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特開2022-86661光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086661
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/00 20180101AFI20220602BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20220602BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220602BHJP
   F21V 13/12 20060101ALI20220602BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220602BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20220602BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220602BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20220602BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220602BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20220602BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220602BHJP
【FI】
F21V5/00 200
F21V5/00 100
F21V5/00 510
F21V5/00 530
F21V5/04 500
F21V17/00 200
F21V13/12 300
F21V3/00 320
F21V3/00 510
F21V3/00 530
F21V3/02 500
F21S2/00 481
F21S2/00 482
G02B5/00 Z
G02F1/13357
F21Y105:16
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198803
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】常盤 哲也
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K011
3K244
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA03
2H042AA07
2H042AA21
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB21
2H391AC04
2H391AC08
2H391AC13
2H391CA05
3K011HA02
3K011JA01
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA28
3K244BA32
3K244BA39
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA19
3K244FA03
3K244GA02
3K244KA04
3K244KA11
3K244KA16
3K244LA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板の熱膨張率および光束制御部材の熱膨張率の差に関わらず、基板に接着剤を用いて適切に固定できる光束制御部材、当該光束制御部材を有する発光装置、当該発光装置を有する面光源装置および当該面光源装置を有する表示装置を提供する。
【解決手段】面光源装置100において、光束制御部材160は、発光素子150から出射された光を入射させるための入射面161aと、入射面161aで入射した光を出射するための出射面と、光束制御部材160の裏側に配置され、基板140に接着されるための固定脚163とを有する。固定脚163は、光束制御部材160を平面視したときの重心と、光束制御部材160の外縁の任意の点との中点よりも重心側に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置された発光素子から出射された光の配光を制御するための光束制御部材であって、
前記光束制御部材の裏側に配置され、前記発光素子から出射された光を入射させるための入射面と、
前記入射面で入射した光を出射するための出射面と、
前記光束制御部材の裏側に配置され、前記基板に接着されるための固定脚と、を有し、
前記固定脚は、前記光束制御部材を平面視したときの重心と、前記光束制御部材の外縁の任意の点との間の中点よりも前記重心側に配置されている、
光束制御部材。
【請求項2】
前記固定脚は、前記光束制御部材を平面視したときの重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている、請求項1に記載の光束制御部材。
【請求項3】
前記固定脚は、前記重心に対して前記入射面よりも外側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の光束制御部材。
【請求項4】
複数の前記発光素子から出射された光をそれぞれ入射させるための複数の入射ユニットと、
前記複数の入射ユニットの間に配置され、前記複数の入射ユニットで入射した光を導光しながら出射させるための複数の出射ユニットと、
を有し、
前記複数の入射ユニットは、前記光束制御部材の裏側に配置された前記入射面をそれぞれ有し、
前記複数の出射ユニットは、前記光束制御部材の表側に配置された前記出射面をそれぞれ有する、
請求項1または請求項2に記載の光束制御部材。
【請求項5】
前記固定脚は、前記光束制御部材を平面視したときに前記重心と重なる位置に配置されている、請求項4に記載の光束制御部材。
【請求項6】
複数の前記固定脚を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【請求項7】
前記光束制御部材の裏側において前記重心に対して前記固定脚よりも外側に配置された、前記基板に接着されることなく前記基板に対して前記光束制御部材を支持するための支持脚をさらに有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に配置された発光素子と、
前記発光素子の上に位置するように前記基板に固定された、請求項1に記載の光束制御部材と、有し、
前記固定脚は、前記基板に接着されている、
発光装置。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に配置された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の上に位置するように前記基板に固定された、請求項4に記載の光束制御部材と、を有し、
前記固定脚は、前記基板に接着されている、
発光装置。
【請求項10】
前記光束制御部材は、前記光束制御部材の裏側において前記重心に対して前記固定脚よりも外側に配置された、前記基板に対して前記光束制御部材を支持するための支持脚をさらに有し、
前記支持脚は、前記基板に接着されていない、
請求項8または請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記支持脚の長さは、前記固定脚の長さと、前記基板および前記固定脚の間に存在する前記接着剤の硬化物の厚みの合計以下である、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載の発光装置と、
前記発光装置から出射された光を拡散させつつ透過させる光拡散板と、
を有する、面光源装置。
【請求項13】
請求項12に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出射された光を照射される表示部材と、
を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子から出射された光の配光を制御する光束制御部材、当該光束制御部材を有する発光装置、当該発光装置を有する面光源装置、および当該面光源装置を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの透過型画像表示装置では、近年、光源として複数の発光素子を有する、直下型の面光源装置が使用されている。また、直下型の面光源装置では、広い範囲に光を照射するために多くの発光素子が配置されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、実装基板に配置されたLED(発光素子)と、光方向変換用光学素子(光束制御部材)と、拡散透過部と、を有する面状発光装置が記載されている。光方向変換用光学素子は、LEDから出射された光を入射させるための入射面と、入射面で入射した光を出射させる出射面と、光方向変換用光学素子を実装基板に固定するための脚部と、を有する。脚部は、光方向変換用光学素子の外縁部に配置されており、実装基板に対してねじ止めするか、脚部に形成された爪部を実装基板に係合させることで、光方向変換用光学素子を実装基板に対して固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-048883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の面状発光装置において、熱硬化性の接着剤を用いて実装基板に対して光方向変換用光学素子を固定することが考えられる。この場合、まず接着剤を塗布しつつ実装基板に光方向変換用光学素子を位置決めする。次いで、接着剤を加熱して硬化させて、実装基板に光方向変換用光学素子を固定すると考えられる。このとき、実装基板および光方向変換用光学素子も加熱される。
【0006】
しかしながら、熱硬化性の接着剤を用いて実装基板に光方向変換用光学素子を固定する場合、実装基板の熱膨張率および光方向変換用光学素子の熱膨張率がそれぞれ異なるため、接着後、経時的に実装基板から光方向変換用光学素子が離脱してしまうおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、基板の熱膨張率および光束制御部材の熱膨張率の差に関わらず、基板に接着剤を用いて適切に固定できる光束制御部材を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該光束制御部材を有する発光装置、当該発光装置を有する面光源装置および当該面光源装置を有する表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光束制御部材は、基板に配置された発光素子から出射された光の配光を制御するための光束制御部材であって、前記光束制御部材の裏側に配置され、前記発光素子から出射された光を入射させるための入射面と、前記入射面で入射した光を出射するための出射面と、前記光束制御部材の裏側に配置され、前記基板に接着されるための固定脚と、を有し、前記固定脚は、前記光束制御部材を平面視したときの重心と、前記光束制御部材の外縁の任意の点との間の中点よりも前記重心側に配置されている。
【0009】
本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に配置された発光素子と、前記発光素子の上に位置するように前記基板に固定された、本発明の光束制御部材と、有し、前記固定脚は、前記基板に接着されている。
【0010】
本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子の上に位置するように前記基板に固定された、本発明の光束制御部材と、を有し、前記固定脚は、前記基板に接着されている。
【0011】
本発明の面光源装置は、本発明の発光装置と、前記発光装置から出射された光を拡散させつつ透過させる光拡散板と、を有する。
【0012】
本発明の表示装置は、本発明の面光源装置と、前記面光源装置から出射された光を照射される表示部材と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板の熱膨張率および光束制御部材の熱膨張率の差に関わらず、基板に接着剤を用いて適切に固定できる光束制御部材を提供できる。また、本発明によれば、上記の光束制御部材を有する発光装置、面光源装置および表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1A、Bは、実施の形態1に係る面光源装置の構成を示す図である。
図2図2A、Bは、実施の形態1に係る面光源装置の構成を示す他の図である。
図3図3は、面光源装置の部分拡大断面図である。
図4図4A~Cは、実施の形態1に係る光束制御部材の構成を示す図である。
図5図5A~Dは、実施の形態1に係る光束制御部材の断面図である。
図6図6A~Cは、シミュレーションの条件を説明するための図である。
図7図7A~Dは、シミュレーションで使用した光束制御部材の平面図である。
図8図8A~Dは、シミュレーションで使用した光束制御部材の平面図である。
図9図9は、実施の形態2に係る面光源装置における部分拡大断面図である。
図10図10は、実施の形態2に係る光束制御部材の斜視図である。
図11図11A~Dは、実施の形態2に係る光束制御部材の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係る面光源装置の代表例として、液晶表示装置のバックライトなどに適する面光源装置について説明する。これらの面光源装置は、面光源装置からの光を照射される表示部材102(例えば液晶パネル)と組み合わせることで、表示装置100’として使用されうる(図1B参照)。
【0016】
[実施の形態1]
(面光源装置および発光装置の構成)
図1A、B、図2A、Bおよび図3は、本発明の実施の形態1に係る面光源装置100の構成を示す図である。図1Aは、実施の形態1に係る面光源装置100の平面図であり、図1Bは、正面図である。図2Aは、図1Bに示されるA-A線の断面図であり、図2Bは、図2Aの部分拡大図である。図3は、面光源装置100の部分拡大断面図である。
【0017】
図1A、B、図2A、Bおよび図3に示されるように、実施の形態に係る面光源装置100は、筐体110と、複数の発光装置120と、光拡散板130とを有する。複数の発光装置120は、筐体110の底板112上にマトリックス状に配置されている。底板112の内面は、拡散反射面として機能する。また、筐体110の天板114には、開口部が設けられている。光拡散板130は、この開口部を塞ぐように配置されており、発光面として機能する。発光面の大きさは、特に限定されないが、例えば約400mm×約700mmである。基板140と、光拡散板130との間隔は、特に限定されないが、面光源装置100を薄型化する観点から、2~30の範囲内が好ましい。
【0018】
図3に示されるように、発光装置120は、基板140、複数の発光素子150および光束制御部材160を有している。光束制御部材160(の固定脚163)は、基板140上に接着剤の硬化物170で固定されている。すなわち、光束制御部材160(の固定脚163)は、基板140に接着されている。基板140は、筐体110の底板112上の所定の位置に固定されている。基板140は、例えばFR-4(Flame Retardant Type 4)であり、その熱膨張係数は、26400MPaである。
【0019】
接着剤の硬化物170は、光束制御部材160の固定脚163を基板140に対して固定する。接着剤の硬化物170は、基板140および固定脚163の間に配置されていてもよいし、固定脚163の先端部(基板140に接触している部分)の周りに配置されていてもよい。本実施の形態では、基板140および固定脚163の間に配置されている。なお、光束制御部材160の直上部に暗部が生じてしまう場合には、接着剤として反射率が高い接着剤を使用することが好ましい。一方、光束制御部材160の直上部に明部が生じてしまう場合には、接着剤として光の吸収率が高い接着剤を使用することが好ましい。このように、光束制御部材160の直上部における輝度を考慮して接着剤を選択することで、輝度むらを抑制することができる。接着剤の種類は、特に限定されないが、接着剤として熱硬化性の接着剤を使用した場合に、本実施の形態に係る光束制御部材160を用いることの効果が発揮される。接着剤の例には、エポキシ系接着剤である、LOCTITE3220(ヘンケルジャパン株式会社)が含まれる。
【0020】
発光素子150は、面光源装置100の光源であり、基板140上に実装されている。発光素子150は、例えば白色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)である。また、発光素子150の種類は、特に制限されない。発光素子150は、天面および側面から光を出射する発光素子150(例えば、COB型発光ダイオード)が好ましい。本実施の形態では、従来の発光素子の発光面よりも小さい発光面を有する発光素子150を使用している。発光面の一辺の長さ大きさは、例えば0.1~1.0mmの範囲内である。
【0021】
図2Aおよび図2Bに示されるように、本実施の形態において、複数の発光素子150および複数の光束制御部材160は、いずれも格子状にかつ互いに離間して配置されている。そして隣り合う光束制御部材160の間隔L1は、複数の発光素子150の中心間距離L2の半分よりも小さくしてもよい。ここで「複数の発光素子150の中心間距離L2」とは、異なる発光装置120に属する2つの発光素子150の中心間距離を意味する。このようにすることで光束制御部材160によって光がより広く導光され、発光装置120の間が暗くなることを抑制できる。
【0022】
また、隣り合う光束制御部材160間には隙間が存在し、光束制御部材160同士は接しないように配置されていることも重要である。隙間を空けて配置しないと、端部から出射した光が隣接する光束制御部材160の端部に入射したり、端部で反射したりして、光拡散板130上の発光品位に悪影響を及ぼしてしまう。
【0023】
光束制御部材160は、発光素子150から出射された光の配光を制御する光学部材である。光束制御部材160は、基板140上に接着剤の硬化物170で固定されている。この後説明するように、光束制御部材160は、複数の入射ユニット161を有し、光束制御部材160は、各入射ユニット161の軸が各発光素子150の光軸LAに一致するように、複数の発光素子150の上に配置されている。なお、本実施の形態に係る光束制御部材160において、光束制御部材160の入射ユニット161(入射面161aおよび全反射面161b)は回転対称である。この入射ユニット161の回転軸を「入射面161aの第1軸A1または全反射面161bの第2軸A2」という。また、「発光素子150の光軸LA」とは、発光素子150からの立体的な出射光束の中心の光線を意味する。発光素子150が実装された基板140と光束制御部材160の裏面との間には、発光素子150から発せられる熱を外部に逃がすための隙間が形成されている。
【0024】
光束制御部材160は、一体成形により形成されている。光束制御部材160の材料は、所望の波長の光を通過させ得る材料であれば特に限定されない。たとえば、光束制御部材160の材料は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの光透過性樹脂、またはガラスである。例えば、ポリメタクリル酸メチルで作製した光束制御部材160の熱膨張係数は、7.13×10-5-1である。本実施の形態に係る面光源装置100は、光束制御部材160の構成に主たる特徴を有する。そこで、光束制御部材160については、別途詳細に説明する。
【0025】
光拡散板130は、光拡散性を有する板状の部材であり、複数の発光装置120からの出射光を拡散させつつ透過させる。通常、光拡散板130は、液晶パネルなどの表示部材とほぼ同じ大きさである。たとえば、光拡散板130は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(MS)などの光透過性樹脂により形成される。光拡散性を付与するため、光拡散板130の表面に微細な凹凸が形成されているか、または光拡散板130の内部にビーズなどの光拡散子が分散している。
【0026】
本実施の形態に係る面光源装置100では、各発光素子150から出射された光は、光束制御部材160により光拡散板130の広範囲を照らすように拡げられる。各光束制御部材160から出射された光は、さらに光拡散板130により拡散される。その結果、本実施の形態に係る面光源装置100は、面状の表示部材(例えば液晶パネル)を均一に照らすことができる。
【0027】
(光束制御部材の構成)
図4A~Cおよび図5A~Dは、光束制御部材160の構成を示す図である。図4Aは、実施の形態1に係る光束制御部材160の平面図であり、図4Bは、底面図であり、図4Cは、斜視図である。図5Aは、図4Aに示されるA-A線の断面図であり、図5Bは、図4Aに示されるB-B線の断面図であり、図5Cは、図4Aに示されるC-C線の断面図であり、図5Dは、図5Aの部分拡大図である。
【0028】
図4A~Cおよび図5A~Dに示されるように、光束制御部材160は、複数の入射ユニット161と、複数の出射ユニット162と、固定脚163とを有する。なお、本実施の形態に係る光束制御部材160は、支持脚164をさらに有する。複数の入射ユニット161は、発光素子150の配列に対応して格子状に配置されている。出射ユニット162は、基板140に沿う方向において複数の入射ユニット161の間に配置されている。光束制御部材160は、各入射ユニット161の入射面161aの第1軸A1(全反射面161bの第2軸A2)が各発光素子150の光軸LAに一致するように、複数の発光素子150の上に配置されている。本実施の形態では、4つの入射ユニット161が仮想四角形の各角に配置されており、4つの出射ユニット162が仮想四角形の4つの辺に対応する位置に配置されており、1つの出射ユニット162が仮想四角形に取り囲まれる位置に配置されている。
【0029】
複数の入射ユニット161は、発光素子150から出射された光をそれぞれ入射させ、一部の光を出射させる。複数の入射ユニット161は、入射面161aと、全反射面161bとをそれぞれ有する。
【0030】
入射面161aは、発光素子150と対向するように光束制御部材160の裏側に配置されている。入射面161aは、発光素子150から出射された光を、光束制御部材160の内部に入射させる入射面として機能する。入射面161aの形状は、前述の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、入射面161aの形状は、光束制御部材160の裏側に形成された凹部の内面である。入射面161aの形状は、発光素子150の光軸LAと交わり、入射面161aの第1軸A1に対して回転対称(円対称)の形状である。より具体的には、本実施の形態では、入射面161aの形状は、発光素子150の光軸LAから離れるにつれて基板140からの距離が徐々に短くなるように形成された形状である。基板140の面方向に対する入射面161aの傾斜角度は、中心部分から外周部分に向かうにつれて大きくなる。
【0031】
全反射面161bは、入射面161aと反対側に配置されており、入射面161aで入射した光を側方に向けて反射させるための光学面である。全反射面161bは、第2軸A2を中心とする回転対称(円対称)面である。また、この回転対称面の中心部分から外周部分にかけての母線は、発光素子150に対して凹の曲線であり、全反射面161bは、第2軸A2を回転軸として、この母線を360°回転させた状態の曲面である。すなわち、全反射面161bは、第2軸A2から離れるにつれて発光素子150からの高さが大きくなる非球面形状の曲面を有する。また、全反射面161bの外周部分は、全反射面161bの第2軸A2と交わる部分より表側に配置形成されている。たとえば、全反射面161bは、中心部分から外周部分に向かうにつれて発光素子150からの高さが高くなる非球面形状の曲面である。基板140の面方向に対する全反射面161bの傾斜角度は、中心部分から外周部分に向かうにつれて小さくなる。平面視したときの全反射面161bの面積と、発光素子150の発光面の面積との比は、80:1~5:1の範囲内が好ましい。当該比率が上記範囲外の場合、光束制御部材160の直上部に進行する光が多くなり、光束制御部材160の直上部に明部が生じてしまう場合がある。
【0032】
複数の出射ユニット162は、複数の入射ユニット161で入射した光のうち、一部の光を導光しながら出射させる。各出射ユニット162は、基板140と対向するように配置されている。複数の出射ユニット162は、反射面162aと、出射面162bとを有している。出射ユニット162は、反射面162aと出射面162bとの間隔が、入射ユニット161から離れるほど小さくなる部分を有する。これにより、入射ユニット161から導かれた光は入射ユニット161から離れるほど出射面162bから出射されやすくなる。
【0033】
反射面162aは、全反射面161bで内部反射した光を反射させる。反射面162aには、固定脚163および支持脚164が配置されている。
【0034】
出射面162bは、入射ユニット161からの光の一部を反射させ、他の一部を出射させる出射面162bを有する。出射面162bは、反射面162aと対向して配置されている。出射面162bの形状は、反射面162aと出射面162bとの間隔が入射ユニット161から離れるほど小さくなる部分があるような形状であれば特に制限されない。出射面162bの形状は、例えば、入射ユニット161から離れるほど、反射面162aとの間隔が小さくなる曲面または傾斜面が好ましい。本実施の形態では、前記仮想四角形の4つの辺に対応する位置に配置されている4つの出射面162bは、前記仮想四角形の辺に沿う方向では曲率を有し、この辺に垂直な方向では曲率を有しない凹面である(図5A~C参照)。一方、前記仮想四角形に取り囲まれるように配置されている出射面162bは、上下逆に配置された円錐台の上底および側面の一部により構成される凹面である(図5B図5C参照)。
【0035】
固定脚163は、光束制御部材160の裏側に配置されており、基板140に接着される部分である。固定脚163は、光束制御部材160を平面視したときの重心と、光束制御部材160の外縁の任意の点との間の中点よりも重心側に配置されている。たとえば、固定脚163は、光束制御部材160を平面視したときの重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている。本実施の形態では、固定脚163は、光束制御部材160を平面視したときの重心と、光束制御部材160の外縁の任意の点との間の中点よりも重心側であって、かつ重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている。なお、本実施の形態では、固定脚163は、光束制御部材160を平面視したときに重心と重なる位置に配置されている。固定脚163が重心側に配置されることで、光束制御部材160の熱膨張率および基板140の熱膨張率の差の影響により、光束制御部材160が基板140から離脱することを防止できる。
【0036】
固定脚163の数は、特に限定されない。固定脚163の数は、1個でもよいし、複数でもよい。本実施の形態では、固定脚163の数は、3個である。なお、固定脚163の数が複数であれば、基板140に対して光束制御部材160を安定的に固定できる。固定脚163の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されないが、柱状が好ましい。固定脚163の形状は、例えば円柱状または角柱状である。本実施の形態では、固定脚163の形状は、円柱状である。言い換えると、固定脚163における基板140との接触面における形状は、特に限定されない。固定脚163における基板140との接触面における形状は、円形でもよいし、楕円形でもよいし、矩形でもよい。本実施の形態では、固定脚163における基板140との接触面における形状は、円形である。
【0037】
固定脚163における基板140との接触面積は、基板の材料、基板の厚み、接着剤の材料、光束制御部材160の材料、光束制御部材160の厚みに基づいて、加熱硬化後の冷却時におけるひずみを計算し、せん断方向接着破壊の限界値に基づいて算出する。固定脚163の長さは、支持脚164の長さ、接着剤の硬化物の厚み、基板140に対する光束制御部材160の高さに応じて適宜設定される。本実施の形態では、固定脚163の長さおよび接着剤の硬化物の厚みの合計が、支持脚164の長さ以上となるように設定されている。固定脚163の長さは、上記の関係を維持できれば、支持脚164よりも長くてもよいし、支持脚164よりも短くてもよい。本実施の形態では、固定脚163の長さは、支持脚164の長さと同じである。
【0038】
支持脚164は、光束制御部材160の裏側に配置され、基板140に対して光束制御部材160を支持する。支持脚164は、光束制御部材160に対して外力がかかった場合でも、基板140に対して光束制御部材160が傾斜することを防止する。支持脚164は、固定脚163とは異なり、基板140に接着されていない。支持脚164は、光束制御部材160を平面視したときの重心に対して固定脚163よりも外側に配置されていることが好ましい。支持脚164が光束制御部材160の外周部に配置されていることにより、光束制御部材160の傾斜を効率よく防止できる。支持脚164の数は、光束制御部材160の傾斜を防止できれば、特に限定されない。支持脚164の数は、1個でもよいし、2個以上でもよく、3個以上が好ましい。本実施の形態では、支持脚164の数は、3個である。支持脚164が複数の場合、複数の支持脚164は、重心を中心として周方向に均等に配置されることが好ましい。複数の支持脚164が周方向に均等に配置されていることにより、光束制御部材160に対する応力の位置に関わらず、光束制御部材160の傾斜を防止できる。支持脚164の水平方向の断面積(太さ)は、光束制御部材160を支持でき、かつ、発光素子150から出射された光の配光に影響をおよぼさなければ、特に限定されない。支持脚164の長さは、固定脚163の長さと、基板140および固定脚163の間に存在する接着剤の硬化物170の厚みの合計以下であることが好ましい。支持脚164の長さは、固定脚163の長さと、基板140および固定脚163の間に存在する接着剤の硬化物170の厚みの合計以下であることが好ましい。
【0039】
[シミュレーション]
ここで、周囲の雰囲気の温度(加熱温度)を80℃から-40℃に変化させた場合の光束制御部材160の固定脚163と、基板40との接着面における応力についてシミュレーションした。
【0040】
図6A~Cは、応力の測定条件を説明するための図である。図6Aは、基板140および光束制御部材160の配置を示す斜視図であり、図6Bは、基板140の条件を説明するための図であり、図6Cは、ポリメタクリル酸メチル(Delpet80NH)の応力ひずみ曲線である。図6Cの横軸は、垂直歪を示しており、縦軸は、真応力を示している。
【0041】
図6A、Bに示されるように、基板140の中央点ОをX方向、Y方向およびZ方向について固定した。基板140の対向する2辺の中点MをY方向およびZ方向について固定した。光束制御部材160A~160Hが固定された基板140の表面をZ方向について固定した。
【0042】
光束制御部材は、図7A~Dおよび図8A~Dの8種類の光束制御部材160A~160Hを使用した。図7A~Dおよび図8A~Dは、シミュレーションに使用した光束制御部材160A~160Hの平面図である。図7Aは、光束制御部材160Aの平面図であり、図7Bは、光束制御部材160Bの平面図であり、図7Cは、光束制御部材160Cの平面図であり、図7Dは、光束制御部材160Dの平面図である。図8Aは、光束制御部材160Eの平面図であり、図8Bは、光束制御部材160Fの平面図であり、図8Cは、光束制御部材160Gの平面図であり、図8Dは、光束制御部材160Hの平面図である。
【0043】
光束制御部材160A~160Hの材料は、ポリメタクリル酸メチル(Delpet 80NH;旭化成株式会社)を使用した。基板140は、FR-4(Flame Retardant Type 4)を使用した。Delpet 80NHのヤング率は図6Cから求められ、FR-4のヤング率は26400MPaである。 Delpet 80NHの線膨張係数は7.13×10-5であり、FR-4の線膨張係数は1.14×10-5である。
【0044】
使用した光束制御部材160A~160Hは、固定脚の大きさまたは配置のみがそれぞれ異なる。そこで、以下の説明では、固定脚の大きさまたは配置を主に説明する。なお、光束制御部材160A~160Hを平面視したときの一辺の長さは、18mmである。また、本シミュレーションでは、光束制御部材の重心と、中心軸とは同じ位置である。なお、光束制御部材160D、160F、160G、160Hは、本願請求項1の条件を満たし、光束制御部材160C以外の光束制御部材は、本願請求項2の条件を満たす。
【0045】
図7Aに示されるように、光束制御部材160Aの固定脚163Aの数は、4個である。4個の固定脚163Aは、4辺に沿う出射ユニット162より重心側であって、かつ裏面の対向する2辺に沿って配置されている。固定脚163Aの基板140との接着面の直径は、1.8mmである。
【0046】
図7Bに示されるように、光束制御部材160Bの固定脚163Bの数は、4個である。4個の固定脚163Bは、4辺に沿う出射ユニット162より重心側であって、かつ裏面の対向する2辺に沿って配置されている。固定脚163Bの直径は、3.0mmである。
【0047】
図7Cに示されるように、光束制御部材160Cの固定脚163Cの数は、4個である。4個の固定脚163Cは、入射ユニット161および4辺に沿う出射ユニット162より重心側であって、かつ裏面の四隅に配置されている。固定脚163Cの直径は、1.8mmである。
【0048】
図7Dに示されるように、光束制御部材160Dの固定脚163Dの数は、2個である。2個の固定脚163Dは、4辺に沿う出射ユニット162より重心側であって、かつ対向する2辺の中央部分にそれぞれ配置されている。固定脚163Dの直径は、1.8mmである。
【0049】
図8Aに示されるように、光束制御部材160Eの固定脚163Eの数は、2個である。2個の固定脚163Eは、4辺に沿う出射ユニット162より重心側であって、かつ対向する2辺の中央部分にそれぞれ配置されている。固定脚163Eの直径は、3.0mmである。
【0050】
図8Bに示されるように、光束制御部材160Fの固定脚163Fの数は、1個である。1個の固定脚163Fは、裏面の中央部分(光束制御部材160Fを平面視したときに重心と重なる位置)に配置されている。固定脚163Fの直径は、1.8mmである。
【0051】
図8Cに示されるように、光束制御部材160Gの固定脚163Gの数は、1個である。1個の固定脚163Gは、裏面の中央部分(重心と同じ位置)に配置されている。固定脚163Gの直径は、3.0mmである。
【0052】
図8Dに示されるように、光束制御部材160Hの固定脚163Hの数は、1個である。1個の固定脚163Hは、裏面の中央部分(重心と同じ位置)に配置されている。固定脚163Hは、内部に直径1mmの空洞を有する円筒形状である。固定脚163Hの外径は、3.0mmである。
【0053】
表1に、光束制御部材の種類(固定脚の数と、固定脚の直径と、固定脚の配置)と、計算された応力との関係を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
光束制御部材160Aおよび光束制御部材160Cの比較から、複数の固定脚160の間の距離が長いほど、応力が高かった。これは、複数の固定脚の間の距離が遠いため、基板140の線膨張係数および光束制御部材160の線膨張係数の差が顕著に影響したものと考えられる。
【0056】
以上のことから、固定脚の直径が小さい方が、作用する応力が小さいことがわかる。また、固定脚が複数ある場合には、互いの固定脚160が近い方が作用する応力が小さくなることが分かった。
【0057】
本シミュレーションでは、光束制御部材160Fが最も応力が低かった。これは、固定脚160の直径が小さく、かつ固定脚160の数が少なく、かつ固定脚160が重心の位置に配置されるためと考えられる。
【0058】
(効果)
以上のように、本発明によれば、基板140および光束制御部材160の熱膨張率の差に関わらず、基板140に適切に固定できる。
【0059】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2に係る面光源装置200について説明する。本実施の形態に係る面光源装置200は、光束制御部材160の構成と、発光素子150および光束制御部材160の対応関係のみとが実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。そこで、本実施の形態では、主として、光束制御部材160の構成と、発光素子150および光束制御部材160の対応関係とについて説明し、実施の形態1における面光源装置100と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
(面光源装置の構成)
図9は、実施の形態2に係る面光源装置200の部分拡大断面図である。図9は、実施の形態1における図3の面光源装置100の断面図に相当する。
【0061】
図9に示されるように、本実施の形態に係る面光源装置200では、1個の発光素子150から出射された光の配光を1個の光束制御部材260で制御する。本実施の形態では、複数の発光装置220は、いずれも格子状にかつ互いに離間して配置されている。
【0062】
図10は、実施の形態2に係る光束制御部材260の斜視図である。図11A~Dは、実施の形態2に係る光束制御部材260の構成を示す図である。図11Aは、光束制御部材260の平面図であり、図11Bは、底面図であり、図11Cは、正面図であり、図11Dは、図11Aに示されるA-A線の断面図である。
【0063】
図11A~Dに示されるように、本実施の形態に係る光束制御部材260は、入射面161aと、全反射面161bとを有する。なお、本実施の形態に係る光束制御部材260は、上記構成の他に、側面161cと、裏面161dと、環状溝266とを有する。
【0064】
入射面161aと、全反射面161bとは、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0065】
側面161cは、全反射面161bおよび裏面161dに接続されている。側面161cは、全反射面161bで反射した光を出射させる。本実施の形態では、側面161cは、光束制御部材160の側面である。側面161cは、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、側面161cの形状は、側面161cの第3軸A3に対して回転対称(円対称)の形状である。より具体的には、本実施の形態では、側面161cの形状は、第3軸A3と略平行である。
【0066】
裏面161dは、入射面161aを取り囲むように、中心軸CAから離れる方向に延在している。本実施の形態では、裏面161dは、入射面161aの外縁部に接続されており、発光素子150の発光面と平行となるように配置されている。本実施の形態では、裏面161dには、固定脚163と、支持脚164と、環状溝266とが形成されている。
【0067】
固定脚163と、支持脚164とは、実施の形態1と同様の構成である。よって、ここでは、固定脚163と、支持脚164との配置について説明する。
【0068】
固定脚163は、入射面161aと環状溝266との間に配置されている。1光学面161aと環状溝266との間は、光束制御部材260を平面視したときの重心(中心)と、光束制御部材160の外縁の任意の点との間の中点よりも重心(中心)側の位置である。たとえば、固定脚163は、光束制御部材260を平面視したときの重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている。本実施の形態では、固定脚163は、光束制御部材260を平面視したときの重心と、光束制御部材260の外縁の任意の点との間の中点よりも重心側であって、かつ重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている。また、本実施の形態では、固定脚163は、重心に対して入射面161aよりも外側に配置されている。本実施の形態では、固定脚163の数は、3個である。また、固定脚163は、中心軸CAを中心として周方向に均等に配置されている。
【0069】
支持脚164は、環状溝266よりも重心(中心)に対して固定脚163よりも外側に配置されている。本実施の形態では、支持脚164の数は、3個である。また、支持脚164は、中心軸CAを中心として周方向に均等に配置されている。また、3個の固定脚163と、3個の支持脚164とは、光束制御部材260を平面視し、中心と、各固定脚163または各支持脚164を結んだ直線が重ならないように配置されている。
【0070】
環状溝266は、入射面161aより中心軸CAから離れており、中心軸CAを囲むように裏面161dに配置されている。本実施の形態では、環状溝266は、発光素子150の発光中心から出射され、入射面161aで入射し全反射面161bで反射してから側面161cへ到達するまでの光の光路と交わらないように配置されている。本実施の形態では、環状溝266は、入射面161aから入射し全反射面161bで反射される発光素子150の発光中心から出射する光が第1環状面266aに到達することがないように設計される。環状溝266は、第1環状面266aと、第2環状面266bと、第3環状面266cとを有する。本実施の形態では、第1環状面266aおよび第2環状面266bは台形の脚に相当し、第3環状面266cは台形の上底(下底)に相当するように配置されている。
【0071】
発光素子150から出射された光は、入射面161aで光束制御部材160の内部に入射する。入射面161aで入射した光は、全反射面161bで基板140に沿った方向に内部反射する。全反射面161bで内部反射した光は、側面161cから光束制御部材160の外部に向けて出射される。
【0072】
なお、特に示さないが、実施の形態2における光束制御部材260を用いて、実施の形態1と同様のシミュレーションを行っても同様の結果が得られた。固定脚163の直径が小さい光束制御部材260は、加熱硬化後の冷却時における応力が小さかった。また、固定脚163は光束制御部材260を平面視したときの重心と、光束制御部材260の外縁の任意の点との間の中点よりも重心側に配置されており、かつ光束制御部材260を平面視したときの重心を中心とする半径5mmの円の内側に配置されている光束制御部材260が最も加熱硬化後の冷却時における応力が小さかった。
【0073】
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る光束制御部材260は、実施の形態1と同様の効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る光束制御部材、発光装置および面光源装置は、例えば、液晶表示装置のバックライトや一般照明などに適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
100、200 面光源装置
100’ 表示装置
102 表示部材
110 筐体
112 底板
114 天板
120、220 発光装置
130 光拡散板
140 基板
150 発光素子
160、160A、160B、160C、160D、160E、160F、160G、160H、260 光束制御部材
161 入射ユニット
161a 入射面
161b 全反射面
161c 側面
161d 裏面
162 出射ユニット
162a 反射面
162b 出射面
163、163A、163B、163C、163D、163E、163F、163G、163H 固定脚
164 支持脚
170 接着剤の硬化物
266 環状溝
266a 第1環状面
266b 第2環状面
266c 第3環状面
A1 第1軸
A2 第2軸
A3 第3軸
A4 第4軸
CA 中心軸
LA 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11