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  • 特開-電動圧縮機 図1
  • 特開-電動圧縮機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086672
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20220602BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20220602BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220602BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20220602BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20220602BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
H05K3/46 U
F04B39/00 A
F04B39/00 106Z
H02M7/48 Z
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
H05K1/11 H
H02K11/33
H02K7/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198819
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】内藤 篤志
(72)【発明者】
【氏名】八代 圭司
(72)【発明者】
【氏名】岩▲瀬▼ 裕亮
【テーマコード(参考)】
3H003
5E316
5E317
5H607
5H611
5H770
【Fターム(参考)】
3H003AA01
3H003AB05
3H003AC02
3H003AC03
3H003AD03
3H003CF01
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA17
5E316AA43
5E316BB03
5E316BB11
5E316FF01
5E316FF45
5E316GG15
5E316HH17
5E316JJ03
5E317AA24
5E317BB01
5E317BB11
5E317CD27
5E317CD32
5E317CD34
5E317GG20
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB25
5H607CC07
5H607DD08
5H607FF06
5H607KK07
5H611BB01
5H611BB07
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
5H770AA21
5H770BA01
5H770QA01
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】電子部品の振動を抑制しつつも電動圧縮機の体格を小型化すること。
【解決手段】ビアホール36に樹脂部50を充填して、電子部品34に樹脂部50が接着するようにした。既存の構成であるビアホール36の内側のスペースが、電子部品34の振動を抑制するための樹脂部50を配置するスペースとして利用されるため、電子部品34の振動を抑制するための部材を配置するスペースを別途設ける必要が無い。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動するモータと、
前記モータを駆動するとともに回路基板を有するインバータと、を備え、
前記回路基板の第1面に電子部品が実装されており、
前記回路基板は、導電体で形成された導電層を内部に有し、
前記回路基板には、前記第1面から前記第1面とは反対側の第2面にわたって前記回路基板の厚み方向に貫通するとともに前記導電層と前記電子部品とを電気的に接続するビアホールが形成されている電動圧縮機において、
前記回路基板は、前記ビアホール内に充填された樹脂からなる樹脂部を有し、
前記電子部品に前記樹脂部が接着していることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記樹脂部は、前記ビアホールにおける前記第1面側の一端から突出した突出部を有しており、
前記電子部品に前記樹脂部が、前記突出部において接着している請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記インバータは、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に塗布されるコーティング層を備えており、
前記コーティング層は、前記樹脂部と同じ樹脂材料からなる請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記コーティング層は、前記第2面に設けられており、
前記樹脂部は、前記第2面において前記コーティング層と一体になっている請求項3に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動するモータと、モータを駆動するとともに回路基板を有するインバータと、を備えている。回路基板の第1面には、電子部品が実装されている。例えば、特許文献1のように、電子部品は、ポッティング材によって振動が抑えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-166303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のように、ポッティング材によって電子部品の振動を抑える場合、ポッティング材を塗布するためのスペースが必要となるため、電動圧縮機の体格が大型化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動するモータと、前記モータを駆動するとともに回路基板を有するインバータと、を備え、前記回路基板の第1面に電子部品が実装されており、前記回路基板は、導電体で形成された導電層を内部に有し、前記回路基板には、前記第1面から前記第1面とは反対側の第2面にわたって前記回路基板の厚み方向に貫通するとともに前記導電層と前記電子部品とを電気的に接続するビアホールが形成されている電動圧縮機において、前記回路基板は、前記ビアホール内に充填された樹脂からなる樹脂部を有し、前記電子部品に前記樹脂部が接着している。
【0006】
回路基板が導電層を内部に有している場合、導電層と電子部品とを電気的に接続するために、回路基板には、回路基板の第1面から第2面にわたって回路基板の厚み方向に貫通するビアホールが形成されている。そこで、このような既存の構成であるビアホールに樹脂部を充填して、電子部品に樹脂部が接着するようにした。これによれば、電子部品に樹脂部が接着しているため、樹脂部によって電子部品の振動を抑制することができる。したがって、既存の構成であるビアホールの内側のスペースを、電子部品の振動を抑制するための樹脂部の配置スペースとして利用することができるため、電子部品の振動を抑制するための部材を配置するスペースを別途設ける必要が無い。したがって、電子部品の振動を抑制しつつも電動圧縮機の体格を小型化することができる。
【0007】
上記電動圧縮機において、前記樹脂部は、前記ビアホールにおける前記第1面側の一端から突出した突出部を有しており、前記電子部品に前記樹脂部が、前記突出部において接着しているとよい。
【0008】
これによれば、例えば、樹脂部が突出部を有していない状態で、ビアホール内に充填された樹脂からなる樹脂部が電子部品に接着している場合に比べると、樹脂部における電子部品に対する接着面積を大きくすることができる。したがって、電子部品に樹脂部を接着し易くすることができる。
【0009】
上記電動圧縮機において、前記インバータは、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に塗布されるコーティング層を備えており、前記コーティング層は、前記樹脂部と同じ樹脂材料からなるとよい。
【0010】
回路基板の第1面及び第2面の少なくとも一方に塗布されるコーティング層は、例えば、回路基板の第1面及び第2面の少なくとも一方に異物が付着してしまうことを抑制する。そして、コーティング層を樹脂部と同じ樹脂材料からなるようにした。これによれば、電子部品に接着する樹脂部の材料を、コーティング層を形成する材料とは別に用意する必要が無いため、製造を容易なものとすることができる。
【0011】
上記電動圧縮機において、前記コーティング層は、前記第2面に設けられており、前記樹脂部は、前記第2面において前記コーティング層と一体になっているとよい。
これによれば、回路基板の第2面にコーティング層を形成する材料を塗布する工程と合わせて、コーティング層を形成する材料を樹脂部の材料としてビアホールに容易に充填することができるため、製造工程の短縮を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
電子部品の振動を抑制しつつも、電動圧縮機の体格を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における電動圧縮機を一部破断して模式的に示す側断面図。
図2】電動圧縮機の一部分を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電動圧縮機を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。本実施形態の電動圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、電動圧縮機10のハウジング11は、有底筒状の吐出ハウジング12と、吐出ハウジング12に連結される有底筒状のモータハウジング13と、を有している。モータハウジング13は、板状の底壁13aと、底壁13aの外周部から筒状に延びる周壁13bと、を有している。吐出ハウジング12及びモータハウジング13は、金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。
【0015】
モータハウジング13内には、回転軸14が収容されている。回転軸14は、モータハウジング13に回転可能に支持されている。モータハウジング13内には、回転軸14が回転することにより駆動して流体としての冷媒を圧縮する圧縮部15と、回転軸14を回転させて圧縮部15を駆動するモータ16と、が収容されている。圧縮部15及びモータ16は、回転軸14の回転軸線が延びる方向である軸線方向に並んで配置されている。モータ16は、圧縮部15よりもモータハウジング13の底壁13a側に配置されている。
【0016】
圧縮部15は、例えば、モータハウジング13内に固定された図示しない固定スクロールと、固定スクロールに対向配置される図示しない可動スクロールと、を有するスクロール式である。
【0017】
モータ16は、筒状のステータ17と、ステータ17の内側に配置されるロータ18と、を有している。ロータ18は、回転軸14と一体的に回転する。ステータ17は、ロータ18を取り囲んでいる。ロータ18は、回転軸14に止着されたロータコア18aと、ロータコア18aに設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ17は、筒状のステータコア17aと、ステータコア17aに巻回されたコイル19と、を有している。そして、コイル19に電力が供給されることによりロータ18が回転し、回転軸14がロータ18と一体的に回転する。
【0018】
モータハウジング13の底壁13aには、有底筒状のカバー20が取り付けられている。そして、モータハウジング13の底壁13aとカバー20とによって、モータ16を駆動するインバータ21を収容するインバータ収容室22が形成されている。圧縮部15、モータ16、及びインバータ21は、この順序で、回転軸14の軸線方向に並んで配置されている。
【0019】
図2に示すように、インバータ21は、回路基板30を有している。回路基板30は、多層基板である。回路基板30は、第1面30aと、第1面30aとは反対側に位置する第2面30bとを有している。回路基板30の第1面30aには、銅箔から形成される導体パターン31が配置されている。なお、回路基板30の第2面30bには、図示しない導体パターンが配置されている。回路基板30は、導電層としての電源層32を内部に有している。回路基板30は、第1面30aに配置された導体パターン31と電源層32とを絶縁する第1絶縁層33aと、第2面30bに配置された図示しない導体パターンと電源層32とを絶縁する第2絶縁層33bと、を有している。電源層32は、導電体で形成されるとともに主電源B1に電気的に接続されている。
【0020】
回路基板30には、電子部品34が実装されている。電子部品34としては、例えば、電解コンデンサが挙げられる。電子部品34は、リード35を有している。電子部品34のリード35は、例えば、はんだにより、導体パターン31と接合されている。したがって、電子部品34は、はんだにより回路基板30に固定されている。
【0021】
回路基板30には、電源層32と電子部品34とを電気的に接続するビアホール36が複数形成されている。各ビアホール36は、回路基板30を厚み方向Zに貫通する貫通孔36hと、各貫通孔36hに対応して金属メッキを施すことにより形成されたメッキ層37と、から構成されている。メッキ層37は、貫通孔36hの内周面を被覆する筒部37aと、筒部37aの一端部から環状に突出する第1突出部37bと、筒部37aの他端部から環状に突出する第2突出部37cと、を有している。第1突出部37bは、第1面30aにおける貫通孔36hの周囲を被覆している。第2突出部37cは、第2面30bにおける貫通孔36hの周囲を被覆している。したがって、各ビアホール36は、回路基板30の第1面30aから第1面30aとは反対側の第2面30bにわたって回路基板30の厚み方向Zに貫通している。以下、回路基板30の厚み方向を単に「厚み方向Z」と記載することもある。各ビアホール36は、厚み方向Zで電子部品34に重なっている。したがって、電子部品34は、各ビアホール36の一端を閉塞するよう配置されている。
【0022】
複数のビアホール36のうちの一つの第1突出部37bは、導体パターン31と電気的に接続されている。したがって、電子部品34は、リード35及び導体パターン31を介してビアホール36と電気的に接続されている。また、各ビアホール36の筒部37aは、電源層32と電気的に接続されている。したがって、電子部品34と電源層32とは、リード35、導体パターン31、及びビアホール36を介して電気的に接続されている。そして、主電源B1からの電力が、電源層32、ビアホール36の筒部37a、ビアホール36の第1突出部37b、導体パターン31、及びリード35を介して電子部品34に供給される。
【0023】
インバータ21は、コーティング層としての第1コーティング層41及び第2コーティング層42を備えている。第1コーティング層41は、回路基板30の第1面30aにコーティング材が塗布されることにより形成されている。第2コーティング層42は、回路基板30の第2面30bにコーティング材が塗布されることにより形成されている。第1コーティング層41は、回路基板30の第1面30aに異物が付着することを抑制する。第2コーティング層42は、回路基板30の第2面30bに異物が付着することを抑制する。コーティング材は、絶縁性の樹脂である。本実施形態では、コーティング材は、ポリオレフィン樹脂である。なお、コーティング材は、例えば、アクリル樹脂やポリウレタン樹脂であってもよい。例えば、コーティング材は、ポッティング材の粘度が、100Pa・s程度であるのに対して、コーティング材の粘度が100mPa・s程度であるような樹脂を用いる。したがって、コーティング材の粘度は、ポッティング材の粘度の約1000分の1である。
【0024】
各ビアホール36には、樹脂部50が充填されている。各樹脂部50は、第2コーティング層42を形成する際に、第2面30bに塗布されるコーティング材が各ビアホール36に流れ込むことにより各ビアホール36に充填されている。したがって、回路基板30は、ビアホール36内に充填された樹脂からなる樹脂部50を有している。また、本実施形態では、各樹脂部50は、第2コーティング層42を形成するコーティング材と同じである。よって、第1コーティング層41及び第2コーティング層42は、樹脂部50と同じ樹脂材料からなる。各樹脂部50と第2コーティング層42とは、連続しており、各樹脂部50は、第2コーティング層42と一体になっている。
【0025】
各樹脂部50の一部は、各ビアホール36から回路基板30の第1面30aにはみ出している。よって、各樹脂部50は、ビアホール36における回路基板30の第1面30a側の一端から突出した突出部50aをそれぞれ有している。そして、電子部品34に各樹脂部50が、各突出部50aにおいて接着している。したがって、電子部品34に各樹脂部50が接着している。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。
各ビアホール36に充填された各樹脂部50が電子部品34に接着しているため、電子部品34の振動が各樹脂部50によって抑制されている。
【0027】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)回路基板30が電源層32を内部に有している場合、電源層32と電子部品34とを電気的に接続するために、回路基板30には、回路基板30の第1面30aから第2面30bにわたって回路基板30の厚み方向Zに貫通するビアホール36が形成されている。そこで、このような既存の構成であるビアホール36に樹脂部50を充填して、電子部品34に樹脂部50が接着するようにした。これによれば、電子部品34に樹脂部50が接着しているため、樹脂部50によって電子部品34の振動を抑制することができる。したがって、既存の構成であるビアホール36の内側のスペースを、電子部品34の振動を抑制するための樹脂部50の配置スペースとして利用することができるため、電子部品34の振動を抑制するための部材を配置するスペースを別途設ける必要が無い。したがって、電子部品の振動を抑制しつつも電動圧縮機の体格を小型化することができる。
【0028】
(2)樹脂部50は、ビアホール36における回路基板30の第1面30a側の一端から突出した突出部50aを有している。そして、電子部品34に樹脂部50が、突出部50aにおいて接着している。これによれば、例えば、樹脂部50が突出部50aを有していない状態で、ビアホール36内に充填された樹脂からなる樹脂部50が電子部品34に接着している場合に比べると、樹脂部50における電子部品34に対する接着面積を大きくすることができる。したがって、電子部品34に樹脂部50を接着し易くすることができる。
【0029】
(3)第1コーティング層41及び第2コーティング層42は、樹脂部50と同じ樹脂材料からなる。つまり、樹脂部50の材料が第1コーティング層41及び第2コーティング層42を形成するコーティング材と同じ材料であるため、電子部品34に接着する樹脂部50の材料を、第1コーティング層41及び第2コーティング層42を形成するコーティング材とは別に用意する必要が無い。したがって、製造を容易なものとすることができる。
【0030】
(4)樹脂部50は、第2面30bにおいて第2コーティング層42と一体になっている。これによれば、回路基板30の第2面30bにコーティング材を塗布する工程と合わせて、コーティング材を樹脂部50の材料としてビアホール36に容易に充填することができるため、製造工程の短縮を図ることができる。
【0031】
(5)電子部品34は、樹脂部50に接着されている。電子部品34の駆動に伴って電子部品34が発熱した際に、樹脂部50を介して放熱することができる。したがって、樹脂部50が設けられていない場合に比べて、電子部品34から生じる熱を効率良く放熱することができる。
【0032】
(6)各樹脂部50は、各ビアホール36における第1面30a側の一端から突出した突出部50aを有している。そして、電子部品34に各樹脂部50が、各突出部50aにおいて接着している。このため、電子部品34における各樹脂部50に対する接着面積を大きくすることができる。したがって、電子部品34から生じる熱をさらに効率良く放熱することができる。
【0033】
(7)各樹脂部50は、第2コーティング層42と一体になっているため、電子部品34から生じる熱を各樹脂部50から第2コーティング層42へ放熱することができる。その結果、各樹脂部50が、第2コーティング層42と非連続である場合に比べて、電子部品34から生じる熱をさらに効率良く放熱することができる。
【0034】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0035】
○ 実施形態において、各樹脂部50は、突出部50aを有していなくてもよい。この場合、例えば、各樹脂部50は、回路基板30の第1面30aと同一面上に位置する部位が電子部品34に接着する。
【0036】
○ 実施形態において、インバータ21は、回路基板30の第1面30aに第1コーティング層41を備え、回路基板30の第2面30bに第2コーティング層42を備えている構成であったが、これに限らない。例えば、インバータ21は、回路基板30の第1面30aに第1コーティング層41を備え、回路基板30の第2面30bに第2コーティング層42を備えていない構成であってもよい。また、インバータ21は、回路基板30の第1面30aに第1コーティング層41を備えておらず、回路基板30の第2面30bに第2コーティング層42を備えている構成であってもよい。要は、インバータ21がコーティング層を備えている場合は、回路基板30の第1面30a及び第2面30bの少なくとも一方に塗布されるコーティング層を備えていればよい。
【0037】
ここで、例えば、電動圧縮機10が、回路基板30の第1面30aに第1コーティング層41を備え、回路基板30の第2面30bに第2コーティング層42を備えていない構成である場合であっても、樹脂部50を形成するための材料を回路基板30の第2面30b側から各ビアホール36に直接充填してもよい。
【0038】
○ 実施形態において、インバータ21は、回路基板30の第1面30aに第1コーティング層41を備えておらず、回路基板30の第2面30bに第2コーティング層42を備えていない構成であってもよい。この場合、樹脂部50を形成するための材料が各ビアホール36に直接充填される。なお、各ビアホール36に直接充填される材料は、コーティング材であってもよいし、コーティング材以外の材料であってもよい。要は、各ビアホール36に直接充填される材料は、ポッティング材の粘度の約1000分の1の粘度である材料であればよい。
【0039】
○ 実施形態において、第1コーティング層41及び第2コーティング層42は、樹脂部50と同じ樹脂材料からなる構成であったが、第1コーティング層41及び第2コーティング層42は、樹脂部50と異なる樹脂材料からなる構成であってもよい。この場合、第2コーティング層42を形成する際に、第2面30bに塗布されるコーティング材が各ビアホール36に流れ込むのではなく、第2コーティング層42を形成するコーティング材とは異なる材料を各ビアホール36に充填することにより、各樹脂部50を形成する。
【0040】
○ 実施形態において、樹脂部50は、第2コーティング層42と一体になっていなくてもよく、樹脂部50が、第2コーティング層42に対して非連続であってもよい。
○ 実施形態において、電動圧縮機10は、例えば、インバータ21が、ハウジング11に対して回転軸14の径方向外側に配置されている構成であってもよい。要は、圧縮部15、モータ16、及びインバータ21が、この順序で、回転軸14の軸線方向に並んで配置されていなくてもよい。
【0041】
○ 実施形態において、圧縮部15は、スクロール式に限らず、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
○ 実施形態において、電動圧縮機10は、車両空調装置に用いられたが、これに限らず、例えば、電動圧縮機10は、燃料電池車に搭載されており、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部15により圧縮するものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…電動圧縮機、15…圧縮部、16…モータ、21…インバータ、30…回路基板、30a…第1面、30b…第2面、32…導電層としての電源層、34…電子部品、36…ビアホール、41…コーティング層としての第1コーティング層、42…コーティング層としての第2コーティング層、50…樹脂部、50a…突出部、Z…厚み方向。
図1
図2