(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086870
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】ライフ情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220602BHJP
G06Q 50/26 20120101ALI20220602BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199137
(22)【出願日】2020-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】512108717
【氏名又は名称】▲濱▼田 英外
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 英外
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】
国及び地方自治体、学術団体などの情報提供団体から提供される人間生命の安全を阻害する病気、児童虐待又は交通事故などの不安全要因に関するライフ情報は、多量であり、その対象者向けに提供されている訳ではないので、適切に受け取れるかどうかが分からない。 それを受け取れなかった時には対応が遅れて不利益を被ったり、最悪の場合に生命への危険性が生じてしまう。
【解決手段】
情報提供団体から情報を受け取り、その情報を不安全要因毎のライフ情報として登録し、その情報が持つ性別、生年月日、地域別などの対象者特性を抽出し、その抽出された対象者特性に合致する登録ユーザーにそのライフ情報を遅滞なく又受け取り損なわないように電子メールで提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
国及び地方自治体、学術団体、報道機関などの情報提供団体から提供される情報を、人間生命の安全を阻害する病気、児童虐待又は交通事故などの不安全要因の項目に分類したライフ情報として、その情報の対象者となる性別、生年月日又は居住地域などの対象者特性に関連付けられた特定のユーザーに伝達するライフ情報提供装置において、
前記不安全要因を広範囲の分野にわたって分類して項目分けして、その項目別にライフ情報を整理して、更にそのライフ情報の対象者の性別や生年月日や地域別の特性も含めてライフ情報を登録保存するライフ情報データベースであって、以前のライフ情報を事前に登録保存してあるライフ情報データベースと、
前記ユーザーの名前、性別、生年月日、居住地域、活動地域、更には各ユーザーが受けた予防接種や交通安全講習の情報のユーザー特性データを登録保存する登録ユーザーデータベースと、
前記情報提供団体から発出された新たな情報を新規のライフ情報として受信する受信手段と、
前記受信した新規ライフ情報からその原因となる不安全要因の項目を特定する特定手段と、
前記受信した新規ライフ情報を電子データ化して、前記特定された不安全要因の項目に応じて、前記ライフ情報データベースに追加登録する登録手段1と、
前記新規のライフ情報から対象者特性を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された対象者特性を前記新規ライフ情報の付属データとしてライフ情報データベースに登録する登録手段2と、
前記抽出手段により抽出された対象ユーザー特性に応じて、前記登録ユーザーデータベースから対象となるユーザーを選定する選定手段と、
前記新規のライフ情報を選定されたユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することにより、当該ライフ情報が発出されてから遅滞なく又受け取り損なうことなく、対象となるユーザーに前記新規のライフ情報と前記特定された不安全要因の以前のライフ情報を、登録ユーザー情報と併せて提供することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項2】
前記請求項1のライフ情報提供装置において、
前記登録ユーザーの年齢が上がるなどでユーザー特性が変化したときに、新しいユーザー特性に対応するライフ情報を提供する必要があるかどうかを判定する判定手段と、
新しいライフ情報の提供が必要と判定された場合に、その新しいユーザー特性に該当するライフ情報をライフ情報データベースから選定する選定手段と、
選定されたライフ情報を適切な時期に対象ユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2のライフ情報提供装置において、
ユーザーが国内や海外の訪問先などのライフ情報を新たに入手したいと考えたときなどに、ユーザーが要望するライフ情報の項目、ライフ情報を利用する対象者の性別、生年月日などのユーザー特性の情報を受信する受信手段と、
前記受信したライフ情報の項目に基づき、関連するライフ情報を前記ライフ情報データベースから抽出する抽出手段と、
前記抽出されたライフ情報の中から要望された対象者の性別や年齢などの特性に応じて該当するライフ情報を選定する選定手段と、
前記選定されたライフ情報を要望した対象ユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項4】
前記請求項1又は請求項2のライフ情報提供装置において、
ユーザーが虐待やいじめに遭って相談窓口に相談したい時に
ユーザーが要望する相談事項(いじめのタイプ、被害場所・状況、相談地域・時間帯)の情報を受信する受信手段と、
前記受信した情報からいじめのタイプや被害場所から判断して最適と思われる相談窓口を選定する選定手段と、
前記選定された相談窓口に相談の要望事項を送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
国及び地方自治体、学術団体、報道機関などの情報提供団体から提供される情報を、人間生命の安全を阻害する病気、児童虐待又は交通事故などの不安全要因に関するライフ情報として捉えて登録し、そのライフ情報をそのライフ情報の対象者となるユーザーに、以前のライフ情報と併せて遅滞なく又受け取り損なうことなく提供する技術分野。
【背景技術】
【0002】
国及び地方自治体、学術団体などのその分野の専門家である情報提供団体からの情報は、関連機関へは直接伝達されているが、一般国民に対しては主としてインターネットを介して提供されている。又、そのような情報の中で重要なものや共通性の高いものは、テレビ、新聞などの報道機関が拾い上げて、それぞれの手段を通しても提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-260081
【特許文献2】特開2010-152845
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
国及び地方自治体、学術団体などの情報提供団体から提供される人間生命の安全を阻害する病気、児童虐待又は交通事故などの不安全要因に関するライフ情報は、国民一般に対しては主としてインターネットを介して提供されている。しかしながら、それらの情報は多量であり、又、その対象者向けに提供されている訳ではないので、適切に受け取れるかどうかが分からない。
そのような情報の中で重要なものや共通性の高いものは、テレビ、新聞などの報道機関を通しても提供されている。ということで、一般のユーザーが受け取れる機会は増えるが、こちらも多量に提供されており、それらの情報が一過性でかつ短期間集中的に報道されるので、確実に受け取れるかどうかは不明である。特に、対象のユーザーがその時期に多忙であったり、海外出張に行っていたような場合には、受け取り損ねることは多くなる。そして、それらの情報の中で、特に人間生命の不安全要因に関する情報は、それを受け取れなかった時には対応が遅れて不利益を被ったり、最悪の場合に生命への危険性が生じてしまう。
又、それらの情報はその時点における情報のみしか提供されないことが多いが、その時点以前に提供された情報や対応策が重要であることもあり、そのような以前の情報が伝わっていないと対応が不十分になりかねない。
これらの点が、当発明が解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
国及び地方自治体、学術団体などの情報提供団体からの情報を受け取り、その情報が人間生命のどの不安全要因の項目に関連しているかを特定し、その情報の対象となる男女性別や年齢別、地域別などの対象者特性を抽出し、その特性に合致する登録ユーザーに、その情報をライフ情報として電子メールで提供する。これによって、そのユーザーは必要な情報を遅滞なく又受け取り損なわずに受け取ることができる。
更には、その情報に関連する以前のライフ情報も当該ライフ情報提供装置に登録しておき、最新のライフ情報を提供する時に併せて提供する。これによってユーザーは以前の情報も含めて系統立ててまとめられたライフ情報を入手することができる。
【発明の効果】
【0006】
情報提供団体から提供される人間生命の不安全要因に関するライフ情報を、その情報の対象者となるユーザーは、それ以前のライフ情報と共に、電子メールで遅滞なくかつ受け取り損なうことなく受け取れるので、受け取ったそのライフ情報に基づき対処することによって、関連する不安全要因を解消して安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図3は、ライフ情報データベース構築のフローである。
【
図4】
図4は、ライフ情報提供装置の不安全要因の項目表である。
【
図5】
図5は、ライフ情報提供フロー(新しい情報に対して)である。
【
図6】
図6は、ライフ情報提供フロー(ユーザー特性更新時)である。
【
図7】
図7は、ライフ情報提供フロー(ユーザー要望時)である。
【
図9】
図9は、ライフ情報提供フロー(虐待やいじめに対して)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ライフ情報提供装置は、
図1に示したようにライフ情報サーバーを中心とした構成で、そのサーバー内にライフ情報データベースと登録ユーザーデータベースを持つ。又、装置の機能として、コンピューターハードウエアを利用した受信手段、特定手段、登録手段、抽出手段、選定手段、判定手段、送信手段を持ち、登録ユーザーの端末とは受信手段及び送信手段を介してネットワークで繋げる。
情報提供団体には、国の各省庁、地方自治体、各医学学会、警察、消防などのそれぞれの分野での専門家となる情報提供団体があり、又、単に情報を提供するテレビ局、新聞社、ネットニュース社などの報道機関となる一般の情報提供団体がある。ライフ情報における対応策は、通常、専門家の情報提供団体から提供される。
【0009】
ライフ情報データベースは、広範囲の分野に渡って分類した不安全要因の項目毎にライフ情報を整理したデータベースであり、新しい情報が発出された時にその原因となる不安全要因毎に区分けして登録保存するものである。一方、当ライフ情報提供装置で情報を提供し始める前に、それまでの情報や対応策を登録保存しておくことにより、新しいライフ情報を提供する時に、併せてそれ以前の情報も提供できるようにしておく。これにより、ライフ情報全体の有用性を高めるのに役立てる。
登録ユーザーデータベースは、当該ライフ情報提供装置を利用する登録ユーザーの情報で、各登録ユーザーに、性別、生年月日、居住地域、勤務地域などのユーザー特性データを、更には各登録ユーザーの疫病の予防接種の接種状況や、交通安全講習の受講歴を入力してもらい、それを登録保存しておくものである。
【0010】
情報提供団体から提供された情報をその情報の対象者に伝える時に、併せて同一の不安全要因のその時点までの情報や専門家が検討した対応策を遅滞なく伝えるために、事前に広範囲な不安全要因を取り上げそれまでの事例情報を検討し、各不安全要因の危険性や対策を含むライフ情報を整理してライフ情報データベースに登録保存しておく。そして、それらの情報が整理されてより有用に提供できるように、「ライフ情報提供の基本方針」、「対応策の考え方」、「ライフ情報のデータベース構築」を以下のように定める。
【0011】
(ライフ情報提供の基本方針)
人間生命の安全は一義的にこれが安全であると言うように決めるのは難しく、病気や児童虐待や自動車事故などの様々な人間生命の安全を阻害する要因から対象となる人間を守ることによって達成できることなので、これらの要因毎に情報と対応策を提供することが必要となる。そこで、これらの人間生命の安全を阻害する要因を不安全要因として捉え、その不安全要因毎に情報と対応策をライフ情報としてライフ情報データベースにまとめて蓄積保存する。
このライフ情報提供装置では最新の情報を伝達することを主眼としているが、新しい情報が伝達された時に適正に分類して速やかにライフ情報を提供するためには、その時点までのライフ情報を不安全要因毎に適正に整理分類してライフ情報データベースにまとめておく必要がある。
そして、人間生活の危険である不安全要因をより広範囲に捉えて対応策を準備するために、下記のように整理する。
「人間生命の安全は、色々な専門分野に分かれて検討されていて、例えば、医学は一般に病気になった後の対応を教えてくれて、人間生命の安全を向上してくれている。しかしながら、一人の人間が社会においてその生命を守るためには、家の外に出た時に、先ず交通事故の防止を行わなければいけないし、外部の人と接触・交流する時には、険悪な状態になることは安全上避けるのが望ましい。そして、これらの人間生命の安全上の課題は、専門の学問分野として確立されていないものが多くあって、親や周辺の人たちがその知見に基づき、対応策を伝達したり、本人が経験から学んだりしている状態である。その人たちが知らない事象や経験していない事象に対しては対応しきれず、対応が後手になってしまい、被害が拡大して、人間生命の危機に至りかねないという問題がある。 又、現在の安全関連の学問分野は、個人の生命を総合的に守るという視点のものでなく、医学とかの各々の専門分野の視点からしか見ておらず、個人が超能力者でもない限り、世の中にある数多い不安全要因を全部チェックしてより広範な安全を確保するのが難しい。」
【0012】
(対応策の考え方)提供する対応策をより有用にするために、人間生命を守ることの基本の考えを下記のように定義する。
「人間の生命を守ること」の基本の考え:
(1) 人間が自身の生命を不安全要因から守る主体は、第一にも最終的にもその人本人である。役所や隣人は個人の生命を守る主体ではなく、それを補助するものと考える。
(2) 各人は、自分が第一に自分の生命を守っていることを理解し、その上で周りの人も同じように第一に当人の生命を守っていることを理解し、お互いに自身の命を守る人間同士としてできるだけ協力し合う。
(3) 個人が他の人から独立して自分の生命を守れるようにようになるのは、18歳前後になって成人してからと考える。その前の段階は2段階に分け、第1段階としては、胎児の時から12歳になるまでとし、保護者(親もしくはその代行者)が主体となって、幼い当人の生命を守る。 第2段階は、生命を守る主体を保護者から当人へと移行していく12歳になってから18歳になるまでの時期で、保護者は当人に自分の生命を守ることを教え、主体的に活動するように指導する、そして、足りない知識や経験を補ってやって、18歳前後になった時に独り立ちできるようにする。
ここでの区切りの年齢は一般的な年齢であるので、保護者が判断してずらした方が良いと思われるなら、当人に話して相互理解の上、調整を行う。
(4) 虐待やいじめは、本人の生命を守っている隣人に対する妨害行為であり、人間生命を守るという本質を無視する行為である。つまり、虐待やいじめをする人は人間生命の本質を理解しない人間であり、社会に生きる真の人間ではない。よってそのような人は社会から人間として認められなくなっても、法律によって罰せられても、やむを得ないと判断される。虐待やいじめは、結果として、それを行っている本人を逆にいじめる(もしくはいじめても良いという)ことを許す行為に繋がることと考えられる。と言うことから、人間なら虐待やいじめをしないように、させないように、するという考えを総ての人間が持つようにすることを基本とする。
(5) とはいうものの、「他の人より優位に立ちたい。自分より弱いものを確保して自分の強さを誇示したい」という考えを持つことは、人間が持つ一つの本性であるので、虐待やいじめはなくならないと思われる。そして、「親から子への虐待やいじめ」とか「夫から妻への家庭内暴力」が起きた時は、間に入るものが何もなく、被害者がそれから逃れることは極めて難しいと考えられる。そこで、それへの対応としては親とか夫とかでない第3者の保護者が必要となる。この点に関して対策としては、最小の自治単位の長である自治会長か、もしくはそれに代わる市区町村長にその第3者的な保護者になってもらうことを考慮する。そして、親から子への虐待や夫から妻への家庭内暴力を相談された児童相談員や警察の担当者は、その第3者的な保護者と協力して対応することによって、この問題への対応を多重化して問題解決に役立てることを考慮する。
【0013】
(ライフ情報データベースの事前準備)
ライフ情報提供装置を運用開始する時点までのライフ情報データのライフ情報データベースへの登録は
図3のフローに従って行う。
図3の(2)に示したように、人間生命の不安全要因をシステム的に広範囲の分野に渡って検討するために、便宜的にカテゴリー分けを行う。ライフ情報提供装置では、「生活安全」「精神系病気」「物理的病気」「社会災害」「自然災害」「食品・その他」の6つのカテゴリーに分ける。
そして、
図3の(3)~(6)に示したように、これらのカテゴリーの各不安全要因の項目における専門家や大学教授レベルの知識人に複数名参加してもらい、そのカテゴリー内の不安全要因のリストアップをする。次いで、各カテゴリーの各不安全要因の項目で、ライフ情報を整理し、効果的な対応策をライフ情報としてまとめ、ライフ情報データベースに登録保存する。
図4にライフ情報提供装置の不安全要因の項目をカテゴリー毎に分析し危険レベルを判定した表の例を示す。これらは一般社会生活における不安全要因を広範囲に捉えており、これらについてのライフ情報を入手できれば、「家庭の医学」書に書かれているものを見たり、新聞記事を見たりするような手間もなく、最新の情報や対策を入手することができ、通常の生活の安全性向上に役立てることができる。
【0014】
(登録ユーザーデータベースの準備と登録データ更新)
当該ライフ情報提供装置を利用するユーザーはそのユーザーに合ったライフ情報を入手できるように登録する。
図8が登録ユーザー情報の例である。登録する項目は、「名前」、「性別」、「生年月日」、「居住地域」、「活動地域」、「主要疫病の予防接種」の済か未か、「交通安全講習受講」の済か未かである。
又、居住地域が変わったり、予防接種を行ったり、交通安全講習を受講したりして、これらの登録された内容が更新されることがある。その場合、当該登録ユーザーはその更新を行うことによって、よりユーザーの実状にあった情報や対応策を受け取ることができる。そして、最新のライフ情報を受けとった時に、自身の登録情報の不足や必要な追加を判断でき、ライフ情報提供装置の提供データとユーザーの実状の双方向から最適な安全性向上のための対策を取ることができる。
更には、例えば三種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風)を接種した場合、その内容は母子手帳に記載されていて、母親も記憶していると思われるが、長い年月が経って母子手帳を紛失してしまったような場合に、ユーザーの状況が把握できずに対応策を取るのが難しくなる。このような場合に対しては、登録ユーザーデータベースを備忘録として活用すると状況の誤認を防止でき、正しい情報に基づいた対策をとることができる可能性が高い。又、交通安全講習を受けるような時期に居住地域が農村部から都市部に変更になった場合には交通事情が異なるために、農村部での交通安全講習では対応できない可能性がある。このような時に、登録ユーザーデータベースに登録された情報から判断して、都市部に移動してから交通安全講習を受けるなどをすると、都市部での交通事故の防止に役立てることができる。このような登録ユーザーデータの利用が可能となる。
登録ユーザー情報は、新しいライフ情報が入った時や、ユーザーの特性が変わった時に提供されるので、その都度確認することができ、プリントしておくことによって通常時でも参照でき有用である。
【0015】
(新しい情報への対応)当該ライフ情報提供装置における情報提供のフローは
図5に示したように、厚生労働省などの各省庁、地方自治体、各医学学会、警察、消防などの専門家情報提供団体から風疹の流行とか児童虐待とか、あおり運転による交通事故などの新たな情報が発出された時に、それを新規のライフ情報として受信する。 次に、受信したその新規のライフ情報がどの不安全要因の項目に起因するのかを特定し、ライフ情報データベースのその特定された項目に新規のライフ情報として、電子データ化した後に、登録保存する。
併せて、その情報からその情報を必要とする対象者の性別、年齢(生年月日)、地域別などの特性を抽出し、新しく登録したライフ情報の付属データとして登録する。次に、その抽出された特性に合致する対象者を登録ユーザデータベースから選定して、その選定されたユーザーの端末に新しく登録されたライフ情報を送信する。又、その時にその項目における以前のライフ情報を併せて送信する。
これによって、その情報の対象となるユーザーは、以前のライフ情報も含めて系統立ててまとめられた必要なライフ情報を、遅滞なく受け取り損なうことなく入手することができ、そのライフ情報に関する危険を避けることができる。
例えば、厚生労働省からインターネットで「昭和37年度~53年度生まれの男性が風疹の予防接種を受けておらず、その人が風疹にかかってその人の周辺に妊娠中の女性がいた場合に、その胎児に先天性心疾患などの障害を引き起こす心配がある」という情報が発出された時に対して、当出願の技術を適用すると、このインターネット情報から、対象となる不安全要因の項目を「風疹」として特定し、ライフ情報データベースの不安全要因「カテゴリー2.物理的病気 ― 風疹」の新規情報として、このライフ情報を登録保存する。そして、この情報を必要とする対象者の特性を、性別「男」、年齢「昭和37年度~53年度生まれ」、地域別は特に記載がないのでデフォルトの「日本国内」として抽出し、これらの対象者特性データは当該ライフ情報の付属データとして登録保存する。そして、抽出された対象者特性データに合致するユーザーを登録ユーザーデータベースの中から選定し、そのユーザーにこの新しく登録されたライフ情報とその不安全要因の項目(風疹)における以前のライフ情報をメール送付し、この情報を遅滞なく受け取り損ねることなく受信してもらい、この情報に関連する危険を着実に防止することに役立ててもらう。
このような情報を一般の国民が受け取るには常時インターネットで検索している必要があり、全ての専門家情報提供団体の情報を着実に受信するのは不可能である。 又、そのような情報が一般のテレビや新聞などでは伝達されるのは一時的であり、その時に多忙で新聞やテレビ、ネットニュースを見ていなかったとか、海外に出張や駐在をしていたとかの場合では、この情報を受け取り損なうことは十分に考えられる。そのような場合も含め、個人個人が情報提供団体からその情報を受け取れていない場合も考慮して、当出願のライフ情報提供装置は「そのライフ情報が必要な人」を調べて、遅滞なく個人個人が受け取り損なうことなくライフ情報を受け取ることができるようにするものである。つまり、当該ライフ情報提供装置というハードウエアを使うことにより、専門家情報提供団体が発出する人間生命の不安全要因情報を遅滞なくかつ漏れなく伝えることができる。
図2が提供されるライフ情報のリストの例である。以前のライフ情報を参照にすることができるので、より効果的に人間生命の危険である不安全要因を防止することができる。
【0016】
登録ユーザーの特性データが更新される時は、
図6のフローに沿って、ライフ情報を提供する。つまり、年齢が上がるなどで登録ユーザーの特性データが更新される時とか、新規の登録ユーザーになった時に、ライフ情報を新しく提供する必要があるかを判定して、もし新しいライフ情報が必要と判定された場合には、その新しいユーザー特性に該当するライフ情報をライフ情報データベースから選定して、適切な時期に対象ユーザーの端末に送信する。
例えば、近い内に小学校に入る年齢になった時には小学校の環境で新しく不安全要因となる項目である、通学路での交通事故、集団生活に関するライフ情報(項目ではいじめとして取り上げる)を入学の1~2か月ほど前に伝達する。
新規に登録ユーザーとなった時は、ライフ情報を全く受け取っていなかった状態からの更新として全ての項目に渡ってそれまでのライフ情報を提供する。
【0017】
ユーザーが国内や海外の訪問先における不安全要因の情報が欲しい場合は、
図7のフローに沿って、ライフ情報を提供する。つまり、ユーザーは要望するライフ情報の項目と地域、ライフ情報を利用する対象者の性別や生年月日などのユーザー特性情報を入力してライフ情報提供装置に送信する。ライフ情報提供装置はそれらを受信し、受信したライフ情報の項目に基づき、関連するライフ情報をライフ情報データベースから抽出して、抽出されたライフ情報の中から要望された対象者の性別や生年月日などの特性に応じて該当するライフ情報を選定し、選定されたライフ情報を要望したユーザーの端末に送信する。
海外各国の風土病などに関するライフ情報を、外務省などが公式に情報を提供している場合は、それを紹介する形式をとる。
【0018】
虐待やいじめは、いくつかのタイプがある。例えば、「親から子への虐待」、「夫から妻への家庭内暴力」、「小中高大学校などの団体生活の中でのいじめ」、「会社内でのパワーハラスメントやセクシャルハラスメント」、「個人間でのストーカー」などである。これらに対しては、児童相談所、教育委員会、警察、民間の相談窓口などがあるが、どこに相談すると最適な対応が受けられるのかの判断が難しいし、ユーザーによってはあまり公にしたくない場合もあると考えられる。
ユーザーが虐待やいじめに遭っていて相談窓口に相談したい場合は、
図9に示したように、その相談の要望事項(いじめのタイプ、被害場所・状況、相談地域・時間帯)を当該ライフ情報提供装置に送信すると、当該ライフ情報提供装置はそれを受信し、そのいじめのタイプや被害場所から判断して最適と思われる相談窓口を選定し、その相談窓口に相談の要望事項を送信する。そうすることによって、その相談窓口からユーザーに連絡が取られ、相談をすることによってユーザーは事情に合った最適なアドバイスや保護を受けることができる。なお、自身で相談に行く場合はその旨伝えておけば、その相談窓口は相談場所を伝えるように調整する。一方、親から子供への虐待に対して子供から相談するのは極めて困難であるので、近所の人などそれを認知した人から当該ライフ情報提供装置にいじめの種類と被害者名、住所を送信すれば、当該ライフ情報提供装置はそれを受信し、現地の児童相談所に「親から子への虐待の恐れがある」旨の連絡を送信する。これによって児童相談所は、状況に合った対応を取ることができる。
【符号の説明】
【0019】
1. カテゴリー:人間生命の不安全要因を広範囲に渡ってリストアップするために設定したカテゴリー
2. 危険レベル:リストアップされた不安全要因を、その危険度に応じて、即死性、致死性、長期休養、短期休養、休養不要のレベル分けして、対応の優先度を明確にするために設定した危険レベル
【手続補正書】
【提出日】2021-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
国及び地方自治体、学術団体、報道機関などの情報提供団体から提供される情報を、人間生命の安全を阻害する病気、児童虐待又は交通事故などの不安全要因の項目に分類したライフ情報として、その情報の対象者となる性別、生年月日又は居住地域などの対象者特性に関連付けられた特定のユーザーに伝達するライフ情報提供装置において、
前記不安全要因を広範囲の分野にわたって分類して項目分けして、その項目別にライフ情報を整理して、更にそのライフ情報の対象者の性別や生年月日や地域別の特性も含めてライフ情報を登録保存するライフ情報データベースであって、以前のライフ情報を事前に登録保存してあるライフ情報データベースと、
前記ユーザーの名前、性別、生年月日、居住地域、活動地域、更には各ユーザーが受けた予防接種や交通安全講習の情報のユーザー特性データを登録保存する登録ユーザーデータベースと、
前記情報提供団体から発出された新たな情報を新規のライフ情報として受信する受信手段と、
前記受信した新規ライフ情報からその原因となる不安全要因の項目を、即死性、致死性、長期休養、短期休養、休養不要の5段階の危険レベルに区分けして、特定する特定手段と、
前記受信した新規ライフ情報を電子データ化して、前記特定された不安全要因の項目に応じて、前記ライフ情報データベースに追加登録する登録手段1と、
前記新規のライフ情報から対象者特性を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された対象者特性を前記新規ライフ情報の付属データとしてライフ情報データベースに登録する登録手段2と、
前記抽出手段により抽出された対象者特性に合致したユーザーを、前記登録ユーザーデータベースから選定する選定手段と、
前記新規のライフ情報を選定されたユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することにより、当該ライフ情報が発出されてから遅滞なく又受け取り損なうことなく、対象となるユーザーに前記新規のライフ情報と前記特定された不安全要因の以前のライフ情報を、登録ユーザー情報と併せて提供することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項2】
前記請求項1のライフ情報提供装置において、
前記登録ユーザーの年齢が上がるなどでユーザー特性が変化したときに、新しいユーザー特性に対応するライフ情報を提供する必要があるかどうかを判定する判定手段と、
新しいライフ情報の提供が必要と判定された場合に、その新しいユーザー特性に該当するライフ情報をライフ情報データベースから選定する選定手段と、
選定されたライフ情報を適切な時期に対象ユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2のライフ情報提供装置において、
ユーザーが国内や海外の訪問先などのライフ情報を新たに入手したいと考えたときなどに、ユーザーがその要望をライフ情報提供装置に入力送信することによって要望する情報を受信できるように、ユーザーが要望するライフ情報の項目、ライフ情報を利用する対象者の性別、生年月日などのユーザー特性の情報を受信する受信手段と、
前記受信したライフ情報の項目に基づき、関連するライフ情報を前記ライフ情報データベースから抽出する抽出手段と、
前記抽出されたライフ情報の中から要望された対象者の性別や年齢などの特性に応じて該当するライフ情報を選定する選定手段と、
前記選定されたライフ情報を要望した対象ユーザーの端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。
【請求項4】
前記請求項1又は請求項2のライフ情報提供装置において、
ユーザーが虐待やいじめに遭って相談窓口に相談したい時にユーザーがその要望をライフ情報提供装置に入力送信することによって要望する情報を受信できるように、
ユーザーが要望する相談事項(いじめのタイプ、被害場所・状況、相談地域・時間帯)の情報を受信する受信手段と、
前記受信した情報からいじめのタイプや被害場所から判断して最適と思われる相談窓口を選定する選定手段と、
前記選定された相談窓口に相談の要望事項を送信する送信手段と
を有することを特徴とするライフ情報提供装置。