(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086394
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】空調装置のコントローラ
(51)【国際特許分類】
F24F 11/88 20180101AFI20220602BHJP
G01K 11/24 20060101ALI20220602BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20220602BHJP
【FI】
F24F11/88
G01K11/24
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198362
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】服部 徹
【テーマコード(参考)】
2F056
3L260
【Fターム(参考)】
2F056VS03
2F056VS05
2F056VS06
2F056VS07
2F056VS10
3L260CA22
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】適切に室内の温度を測定することができる空調装置のコントローラを提供する。
【解決手段】実施形態のコントローラ1は、温度センサ8と、超音波センサ9と、超音波の送受信時間に基づいて室内の温度を測定する温度測定部と、温度測定部で測定した温度に基づいて空調装置13の運転を制御する制御部3とを備え、送風が開始される前の所定のタイミングで温度センサ8による温度の測定および送受信時間の測定を行い、測定した温度における超音波の伝搬速度と当該期間に測定した送受信時間とに基づいて、反射物16までの距離を求めて基準距離として設定し、設定した基準距離を反射物16までの距離として用いて温度を測定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調装置を操作するためのコントローラであって、
ケースと、
前記ケース内に設けられ、温度を測定する温度センサと、
超音波の送信および受信が可能な超音波センサと、
超音波を送信してから反射物で反射した超音波が受信されるまでの送受信時間に基づいて室内の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部で測定した温度に基づいて空調装置の運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、送風が開始される前の所定のタイミングで前記温度センサによる温度の測定および前記送受信時間の測定を行い、測定した温度における超音波の伝搬速度と測定した前記送受信時間とに基づいて、前記反射物までの距離を求めて基準距離として設定し、
前記温度測定部は、設定された基準距離を前記反射物までの距離として用いて、温度を測定する空調装置のコントローラ。
【請求項2】
前記超音波センサは、コントローラを基準として異なる向きに超音波を送受信可能に複数設けられており、
前記温度測定部は、異なる向きにおける温度をそれぞれ測定する請求項1記載の空調装置のコントローラ。
【請求項3】
前記制御部は、測定された前記送受信時間、または、当該送受信時間に基づいて測定された室内の温度のうち少なくとも一方の測定結果が、前回の測定結果よりも予め設定されている許容範囲を超えて変化している場合、今回の測定結果を破棄して前回の測定結果を再利用する請求項1または2記載の空調装置のコントローラ。
【請求項4】
時刻を取得する時刻取得部と、
基準距離および運転を停止した停止時刻を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、基準距離を設定する際、現在時刻を取得して前記記憶部に記憶されている停止時刻から所定の待機時間が経過しているか否かを判定し、当該待機時間が経過していると判定した場合には今回求めた前記反射物までの距離を基準距離として設定する一方、当該待機時間が経過していないと判定した場合には前記記憶部に記憶されている前回の基準距離を今回の基準距離として設定する請求項1から3のいずれか一項記載の空調装置のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置の操作に用いられるコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度センサを設けて室内の温度を測定して空調装置の制御に利用することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、そのような温度センサは、一般的にはコントローラのケース内に設けられていることから、ケース内の温度を測定することになる。このとき、ケース内には動作時に発熱する例えばマイクロコンピュータなどの電気部品が一般的に設けられている。そのため、従来では、温度センサによって測定された温度に対して想定される電気部品の発熱量に応じた補正を行うことにより、室内の温度を測定して空調装置の制御に利用していた。
【0005】
しかしながら、空調装置の運転が開始されると、室内には空気の流れが生じることから、その空気の流れがケースから熱を奪うと想定される。そして、ケースから熱が奪われた状態で測定された温度に対して電気部品の発熱量に応じた補正を行うと、過度に補正されてしまうおそれがあるとともに、空気の流れがある場合と無い場合とで測定される温度が変化すると考えられることから、適切に補正を行うことが困難になるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切に室内の温度を測定することができる空調装置のコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明では、コントローラは、空調装置を操作するためのものであって、ケースと、ケース内に設けられ、温度を測定する温度センサと、超音波の送信および受信が可能な超音波センサと、超音波を送信してから反射物で反射した超音波が受信されるまでの送受信時間に基づいて室内の温度を測定する温度測定部と、温度測定部で測定した温度に基づいて空調装置の運転を制御する制御部と、を備えている。
【0008】
これにより、まず、従来のような電気部品の発熱量に応じた補正をすることなく、また、空気の流れによる影響を抑制しつつ室温を測定することが可能となるとともに、超音波は一般的な室内の大きさを想定した場合において十分に伝搬速度が速いと考えられることから、短時間で温度の測定が可能となり、室内の温度変化に対して高い追従性を得ることが可能となる。
【0009】
ところで、超音波の送受信時間に基づいて温度を測定する場合、超音波を反射する反射物までの正確な距離が必要になる。これは、計算式については後述する実施形態で詳細に説明するが、超音波の伝搬速度が温度によって変化することに基づいて温度を測定していることから、反射物までの距離が正確に求まっていないと正しく温度を測定することができないためである。
【0010】
しかし、例えば測定した送受信時間に基づいて正確な距離を求めようとする場合には超音波が伝搬した室内の正確な温度が必要になる一方で、室内の温度を正確に求めるためには正確な距離が必要になるというジレンマが生じてしまう。そして、電気部品の発熱や空気の流れにより影響を受ける温度センサでは、室温と乖離した温度を測定する可能性があるため、そのジレンマを解消することが困難である。
【0011】
そこで、制御部は、送風が開始される前の所定のタイミングで温度センサによる温度の測定および送受信時間の測定を行い、測定した温度における超音波の伝搬速度と測定した送受信時間とに基づいて、反射物までの距離を求めて基準距離として設定し、温度測定部は、設定された基準距離を反射物までの距離として用いて温度を測定する。
【0012】
送風が開始されるまでの所定のタイミングでは、空気の流れがないことからケース内の温度と室温とが平衡した状態になっていると考えられる。換言すると、送風が開始されるまでの期間は、温度センサで測定した温度が、超音波が伝搬する室内の温度と概ね等しくなった状態、つまりは、温度センサで測定した温度と室内の温度との一致性が確保された状態であると考えられる。
【0013】
そのため、その期間に送受信時間を測定することにより、送受信時間と温度センサで測定した温度における超音波の伝搬速度とに基づいて、反射物までの正確な距離を求めることができる。そして、反射物までの正確な距離が求まれば、その距離は温度に依存しないことから、送受信時間を測定することによって室内の温度を正確に求めることができる。つまり、上記したジレンマを解消することができる。したがって、適切に室内の温度を測定することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明では、超音波センサは、コントローラを基準として異なる向きに超音波を送受信可能に複数設けられており、温度測定部は、異なる向きにおける温度をそれぞれ測定する。これにより、例えばある方向における測定結果に不具合が生じた場合であっても、他の向きにおける測定結果を利用することで温度の測定を継続することができる。
【0015】
請求項3に記載した発明では、制御部は、測定された送受信時間、または、当該送受信時間に基づいて測定された室内の温度のうち少なくとも一方の測定結果が、前回の測定結果よりも予め設定されている許容範囲を超えて変化している場合、今回の測定結果を破棄して前回の測定結果を再利用する。これにより、例えば電気的なノイズや人の移動などによって一時的に測定結果に不具合が生じたような状況において、誤った測定結果に基づいて空調装置の運転を制御してしまうおそれを抑制することができる。換言すると、より正しい温度に基づいて空調装置の運転を制御することができる。
【0016】
請求項4に記載した発明では、時刻を取得する時刻取得部と、基準距離および運転を停止した停止時刻を記憶する記憶部を備えている。そして、制御部は、基準距離を設定する際、現在時刻を取得して記憶部に記憶されている停止時刻から所定の待機時間が経過しているか否かを判定し、当該待機時間が経過していると判定した場合には今回求めた反射物までの距離を基準距離として設定する一方、当該待機時間が経過していないと判定した場合には記憶部に記憶されている前回の基準距離を今回の基準距離として設定する。
【0017】
前回の停止時刻から待機時間が経過している場合には、CPU等の電気部品は停止してから時間が経っており発熱していないと考えられ、送風が開始されるまでの期間であれば空気の流れがないことからケース内の温度と室内の温度とに差が生じていないと考えられる。さらに、電源がオンされた直後であれば、電気部品からの発熱の影響が小さいと考えられる。
【0018】
つまり、基準距離を設定するタイミングにおいて待機時間が経過している状態は、ケース内の温度と室内の温度とが平衡した状態、換言すると、温度センサで測定した温度と室内の温度との一致性が高く確保された状態であると考えられる。そのため、待機時間が経過した状態で基準距離を設定することにより、基準距離の正確性が一層向上し、その結果、超音波センサにより測定される温度の正確性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態のコントローラの構成例を模式的に示す図
【
図2】内部温度と室温とが乖離した状態例を模式的に示す図
【
図3】超音波センサに対する外乱要因を説明するための図
【
図4】コントローラによって実行される処理の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態のコントローラ1は、ケース2、制御部3、記憶部4、表示部5、操作部6、通信部7、温度センサ8、2つの超音波センサ9、時刻取得部10、および温度取得部11などを備えている。このコントローラ1は、例えばオフィスや居室などの空調の対象となる空間(R)の壁面12等に取り付けられ、空調装置13を操作するために利用されるものを想定している。以下、空調の対象となる空間(R)を室内と称する。
【0021】
ケース2は、図示は省略するが樹脂材料などによって薄型の概ね直方体状に形成されておいる。そして、取り付けた状態におけるケース2の正面側には、例えば文字や数字を表示可能な液晶パネルで構成されており、空調装置13の運転状態や現在の設定温度などを表示する表示部5が配置されている。ただし、表示部5は、運転状態を示すLEDのような発光部品で構成することができるし、液晶パネルと発光部品の双方を設ける構成とすることもできる。
【0022】
また、ケース2の正面側には、運転の開始/停止の操作や設定温度の変更などの操作を行う操作部6が配置されている。この操作部6は、例えば機械式のスイッチや表示部5に対応して設けられているタッチパネルにより構成することができるし、スイッチとタッチパネルの双方を設ける構成とすることもできる。
【0023】
制御部3は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを備えたマイクロコンピュータで構成されている。この制御部3は、記憶部4に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、コントローラ1を制御する。例えば、制御部3は、操作部6に入力された操作に応じて空調装置13の運転の開始/停止を指示する処理や、設定温度を指示する処理など実行する。また、制御部3は、詳細は後述するが、超音波センサ9を用いて温度を測定する際の基準となる基準距離を求める処理なども実行する。
【0024】
記憶部4は、例えばフラッシュメモリのような不揮発性メモリで構成されており、コントローラ1を制御するためのプログラムや各種のデータを記憶している。また、記憶部4は、本実施形態に関連して、前回の運転が停止した停止時刻、前回の運転時に求めた基準距離、前回または過去に測定した室内の温度や送受信時間の履歴なども記憶する。なお、
図1では制御部3と記憶部4とが別体となっている構成例を示しているが、制御部3が記憶部4を内蔵した構成を採用することができる。
【0025】
通信部7は、空調装置13と通信可能に接続されており、空調装置13の運転の開始/停止の指示や設定温度の指示などの制御信号を空調装置13との間で通信する。この通信部7は、有線通信方式のものを想定しているが、例えば赤外線を利用した無線通信方式のものを採用することができる。
【0026】
空調装置13は、本実施形態ではいわゆるセントラルヒーティング方式のものを想定しており、空調装置13で冷却あるいは加熱された空気は、ダクト14を経由して室内に開口した送風口15から矢印Fにて示すように供給される。ただし、空調装置13は、一般的なものと同様に、電源がオンされて運転が開始されてから送風を伴う空調が開始されるまでにタイムラグがある。以下、送風が開始されるまでの期間を送風前期間と称する。本実施形態の場合、送風前期間は、コントローラ1の電源がオンされてから送風が開始されるまでの期間に相当する。
【0027】
温度センサ8は、ケース2内に設けられており、ケース2内の温度を測定する。なお、温度センサ8は、測温抵抗体型やサーミスタ型、熱電対型、集積回路型などの周知のもので構成することができるし、接触式あるいは非接触式のいずれの測定方式を採用することもできる。以下、
図1にTa[℃]として示す温度センサ8が直接的に測定可能なケース2内の温度を内部温度と称する。なお、[℃]は摂氏を示す。
【0028】
超音波センサ9は、例えば圧電セラミックスで構成された超音波の送信器および受信器、パルス発生回路、電気信号と超音波とを変換する送信用と受信用のトランスデューサなどを内蔵している。これら2つの超音波センサ9は、コントローラ1に対してそれぞれ異なる向きに超音波を送信可能な配置で設けられている。
【0029】
本実施形態の場合、超音波センサ9Aは、コントローラ1から側方に向かって超音波を送信する配置に設けられており、超音波センサ9Bは、コントローラ1から上方に向かって超音波を送信する配置に設けられている。ただし、
図1に示す超音波センサ9の数や配置向きは一例であり、これらに限定されず、1つの超音波センサ9を設ける構成や3つ以上の超音波センサ9を設ける構成とすることができる。
【0030】
この超音波センサ9は、制御部3から送信を指示する送信パルス信号が入力されると超音波の送信を開始し、送信した送信波(U1)が反射物16で反射して反射波(U2)として受信されると、受信したことを示す受信パルス信号を制御部3に出力する。この反射物16は、室内に配置されている移動しない物体であればよく、例えば
図3に示す室内の左右の壁面12、天井17、床面18、キャビネット19などが想定される。
【0031】
そして、制御部3は、超音波を送信してから反射物16で反射した超音波が受信されるまでの送受信時間を測定することにより室内の温度を測定する。以下、
図1にTb[℃]として示す超音波センサ9が放出される室内の温度、つまりは、超音波センサ9を用いて測定される室内の温度を室温と称する。
【0032】
本実施形態の場合、制御部3は、送信パルス信号を出力したときから受信パルス信号が入力されるまでの時間を例えば図示しない内蔵タイマ機能や内蔵カウンタ機能を利用して計測することによって送受信時間を測定する。なお、超音波センサ9側で送受信時間の測定までを行い、その測定結果を制御部3に通知するような構成を採用することもできる。
【0033】
時刻取得部10は、例えばリアルタイムクロックにより構成されており、時刻や日時を取得可能になっている。なお、
図1では制御部3と時刻取得部10とが別体となっている構成例を示しているが、リアルタイムクロックが制御部3に内蔵されている構成を採用することができる。
【0034】
温度取得部11は、詳細は後述するが、超音波を送信してから反射物16で反射した超音波が受信されるまでの送受信時間と、当該反射物16までの距離とに基づいて、室内の温度を測定する。本実施形態の場合、温度測定部は、制御部3でプログラムを実行することによりソフトウェアで実現されている。
図1では、超音波センサ9Aを用いて温度を計測する場合の反射物16までの距離をLAと示し、超音波センサ9Bを用いて温度を計測する場合の反射物16ここでは天井17までの距離をLBと示している。
【0035】
次に、上記したコントローラ1の作用について説明する。
前述のように、温度センサ8をコントローラ1のケース2内に設けた場合には、温度センサ8はケース2内の内部温度を測定することになる。このとき、ケース2内には動作時に発熱する例えばマイクロコンピュータなどの電気部品が設けられていることから、内部温度はその発熱の影響を受けることになる。
【0036】
そのため、
図2に示すように、温度センサ8が測定した内部温度(Ta)は、実際の室温(Tb)よりも高くなることが想定される。このため、従来では、温度センサ8によって測定された内部温度(Ta)に対して、想定される電気部品の発熱量に応じた補正値(ΔH1)を求めて室温(Tb)の測定を行っていた。
【0037】
しかし、空調装置13の運転が開始されると、より具体的には、空調装置13によって送風を伴う空調が開始されると、室内に空気の流れが生じてケース2から熱を奪っていくことになる。その結果、送風が開始される前後において室温(Tb)に大きな変化が観測されなくても、内部温度(Ta)が大きく変化することがある。
【0038】
そのため、送風なしの場合において、送風ありの場合と同様に発熱量に応じた補正値(ΔH2)を求めて補正を行うと、過度に補正が行われてしまい、求められた補正後温度(Th)が室温(Tb)から大きくずれてしまうおそれがある。また、空気の流量が変化した場合にも補正に影響が生じると考えられるが、空気の流量を考慮しながら補正するためには複雑な補正が必要になること、また、空気の流れを正確に把握すること自体が難しいことから、現実的には困難である。
【0039】
そこで、本実施形態のコントローラ1は、以下のようにして適切に室温(Tb)を測定することができるようにしている。具体的には、コントローラ1は、超音波センサ9を有しており、その超音波センサ9を用いて温度を測定する。
【0040】
このとき、超音波を反射する反射物16までの距離(L[m])、超音波の伝搬速度(C[m/sec])、送受信時間(t[sec]の関係は、以下の(1)で表すことができる。ただし、[m]はメートル、[m/sec]はメートル毎秒、[sec]は秒を示す。
L=(C×t)÷2 ・・・(1)
【0041】
また、室温(Tb)における超音波の伝搬速度(C)は、本実施形態では人が出入りする室内を想定しているため、1気圧での音速として一般的に利用されている以下の(2)式として表すことができる。
C=331.5×((273+Tb)÷273)) ・・・(2)
【0042】
これら(1)式および(2)式から、室温(Tb)は、以下の(3)式として求まることが分かる。
Tb=(2×273×L)÷(331.5×t)-273 ・・・(3)
【0043】
つまり、コントローラ1は、空気の流れの影響を受け易い温度センサ8ではなく、超音波センサ9を用いることによって室温を測定している。これにより、室温(Tb)を測定する際における空気の流れによる影響を抑制することができる。
【0044】
ところで、この(3)式から明らかなように、室温(Tb)を求める際には距離(L)が正確であることが必要となる。これは、距離(L)が正しくないと(3)式から求まる温度も正しくなくなってしまう。
【0045】
その場合、例えばコントローラ1を設置する際に正確な距離を設定しておくことが考えられるものの、現実的な室内を想定してみると、反射物16までの距離が変化することが予想される。例えば、本実施形態のように人が出入りする室内を空調することを想定している場合において、
図3に示すように室内に出入りするための扉20の近傍の壁面12にコントローラ1が設置されたとする。
【0046】
この場合、超音波センサ9の設置向きを一般的に想定すると、コントローラ1に対して上方の向き、左側方の向き、右側方の向き、下方の向き、あるいは正面の向きのいずれか、或いは、複数の向きに配置することが考えられる。なお、コントローラ1に対して斜めに配置することも考えられるが、距離が変化する理由は共通するためここでは省略する。
【0047】
このような状況において例えば反射物16として左壁面12Aを想定している場合には、室温を測定する際の基準となる距離、つまりは、超音波が伝搬すると想定している距離は、L10×2である。しかし、例えば扉20が開いた状況では、超音波が実際に伝搬する距離はL11×2となることから、室温を測定する際に前提となる距離が変化しており、その場合には室温を正しく測定できなくなるおそれがある。
【0048】
同様に、反射物16として右壁面12Bを想定している場合には、想定している距離はL20×2であるものの、コントローラ1の設置後に例えばキャビネット19が配置されると、超音波が実際に伝搬する距離はL21×2となり、室温を正しく測定できなくなるおそれがある。また、反射物16として正面側の壁面12Cを想定している場合には、想定している距離はL30×2であるものの、例えば人(M)がコントローラ1の正面に移動した状況では、超音波が実際に伝搬する距離がL31×2となり、室温を正しく測定できなくなるおそれがある。
【0049】
このように、測定した送受信時間に基づいて正確な距離を求めようとすると超音波が伝搬した室内の正確な温度が必要になる一方で、その室内の温度を正確に求めるためには正確な距離が必要になるというジレンマが生じてしまう。そして、室温と乖離した温度が測定される可能性のある温度センサ8では、そのジレンマを解消することが困難である。
【0050】
つまり、空調の対象となる室内に想定さえる現実的な状況に鑑みた場合、室温を測定する際に前提となるはずの距離を、純粋に前提として扱うことができない状況が発生し得る。そのため、本実施形態のコントローラ1は、室温を正しく測定するために必要となる距離を取得可能になっている。なお、後述するように、温度を正しく測定するために必要となる距離が、基準距離に相当する。
【0051】
コントローラ1は、
図4に示す処理を実行する。なお、各処理は制御部3等により実行されるものではあるが、ここでは説明の簡略化のためにコントローラ1を主体にして説明する。コントローラ1は、例えば電源がオンされて処理が開始されると、現在時刻を取得する(S1)。続いて、コントローラ1は、前回の運転が停止した停止時刻から予め定められている待機時間が経過したか否かを判定する(S2)。
【0052】
この待機時間は、対象となる室内の大きさ等により適宜設定することができる。そして、前回の停止時刻から待機時間が経過している場合には、CPU等の電気部品は停止してから時間が経っており発熱していないと考えられる。また、電源がオンされた直後であって送風を伴う空調が行われていないタイミングでは、空気の流れがないことからケース2内の内部温度(Ta)と室温(Tb)に差が生じていないと考えられる。また、電源がオンされた直後であれば、CPU等の電気部品からの発熱の影響はごく小さいものになると考えられる。
【0053】
このように、電源をオンした時点で待機時間が経過している状態は、ケース2内の温度と室温とが平衡し、温度センサ8で測定した温度が、超音波が伝搬する室内の温度に概ね等しくなった状態、換言すると、温度センサ8で測定した温度と室温との一致性が確保された状態であると考えられる。
【0054】
そのため、コントローラ1は、待機時間が経過していると判定した場合には(S2:YES)、室温を測定するための基準となる距離、すなわち、基準距離を設定する処理を実行する。具体的には、コントローラ1は、温度センサ8により内部温度を測定し(S3)、超音波センサ9により送受信時間を測定する(S4)。なお、ステップS3、ステップS4は順不同で実行することができる。つまり、コントローラ1は、送風が開始される前の所定のタイミングで、温度の測定と送受信時間の測定とを行っている。
【0055】
続いて、コントローラ1は、測定した内部温度(Ta)と送受信時間(t)とから、その内部温度(Ta)における反射物16までの距離(L)を求める(S5)。具体的には、コントローラ1は、測定した内部温度(Ta)が室温(Tb)と等しいものとして、(3)式から距離(L)を求める。なお、(2)式から伝搬速度(C)を求め、(1)式に代入して距離(L)を求めることもできる。
【0056】
そして、コントローラ1は、求めた反射物16までの距離(L)を、基準距離として設定する(S6)。設定された基準距離は、(3)式に代入され、空調運転中に室温を測定するための距離(L)として用いられる。この基準距離は、上記したように室温との一致性が確保されている内部温度と、その内部温度における送受信時間とに基づいて設定されているため、超音波センサ9による温度の測定結果の正確性を確保することができる。
【0057】
一方、コントローラ1は、待機時間が経過していないと判定した場合には(S2:NO)、上記した手順で基準距離を求めてもその正確性を確保できない可能性があることから、記憶部4から前回の基準距離を読み出し(S7)、読みだした前回の基準距離を今回利用する基準距離として設定する。つまり、コントローラ1は、正確性を確保できる状態で求めた前回の基準距離を再利用する。
【0058】
このように、コントローラ1は、超音波センサ9により温度を測定する際に正確性が求められる距離を設定することができる。そして、超音波の伝搬速度は温度によって変化するものの、基準距離は温度に依存せずに一定であることから、(3)式を用いて室温(Tb)を測定することが可能になる。すなわち、(3)式から求まる室温(Tb)の正確性を確保することができる。また、一般的に想定される室内の大きさに鑑みれば超音波の伝搬速度は十分に高速であると考えられることから、短時間で温度の測定が可能となり、室内の温度変化に対して高い追従性を得ることができる。
【0059】
基準距離を設定すると、コントローラ1は、超音波センサ9により測定した室温に基づいて空調装置13の運転を制御する定常処理に移行する。なお、
図4では電源がオンされるとそのまま定常処理に移行する流れを示しているが、基準距離を設定した段階で待機し、運転を開始する操作が入力された場合に定常処理移行する構成とすることができる。また、コントローラ1が上位の制御装置に接続されているような場合も同様に、運転を開始する旨の指示が制御装置から受信された場合に定常処理に移行することができる。
【0060】
定常処理に移行すると、コントローラ1は、送受信時間を測定し(S8)、測定した送受信時間と基準距離とから室温を測定する(S9)。この室温の測定は、超音波センサ9が複数設けられている場合には、それぞれの超音波センサ9について実施される。なお、
図4では図示は省略しているが、送受信時間の測定および室温の測定は、実際には予め定められた測定周期ごとに行われている。また、測定周期は、例えばCPUの処理能力に応じて例えば1秒間に1回、数回、数十回といった頻度で適宜設定することができる。
【0061】
室温を測定すると、コントローラ1は、測定結果が妥当であるか否かを判定する(S10)。このとき、コントローラ1は、測定された送受信時間、または、当該送受信時間に基づいて測定された室内の温度のうち少なくとも一方の測定結果が、記憶部4に記憶されている前回の測定結果よりも予め設定されている許容範囲を超えて変化しているかを判定する。この許容範囲は適宜設定することができるが、空調装置13の性能や空調対象の室内の大きさ等に基づいて、1回の測定周期に変化することが想定される範囲を設定することができる。
【0062】
これは、一般的な空調装置13による空調では、短期間に室温が極端に変化することはないと考えられるためである。また、向きが異なる複数の超音波センサ9により温度をそれぞれ測定している場合には、コントローラ1は、それぞれの測定結果について妥当性を判定する。これにより、例えばある方向における測定結果に不具合が生じた場合であっても、他の向きにおける測定結果を利用することで室温の測定を継続させることができる。
【0063】
コントローラ1は、今回の測定結果が許容範囲を超えていないと判定した場合には、つまりは、今回の測定結果が妥当であると判定した場合には(S10:YES)、今回測定した室温に基づいて空調装置13の運転を制御する(S12)。このとき、複数の超音波センサ9により温度を測定している場合には、コントローラ1は、それぞれの測定結果の平均値、最頻値、中央値などのいずれかを測定結果として採用して室温を特定するとともに、それぞれの測定結果を時系列で記憶部4に記憶する。
【0064】
一方、コントローラ1は、今回の測定結果が許容範囲を超えていると判定した場合には、つまりは、今回の測定結果が妥当でないと判定した場合には(S10:NO)、今回の測定結果を破棄して記憶部4に記憶されている前回の測定結果を再利用し、前回測定した温度に基づいて空調装置13の運転を制御する。これらステップS8~S12の繰り返しが、上記した定常処理に相当する。
【0065】
このとき、コントローラ1は、複数の超音波センサ9により温度を測定している場合には、それぞれの前回の測定結果を再利用する。ただし、ある向きの超音波センサ9による測定結果が妥当であり、他の向きに設けられている超音波センサ9の測定結果が妥当ではない場合には、妥当であると判定した測定結果を採用し、妥当でないと判定した測定結果については前回の測定結果を再利用する構成とすることができる。あるいは、妥当であると判定した測定結果のみを採用し、妥当でないと判定した測定結果については単純に破棄する構成とすることもできる。
【0066】
さて、コントローラ1は、定常処理中に、運転を停止するか否かを判定している(S13)。本実施形態であれば、コントローラ1は、運転を停止する操作が入力された場合に運転を停止すると判定する。ただし、コントローラ1が上位の制御装置に接続されているような場合には、運転を停止する旨の指示を制御装置から受信した場合にも運転を停止すると判定することになる。
【0067】
コントローラ1は、運転を停止しないと判定した場合には(S13:NO)、ステップS8に移行して定常処理を繰り返す。一方、コントローラ1は、運転を停止しないと判定した場合には(S13:NO)、ステップS8に移行して定常処理を繰り返す。
このようにして、コントローラ1は、超音波センサ9を用いて室温を測定する定常処理を繰り返しながら空調装置13の運転を制御している。
以上説明したコントローラ1によれば、次のような効果を得ることができる。
【0068】
コントローラ1は、空調装置13を操作するためのものであって、ケース2と、ケース2内に設けられ、温度を測定する温度センサ8と、超音波の送信および受信が可能な超音波センサ9と、超音波を送信してから反射物16で反射した超音波が受信されるまでの送受信時間と、当該反射物16までの距離とに基づいて、室内の温度を測定する温度測定部と、温度測定部で測定した温度に基づいて空調装置13の運転を制御する制御部3と、を備えている。
【0069】
これにより、まず、従来のような電気部品の発熱量に応じた補正をすることなく、また、空気の流れによる影響を抑制しつつ室温を測定することが可能となる。また、一般的に想定される室内の大きさに鑑みれば超音波の伝搬速度は十分に高速であると考えられることから、短時間で温度の測定が可能となり、室内の温度変化に対して高い追従性を得ることが可能となる。したがって、適切に室内の温度を測定することができる。
【0070】
このとき、コントローラ1は、送風が開始されるまでの所定のタイミングで温度センサ8による温度の測定および送受信時間の測定を行い、測定した温度における超音波の伝搬速度と測定した送受信時間とに基づいて、反射物16までの距離を求めて基準距離として設定し、設定した基準距離を反射物16までの距離として用いて温度を測定する。
【0071】
これにより、超音波センサ9で温度を測定する際の基準となる反射物16までの正しい基準距離を得ることができ、その基準距離と送受信時間とに基づいて温度を測定することにより、測定された温度の正確性を確保することができる。また、実施形態のように電源がオンされてから送風が開始されるまでの期間に温度と送受信時間とを測定することにより、内部の電気部品の発熱による影響を抑制した状態で基準距離を得ることができ、より精度を高めることができる。
【0072】
また、コントローラ1は、コントローラ1を基準として異なる向きに超音波を送受信可能な複数の超音波センサ9が設けられており、異なる向きにおける温度をそれぞれ測定する。これにより、例えばある方向における測定結果に不具合が生じた場合であっても、他の向きにおける測定結果を利用することで室温の測定を継続させることができる。
【0073】
また、コントローラ1は、測定された送受信時間、または、当該送受信時間に基づいて測定された室内の温度のうち少なくとも一方の測定結果が前回の測定結果よりも予め設定されている許容範囲を超えて変化している場合、今回の測定結果を破棄して前回の測定結果を再利用する。これにより、電気的なノイズや人の移動などにより一時的に測定結果に不具合が生じたような状況において、誤った測定結果に基づいて空調装置13の運転が制御されてしまうおそれを低減することができる。
【0074】
また、コントローラ1は、時刻を取得する時刻取得部10と、基準距離および運転を停止した停止時刻を記憶する記憶部4を備え、基準距離を設定する際、現在時刻を取得して記憶部4に記憶されている停止時刻から所定の待機時間が経過しているか否かを判定し、当該待機時間が経過していると判定した場合には今回求めた反射物16までの距離を基準距離として設定する一方、当該待機時間が経過していないと判定した場合には記憶部4に記憶されている前回の基準距離を今回の基準距離として設定する。
【0075】
これにより、温度センサ8で測定する温度と、超音波が伝搬する室温との一致性を確保でき、基準距離の正確性を確保することができる。また、基準距離の正確性を確保することができることから、その基準距離に基づいて測定された室温の正確性も確保することができる。
【0076】
また、本発明は上記した、或いは、図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で例えば以下のように変形又は拡張することができる。
【0077】
実施形態では温度センサ8の位置を限定していないが、温度センサ8をケース2内に設ける場合には、制御部3や表示部5などのように動作時に発熱する電気部品よりも下方に位置させることが望ましい。これは、基準距離を求める際には制御部3が動作している必要があるため、温度センサ8を制御部3よりも下方に位置させることにより、発熱の影響をより少なくすることができると考えられるためである。
【0078】
ただし、このようなコントローラ1に用いられるCPUは消費電力が比較的少ないものが用いられると想定されるため、制御部3が動作を開始してもケース2内の温度が一気に上昇することは考えにくい。そのため、温度センサ8が制御部3の上方に位置する構成を排除するものではない。
【0079】
実施形態ではケース2内に温度センサ8を設ける構成を例示したが、ケース2外に温度センサ8を設ける構成とすることができる。つまり、制御部3は、室内のどこかに設けられている温度センサで測定した温度に基づいて基準距離を設定することができる。例えば、ケース2の表面に温度センサ8を露出させた状態で設けたり、ケース2の表面に温度センサ8を取り付けたり、
図1に示す送風口15に温度センサ8を設けたりすることができる。これにより、通信部7を利用して通信可能に接続することにより、実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、既設のコントローラ1にも対応することができる。
【0080】
また、いわゆる室外機と室内機とを備えるものにおいて室内機に温度センサ8を設けたものに適用することもできる。この場合、室内機の筐体内に温度センサ8を設けた場合には、実施形態で説明した内部温度と同様に空気の流れの影響を受けると考えられる。そのため、ケース2内あるいはケース2外を問わず室内の温度を測定可能な位置に設けられている温度センサ8により温度を測定するとともに当該温度における送受信時間を送風前期間において測定することにより基準距離を設定することで、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
実施形態では許容範囲を超えて変化している測定結果を破棄する構成を例示したが、破棄した測定結果を時系列で記憶しておき、例えば数分から数時間といった所定の確認期間に渡って破棄した測定結果と同じとみなせる測定結果が測定されている場合、現在の室温を基準とした送受信時間の測定結果に基づいて、基準距離を再設定する構成とすることができる。
【0082】
これにより、空調装置13を連続運転しているなど次に電源がオンされるまでにある程度の時間を要することが想定される場合において、超音波センサ9による室温の測定を継続することができる。この場合、現在の室温は、送風前期間において正しく求められた基準距離に基づいて測定されているため、現在の室温に基づいて基準距離を再設定することにより、再設定した基準距離の妥当性を確保することができる。
【0083】
実施形態では電源がオンされた直後に基準距離を設定する処理を実行する例を示したが、運転を開始する操作が行われた場合に基準距離を設定する処理を実行する構成とすることができる。つまり、送風を開始する前の所定のタイミングで温度と送受信時間とを取得して基準距離を設定する構成とすることができる。これは、上記したようにCPUは消費電力が比較的少ないと想定されること、また、運転の開始操作が行われていない状態では、消費電力を削減するためにCPUがスリープ状態になっていて発熱が少ないと考えられるためである。
【0084】
実施形態ではケース2に超音波センサ9を設ける構成を例示したが、ケース2外に超音波センサ9を設け、通信部7を利用して通信可能に接続する構成とすることができる。これにより、既設のコントローラ1に対しても実施形態の内容を適用することができる。
【0085】
また、超音波センサ9をモジュール化し、ケース2の上面や側面或いは下面にモジュールを通信可能に取り付ける構成とし、モジュールを任意の向きや任意の数で取り付け可能な構成とすることができる。これにより、ユーザごとに設置環境が異なる場合であっても柔軟に対応することができる。
【0086】
実施形態ではコントローラ1に時刻取得部10を設けて自身で時刻を取得する構成を例示したが、通信部7を介して外部から時刻を取得する構成とすることができる。
【0087】
実施形態ではユーザの操作により電源をオンする構成を例示したが、外部の集中制御装置から遠隔で電源がオンされるものにも適用することができる。
【0088】
実施形態では、制御部3側で送受信時間を測定する構成を例示したが、超音波センサ9側で送受信時間の測定まで行い、その測定結果を制御部3に通知する構成を採用することができる。
【0089】
実施形態では電源をオンした時に基準距離を設定する例を示したが、初期値としての基準距離を入力可能にする構成や、基準距離を設定する処理をユーザの操作に応じて実行して再設定可能にする構成とすることができる。
【0090】
また、送風が開始される前の所定のタイミングには、空調装置13が送風ありの運転と送風なしの運転とを繰り返す場合において、送風が停止した後に次に送風が開始されるまでの期間における任意のタイミングを含んでいる。
送風を
【0091】
また、基準距離の測定結果を、例えば記憶部に4に記憶している前回設定された基準距離と比較して妥当性を確認し、妥当であると判定した場合には今回測定した値を用い、妥当でないと判定した場合には前回測定した値を基準距離として設定する構成とすることができる。
【0092】
また、送風前期間に基準距離の測定を複数回行い、複数回の測定結果の平均値や中央値などを基準距離として設定する構成としたり、複数回の測定結果について妥当性を判定し、妥当でると判定した値を基準距離として設定する構成としたりすることができる。
【符号の説明】
【0093】
図面中、1はコントローラ、2はケース、3は制御部、4は記憶部、8は温度センサ、9、9A、9Bは超音波センサ、10は時刻取得部、11は温度取得部、12は壁面(反射物)、13は空調装置、16は反射物、17は天井(反射物)、18は床面(反射物)、19はキャビネット(反射物)を示す。