(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086399
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】電子回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
H05K1/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198368
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楢木 達真
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA00
5E338BB75
5E338DD18
5E338DD22
5E338DD32
5E338EE32
5E338EE43
5E338EE44
(57)【要約】
【課題】複数の部品が実装される電子回路基板において回路記号を示す表示面積を抑制する。
【解決手段】実装領域5には、連続した数字番号を含む複数の回路記号R50~R54をそれぞれ付与された複数の部品が順に配列される。第1の表示記号110a,110bは、実装領域5の範囲を示す様に印刷される。第2の表示記号120は、配列された複数の部品の両端にそれぞれ位置する2個の部品のうちの一方の部品の回路記号を表記する様に印刷される。第3の表示記号130は、複数の部品の配列内における数字番号の変化方向を示す。第3の表示記号130は、両端の2個の部品のうちの、表示記号120で表示された回路記号を有する一方の部品に近接して配置される様に印刷される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した数字番号を含む複数の回路記号をそれぞれ付与された複数の部品が順に配列される実装領域を有する電子回路基板であって、
前記複数の部品の前記実装領域の範囲を示すための第1の表示記号と、
配列された前記複数の部品の第1端及び第2端にそれぞれ位置する第1の部品及び第2の部品のうちの一方の部品の前記回路記号を表記する第2の表示記号と、
前記複数の部品の配列内における前記数字番号の変化方向を示す第3の表示記号とが印刷され、
前記第2の表示記号及び前記第3の表示記号のうちの予め定められた一方の表示記号は、前記第1端及び前記第2端のうちの、前記一方の部品が配置された一方に近接して配置される、電子回路基板。
【請求項2】
前記第2の表示記号と前記一方の部品との距離は、前記第2の表示記号と前記第1及び第2の部品のうちの前記一方の部品とは異なる他方の部品との距離よりも短い、請求項1記載の電子回路基板。
【請求項3】
前記第3の表示記号及び前記一方の部品の距離は、前記第3の表示記号と、前記第1及び第2の部品のうちの前記一方の部品とは異なる他方の部品との距離よりも短い、請求項1記載の電子回路基板。
【請求項4】
前記第1の表示記号と前記第2の表示記号との間を対応付けるための第4の表示記号が更に印刷される、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子回路基板。
【請求項5】
前記第1の表示記号は、前記実装領域を挟み込むように表記された括弧記号を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子回路基板。
【請求項6】
前記第3の表示記号は、前記変化方向に従って頂点の向きが異なる三角形を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子回路基板。
【請求項7】
前記複数の回路記号の各々は、前記部品の種類を示す文字と、前記数字番号との組み合わせで構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板に関し、より特定的には、回路記号を付された複数の部品が実装される電子回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に代表される電子回路基板には、抵抗素子、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード等の複数の部品が実装される。このため、各部品の装着個所を示すために、当該部品を示す回路記号を、シルク印刷等によって実装位置の近傍に表示することが行われている。
【0003】
特開2001-257438号公報(特許文献1)には、実装される部品の種類が多くなってもシルク印刷の色数の増加による生産コストの上昇を招くことなく、部品のアドレス(回路記号)の見つけ易さ、識別のし易さを向上するプリント基板が記載される。
【0004】
具体的には、特許文献1では、部品の種類毎に、異なる文字飾り、異なる色と異なる文字飾りとの組み合わせを使用してアドレスを表示することで、部品の種類毎にアドレスの色を変えた場合よりも使用する色数を少なくすることで、シルク印刷のコストが抑制される。更に、アドレスを番号のみで構成することで、アドレスの表示面積を抑制することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のプリント基板では、回路記号の表示が部品毎に必要である。更に、実装作業者が回路記号を確実に視認するためには、各回路記号の表示を小さくすることには限界がある。このため、多数の部品が実装される場合には、回路記号の表示面積を確保するために、電子回路基板の小型化が妨げられることが懸念される。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、複数の部品が実装される電子回路基板において回路記号を示す表示面積を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面では、連続した数字番号を含む複数の回路記号をそれぞれ付与された複数の部品が順に配列される実装領域を有する電子回路基板であって、第1の表示記号と、第2の表示記号と、第3の表示記号とが印刷される。第1の表示記号は、複数の部品の実装領域の範囲を示す。第2の表示記号は、配列された複数の部品の第1端及び第2端にそれぞれ位置する第1の部品及び第2の部品のうちの一方の部品の回路記号を表記する。第3の表示記号は、複数の部品の配列内における数字番号の変化方向を示す。第2の表示記号及び第3の表示記号のうちの予め定められた一方の表示記号は、第1端及び第2端のうちの、一方の部品が配置された一方に近接して配置される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連続した数字番号を含む複数の回路記号を付与された複数の部品が順に配列される配置領域を有する電子回路基板において、部品毎の回路記号を表示することなく、当該複数の部品の実装位置を指定することができる。これにより、複数の部品が実装される電子回路基板において回路記号を示す表示面積を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】比較例に係る電子回路基板の概略的な平面図である。
【
図2】本実施の形態に係る電子回路基板における回路記号の第1の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図3】本実施の形態に係る電子回路基板における回路記号の第2の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図4】本実施の形態に係る電子回路基板における回路記号の第3の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図5】本実施の形態に係る電子回路基板の概略的な平面図である。
【
図6】本実施の形態に係る電子回路基板における回路記号の第4の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図7】本実施の形態に係る電子回路基板における回路記号の第5の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図8】本実施の形態の変形例に係る電子回路基板における回路記号の第1の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【
図9】本実施の形態の変形例に係る電子回路基板における回路記号の第2の表示例を説明するための概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
【0012】
まず、
図1を用いて、比較例に係る電子回路基板における回路記号の表示を説明する。
図1は、比較例に係る電子回路基板の概略的な平面図である。
【0013】
図1を参照して、電子回路基板上には、回路記号C22~C27を有する複数の部品の実装領域5が設けられる。
【0014】
尚、本明細書では、各部品の符号についても当該部品の回路記号を用いるものとする。複数(6個)の部品C22~C27の各々は、例えば、2つの端子を有するコンデンサである。実装領域5には、各部品の2端子を挿入するための開口部6x及び6yが、実装部品の個数分(ここでは、6個)設けられる。
【0015】
図1の例では、複数の部品C22~C27の実装位置が、回路記号C22~C27のそのものを表記する複数の表示記号7と、表示記号7及び実装領域5を対応付ける表示記号(ここでは、矢印)8とを用いて示される。
【0016】
図1の比較例では、部品毎に回路記号を表示するため、実装部品の増加に伴って、表示記号7が占める面積が増加することが理解される。
【0017】
従って、本実施の形態では、連続した数字番号を含む複数の回路記号が付与された複数の部品の実装領域を示すための回路記号の表示面積を抑制するように、表示記号が電子回路基板上に印刷される。
【0018】
図2~
図4を用いて、本実施の形態に係る回路基板における回路記号の表示態様の例を説明する。以下では、本実施の形態に係る回路基板のうちの、連続した数字番号を含む回路記号R50~R54が付された複数の部品R50~R54(例えば、抵抗素子)の実装領域に関連する一部領域が示される。
【0019】
図2~
図4を参照して、複数の部品R50~R54は、連続した数字番号の順序に従って順に配列される。従って、配列された複数の部品R50~R54のうち、最小の数字番号を有する部品番号の部品R50と、最大の数字番号を有する部品番号の部品R54とが両端に位置することになる。
【0020】
図2~
図4の例では、表示記号110a,110bは、例えば、括弧記号が用いられて、部品R50~R54の実装領域5の範囲を示す。表示記号110aが実装領域5の第1端(図中右端)に配置されるとともに、表示記号110bが実装領域5の第2端(図中左端)に配置されている。
【0021】
表示記号120は、配列された複数の部品(ここでは、R50~R54)のうちの両端(第1端及び第2端)に位置する2個の部品のうちの一方の部品の回路記号を表記する。
【0022】
表示記号130は、実装領域5内での複数の部品の配列順序、言い換えると、数字番号の変化方向を表記する。表示記号130には、例えば、配列の向きに交差する底辺と、当該底辺に対向する頂点とを有する三角形を用いることができる。ここでは、表示記号130は、当該頂点の向きが、上述した数字番号の増加方向を表す様に示される。
【0023】
更に、表示記号120及び表示記号130の一方は、複数の部品の配列の両端(第1端及び第2端)に位置する部品のうちの、表示記号120で示される一方端の部品に近接して表記される。
図2~
図4の例では、表示記号130が、表示記号120で示された部品に近接して表記される。即ち、表示記号130の位置によって、表示記号120で示された部品の位置が示される。
【0024】
図2に示された第1の表示例では、表示記号130は、表示記号110aの近傍、即ち、第1端(右端)に対応して配置される。従って、表示記号120によって示される部品R50の実装位置は、実装領域5の第1端(右端)であることが示されている。更に、表示記号130の頂点の向きから、図中の右側から左側に向かって、数字番号が増加するように、部品R50及び後続の部品R51以降の配列順序が定められる。
【0025】
この結果、
図2の例では、実装領域5内で右端から左端に向かって順番に、部品R50、部品R51、部品R52、部品R53、及び、部品R54が配列されるように、複数の部品R50~R54の実装位置が指定される。即ち、表示記号120で示される部品R50と表示記号130との距離は、配列のもう一端(第2端)に配置される部品R54と表示記号130との距離よりも短くなる。
【0026】
図3に示された第2の表示例では、
図2の第1の表示例と比較すると、表示記号110a,110b,120の内容が同じである一方で、表示記号130の位置及び向きが変更されている。具体的には、表示記号130は、表示記号110bの近傍、即ち、第2端(左端)に対応して配置される。更に、表示記号130の頂点の向きは、
図2の例と反対方向である。
【0027】
従って、表示記号120によって示される部品R50の実装位置は、実装領域5の第2端(左端)であることが示されている。更に、部品R50及び後続する部品R51以降の配列順序は、図中の左側から右側に向かって数字番号が増加するように定められる。
【0028】
この結果、
図3の例では、実装領域5内で左端から右端に向かって順番に、部品R50、部品R51、部品R52、部品R53、及び、部品R54が配列されるように、複数の部品R50~R54の実装位置が指定される。
図3においても、表示記号120で示される部品R50と表示記号130との距離は、配列のもう一端(第2端)に配置される部品R54と表示記号130との距離よりも短くなることが理解される。
【0029】
図4に示された第3の表示例では、
図3の第2の表示例と比較すると、表示記号110a,110bの内容が同じである一方で、表示記号120の表記、及び、表示記号130の向きが変更されている。具体的には、表示記号120は「R54」を示している。更に、表示記号130は、
図3と同様に第2端(左端)に対応して配置される一方で、その頂点の向きは、
図3の例と反対方向(
図1の例と同一方向)である。
【0030】
従って、表示記号120によって示される部品R54の実装位置は、表示記号130と近接する実装領域5の第2端(左端)であり、かつ、部品R50~R54の配列順序は、図中の右側から左側に向かって数字番号が増加することが示される。
【0031】
この結果、
図4の例では、実装領域5内で右端から左端に向かって順番に、部品R50、部品R51、部品R52、部品R53、及び、部品R54が配列されるように、複数の部品R50~R54の実装位置が指定される。
図4においても、表示記号120で示される部品R54と表示記号130との距離は、配列のもう一端(第1端)に配置される部品R50と表示記号130との距離よりも短くなることが理解される。
【0032】
この様に、本実施の形態に係る電子回路基板では、表示記号110a,110b,120,130を用いて、連続した数字番号を含む複数の回路記号を付与された複数の部品が順に配列される際に、部品毎の回路記号を表示することなく、当該複数の部品の実装位置を指定することができる。
【0033】
図5には、本実施の形態に係る電子回路基板の概略的な平面図が示される。
図5には、
図1と同様に部品C22~C27が実装領域5に実装される際の表示記号の態様が示される。
【0034】
図5を参照して、本実施に係る電子回路基板では、
図1と同様の実装領域5の範囲が表示記号110a,110bで示されるとともに、部品C22~C27のうちの第1端又は第2端に配置される部品の回路記号のみが、表示記号120によって示される。
【0035】
更に、表示記号130の位置によって、実装領域5の図中右端に部品C22が配置されることが示されるとともに、表示記号130の向きから、C23以降の回路番号が付された部品が、図中右側から左側に向かって数字番号が増加するように配列されることが示される。
【0036】
この結果、
図5の電子回路基板では、部品毎の回路記号を表記することなく、複数の部品の実装に関して、
図1の表示記号7と同等の情報を作業者に視認されることが可能である。この結果、実装対象部品の回路記号を示すための表示面積を抑制することができる。これにより、電子回路基板の小型化、又は、部品の実装効率の向上を図ることが可能となる。尚、上記効果は、連続した数字番号を有する回路記号が付されて順に配列される部品の数が多いほど向上することが理解される。即ち、実装される部品数が多い電子回路基板において小型化効果を高めることが期待される。
【0037】
次に、
図6及び
図7では、実装領域5に近接して、回路記号(表示記号120)の表記スペースを確保できない際の表示例が示される。
【0038】
図6を参照して、第4の表示例では、
図3と同様の表示記号110a,110b,120,130を表示する際に、実装領域5に近接して表示記号120を表記することがレイアウト上困難である。
【0039】
このため、第4の表示例では、実装領域5に対応する、表示記号110a又は110bと、表示記号120とを対応付けるための表示記号140が、例えば、引出線の態様で更に追加される。
【0040】
これにより、実装領域5と離れて表記された表示記号120によって示される回路記号が、表示記号140(引出線)で当該表示記号120と対応付けられた表示記号110a、及び、これと対を成す表示記号110bで示された実装領域5において、表示記号130と近接する位置(図中左端)の部品のものであることが示される。
【0041】
又、実装領域5では、表示記号120で示された部品R50に続く部品R51以降は、表示記号130の向きに従って、図中左側から右側に向かって数字番号が増加するように配列されることが示される。
【0042】
図7に示された第5の表示例では、実装領域5の範囲を示す表示記号110a,110bのうちの表示記号110bと、表示記号120との間に、表示記号140(引出線)が表記される。更に、表示記号130が表示記号110bに近接して表記されることで、実装領域5の図中左端に、表示記号120によって示される部品R50が配置されることが示される。又、表示記号130の向きから、R51以降の回路番号が付された部品が、図中左側から右側に向かって数字番号が増加するように配列されることが示される。
【0043】
図6及び
図7に示される様に、表示記号140(引出線)を更に用いることにより、実装領域5に近接して、当該実装領域5に対応する表示記号120を表記できない場合であっても、部品毎の回路記号を表記することなく、連続した数字番号を含む複数の回路記号を付与された複数の部品が順に配列される際の実装位置を指定することができる。
【0044】
図2~
図7では、上述の様に、表示記号130の位置によって、表示記号120で示された部品の位置が示される例を説明した。これに対して、本実施の形態の変形例として、表示記号120の位置によって、表示記号120で示された部品の位置が示される例を以下に説明する。
【0045】
図8には、本実施の形態の変形例に係る電子回路基板における回路記号の第1の表示例が示される。
【0046】
図8を参照して、表示記号110a,110b,130は、
図3の例と同様に表記される。即ち、表示記号110a,110bによって実装領域5の範囲が示されるとともに、表示記号130の向きによって、実装領域5内では、連続した数字番号を有する回路記号が付された複数の部品が、図中左側から右側に向かって数字番号が増加する順序で配列されることが示される。
【0047】
実施の形態の変形例に係る電子回路基板では、表示記号120が、複数の部品の配列の両端(第1端及び第2端)に位置する部品のうちの、当該表示記号120で示される一方端の部品に近接して表記される。
【0048】
従って、
図8の例では、表示記号120によって示される部品R54の実装位置は、実装領域5の右端であることが示されている。更に、表示記号130の向きにより、図中の左側から右側に向かって数字番号が増加するように、部品R54迄の複数の部品の配列順序が定められる。
【0049】
この結果、
図8の例では、実装領域5内で左端から右端に向かって順番に、部品R50、部品R51、部品R52、部品R53、及び、部品R54が配列されるように、複数の部品R50~R54の実装位置が指定される。即ち、表示記号120で示される部品R54と表示記号120との距離は、配列のもう一端(左端)に配置される部品R50と表示記号120との距離よりも短くなる。
【0050】
図9に示された、実施の形態の変形例に係る第2の表示例では、
図8の例と比較すると、表示記号110a,110bの内容が同じである一方で、表示記号120の表記、及び、表示記号130の向きが変更されている。具体的には、表示記号120は「R50」を示しており、表示記号130の頂点の向きは、
図8の例と反対方向(
図4の例と同一方向)である。
【0051】
従って、表示記号120によって示される部品R50の実装位置は、当該表示記号120と近接する実装領域5の右端であり、かつ、部品R50~R54の配列順序は、図中の右側から左側に向かって数字番号が増加することが示される。
【0052】
この結果、
図9の例では、実装領域5内で右端から左端に向かって順番に、部品R50、部品R51、部品R52、部品R53、及び、部品R54が順に配列されるように、複数の部品R50~R54の実装位置が指定される。
図9においても、表示記号120で示される部品R50と当該表示記号120との距離は、配列のもう一端(第2端)に配置される部品R54と表示記号120との距離よりも短くなることが理解される。
【0053】
この様に、本実施の形態の変形例に係る電子回路基板によっても、表示記号110a,110b,120,130を用いて、連続した数字番号を含む複数の回路記号を付与された複数の部品が順に配列される際に、部品毎の回路記号を表記する必要がないため、当該複数の部品の実装位置を指定するための表示面積を抑制することができる。
【0054】
実施の形態の変形例に係る電子回路基板においても、
図6及び
図7で説明した表示記号140(引出線)を更に用いて、表示記号120を実装領域5から離れた位置に表記することも可能である。
【0055】
以上説明した本実施の形態及びその変形例において、表示記号110a,110bは「第1の表示記号」に対応するが、表示記号110a,110bの形状は、実装領域5の範囲を視覚的に示すことが可能であれば、括弧記号以外の任意とすることができる。又、表示記号120は「第2の表示記号」の一実施例に対応する。
【0056】
表示記号130は「第3の表示記号」の一実施例に相当するが、表示記号130の形状についても、向きを視覚的に示すことが可能であれば、任意とすることができる。又、表示記号130の向きが、連続する数字番号が増加する方向を示すものと定義して例を説明したが、これとは反対に、表示記号130の向きによって、連続する数字番号が減少する方向を定義されてもよい。即ち、表示記号130(第3の表示記号)は、実装領域5内に順に配列される複数の部品の回路記号について、当該回路記号に含まれる数字番号の変化(増加又は減少)方向を表記するものとして機能する。
【0057】
又、本実施の形態及びその変形例では、抵抗及びコンデンサを複数の部品の例として説明したが、トランジスタ、ダイオード、コイル等の任意の回路部品の実装について、同様に表示記号を適用することができる。更に、部品の種類(抵抗、コンデンサ等)を示す文字と、連続する数字番号との組み合わせで複数の部品の回路記号を決める例を説明したが、連続する数字番号を含む限り、当該複数の部品の回路記号は任意の態様に決定することができる。例えば、連続する数字番号のみで回路記号を構成することも可能である。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
5 実装領域、6x 開口部、7,110a,110b,120,130,140 表示記号、C22~C27,R50~R54 部品(回路記号)。