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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086369
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220602BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G61/00 526
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198324
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(71)【出願人】
【識別番号】500352063
【氏名又は名称】株式会社デンソーエスアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山鍬 靖
(72)【発明者】
【氏名】伊塚 修平
(72)【発明者】
【氏名】松本 頼明
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA03
3F522BB03
3F522BB27
3F522BB32
3F522CC05
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD34
3F522EE16
3F522EE19
3F522FF04
3F522FF36
3F522GG16
3F522GG23
3F522GG45
3F522HH02
3F522HH22
3F522HH34
3F522HH37
3F522KK03
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】管理対象に付した無線タグを利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させ得る構成を提供する。
【解決手段】無線タグ11を付した部品箱10に対して、受け入れ時の部品箱10に関する情報が管理情報として記録された情報コード13を表示したかんばん12が取り付けられ、情報コード13から管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置30と、情報コード読取装置30によって読み取られた管理情報を無線タグ11に書き込むことで部品箱10に管理情報を紐付ける無線タグ処理装置40と、が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象に付された無線タグを利用して前記管理対象を管理する管理システムであって、
受け入れ時の前記管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コードを表示した識別票が、前記管理対象に取り付けられ、
前記情報コードから前記管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置と、
前記情報コード読取装置によって読み取られた前記管理情報を前記無線タグに書き込むことで前記管理対象に前記管理情報を紐付ける無線タグ処理装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記管理対象を搬送する搬送装置を備え、
前記情報コード読取装置は、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に取り付けられた前記識別票の前記情報コードから前記管理情報を読み取り可能に配置され、
前記無線タグ処理装置は、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に付された前記無線タグに対して前記管理情報を書き込み可能に配置されることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記搬送装置によって前記管理対象が搬送経路上を搬送される搬送状態を監視する監視装置を備え、
前記情報コード読取装置は、前記監視装置による監視結果に基づいて、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に取り付けられた前記識別票の前記情報コードから前記管理情報を読み取るように構成され、
前記無線タグ処理装置は、前記監視装置による監視結果に基づいて、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に付された前記無線タグに対して前記管理情報を書き込むように構成されることを特徴とする請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
管理対象に付された無線タグを利用して前記管理対象を管理する管理システムであって、
受け入れ時の前記管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コードを表示した識別票が、前記管理対象に取り付けられ、
前記無線タグには、固有のタグIDが記録され、
前記情報コードから前記管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置と、
前記無線タグから前記タグIDを読み取る無線タグ処理装置と、
前記情報コード読取装置から取得した前記管理情報と前記無線タグ処理装置から取得した前記タグIDとが紐付けられて記憶される記憶装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記管理対象を搬送する搬送装置を備え、
前記情報コード読取装置は、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に取り付けられた前記識別票の前記情報コードから前記管理情報を読み取り可能に配置され、
前記無線タグ処理装置は、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に付された前記無線タグから前記タグIDを読み取り可能に配置されることを特徴とする請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記搬送装置によって前記管理対象が搬送経路上を搬送される搬送状態を監視する監視装置を備え、
前記情報コード読取装置は、前記監視装置による監視結果に基づいて、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に取り付けられた前記識別票の前記情報コードから前記管理情報を読み取るように構成され、
前記無線タグ処理装置は、前記監視装置による監視結果に基づいて、前記搬送装置によって搬送されている前記管理対象に付された前記無線タグから前記タグIDを読み取るように構成されることを特徴とする請求項5に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグを利用して管理対象を管理する管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各部品又は各部品を収容する収容箱(以下、単に、部品等ともいう)に付したRFタグなどの無線タグを利用して、部品入出庫把握や一時保管場所への部品の誤投入防止などを行うことで、管理作業等に関する作業効率化を図りたいというニーズがある。このようなニーズに対応する技術として、例えば、下記特許文献1に開示されるICタグ利用検品システムが知られている。このICタグ利用検品システムでは、製品を梱包した複数の梱包容器がそれぞれ梱包情報を記録したICタグを付した状態で工場から出荷されて、配送センターでの入荷検品時に各ICタグから読み取った梱包情報を利用して各梱包容器に関する検品作業を行うことで、入荷検品の作業効率の向上と検品精度向上とを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-027773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各種の部品販売会社等から納入される部品を自社内で管理する場合でも、各部品又は各部品を収容する収容箱(以下、単に、部品等ともいう)に無線タグを付して、その無線タグに記録される部品等の情報を利用することで、管理作業等に関する作業効率の向上を図ることができる。このような管理作業等では、更なる作業効率の向上を図るため、無線タグに対して、部品等の情報を含めた自社管理用の情報(以下、単に、管理情報ともいう)を記録することが望まれる。
【0005】
しかしながら、上記管理情報を記録した無線タグを対応する部品等に取り付ける作業は、その無線タグに適切な情報が記録されているか確認等する必要があるため、作業性が悪くなるという問題がある。また、部品販売会社等では、納入する部品等に対してどのように上記管理情報が設定されるか容易に把握できないため、部品等に付した無線タグに対して上記管理情報を納入前に書き込むことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、管理対象に付した無線タグを利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させ得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
管理対象(10)に付された無線タグ(11)を利用して前記管理対象を管理する管理システム(1,1a)であって、
受け入れ時の前記管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コード(13)を表示した識別票(12)が、前記管理対象に取り付けられ、
前記情報コードから前記管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置(30,70)と、
前記情報コード読取装置によって読み取られた前記管理情報を前記無線タグに書き込むことで前記管理対象に前記管理情報を紐付ける無線タグ処理装置(40,70)と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、
管理対象(10)に付された無線タグ(11)を利用して前記管理対象を管理する管理システム(1b)であって、
受け入れ時の前記管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コード(13)を表示した識別票(12)が、前記管理対象に取り付けられ、
前記無線タグには、固有のタグIDが記録され、
前記情報コードから前記管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置(30,70)と、
前記無線タグから前記タグIDを読み取る無線タグ処理装置(40,70)と、
前記情報コード読取装置から取得した前記管理情報と前記無線タグ処理装置から取得した前記タグIDとが紐付けられて記憶される記憶装置(80)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、管理対象に対して、受け入れ時の管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コードを表示した識別票が取り付けられ、情報コードから管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置と、情報コード読取装置によって読み取られた管理情報を無線タグに書き込むことで管理対象に管理情報を紐付ける無線タグ処理装置とが設けられる。
【0010】
これにより、受け入れ後の管理対象に紐付けるべき管理情報をその管理対象に付した無線タグに書き込むことができるので、受け入れ以降の各作業工程において、例えば、複数の管理対象からそれぞれの管理情報を無線通信にて一括で読み取ることもできる。したがって、管理対象に付した無線タグを利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明では、情報コード読取装置は、搬送装置によって搬送されている管理対象に取り付けられた識別票の情報コードから管理情報を読み取り可能に配置され、無線タグ処理装置は、搬送装置によって搬送されている管理対象に付された無線タグに対して管理情報を書き込み可能に配置される。
【0012】
これにより、受け入れ時に自動搬送されるような管理対象であっても、搬送中に識別票の情報コードから読み取った管理情報を無線タグに書き込むことができる。
【0013】
請求項3の発明では、搬送装置によって管理対象が搬送経路上を搬送される搬送状態を監視する監視装置が設けられる。そして、情報コード読取装置は、監視装置による監視結果に基づいて、搬送装置によって搬送されている管理対象に取り付けられた識別票の情報コードから管理情報を読み取るように構成され、無線タグ処理装置は、監視装置による監視結果に基づいて、搬送装置によって搬送されている管理対象に付された無線タグに対して管理情報を書き込むように構成される。
【0014】
これにより、複数の管理対象が順次搬送経路上を搬送されるような状態であっても、情報コードから管理情報を読み取った管理対象の搬送中の位置、すなわち、無線タグに管理情報を書き込むべき管理対象の搬送中の位置を容易に把握することができる。このため、情報コード読取装置によって読み取られた管理情報が書き込むべき無線タグと異なる他のタグに誤って書き込まれることを抑制することができる。
【0015】
請求項4の発明では、固有のタグIDを記録した無線タグが付された管理対象に対して、受け入れ時の管理対象に関する情報が管理情報として記録された情報コードを表示した識別票が取り付けられ、情報コードから管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置と、無線タグからタグIDを読み取る無線タグ処理装置と、情報コード読取装置から取得した管理情報と無線タグ処理装置から取得したタグIDとが紐付けられて記憶される記憶装置と、が設けられる。
【0016】
これにより、受け入れ後の管理対象に紐付けるべき管理情報をその管理対象に付した無線タグのタグIDに紐付けることができるので、受け入れ以降の各作業工程において、例えば、複数の管理対象の無線タグから無線通信にて一括で読み取った各タグIDに紐付けられる管理情報を記憶装置から取得することもできる。したがって、管理対象に付した無線タグを利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させることができる。
【0017】
請求項5の発明では、情報コード読取装置は、搬送装置によって搬送されている管理対象に取り付けられた識別票の情報コードから管理情報を読み取り可能に配置され、無線タグ処理装置は、搬送装置によって搬送されている管理対象に付された無線タグからタグIDを読み取り可能に配置される。
【0018】
これにより、受け入れ時に自動搬送されるような管理対象であっても、搬送中に識別票の情報コードから読み取った管理情報と無線タグから読み取ったタグIDとを紐付けて記憶装置に記憶することができる。
【0019】
請求項6の発明では、搬送装置によって管理対象が搬送経路上を搬送される搬送状態を監視する監視装置が設けられる。そして、情報コード読取装置は、監視装置による監視結果に基づいて、搬送装置によって搬送されている管理対象に取り付けられた識別票の情報コードから管理情報を読み取るように構成され、無線タグ処理装置は、監視装置による監視結果に基づいて、搬送装置によって搬送されている管理対象に付された無線タグからタグIDを読み取るように構成される。
【0020】
これにより、複数の管理対象が順次搬送経路上を搬送されるような状態であっても、情報コードから管理情報を読み取った管理対象の搬送中の位置、すなわち、無線タグからタグIDを読み取るべき管理対象の搬送中の位置を容易に把握することができる。このため、情報コード読取装置によって読み取られた管理情報と無線タグ処理装置によって読み取られたタグIDとが誤って紐付けられることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る管理システムの概略構成を示す説明図である。
図2】第1実施形態において制御装置にてなされる紐付処理の流れを例示するフローチャートである。
図3】第2実施形態に係る管理システムの概略構成を示す説明図である。
図4図4(A)は、作業者の手に装着された携帯端末で部品箱に取り付けられたかんばんの情報コードから管理情報を読み取る状態を説明する説明図であり、図4(B)は、その携帯端末で部品箱の無線タグに上記管理情報を書き込む状態を説明する説明図である。
図5図5(A)は、図3の携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図5(B)は、無線タグ処理部の電気的構成を例示するブロック図であり、図5(C)は、情報コード読取部の電気的構成を例示するブロック図である。
図6】第3実施形態に係る管理システムの概略構成を示す説明図である。
図7】第3実施形態において制御装置にてなされる紐付処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す管理システム1は、複数の管理対象にそれぞれ付された無線タグを利用して各管理対象を管理するシステムとして構成されている。具体的には、本実施形態では、管理システム1は、仕入先から受け入れた部品箱10を管理対象としており、各部品箱10は、所定の生産計画に従って納入指示された1又は2以上の部品がそれぞれ収容されるとともに無線タグ11が付された状態で、自社の受入場にて受け入れられる。なお、部品箱10は、受け入れ以降の後工程にて収容された部品を取り出し終えた後に、仕入先等に送られて再利用されるようになっている。
【0023】
この受入場では、上記所定の生産計画に従って自社にて予め作成(発行)される所定の識別票(以下、単に、かんばん12ともいう)が、作業者等によって対応する部品箱10に取り付けられる。このため、部品箱10の外面のうち無線タグ11が付される面には、かんばん12を保持するための保持部(図示略)が設けられる。
【0024】
各かんばん12には、上記所定の生産計画に関する情報及び取り付けられる部品箱10に収容される部品に関する情報(例えば、部品名や部品番号、個数など)などがそれぞれ表示される。また、かんばん12には、上述のように印刷表示される情報のうち後工程で利用する情報の少なくとも一部を含めた情報が管理情報として記録される情報コード13が表示される。なお、本実施形態では、かんばん12に表示される情報コード13として、QRコード(登録商標)が採用されているが、これに限らず、他のコード種別の情報コード、例えば、バーコードが採用されてもよい。また、図1では、便宜上、かんばん12に対して情報コード13の大きさを誇張して図示している。
【0025】
本実施形態では、各部品箱10にそれぞれ付された無線タグ11に対して、その部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13から読み取った管理情報を書き込むことで、部品箱10に無線タグ11を利用して管理情報を紐付けるように管理システム1が構成される。これにより、部品箱10の管理情報を無線通信にて読み取ることができるだけでなく、複数の部品箱10であってもそれぞれの管理情報を一括で読み取ることができ、受け入れ以降の各作業工程での作業効率の向上を図ることができる。
【0026】
このため、管理システム1は、搬送装置20と、情報コード読取装置30と、無線タグ処理装置40と、制御装置50と、報知装置60と、を備えるように構成されている。
【0027】
搬送装置20は、各部品箱10を受入場から次工程の一時保管場所(部品ロケ)に順次自動搬送するベルトコンベヤ式の自動搬送装置である。この搬送装置20は、制御装置50により制御されて、指定された所定の搬送速度で、部品箱10が搬送経路上を上記一時保管場所に向けて順次搬送されるように構成されている。
【0028】
情報コード読取装置30は、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取り可能に配置される。具体的には、情報コード読取装置30は、作業者が搬送装置20の搬送経路に部品箱10を置いた際にその部品箱10の情報コード13を撮像して読み取れるように、搬送経路の上流側に配置される。このように構成される情報コード読取装置30は、情報コード13の読み取りに成功すると、その読み取った管理情報等を制御装置50に送信するように構成されている。
【0029】
そして、情報コード読取装置30は、情報コード13の読み取りに失敗すると、情報コード13の読み取りに失敗したことを示す所定の信号(以下、第1失敗信号ともいう)を制御装置50に送信するように構成されている。ここで、情報コード13の読み取りに失敗する状態とは、例えば、撮像画像からQRコードの3つの位置検出パターン(ファインダパターン)が検出されていることからQRコードを撮像していると判断できても、他の領域のセルが不明瞭であるためにそのQRコードをデコードできない状態である。
【0030】
無線タグ処理装置40は、RFタグなどの無線タグとの間で電磁波による通信を行ない、無線タグに記憶されるデータの読取り、或いは無線タグに対するデータの書込みを行なうように機能するものである。本実施形態では、無線タグ処理装置40は、後述するように制御装置50から書き込み指示された管理情報等を、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11に対して書き込み可能に配置される。無線タグ処理装置40によって情報コード13から管理情報が読み取られた部品箱10の無線タグ11に対してその管理情報を書き込むため、無線タグ処理装置40は、搬送経路に対して情報コード読取装置30よりも下流側に所定距離だけ離れて配置される。
【0031】
そして、無線タグ処理装置40は、書き込み指示されたタイミングでの管理情報等の書き込みに成功すると、管理情報等の書き込みに成功したことを示す所定の信号(以下、成功信号ともいう)を制御装置50に送信し、管理情報等の書き込みに失敗すると、管理情報等の書き込みに失敗したことを示す所定の信号(以下、第2失敗信号ともいう)を制御装置50に送信するように構成されている。
【0032】
制御装置50は、情報コード読取装置30から受信した管理情報等を無線タグ11に書き込むための書き込み指示を、無線タグ処理装置40に対して行う装置である。制御装置50は、情報コード読取装置30から管理情報等を受信した受信タイミングと上記所定の搬送速度及び上記所定距離とに基づいて、管理情報等を無線タグ11に書き込むべき部品箱10が無線タグ処理装置40の前を通過するタイミング等を把握することができる。このため、制御装置50は、管理情報等を無線タグ11に書き込むべき部品箱10の搬送状態等に応じて、無線タグ処理装置40に対する管理情報等の書き込み指示のタイミングを調整するように機能する。
【0033】
報知装置60は、複数種類の発光状態を実現可能に複数種類のパトライト(登録商標)などを備え、外部から受信した信号に応じてその発光状態を切り替えるように構成されている。例えば、報知装置60は、通常、非発光状態(消灯状態)に維持され、制御装置50を介して情報コード読取装置30から上記第1失敗信号を受信すると、情報コード13の読み取りに失敗したことを示す発光状態に切り替わる。また、報知装置60は、制御装置50を介して無線タグ処理装置40から上記第2失敗信号を受信すると、管理情報等の書き込みに失敗したことを示す発光状態に切り替わる。
【0034】
次に、上述のように構成される管理システム1において、受入場にて受け入れた各部品箱10を次工程の一時保管場所に搬送する際に、制御装置50にてなされる紐付処理等について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0035】
作業者は、所定の生産計画に従って仕入先から納入された各部品箱10を受入場にて受け入れた際に、各部品箱10に対して上記所定の生産計画に従って作成されたかんばん12を取り付ける作業を行う。そして、作業者は、部品箱10を1つずつ搬送装置20に載せる作業を行う。
【0036】
制御装置50では、紐付処理が開始されると、情報コード読取装置30から管理情報又は第1失敗信号を受信可能な状態になる。そして、作業者によって搬送経路上に置かれた部品箱10の情報コード13から情報コード読取装置30によって管理情報が読み取られたために、情報コード読取装置30から管理情報が受信されると(図2のS101でYes)、ステップS103に示す書き込み指示処理がなされる。この処理では、情報コード読取装置30から管理情報等を受信した受信タイミングと上記所定の搬送速度及び上記所定距離とに基づいて、管理情報等を無線タグ11に書き込むべき部品箱10が無線タグ処理装置40の前を通過するタイミングを求め、この通過タイミングに応じて、無線タグ11に書き込むべき管理情報等が無線タグ処理装置40に送信される。
【0037】
無線タグ処理装置40では、制御装置50から書き込み指示された管理情報等を無線タグ11に対して書き込む処理がなされ、管理情報等の書き込みが成功すると、上記成功信号が制御装置50に対して送信される。このため、制御装置50は、搬送装置20によって部品箱10が搬送経路上を搬送される搬送状態を監視する監視装置として機能し、無線タグ処理装置40は、監視装置として機能する制御装置50による監視結果に基づいて、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11に対して管理情報を書き込むように構成される。
【0038】
制御装置50では、無線タグ処理装置40から上記成功信号が受信されると(S105でYes)、情報コード13が読み取られた部品箱10に対する無線タグ11を利用した管理情報の紐付けが完了した判断される。そして、終了操作等がなされない場合には(S107でNo)、情報コード読取装置30から管理情報等を再び受信可能な状態になり(S101)、次の部品箱10に対する管理情報の紐付けを可能な状態になる。
【0039】
一方、情報コード読取装置30から管理情報が受信されることなく第1失敗信号が受信されると(S101でNo、S109でYes)、搬送装置20を搬送停止状態に制御するとともに(S111)、報知装置60に対して第1失敗信号が送信される(S113)。
【0040】
上記第1失敗信号を受信した報知装置60は、情報コード13の読み取りに失敗したことを示す発光状態に切り替わる。この発光状態を見た作業者は、搬送装置20に載せた部品箱10の情報コード13の読み取りに失敗したことを把握できる。このため、作業者は、情報コード読取装置30と異なる専用の携帯端末にてその情報コード13を読み取る作業を行う。この読み取りが完了することで、その携帯端末から管理情報が制御装置50に送信される。
【0041】
制御装置50では、上記携帯端末から管理情報が受信されると(S115でYes)、搬送装置20を搬送状態に制御することで自動搬送を再開させ(S117)、報知装置60に対して上記非発光状態に切り替えるための警報解除信号が送信された後(S119)、所定のタイミングにて、上記ステップS103以降の処理がなされる。
【0042】
これに対して、携帯端末から管理情報が受信されない場合には(S115でNo)、かんばん12に付された情報コード13が読み取り不能な状態であるとして、その旨に関する警告情報を管理者などが管理する上位端末等に送信して、本紐付処理が終了する。
【0043】
また、無線タグ処理装置40から第2失敗信号が受信されると(S105でNo)、搬送装置20を搬送停止状態に制御するとともに(S121)、報知装置60に対して第2失敗信号が送信される(S123)。
【0044】
上記第2失敗信号を受信した報知装置60は、無線タグ11に対する書き込みに失敗したことを示す発光状態に切り替わる。この発光状態を見た作業者は、無線タグ処理装置40の前まで搬送された部品箱10の無線タグ11に対する書き込みに失敗したことを把握できる。このため、作業者は、上記専用の携帯端末にてその部品箱10の情報コード13から読み取った管理情報等を同じ部品箱10に付された無線タグ11に書き込む作業を行う。この書き込みが完了することで、その携帯端末から制御装置50に対して書き込みが完了したことを示す書込成功情報が送信される。
【0045】
制御装置50では、上記携帯端末から上記書込成功情報が受信されると(S125でYes)、搬送装置20を搬送状態に制御することで自動搬送を再開させ(S127)、報知装置60に対して上記警報解除信号が送信される(S129)。そして、終了操作等がなされない場合には(S107でNo)、情報コード読取装置30から管理情報等を再び受信可能な状態になり(S101)、次の部品箱10に対する管理情報の紐付けを可能な状態になる。
【0046】
これに対して、携帯端末から上記書込成功情報が受信されない場合には(S125でNo)、無線タグ処理装置40の前まで搬送された部品箱10の無線タグ11が書き込み不能な状態であるとして、その旨に関する警告情報を管理者などが管理する上位端末等に送信して、本紐付処理が終了する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、無線タグ11を付した部品箱10に対して、受け入れ時の部品箱10に関する情報が管理情報として記録された情報コード13を表示したかんばん12が取り付けられ、情報コード13から管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置30と、情報コード読取装置30によって読み取られた管理情報を無線タグ11に書き込むことで部品箱10に管理情報を紐付ける無線タグ処理装置40と、が設けられる。
【0048】
これにより、受け入れ後の部品箱10に紐付けるべき管理情報をその部品箱10に付した無線タグ11に書き込むことができるので、受け入れ以降の各作業工程において、例えば、複数の部品箱10からそれぞれの管理情報を無線通信にて一括で読み取ることもできる。したがって、管理対象となる部品箱10に付した無線タグ11を利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させることができる。
【0049】
特に、情報コード読取装置30は、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取り可能に配置され、無線タグ処理装置40は、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11に対して管理情報を書き込み可能に配置される。
【0050】
これにより、受け入れ時に自動搬送されるような管理対象であっても、搬送中にかんばん12の情報コード13から読み取った管理情報を無線タグ11に書き込むことができる。
【0051】
本実施形態の変形例として、搬送装置20によって部品箱10が搬送経路上を搬送される搬送状態を詳細に監視するように制御装置50が構成されてもよい。具体的には、制御装置50は、情報コード読取装置30によって撮像される情報コード13の撮像画像内での位置に基づいて、情報コード13が読み取られたタイミングでの情報コード13の位置、すなわち、部品箱10の搬送位置を詳細に監視することができる。このような構成では、無線タグ処理装置40は、監視装置として機能する制御装置50による監視結果に基づいてなされる書き込み指示(S103)に応じて、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11に対して管理情報を書き込む。
【0052】
これにより、複数の部品箱10が順次搬送経路上を搬送されるような状態であっても、情報コード13から管理情報を読み取った部品箱10の搬送中の位置、すなわち、無線タグ11に管理情報を書き込むべき部品箱10の搬送中の位置を容易に把握することができる。このため、情報コード読取装置30によって読み取られた管理情報が書き込むべき無線タグ11と異なる他のタグに誤って書き込まれることを抑制することができる。
【0053】
また、情報コード読取装置30は、情報コード13を読み取るための撮像処理を常時実施することに限らず、搬送経路に設けられる光電センサやリミットスイッチ等の監視装置による監視結果に基づいて、部品箱10が所定の搬送位置まで搬送されたと判定された際に、上記撮像処理等を実施してもよい。
【0054】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る管理システムについて、図3図5を参照して説明する。
図3に示すように、本第2実施形態に係る管理システム1aでは、管理対象となる部品箱10は、受入場から一時保管場所に自動搬送されずに、作業者自身によって台車等を利用して一時保管場所に搬送される。そして、作業者は、受け入れた部品箱10にかんばん12を取り付ける際に、情報コード13の読み取りと無線タグ11への書き込みとを実施可能な携帯端末70を用いて、そのかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取った後に、その管理情報を同じ部品箱10に付された無線タグ11に書き込む。
【0055】
このため、携帯端末70は、情報コード13などを光学的に読み取る情報コードリーダとしての機能に加えて、アンテナを介して送受信される電波を媒介として無線タグ11などに記憶されている情報を読み書きする機能を兼ね備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。特に、本実施形態では、携帯端末70は、作業者が両手で作業できるようにするため、図4に示すように、作業者の手に装着されるように構成されている。具体的な作業としては、携帯端末70にて、図4(A)に示すように、部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取り、その後、図4(B)に示すように、その読み取った管理情報を部品箱10に付された無線タグ11に書き込む。
【0056】
携帯端末70の外郭を構成する筐体内には、携帯端末70全体を制御する制御部71が設けられている(図5(A)参照)。この制御部71は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部72とともに情報処理装置を構成している。記憶部72には、QRコード等を光学的に読み取る読取処理を実行するためのプログラムやRFタグ等を非接触通信にて読み取る読取処理を実行するためのプログラムに加えて、情報コード13から読み取った管理情報等を所定のタイミングにて無線タグ11に書き込む処理を実行するためのプログラム等が制御部71により実行可能に予め格納されている。
【0057】
また、図5(A)に示すように、制御部71には、操作部73、LED74a、バイブレータ74b、ブザー74c、外部インタフェース75などが接続されている。操作部73は、トリガースイッチやテンキー等を備えてその操作に応じた操作信号を制御部71に対して与える構成をなしており、制御部71は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED74a、バイブレータ74bおよびブザー74cは、制御部71によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部71からの指令を受けて動作する。外部インタフェース75は、上位端末などの外部機器との間での通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部71と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0058】
また、携帯端末70は、制御部71により制御されて外部の情報を読み取り可能な情報読取部として機能する無線タグ処理部77及び情報コード読取部78を備えている。
無線タグ処理部77は、上述した無線タグ処理装置40と同等の機能を有するもので、アンテナ76及び制御部71と協働して無線タグ11等との間で電磁波による通信を行ない、無線タグ11等に記憶されるデータの読取り、或いは無線タグ11等に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この無線タグ処理部77は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図5(B)にて概略的に示すように、送信回路77a、受信回路77b、整合回路77cなどを有している。
【0059】
情報コード読取部78は、上述した情報コード読取装置30と同等の機能を有するもので、情報コード13等を光学的に読み取るように機能するもので、図5(C)に示すように、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部78a、結像レンズ78b、CCDエリアセンサからなる受光センサ78cなどを備えた構成をなしており、制御部71と協働してかんばん12に付された情報コード13等を読み取るように機能する。具体的には、照明部78aから照射された照明光Lfが情報コード13等に照射されることで、情報コード13等からの反射光Lrが読取口及び結像レンズ78bを通って受光センサ78cにて受光されると、受光センサ78cから情報コード13等の像に応じた受光信号が出力される。この受光信号は、画像データとして記憶部72に記憶され、情報コード13等に記録される情報を解読するためのデコード処理に用いられる。
【0060】
このようにしても、受け入れ後の部品箱10に紐付けるべき管理情報をその部品箱10に付した無線タグ11に書き込むことができるので、管理対象となる部品箱10に付した無線タグ11を利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させることができる。このように構成される上記携帯端末は、情報コード13から管理情報を光学的に読み取る「情報コード読取装置」としての機能と、情報コード読取装置によって読み取られた管理情報を無線タグに書き込むことで管理対象に管理情報を紐付ける「無線タグ処理装置」としての機能とを兼備する装置の一例に相当し得る。なお、上記第1実施形態にて述べた専用の携帯端末は、上記携帯端末70と同等の機能を有するように構成することができる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、情報コード読取装置にて読み取った管理情報と無線タグから読み取ったタグIDとをサーバで紐付ける点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る管理システム1bは、上述した管理システム1に対して、制御装置50にて取得した情報を利用して管理対象を管理するサーバ80を備えるように構成されている。このため、本実施形態では、情報コード13から読み取った管理情報を無線タグ11に書き込むように紐付けされるのではなく、情報コード13から読み取った管理情報と無線タグ11から読み取ったタグIDとがサーバ80にて紐付けされる。なお、各無線タグ11には、他の無線タグ11と区別するため、それぞれ固有のタグIDが読み取り可能に記憶されている。
【0063】
以下、本実施形態における管理システム1bにおいて、受入場にて受け入れた各部品箱10を次工程の一時保管場所に搬送する際に、制御装置50にてなされる紐付処理等について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0064】
制御装置50では、上記第1実施形態と同様に情報コード読取装置30から管理情報が受信されると(図7のS101でYes)、ステップS103aに示す読み取り指示処理がなされる。この処理では、上述のように求められた部品箱10の通過タイミングに応じて、無線タグ11からタグIDを読み取る処理を開始するタイミングとなる読み取り指示が、無線タグ処理装置40に送信される。
【0065】
無線タグ処理装置40では、制御装置50から上記読み取り指示を受けたタイミングにて、無線タグ11からタグIDを読み取る処理がなされ、タグIDの読み取りが成功すると、その読み取ったタグID等が制御装置50に対して送信される。
【0066】
制御装置50では、無線タグ処理装置40から上記タグID等が受信されると(S105aでYes)、この受信したタグIDと情報コード読取装置30から受信した管理情報とが関連付けられて、所定のネットワークNを介してサーバ80に送信される(S131)。
【0067】
サーバ80では、上述のように関連付けられたタグIDと管理情報とが紐付けられてデータベースに記憶される。このため、受け入れ以降の各作業工程においても、サーバ80に対して部品箱10の無線タグ11から読み取ったタグIDについて問い合わせすることで、その部品箱10に紐付けられる管理情報を取得することができる。なお、サーバ80は、情報コード読取装置30から取得した管理情報と無線タグ処理装置40から取得したタグIDとが紐付けられて記憶される「記憶装置」の一例に相当し得る。
【0068】
なお、本実施形態においても、無線タグ処理装置40は、読み取り指示されたタイミングでのタグIDの読み取りに失敗すると、上記第2失敗信号を制御装置50に送信するように構成されている。このため、無線タグ処理装置40から第2失敗信号が受信されると(S105aでNo)、搬送装置20を搬送停止状態に制御するとともに(S121)、報知装置60に対して第2失敗信号が送信される(S123)。
【0069】
この場合、上記第2失敗信号を受信した報知装置60は、無線タグ11からのタグIDの読み取りに失敗したことを示す発光状態に切り替わる。そして、作業者は、上記専用の携帯端末にてその部品箱10の無線タグ11からタグIDを読み取る作業を行う。この読み取りが完了することで、その携帯端末から制御装置50に対して読み取ったタグID等が送信される。
【0070】
制御装置50では、上記携帯端末から上記タグID等が受信されると(S125aでYes)、搬送装置20を搬送状態に制御することで自動搬送を再開させ(S127)、報知装置60に対して上記警報解除信号が送信される(S129)。そして、受信したタグIDと情報コード読取装置30から受信した管理情報とが関連付けられて、所定のネットワークNを介してサーバ80に送信される(S131)。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1bでは、固有のタグIDを記録した無線タグ11が付された部品箱10に対して、受け入れ時の部品箱10に関する情報が管理情報として記録された情報コード13を表示したかんばん12が取り付けられ、情報コード13から管理情報を光学的に読み取る情報コード読取装置30と、無線タグ11からタグIDを読み取る無線タグ処理装置40と、情報コード読取装置30から取得した管理情報と無線タグ処理装置40から取得したタグIDとが紐付けられて記憶されるサーバ80と、が設けられる。
【0072】
これにより、受け入れ後の部品箱10に紐付けるべき管理情報をその部品箱10に付した無線タグ11のタグIDに紐付けることができるので、受け入れ以降の各作業工程において、例えば、複数の部品箱10の無線タグ11から無線通信にて一括で読み取った各タグIDに紐付けられる管理情報をサーバ80から取得することもできる。したがって、管理対象となる部品箱10に付した無線タグ11を利用することで、管理作業等に関する作業効率を向上させることができる。
【0073】
特に、情報コード読取装置30は、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取り可能に配置され、無線タグ処理装置40は、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11からタグIDを読み取り可能に配置される。
【0074】
これにより、受け入れ時に自動搬送されるような管理対象であっても、搬送中にかんばん12の情報コード13から読み取った管理情報と無線タグ11から読み取ったタグIDとを紐付けてサーバ80に記憶することができる。
【0075】
なお、本実施形態の第1変形例として、上記第1実施形態の変形例と同様に、搬送装置20によって部品箱10が搬送経路上を搬送される搬送状態を詳細に監視する監視装置として機能するように制御装置50が構成されてもよい。このような構成では、無線タグ処理装置40は、監視装置として機能する制御装置50による監視結果に基づいてなされる読み取り指示(S103a)に応じて、搬送装置20によって搬送されている部品箱10に付された無線タグ11からタグIDを読み取る。
【0076】
これにより、複数の部品箱10が順次搬送経路上を搬送されるような状態であっても、情報コード13から管理情報を読み取った部品箱10の搬送中の位置、すなわち、無線タグ11からタグIDを読み取るべき部品箱10の搬送中の位置を容易に把握することができる。このため、情報コード読取装置30によって読み取られた管理情報と無線タグ処理装置40によって読み取られたタグIDとが誤って紐付けられることを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態の第2変形例として、上述した第2実施形態と同様に作業者自身が搬送する場合、作業者は、受け入れた部品箱10にかんばん12を取り付ける際に、上記携帯端末70を用いて、そのかんばん12の情報コード13から管理情報を読み取った後に、その部品箱10に付された無線タグ11からタグIDを読み取る作業を行ってもよい。この作業によって読み取られたタグID及び管理情報がサーバ80に送信されることで、部品箱10に紐付けるべき管理情報をその部品箱10に付した無線タグ11のタグIDに紐付けることができる。
【0078】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)第1実施形態等にて採用される搬送装置20は、ベルトコンベヤ式の自動搬送装置として構成されることに限らず、例えば、ローラコンベヤ式の搬送装置として構成されてもよい。
【0079】
(2)報知装置60は、制御装置50を介すことなく情報コード読取装置30から上記第1失敗信号を直接受信してもよいし、制御装置50を介すことなく無線タグ処理装置40から上記第2失敗信号を直接受信してもよい。
【0080】
(3)本発明は、仕入先から受け入れた部品箱10を管理対象とする管理システムに採用されることに限らず、例えば、同じ会社内で別工場から受け入れた部品等を管理対象とする管理システムに採用されてもよい。
【0081】
(4)上記第1実施形態における制御装置50は、無線タグ処理装置40からの上記成功信号の受信又は携帯端末からの上記書込成功情報の受信に応じて、各部品箱10に関する受入実績を収集するように構成されてもよい。また、上記第3実施形態におけるサーバ80は、制御装置50からのタグID及び管理情報に応じて、各部品箱10に関する受入実績を収集するように構成されてもよい。
【0082】
(5)部品箱10に対して情報コード13を表示した状態で取り付けられる所定の識別票は、上述したかんばん12が採用されることに限らず、現品票や明示票などの他の識別票が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,1a,1b…管理システム
10…部品箱(管理対象)
11…無線タグ
12…かんばん(識別票)
13…情報コード
20…搬送装置
30…情報コード読取装置
40…無線タグ処理装置
50…制御装置
60…報知装置
70…携帯端末(情報コード読取装置,無線タグ処理装置)
80…サーバ(記憶装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7