(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086868
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】決済システム、決済方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20220602BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20220602BHJP
G06Q 20/34 20120101ALI20220602BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20220602BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
G06Q20/20
G06Q20/32 300
G06Q20/32 320
G06Q20/34
G07G1/00 331Z
G07G1/12 321L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199134
(22)【出願日】2020-11-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FeliCa
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506324024
【氏名又は名称】アララ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】岩井 陽介
(72)【発明者】
【氏名】竹ヶ鼻 重喜
(72)【発明者】
【氏名】楠木 康弘
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA17
3E142EA04
3E142FA14
3E142GA04
3E142GA16
3E142JA03
5L055AA42
5L055AA64
5L055AA66
(57)【要約】
【課題】顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システムを提供する。
【解決手段】顧客が店舗で決済を行う際に使用される決済システムは、店舗の情報、店舗に設置されるレジの情報、および商品の精算金額の情報を含む精算情報が登録されるPOSレジ10と、精算情報が書き込まれるアクティブICタグ機器20と、アクティブICタグ機器を介して、精算情報を非接触で読み取る携帯端末30と、精算情報に基づいて、決済結果情報を生成する決済サーバ40と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が店舗で決済を行う際に使用される決済システムであって、
前記店舗の情報、前記店舗に設置されるレジの情報、および商品の精算金額の情報を含む精算情報が登録されるPOSレジと、
前記精算情報が書き込まれるアクティブICタグ機器と、
前記アクティブICタグ機器を介して、前記精算情報を非接触で読み取る携帯端末と、
前記精算情報に基づいて、決済結果情報を生成する決済サーバと、
を備える、決済システム。
【請求項2】
前記決済サーバから前記決済結果情報を受信する本部サーバと、
前記本部サーバから前記決済結果情報を受信し、前記POSレジへ前記決済結果情報を送信する店舗サーバと、
をさらに備える、請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
顧客が店舗で決済を行う際に使用される決済方法であって、
POSレジに、前記店舗の情報、前記店舗に設置されるレジの情報、および商品の精算金額の情報を含む精算情報が登録されるステップと、
アクティブICタグ機器に、前記精算情報が書き込まれるステップと、
携帯端末が、前記アクティブICタグ機器を介して、前記精算情報を非接触で読み取るステップと、
決済サーバが、前記精算情報に基づいて、決済結果情報を生成するステップと、
を含む、決済方法。
【請求項4】
本部サーバが、前記決済サーバから前記決済結果情報を受信するステップと、
店舗サーバが、前記本部サーバから前記決済結果情報を受信し、前記POSレジへ前記決済結果情報を送信するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の決済方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の決済システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム、決済方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、QRコード(登録商標)決済システムとして、顧客がQRコードをスマートフォンに表示させ、店員がQRコードをリーダで読み取るCPM(Consumer Presented Mode)方式(
図3A参照)、あるいは、顧客が店舗で表示されているQRコードをスマートフォンで読み取るMPM(Merchant Presented Mode)方式(
図3B参照)が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、非接触型決済システムとして、スマートフォンに搭載された無線通信系の技術(NFC、Felica、Bluetoothなど)を使用して、店舗のレジに設置されるリーダに、顧客が非接触でスマートフォンをかざし、クレジットカード又は電子マネーにより支払いを行うシステムが知られている(
図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のQRコード決済システムでは、顧客は、決済の都度、QRコードの読み取り操作、精算金額の入力、決済指示登録、店員への決済完了画面の提示などを行わなければならず、各種操作が煩わしいという問題があった。一方、店員は、決済の都度、顧客へのQRコードの読み取り案内、顧客への精算金額の入力案内、入力された精算金額の確認、決済完了画面の確認、POS(Point of sale system)レジへの決済完了登録などを行わなければならず、負荷がかかるという問題があった。また、従来の非接触型決済システムでは、OS事業者又は携帯電話事業者がスキーム全体を管理しているため、サービスの提供が制限されてしまうなどの問題もあった。
【0005】
すなわち、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システムを提供することは困難であった。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システム、決済方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る決済システムは、顧客が店舗で決済を行う際に使用される決済システムであって、前記店舗の情報、前記店舗に設置されるレジの情報、および商品の精算金額の情報を含む精算情報が登録されるPOSレジと、前記精算情報が書き込まれるアクティブICタグ機器と、前記アクティブICタグ機器を介して、前記精算情報を非接触で読み取る携帯端末と、前記精算情報に基づいて、決済結果情報を生成する決済サーバと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る決済方法は、顧客が店舗で決済を行う際に使用される決済方法であって、POSレジに、前記店舗の情報、前記店舗に設置されるレジの情報、および商品の精算金額の情報を含む精算情報が登録されるステップと、アクティブICタグ機器に、前記精算情報が書き込まれるステップと、携帯端末が、前記アクティブICタグ機器を介して、前記精算情報を非接触で読み取るステップと、決済サーバが、前記精算情報に基づいて、決済結果情報を生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記決済システムとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システム、決済方法、およびプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る決済システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る決済方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3A】従来に係る決済システムの構成の一例を示す図である。
【
図3B】従来に係る決済システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】従来に係る決済システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
<決済システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る決済システム100の構成について説明する。以下、本明細書では、顧客が商品を購入する際に決済システム100を使用する場合を一例に挙げて説明するが、決済システム100の用途は、これに限定されない。例えば、決済システム100は、サービスなどの役務に対する支払い、料金の収納代行など、店頭におけるあらゆる決済を対象として使用できることは勿論である。
【0014】
図1に示すように、決済システム100は、POSレジ10と、アクティブICタグ機器20と、携帯端末30と、決済サーバ40と、本部サーバ50と、店舗サーバ60と、を備える。POSレジ10と店舗サーバ60とは、ネットワークN1を介して、有線または無線により通信可能に接続されている。また、店舗サーバ60と本部サーバ50とは、ネットワークN2を介して、有線または無線により通信可能に接続されている。また、本部サーバ50と決済サーバ40とは、ネットワークN3を介して、有線または無線により通信可能に接続されている。決済サーバ40と携帯端末30とは、ネットワークN4を介して、有線または無線により通信可能に接続されている。ネットワークN1,N2,N3,N4は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、電話回線、移動体通信網などを含む通信ネットワークである。なお、決済システム100は、店舗サーバ60を備えない構成であってもよい。また、
図1では、POSレジ10とアクティブICタグ機器20との接続が無線である場合を一例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、POSレジ10とアクティブICタグ機器20との接続が有線でもよいことは勿論である。
【0015】
POSレジ10は、店舗の情報、店舗に設置されるレジの情報、商品の精算金額の情報などを含む精算情報が登録される。店舗の情報とは、例えば、〇〇スーパーの△△店、〇〇スーパーの□□店、などのような店舗の名前、店舗の場所などを示す固定情報である。店舗に設置されるレジの情報とは、例えば、1番レジ、2番レジなどのようなレジの番号、レジのIDなどを示す固定情報である。商品の精算金額の情報とは、例えば、顧客が100円の商品Aおよび200円の商品Bを購入した場合、商品A,Bの合計金額が300円であるという情報、顧客が200円の商品Cおよび400円の商品Dを購入した場合、商品C,Dの合計金額が600円であるという情報などのような、顧客が店舗で商品を購入する都度、変動する変動情報である。なお、POSレジ10は、精算情報のみならず、例えば、クーポン情報、ポイント情報などが併せて登録されていてもよい。
【0016】
店員がPOSレジ10に対して、所定の操作を行うことで、POSレジ10に登録されている精算情報が、アクティブICタグ機器20に書き込まれる。所定の操作としては、例えば、店員が、バーコードリーダで商品をスキャンした後に、POSレジ10に設けられている「××ペイ」というボタンを押す操作などが挙げられる。店員がPOSレジ10に対して、当該所定の操作を行うことで、POSレジ10に登録されている精算情報が、アクティブICタグ機器20にリアルタイムで書き込まれる。これにより、顧客が店舗で商品を購入する都度、変動する変動情報(例えば、商品の精算金額の情報)であっても、アクティブICタグ機器20に対して、このような変動情報を任意に書き換えることが可能となる。
【0017】
また、POSレジ10は、ネットワークN1を介して、店舗サーバ60から、決済結果情報を受信する。決済結果情報とは、精算情報に基づく決済が完了したか否かを示す情報であり、例えば、「『〇〇スーパーの△△店』における『1番レジ』で『300円』の決済が完了しました」という情報、「『〇〇スーパーの△△店』における『1番レジ』で『300円』の決済が未だ完了していません」という情報などが挙げられる。
【0018】
また、POSレジ10は、店舗サーバ60から受信した決済結果情報を、例えば、表示部に表示する。これにより、顧客および店員は、決済が完了したか否かを、短時間で、明確に認識することが可能になる。
【0019】
アクティブICタグ機器20は、POSレジ10を扱う店員による上述のような所定の操作に従って、POSレジ10に登録されている精算情報が書き込まれる。この際、アクティブICタグ機器20には、クーポン情報、ポイント情報などが併せて書き込まれてよい。アクティブICタグ機器20に書き込まれた精算情報、クーポン情報、ポイント情報などは、携帯端末30により非接触で読み取られる。アクティブICタグ機器20が、POSレジ10から必要な情報を吸い出し、携帯端末30が、アクティブICタグ機器20から必要な情報を吸い出すことで、顧客および店舗の双方にとって、非接触での簡易な決済処理が可能となる。
【0020】
携帯端末30は、顧客が保持する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)などのスマートデバイスである。携帯端末30は、制御部、記憶部などを備える。制御部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化したプロセッサによって構成されてもよい。記憶部は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでよい。記憶部に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してよい。各メモリは、必ずしも携帯端末30がその内部に備える必要はなく、携帯端末30の外部に備える構成としてもよい。
【0021】
携帯端末30は、顧客による所定の操作に応じて、動作する。顧客は、ネットワークN4を介して、例えば、ウェブサイトなどから、顧客が商品を購入したい店舗で使用可能な決済アプリケーションソフトウェアをダウンロードし、インストールする。顧客は、決済アプリケーションソフトウェアを起動して、自身の携帯端末30をアクティブICタグ機器20にかざす。これにより、携帯端末30は、アクティブICタグ機器20を介して、精算情報を非接触で読み取ることが可能となる。この際、携帯端末30は、クーポン情報、ポイント情報などを併せて読み取ってよい。携帯端末30が、アクティブICタグ機器20から読み取った情報をもとに特定のアプリケーションソフトウェアを自動的に起動させる機能を有する場合は、アクティブICタグ機器20に書き込む情報として決済用アプリケーションを起動させる情報を書き込み、携帯端末30が当該情報を読み取ることで、顧客が専用のアプリケーションを起動する手間を省くことが可能となる。
【0022】
また、携帯端末30は、ネットワークN4を介して、決済サーバ40へ、精算情報を送信する。これにより、従来の決済システムでは行われなかったPOSレジ10から携帯端末30への精算情報の送信、携帯端末30から決済サーバ40への精算情報の送信が可能となる。決済サーバ40は、当該精算情報に基づいて決済処理を行うことができるため、従来の決済システムと比較して、決済処理にかかる時間を大幅に短縮し、利便性の高い決済システム100を実現することができる。
【0023】
また、携帯端末30は、ネットワークN4を介して、決済サーバ40へ、精算情報と併せて、例えば、携帯端末30を所持する顧客のクレジットカード情報(例えば、クレジットカード番号、クレジットカードの有効期限などを含む情報)、携帯端末30を所持する顧客の電子マネー情報(例えば、電子マネーID、電子マネーの残高、などを含む情報)、クーポン情報、ポイント情報などを送信してもよい。このように、携帯端末30が、アクティブICタグ機器20を介して、精算情報のみならず、クーポン情報、ポイント情報などの付加情報を、非接触でまとめて読み取り可能であることで、顧客ごとに媒体の異なる情報を、1つ1つ処理しなければならなかったという従来の決済システムの煩わしさを回避し、店舗でのワンオペレーションを実現できる。
【0024】
また、携帯端末30は、ネットワークN4を介して、決済サーバ40から、クレジットカードでの決済が可能か否かの認証結果を示す認証情報、電子マネーの残高に基づく引き落としが可能か否かの確認結果を示す確認情報などを受信する。
【0025】
上述のように、顧客は、自身の携帯端末30に決済アプリケーションソフトウェアをインストールして起動させ、アクティブICタグ機器20にかざす手間のみで、購入したい商品の決済を完了することができる。すなわち、従来のQRコード決済システムと比較して、顧客の手間を大幅に削減し、且つ、決済処理にかかる時間を大幅に短縮することが可能な決済システム100を実現できる。また、顧客は、アクティブICタグ機器20に書き込まれた複数の情報を、自身の携帯端末30に、簡易に読み込ませることができるため、リアルタイムで決済情報を確認することができ、且つ、OS事業者又は携帯電話事業者などの許可を必要とせずに、決済システム100を利用できる。すなわち、従来の非接触型決済システムと比較して、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システム100を実現できる。携帯端末30が、アクティブICタグ機器20から読み取った情報をもとに特定のアプリケーションソフトウェアを自動的に起動させる機能を有する場合は、アクティブICタグ機器20に書き込む情報として決済用アプリケーションを起動させる情報を書き込み、携帯端末30が当該情報を読み取ることで、顧客が専用のアプリケーションを起動する手間を省くことが可能となる。
【0026】
決済サーバ40は、クレジットカード、電子マネーなどの電子決済処理を行うサーバ装置である。決済サーバ40は、制御部、記憶部などを備える。制御部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化したプロセッサによって構成されてもよい。記憶部は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでよい。記憶部に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してよい。各メモリは、必ずしも決済サーバ40がその内部に備える必要はなく、決済サーバ40の外部に備える構成としてもよい。
【0027】
決済サーバ40は、ネットワークN4を介して、携帯端末30から、精算情報を受信する。決済サーバ40は、精算情報に基づいて、決済結果情報を生成する。決済サーバ40は、ネットワークN3を介して、本部サーバ50へ、決済結果情報を送信する。なお、決済サーバ40から本部サーバ50への決済結果情報の送信は、リアルタイムである必要はなく、一日分をまとめて送信することも可能である。
【0028】
また、決済サーバ40は、ネットワークN4を介して、携帯端末30へ、クレジットカードでの決済が可能か否かの認証結果を示す認証情報、電子マネーの残高に基づく引き落としが可能か否かの確認結果を示す確認情報などを送信する。
【0029】
例えば、決済サーバ40は、クレジットカード決済処理を行う場合、商品の精算金額の情報、携帯端末30からの顧客のクレジットカード情報の受信、クレジットカードの認証、セキュリティー対策、決済金額の精算、決済実行結果の通知などの処理を行う。例えば、決済サーバ40は、電子マネー決済処理を行う場合、商品の精算金額の情報、携帯端末30からの顧客の電子マネー情報の受信、電子マネーの認証、電子マネーの残高の確認、電子マネーの残高の更新、決済実行結果の通知などの処理を行う。
【0030】
上述のように、商品の精算金額の情報のような、顧客が店舗で商品を購入する都度、変動する変動情報が、POSレジ10から携帯端末30へと送信され、さらに、携帯端末30から決済サーバ40へと送信されることで、決済サーバ40は、リアルタイムで、変動情報を受信することができる。そして、決済サーバ40は、当該変動情報に基づいて、リアルタイムで、決済結果情報を生成することができるため、従来の決済システムと比較して、顧客の手間を大幅に省きつつ、スピーディな決済処理が可能な決済システム100を実現できる。
【0031】
本部サーバ50は、店舗を運営する企業の本部に設けられるサーバ装置である。本部サーバ50は、例えば、店舗を運営する企業の売上管理、売上分析、在庫管理などの処理を行う。本部サーバ50は、制御部、記憶部などを備える。制御部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化したプロセッサによって構成されてもよい。記憶部は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでよい。記憶部に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してよい。各メモリは、必ずしも本部サーバ50がその内部に備える必要はなく、本部サーバ50の外部に備える構成としてもよい。
【0032】
また、本部サーバ50は、ネットワークN3を介して、決済サーバ40から、決済結果情報を受信する。また、本部サーバ50は、ネットワークN2を介して、店舗サーバ60へ、決済結果情報を送信する。また、本部サーバ50は、ネットワークN2を介して、店舗サーバ60から、店舗ごとに集計された決済情報を受信する。また、本部サーバ50は、決済サーバ40から受信した決済結果情報と、店舗サーバ60から受信した店舗ごとに集計された決済情報と、を突合処理し登録する。これにより、本部サーバ50は、店舗ごとに集計された決済情報に基づいて、商品の在庫管理、商品の売上管理などを行うことができる。
【0033】
店舗サーバ60は、決済システム100を導入している店舗に設けられるサーバ装置である。店舗サーバ60は、商品の販売情報、商品の売上情報などをPOSレジ10から取得し、店舗ごとに集計を行う。店舗サーバ60は、複数のPOSレジ10と接続されていてよい。店舗サーバ60は、制御部、記憶部などを備える。制御部は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化したプロセッサによって構成されてもよい。記憶部は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでよい。記憶部に含まれる各メモリは、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してよい。各メモリは、必ずしも店舗サーバ60がその内部に備える必要はなく、店舗サーバ60の外部に備える構成としてもよい。
【0034】
また、店舗サーバ60は、ネットワークN2を介して、本部サーバ50から、決済結果情報を受信する。また、店舗サーバ60は、ネットワークN1を介して、POSレジ10へ、決済結果情報を送信する。また、店舗サーバ60は、ネットワークN1を介して、POSレジ10から、店舗ごとに集計された決済情報、商品の販売情報、商品の売上情報などを受信する。また、店舗サーバ60は、ネットワークN2を介して、本部サーバ50へ、店舗ごとに集計された決済情報、商品の販売情報、商品の売上情報などを送信する。
【0035】
本実施形態に係る決済システム100は、POSレジ10により精算情報が書き込まれ、携帯端末30により精算情報が読み取られるアクティブICタグ機器20を、少なくとも備える。これにより、決済の都度、商品の精算金額の情報などの変動情報を、アクティブICタグ機器20に対して書き換えることが可能となるため、店舗の情報、店舗に設置されるレジの情報などの固定情報と、商品の精算金額の情報などの変動情報とを、連動させて短時間で処理することが可能となる。また、従来のQRコード決済システムにおいて発生していた、顧客は、決済の都度、QRコードの読み取り操作、精算金額の入力、決済指示登録、店員への決済完了画面の提示などを行わなければならず、各種操作が煩わしいという問題を解消できる。また、従来のQRコード決済システムにおいて発生していた、店員は、決済の都度、顧客へのQRコードの読み取り案内、顧客への精算金額の入力案内、入力された精算金額の確認、決済完了画面の確認、POSレジへの決済完了登録などを行わなければならず、負荷がかかるという問題を解消できる。また、従来の非接触型決済システムにおいて発生していた、顧客がリアルタイムで決済情報を確認できない、OS事業者又は携帯電話事業者がスキーム全体を管理しているため、サービスの提供が制限されてしまうなどの問題も解消できる。すなわち、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済システム100を実現できる。
【0036】
<決済方法>
図2を参照して、本実施形態に係る決済システム100における決済方法の一例について説明する。
【0037】
ステップS101において、顧客は、購入したい商品を、店員に渡す。店員は、店舗のレジに設置されるリーダで、商品をスキャンする。これにより、店舗の情報、店舗に設置されるレジの情報、商品の精算金額の情報などを含む精算情報が、POSレジ10に登録される。
【0038】
ステップS102において、顧客は、例えば、「××ペイで支払いします」と、店員に伝える。店員は、店舗のレジに設けられている「××ペイ」というボタンを押す。これにより、精算情報が、アクティブICタグ機器20に書き込まれる。
【0039】
ステップS103において、顧客は、決済アプリケーションソフトウェアを起動させ、自身の携帯端末30を、アクティブICタグ機器20にかざす。携帯端末30は、アクティブICタグ機器20を介して、精算情報を非接触で読み取る。これにより、POSレジ10に登録されていた精算情報が、携帯端末30により読み込まれる。携帯端末30が、アクティブICタグ機器20から読み取った情報をもとに特定のアプリケーションソフトウェアを自動的に起動させる機能を有する場合は、アクティブICタグ機器20に書き込む情報として決済用アプリケーションを起動させる情報を書き込み、携帯端末30が当該情報を読み取ることで、顧客が専用のアプリケーションを起動する手間を省くことが可能となる。
【0040】
ステップS104において、決済サーバ40は、精算情報に基づいて、決済結果情報を生成し、ネットワークN3を介して、本部サーバ50へ、決済結果情報を送信する。例えば、決済サーバ40は、「『〇〇スーパーの△△店』における『1番レジ』で『300円』の決済が完了しました」という情報を生成し、ネットワークN3を介して、本部サーバ50へ、当該情報を送信する。例えば、決済サーバ40は、「『〇〇スーパーの△△店』における『1番レジ』で『300円』の決済が未だ完了していません」という情報を生成し、ネットワークN3を介して、本部サーバ50へ、当該情報を送信する。
【0041】
また、決済サーバ40は、ネットワークN4を介して、携帯端末30へ、クレジットカードでの決済が可能か否かの認証結果を示す認証情報、電子マネーの残高に基づく引き落としが可能か否かの確認結果を示す確認情報などを送信する。これにより、顧客は、自身の携帯端末30で、クレジットカードでの決済が可能か否か、電子マネーの残高に基づく引き落としが可能か否かなどをリアルタイムで認識することができる。
【0042】
ステップS105において、本部サーバ50は、ネットワークN3を介して、決済サーバ40から、決済結果情報を受信する。また、本部サーバ50は、ネットワークN2を介して、店舗サーバ60へ、決済結果情報を送信する。
【0043】
ステップS106において、店舗サーバ60は、ネットワークN2を介して、本部サーバ50から、決済結果情報を受信する。また、店舗サーバ60は、ネットワークN1を介して、POSレジ10へ、決済結果情報を送信する。本ステップにより、決済処理が終了する。
【0044】
上述のように、顧客は、自身の携帯端末30に、決済アプリケーションソフトウェアをインストールして起動させ、アクティブICタグ機器20にかざす手間のみで、購入したい商品の決済を完了することができる。また、店員は、顧客へのQRコードの読み取り案内、顧客への精算金額の入力案内、入力された精算金額の確認、決済完了画面の確認、POSレジへの決済完了登録などを行わずに済む。本実施形態に係る決済方法によれば、顧客および店舗の双方にとって、利便性の高い決済方法を実現可能となる。
【0045】
携帯端末30が、アクティブICタグ機器20から読み取った情報をもとに特定のアプリケーションソフトウェアを自動的に起動させる機能を有する場合は、アクティブICタグ機器20に書き込む情報として決済用アプリケーションを起動させる情報を書き込み、携帯端末30が当該情報を読み取ることで、顧客が専用のアプリケーションを起動する手間を省くことが可能となる。
【0046】
<変形例>
本実施形態において、上述の各手段或いは各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。例えば、複数の手段またはステップ等を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。例えば、上述した実施形態に係る携帯端末30、決済サーバ40、本部サーバ50、店舗サーバ60、それぞれが、2つ以上の装置に分割されてもよい。また、本実施形態において、携帯端末30、決済サーバ40、本部サーバ50、店舗サーバ60として、例えば、汎用のコンピュータなど、情報処理機能を有する任意の装置が採用可能である。例えば、実施形態に係る携帯端末30、決済サーバ40、本部サーバ50、店舗サーバ60の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該装置のメモリに格納し、当該装置のプロセッサに実行させてもよい。従って、本開示の実施形態はプログラムとしても実現可能である。
【0047】
また、決済システム100に含まれる各装置のハードウェア構成は、
図1の例に制限されない。また、各装置の数、および各装置のハードウェア要素の数も、
図1の例に制限されない。
【0048】
また、本実施形態に係る精算情報は、商品名、購入個数、商品単価などを含むレシート情報であってもよい。
【0049】
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態および変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0050】
<プログラムおよび記録媒体>
また、上記の実施形態および変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【0051】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 POSレジ
20 アクティブICタグ機器
30 携帯端末
40 決済サーバ
50 本部サーバ
60 店舗サーバ
100 決済システム