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特開2022-86374ランドセル用肩ベルトカバーおよび一対状のランドセル用肩ベルトカバー
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  • 特開-ランドセル用肩ベルトカバーおよび一対状のランドセル用肩ベルトカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086374
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】ランドセル用肩ベルトカバーおよび一対状のランドセル用肩ベルトカバー
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
A45F3/04 400G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198332
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 新一
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE07
3B045GB02
3B045LA10
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】ランドセルに装着した際に、背環部分までカバーするランドセル用肩ベルトカバーを提供する。
【解決手段】ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体3と、このカバー本体の上端から、ランドセルの背環の表面側に位置するように延びる上クッション部5と、を備えた、ランドセル用肩ベルトカバー1とした。ここで、カバー本体3は、肩ベルトの裏側に位置させる主クッション部31と、この主クッション部31の左右から延びて肩ベルトの表側で互いに係合自在な左右の装着片32,33と、を備えた構成とすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体と、
このカバー本体の上端から、ランドセルの背環の表面側に位置するように延びる上クッション部と、を備えた、
ランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項2】
カバー本体は、
肩ベルトの裏側に位置させる主クッション部と、
この主クッション部の左右から延びて肩ベルトの表側で互いに係合自在な左右の装着片と、を備えた、
請求項1に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項3】
主クッション部は、
幅方向に延びる弾性突起を長手方向に複数列有する、
請求項2に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項4】
カバー本体は、
ランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に肩ベルトの両端部分に位置する、長手方向に延びた弾性突状を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項5】
左右の装着片には、
それらの一方または双方に反射部材が取り付けてあり、
ランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に、前記反射部材を正面側から視認することができるように構成した、
請求項2~4のいずれか1項に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項6】
カバー本体の下端から、肩ベルトの裏側に位置するように延びる下クッション部を備えた、
請求項1~5のいずれか1項に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項7】
下クッション部の肩ベルト側の面に、滑り止め手段を設けた、
請求項6に記載のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項8】
ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体を二つと、
これら二つのカバー本体の上端どうしを連結する連結上クッション部と、を備え、
前記連結上クッション部は、
二つのランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に、ランドセルの背環の表面側に位置するように構成された、
一対状のランドセル用肩ベルトカバー。
【請求項9】
二つのカバー本体が、平面視において略逆V字状に配置されるように連結上クッション部に連結されており、
前記略逆V字状の角度が50~110度である、
請求項8に記載の一対状のランドセル用肩ベルトカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドセル用肩ベルトカバーおよび一対状のランドセル用肩ベルトカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセルを背負う際、肩ベルトが肩や胸などに当たって痛くなることがあった。そこで、肩ベルトが当たる感触をソフトにしてランドセルを背負いやすくするなどの目的のために、肩ベルトカバーが用いられてきた。
【0003】
このような肩ベルトカバーは、例えば、下記特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1には、「ランドセルの肩ベルトに被せて使用する肩ベルトカバーであって、筒状に形成されたカバー本体の上端に、肩ベルト取付具のベルト連結環内を通ってカバー本体の対向面どうしを繋ぐ連結帯を設け、使用時にカバー本体が下方へずれるのを防ぐようにすると共に、カバー本体の上部の開放端に至るスリットが形成されており、連結帯を肩ベルト取付具のベルト連結環内に通してから、カバー本体の裏側生地の内側面と係合させ、カバー本体の上端周方向に取り付けられた締結ベルトによりカバー本体の開放端を縮径させることによって使用時にカバー本体が下方へずれるのを防ぐようにすると共に、前記カバー本体は、肩ベルトの表側面に沿って配される表側生地と、使用者の身体に接触する面側に沿って配される裏側生地からなり、裏側生地は、メッシュ状の生地の間に弾力性部材を挟んだものであることを特徴とするランドセルの肩ベルトカバー。」が記載され、これによって「カバー本体が下方に引っ張られてずれようとしても、上部の対向面どうしが連結帯で強固に繋がれているので、ずれることがないと共に通気性のすぐれたものとなる。」とある。
【0005】
また、通常、ランドセルには背環が設けられている。例えば、下記特許文献2には、背環本体と、背環本体から上方に突出する揺動可能な一対の揺動板と、肩ベルトの一端を係止する連結環と、を備えた背環が記載されている。一般的に、連結環などには金属が用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4604268号公報
【特許文献2】実用新案登録第3108235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ランドセルを装着する者(以降、児童などと称する)の体形やランドセルの背負い方などによっては、ランドセルを装着した際、背環部分、特に背環の金属部分が背中や肩に当たって痛みを感じるという課題があった。
【0008】
しかしなから、前記特許文献1に記載の肩ベルトカバーは、背環部分までカバーするものではなかった。
【0009】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、ランドセルに装着した際に、背環部分までカバーするランドセル用肩ベルトカバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のランドセル用肩ベルトカバーは、ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体と、このカバー本体の上端から、ランドセルの背環の表面側に位置するように延びる上クッション部と、を備えた構成とした。
ここで、略筒状のカバー本体には、最初から略筒状に形成されたカバー本体のほか、略平面状などの形態でありながらも略筒状に構成可能なカバー本体も含む。また、略筒状のカバー本体には、周壁に開孔(例えば目視可能な開孔)を有していないもののほか、周壁に開孔を有するものも含む。
【0011】
このランドセル用肩ベルトカバーは、上クッション部が背環部分をカバーし、背環部分が背中に当たる感触をソフトにすることができる。
【0012】
カバー本体は、肩ベルトの裏側に位置させる主クッション部と、この主クッション部の左右から延びて肩ベルトの表側で互いに係合自在な左右の装着片と、を備えた、ランドセル用肩ベルトカバーとすることができる。
【0013】
このランドセル用肩ベルトカバーは、肩ベルトへの着脱が容易となる。左右の装着片を互いに係合させるために、例えば、左右の装着片に面ファスナーなどの係合手段を割り振って設けることができる。
【0014】
このとき、主クッション部は、幅方向に延びる弾性突起を長手方向に複数列有する、ランドセル用肩ベルトカバーとすることができる。長手方向は、肩ベルトに沿う方向である。
【0015】
このランドセル用肩ベルトカバーは、高いクッション性を維持しつつ肩ベルトへの追従性にも優れたものとなる。
【0016】
カバー本体は、ランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に肩ベルトの両端部分に位置する、長手方向に延びた弾性突状を有する、ランドセル用肩ベルトカバーとすることもできる。
【0017】
このランドセル用肩ベルトカバーは、カバー本体部分において肩ベルトの両端部分が弾性突状によって保護されるため、装着感がより高くなる。
【0018】
左右の装着片には、それらの一方または双方に反射部材が取り付けてあり、ランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に、前記反射部材を正面側から視認することができるように構成した、ランドセル用肩ベルトカバーとすることもできる。
【0019】
このランドセル用肩ベルトカバーは、正面側から視認することができる反射部材によって、ランドセルを装着した児童の安全性が高まる。肩から胸のあたりに位置する反射部材は、歩行時に上下左右に揺れやすいため、ドライバーの注意を喚起しやすい。
【0020】
カバー本体の下端から、肩ベルトの裏側に位置するように延びる下クッション部を備えた、
ランドセル用肩ベルトカバーとすることもできる。
【0021】
ランドセルのなかには、肩ベルトに、ナス環あるいはD環と称されるフック体(以降、ナス環と称する)を備えるものがある。このナス環には防犯ブザーなどが取り付けられることが多い。
上記ランドセル用肩ベルトカバーは、ナス環の位置する肩ベルト部分の裏側に下クッション部が位置するように肩ベルトに装着する。すると、ナス環より上側にカバー本体が位置することとなり、ナス環が肩ベルトカバー(カバー本体)に隠れることを防止することができる。したがって、肩ベルトを装着した状態でナス環に防犯ブザーなどを取り付けることができる。
しかも、ナス環の位置する肩ベルト部分の裏側まで下クッション部でカバーされているため装着感が高くなる。
さらに、ナス環より下側には、肩ベルト表面にクッション部材などが無い構造となるため、ナス環に吊り下げた防犯ブザーなどから発せられる警報音が減衰しにくくなる。
下クッション部の長さは、好ましくは3~20cm、より好ましくは5~17cm、さらに好ましくは8~14cm、最も好ましくは9~11cmである。
【0022】
下クッション部の肩ベルト側の面に、滑り止め手段を設けた、ランドセル用肩ベルトカバーとすることもできる。下クッション部の肩ベルト側の面は、下クッション部の表面である。
【0023】
このランドセル用肩ベルトカバーは、下クッション部が肩ベルトから左右にズレにくくなり、装着感がより高まる。
【0024】
また、ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体を二つと、これら二つのカバー本体の上端どうしを連結する連結上クッション部と、を備え、前記連結上クッション部は、二つのランドセル用肩ベルトカバーを肩ベルトに装着した際に、ランドセルの背環の表面側に位置するように構成された、一対状のランドセル用肩ベルトカバーとすることも好ましい。
【0025】
この一対状のランドセル用肩ベルトカバーは、連結上クッション部によって背環部分のほぼ全体をカバーでき、背環部分が背中に当たる感触をソフトにすることができる。
【0026】
ここで、二つのカバー本体が、平面視において略逆V字状に配置されるように連結上クッション部に連結されており、前記略逆V字状の角度が50~110度である、一対状のランドセル用肩ベルトカバーとすることが好ましい。
【0027】
この一対状のランドセル用肩ベルトカバーは、連結上クッション部が背環表面にフィットしやすくなり、背環部分が背中に当たる感触をよりソフトにすることができる。略V字状の角度は好ましくは50~100度、より好ましくは60~95度、最も好ましくは70~90度である。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、ランドセルに装着した際に、背環部分までカバーするランドセル用肩ベルトカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ランドセル用肩ベルトカバーを例示する斜視図(写真)である。
図2図1のランドセル用肩ベルトカバーをランドセルに装着した状態を例示する斜視図(写真)である。
図3図1のランドセル用肩ベルトカバーの表面図(写真)である。
図4図1のランドセル用肩ベルトカバーの裏面図(写真)である。
図5図1のランドセル用肩ベルトカバーにおける下クッション部の長さを説明するための図(写真)である。
図6】一対状のランドセル用肩ベルトカバーをランドセルに装着した状態を例示する斜視図(写真)である。
図7図6の一対状のランドセル用肩ベルトカバーの表面図(写真)である。
図8図6の一対状のランドセル用肩ベルトカバーの裏面図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図を用いてランドセル用肩ベルトカバーなどを例示説明する。ランドセル用肩ベルトカバー1は、カバー本体3と上クッション部5を備えている。また、本実施形態のランドセル用肩ベルトカバー1は、下クッション部4も備えている。なお、図2においては、図中右側の肩ベルトにのみランドセル用肩ベルトカバー1を装着してある。
以下、各構成要素について例示説明するが、本発明およびその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。なお、以降の説明においてランドセル用肩ベルトカバーを単に肩ベルトカバーと称する場合がある。
【0031】
1.カバー本体
カバー本体3は、略筒状で、ランドセルの肩ベルトに装着される。略筒状のカバー本体3に肩ベルトを貫通状態にして肩ベルトに装着するのである。
【0032】
本実形態では、カバー本体3が、主クッション部31と装着片32,33を備えている。以降、各構成要素について例示説明する。
【0033】
[主クッション部]
主クッション部31は、肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着した際に、肩ベルトの裏側に位置する。主クッション部31はクッション性を有する。
本実施形態では、図4に例示するように、主クッション部31が、幅方向に延びる弾性突起311を長手方向(図4では図中上下方向)に複数列(本実施形態では7列)有する構造としてある。各弾性突起311は、図5に例示するように、児童などの側(裏側)に突出する略蒲鉾状である。そして、本実施形態では、各弾性突起311は区画されており、図4に例示するように、各弾性突起の間にスリット状の平面部(本実施形態では概ね3~5mm間隔)を設けてある。これによって、肩ベルトへの追従性に優れた主クッション部31となっている。
【0034】
[装着片]
装着片32,33は、主クッション部31の左右からそれぞれ延びている(左右の装着片)。そして、左右の装着片32,33は、肩ベルトの表側で互いに係合自在であり、図2に例示するように、肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着する際に互いに係合して、主クッション部31とともに略筒状のカバー本体3を構成する。本実施形態において、左右の装着片32,33は、外側に向かって徐々に長さ(上下方向の長さ)が短くなる略台形状であり、上クッション部5(後述)側および下クッション部4(後述)側が斜辺となっている。
【0035】
本実施形態においては、左右の装着片32,33を互いに係合させるために、各装着片32,33に面ファスナーを割り振って設けてある。詳細には、図4に例示するように一方の装着片32の裏面側(略筒状のカバー本体の外側面に相当)にフック335、図3に例示するように他方の装着片33の表面側(略筒状のカバー本体の内側面に相当)にループ336を設け、面ファスナーを構成してある。本実施形態では、主クッション部31、装着片32,33、下クッション部4および上クッション部5の表面側にループパイル生地を用いてある。
【0036】
また、本実施形態においては、左右の装着片32,33のうち、一方側に反射部材331を取り付けてある。詳細には、片方の装着片33の裏面側に、ライン状の反射部材331を取り付けてある。
【0037】
さらに、本実施形態においては、図4に例示するように、主クッション部31と装着片32,33の境界付近に、長手方向(図4においては図中上下方向)に延びる弾性突状35を形成してある。この弾性突状35は、肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着した際に、肩ベルトの左右両端部分に位置するように形成してある。
【0038】
2.上クッション部
上クッション部5は、このカバー本体3の上端から、ランドセルの背環の表面側に位置するように延びている。詳細には、略筒状のカバー本体3の上端縁の一部(上端縁の裏側部分)から上方に延びるように設けてある。上クッション部5は、肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着した際に、ランドセルの背環Sの表面側に位置させる。
本実施形態では、上クッション部5は、図3に例示するように、カバー本体3における主クッション部31の上端から上方に延びるように設けてあり、主クッション部31と連続している。
【0039】
ランドセルの背環Sは、例えば上記特許文献2にあるように、一般的に、背環本体から上方に突出する揺動可能な一対の揺動板と、肩ベルトの一端を係止する連結環とを備えている。上クッション部5は、このような背環Sの少なくとも連結環と揺動板(いずれも肩ベルトカバーを装着した側)をカバーするような形状および大きさとすることが好ましい。上クッション部5は背環カバーなのである。
【0040】
本実施例において、上クッション部5は舌片状であり、その長さは概ね4cmである。上クッション部5は、カバー本体3から上方に延びており実質的に自由端である。上クッション部5の長さは、好ましくは3~10cm、より好ましくは3~8cm、さらに好ましくは3~6cm、最も好ましくは3.5~5cmである。上クッション部5の長さは、ランドセル用肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着し、肩ベルトカバー1全体を背環Sの方向に押しつけるように移動させた状態で、上クッション部5の先端が、背環Sの下端と概ね同じ位置か背環Sの下端よりも下方に位置するような長さとすることが好ましい。
【0041】
3.下クッション部
下クッション部4は、カバー本体3の下端から、肩ベルトの裏側に位置するように延びている。詳細には、略筒状のカバー本体3の下端縁の一部(下端縁の裏側部分)から下方に延びるように設けてある。下クッション部4は、肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着した際に、肩ベルトの裏側に位置する。
本実施形態では、下クッション部4は、カバー本体3における主クッション部31の下端から下方に延びるように設けてあり、主クッション部31と連続している。
【0042】
本実施例において、下クッション部4は長尺舌片状であり、その長さL(図5参照)は概ね10cmである。下クッション部4は、カバー本体3から下方(図5では向かって右側方向)に延びており実質的に自由端である。下クッション部4の長さは、3~20cmが好ましい。
下クッション部の幅は特に制限されない。ランドセルの肩ベルトの幅より狭い幅、肩ベルトと概ね同じ幅、肩ベルトよりも広い幅とすることができる。
【0043】
4.装着方法
上記ランドセル用肩ベルトカバー1を肩ベルトに装着する方法について、例示説明する。まず、装着片32,33の係合が外れた状態のカバー本体3を、肩ベルトの裏側からあてがう。そして、肩ベルトを左右の装着片32,33で挟み込み、この状態で装着片32,33を係合させ装着する。そして、上クッション部5が背環S部分の表側に位置するように肩ベルトカバー1全体を背環Sの方向に押しつけるように移動させる。特に、アップ式やウイング式の背環を用いたランドセルでは、ランドセル本体と肩ベルトの立ち上がり部の間にカバー本体3の上端部を挟み込むことができるため、肩ベルトカバー1がズレにくくなる。
そして、図2に例示するように、ナス環Nの位置する肩ベルト部分の裏側に下クッション部が位置するとともに、ナス環Nより上側にカバー本体3が位置することとなる。
【0044】
ランドセル用肩ベルトカバー1は、図2に例示するように、上クッション部5によって肩ベルトを装着した側の背環S部分がカバーされている。さらに、肩ベルトカバー1を装着した状態で肩ベルトのナス環Nを使用可能であることがわかる。
【0045】
5.一対状のランドセル用肩ベルトカバー
次に、図6図8を用いて一対状のランドセル用肩ベルトカバー2を例示説明する。この一対状のランドセル用肩ベルトカバー2は、二つの(左右の)カバー本体3と連結上クッション部6を備えている。
【0046】
本実施形態において、二つのカバー本体は、それぞれ主クッション部31と左右の装着片32,33を備えており、これら構成要素は前述した実施形態のものと同様である。また、カバー本体3の下端から、肩ベルトの裏側に位置するように延びる下クッション部4を備えており、下クッション部4も前述した実施形態のものと同様である。
そして、左右の肩ベルトカバー1は上クッション部(5)として連結上クッション部6
を備えている。
【0047】
[連結上クッション部]
連結上クッション部6は、二つのカバー本体3の上端同士を連結する。本実施形態では、連結上クッション部6は、略山形状(上向きの略くの字状)であり、二つのカバー本体3それぞれの主クッション部31の上端と連結上クッション部6の両端が連続するように設けてある。そして、本実施形態では、図7に例示するように、二つのカバー本体3が、表面視(平面視)において略逆V字状に配置されるように連結上クッション部6に連結されており、略逆V字状の角度θ(頂角θ)は概ね80度である。連結上クッション部6は、略円弧状や略扇状であってもよい。
【0048】
この一対状のランドセル用肩ベルトカバー2は、図6に例示するように、連結上クッション部6が背環Sの全体を覆うことができ、背環S部分が背中に当たる感触をよりソフトにすることができる。
【0049】
このように、連結上クッション部6は、二つのカバー本体3を左右の肩ベルトにそれぞれ装着した際に、ランドセルの背環Sの表面側をカバーするように構成されている。連結上クッション部6は、背環Sの連結環、揺動板および背環本体をカバーする(概ね背環全体をカバーする)ことができるような形状および大きさとすることが好ましい。連結上クッション部6は背環カバーなのである。
【0050】
一対状のランドセル用肩ベルトカバー2の装着方法としては、例えば、二つのカバー本体3をそれぞれ肩ベルトに装着した後、この連結上クッション部6が背環S部分に位置するように一対状の肩ベルトカバー2全体を背環S方向に押しつけるように移動させることができる。
【0051】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、下クッション部4の肩ベルト側の面(例えば、図5の下クッション部における図中上側の面)をループパイル生地で構成したがこれに限定されない。下クッション部4の肩ベルト側の面に、例えばゴムシートなどの滑り止め手段を設けてもよい。また、上クッション部5の背環側の面や、主クッション部31の表面(略筒状のカバー本体の内側面に相当)に、例えばゴムシートなどの滑り止め手段を設けてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、主クッション部31、左右の装着片32,33、下クッション部4および上クッション部5を連続させて肩ベルトカバー1を構成したがこれに限定されない。主クッション部31、左右の装着片32,33、下クッション部4および上クッション部5を別体で作成しこれらを連結させて肩ベルトカバー1を構成してもよい。
【0054】
なお、参考例として、ランドセルの肩ベルトに装着する略筒状のカバー本体と、このカバー本体の下端から、肩ベルトの裏側に位置するように延びる下クッション部と、を備えた、ランドセル用肩ベルトカバーを提示する。カバー本体3および下クッション部4は上述したものを用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ランドセル用肩ベルトカバー

2 一対状のランドセル用肩ベルトカバー

3 カバー本体
31 主クッション部
311 弾性突起
32,33 装着片
331 反射部材
335 フック
336 ループ
35 弾性突状

4 下クッション部
L 下クッション部の長さ

5 上クッション部

6 連結上クッション部

N ナス環
S 背環
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8