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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086807
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20220602BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20220602BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
G03G21/18 139
G03G21/18 142
G03G21/18 153
G03G21/18 121
G03G15/08 343
G03G21/16 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199016
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 一成
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AC04
2H077AD06
2H077BA09
2H077GA04
2H077GA13
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171GA03
2H171JA23
2H171JA48
2H171KA05
2H171KA22
2H171KA23
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB16
2H171QB32
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】規制部材を支持フレームに取付可能としつつ、装置を小型化できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、装置本体2と、感光ドラム51と感光ドラム51に対する当接位置と離間位置とに移動可能な現像ローラ52とを有し装置本体2に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジ50とを備え、装置本体2は、ドラム軸線X方向におけるプロセスカートリッジ50の側方に配置されプロセスカートリッジ50を支持する支持フレーム26と、支持フレーム26に支持され現像ローラ52を当接位置と離間位置との間で移動させるアーム71と、支持フレーム26に移動可能に支持されアーム71を駆動するカム72と、支持フレーム26に係合する係合爪83とカム72に当接してカム72の上方への移動を規制する第1規制部84とを有し、係合爪83が支持フレーム26に係合することで支持フレーム26に取り付けられる規制部材80とを備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
感光ドラムと、前記感光ドラムに当接する当接位置と前記感光ドラムから離間する離間位置とに移動可能な現像ローラとを有し、前記装置本体に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジと、を備え、
前記装置本体は、
前記感光ドラムのドラム軸線方向における前記プロセスカートリッジの側方に配置され、前記プロセスカートリッジを支持する支持フレームと、
前記支持フレームに支持され、前記現像ローラを当接位置と離間位置との間で移動させるアームと、
前記支持フレームに移動可能に支持され、前記アームを駆動するカムと、
前記支持フレームに係合する係合爪と、前記カムに当接して前記カムの上方への移動を規制する第1規制部とを有し、前記係合爪が前記支持フレームに係合することにより前記支持フレームに取り付けられる規制部材と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記支持フレームは、前記規制部材側へ向けて突出する突起を有し、
前記規制部材は、
板状の本体と、前記本体から前記支持フレーム側へ突出し、前記突起が嵌合する嵌合孔を有し、前記突起が前記嵌合孔に嵌合することにより前記規制部材の前記支持フレームに対する位置決めがなされる位置決め部を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記嵌合孔が形成された円筒形状を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1規制部は、前記位置決め部の下端から下方へ突出して、下端部に前記カムの上面に当接する第1突部を有する請求項2または請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1突部の下端は、前記位置決め部の篏合孔軸線を中心とした前記規制部材の回動方向に沿う円弧形状を有している請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持フレームは、
前記突起から離間した位置において前記規制部材側へ向けて突出し、前記位置決め部の篏合孔軸線を中心とした前記規制部材の回動方向と交差する一面、および前記一面とは反対側の他面を有する突出片を備え、
前記規制部材は、
前記支持フレーム側へ向けて突出し前記突出片の前記一面に当接する一面側規制片と、前記一面側規制片と上下方向に間隔をあけて配置され、前記支持フレーム側へ向けて突出し前記突出片の前記他面に当接する他面側規制片と、を有する第2規制部を備える請求項2~請求項5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記規制部材は、
前記本体から前記支持フレーム側へ向けて突出し、前記ドラム軸線方向において前記支持フレームと当接可能な第2突部を有する請求項2~請求項6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記規制部材は、
前記本体から、前記ドラム軸線方向から見て前記カムと重なる位置に延出し、前記ドラム軸線方向において前記カムと当接可能な板部を有し、
前記ドラム軸線方向において、前記カムは前記支持フレームと前記板部との間に位置する請求項2~請求項7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装置本体は、本体フレームを備え、
前記規制部材は、前記ドラム軸線方向において、前記支持フレームと、前記本体フレームと、の間に配置されている請求項1~請求項8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記本体フレームは、樹脂で構成されている請求項9に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に装着されたプロセスカートリッジの現像ローラを感光ドラムから離間可能に構成され、現像ローラを感光ドラムから離間させるための操作を行うアームと、アームを駆動するカムと、感光ドラムのドラム軸線方向におけるプロセスカートリッジの側方に配置され、アームとカムとプロセスカートリッジとを支持する支持フレームと、を備えた画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このように構成される画像形成装置においては、カムが前後方向へ移動することによりアームが駆動されるように構成されており、カムが上方向へ移動することを規制する規制部材が設けられている。カムの上方向への移動を規制する規制部材は、ネジによって支持フレームに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-71363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像形成装置においては、装置の小型化を図ることが望まれているが、装置の小型化を図った場合、支持フレームにスペース上の制約が生じて、規制部材をネジにより支持フレームに取り付けることが困難になるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明においては、規制部材を支持フレームに取り付けることを可能としつつ、装置の小型化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、画像形成装置は、装置本体と、感光ドラムと、前記感光ドラムに当接する当接位置と前記感光ドラムから離間する離間位置とに移動可能な現像ローラとを有し、前記装置本体に着脱可能に装着されるプロセスカートリッジと、を備え、前記装置本体は、前記感光ドラムのドラム軸線方向における前記プロセスカートリッジの側方に配置され、前記プロセスカートリッジを支持する支持フレームと、前記支持フレームに支持され、前記現像ローラを当接位置と離間位置との間で移動させるアームと、前記支持フレームに移動可能に支持され、前記アームを駆動するカムと、前記支持フレームに係合する係合爪と、前記カムに当接して前記カムの上方への移動を規制する第1規制部とを有し、前記係合爪が前記支持フレームに係合することにより前記支持フレームに取り付けられる規制部材と、を備える。
【0009】
このように、規制部材は、係合爪が支持フレームに係合することにより支持フレームに取り付けられるため、規制部材をネジにより支持フレームに取り付けた場合のように、規制部材を取り付けるためのスペースを多く必要としない。従って、画像形成装置においては、規制部材を支持フレームに取り付けることを可能としつつ、装置の小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記支持フレームは、前記規制部材側へ向けて突出する突起を有し、前記規制部材は、板状の本体と、前記本体から前記支持フレーム側へ突出し、前記突起が嵌合する嵌合孔を有し、前記突起が前記嵌合孔に嵌合することにより前記規制部材の前記支持フレームに対する位置決めがなされる位置決め部を備える。
【0011】
これにより、規制部材を支持フレームに対して位置決めした状態で、支持フレームに取り付けることができる。
【0012】
また、前記位置決め部は、前記嵌合孔が形成された円筒形状を有する。
【0013】
これにより、位置決め部をコンパクトに構成することができる。
【0014】
また、前記第1規制部は、前記位置決め部の下端から下方へ突出して、下端部に前記カムの上面に当接する第1突部を有する。
【0015】
このように、支持フレームに対する位置決め部から、カムに当接する第1突部を突出させることで、カムの上方への移動を精度良く規制することができる。
【0016】
また、前記第1突部の下端は、前記位置決め部の篏合孔軸線を中心とした前記規制部材の回動方向に沿う円弧形状を有している。
【0017】
このように、第1突部の下端が円弧形状を有することで、仮に規制部材が篏合孔軸線を中心として回動したとしても、カムの上面に当接する第1突部の下端の上下位置が変化することを抑制でき、カムの上方への移動を規制する精度を保持可能である。
【0018】
また、前記支持フレームは、前記突起から離間した位置において前記規制部材側へ向けて突出し、前記位置決め部の篏合孔軸線を中心とした前記規制部材の回動方向と交差する一面、および前記一面とは反対側の他面を有する突出片を備え、前記規制部材は、前記支持フレーム側へ向けて突出し前記突出片の前記一面に当接する一面側規制片と、前記一面側規制片と上下方向に間隔をあけて配置され、前記支持フレーム側へ向けて突出し前記突出片の前記他面に当接する他面側規制片と、を有する第2規制部を備える。
【0019】
これにより、第2規制部の一面側規制片と他面側規制片とが支持フレームの突出片に当接することで、規制部材が篏合孔軸線を中心として回動することが規制され、規制部材の支持フレームに対する姿勢を保持することができる。
【0020】
また、前記規制部材は、前記本体から前記支持フレーム側へ向けて突出し、前記ドラム軸線方向において前記支持フレームと当接可能な第2突部を有する。
【0021】
これにより、第2突部が支持フレームと当接することで規制部材のドラム軸線方向への移動が規制され、ドラム軸線方向において規制部材の支持フレームに対する取り付け位置を適正な位置に保持することができる。
【0022】
また、前記規制部材は、前記本体から、前記ドラム軸線方向から見て前記カムと重なる位置に延出し、前記ドラム軸線方向において前記カムと当接可能な板部を有し、前記ドラム軸線方向において、前記カムは前記支持フレームと前記板部との間に位置する。
【0023】
これにより、支持フレームに支持されるカムのドラム軸線方向における移動が板部により規制され、カムを支持した状態の支持フレームを他のフレーム等に取り付ける際に、カムが支持フレームから離れる方向に移動して落下することを抑制でき、支持フレームの取り付け性を向上することができる。
【0024】
また、前記装置本体は、本体フレームを備え、前記規制部材は、前記ドラム軸線方向において、前記支持フレームと、前記本体フレームと、の間に配置されている。
【0025】
このように、規制部材が、ドラム軸線方向において支持フレームと本体フレームとの間に位置することで、規制部材が支持フレームに支持された状態を安定して保持することができる。
【0026】
また、前記本体フレームは、樹脂で構成されている。
【0027】
これにより、本体フレームを板金部材で構成した場合に比べて軽量化することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、規制部材を支持フレームに取り付けることを可能としつつ、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】画像形成装置における装置本体の内部を示す斜視図である。
図3】プロセスカートリッジを示す斜視図である。
図4】(a)プロセスカートリッジを示す右側面図、(b)はプロセスカートリッジを示す左側面図である。
図5】アーム、上部カム、下部カム、リンクアーム、および規制部材を支持した支持フレームが取り付けられた状態の第1本体フレームを左右内側から見た側面図である。
図6図5から支持フレームを除いた状態の第1本体フレームを左右内側から見た側面図である。
図7】アーム、上部カム、下部カム、リンクアーム、および規制部材を支持した支持フレームの外側面を示す側面図である。
図8】規制部材を示す斜視図である。
図9】(a)は規制部材を示す左側面図、(b)hs規制部材を示す正面図、(c)は規制部材を示す平面図である。
図10】支持フレームの外側面を示す一部側面図である。
図11図5のA-A断面図である。
図12図5のB-B断面図である。
図13図5のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0031】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、用紙Sに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0032】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0033】
画像形成装置1は、装置本体2と、用紙Sを支持する給紙トレイ10及び用紙Sを搬送する用紙搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきた用紙Sに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0034】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。装置本体2の上面には開口部2Aが開口しており、装置本体2は開口部2Aを開閉可能なトップカバー23を有している。
【0035】
トップカバー23は、後端部の回動軸23aを中心として回動可能に構成されており、回動軸23aを中心として回動することにより、開口部2Aを閉鎖する閉位置と、開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。装置本体2のトップカバー23には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ23bが形成されている。
【0036】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持される用紙Sを用紙搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0037】
用紙搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ23aへ至る用紙Sの搬送経路Pが構成されている。
【0038】
給紙トレイ10に支持される用紙Sは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けて用紙Sを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持される用紙Sを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0039】
搬送経路Pに送り出された用紙Sは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送される用紙Sの先端の移動を規制して一旦停止させた後、用紙Sを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0040】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54とを備えている。
【0041】
プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51のドラム軸線X(図3参照)が左右方向に沿った姿勢で装置本体2に装着されている。左右方向は、ドラム軸線方向の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51に当接する当接位置と、感光ドラム51から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。
【0042】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー23に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー23から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー23が閉じた状態において感光ドラム52の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにより構成されている。
【0043】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43によりベルト装置40が構成されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。
【0044】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0045】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0046】
画像形成部5へ向けて搬送された用紙Sが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、用紙Sと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによって用紙Sに転写される。
【0047】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写される用紙Sを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらに用紙Sに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0048】
トナー像が転写された用紙Sは定着装置60に搬送される。定着装置60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着装置60に搬送された用紙Sは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0049】
トナー像が熱定着された用紙Sは、定着装置60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ23bに排出される。
【0050】
図2に示すように、装置本体2は、左右方向に互いに離間して配置される第1本体フレーム24と、第2本体フレーム25とを備えている。第1本体フレーム24は、装置本体2の右端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。第2本体フレーム25は、装置本体2の左端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。第1本体フレーム24の第2本体フレーム25と対向する側の面となる、左右内側の面には、支持フレーム26が取り付けられている。
【0051】
第1本体フレーム24は樹脂部材で構成されており、第1本体フレーム24を板金部材で構成した場合に比べて軽量化することが可能となっている。
【0052】
プロセスカートリッジ50は、支持フレーム26と第2本体フレーム25との間に配置されており、支持フレーム26と第2本体フレーム25とによって着脱可能に支持されている。支持フレーム26は、感光ドラム51のドラム軸線X方向におけるプロセスカートリッジ50の一側方となる、プロセスカートリッジ50の右方に配置されている。第2フレーム25は、感光ドラム51のドラム軸線X方向におけるプロセスカートリッジ50の他側方となる、プロセスカートリッジ50の左方に配置されている。
【0053】
[プロセスカートリッジ]
図3図4に示すように、プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51および現像ローラ52を保持するカートリッジフレーム55を有している。プロセスカートリッジ50は、ドラム軸線X方向における右端部50Aに突出リブ551およびレバー552を有している。
【0054】
突出リブ551は、例えばカートリッジフレーム55と一体成形されており、カートリッジフレーム55から右方へ向けて突出している。レバー552は、現像ローラ52を当接位置と離間位置とに移動させるための部材であり、レバー552に押圧力が作用していない状態では現像ローラ52は当接位置に移動し、レバー552が上方から押圧された状態では現像ローラ52は離間位置に移動する。
【0055】
感光ドラム51は、ドラム軸線X方向における右端部に第1軸受け部511を有しており、軸方向における左端部に第2軸受け部512を有している。第1軸受け部511は、プロセスカートリッジ50の右端部50Aに位置しており、第2軸受け部512は、プロセスカートリッジ50の左端部50Bに位置している。
【0056】
[装置本体の右端部の構成]
図5図7に示すように、支持フレーム26は、ドラム軸線X方向においてプロセスカートリッジ50と対向する内側面26Aと、ドラム軸線X方向において第1本体フレーム24と対向する、内側面26Aとは反対側の外側面26Bとを有している。
【0057】
支持フレーム26の内側面26Aは、プロセスカートリッジ50を装置本体2に着脱する際に、プロセスカートリッジ50の突出リブ551をガイドするガイド面261を有している。装置本体2に着脱されるプロセスカートリッジ50の突出リブ551がガイド面261にガイドされることで、プロセスカートリッジ50の左右方向の位置決めがなされる。
【0058】
支持フレーム26の内側面26Aは、プロセスカートリッジ50を装置本体2に装着したときに、感光ドラム51の第1軸受け部511に当接して、感光ドラム51の位置決めを行う位置決め部262を有している。位置決め部262は、装置本体2に装着されたプロセスカートリッジ50の第1軸受け部511を下方から支持するように構成されている。
【0059】
支持フレーム26は、左右方向に貫通し、円弧形状に形成される貫通孔263を有している。ガイド面261、位置決め部262、および貫通孔263は、それぞれ支持フレーム26に支持されるプロセスカートリッジ50の数に対応して、前後方向に沿って4箇所に形成されている。
【0060】
装置本体2は、アーム71と、上部カム72と、下部カム73と、リンクアーム74と、規制部材80とを備えている。アーム71、上部カム72、下部カム73、リンクアーム74、および規制部材80は、ドラム軸線X方向において支持フレーム26と第1本体フレーム24との間に配置されている。
【0061】
アーム71は、本体71aと、本体71aに形成される回動軸部71bおよびアーム部71cとを有しており、回動軸部71bが支持フレーム26の外側面26Bに回動可能に支持されている。アーム71においては、本体71aおよび回動軸部71bが支持フレーム26と第1本体フレーム24との間に配置されており、アーム部71cがドラム軸線X方向において本体71aからプロセスカートリッジ50側へ向けて突出している。
【0062】
アーム部71cは、貫通孔263を通じて支持フレーム26よりもプロセスカートリッジ50側へ突出している。アーム部71cは、回動軸部71bを中心として貫通孔263の円弧形状に沿って回動する。アーム71は、アーム部71cがプロセスカートリッジ50のレバー552を押圧する押圧位置と、アーム部71cがレバー522から離間する解放位置とに移動可能である。
【0063】
アーム71が押圧位置に移動したときには、アーム部71cによりレバー552が押圧されて、現像ローラ52は離間位置に移動する。アーム71が解放位置に移動したときには、アーム部71cがレバー522から離間して、現像ローラ52は当接位置に移動する。つまり、アーム71は、現像ローラ52を当接位置と離間位置との間で移動させる。
【0064】
上部カム72は、支持フレーム26の外側面26Bに前後方向へ移動可能に支持されており、前後方向へ移動することによりアーム71を駆動する。上部カム72は、アームを駆動するカムの一例である。アーム71は、上部カム72が前後方向へ移動することにより、上部カム72に形成されたカム面72aの形状に応じて回動する。
【0065】
下部カム73は、上部カム72の下方に配置されており、支持フレーム26の外側面26Bに前後方向へ移動可能に支持されている。リンクアーム74は支持フレーム26の外側面26Bに支持されており、回動軸部74aを中心として回動可能に構成されている。リンクアーム74の上端部74bは上部カム72に連結されており、リンクアーム74の下端部74cは下部カム73に連結されている。
【0066】
下部カム73は、装置本体2が備える駆動源(不図示)からの駆動力により駆動され、駆動された下部カム73が前方へ移動するとリンクアーム74を介して上部カム72が後方へ移動し、駆動された下部カム73が後方へ移動するとリンクアーム74を介して上部カム72が前方へ移動するように構成されている。
【0067】
規制部材80は、支持フレーム26の外側面26Bに支持されている。図8図9に示すように、規制部材80は、本体81と、位置決め部82と、係合爪83と、第1規制部84と、第2規制部85と、第2突部86と、板部87とを有している。本体81は、板面をドラム軸線X方向に向けた板状部材により形成されている。
【0068】
位置決め部82は、本体81から支持フレーム26側へ突出する円筒形状に形成されている。位置決め部82は、円筒形状に形成された部分に篏合孔82aを有している。篏合孔82aは、ドラム軸線Xと平行な篏合孔軸線Yを有している。図10に示すように、支持フレーム26は、外側面26Bから規制部材80側へ向けて突出する突起265を有している。
【0069】
図11に示すように、位置決め部82の篏合孔82aは支持フレーム26の突起265と篏合しており、突起265が嵌合孔82aに嵌合することにより規制部材80の支持フレーム26に対する前後方向および上下方向の位置決めがなされている。このように、規制部材80が位置決め部82を有することで、規制部材80を支持フレーム26に対して位置決めした状態で、支持フレーム26に取り付けることが可能となっている。また、規制部材80においては、位置決め部82を篏合孔82aが形成された円筒形状に形成することで、位置決め部82をコンパクトに構成することが可能となっている。
【0070】
図8図9に示すように、係合爪83は、本体81から支持フレーム26側へ突出する爪部材である。図10に示すように、支持フレーム26は、外側面26Bに形成される係合部266を有している。図12に示すように、規制部材80の係合爪83は、支持フレーム26の係合部266に係合しており、係合爪83が支持フレーム26の係合部266に係合することにより規制部材80が支持フレーム26に取り付けられている。
【0071】
図8図9図11に示すように、第1規制部84は、位置決め部82の下端から下方へ突出しており、カム72の上端に当接してカム72の上方への移動を規制する。第1規制部84は、下端部にカム72の上端に当接する第1突部84aを有しており、第1突部84aがカム72に当接することによりカム72の上方への移動が規制される。
【0072】
第1規制部84においては、規制部材80の支持フレーム26に対する位置決めを行う位置決め部82から、カム72に当接する第1突部84aを突出させることで、カム72の上方への移動を精度良く規制することが可能となっている。
【0073】
図9(a)に示すように、第1突部84aの下端は、位置決め部82における篏合孔82aの篏合孔軸線Yを中心とした規制部材80の回動方向Rに沿う円弧形状を有している。このように、第1突部84aの下端は円弧形状を有しているため、仮に規制部材80が篏合孔軸線Yを中心として回動したとしても、カム72の上面に当接する第1突部84aの下端の上下位置が変化することを抑制でき、カム72の上方への移動を規制する精度を保持可能となっている。
【0074】
図10に示すように、支持フレーム26は、突起265から前方へ離間した位置において規制部材80側へ向けて突出する突出片267を有している。突出片267は、位置決め部82の篏合孔軸線Yを中心とした規制部材80の回動方向Rと交差する一面267a、および一面267aとは反対側の他面267bを有している。本実施形態においては、一面267aは上方向に面しており、他面267bは下方向に面している。
【0075】
図8図9図13に示すように、第2規制部85は、支持フレーム26側へ向けて突出し突出片267の一面267aに当接する一面側規制片85aと、一面側規制片85aと上下方向に間隔をあけて配置され、支持フレーム26側へ向けて突出し突出片267の他面267bに当接する他面側規制片85bとを有している。
【0076】
一面側規制片85aが突出片267の一面267aに当接することで、規制部材80が篏合孔軸線Yを中心として、一面側規制片85aが下方へ移動する方向へ回動することが規制される。他面側規制片85bが突出片267の他面267bに当接することで、規制部材80が篏合孔軸線Yを中心として、他面側規制片85bが上方へ移動する方向へ回動することが規制される。
【0077】
つまり、第2規制部85の一面側規制片85aと他面側規制片85bとが支持フレーム26の突出片267に当接することで、規制部材80が篏合孔軸線Yを中心として回動することが規制され、規制部材80の支持フレーム26に対する姿勢を保持することが可能となっている。
【0078】
なお、本実施形態においては、突出片267の一面267aは上方向に面しており、他面267bは下方向に面しているが、突出片267は、一面267aおよび他面267bがそれぞれ上方および下方から傾斜した方向に面するように形成することも可能である。
【0079】
図8図9に示すように、第2突部86は、本体81から支持フレーム26側へ向けて突出している。図10図12図13に示すように、支持フレーム26は、ドラム軸線X方向において第2突部86と対向する縁部268を有している。第2突部86と縁部268とは、ドラム軸線X方向において若干の隙間を有して配置されている。第2突部86は、ドラム軸線X方向において縁部268と当接可能である。
【0080】
従って、係合爪83が係合部266に係合して規制部材80が支持フレーム26に取り付けられている状態から、規制部材80が支持フレーム26側へ移動すると、第2突部86が縁部268に当接して、規制部材80の支持フレーム26側への移動が規制される。このように、第2突部86が支持フレーム26の縁部268と当接することにより規制部材80のドラム軸線X方向への移動が規制され、ドラム軸線X方向において規制部材80の支持フレーム26に対する取り付け位置を適正な位置に保持することが可能となっている。
【0081】
図8図9に示すように、板部87は、本体81から下方へ延出する板形状に形成されている。図12図13に示すように、板部87は、ドラム軸線X方向から見てカム72と重なる位置に延出しており、ドラム軸線X方向においてカム72と当接可能に構成されている。カム72は、ドラム軸線X方向において支持フレーム26と板部87との間に位置している。
【0082】
このような構成により、支持フレーム26に支持されるカム72のドラム軸線X方向における移動が板部87により規制される。これにより、カム72を支持した状態の支持フレーム26を第1本体フレーム24に取り付ける際に、カム72が支持フレーム26から離れる方向に移動して落下することを抑制でき、支持フレーム26の第1本体フレーム24への取り付け性を向上することが可能となっている。
【0083】
また、規制部材80は、ドラム軸線X方向において、支持フレーム26と第1本体フレーム24との間に位置しており、規制部材80が支持フレーム26に支持された状態を安定して保持することが可能となっている。
【0084】
上述のように、画像形成装置1は、係合爪83が支持フレーム26に係合することにより支持フレーム26に取り付けられ、カム72の上方への移動を規制する第1規制部84を有する規制部材80を備えている。
【0085】
このように、規制部材80は、係合爪83が支持フレーム26に係合することにより支持フレーム26に取り付けられるため、規制部材80をネジにより支持フレーム26に取り付けた場合のように、規制部材80を取り付けるためのスペースを多く必要としない。従って、画像形成装置1においては、規制部材80を支持フレーム26に取り付けることを可能としつつ、装置の小型化を図ることが可能となっている。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置
2 装置本体
24 第1本体フレーム
26 支持フレーム
50 プロセスカートリッジ
51 感光ドラム
52 現像ローラ
71 アーム
72 カム
80 規制部材
81 本体
82 位置決め部
82a 嵌合孔
83 係合爪
84 第1規制部
84a 第1突部
85 第2規制部
85a 一面側規制片
85b 他面側規制片
86 第2突部
87 板部
265 突起
267 突出片
267a 一面
267b 他面
X ドラム軸線
Y 嵌合孔軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13