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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086479
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】トナーカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20220602BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
G03G21/18 160
G03G21/18 164
G03G15/08 343
【審査請求】未請求
【請求項の数】45
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198511
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
(72)【発明者】
【氏名】橋本 淳一
(72)【発明者】
【氏名】雨池 拓也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA09
2H077AB12
2H077BA01
2H077BA08
2H077GA13
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA14
2H171GA12
2H171HA23
2H171HA24
2H171JA07
2H171JA29
2H171JA45
2H171JA48
2H171KA05
2H171KA08
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA27
2H171KA29
2H171LA09
2H171LA10
2H171LA13
2H171LA17
2H171QA03
2H171QA08
2H171QB35
2H171QB36
2H171QB38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1つのカップリングから供給される駆動力により、シャッタの移動と搬送部材の回転との両方を実現できる構造を提供する。
【解決手段】トナーカートリッジは、トナーカップリング321、シャッタ16、太陽ギア351、遊星ギア、回転板352、およびボスを備える。シャッタが閉位置に位置する場合、ボスは第1位置に位置する。この状態では、回転板352とともに、ボスおよびシャッタが回転する。したがって、トナーカップリングの回転に伴い、シャッタが閉位置から開位置へ移動する。シャッタが閉位置から開位置へ移動すると、ボスは、第1位置から第2位置へ移動する。そうすると、回転板からボスが離れる。このため、遊星ギアおよび太陽ギアが空転する。したがって、シャッタを開位置に維持したまま、搬送部材を回転させることができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容可能な筐体であって、トナー排出口を有する筐体と、
前記第1方向に延びるシャフトを有する搬送部材であって、前記第1方向に延びる第1軸について回転可能な搬送部材であり、前記筐体の内部に位置する搬送部材と、
前記トナー排出口を閉じる閉位置と前記トナー排出口を開く開位置との間を前記筐体に対して前記第1軸について回転可能なシャッタと、
前記搬送部材を回転させるトナーカップリングであって、前記第1軸について回転可能なトナーカップリングと、
前記トナーカップリングとともに前記第1軸について回転可能な遊星キャリアであって、前記第1方向に延びる第1遊星ピンを有する遊星キャリアと、
前記第1遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第1遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第1遊星ギアと、
前記シャッタとともに前記第1軸について回転可能な内歯ギアであって、前記第1遊星ギアと噛み合う内歯ギアと、を備えるトナーボックスであって、
前記シャッタが前記閉位置から前記開位置に位置する場合、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であり、
前記シャッタが前記開位置に位置する場合、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転可能であり、かつ、前記内歯ギアに対して、前記第1軸について回転可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記開位置に位置する場合、前記シャッタと接触し、前記閉位置から前記開位置への前記シャッタの回転方向における前記シャッタの移動を止める第1ストッパを備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記開位置に位置する場合、前記シャッタと接触し、前記開位置から前記閉位置への前記シャッタの回転方向における前記シャッタの移動を止める第2ストッパを備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記閉位置に位置する場合、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記閉位置に位置する場合、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記第1軸について回転可能な太陽ギアであって、前記第1遊星ギアと噛み合う太陽ギアを備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載のトナーカートリッジであって、
前記太陽ギアとともに前記第1軸について回転可能な回転板であって、溝を有する回転板と、
前記シャッタとともに移動可能なボスであって、前記回転板の前記溝内の第1位置と、前記回転板の前記溝外の第2位置との間を移動可能なボスであり、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合に前記第1位置に位置し、前記シャッタが前記開位置に位置する場合に前記第2位置に位置するボスと、
を備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに着脱可能であり、
前記トナーカップリングは、前記ドラムカートリッジの中継カップリングから駆動力を受け、前記搬送部材に駆動を伝達することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記遊星キャリアは、前記トナーカップリングと一体で構成されていることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項10】
請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記ボスが前記第1位置に位置する場合、前記トナーカップリングの回転に伴い、
前記太陽ギアおよび前記回転板は、前記第1軸について回転可能であり、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星軸について回転不可能であり、かつ、前記太陽ギアの周りを回転可能であり、
前記内歯ギアは、前記シャッタとともに移動可能であり、
前記ボスが前記第2位置に位置する場合、前記トナーカップリングの回転に伴い、
前記太陽ギアおよび前記回転板は、前記第1軸について回転可能であり、
前記第1遊星ギアは、前記第1遊星軸について回転可能であり、かつ、前記太陽ギアの周りを回転可能であり、
前記内歯ギアおよび前記シャッタは、移動不可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項11】
請求項2に記載のトナーカートリッジであって、
前記筐体は、前記筐体の周面に位置する凹みを有し、
前記シャッタは、前記凹み内に位置し、
前記凹みは、
前記トナー排出口を有する第1面と、
前記シャフトの径方向において、前記第1面から延びる第1ストッパ面と、
を有し、
前記第1ストッパは、前記第1ストッパ面であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項12】
請求項3に記載のトナーカートリッジであって、
前記筐体は、前記筐体の周面に位置する凹みを有し、
前記シャッタは、前記凹み内に位置し、
前記凹みは、
前記トナー排出口を有する第1面と、
前記シャフトの径方向において、前記第1面から延びる第2ストッパ面と、
を有し、
前記第2ストッパは、前記第2ストッパ面であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタの少なくとも一部を覆うカバーを備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項14】
請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタの少なくとも一部を覆うカバーを備え、
前記カバーは、前記ボスが嵌まるガイド溝であって、前記シャッタの移動方向に沿って延びるガイド溝を有し、
前記シャッタの移動方向における前記ガイド溝の一端部は、前記シャッタの移動方向における前記ガイド溝の他端部よりも、前記第1軸の近くに位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項15】
請求項14に記載のトナーカートリッジであって、
前記ボスが前記第1位置に位置する場合、前記ボスは、前記ガイド溝の前記一端部に位置し、
前記ボスが前記第2位置に位置する場合、前記ボスは、前記ガイド溝の前記他端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項16】
請求項13から請求項15のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記カバーは、前記トナー排出口と連通する連通口を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項17】
請求項13から請求項16のいずれか一項に記載のドナーカートリッジであって、
前記カバーは、前記ボスの少なくとも一部を覆うことを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記内歯ギアは、
前記第1遊星ギアと噛み合うギア歯と、
前記ギア歯に対して、前記第1遊星ギアから離れて延びるアームと、
を有し、
前記シャッタは、
前記トナー排出口を覆うシャッタプレートと、
前記内歯ギアを保持する保持部であって、前記アームが嵌まる凹みを有する保持部と、
を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項19】
請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記太陽ギアは、前記回転板と一体で構成されていることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項20】
請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記回転板は、複数の前記溝を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項21】
請求項20に記載のトナーカートリッジであって、
複数の前記溝は、前記回転板の外周面の全周に配置されていることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタを、前記開位置から前記閉位置へ向けて付勢するシャッタ用弾性部材
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項23】
請求項22に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタ用弾性部材は、第1状態と第2状態との間で伸縮可能であり、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合に前記第1状態となり、前記シャッタが前記開位置に位置する場合に前記第2状態となり、前記シャッタ用弾性部材の前記第2状態の長さは、前記シャッタ用弾性部材の前記第1状態の長さより長いことを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項24】
請求項23に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタ用弾性部材は、前記シャッタの前記閉位置から前記開位置への回転に伴い、前記第1状態から前記第2状態へ伸びることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項25】
請求項23または請求項24に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタ用弾性部材は、前記トナーカップリングの回転の停止に伴い、前記第2状態から前記第1状態へ縮み、
前記シャッタ用弾性部材が前記第2状態から前記第1状態へ縮むことに伴い、前記シャッタは、前記開位置から前記閉位置へ移動することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項26】
請求項22から請求項25のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタ用弾性部材は、ばねであることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項27】
請求項1から請求項26のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカップリングは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項28】
請求項6または請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記太陽ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項29】
請求項6または請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記太陽ギアは、前記第1軸を中心とする円形の孔を有し、
前記トナーカップリングは、前記孔に挿入されていることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項30】
請求項1から請求項29のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記第1遊星ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項31】
請求項1から請求項30のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記内歯ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項32】
請求項6または請求項7に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカップリング、前記太陽ギア、前記第1遊星ギア、および前記内歯ギアは、前記第1軸に直交する同一の平面上に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項33】
請求項1から請求項32のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第2遊星ピンを有し、
前記第2遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第2遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第2遊星ギア
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項34】
請求項1から請求項33のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第3遊星ピンを有し、
前記第3遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第3遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第3遊星ギア
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項35】
請求項1から請求項34のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第4遊星ピンを有し、
前記第4遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第4遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第4遊星ギア
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項36】
請求項1から請求項35のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタが前記開位置から閉位置へ移動する場合に、前記搬送部材が前記トナーカップリングとともに回転することを防止するクラッチ
をさらに備えることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項37】
請求項36に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカップリングは、前記第1軸を中心とする円弧状のクラッチ孔を有し、
前記搬送部材は、前記クラッチ孔に挿入されるクラッチ爪を有し、
前記クラッチ孔の前記第1軸を中心とする周方向の幅は、前記クラッチ爪の前記第1軸を中心とする周方向の幅よりも、大きく、
前記クラッチ孔および前記クラッチ爪により、前記クラッチが構成されていることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項38】
請求項1から請求項37のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナー排出口は、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置し、
前記シャッタは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項39】
請求項1から請求項38のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記シャッタは、前記トナー排出口を、前記第1軸を中心とする周方向に開くことを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項40】
請求項13から請求項16のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
ロック位置と解除位置との間で前記第1方向に移動可能なロック部材
をさらに備え、
前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合、前記シャッタは、前記閉位置から前記開位置へ移動不可能であり、
前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合、前記シャッタは、前記閉位置から前記開位置へ移動可能であることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項41】
請求項40に記載のトナーカートリッジであって、
前記ロック部材は、
前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合、前記カバーに接触し、前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合、前記カバーから離間するロック突起と、
前記ロック突起を、前記解除位置から前記ロック位置へ向けて付勢するロック用弾性部材と、
を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項42】
請求項41に記載のトナーカートリッジであって、
前記カバーは、第1方向に貫通する貫通孔を有し、
前記ロック突起は、前記貫通孔に挿入されることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項43】
請求項41または請求項42に記載のトナーカートリッジであって、
前記ロック用弾性部材は、ばねであることを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項44】
請求項1から請求項21、請求項28、請求項29、請求項40から請求項43のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記トナーカートリッジは、画像形成装置の本体フレームに対して着脱可能であり、
前記シャッタは、
前記本体フレームに接触可能なレバーであって、前記レバーが前記本体フレームに接触した場合、前記シャッタが、前記開位置から前記閉位置へ向けて移動するレバー
を有することを特徴とする、トナーカートリッジ。
【請求項45】
請求項1から請求項44のいずれか一項に記載のトナーカートリッジであって、
前記搬送部材は、アジテータであることを特徴とする、トナーカートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トナーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置は、トナーカートリッジおよびドラムカートリッジを有する。トナーカートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着可能である。また、トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジは、画像形成装置に対して装着可能である。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-186067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナーカートリッジは、トナー供給口を開閉するためのシャッタを有する。特許文献1の画像形成装置では、トナーカートリッジがドラムカートリッジに装着された後、ユーザの操作により、シャッタが閉位置から開位置へ移動する。ユーザの操作負担を減らすためには、画像形成装置から供給される駆動力により、シャッタを閉位置から開位置へ移動させることが望ましい。ただし、トナーカートリッジ内でトナーを搬送する搬送部材を回転させるための駆動力と、シャッタを開位置から閉位置へ移動させるための駆動力とを、別々に供給すると、複数のカップリングが必要となる。
【0005】
本開示の目的は、カップリングから供給される駆動力により、シャッタの閉位置から開位置への移動と搬送部材の回転との両方を実現するとともに、シャッタが閉位置から開位置へ移動した後も、搬送部材の回転を継続させることができる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1開示は、トナーを収容可能な筐体であって、トナー排出口を有する筐体と、前記第1方向に延びるシャフトを有する搬送部材であって、前記第1方向に延びる第1軸について回転可能な搬送部材であり、前記筐体の内部に位置する搬送部材と、前記トナー排出口を閉じる閉位置と前記トナー排出口を開く開位置との間を前記筐体に対して前記第1軸について回転可能なシャッタと、前記搬送部材を回転させるトナーカップリングであって、前記第1軸について回転可能なトナーカップリングと、前記トナーカップリングとともに前記第1軸について回転可能な遊星キャリアであって、前記第1方向に延びる第1遊星ピンを有する遊星キャリアと、前記第1遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第1遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第1遊星ギアと、前記シャッタとともに前記第1軸について回転可能な内歯ギアであって、前記第1遊星ギアと噛み合う内歯ギアと、を備えるトナーボックスであって、前記シャッタが前記閉位置から前記開位置に位置する場合、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であり、前記シャッタが前記開位置に位置する場合、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転可能であり、かつ、前記内歯ギアに対して、前記第1軸について回転可能であることを特徴とする。
【0007】
本願の第2開示は、第1開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記開位置に位置する場合、前記シャッタと接触し、前記閉位置から前記開位置への前記シャッタの回転方向における前記シャッタの移動を止める第1ストッパを備えることを特徴とする。
【0008】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記開位置に位置する場合、前記シャッタと接触し、前記開位置から前記閉位置への前記シャッタの回転方向における前記シャッタの移動を止める第2ストッパを備えることを特徴とする。
【0009】
本願の第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であることを特徴とする。
【0010】
本願の第5開示は、第4開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星ピンについて回転不可能であり、かつ、前記内歯ギアとともに前記第1軸について回転可能であることを特徴とする。
【0011】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記第1軸について回転可能な太陽ギアであって、前記第1遊星ギアと噛み合う太陽ギアを備えることを特徴とする。
【0012】
本願の第7開示は、第6開示のトナーカートリッジであって、前記太陽ギアとともに前記第1軸について回転可能な回転板であって、溝を有する回転板と、前記シャッタとともに移動可能なボスであって、前記回転板の前記溝内の第1位置と、前記回転板の前記溝外の第2位置との間を移動可能なボスであり、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合に前記第1位置に位置し、前記シャッタが前記開位置に位置する場合に前記第2位置に位置するボスと、を備えることを特徴とする。
【0013】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、感光ドラムを有するドラムカートリッジに着脱可能であり、前記トナーカップリングは、前記ドラムカートリッジの中継カップリングから駆動力を受け、前記搬送部材に駆動を伝達することを特徴とする。
【0014】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記遊星キャリアは、前記トナーカップリングと一体で構成されていることを特徴とする。
【0015】
本願の第10開示は、第7開示のトナーカートリッジであって、前記ボスが前記第1位置に位置する場合、前記トナーカップリングの回転に伴い、前記太陽ギアおよび前記回転板は、前記第1軸について回転可能であり、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星軸について回転不可能であり、かつ、前記太陽ギアの周りを回転可能であり、前記内歯ギアは、前記シャッタとともに移動可能であり、前記ボスが前記第2位置に位置する場合、前記トナーカップリングの回転に伴い、前記太陽ギアおよび前記回転板は、前記第1軸について回転可能であり、前記第1遊星ギアは、前記第1遊星軸について回転可能であり、かつ、前記太陽ギアの周りを回転可能であり、前記内歯ギアおよび前記シャッタは、移動不可能であることを特徴とする。
【0016】
本願の第11開示は、第2開示のトナーカートリッジであって、前記筐体は、前記筐体の周面に位置する凹みを有し、前記シャッタは、前記凹み内に位置し、前記凹みは、前記トナー排出口を有する第1面と、前記シャフトの径方向において、前記第1面から延びる第1ストッパ面と、を有し、前記第1ストッパは、前記第1ストッパ面であることを特徴とする。
【0017】
本願の第12開示は、第3開示のトナーカートリッジであって、前記筐体は、前記筐体の周面に位置する凹みを有し、前記シャッタは、前記凹み内に位置し、前記凹みは、前記トナー排出口を有する第1面と、前記シャフトの径方向において、前記第1面から延びる第2ストッパ面と、を有し、前記第2ストッパは、前記第2ストッパ面であることを特徴とする。
【0018】
本願の第13開示は、第1開示から第12開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタの少なくとも一部を覆うカバーを備えることを特徴とする。
【0019】
本願の第14開示は、第7開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタの少なくとも一部を覆うカバーを備え、前記カバーは、前記ボスが嵌まるガイド溝であって、前記シャッタの移動方向に沿って延びるガイド溝を有し、前記シャッタの移動方向における前記ガイド溝の一端部は、前記シャッタの移動方向における前記ガイド溝の他端部よりも、前記第1軸の近くに位置することを特徴とする。
【0020】
本願の第15開示は、第14開示のトナーカートリッジであって、前記ボスが前記第1位置に位置する場合、前記ボスは、前記ガイド溝の前記一端部に位置し、前記ボスが前記第2位置に位置する場合、前記ボスは、前記ガイド溝の前記他端部に位置することを特徴とする。
【0021】
本願の第16開示は、第13開示から第15開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記カバーは、前記トナー排出口と連通する連通口を有することを特徴とする。
【0022】
本願の第17開示は、第13開示から第16開示のいずれか一開示のドナーカートリッジであって、前記カバーは、前記ボスの少なくとも一部を覆うことを特徴とする。
【0023】
本願の第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記内歯ギアは、前記第1遊星ギアと噛み合うギア歯と、前記ギア歯に対して、前記第1遊星ギアから離れて延びるアームと、を有し、前記シャッタは、前記トナー排出口を覆うシャッタプレートと、前記内歯ギアを保持する保持部であって、前記アームが嵌まる凹みを有する保持部と、を有することを特徴とする。
【0024】
本願の第19開示は、第7開示のトナーカートリッジであって、前記太陽ギアは、前記回転板と一体で構成されていることを特徴とする。
【0025】
本願の第20開示は、第7開示のトナーカートリッジであって、前記回転板は、複数の前記溝を有することを特徴とする。
【0026】
本願の第21開示は、第20開示のトナーカートリッジであって、複数の前記溝は、前記回転板の外周面の全周に配置されていることを特徴とする。
【0027】
本願の第22開示は、第1開示から第21開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタを、前記開位置から前記閉位置へ向けて付勢するシャッタ用弾性部材をさらに備えることを特徴とする。
【0028】
本願の第23開示は、第22開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタ用弾性部材は、第1状態と第2状態との間で伸縮可能であり、前記シャッタが前記閉位置に位置する場合に前記第1状態となり、前記シャッタが前記開位置に位置する場合に前記第2状態となり、前記シャッタ用弾性部材の前記第2状態の長さは、前記シャッタ用弾性部材の前記第1状態の長さより長いことを特徴とする。
【0029】
本願の第24開示は、第23開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタ用弾性部材は、前記シャッタの前記閉位置から前記開位置への回転に伴い、前記第1状態から前記第2状態へ伸びることを特徴とする。
【0030】
本願の第25開示は、第23開示または第24開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタ用弾性部材は、前記トナーカップリングの回転の停止に伴い、前記第2状態から前記第1状態へ縮み、前記シャッタ用弾性部材が前記第2状態から前記第1状態へ縮むことに伴い、前記シャッタは、前記開位置から前記閉位置へ移動することを特徴とする。
【0031】
本願の第26開示は、第22開示から第25開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタ用弾性部材は、ばねであることを特徴とする。
【0032】
本願の第27開示は、第1開示から第26開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカップリングは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0033】
本願の第28開示は、第6開示または第7開示のトナーカートリッジであって、前記太陽ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0034】
本願の第29開示は、第6開示または第7開示のトナーカートリッジであって、前記太陽ギアは、前記第1軸を中心とする円形の孔を有し、前記トナーカップリングは、前記孔に挿入されていることを特徴とする。
【0035】
本願の第30開示は、第1開示から第29開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記第1遊星ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0036】
本願の第31開示は、第1開示から第30開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記内歯ギアは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0037】
本願の第32開示は、第6開示または第7開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカップリング、前記太陽ギア、前記第1遊星ギア、および前記内歯ギアは、前記第1軸に直交する同一の平面上に位置することを特徴とする。
【0038】
本願の第33開示は、第1開示から第32開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第2遊星ピンを有し、前記第2遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第2遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第2遊星ギアをさらに備えることを特徴とする。
【0039】
本願の第34開示は、第1開示から第33開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第3遊星ピンを有し、前記第3遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第3遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第3遊星ギアをさらに備えることを特徴とする。
【0040】
本願の第35開示は、第1開示から第34開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記遊星キャリアは、前記第1方向に延びる第4遊星ピンを有し、前記第4遊星ピンについて前記遊星キャリアに対して回転可能な第4遊星ギアであって、前記遊星キャリアの回転とともに前記第1軸について回転可能な第4遊星ギアをさらに備えることを特徴とする。
【0041】
本願の第36開示は、第1開示から第35開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタが前記開位置から閉位置へ移動する場合に、前記搬送部材が前記トナーカップリングとともに回転することを防止するクラッチをさらに備えることを特徴とする。
【0042】
本願の第37開示は、第36開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカップリングは、前記第1軸を中心とする円弧状のクラッチ孔を有し、前記搬送部材は、前記クラッチ孔に挿入されるクラッチ爪を有し、前記クラッチ孔の前記第1軸を中心とする周方向の幅は、前記クラッチ爪の前記第1軸を中心とする周方向の幅よりも、大きく、前記クラッチ孔および前記クラッチ爪により、前記クラッチが構成されていることを特徴とする。
【0043】
本願の第38開示は、第1開示から第37開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナー排出口は、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置し、前記シャッタは、前記第1方向における前記筐体の一端部に位置することを特徴とする。
【0044】
本願の第39開示は、第1開示から第38開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記シャッタは、前記トナー排出口を、前記第1軸を中心とする周方向に開くことを特徴とする。
【0045】
本願の第40開示は、第13開示から第16開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、ロック位置と解除位置との間で前記第1方向に移動可能なロック部材をさらに備え、前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合、前記シャッタは、前記閉位置から前記開位置へ移動不可能であり、前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合、前記シャッタは、前記閉位置から前記開位置へ移動可能であることを特徴とする。
【0046】
本願の第41開示は、第40開示のトナーカートリッジであって、前記ロック部材は、前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合、前記カバーに接触し、前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合、前記カバーから離間するロック突起と、前記ロック突起を、前記解除位置から前記ロック位置へ向けて付勢するロック用弾性部材と、を有することを特徴とする。
【0047】
本願の第42開示は、第41開示のトナーカートリッジであって、前記カバーは、第1方向に貫通する貫通孔を有し、前記ロック突起は、前記貫通孔に挿入されることを特徴とする。
【0048】
本願の第43開示は、第41開示または第42開示のトナーカートリッジであって、前記ロック用弾性部材は、ばねであることを特徴とする。
【0049】
本願の第44開示は、第1開示から第21開示、第28開示、第29開示、第40開示から第43開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、画像形成装置の本体フレームに対して着脱可能であり、前記シャッタは、前記本体フレームに接触可能なレバーであって、前記レバーが前記本体フレームに接触した場合、前記シャッタが、前記開位置から前記閉位置へ向けて移動するレバーを有することを特徴とする。
【0050】
本願の第45開示は、第1開示から第44開示のいずれか一開示のトナーカートリッジであって、前記搬送部材は、アジテータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
本願の第1開示~第44開示によれば、トナーカップリングの回転により、シャッタの閉位置から開位置への移動と、搬送部材の回転との両方を実現できる。また、シャッタが閉位置から開位置へ移動した後も、搬送部材の回転を継続させることができる
【0052】
また、本願の第2開示によれば、シャッタが閉位置から開位置へ移動すると、シャッタが第1ストッパに接触することにより、シャッタの移動が止まる。このため、内歯ギアの回転も止まる。しかしながら、第1遊星ギアおよび太陽ギアがあるため、シャッタを開位置に維持したまま、搬送部材を回転させることができる。
【0053】
本願の第7開示によれば、シャッタが閉位置に位置する場合、ボスは第1位置に位置する。この状態では、回転板とともに、ボスおよびシャッタが回転する。したがって、トナーカップリングとともに、第1遊星ギア、太陽ギア、回転板、ボス、内歯ギア、およびシャッタが、第1軸について回転する。これにより、シャッタが閉位置から開位置へ移動する。また、シャッタが閉位置から開位置へ移動すると、ボスは、第1位置から第2位置へ移動する。そうすると、回転板からボスが離れる。このため、第1遊星ギアおよび太陽ギアが空転する。したがって、シャッタを開位置に維持したまま、搬送部材を回転させることができる。
【0054】
また、本願の第11開示によれば、トナー排出口と第1ストッパ面が、同じ筐体にある。このため、トナー排出口に対してシャッタを、精度よく位置決めできる。
【0055】
また、本願の第12開示によれば、トナー排出口と第2ストッパ面が、同じ筐体にある。このため、トナー排出口に対してシャッタを、精度よく位置決めできる。
【0056】
また、本願の第13開示によれば、ユーザがシャッタに触れることを抑制できる。
【0057】
また、本願の第14開示および第15開示によれば、ボスを、第1位置と第2位置との間で、安定して移動させることができる。
【0058】
また、本願の第17開示によれば、ユーザがボスに触れることを抑制できる。
【0059】
また、本願の第18開示によれば、内歯ギアの駆動力を安定してシャッタに伝えることができる。
【0060】
また、本願の第21開示によれば、回転板の回転位置にかかわらず、回転板の溝にボスを嵌めることができる。
【0061】
また、本願の第22開示によれば、トナーカップリングへの駆動の入力が停止した場合に、シャッタ用弾性部材の弾性力により、シャッタを閉位置へ戻すことができる。
【0062】
また、本願の第32開示によれば、トナーカートリッジの第1方向のサイズを小さくできる。
【0063】
また、本願の第33開示によれば、1つの遊星キャリアが、第1遊星ギアと第2遊星ギアを支持する。これにより、第1遊星ギアに対して第2遊星ギアを精度よく位置決めできる。
【0064】
また、本願の第34開示によれば、1つの遊星キャリアが、第1遊星ギアと第3遊星ギアを支持する。これにより、第1遊星ギアに対して第3遊星ギアを精度よく位置決めできる。
【0065】
また、本願の第35開示によれば、1つの遊星キャリアが、第1遊星ギアと第4遊星ギアを支持する。これにより、第1遊星ギアに対して第4遊星ギアを精度よく位置決めできる。
【0066】
また、本願の第36開示によれば、シャッタが開位置から閉位置へ移動する場合に、搬送部材がトナーカップリングとともに回転することを防止できる。
【0067】
また、本願の第37開示によれば、トナーカップリングおよび搬送部材とは別に、クラッチのための部品を用意する必要がない。
【0068】
また、本願の第40開示によれば、シャッタの移動をロックできる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】画像形成装置の概要図である。
図2】4つのトナーカートリッジ、ドラムカートリッジ、および本体フレームの一部を示す斜視図である。
図3】トナーカートリッジの斜視図である。
図4】トナーカートリッジの斜視図である。
図5】トナーカートリッジを第1方向に視た図である。
図6】トナーカートリッジを第1方向に視た図である。
図7】トナーカートリッジの部分分解斜視図である。
図8】トナーカートリッジの部分分解斜視図である。
図9】トナーカートリッジの図5におけるC-C線断面図である。
図10図9のD-D線断面図である。
図11】カバーを第1方向に視た図である。
図12図9のA-A線断面図である。
図13図9のA-A線断面図である。
図14】アジテータシャフトとトナーカップリングの接続部分の断面図である。
図15】アジテータシャフトとトナーカップリングの接続部分の断面図である。
図16】ドラムカートリッジの斜視図である。
図17】ドラムカートリッジの斜視図である。
図18】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、本体フレームへ挿入される途中の様子を示す、画像形成装置の部分断面図である。
図19】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、本体フレームへ挿入される途中の様子を示す、画像形成装置の部分断面図である。
図20】第1変形例のトナーカートリッジの部分分解斜視図である。
図21】第1変形例のトナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置の本体フレームに装着された様子を示した図である。
図22】第1変形例のトナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジを、本体フレームから取り出すときの様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0071】
なお、以下の説明においては、トナーカートリッジ2のアジテータ20が延びる方向を「第1方向」と称する。また、ドラムカートリッジ3において、複数の感光ドラム70が並ぶ方向を「第2方向」と称する。また、ドラムカートリッジ3に対してトナーカートリッジ2が挿入される方向を「第3方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。第2方向と第3方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。第3方向と第1方向とは互いに交差(好ましくは直交)する。
【0072】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置1の概要図である。この画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置1は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。図1に示すように、画像形成装置1は、4つのトナーカートリッジ2、ドラムカートリッジ3、本体フレーム4、および制御部5を備える。
【0073】
図1に示すように、4つのトナーカートリッジ2は、ドラムカートリッジ3に対して着脱可能である。また、4つのトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3は、本体フレーム4に対して着脱可能なドロワである。本実施形態のドラムカートリッジ3に装着されるトナーカートリッジ2の数は、4つである。ただし、ドラムカートリッジ3に装着されるトナーカートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0074】
4つのトナーカートリッジ2は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)のトナーをそれぞれ収容する。画像形成装置1は、4つのトナーカートリッジ2から供給されるトナーにより、印刷用紙に画像を形成する。
【0075】
制御部5は、画像形成装置1の本体フレーム4内に位置する。制御部5は、CPU等のプロセッサ501と、本体メモリ502とを有する。本体メモリ502は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。プロセッサ501は、本体メモリ502からの情報の読み出しと、本体メモリ502への情報の書き込みと、を実行可能である。制御部5は、本体メモリ502に記憶されたプログラムに従ってプロセッサ501が動作することにより、画像形成装置1における印刷処理を実行する。
【0076】
4つのトナーカートリッジ2は、それぞれ、ICチップ41を有する。ICチップ41は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。ドラムカートリッジ3は、4つのドラム接点91a~91d、ドラムハーネス92、およびドラムコネクタ93を有する。4つのドラム接点91a~91dは、ドラムハーネス92を介して、ドラムコネクタ93と電気的に接続されている。また、画像形成装置1は、本体フレーム4内に、本体コネクタ403および本体ハーネス404を有する。本体コネクタ403は、本体ハーネス404を介して、制御部5と電気的に接続されている。
【0077】
トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着された場合、ICチップ41は、ドラム接点91a~91dと接触する。これにより、ICチップ41は、ドラム接点91a~91dと電気的に接続される。また、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着された場合、ドラムコネクタ93は、本体コネクタ403と接触する。これにより、ドラムコネクタ93は、本体コネクタ403と電気的に接続される。これにより、ICチップ41が、ドラム接点91a~91d、ドラムハーネス92、ドラムコネクタ93、本体コネクタ403、および本体ハーネス404を介して、制御部5と電気的に接続される。その結果、制御部5は、ICチップ41からの情報の読み出しと、ICチップ41への情報の書き込みと、を実行することが可能となる。
【0078】
図2は、4つのトナーカートリッジ2、ドラムカートリッジ3、および本体フレーム4の一部を示す斜視図である。図2に示すように、本体フレーム4は、第1サイドプレート401と、第2サイドプレート402とを有する。第1サイドプレート401および第2サイドプレート402は、それぞれ、第1方向に対して垂直に拡がる略平板状である。第1サイドプレート401と第2サイドプレート402とは、第1方向に間隔をあけて位置する。4つのトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3は、第1サイドプレート401と第2サイドプレート402との間に、第2方向に沿って挿入される。
【0079】
<2.トナーカートリッジについて>
続いて、トナーカートリッジ2の構造について、説明する。図3および図4は、トナーカートリッジ2の斜視図である。図5は、トナーカートリッジ2を、後述する第1端部11側から第1方向に視た図である。図6は、トナーカートリッジ2を、後述する第2端部12側から第1方向に視た図である。図7および図8は、トナーカートリッジ2の部分分解斜視図である。図9は、トナーカートリッジ2の図5におけるC-C線断面図である。図3図9に示すように、トナーカートリッジ2は、筐体10、シャッタ16、アジテータ20、2つの戻しばね31a,31b、トナーカップリング321、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、内歯ギア34、太陽ギア351、回転板352、カバー36、2つのボス37a,37b、2つのロック部材38a,38b、およびICチップアセンブリ40を有する。
【0080】
筐体10は、現像剤であるトナーを収容可能な容器である。筐体10は、第1方向に延びる。筐体10は、第1端部11と第2端部12と、筒状の周面13とを有する。第1端部11は、第1方向において、第2端部12と離れている。2つの戻しばね31a,31b、トナーカップリング321、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、内歯ギア34、太陽ギア351、回転板352、カバー36、2つのボス37a,37b、および2つのロック部材38a,38bは、第1端部11に位置する。ICチップアセンブリ40は、第2端部12に位置する。周面13は、第1端部11と第2端部12との間で、第1方向に延びる。周面13は、第1方向に延びる第1軸A1を中心とする筒状である。
【0081】
筐体10は、内部に収容室14を有する。トナーは、収容室14に収容される。また、図8に示すように、筐体10は、トナー排出口15を有する。トナー排出口15は、第1方向における周面13の一端部に位置する。
【0082】
シャッタ16は、筐体10の第1端部11に位置する。シャッタ16は、ホルダ161とシャッタプレート162とを有する。ホルダ161は、第1軸A1を中心とする略円板状である。シャッタプレート162は、ホルダ161の一部分から、第1方向において筐体10の第1端部11から第2端部12へ向かう方向に延びる。シャッタプレート162は、シャッタ開口163を有する。
【0083】
シャッタ16は、トナー排出口15を閉じる閉位置と、トナー排出口15を開く開位置との間で、第1軸A1について筐体10に対して回転可能である。シャッタ16が閉位置に位置する場合、シャッタプレート162がトナー排出口15を覆う。これにより、シャッタ16がトナー排出口15を閉じる。シャッタ16が開位置に位置する場合、シャッタプレート162のシャッタ開口163が、トナー排出口15と重なる。これにより、シャッタ16がトナー排出口15を開く。すなわち、収容室14と、筐体10の外部空間とが、トナー排出口15、シャッタ開口163、および後述するカバー36の連通口363を介して連通する。その結果、 収容室14に収容されたトナーが、ドラムカートリッジ3へ移動することが可能となる。
【0084】
筐体10は、筐体10の周面に位置する凹み19を有する。シャッタ16は、凹み19内に位置する。凹み19は、第1面191、第1ストッパ面18(第1ストッパ)、および第2ストッパ面17(第2ストッパ)を有する。第1面191は、トナー排出口15を有する。第1ストッパ面18は、後述するアジテータシャフト20の径方向において、第1面191から外側へ延びる。第2ストッパ面17は、後述するアジテータシャフト20の径方向において、第1面191から外側へ延びる。
【0085】
第1ストッパ面18は、シャッタ16の閉位置から開位置への回転方向におけるシャッタ16の移動を止める。シャッタ16が開位置に位置する場合、シャッタ16は第1ストッパ面18と接触する。また、第2ストッパ面17は、シャッタ16の開位置から閉位置への回転方向におけるシャッタ16の移動を止める。シャッタ16が閉位置に位置する場合、シャッタ16は第2ストッパ面17と接触する。これにより、シャッタ16の移動範囲が、閉位置と開位置との間に制限される。
【0086】
なお、第1ストッパ面18は、シャッタ16の回転方向における移動を完全に止めるものでなくてもよい。シャッタ16は、第1ストッパ面18に接触した状態において、僅かに移動可能であってもよい。また、第2ストッパ面17は、シャッタ16の回転方向における移動を完全に止めるものでなくてもよい。シャッタ16は、第2ストッパ面17に接触した状態において、僅かに移動可能であってもよい。
【0087】
本実施形態では、トナー排出口15と第1ストッパ面18が、同じ筐体10にある。このため、トナー排出口15に対してシャッタ16を、精度よく位置決めできる。また、本実施形態では、トナー排出口15と第2ストッパ面17が、同じ筐体10にある。このため、トナー排出口15に対してシャッタ16を、精度よく位置決めできる。ただし、カバー36が、第1ストッパ面18および第2ストッパ面17を有していてもよい。また、第1ストッパおよび第2ストッパは、シャッタ16およびカバー36とは別の部品であってもよい。
【0088】
ホルダ161は、円形の孔167を有する。孔167は、第1方向に貫通する。後述するトナーカップリング321、遊星キャリア322、内歯ギア34、太陽ギア351、および回転板352は、孔167に位置する。
【0089】
図10は、図9のD-D線断面図である。図10に示すように、ホルダ161は、第1凹み164a、第2凹み165a、第3凹み166a、第4凹み164b、第5凹み165b、および第6凹み166bを有する。第1凹み164a、第2凹み165a、第3凹み166a、第4凹み164b、第5凹み165b、および第6凹み166bは、筐体10の第1端部11から第2端部12へ向かう方向に凹む。第1凹み164a、第2凹み165a、第3凹み166a、第4凹み164b、第5凹み165b、および第6凹み166bは、孔167の周囲に沿って並んでいる。
【0090】
アジテータ20は、筐体10内においてトナーを攪拌および搬送するための搬送部材である。アジテータ20は、筐体10の内部に位置する。図3中に破線で示したように、アジテータ20は、アジテータシャフト21およびアジテータ羽根22を有する。アジテータシャフト21は、第1軸A1に沿って第1方向に延びる。アジテータシャフト21は、一端部と他端部とを有する。アジテータシャフト21の一端部は、筐体10の第1端部11に位置する。アジテータシャフト21の他端部は、筐体10の第2端部12に位置する。アジテータ羽根22は、アジテータシャフト21から径方向外側へ向けて拡がる。すなわち、アジテータ羽根22は、アジテータシャフト21から筐体10の内周面へ向けて拡がる。第1方向におけるアジテータシャフト21の一端には、トナーカップリング321が接続される。したがって、トナーカップリング321が第1軸A1について回転すると、トナーカップリング321とともに、アジテータシャフト21およびアジテータ羽根22も、第1軸A1について回転する。そして、アジテータ羽根22が回転すると、筐体10内のトナーが撹拌される。
【0091】
また、図9に示すように、アジテータ20は、筒部材23を有する。筒部材23は、アジテータシャフト21に固定されている。筒部材23は、アジテータシャフト21の他端部よりも一端部の近くに位置する。筒部材23は、外周面に螺旋状の溝を有する。
【0092】
2つの戻しばね31a,31b、トナーカップリング321、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、内歯ギア34、太陽ギア351、回転板352、カバー36、2つのボス37a,37b、および2つのロック部材38a,38bは、シャッタ16およびアジテータ20を動作させるための機構である。2つの戻しばね31a,31b、トナーカップリング321、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、内歯ギア34、太陽ギア351、回転板352、カバー36、2つのボス37a,37b、および2つのロック部材38a,38bは、筐体10の第1端部11に位置する。
【0093】
2つの戻しばね31a,31bは、シャッタ16を、開位置から閉位置へ向けて付勢する弾性部材(シャッタ用弾性部材)である。戻しばね31aは、ホルダ161に設けられた第1凹み164aに収容される。戻しばね31bは、ホルダ161に設けられた第4凹み164bに収容される。第1凹み164aは、第1軸A1を中心とする円弧状である。第1軸A1を中心とする周方向における戻しばね31aの一端は、ホルダ161に接続される。周方向における戻しばね31aの他端は、カバー36の後述するばね受け部366aに接続される。第1軸A1を中心とする周方向における戻しばね31bの一端は、ホルダ161に接続される。周方向における戻しばね31bの他端は、カバー36の後述するばね受け部366bに接続される。シャッタ16の閉位置と開位置との間の移動に応じて、シャッタ16の回転方向における戻しばね31a,31bの長さは、変わる。
【0094】
シャッタ16の回転方向における戻しばね31a,31bの長さは、第1状態と第2状態との間で、変わる。第2状態におけるシャッタ16の回転方向の戻しばね31a,31bの長さは、第1状態におけるシャッタ16の回転方向の戻しばね31a,31bの長さよりも長い。また、第2状態におけるシャッタ16の回転方向の戻しばね31a,31bの長さは、シャッタ16の回転方向の戻しばね31a,31bの自然長よりも長い。シャッタ16が閉位置に位置する場合、戻しばね31a,31bは第1状態となる。シャッタ16が開位置に位置する場合、戻しばね31a,31bは第2状態となる。
【0095】
トナーカップリング321は、ドラムカートリッジ3の後述する中継カップリング82と接続可能な部品である。トナーカップリング321は、後述する中継カップリング82と接続された状態において、中継カップリング82から駆動力を受けることが可能である。トナーカップリング321は、中継カップリング82から駆動力を受けることにより、第1軸A1について回転可能である。トナーカップリング321は、第1方向におけるアジテータシャフト21の一端部に接続されている。したがって、トナーカップリング321が回転すると、トナーカップリング321とともにアジテータ20も、第1軸A1について回転する。
【0096】
トナーカップリング321は、一端部と他端部とを有する。トナーカップリング321の一端部は、第1方向において、トナーカップリング321の他端部と離れて位置する。トナーカップリング321の一端部は、第1方向において、トナーカップリング321の他端部よりも筐体10の第1端部11から離れて位置する。トナーカップリング321の他端部は、第1方向において、トナーカップリング321の一端部よりも筐体10の第1端部11に近い。
【0097】
遊星キャリア322は、トナーカップリング321の第1方向における他端部から、径方向外側へ向けて拡がる。本実施形態では、トナーカップリング321と遊星キャリア322とが、一体の部品で構成されている。ただし、トナーカップリング321と遊星キャリア322とは、別部品であってもよい。遊星キャリア322は、トナーカップリング321とともに、第1軸A1について回転可能であればよい。
【0098】
遊星キャリア322は、第1遊星ピン323a、第2遊星ピン323b、第3遊星ピン323c、および第4遊星ピン323dを有する。第1遊星ピン323a、第2遊星ピン323b、第3遊星ピン323c、および第4遊星ピン323dは、それぞれ、遊星キャリア322から、第1方向において筐体10の第1端部11から第2端部12へ向かう方向に延びる。第1遊星ピン323a、第2遊星ピン323b、第3遊星ピン323c、および第4遊星ピン323dは、円柱状である。第1遊星ピン323a、第2遊星ピン323b、第3遊星ピン323c、および第4遊星ピン323dは、第1軸A1を中心とする周方向において、間隔を空けて配置されている。好ましくは、第1遊星ピン323a、第2遊星ピン323b、第3遊星ピン323c、および第4遊星ピン323dは、第1軸A1を中心とする周方向において、等しい間隔を空けて配置されている。
【0099】
第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、第1軸A1を中心とする周方向において、間隔を空けて配置されている。好ましくは、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、第1軸A1を中心とする周方向において、等しい間隔を空けて配置されている。
【0100】
第1遊星ギア33aは、第1孔331aを有する。第1遊星ピン323aは、第1孔331aに挿入される。第1遊星ギア33aは、第1遊星ピン323aに支持される。第1遊星ギア33aは、第1孔331aに第1遊星ピン323aが挿入された状態で、遊星キャリア322に対して、第1遊星ピン323aの中心を通る第1遊星軸332aについて回転可能である。第1遊星ギア33aは、外周面に複数のギア歯333aを有する。
【0101】
第2遊星ギア33bは、第2孔331bを有する。第2遊星ピン323bは、第2孔331bに挿入される。第2遊星ギア33bは、第2遊星ピン323bに支持される。第2遊星ギア33bは、第2孔331bに第2遊星ピン323bが挿入された状態で、遊星キャリア322に対して、第2遊星ピン323bの中心を通る第2遊星軸332bについて回転可能である。第2遊星ギア33bは、外周面に複数のギア歯333bを有する。
【0102】
第3遊星ギア33cは、第3孔331cを有する。第3遊星ピン323cは、第3孔331cに挿入される。第3遊星ギア33cは、第3遊星ピン323cに支持される。第3遊星ギア33cは、第3孔331cに第3遊星ピン323cが挿入された状態で、遊星キャリア322に対して、第3遊星ピン323cの中心を通る第3遊星軸332cについて回転可能である。第3遊星ギア33cは、外周面に複数のギア歯333cを有する。
【0103】
第4遊星ギア33dは、第4孔331dを有する。第4遊星ピン323dは、第4孔331dに挿入される。第4遊星ギア33dは、第4遊星ピン323dに支持される。第4遊星ギア33dは、第4孔331dに第4遊星ピン323dが挿入された状態で、遊星キャリア322に対して、第4遊星ピン323dの中心を通る第4遊星軸332dについて回転可能である。第4遊星ギア33dは、外周面に複数のギア歯333dを有する。
【0104】
本実施形態では、1つの遊星キャリア322が、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dを支持する。これにより、第1遊星ギア33aに対して、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dを、精度よく位置決めできる。
【0105】
また、トナーカップリング321が第1軸A1について回転すると、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、トナーカップリング321および遊星キャリア322とともに、第1軸A1について回転する。このように、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、各遊星軸について回転可能であるとともに、後述する太陽ギア351の周りを回転することも可能である。
【0106】
内歯ギア34は、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dを囲む円環状のギアである。内歯ギア34は、その中心軸の位置が第1軸A1と一致するように、配置されている。内歯ギア34は、内周面に複数のギア歯342を有する。第1遊星ギア33aのギア歯333a、第2遊星ギア33bのギア歯333b、第3遊星ギア33cのギア歯333c、および第4遊星ギア33dのギア歯333dと、内歯ギア34のギア歯342とは、互いに噛み合う。
【0107】
また、内歯ギア34は、2本のアーム341a,341bを有する。アーム341a,341bは、内歯ギア34の外周面から、径方向外側へ向けて延びる。すなわち、アーム341a,341bは、内歯ギア34のギア歯に対して、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dから離れて延びる。アーム341aは、ホルダ161に設けられた第2凹み165aに嵌まる。アーム341bは、ホルダ161に設けられた第5凹み165bに嵌まる。これにより、シャッタ16は、内歯ギア34とともに回転可能となる。したがって、内歯ギア34が第1軸A1について回転すると、内歯ギア34とともにシャッタ16も第1軸A1について回転する。
【0108】
太陽ギア351は、第1軸A1について回転可能なギアである。第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、太陽ギア351の周りに位置する。太陽ギア351は、外周面に複数のギア歯354を有する。第1遊星ギア33aのギア歯333a、第2遊星ギア33bのギア歯333b、第3遊星ギア33cのギア歯333c、および第4遊星ギア33dのギア歯333dと、太陽ギア351のギア歯354とは、互いに噛み合う。太陽ギア351は、第1軸A1を中心とする円形の孔351Aを有する。トナーカップリング321は、太陽ギア351の孔351Aに挿入される。
【0109】
トナーカップリング321、太陽ギア351、4つの遊星ギア33a,33b,33c,33d、および内歯ギア34は、第1軸A1に直交する同一の平面上に位置する。言い換えると、第1軸A1に直交するアジテータシャフト21の径方向において、太陽ギア351は、トナーカップリング321よりも第1軸A1から離れて位置する。アジテータシャフト21の径方向において、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、太陽ギア351よりも第1軸A1から離れて位置する。アジテータシャフト21の径方向において、内歯ギア34は、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dよりも第1軸A1から離れて位置する。さらに言い換えると、トナーカップリング321、太陽ギア351、各遊星ギア33a,33b,33c,33d、および内歯ギア34は、アジテータシャフト21の径方向において、並ぶ。これにより、トナーカートリッジ2の第1方向の寸法が低減される。
【0110】
太陽ギア351は、一端部と他端部とを有する。太陽ギア351の一端部は、第1方向において、太陽ギア351の他端部と離れて位置する。太陽ギア351の一端部は、第1方向において、太陽ギア351の他端部よりも筐体10の第1端部11から離れて位置する。太陽ギア351の他端部は、第1方向において、太陽ギア351の一端部よりも筐体10の第1端部11に近い。
【0111】
回転板352は、太陽ギア351の一端部から、径方向外側へ向けて拡がる。回転板352は、太陽ギア351とともに、第1軸A1について回転可能である。本実施形態では、太陽ギア351と回転板352とが、一体の部品で構成されている。ただし、太陽ギア351と回転板352とは、別部品であってもよい。回転板352は、太陽ギア351とともに、第1軸A1について回転可能であればよい。回転板352は、外周面に複数の溝353を有する。複数の溝353は、回転板352の外周面に沿って、間隔を空けて並んでいる。好ましくは、複数の溝353は、回転板352の外周面に沿って、等しい間隔を空けて並んでいる。各溝353は、回転板352の外周部から、径方向内側へ向けて凹む。第1方向に視たときの溝353の形状は、円弧状である。
【0112】
カバー36は、筐体10の第1端部11に固定される。カバー36は、ギアカバー部361とシャッタカバー部362とを有する。ギアカバー部361は、第1軸A1を中心とする略円板状である。シャッタカバー部362は、ギアカバー部361の外周部の一部分から、筐体10へ向けて、第1方向に延びる。戻しばね31a,31b、トナーカップリング321、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、内歯ギア34、太陽ギア351、回転板352、および2つのボス37a,37bは、第1方向において、筐体10の第1端部11と、ギアカバー部361との間に位置する。シャッタカバー部362は、シャッタプレート162の少なくとも一部を覆う。
【0113】
シャッタカバー部362は、連通口363を有する。シャッタ16が閉位置に位置する場合およびシャッタ16が開位置に位置する場合のいずれの場合であっても、連通口363は、トナー排出口15と重なる位置にある。シャッタ16が閉位置に位置する場合、連通口363は、シャッタプレート162により塞がれる。シャッタ16が開位置に位置する場合、シャッタ開口163は、トナー排出口15および連通口363と重なる。これにより、収容室14と、筐体10の外部空間とが、トナー排出口15、シャッタ開口163、および連通口363を介して連通する。
【0114】
図11は、カバー36を、第1方向において筐体10の第2端部12から第1端部11へ向かう方向に視た図である。図11に示すように、カバー36は、センター貫通孔364、2つのサイド貫通孔365a,365b、2つのばね受け部366a,366bおよび2つのガイド溝367a,367bを有する。
【0115】
センター貫通孔364および2つのサイド貫通孔365a,365bは、ギアカバー部361を第1方向に貫通する。センター貫通孔364は、ギアカバー部361の中央に位置する。第1方向に視たときのセンター貫通孔364の形状は、円形である。トナーカップリング321は、センター貫通孔364を介して、カバー36の外部に露出する。2つのサイド貫通孔365a,365bは、センター貫通孔364の周囲に位置する。2つのサイド貫通孔365a,365bは、センター貫通孔364を挟んで、互いに反対側に位置する。第1方向に視たときのサイド貫通孔365a,365bの形状は、矩形である。後述するロック部材38aは、サイド貫通孔365aを介して、カバー36の外部に露出する。後述するロック部材38bは、サイド貫通孔365bを介して、カバー36の外部に露出する。
【0116】
2つのばね受け部366a,366bは、ギアカバー部361から、シャッタ16へ向けて、第1方向に突出する。2つのばね受け部366a,366bは、センター貫通孔364を挟んで、互いに反対側に位置する。ばね受け部366aには、上述した戻しばね31aの他端が接続される。ばね受け部366bには、上述した戻しばね31bの他端が接続される。
【0117】
ガイド溝367aは、ボス37aをガイドするための溝である。ガイド溝367bは、ボス37bをガイドするための溝である。2つのガイド溝367a,367bは、ギアカバー部361の、第1方向においてシャッタ16と向かい合う面に位置する。2つのガイド溝367a,367bは、センター貫通孔364を挟んで、互いに反対側に位置する。各ガイド溝367a,367bは、シャッタ16の回転方向に沿って延びる。各ガイド溝367a,367bは、円弧状である。各ガイド溝367a,367bは、一端部367Aと他端部367Bとを有する。一端部367Aは、他端部367Bよりも、第1軸A1の近くに位置する。
【0118】
2つのボス37a,37bは、回転板352の周囲に位置する。ボス37aは、ホルダ161に設けられた第2凹み165aに挿入されている。ボス37bは、ホルダ161に設けられた第5凹み165bに挿入されている。したがって、シャッタ16が第1軸A1について回転すると、ボス37aは、第2凹み165aとともに、第1軸A1を中心とする周方向に移動し、ボス37bは、第5凹み165bとともに、第1軸A1を中心とする周方向に移動する。
【0119】
第2凹み165aは、第1軸A1を中心とする径方向に沿って延びている。このため、ボス37aは、第1位置と、第1位置よりも径方向外側の第2位置との間で、第2凹み165aに沿って移動可能である。ボス37aが第1位置に位置する場合、ボス37aの径方向内側の端部は、回転板352の溝353内に位置する。ボス37aが第2位置に位置する場合、ボス37aの全体が、回転板352の溝353外に位置する。複数の溝353は、回転板352の外周面の全周に配置されている。このため、回転板352の回転位置にかかわらず、回転板352の溝353にボスを嵌めることができる。
【0120】
第5凹み165bは、第1軸A1を中心とする径方向に沿って延びている。このため、ボス37bは、第1位置と、第1位置よりも径方向外側の第2位置との間で、第5凹み165bに沿って移動可能である。ボス37bが第1位置に位置する場合、ボス37bの径方向内側の端部は、回転板352の溝353内に位置する。ボス37bが第2位置に位置する場合、ボス37bの全体が、回転板352の溝353外に位置する。
【0121】
ボス37aは、ガイド突起371aを有する。ガイド突起371aは、ボス37aから、ガイド溝367aへ向けて、第1方向に突出する。ボス37bは、ガイド突起371bを有する。ガイド突起371bは、ボス37bから、ガイド溝367bへ向けて、第1方向に突出する。図12および図13は、図9のA-A線断面図である。図12は、シャッタ16が閉位置の場合を示している。図13は、シャッタ16が開位置の場合を示している。図12および図13に示すように、ガイド突起371aの先端は、カバー36のガイド溝367aに嵌まる。また、ガイド突起371bの先端は、カバー36のガイド溝367bに嵌まる。
【0122】
後述する中継カップリング82がトナーカップリング321に接続されていない場合、すなわち、トナーカップリング321に駆動力が供給されていない場合、戻しばね31a,31bの弾性力により、戻しばね31a,31bは第1状態となる。このため、シャッタ16は閉位置に位置する。したがって、トナー排出口15は、シャッタプレート162により閉鎖される。このとき、図12のように、ボス37aのガイド突起371aは、ガイド溝367aの一端部367Aに位置し、ボス37bのガイド突起371bは、ガイド溝367bの一端部367Aに位置する。また、ボス37a,37bは、上述した第1位置に位置する。したがって、ボス37a,37bの径方向内側の端部は、回転板352の溝353に嵌まる。すなわち、ボス37aは、シャッタ16の第2凹み165aと、回転板352の溝353と、の両方に嵌まる状態となる。また、ボス37bは、シャッタ16の第5凹み165bと、回転板352の溝353と、の両方に嵌まる状態となる。これにより、シャッタ16および内歯ギア34が、太陽ギア351、回転板352、およびボス37a,37bとともに、回転可能となる。
【0123】
この状態では、内歯ギア34は、太陽ギア351に対して回転できない。すなわち、内歯ギア34は、太陽ギア351とともに回転する。このため、内歯ギア34および太陽ギア351の両方に噛み合う第1遊星ギア33aも、第1遊星軸332aについて回転不可能となる。同様に、第2遊星ギア33bも、第2遊星軸332bについて回転不可能となる。同様に、第3遊星ギア33cも、第3遊星軸332cについて回転不可能となる。同様に、第4遊星ギア33dも、第4遊星軸332dについて回転不可能となる。
【0124】
したがって、この状態でトナーカップリング321に駆動力が供給されると、トナーカップリング321の回転に伴い、シャッタ16は、遊星キャリア322、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、太陽ギア351、回転板352、2つのボス37a,37b、および内歯ギア34とともに、第1軸A1について回転する。これにより、シャッタ16が、閉位置から開位置へ移動する。その結果、トナー排出口15が開放される。
【0125】
シャッタ16が閉位置から開位置へ回転すると、戻しばね31a,31bは、第1状態から第2状態へ伸びる。そして、シャッタ16は、第1ストッパ面18に接触することにより、移動を停止する。このとき、図13のように、ボス37aのガイド突起371aは、ガイド溝367aの一端部367Aから他端部367Bへ移動し、ボス37bのガイド突起371bは、ガイド溝367bの一端部367Aから他端部367Bへ移動する。そうすると、ボス37aは、第2凹み165aに沿って、第1位置から第2位置へ移動し、ボス37bは、第5凹み165bに沿って、第1位置から第2位置へ移動する。これにより、回転板352の溝353からボス37a,37bが離れる。すなわち、ボス37aは、回転板352の溝353に嵌まることなく、シャッタ16の第2凹み165に嵌まる状態となり、ボス37bは、回転板352の溝353に嵌まることなく、シャッタ16の第5凹み165bに嵌まる状態となる。これにより、シャッタ16および内歯ギア34に対して、太陽ギア351および回転板352が、回転可能となる。
【0126】
上述の通り、シャッタ16が第1ストッパ面18に接触すると、シャッタ16および内歯ギア34の回転が停止する。しかしながら、回転板352の溝353からボス37a,37bが離れるため、内歯ギア34に対して太陽ギア351が、回転可能となる。したがって、第1遊星ギア33aは、内歯ギア34および太陽ギア351と噛み合いながら、第1遊星軸332aについて回転する。同様に、第2遊星ギア33bは、内歯ギア34および太陽ギア351と噛み合いながら、第2遊星軸332bについて回転する。同様に、第3遊星ギア33cは、内歯ギア34および太陽ギア351と噛み合いながら、第3遊星軸332cについて回転する。同様に、第4遊星ギア33dは、内歯ギア34および太陽ギア351と噛み合いながら、第2遊星軸332dについて回転する。これにより、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dは、各遊星軸について回転しつつ、太陽ギア351の周りを周方向に移動する。また、太陽ギア351は、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、および第4遊星ギア33dとの噛み合いにより、第1軸A1について回転する。このときの太陽ギア351の回転速度は、トナーカップリング321の回転速度よりも速い。
【0127】
このように、ボス37a,37bが第2位置に位置する状態では、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、および太陽ギア351が、内歯ギア34に対して回転することが可能となる。このため、トナーカップリング321の回転に伴い、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、および太陽ギア351は回転するが、内歯ギア34は回転しない状態となる。したがって、シャッタ16が開位置まで移動した後、トナーカップリング321がさらに回転しても、シャッタ16は開位置のまま静止する。
【0128】
また、トナーカップリング321は、アジテータシャフト21の一端部に接続されている。このため、トナーカップリング321が第1軸A1について回転すると、アジテータ20も第1軸A1について回転する。したがって、上述のようにシャッタ16が開位置で静止した後も、トナーカップリング321の回転に伴い、アジテータ20は回転を継続する。これにより、筐体10内のトナーが攪拌される。
【0129】
このように、このトナーカートリッジ2は、トナーカップリング321の回転に伴い、シャッタ16の移動と、アジテータ20の回転と、の両方を実現できる。具体的には、トナーカップリング321の回転に伴い、アジテータ20を回転させるとともに、シャッタ16を閉位置から開位置へ移動させることができる。また、シャッタ16が閉位置から開位置へ移動すると、ボス37a,37bが第1位置から第2位置へ移動する。そうすると、第1遊星ギア33a、第2遊星ギア33b、第3遊星ギア33c、第4遊星ギア33d、および太陽ギア351が空転し、内歯ギア34が回転しなくなる。これにより、シャッタ16を開位置に維持したまま、アジテータ20の回転を継続させることができる。
【0130】
その後、トナーカップリング321への駆動力の供給が停止されると、戻しばね31a,31bは、その弾性力によって、第2状態から第1状態へ縮む。これにより、シャッタ16が、開位置から再び閉位置へ移動する。その結果、シャッタプレート162によって、トナー排出口15が再び閉鎖される。
【0131】
2つのロック部材38a,38bは、シャッタ16の回転をロックするための部材である。ロック部材38a(第1ロック部)は、ホルダ161に設けられた第3凹み166aに嵌まる。ロック部材38b(第2ロック部)は、ホルダ161に設けられた第6凹み166bに嵌まる。
【0132】
ロック部材38aは、ロック突起381aと、ロック用ばね382aと、を有する。ロック突起381aは、ロック位置と、第1方向においてロック位置よりもカバー36から離れた解除位置との間で、第1方向に移動可能である。ロック突起381aがロック位置に位置する場合、ロック突起381aは、第3凹み165aの外部に位置する。ロック突起381aが解除位置に位置する場合、ロック突起381aは、第3凹み165aの内部に位置する。
【0133】
ロック部材38bは、ロック突起381bと、ロック用ばね382bと、を有する。ロック突起381bは、ロック位置と、第1方向においてロック位置よりもカバー36から離れた解除位置との間で、第1方向に移動可能である。ロック突起381bがロック位置に位置する場合、ロック突起381bは、第6凹み165bの外部に位置する。ロック突起381bが解除位置に位置する場合、ロック突起381bは、第6凹み165bの内部に位置する。
【0134】
ロック用ばね382aは、ロック突起381aとホルダ161との間に位置する。ロック用ばね382aは、弾性部材(ロック用弾性部材)である。第1方向におけるロック用ばね382aの長さは、伸長状態と収縮状態との間で変わる。伸長状態におけるロック用ばね382aの第1方向の長さは、収縮状態におけるロック用ばね382aの第1方向の長さよりも長い。ロック用ばね382aが伸長状態の場合、ロック突起381aは、ロック位置に位置する。ロック用ばね382aが収縮状態の場合、ロック突起381aは、解除位置に位置する。ロック突起381aは、ロック用ばね382aの弾性力によって、解除位置からロック位置へ向けて、常に付勢される。
【0135】
ロック用ばね382bは、ロック突起381bとホルダ161との間に位置する。ロック用ばね382bは、弾性部材(ロック用弾性部材)である。第1方向におけるロック用ばね382bの長さは、伸長状態と収縮状態との間で変わる。伸長状態におけるロック用ばね382bの第1方向の長さは、収縮状態におけるロック用ばね382bの第1方向の長さよりも長い。ロック用ばね382bが伸長状態の場合、ロック突起381bは、ロック位置に位置する。ロック用ばね382bが収縮状態の場合、ロック突起381bは、解除位置に位置する。ロック突起381bは、ロック用ばね382bの弾性力によって、解除位置からロック位置へ向けて、常に付勢される。
【0136】
ロック突起381aは、ロック部材38aからサイド貫通孔365aへ向けて突出する。ロック用ばね382aが伸長状態であり、ロック突起38aがロック位置に位置する場合、ロック突起381aは、カバー36のサイド貫通孔365aに挿入される。ロック突起381bは、ロック部材38bからサイド貫通孔365bへ向けて突出する。ロック用ばね382bが伸長状態であり、ロック突起38bがロック位置に位置する場合、ロック突起381bは、カバー36のサイド貫通孔365bに挿入される。
【0137】
ロック突起381aがサイド貫通孔365aに挿入された状態では、ロック部材38aが、カバー36とホルダ161との両方に接触する。ロック突起381bがサイド貫通孔365bに挿入された状態では、ロック部材38bが、カバー36とホルダ161との両方に接触する。この状態では、筐体10およびカバー36に対して、シャッタ16は、第1軸A1について回転不可能である。したがって、シャッタ16は、閉位置から開位置へ移動不可能となる。
【0138】
ドラムカートリッジ3の後述するロック解除部材81により、ロック突起381a,381bがホルダ161へ向けて第1方向に押されると、ロック用ばね382a,382bが伸長状態から収縮状態へ縮む。これにより、ロック突起381a,381bが、ロック位置から解除位置へ移動する。そうすると、カバー36のサイド貫通孔365aから、ロック突起381aが抜け、カバー36のサイド貫通孔365bから、ロック突起381bが抜ける。その結果、カバー36からロック突起381a,381bが離れる。この状態では、筐体10およびカバー36に対して、ロック部材38a,38bおよびシャッタ16が、第1軸A1について回転可能となる。したがって、シャッタ16は、閉位置から開位置へ移動可能となる。
【0139】
本実施形態の構造では、2つのロック突起381a,381bを同時に押圧しないと、シャッタ16のロックが解除されない。このため、トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着されていない状態において、ユーザの誤操作により、シャッタ16のロックが解除されることを抑制できる。
【0140】
図14および図15は、アジテータシャフト21とトナーカップリング321の接続部分の断面図(図9のB-B線断面図)である。図14および図15に示すように、トナーカップリング321は、2つのクラッチ孔324a,324bを有する。クラッチ孔324a,324bは、トナーカップリング321を第1方向に貫通する貫通孔、または、第1方向に凹む凹部である。また、クラッチ孔324は、第1軸A1を中心とした円弧状である。一方、アジテータシャフト21は、2つのクラッチ爪211a,211bを有する。2つのクラッチ爪211a,211bは、第1方向におけるアジテータシャフト21の一端部に位置する。
【0141】
クラッチ爪211aは、クラッチ孔324aに挿入される。クラッチ爪211bは、クラッチ孔324bに挿入される。クラッチ孔324aの第1軸A1を中心とする周方向の幅は、クラッチ爪211aの第1軸A1を中心とする周方向の幅よりも、大きい。クラッチ孔324bの第1軸A1を中心とする周方向の幅は、クラッチ爪211bの第1軸A1を中心とする周方向の幅よりも、大きい。また、クラッチ孔324a,324bの第1軸A1を中心とする周方向の角度は、シャッタ16が閉位置と開位置との間で第1軸A1について回転する角度と略同一か、それよりも大きい。
【0142】
シャッタ16が閉位置から開位置へ移動するときには、トナーカップリング321が、第1軸A1について、シャッタ16が閉位置から開位置へ向かう方向と同じ方向(図14の矢印の方向)に回転する。このとき、クラッチ爪211aは、クラッチ孔324aの周方向の一端に接触し、クラッチ爪211bは、クラッチ孔324bの周方向の一端に接触する。これにより、トナーカップリング321の回転が、アジテータ20へ伝達される。したがって、トナーカップリング321とともに、アジテータ20が、シャッタ16の閉位置から開位置へ向かう方向と同じ方向に回転する。また、シャッタ16が閉位置から開位置へ移動した後も、同様に、トナーカップリング321とともに、アジテータ20が回転する。
【0143】
シャッタ16が開位置から閉位置へ移動するときには、シャッタ16とともに、トナーカップリング321が、第1軸A1について、シャッタ16が開位置から閉位置へ向かう回転方向(図15の矢印の方向)に回転する。すなわち、シャッタ16が開位置から閉位置へ移動するときのトナーカップリング321の回転方向は、シャッタ16が閉位置から開位置へ移動するときのトナーカップリング321の回転方向と逆である。このとき、クラッチ孔324aの周方向の一端が、クラッチ爪211aから離れ、クラッチ孔324bの周方向の一端が、クラッチ爪211bから離れる。ただし、クラッチ孔324aの周方向の他端は、クラッチ爪211aに接触せず、クラッチ孔324bの周方向の他端は、クラッチ爪211bに接触しない。このため、トナーカップリング321の回転は、アジテータ20へ伝達されない。これにより、アジテータ20が、シャッタ16の開位置から閉位置へ向かう方向と同じ方向に回転することが防止される。
【0144】
このように、本実施形態では、クラッチ孔324a,324bおよびクラッチ爪211a,211bにより、シャッタ16が開位置から閉位置へ移動する場合に、アジテータ20がトナーカップリング321とともに回転することを抑制するクラッチが、構成されている。
【0145】
ICチップアセンブリ40は、筐体10の第2端部12に位置する。ICチップアセンブリ40は、記憶媒体であるICチップ41と、ICチップ41を保持するチップホルダ42とを有する。ICチップ41は、チップホルダ42の外表面に固定される。ICチップ41は、トナーカートリッジ2に関する種々の情報を記憶可能である。具体的には、ICチップ41は、トナーカートリッジ2に収容されるトナーの容量または残量を示す情報を記憶する。また、ICチップ41は、トナーカートリッジ2の仕様を示す他の情報を記憶していてもよい。例えば、ICチップ41は、トナーの種類、トナーカートリッジ2の製造シリアル番号、純正品であることを示す識別コード、適合機種などを記憶していてもよい。
【0146】
ICチップ41は、電気的接触面411を有する。電気的接触面411は、導体である金属からなる。電気的接触面411は、筐体10の第2端部12の外表面に露出する。なお、ICチップ41のうち、電気的接触面411のみが筐体10の第2端部12の外表面に位置し、ICチップ41の電気的接触面411以外の部分は、筐体10の他の部分に位置していてもよい。
【0147】
チップホルダ42は、筐体10に対して、第1方向に移動可能である。チップホルダ42が第1方向に移動すると、チップホルダ42とともに、ICチップ41の電気的接触面411も、筐体10に対して第1方向に移動する。
【0148】
また、図4中に破線で示したように、トナーカートリッジ2は、ICチップ用ばね43(第2弾性部材)を有する。ICチップ用ばね43は、筐体10の第2端部12とチップホルダ42との間に位置する。トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着された場合、後述するドラム接点91が、ICチップ41の電気的接触面411に接触する。このとき、ICチップ用ばね43は、ICチップ用ばね43の弾性力により、電気的接触面411を、ドラム接点91へ向けて第1方向に押圧する。これにより、電気的接触面411とドラム接点91との接触が安定する。
【0149】
<3.ドラムカートリッジについて>
続いて、ドラムカートリッジ3の構造について、説明する。図16および図17は、ドラムカートリッジ3の斜視図である。ドラムカートリッジ3は、ドラムフレーム50、4つの現像ローラ60、4つの感光ドラム70、4つのロック解除部材81、4つの中継カップリング82、4つの接触部材83、複数の引きばね84、および配線部90を有する。
【0150】
ドラムフレーム50は、4つのトナーカートリッジ2を装着可能である。ドラムフレーム50は、第1サイドフレーム51、第2サイドフレーム52、および第3フレーム53を有する。第1サイドフレーム51および第2サイドフレーム52は、それぞれ、第1方向に対して垂直に拡がる略平板状である。第1サイドフレーム51と第2サイドフレーム52とは、第1方向に間隔をあけて位置する。第3フレーム53は、第1サイドフレーム51と第2サイドフレーム52とを、第1方向に繋ぐ。4つのトナーカートリッジ2は、第1サイドフレーム51と第2サイドフレーム52との間に挿入される。
【0151】
現像ローラ60は、第1方向に延びる回転軸(現像軸)について回転可能なローラである。本実施形態の現像ローラ60は、磁気ローラである。第1方向における現像ローラ60の一端部は、第1サイドフレーム51に支持される。第1方向における現像ローラ60の他端部は、第2サイドフレーム52に支持される。4つの現像ローラ60は、第2方向に間隔を空けて並んでいる。
【0152】
ドラムフレーム50にトナーカートリッジ2が装着されると、トナーカートリッジ2のトナー排出口15は、現像ローラ60の外表面と向かい合う。また、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着されると、現像ローラ60は、画像形成装置1から供給される駆動力により回転する。そして、シャッタ16が閉位置から開位置へ移動することにより、トナー排出口15が開かれると、トナーカートリッジ2内のトナーが、トナー排出口15を介して、現像ローラ60の外表面へ供給される。
【0153】
感光ドラム70は、第1方向に延びる回転軸(ドラム軸)について回転可能なドラムである。第1方向における感光ドラム70の一端部は、第1サイドフレーム51に支持される。第1方向における感光ドラム70の他端部は、第2サイドフレーム52に支持される。4つの感光ドラム70は、第2方向に間隔を空けて並んでいる。感光ドラム70の外表面は、感光材料に覆われている。現像ローラ60の外表面と、感光ドラム70の外表面とは、互いに離れている。
【0154】
トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着されると、感光ドラム70は、画像形成装置1から供給される駆動力により回転する。また、印刷処理時には、本体フレーム4内の図示を省略した光源から、感光ドラム70の外表面に向けて、光が照射される。これにより、感光ドラム70の外表面が、部分的に露光される。そして、現像ローラ60の外表面に担持されたトナーが、感光ドラム70の露光された部分へ供給される。その後、感光ドラム70から印刷用紙へ、トナーが転写される。これにより、印刷用紙に、トナーによる画像が形成される。
【0155】
図18は、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4へ挿入される途中の様子を示す、画像形成装置1の部分断面図である。図18に示すように、ロック解除部材81、中継カップリング82、接触部材83、および引きばね84は、第1サイドフレーム51に位置する。
【0156】
ロック解除部材81は、トナーカートリッジ2のロック部材38a,38bによるシャッタ16のロックを解除するための部品である。ロック解除部材81は、退避位置と進出位置との間で、第1方向に移動可能である。進出位置に位置する場合のロック解除部材81は、退避位置に位置する場合のロック解除部材81よりも、第1方向において、第2サイドフレーム52に近い。
【0157】
ロック解除部材81は、第1押圧部811および第2押圧部812を有する。第1押圧部811および第2押圧部812は、それぞれ、第2サイドフレーム52へ向けて突出する。トナーカートリッジ2がドラムフレーム50に装着された状態において、ロック解除部材81が進出位置に位置する場合、第1押圧部811は、トナーカートリッジ2のロック突起381aを押圧し、第2押圧部812は、トナーカートリッジ2のロック突起381bを押圧する。
【0158】
中継カップリング82は、トナーカートリッジ2のトナーカップリング321へ、駆動力を供給するための部品である。中継カップリング82は、第1方向に延びる回転軸(カップリング軸)について回転可能である。また、中継カップリング82は、ロック解除部材81とともに、退避位置と進出位置との間で、第1方向に移動可能である。進出位置に位置する場合の中継カップリング82は、退避位置に位置する場合の中継カップリング82よりも、第1方向において、第2サイドフレーム52に近い。トナーカートリッジ2がドラムフレーム50に装着された状態において、中継カップリング82が進出位置に位置する場合、中継カップリング82は、トナーカップリング321と連結可能である。
【0159】
接触部材83は、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着された場合に、本体フレーム4の第1サイドプレート401と接触する部材である。接触部材83は、ロック解除部材81および中継カップリング82とともに、退避位置と進出位置との間で、第1方向に移動可能である。進出位置に位置する場合の接触部材83は、退避位置に位置する場合の接触部材83よりも、第1方向において、第2サイドフレーム52に近い。接触部材83は、傾斜面831を有する。傾斜面831は、第2方向に対して傾斜する。
【0160】
引きばね84は、ロック解除部材81、中継カップリング82、および接触部材83を、進出位置から退避位置へ向けて付勢するための弾性部材である。第1方向における引きばね84の一端は、第1サイドフレーム51に接続されている。第1方向における引きばね84の他端は、ロック解除部材81に接続されている。第1方向における引きばね84の長さは、伸長状態と収縮状態との間で変わる。伸長状態における引きばね84の第1方向の長さは、収縮状態における引きばね84の第1方向の長さよりも長い。また、伸長状態における引きばね84の第1方向の長さは、引きばね84の自然長よりも長い。ロック解除部材81、中継カップリング82、および接触部材83は、引きばね84により、進出位置から退避位置へ向けて、常に付勢されている。
【0161】
ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着されていない場合、引きばね84は、収縮状態となる。したがって、ロック解除部材81、中継カップリング82、および接触部材83は、退避位置に位置する。この場合、ロック解除部材81は、第1方向において、トナーカートリッジ2のロック部材38a,38bから離れた位置にある。具体的には、第1押圧部811が、第1方向において、トナーカートリッジ2のロック部材38aから離れた位置にあり、第2押圧部812が、第1方向において、トナーカートリッジ2のロック部材38bから離れた位置にある。また、中継カップリング82は、トナーカップリング321から離れた位置にある。このとき、トナーカートリッジ2のロック部材38a,38bは、ロック位置に位置する。また、トナーカップリング321に動力は供給されない。
【0162】
トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着されると、接触部材83の一部が、本体フレーム4の内表面に接触する。具体的には、接触部材83の傾斜面831が、第1サイドプレート401に接触する。そうすると、接触部材83は、退避位置から進出位置へ移動する。そして、接触部材83とともに、ロック解除部材81も、退避位置から進出位置へ移動する。これにより、ロック解除部材81の第1押圧部811が、ロック突起381aを第1方向に押圧し、ロック解除部材81の第2押圧部812が、ロック突起381bを第1方向に押圧する。その結果、ロック突起381a,381bが、ロック位置から解除位置へ移動し、ロック部材38a,38bによるシャッタ16の移動のロックが解除される。
【0163】
また、このとき、接触部材83とともに、中継カップリング82も、退避位置から進出位置へ移動する。これにより、中継カップリング82が、トナーカップリング321と連結する。その後、画像形成装置1からの駆動力により、中継カップリング82が回転すると、中継カップリング82とともに、トナーカップリング321も回転する。
【0164】
以上のように、この画像形成装置1では、トナーカートリッジ2のロック部材38a,38bを押圧するロック解除部材81が、画像形成装置1の本体フレーム4ではなく、ドラムカートリッジ3に設けられている。このため、ロック解除部材81が本体フレーム4に設けられている場合よりも、ロック部材38a,38bに対してロック解除部材81を、精度よく位置決めできる。したがって、ロック解除部材81により、ロック部材38a,38bを精度よく押圧できる。
【0165】
また、この画像形成装置1では、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着される動作に伴い、ロック解除部材81が、退避位置から進出位置へ移動する。このため、画像形成装置1内のモータから得られる動力に依存することなく、ロック解除部材81を、退避位置から進出位置へ移動させることができる。
【0166】
また、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着されていないときには、ロック解除部材81は、退避位置に位置する。このため、ドラムフレーム50に対するトナーカートリッジ2の装着の動作が、ロック解除部材81に妨げられることがない。
【0167】
また、この画像形成装置1では、トナーカートリッジ2のトナーカップリング321へ駆動力を供給するための中継カップリング82が、画像形成装置1の本体フレーム4ではなく、ドラムカートリッジ3に設けられている。このため、中継カップリング82が本体フレーム4に設けられている場合よりも、トナーカップリング321に対して中継カップリング82を、精度よく位置決めできる。したがって、トナーカップリング321に対して中継カップリング82を、精度よく接続できる。
【0168】
配線部90は、トナーカートリッジ2のICチップ41と、画像形成装置1の本体コネクタ403とを、電気的に接続する部分である。図19は、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4へ挿入される途中の様子を示す、画像形成装置1の部分断面図である。図1および図19に示すように、配線部90は、4つのドラム接点91a~91d、ドラムハーネス92、ドラムコネクタ93、4つの接点ホルダ94a~94d(接点ホルダ94c~94dは図示省略)、および8つの接点用ばね95a~95h(接点用ばね95f~95hは図示省略)を有する。
【0169】
4つのドラム接点91a~91dは、ドラムハーネス92を介して、ドラムコネクタ93と電気的に接続されている。ドラムコネクタ93は、第3フレーム53に位置する。トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着された場合、ドラムコネクタ93は、本体コネクタ403と接触する。これにより、ドラムコネクタ93と本体コネクタ403とが、電気的に接続される。
【0170】
4つのドラム接点91a~91dは、第2サイドフレーム52に位置する。4つのドラム接点91a~91dは、第2方向に間隔をあけて並んでいる。4つの接点ホルダ94a~94dは、第2サイドフレーム52に位置する。4つの接点ホルダ94は、第2方向に間隔をあけて並んでいる。ドラム接点91aは、接点ホルダ94aに保持される。ドラム接点91aは、接点ホルダ94aの第1サイドフレーム51と向かい合う面に位置する。ドラム接点91bは、接点ホルダ94bに保持される。ドラム接点91bは、接点ホルダ94bの第1サイドフレーム51と向かい合う面に位置する。ドラム接点91cは、接点ホルダ94cに保持される。ドラム接点91cは、接点ホルダ94cの第1サイドフレーム51と向かい合う面に位置する。ドラム接点91dは、接点ホルダ94dに保持される。ドラム接点91dは、接点ホルダ94dの第1サイドフレーム51と向かい合う面に位置する。
【0171】
接点ホルダ94aは、傾斜面941を含む。傾斜面941は、第2方向に対して傾斜する。ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着された場合、傾斜面941は、本体フレーム4の第2サイドプレート402と接触する。また、接点ホルダ94aは、2つの突起942を有する。2つの突起942は、接点ホルダ94aの第1サイドフレーム51と向かい合う面から、第1サイドフレーム51へ向けて、第1方向に突出する。接点ホルダ94b~94dも、接点ホルダ94aと同様の傾斜面941および突起942を有する。
【0172】
ドラム接点91a~91dおよび接点ホルダ94a~94dは、離間位置と接触位置との間で、第1方向に移動可能である。接触位置に位置する場合のドラム接点91a~91dは、離間位置に位置する場合のドラム接点91a~91dよりも、第1方向において、第1サイドフレーム51に近い。また、接触位置に位置する場合の接点ホルダ94a~94dは、離間位置に位置する場合の接点ホルダ94a~94dよりも、第1方向において、第1サイドフレーム51に近い。
【0173】
2つの接点用ばね95a,95bは、ドラム接点91aおよび接点ホルダ94aを、接触位置から離間位置へ向けて付勢するための弾性部材(第1弾性部材)である。2つの接点用ばね95c,95dは、ドラム接点91bおよび接点ホルダ94bを、接触位置から離間位置へ向けて付勢するための弾性部材(第1弾性部材)である。2つの接点用ばね95e,95fは、ドラム接点91cおよび接点ホルダ94cを、接触位置から離間位置へ向けて付勢するための弾性部材(第1弾性部材)である。2つの接点用ばね95g,95hは、ドラム接点91dおよび接点ホルダ94dを、接触位置から離間位置へ向けて付勢するための弾性部材(第1弾性部材)である。
【0174】
第1方向における接点用ばね95a,95bの一端は、接点ホルダ94aに接続されている。第1方向における接点用ばね95c,95dの一端は、接点ホルダ94bに接続されている。第1方向における接点用ばね95e,95fの一端は、接点ホルダ94cに接続されている。第1方向における接点用ばね95g,95hの一端は、接点ホルダ94dに接続されている。第1方向における接点用ばね95a~95hの他端は、第2サイドフレーム52に接続されている。
【0175】
第1方向における接点用ばね95a~95hの長さは、伸長状態と収縮状態との間で変わる。伸長状態における接点用ばね95a~95hの第1方向の長さは、収縮状態における接点用ばね95a~95hの第1方向の長さよりも長い。また、伸長状態における接点用ばね95a~95hの第1方向の長さは、接点用ばね95a~95hの自然長よりも長い。ドラム接点91aおよび接点ホルダ94aは、接点用ばね95a,95bにより、接触位置から離間位置へ向けて、常に付勢されている。ドラム接点91bおよび接点ホルダ94bは、接点用ばね95c,95dにより、接触位置から離間位置へ向けて、常に付勢されている。ドラム接点91cおよび接点ホルダ94cは、接点用ばね95e,95fにより、接触位置から離間位置へ向けて、常に付勢されている。ドラム接点91dおよび接点ホルダ94dは、接点用ばね95g,95hにより、接触位置から離間位置へ向けて、常に付勢されている。
【0176】
ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着されていない場合、接点用ばね95a~95hは、収縮状態となる。したがって、ドラム接点91a~91dおよび接点ホルダ94a~94dは、離間位置に位置する。この場合、ドラム接点91a~91dは、第1方向において、ICチップ41の電気的接触面411から離間した位置にある。
【0177】
トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、本体フレーム4に装着されると、接点ホルダ94a~94dの一部が、本体フレーム4の内表面に接触する。具体的には、接点ホルダ94a~94dの傾斜面941が、第2サイドプレート402に接触する。そうすると、接点ホルダ94a~94dは、離間位置から接触位置へ移動する。そして、接点ホルダ94a~94dとともに、ドラム接点91a~91dも、離間位置から接触位置へ移動する。これにより、ドラム接点91a~91dが、ICチップ41の電気的接触面411に接触する。その結果、ICチップ41に記憶された情報を、ドラム接点91a~91d、ドラムハーネス92、ドラムコネクタ93、本体コネクタ403、および本体ハーネス404を介して、制御部5へ中継することが可能となる。
【0178】
図4および図6に示すように、トナーカートリッジ2は、2つの凹部121を有する。2つの凹部121は、筐体10の第2端部12に位置する。各凹部121は、筐体10の第1端部11へ向けて、第1方向に凹む。接点ホルダ94a~94dが、離間位置から接触位置へ移動すると、接点ホルダ94a~94dの突起942は、凹部121に挿入される。これにより、トナーカートリッジ2に対して接点ホルダ94が、精度よく位置決めされる。その結果、ICチップ41の電気的接触面411に対してドラム接点91を、精度よく接触させることができる。
【0179】
以上のように、この画像形成装置1では、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着される動作に応じて、ドラム接点91a~91dが、離間位置から接触位置へ、第1方向に移動する。このため、画像形成装置1内のモータから得られる動力に依存することなく、ドラム接点91a~91dを、離間位置から接触位置へ移動させることができる。また、トナーカートリッジ2がドラムカートリッジ3に装着される際に、ICチップ41の電気的接触面411とドラム接点91a~91dとが擦れることを抑制できる。
【0180】
また、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着されていないときには、ドラム接点91a~91dおよび接点ホルダ94a~94dは、離間位置に位置する。このため、ドラムフレーム50に対するトナーカートリッジ2の装着の動作が、ドラム接点91a~91dおよび接点ホルダ94a~94dにより妨げられることがない。
【0181】
<4.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0182】
<4-1.第1変形例>
図20は、第1変形例のトナーカートリッジ2の部分分解斜視図である。第1変形例のトナーカートリッジ2は、戻しばね31a,31bを有していない点と、シャッタ16がレバー168を有する点とが、上記の実施形態と異なる。レバー168は、ホルダ161の外周部から、外側へ向けて突出する。また、レバー168は、第1軸A1を挟んで、シャッタプレート162とは反対側に位置する。
【0183】
図21は、第1変形例のトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が、画像形成装置1の本体フレーム4に装着された様子を示した図である。図21に示すように、本体フレーム4は、第3プレート405を有する。第3プレート405は、第1方向において、第1サイドプレート401と第2サイドプレート402との間に位置する。また、第3プレート405は、トナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3が本体フレーム4に装着された状態において、トナーカートリッジ2のレバー168と、第3方向に向かい合う。
【0184】
図22は、第1変形例のトナーカートリッジ2が装着されたドラムカートリッジ3を、本体フレーム4から取り出すときの様子を示した図である。図22に示すように、ドラムカートリッジ3は、まず、第3プレート405へ向けて、第3方向に移動する。このとき、レバー168が第3プレート405に接触することにより、シャッタ16が、開位置から閉位置へ移動する。その結果、トナー排出口15が、シャッタプレート162に塞がれる。その後、ドラムカートリッジ3は、第2方向に引き出される。
【0185】
このようにすれば、戻しばね31a,31bを設けることなく、ドラムカートリッジ3が本体フレーム4から引き出される動作に応じて、シャッタ16を開位置から閉位置へ移動させることができる。したがって、トナーカートリッジ2の部品点数を低減できる。
【0186】
<4-2.第2変形例>
上記の実施形態では、戻しばね31a,31bが、自然長よりも長い第2状態から第1状態へ縮む力を利用して、シャッタ16を開位置から閉位置へ移動させていた。しかしながら、戻しばね31a,31bは、自然長よりも短い第3状態から、第3状態よりも長い第4状態へ伸びる力を利用して、シャッタ16を開位置から閉位置へ移動させるものであってもよい。
【0187】
<4-3.第3変形例>
上記の実施形態では、トナーカートリッジ2が、4つの遊星ギア33a~33dを有していた。しかしながら、トナーカートリッジ2が有する遊星ギアの数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0188】
<4-4.第4変形例>
上記の実施形態では、1つのドラムカートリッジ3に、4つのトナーカートリッジ2を装着可能であった。しかしながら、1つのドラムカートリッジ3に装着可能なトナーカートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。同様に、ドラムカートリッジ3が有する現像ローラ60の数も、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、ドラムカートリッジ3が有する感光ドラム70の数も、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、ドラムカートリッジ3が有する中継カップリング82の数も、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、ドラムカートリッジ3が有するドラム接点91a~91dの数も、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0189】
<4-5.第5変形例>
トナーカップリングおよび中継カップリングは、ギアであってもよい。
【0190】
<4-6.第6変形例>
太陽ギア、遊星ギア、および内歯ギアは、ギア歯が無く、ゴム等の摩擦により動力を伝達するものであってもよい。
【0191】
<4-7.第7変形例>
上記の実施形態のトナーカートリッジは、搬送部材として、アジテータを備えていた。しかしながら、トナーカートリッジは、搬送部材として、スクリュー状のオーガを備えていてもよい。
【0192】
<4-8.その他>
画像形成装置を構成する各部品の細部の形状については、本願の各図に示された形状と異なっていてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0193】
1 画像形成装置
2 トナーカートリッジ
3 ドラムカートリッジ
4 本体フレーム
5 制御部
10 筐体
15 トナー排出口
16 シャッタ
20 アジテータ
31a,31b 戻しばね
33a~33d 遊星ギア
34 内歯ギア
36 カバー
37a,37b ボス
38a,38b ロック部材
41 ICチップ
50 ドラムフレーム
60 現像ローラ
70 感光ドラム
81 ロック解除部材
82 中継カップリング
83 接触部材
84 引きばね
91a~91d ドラム接点
94a~94d 接点ホルダ
95a~95h 接点用ばね
321 トナーカップリング
322 遊星キャリア
351 太陽ギア
352 回転板
A1 第1軸
図1
図2
図3
図4
図5
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