(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086867
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】表示制御方法、および表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/10 20060101AFI20220602BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220602BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220602BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20220602BHJP
【FI】
G09G5/10 Z
G09G5/00 550B
G09G5/36 520P
H04N21/431
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199132
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮吏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一男
(72)【発明者】
【氏名】肖 利民
【テーマコード(参考)】
5C164
5C182
【Fターム(参考)】
5C164PA34
5C164UB41S
5C164UB82P
5C164YA21
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB08
5C182AC03
5C182CA01
5C182CB44
5C182DA04
5C182DA52
5C182DA53
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】ユーザに与える違和感をより抑えて、低消費電力化のための輝度補正を行うことができる表示制御方法を提供する。
【解決手段】表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する第1のステップと、表示させる画像のアプリケーションが第1のアプリケーショングループに含まれている場合、表示させる画像のうち、コンテンツが表示されていない領域を検出する第2のステップと、コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる第3のステップとを有する表示制御方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する第1のステップと、
前記表示させる画像のアプリケーションが前記第1のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像のうち、コンテンツが表示されていない領域を検出する第2のステップと、
前記コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる第3のステップと
を有する表示制御方法。
【請求項2】
前記第2のステップにおいて、前記画像を複数の領域に分割し、前記複数の領域のうち、所定の範囲の画素値のみからなる領域を、前記コンテンツが表示されていない領域とすること
を特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記所定の範囲は、前記表示させる画像のアプリケーションに応じた範囲であること
を特徴とする請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記第2のステップにおいて、前記画像が変更されたときに、前記コンテンツが表示されていない領域の検出を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記画像が一定の時間にわたって変更されず、かつ、前記表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第2のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像に対して輝度を抑制させる第4のステップを有すること
を特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項6】
表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する判定部と、
前記表示させる画像のアプリケーションが前記第1のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像のうち、コンテンツが表示されていない領域を検出する非コンテンツ領域検出部と、
前記コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる調光部と
を有する表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法、および表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デスクトップ型、ノート型あるいはタブレット型のパーソナルコンピュータや、スマートフォンなどのデバイスには、低消費電力化のために表示画像の輝度を制御しているものがある。例えば、特許文献1には、表示画面に違和感を与えないような、なだらかな輝度レベルの起伏を有する輝度傾斜パターンに基づいて、入力画像に対して輝度傾斜補正を行うことで、低消費電力化を図る自発光表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の輝度傾斜補正においては、表示されている画像によってはユーザに違和感を与えてしまうことがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ユーザに与える違和感をより抑えて、低消費電力化のための輝度補正を行うことができる表示制御方法、および表示制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する第1のステップと、前記表示させる画像のアプリケーションが前記第1のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像のうち、コンテンツが表示されていない領域を検出する第2のステップと、前記コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる第3のステップとを有する表示制御方法である。
【0007】
また、本発明の他の態様は、上述の表示制御方法であって、前記第2のステップにおいて、前記画像を複数の領域に分割し、前記複数の領域のうち、所定の範囲の画素値のみからなる領域を、前記コンテンツが表示されていない領域とすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の態様は、上述の表示制御方法であって、前記所定の範囲は、前記表示させる画像のアプリケーションに応じた範囲であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の態様は、上述の表示制御方法であって、前記第2のステップにおいて、前記画像が変更されたときに、前記コンテンツが表示されていない領域の検出を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の態様は、上述の表示制御方法であって、前記画像が一定の時間にわたって変更されず、かつ、前記表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第2のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像に対して輝度を抑制させる第4のステップを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の態様は、表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する判定部と、前記表示させる画像のアプリケーションが前記第1のアプリケーショングループに含まれている場合、前記画像のうち、コンテンツが表示されていない領域を検出する非コンテンツ領域検出部と、前記コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる調光部とを有する表示制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ユーザに与える違和感をより抑えて、低消費電力化のための輝度補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の一実施形態による表示制御装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】同実施形態における第1輝度抑制部111の構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】同実施形態における第1輝度抑制部111の動作を説明するフローチャートである。
【
図4】同実施形態における非コンテンツ領域検出部202による非コンテンツ領域の検出結果を示す模式図である。
【
図5】同実施形態における非コンテンツ領域検出部202による非コンテンツ領域の検出例を示す模式図(その1)である。
【
図6】同実施形態における非コンテンツ領域検出部202による非コンテンツ領域の検出例を示す模式図(その2)である。
【
図7】同実施形態における調光部203による各領域の輝度抑制値を示す模式図である。
【
図8】同実施形態における調光部203による輝度抑制値の補間処理の例を示す図である。
【
図9】同実施形態における輝度抑制値の分布例を示す画像である。
【
図10】同実施形態における第1輝度抑制部111による輝度抑制前の画像の例である。
【
図11】同実施形態における第1輝度抑制部111による輝度抑制後の画像の例である。
【
図12】同実施形態における第2輝度抑制部112の動作を説明するフローチャートである。
【
図13】同実施形態におけるステップS23にて用いる調光パターンの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態による表示制御装置100の構成を示す概略ブロック図である。表示制御装置100は、デスクトップ型、ノート型あるいはタブレット型のパーソナルコンピュータや、スマートフォンなどの画像表示機能もしくは画像信号の出力機能を有する装置である。表示制御装置100は、制御部110と、表示部120を備える。制御部110は、表示部120に表示させる画像の画像信号を生成する。制御部110は、第1輝度抑制部111と、第2輝度抑制部112を備える。第1輝度抑制部111は、表示する画像が更新されたときに、表示させる画像の輝度の抑制を行う。第2輝度抑制部112は、表示する画像が、所定の時間にわたって更新されなかったときに、表示させる画像の輝度の抑制を行う。
【0015】
表示部120は、制御部110によって生成された画像信号に基づき画像を表示する。表示部120が画像を表示するディスプレイは、有機EL((Electro Luminescence)ディスプレイなどの自発光型のディスプレイ、あるいは、バックライトエリア制御(ローカルディミニング)を行う液晶ディスプレイなど、輝度の低い領域が多いほど、消費電力が低くなるディスプレイである。なお、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサが、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などのメモリを用いて、オペレーティングシステムやアプリケーションを実行することにより実現される。このメモリの一部は、VRAM(Video RAM)として用いられてもよい。
【0016】
また、表示制御装置100は、表示部120を備えておらず、表示部120を備える外部のディスプレイに、制御部110が生成した画像信号を出力するように構成されていてもよい。また、輝度の抑制により、消費電力を低下させるには、表示部120が画像を表示するディスプレイが、輝度の低い領域が多いほど、消費電力が低くなるディスプレイである必要がある。そこで、制御部110は、表示制御装置100に接続されている外部ディスプレイの型番などを確認し、該外部ディスプレイの表示部120が、輝度の低い領域が多いほど、消費電力が低くなるディスプレイであるときにのみ、第1輝度抑制部111、第2輝度抑制部112による輝度の抑制を行うようにしてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態における第1輝度抑制部111の構成を示す概略ブロック図である。第1輝度抑制部111は、アプリケーション判定部(判定部)201、非コンテンツ領域検出部202、調光部203を備える。アプリケーション判定部201は、表示させる画像のアプリケーションが事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する。非コンテンツ領域検出部202は、表示させる画像のアプリケーションが第1のアプリケーショングループに含まれている場合、表示させる画像のうち、コンテンツが表示されていない領域(非コンテンツ領域)を検出する。調光部203は、コンテンツが表示されていない領域に対して輝度を抑制させる。
【0018】
図3は、本実施形態における第1輝度抑制部111の動作を説明するフローチャートである。まず、アプリケーションが、表示させる画像を更新すると(ステップS11)、アプリケーション判定部201は、該アプリケーションが、事前に登録された第1のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する(ステップS12)。ここで、第1のアプリケーショングループは、第1輝度抑制部111による輝度の抑制の対象となるアプリケーションのグループである。ステップS12において、含まれていないと判定したときは(ステップS12:No)、第1輝度抑制部111は、調光部203による輝度の抑制を行わずに、更新された画像を表示部120に表示させる画像とする(ステップS15)。したがって、制御部110は、該更新された画像の画像信号を生成し、該更新された画像を表示部120に表示させる。
【0019】
一方、ステップS12において、含まれていると判定したときは(ステップS12:Yes)、非コンテンツ領域検出部202が、更新された画像のうち、コンテンツが表示されていない領域である非コンテンツ領域の検出を行う(ステップS13)。非コンテンツ領域の検出の詳細は、後述する。次に、調光部203が、非コンテンツ領域の輝度の抑制(調光)を行う(ステップS14)。輝度の抑制の詳細は後述する。第1輝度抑制部111は、調光部203により輝度の抑制が行われた画像を、表示部120に表示させる画像とする(ステップS15)。このように、非コンテンツ領域に対して輝度の抑制を行うので、ユーザに与える違和感を抑えて、低消費電力化のための輝度補正を行うことができる。
【0020】
図4は、本実施形態における非コンテンツ領域検出部202による非コンテンツ領域の検出結果を示す模式図である。非コンテンツ領域検出部202は、更新された画像を複数の領域に分割し、これらの領域の中から、非コンテンツ領域を検出する。
図4は、更新された画像G10を、縦方向に5等分、横方向に9等分して、45個の矩形の領域に分割する場合の例である。非コンテンツ領域検出部202は、分割した複数の領域各々について、非コンテンツ領域であるか(True)否か(False)を判定する。なお、分割する複数の領域は、予め決められた固定した領域であっても良いし、アプリケーション毎に決められた領域であっても良い。例えば、アプリケーション毎に、分割数が決められていてもよいし、領域の形状が決められていてもよい。あるいは、表示部120が、バックライトエリア制御を行うディスプレイの場合は、該バックライトエリア制御のエリアに合わせた領域となっていてもよい。
【0021】
図5および
図6は、本実施形態における非コンテンツ領域検出部202による非コンテンツ領域の検出例を示す模式図である。非コンテンツ領域検出部202は、分割した領域の画素(Pixel)の画素値に基づき、該領域が非コンテンツ領域であるか否かを判定する。
図5の例では、非コンテンツ領域検出部202は、領域B10の画素毎に、RGB値とFilter値との論理積(AND)を取る。さらに、非コンテンツ領域検出部202は、領域B10の全ての画素の、上記論理積の結果について論理積を取り、その結果がFilter値と一致しているので非コンテンツ領域であると判定する。
【0022】
より詳細には、非コンテンツ領域検出部202は、領域B10の左上の画素(Initial of Block)の画素値(例えばR値)とFilter値の論理積を取り、その結果R1を暫定値として記憶する。次に、非コンテンツ領域検出部202は、その右隣りの画素の画素値とFilter値の論理積を取り、その結果R2と、先に記憶した暫定値(結果R1)との論理積を取った値を暫定値として記憶する。さらに、非コンテンツ領域検出部202は、その右隣りの画素の画素値とFilter値の論理積を取り、その結果と、直前に記憶した暫定値との論理積を取り、結果を記憶する。これを、順に、領域B10の全ての画素のR値とG値とB値について行う。そして、最後に非コンテンツ領域検出部202は、領域B10の右下の画素(End of Block)の画素値とFilter値の論理積を取った結果R3と、直前に記憶した暫定値との論理積REが、Filter値と一致するか否か判定する。
図5の例では、一致するので、非コンテンツ領域検出部202は、領域B10を、非コンテンツ領域として検出する。このようにすることで、演算を画素値毎に順に行うことができるので、判定の際に用いるメモリ量を少なくすることが出来る。
【0023】
図6の例では、非コンテンツ領域検出部202は、領域B11の画素毎に、RGB値とFilter値との論理積(AND)を取る。さらに、非コンテンツ領域検出部202は、領域B10の全ての画素の、上記論理積の結果について論理積を取り、その結果がFilter値と一致していないので非コンテンツ領域でないと判定する。より詳細には、非コンテンツ領域検出部202は、領域B11の左上の画素(Initial of Block)の画素値(例えばR値)とFilter値の論理積を取り、その結果R1aを暫定値として記憶する。次に、非コンテンツ領域検出部202は、その右隣りの画素の画素値とFilter値の論理積を取り、その結果R2aと、先に記憶した暫定値(結果R1a)との論理積を取った値を暫定値として記憶する。さらに、非コンテンツ領域検出部202は、その右隣りの画素の画素値とFilter値の論理積を取り、その結果と、直前に記憶した暫定値との論理積を取り、結果を記憶する。これを、順に、領域B11の全ての画素のR値とG値とB値について行う。そして、最後に非コンテンツ領域検出部202は、領域B11の右下の画素(End of Block)の画素値とFilter値の論理積を取った結果R3aと、直前に記憶した暫定値との論理積REaが、Filter値と一致するか否か判定する。
図6の例では、一致しないので、非コンテンツ領域検出部202は、領域B11を、非コンテンツ領域でないと判定する。
【0024】
図5および
図6の例では、Filter値を、2進数で‘11110000’とすることで、全ての画素値が、‘11110000’から‘11111111’の範囲内であるか否かを判定している。このFilter値は、R値、G値、B値で異なった値とし、非コンテンツ領域検出部202は、全ての画素のR値、G値、B値各々について、TrueかFalseかを判定し、R値、G値、B値の全てがTrueのときは、非コンテンツ領域であり、いずれかがFalseのときは非コンテンツ領域でないと判定してもよい。また、Filter値は、アプリケーション毎に予め決められた値であってもよい。
【0025】
ここでは、非コンテンツ領域検出部202は、分割した領域の全ての画素(Pixel)のRGB値各々が、所定の範囲内にあるときに、非コンテンツ領域である判定する例を説明したが、これに限らない。例えば、所定の割合の画素の画素値が、所定の範囲内にあるときに非コンテンツ領域であると判定してもよいし、判定する画素値をRGB値ではなく、輝度、彩度、色相の値としてもよいし、輝度値のみ、彩度のみ、あるいは、色相のみとしてもよい。
【0026】
図7は、本実施形態における調光部203による各領域の輝度抑制値を示す模式図である。
図7の模式
図G11に示すように、調光部203は、非コンテンツ領域検出部202の検出結果に基づき、分割した各領域の輝度抑制値を決定する。
図7において、Trueは、非コンテンツ領域であることを示し、Falseは、非コンテンツ領域でないことを示す。また、輝度抑制値0%は、輝度を抑制しないことを示し、輝度抑制値-10%は、輝度を10%下げることを示し、輝度抑制値-20%は、輝度を20%下げることを示す。具体的には、調光部203は、当該領域が非コンテンツ領域でない場合は、輝度抑制値を0%とする。また、調光部203は、当該領域が非コンテンツ領域である場合は、当該領域に隣接する領域全てが非コンテンツ領域であれば、輝度抑制値を-20%とし、当該領域に隣接する領域の一部でも非コンテンツ領域でなければ、輝度抑制値を-10%とする。
【0027】
調光部203は、分割した各領域の輝度抑制値の以下にようにして決定してもよい。まず、調光部203は、全て領域の輝度抑制値を仮に0%とする。次に、調光部203は、分割した領域を順に選択し、選択した領域が非コンテンツ領域であれば、当該領域に隣接する領域の輝度抑制値の最大値から10%を引いた値と、-20%のうち、大きい値とし、非コンテンツ領域でなければ、輝度抑制値を0%とする。さらに、調光部203は、分割した領域を、再度、順に選択し、一巡目と同様に、選択した領域が非コンテンツ領域であれば、当該領域に隣接する領域の輝度抑制値の最大値から10%を引いた値と、-20%のうち、大きい値とし、非コンテンツ領域でなければ、輝度抑制値を0%とする
【0028】
図8は、本実施形態における調光部203による輝度抑制値の補間処理の例を示す図である。調光部203は、分割した各領域の輝度抑制値を、領域の境目で輝度抑制値が不連続な値にならないように、例えば、一次補間などの補間処理を行うことで、各画素の輝度抑制値を決定する。
図8の例では、一次補間をプログラム形式で記載している。
図8の例において、Size_hは、表示する画像の縦の画素数、BSizeは、表示する画像の横の画素数、Pitch_hは、分割した領域の縦の画素数、Pitch_wは、分割した領域の横の画素数、div_xは、表示する画像の横方向の分割数-1、L[x]は、x番目の分割した領域の輝度抑制値、L
ijは、座標(i,j)の画素の輝度抑制値である。なお、分割した領域には、左上から右方向に、0から順に番号を振り、右端まで来たら、一つ下の段について、左端から右方向に、順に番号を振る。また、画素の座標(X,Y)は、表示する画像の左上端を、原点(0,0)とし、右向きにX軸、下向きにY軸をとったものである。
【0029】
図8の例では、分割した領域の左上端の画素の輝度抑制値には、当該領域の輝度抑制値を用いている。右上端の画素の輝度抑制値には、右隣りの領域の輝度抑制値を用いている。左下端の画素の輝度抑制値には、下隣りの領域の輝度抑制値を用いている。右下端の画素の輝度抑制値には、右下隣りの領域の輝度抑制値を用いている。そして、当該領域内の画素の輝度抑制値には、それらを一次補間した値を用いている。調光部203は、各画素の画素値(RGB値)を、該画素の輝度抑制値を用いて、輝度が低下するように変更する。例えば、輝度抑制値が-20%であれば、画素値を20%削減した値に変更し、輝度抑制値が0%であれば、画素値を変更せずそのままの値を用いる。
【0030】
なお、ここでは、分割した領域の左上端の画素の輝度抑制値に、当該領域の輝度抑制値を用いるようにしたが、これに限られない。例えば、分割した領域の左下端など、他端の画素の輝度抑制値に、当該領域の輝度抑制値を用いるようにしてもよいし、分割した領域の中心の画素の輝度抑制値に、当該領域の輝度抑制値を用いるようにしてもよい。また、調光部203は、VRAMから画素値を読み出し、対応する画素の輝度抑制値を用いて変更した画素値を、VRAMに書き込むようにしてもよい。
【0031】
図9は、本実施形態における輝度抑制値の分布例を示す画像である。
図9において、輝度抑制値0%は白色に、輝度抑制値が小さくなるほど(より大きく抑制されるほど)、濃い黒色としている。
図9に示すように、補間処理により、輝度抑制値は連続した値となり、分割した領域の境目において、輝度抑制値が不連続になっていない。これにより、ユーザに与える違和感を抑えることができる。
【0032】
図10と
図11は、第1輝度抑制部111による輝度抑制前(
図10)と後(
図11)の画像の例である。
図10において、コンテンツが表示されておらず、白色となっていた領域が非コンテンツ領域として検出される。このため、
図11では、コンテンツが表示されていない部分に対して、輝度の抑制が行われており、ユーザが注視する部分である、コンテンツが表示されている部分に対しては、輝度の抑制が行われていない。したがって、ユーザに与える違和感を抑えつつ、低消費電力化を図ることができる。
【0033】
図12は、本実施形態における第2輝度抑制部112の動作を説明するフローチャートである。所定の時間(予め設定された時間)、表示させる画像の変更がないと判定すると(ステップS21:Yes)、第2輝度抑制部112は、表示させる画像のアプリケーションが、事前に登録された第2のアプリケーショングループに含まれているか否かを判定する(ステップS22)。ここで、第2のアプリケーショングループは、第2輝度抑制部112による輝度の抑制の対象となるアプリケーションのグループである。第2のアプリケーショングループは、第1のアプリケーショングループとは別に登録されていることが望ましいが、第1のアプリケーショングループをそのまま用いるようにしてもよい。
【0034】
ステップS22において、含まれていないと判定したときは(ステップS22:No)、第2輝度抑制部112は、輝度の抑制を行わずに、該画像を表示部120に表示させる画像とする(ステップS24)。すなわち、制御部110は、該画像の画像信号を生成し、該更新された画像を表示部120に表示させる。一方、ステップS22において、含まれていると判定したときは(ステップS22:Yes)、第2輝度抑制部112は、所定の調光パターンを用いて、該画像の全画像(全画面)にわたって、輝度を抑制(調光)する(ステップS23)。そして、第2輝度抑制部112は、ステップS23にて輝度の抑制をした画像を表示部120に表示させる画像とする(ステップS24)。すなわち、制御部110は、該画像の画像信号を生成し、該更新された画像を表示部120に表示させる。ステップS24の後、ステップS21に戻る。
【0035】
図13は、本実施形態における
図12のステップS23にて用いる調光パターンの例を説明する図である。
図13に示すように、ステップS23にて用いる調光パターンは、画像の中心Gの輝度抑制値を0%とし、その周囲の点DEIJでは、-20%とし、画像の周辺部のABCFHKLMでは、-40%としているパターンである。例えば、第2輝度抑制部112は、VRAMから画素値を読み出し、対応する画素の輝度抑制値を用いて変更した画素値を、VRAMに書き込むようにしてもよい。
【0036】
また、
図1における制御部110の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより輝度の抑制を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0037】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0038】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0039】
100…表示制御装置
110…制御部
111…第1輝度抑制部
112…第2輝度抑制部
120…表示部
201…アプリケーション判定部
202…非コンテンツ領域検出部
203…調光部