システム外での最下層の下請け工事見積だけを建設仮勘定として、工事管理費を精緻に按分しないまま経費計上に割り切るか、又は、会計システム外の手作業で配賦する手順が必要だった。その結果、従来は、工事内訳に基づかない大まかで曖昧な経費計上になるという課題や、又は、手作業の高負荷や計上誤りとなるという課題があった。
【0017】
そこで、本実施の形態では、従来の会計システムでは工事内訳まで登録管理しなかったので、会計システム外で手計算された最下層情報だけを切り取って会計システムで管理していたところ、配賦階層は工事案件毎に多彩な点に着目して、建設仮勘定を最大N階層(Nは3以上、例えば、N=6)まで工事案件明細として登録管理できるようにした。2階層目以降は枝分かれ先ごとに最下層の階数を任意設定でき、最下層毎に建仮振替できるようになった。
【0018】
具体的には、本実施の形態では、(1)1階目は、工事案件総額、さらに工事案件共通の工事管理費を登録し、(2)2階層目以降は、工事内訳明細を登録し、(3)工事内訳明細となる枝分かれ先毎に、最下層の階層を任意に設定可能として、(4)最下層毎に建設仮勘定から固定資産又は費用勘定への振替を可能とした。
【0019】
また、本実施の形態では、親工事にあたる1階層目の工事管理費が、適切に各最下層へ配賦されるようになる。また、本実施の形態では、階層登録毎の工事見積額を工事管理費の配賦率としている。また、本実施の形態では、工事階層管理を工事見積通りに登録することで自動多段階配賦されるようになる。こうして費用が精緻化されることにより、収支管理の精緻化や分析効率向上に繋がる。
【0020】
このように、本実施の形態によれば、建設仮勘定を階層管理できるようになった結果、建設仮勘定の精度を向上させることが可能となる。また、振替対象の工事案件が多重階層であっても、親工事から工事管理費も適切に配賦されるため、振替金額の精度を向上させることが可能となる。さらに、担当者の業務負荷と計算ミスを低減することが可能となる。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る会計処理装置100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る会計処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
会計処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、会計処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
会計処理装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。会計処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、会計処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、会計処理装置100と、サーバ200、固定資産システム400、財務会計システム500とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、「出力」とは、出力装置114のモニタに表示することや出力装置114のプリンタで印刷することを含む。また、モニタ114に表示される情報に対して入力装置112等でユーザが操作等をすることを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、データファイル106aを備えている。
【0027】
データファイル106aは、建仮ヘッダ情報、建仮明細情報、固定資産ファイル、費用の仕訳ファイル等を格納するためのファイルである。建仮ヘッダ情報は、工事案件名、工事案件番号、工事総額、工事管理費のデータを含んでいてもよい(
図3参照)。建仮明細情報は、工事案件番号、階層、上明細No、明細No、工事明細名、見積金額、管理費配賦額、取得価額、振替分類(固定資産、費用、又は空欄)を含んでいてもよい(
図4参照)。
【0028】
制御部102は、会計処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、建設仮勘定をN(但し、Nは3以上)階層まで工事案件明細として登録管理することが可能に構成されている。以下では、N=6とした場合を一例として説明するが、本発明はこれに限られない。制御部102は、機能概念的に、建仮精算入力部102aと、建仮配賦入力部102bと、建仮振替部102cと、画面表示制御部102dとを備えている。
【0029】
建仮精算入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される建仮精算入力画面上でのオペレータの操作に応じて、対象の工事案件について、1階層目に、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力して、データファイル106aに登録する。
【0030】
建仮配賦入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される建仮配賦入力画面上でのオペレータの操作に応じて、2階層目に、工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力してデータファイル106aに登録し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細についての工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力してデータファイル106aに登録し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す。
【0031】
建仮配賦入力部102bは、管理費配賦額を、2階層目の場合は工事管理費を見積金額の按分比率で按分した額とし、3階層以降の場合は前階層の管理費配賦額を見積金額の按分比率で按分した額としてもよい。
【0032】
建仮振替部102cは、建仮明細情報の振替分類が入力された最下層について、当該振替分類に基づいて、固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルを作成して、データファイル106aに登録する。データファイル106aに登録した固定資産ファイル又費用の仕訳ファイルを固定資産システム400又は財務会計システム500と連携させてもよい。
【0033】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(建仮精算入力画面、建仮配賦入力画面、建仮振替後続データ連携画面)の表示及びその入力を制御する。
【0034】
[3.具体例]
図1~
図5を参照して、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102における処理の具体例を説明する。
図2は、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
図3及び
図4は、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図5は、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するための画面イメージの例を示す図である
【0035】
(3-1.全体の処理)
図2を参照して、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明する。
【0036】
図2において、建仮精算入力部102aは、建仮精算入力処理を実行する(ステップS1)。建仮精算入力処理では、1階層目に、工事案件の全体を登録し、工事管理費も含めた工事総額を入力する。具体的には、建仮精算入力処理では、建仮精算入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される建仮精算入力画面上でのオペレータの操作に応じて、対象の工事案件について、1階層目に、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力して、データファイル106aに登録する。
【0037】
建仮配賦入力部102bは、建仮配賦入力処理(2階層)を実行する(ステップS2)。建仮配賦入力処理(2階層)では、工事案件の2階層目となる工事内訳明細を登録し、工事内訳明細毎に、見積金額と、全体の工事管理費の入力額を見積金額の按分比率で自動按分した管理費と、資産振替予定、費用振替予定、又は内訳階層があるならば空欄とする振替分類とを入力する。また、見積金額と工事管理費配賦金額とを合計した金額を、内訳明細毎の取得価額とみなす。
【0038】
具体的には、建仮配賦入力処理(2階層)では、建仮配賦入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される建仮配賦入力画面上でのオペレータの操作に応じて、2階層目に、工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、工事総額を配賦した見積金額、工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力してデータファイル106aに登録する。
【0039】
建仮配賦入力部102bは、建仮配賦入力処理(3階層~6階層)を実行する(ステップS2)。建仮配賦入力処理(3階層~6階層)では、工事案件の2階層目でさらに内訳階層がある場合は、工事内訳明細を登録して階層を増やしていき、工事内訳明細毎の分類に空欄が無くなるまで、つまり最下層の工事内訳明細まで繰り返し処理を実行する。
【0040】
具体的には、建仮配賦入力処理(3階層~6階層)では、建仮配賦入力部102bは、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細についての工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類を含む建仮明細情報を入力してデータファイル106aに登録し、この処理を振替分類が入力されるまで、N(例えば、N=6)階層まで繰り返す(ステップS3)。
【0041】
建仮振替部102cは、建仮振替後続データ連携処理を実行する(ステップS4)。具体的には、建仮振替後続データ連携処理では、建仮振替部102cは、建仮明細情報の振替の分類が入力された最下層について、当該振替分類に基づいて、固定資産ファイル又は費用の仕訳ファイルを作成して、データファイル106aに登録する。すなわち、建設仮勘定を後続の固定資産管理および後続の財務会計仕訳管理に振り替えるため、建仮振替後続ファイル(固定資産ファイル又は費用の仕訳ファイル)を作成する。建仮振替後続ファイル(固定資産ファイル又は費用の仕訳ファイル)は、固定資産システム400及び財務会計システム500と連携する。作成対象は工事案件の最下層となる。修繕対象を固定資産に振り替え、修繕以外を費用勘定仕訳に振り替える。振替金額は配賦後の内訳明細取得価額であり、共通経費も含まれる。
【0042】
固定資産・財務会計処理(ステップS5)では、固定資産システム400は、建仮から振替の減価償却資産を管理し、耐用年数まで毎年帳簿管理する。財務会計システム500は、建仮から振替の費用勘定仕訳を管理し、費用元帳で帳簿管理する。
【0043】
(3-2.サンプルデータ)
図3及び
図4に示すサンプルデータを参照して、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0044】
(建仮精算入力処理S1)
建仮精算入力部102aは、配賦階層の1階層目として、建仮ヘッダ情報に工事案件名、工事案件番号、工事総額、工事管理費を登録する。
図3(A)に示す建仮ヘッダ情報の例では、工事案件名「サービスセンターOA化工事」、工事案件番号「KOUJI1」、工事総額「2,630,000」、工事管理費「131,500」が登録される。合計は「2,761,500」(工事総額管理費込み)となっている。
【0045】
(建仮配賦入力処理(2階層)S2)
建仮配賦入力部102bは、配賦階層の2階層目として、1つ前の階層(1階層)の工事内訳明細として、工事案件番号、階層、上明細No、明細No、工事明細名、見積金額、管理費配賦額、取得価額、振分分類(固定資産、費用勘定、又は空欄)を建仮明細情報に登録する。工事管理費配賦金額は、見積金額の按分比率を利用して、工事管理費×見積金額/工事総額で自動算出する。取得金額は、見積金額+管理費配賦額で自動算出する。
【0046】
図3(B)に示す建仮明細情報のデータの例では、1行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「2」、上明細No「空欄」、明細No「1」、工事明細名「OAフロア工事」、見積金額「890,732」、管理費配賦額「44,537」、取得価額「935,269」、振分分類「空欄」、2行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「2」、上明細No「空欄」、明細No「2」、工事明細名「什器入替」、見積金額「1,739,268」、管理費配賦額「86,963」、取得価額「1,826,231」、分類「空欄」となっている。上明細Noが空欄となっているのは、上は1階層目で明細管理外のためである(1階層目に明細が存在しないため)。管理費配賦額の合計は「131,500」、取得価格の合計は、「2,761,500」(工事総額管理費込み)となっている。
【0047】
(建仮配賦入力処理(3~6階層)S3)
建仮配賦入力部102bは、配賦階層の3~6階層目として、1つ前の階層(2階層~)の工事内訳明細を、建仮明細情報に登録する。この処理は、振替分類の空欄がなくなるまで、すなわち、振替分類が指定されるまで行う。
【0048】
図3(C)に示す建仮明細情報のデータの例では、1行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「3」、上明細No「1」、明細No「1」、工事明細名「OAフロア:床」、見積金額「633,576」、管理費配賦額「31,679」、取得価額「665,255」、分類「1:資産」、2行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「3」、上明細No「1」、明細No「2」、工事明細名「OAフロア:タイルカーペット」、見積金額「257,156」、管理費配賦額「12,858」、取得価額「270,014」、振替分類「1:固定資産」となっている。
【0049】
3行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「3」、上明細「2」、明細No「1」、工事明細名「サービスセンター:デスク」、見積金額「1,453,650」、管理費配賦額「72,682」、取得価額「1,526,332」、振分分類「1:固定資産」、4行目は、工事案件番号「KOUJI1」、階層「3」、上明細「2」、明細No「2」、工事明細名「サービスセンター:ワゴン」、見積金額「285,618」、管理費配賦額「14,281」、取得価額「299,899」、振替分類「2:費用」となっている。管理費配賦額の合計は「131,500」、取得価格の合計は、「2,761,500」(工事総額管理費込み)となっている。
【0050】
(建仮振替後続データ連携処理S4)
建仮振替部102cは、建仮配賦情報のうち最下層を対象に、建仮から振り替えた後続の固定資産および仕訳明細ファイルを作成して、データファイル106aに登録する。処理対象は、「振替分類」が空欄でないものとする。
【0051】
振替分類が「固定資産」については、工事内容のうち修繕で固定資産価値と認められる分は固定資産の取得明細とする。後続の固定資産システム400にデータ連携するための固定資産ファイルを作成する。
【0052】
振替分類が「費用」については、工事内容のうち修繕と認められない分は、減価償却管理ではなく当年限りの費用化の仕訳明細とする。後続の財務会計システム500にデータ連携するための仕訳ファイルを作成する。
【0053】
図3(B)に示す仮建明細情報は、階層2の「仕訳分類」が「空欄」のため処理対象外となる。
図3(C)に示す仮建明細情報は、1~3行目の階層「3」の振替分類が「固定資産」となっているので、固定資産ファイルを作成する。また、4行目の階層「3」の振替分類が「費用」となっているので、費用の仕訳ファイルを作成する。
【0054】
固定資産システム400と財務会計システム500は、データファイル106aに格納された固定資産ファイルと仕訳明細ファイルを取り込んで、固定資産管理および財務会計管理を開始する。
図4(D)は、固定資産データ受入フォーマットイメージの例を示す図である。
図4(E)は、仕訳データ受入フォーマットイメージの例を示す図である。
【0055】
固定資産データ受入フォーマットは、資産No、資産名、取得日付、取得価額、償却額、帳簿価額のデータを含んでいてもよい。
図4(D)に示す固定資産データ受入フォーマッイメージの例では、1行目は、資産No「KOUJI1-3-1-1」、資産名「OAフロア:床」、取得日付「2020/9/30」、取得価額「665,255」、償却額「0」、帳簿価額「665,255」、2行目は、資産No「KOUJI1-3-1-2」、資産名「OAフロア:タイルカーペット」、取得日付「2020/9/30」、取得価額「270,014」、償却額「0」、帳簿価額「270,014」、3行目は、資産No「KOUJI1-3-2-1」、資産名「サービスセンター:デスク」、取得日付「2020/9/30」、取得価額「1,526,332」、償却額「0」、帳簿価額「1,526,332」となっている。取得日は、連携操作日とする。帳簿価格は、新規取得なので未償却で取得価額のままとする。
【0056】
仕訳データ受入フォーマットは、伝票番号、発生日、借方科目、借方金額、貸方科目、貸方金額、摘要を含んでいてもよい。
図4(E)に示す仕訳データ受入フォーマットイメージの例では、伝票番号「KOUJI1-3-2-2」、発生日「2020/9/30」、借方科目「工事費」、借方金額「299,899」、貸方科目「現預金」、貸方金額「299,899」、摘要「サービスセンター:ワゴン」となっている。発生日は、連携操作日とする。科目はファイル作成機能にて事前設定することにしてもよい。
【0057】
(3-3.画面イメージ)
図5を参照して、画面イメージを説明する。ここでは、
図3及び
図4のサンプルデータを使用して説明する。
【0058】
(仮健清精算入力処理S1)
図5(A)は、仮健精算入力画面の表示例を示している。仮健精算入力画面は、建仮ヘッダ情報を登録するための画面である。仮健精算入力画面は、工事案件番号、工事案件名、工事総額、工事管理費の入力欄と、登録ボタンを備えている。「工事案件番号」は、工事案件の全体に対する付番である。工事案件番号、工事案件名、工事総額、工事管理費は、オペレータが入力し、合計金額は自動表示される。
【0059】
図5(A)に示す例では、工事案件番号「KOUJI1」、工事案件名「サービスセンターOA化工事」、工事総額「2,630,000」、工事管理費「131,500」が入力された後、登録ボタンが押下され、
図3(A)に示す建仮ヘッダ情報が登録される。
【0060】
(建仮配賦入力処理(2階層)S2)
図5(B)~(D)は、建仮配賦入力画面の表示例を示しており、(B)は、2階層目のデータ、(C)及び(D)は、3階層目のデータの入力の例を示している。
【0061】
図5(B)に示すように、建仮配賦入力画面は、工事案件番号、前階層No、前階層の明細Noの入力欄と、前階層工事管理費、前階層取得価額の入力欄と、内訳明細(明細No、工事明細名、見積金額、管理費配賦額、取得価額、振替分類(固定資産、費用、又は空欄))の入力欄と、登録ボタンを備えている。
【0062】
工事案件番号、前階層No、前階層の明細Noを入力すると、工事案件番号、前階層No、前階層の明細Noをキーとして、建仮ヘッダ情報又は建仮明細情報から、工事案件番号、前階層の工事案件名又は工事明細名を取得して表示すると共に、前階層の工事管理費、前階層の取得金額を取得して表示する。前階層Noが「1」の場合は、建仮ヘッダ情報から取得し、前階層Noが「2」以降の場合は、建仮明細情報から取得する。
【0063】
明細No、工事明細名、見積金額、管理費配賦額、取得価額、振替分類(固定資産、費用勘定、又は空欄)はオペレータが入力し、管理費配賦額は、見積金額の按分比率を利用して、前階層の工事管理費×見積金額/前階層の取得価格で自動算出する。取得金額は、見積金額+管理費配賦額で自動算出する。
【0064】
図5(B)に示す例では、工事案件番号「KOUJI1」、前階層No「1」、前階層の明細No「空欄」が入力されて、
図3(A)に示す建仮ヘッダ情報から工事案件名「サービスセンターOA化工事」、工事管理費「131,500」、工事総額「2,630,000」が取得されて、工事案件名「サービスセンターOA化工事」、前階層の工事管理費「131,500」、前階層の取得金額「2,761,500(=2,630,000+131,500)」が表示される。
【0065】
内訳明細では、1行目に、明細No「1」、工事明細名「OAフロア工事」、見積金額「890,732」、管理費配賦額「44,537」、取得価額「935,269」、分類「空欄」、2行目に、明細No「2」、工事明細名「什器入替」、見積金額「1,739,268」、管理費配賦額「86,963」、取得価額「1,826,231」、分類「空欄」が入力される。登録ボタンが押下されると、
図3(B)に示すような建仮明細情報が登録される。前階層Noが「1」の場合は、階層No「2」のデータが自動で登録される。
【0066】
(建仮配賦入力処理(3~6階層)S3)
図5(C)に示す例では、工事案件番号「KOUJI1」、前階層No「2」、前階層の明細No「1」が入力されて、
図3(C)に示す建仮明細情報から工事明細名「OAフロア工事」、管理費配賦額「44,537」、取得価額「935,269」が取得されて、工事明細名「OAフロア工事」、前階層の管理費配賦額「44,537」、前階層の取得価額「935,269」が表示される。
【0067】
内訳明細では、1行目は、明細No「1」、工事明細名「OAフロア:床」、見積金額「633,576」、管理費配賦額「31,679」、取得価額「665,255」、振替分類「1:固定資産」、2行目は、明細No「2」、工事明細名「OAフロア:タイルカーペット」、見積金額「257,156」、管理費配賦額「12,858」、取得価額「270,014」、振替分類「1:固定資産」が入力される。登録ボタンが押下されると、
図3(C)の1行目及び2行目に示すような建仮明細情報が登録される。前階層Noが「2」の場合は、建仮明細情報には、階層No「3」のデータが自動で登録される。
【0068】
図5(D)に示す例では、工事案件番号「KOUJI1」、前階層No「2」、前階層の明細No「2」が入力されて、
図3(C)に示す建仮明細情報から工事明細名「什器入替」、管理費配賦額「86,963」、取得価額「1,826,231」が取得されて、工事明細名「什器入替」、前階層の管理費配賦額「86,963」、前階層の取得価額「1,826,231」が表示される。
【0069】
内訳明細では、1行目に、明細No「1」、工事明細名「サービスセンター:デスク」、見積金額「1,453,650」、管理費配賦額「72,682」、取得価額「1,526,332」、振替分類「1:固定資産」が、2行目に、明細No「2」、工事明細名「サービスセンター:ワゴン」、見積金額「285,618」、管理費配賦額「14,281」、取得価額「299,899」、振替分類「2:費用」が入力される。登録ボタンが押下されると、
図3(C)の3行目及び4行目に示すような建仮明細情報が登録される。前階層Noが「2」の場合は、建仮明細情報には、階層No「3」のデータが自動で登録される。
【0070】
(建仮振替後続データ連携処理S4)
図5(E)は、建仮振替後続データ連携画面の表示例を示している。建仮振替後続データ連携画面において、連携対象日付を入力して、実行ボタンを押すと、建仮明細情報のうち振替分類が空欄でなく(最下層のもの)、建仮振替後続データ連携が未実行のものについて、連携対象日付の期間に登録された建仮明細情報に基づいて、固定資産ファイル及び仕訳ファイルが作成される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、1階層目に、対象の工事案件について、工事案件名、工事総額、及び当該工事案件に共通の工事管理費と、を含む建仮ヘッダ情報を入力する建仮精算入力部102aと、2階層目に、前記工事案件についての工事内訳明細として、工事明細名、前記工事総額を配賦した見積金額、前記工事管理費を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替分類と、を含む建仮明細情報を入力し、3階層目以降は、前階層の工事内訳明細の下階層の工事内訳明細として、工事明細名、前階層の見積金額を配賦した見積金額、前階層の管理費配賦額を配賦した管理費配賦額、下階層に工事内訳明細がない場合は固定資産又は費用の振替の分類を含む建仮明細情報を入力し、この処理を振替分類が入力されるまで、N階層まで繰り返す建仮配賦入力部102bと、を備えているので、建設仮勘定を階層管理できるようにすることで、建設仮勘定の精度を向上させることが可能となる。
【0072】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、会計処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、会計処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて会計処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、会計処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、会計処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、会計処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0083】
100 会計処理装置
102 制御部
102a 建仮精算入力部
102b 建仮配賦入力部
102c 建仮振替部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク