(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008694
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】防爆タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/10 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
B60C7/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2013086519
(22)【出願日】2013-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】513096646
【氏名又は名称】陳ヒアンテイン
(74)【代理人】
【識別番号】100074631
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】陳立達
(57)【要約】
【課題】従来の諸欠点を解決して、今までのない進歩性と実用性を向上させる防爆タイヤを提供する。
【解決手段】防爆タイヤが、リム、タイヤ外皮、弾性体を備えてなり、該タイヤ外皮の内部に形成された収納空間に、複数の弾性体が配置され、該弾性体は、数量がタイヤ外皮の内径と内幅により設定され、外観寸法と形状がタイヤ外皮の内幅とタイヤ外皮のタイヤ幅の外形により設定され、更に、直径がタイヤ外皮の内径上端部とリムセンターの内径底端部の近傍に、または突き当てるように設定されて構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リム、タイヤ外皮、弾性体を備えてなり、該タイヤ外皮の内部に形成された収納空間に、複数の弾性体が配置され、該弾性体は、数量がタイヤ外皮の内径と内幅により設定され、外観寸法と形状がタイヤ外皮の内幅とタイヤ外皮のタイヤ幅の外形により設定され、更に、直径がタイヤ外皮の内径上端部とリムセンターの内径底端部との近傍に、または突き当てるように設定されることを特徴とする防爆タイヤ。
【請求項2】
リム、幅広タイヤ外皮、円柱形弾性体を備えてなり、該円柱形弾性体は、タイヤ外皮の内部に形成された収納空間に設けられ、該タイヤ外皮の内部の収納空間には、複数の円柱形弾性体が配置され、該円柱形弾性体は、数量がタイヤ外皮の内径、幅広タイヤ外皮の厚さによって定まる扁平率により設定され、外観寸法と形状が幅広タイヤ外皮の内幅と内径、幅広タイヤ外皮の厚さによって定まる扁平率により設定され、更に、円柱形弾性体の直径がタイヤ外皮の内径上端部とリムセンターの内径底端部の近傍に、または突き当てるように設定されることを特徴とする防爆タイヤ。
【請求項3】
該タイヤ外皮のタイヤ表面が円弧形をしている場合、弾性体の外形は円形に、またはタイヤ外皮のタイヤ表面がやや幅広い円弧形をしている場合、弾性体の外形は円柱形に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防爆タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防爆タイヤの構造裝置に関わり、特に、現有のタイヤ構造を別途に改造することなく、何らかの現タイヤ構造に本発明の構造を採用した、防爆特性を有してなるタイヤ構造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1、
図2Aと
図2Bに示すように、一般的に、オートバイや自動車のタイヤ3構造にあっては、タイヤ外皮2のみをリム1に嵌めこみ、一体化し、タイヤ外皮2とリム1との間に形成される収納空間4に空気を入れて、タイヤ外皮2を膨張させ、
図2Bに示すような態様に設けられている。このようなタイヤ3構造で、負荷を積載して回転することになっているが、このような構造では使用上、次のような欠点がある。
1.
図3に示すタイヤ3の構造において、空気のみで膨らませるようにするため、該タイヤ3は、釘5で刺され、破れたとき、該収納空間4内の空気が、素早く、破れた箇所から漏れて、タイヤ外皮2がぺったんとなり、そのために、該タイヤの取り付けられているオートバイや自動車が走行できなくなり、運転時の危険を招く恐れがある。
2.使用者即ちオートバイの操縦者は、タイヤ3の空気漏れが発生し、タイヤ外皮2がぺったんとなったとき、近くに、バイヤ屋などがなく、直ちに修理できない場合、自ら空気漏れのオートバイを押して動かすこともできず、助けを求めるのに困難が生じることになる。
3.使用者は、オートバイや自動車に空気漏れが発生したとき、無理にオートバイや自動車を修理ステーションまで動かし、修理を依頼した場合、空気漏れで、ぺったんになったタイヤ外皮2は、無理で回転させられたために、亀裂や破損などが発生し、タイヤ3が修理不可で、新品に換える必要があり、余計な修理代が生じる恐れが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の構造に使用上の種々の欠点があり、本発明人はそれについて、考えを凝らし、長年の経験を生かして、本発明を完成させるに至ったものであり、従来の諸欠点を解決して、今までのない進歩性と実用性を向上させることを目的とする。本発明による従来の問題点を解決するための技術手段は、次のようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.
図4、
図5Aと
図5Bに示すように、本発明は、タイヤ外皮2の内側に形成される収納空間201に、複数の円形弾性体6が設けられており、そこに空気を入れたあと、
図5Bに示すように、タイヤ外皮2とリム1との間は、つながっている複数の弾性体6で、タイヤ外皮2内の収納空間201を満たすようにされる。(
図6と
図7を参照) タイヤ外皮2が釘5で刺されて破れた場合、タイヤ外皮2内の空気が釘5で刺されて破れた箇所から漏れて、空気漏れが発生したとしても、そこで、弾性体6がタイヤ外皮2とリム1の間に突き当てられて、タイヤの空気漏れの箇所を支え、タイヤ外皮2がぺったんとならずに、オートバイや自動車を続けて走行できることを特徴とし、従来の欠点を解決できる。
2.
図5Bと
図7に示すように、本発明の防爆タイヤ7が釘5で刺されて破れた場合、タイヤ外皮2は弾性体6に支えられ、刺されて破れたタイヤ外皮2がぺったんにならずに済むし、タイヤ外皮2が刺されて破れた前の態様を保ちながら、オートバイの使用者が刺されて破れたタイヤのオートバイをバイク屋へ動かせるので、助けを求めることを要せずにすむことから、従来の欠点を解決できる。
3.
図5Bと
図7に示すように、本発明は、タイヤ外皮2に複数の弾性体6が設けられている構造を特徴とし、タイヤ外皮2が釘で刺されて破れた場合、タイヤ外皮2は、空気漏れで、ぺったんになることを避けられるほかに、タイヤ外皮2が刺されて破れた前の態様を保つようになり、使用者が刺されて破れたタイヤのままで、任意に走行して、修理ステーションまで行っても、タイヤ外皮2に亀裂や破損なども生じないことから、従来の欠点を解決できる。
【0006】
本発明は、現有のタイヤ構造を改造することなく、一般的なタイヤに本発明の弾性体を取り付けて、防爆特性を有してなる防爆タイヤに設けられている防爆タイヤ構造を提供することを主な目的とする。
【0007】
本発明は、タイヤ外皮内の収納空間に設けられる弾性体は、数量がタイヤ外皮の内径と内幅により設定された防爆タイヤ構造を提供することを次の目的とする。
【0008】
本発明は、タイヤ外皮内の収納空間に設けられる弾性体は、外観寸法と形状がタイヤ外皮の内幅とタイヤ外皮のタイヤ幅の外形により設定された防爆タイヤ構造を提供することを更なる目的とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現有のタイヤ構造を改造することなく、一般的なタイヤに本発明の弾性体を取り付けて、防爆特性を有してなる防爆タイヤに設けられている防爆タイヤ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】従来のタイヤに釘で刺されて空気が漏れたイメージを示す図。
【
図7】本発明の防爆タイヤが釘で刺されて破れたイメージを示す図。
【
図8】本発明のもう一つの実施例の立体分解イメージを示す図。
【
図11】本発明のもう一つの実施例の防爆タイヤが釘で刺されて破れたイメージを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、効果と構造の特徴について、より詳しく確実に理解していただくため、次のように、好適な実施例と図面を合わせて説明する。
図4、
図5Aと
図5Bに示すように、本発明の実施例は、リム1、タイヤ外皮2、弾性体6を備えてなる防爆タイヤを提供し、該弾性体6は、外観、形状と寸法がタイヤ外皮2の内幅202とタイヤ外皮2のタイヤ幅の外形により設定され、即ち、内幅202が比較的に大きい場合は、弾性体6の寸法が比較的に大きく、その逆の場合は、比較的に小さく設けられている。加えて、一般的なタイヤ外皮2のタイヤ表面が円弧形をしているとき、弾性体6の外観が円形になり、逆の場合は、その逆になる。タイヤ外皮2のタイヤ表面が比較的に広い形態をしているとき、弾性体6の外観が円柱形に設けられるが、本実施例のタイヤ外皮2のタイヤ表面は比較的に幅広い形態ではなく、円弧形をしているので、弾性体6の外観は円柱形ではなく、円形に形成されている。使用の時、該タイヤ外皮2の内部の収納空間201に、複数の弾性体6が設けられており、該弾性体6は、数量がタイヤ外皮2の内径と内幅202により設定され、タイヤ外皮2の内幅202が比較的に大きい場合、弾性体6は、数量が比較的に大きく、逆の場合は、弾性体6は、数量が比較的に小さく設定される。即ち、タイヤ外皮2の内幅202が比較的に大きい場合、比較的に大きな数量の弾性体6が配置され、逆の場合は、比較的に小さな数量の弾性体6が配置される。タイヤ外皮2の内幅202により、弾性体6の寸法が決められたとき、タイヤ外皮2の内径に合わせて、弾性体6は、数量が多くまたは少なく配置されるようになり、それにより、
図6に示すように、弾性体6の直径を、タイヤ外皮2の内径上端部203とリム1センターの内径底端部101に、やや近付けて近傍まで、または突き当てるように設けられており、そして、
図5Bに示すように、タイヤ外皮2内部の収納空間201に、複数の弾性体6が設けられたとき、該収納空間201内では、弾性体6がつながっていながら、個別で独立した円形固形体が設けられる。
【0012】
図6と
図7に示すように、本発明の防爆タイヤ7は、釘5で刺されて破れた場合、タイヤ外皮2内の空気が、釘5で刺されて破れた箇所から漏れ、空気漏れが発生したとき、弾性体6がタイヤ外皮2とリム1の間に突き当てられて、空気漏れの防爆タイヤ7を支えるようになり、そのため、刺されて破れたタイヤ外皮2がぺったんとならず、それと同時に、タイヤ外皮2が刺されて破れた前の態様を保ち、使用者に、釘5で刺されて破れて生じる運転時の危険を与えることもなく、続けて運転できるということを特徴とし、使用者がより簡単で、修理ステーションを見つけることを可能とし、使用者への利便性と安全性を高めることができる。
【0013】
図8、
図9Aと
図9Bに示すのは、本発明のもう一つの実施例である。本実施例は、リム8、幅広タイヤ外皮9、円柱形弾性体10を備えてなる防爆タイヤを提供する。この実施例の場合、タイヤ外皮の幅は幅広い形状なので、該円柱形弾性体10は、外観と寸法が幅広タイヤ外皮9の内幅902と内径、幅広タイヤ外皮9の厚さ904によって定まる扁平率によって設定される。即ち、内幅902が比較的に大きい場合は、円柱形弾性体10の長さが比較的に長く、その逆の場合は、比較的に短く設けられており、厚さ904によって定まる扁平率が比較的に薄い場合、円柱形弾性体10の円柱形弾性体10の直径が比較的に小さくされ、その逆の場合は、比較的に大きく設定される。一般的なタイヤ外皮のタイヤ表面が円弧形をしているとき、弾性体の外観が円形に、逆の場合は、その逆になる。タイヤ外皮のタイヤ表面は、比較的に広い形態をしているとき、弾性体は、外観が円柱形に形成されるが、本発明のもう一つの実施例における幅広タイヤ外皮9のタイヤ表面は一般的な円弧形ではなく、比較的に幅広い形態をしているから、円柱形弾性体10の外観は円形ではなく、円柱形に形成される。使用の時,該幅広タイヤ外皮9の内部の収納空間901に、複数の円柱形弾性体10が設けられており、該円柱形弾性体10は、数量が幅広タイヤ外皮9の内径、幅広タイヤ外皮9の厚さ904によって定まる扁平率により設定される。即ち、タイヤ外皮2の厚さ904によって定まる扁平率が比較的に厚い場合、円柱形弾性体10は、寸法(即ち直径)が比較的に大きく、逆の場合は、円柱形弾性体10は、寸法が比較的に小さく設定される。タイヤ外皮2の厚さ904によって定まる扁平率により、円柱形弾性体10の寸法が決められ、この時に、タイヤ外皮2の内径に合わせて、円柱形弾性体10は、数量が多くまたは少なく設定されるようになり、それにより、
図10に示すように、円柱形弾性体10の直径を、幅広タイヤ外皮9の内径上端部903とリム8センターの内径底端部801に、やや近付けた近傍に、または突き当てられるように設けられており、そして、
図9Bに示すように、幅広タイヤ外皮9内部の収納空間901に、複数の円柱形弾性体10が設けられたとき、該収納空間901内では、円柱形弾性体10がつながっていながら、個別で独立した円柱形固形体が設けられる。
【0014】
図10と
図11に示すように、本発明の防爆タイヤ11は、釘5で刺されて破れた場合、幅広タイヤ外皮9内の空気が、釘5で刺されて破れた箇所から、空気漏れが発生したとき、円柱形弾性体10が幅広タイヤ外皮9とリム8の間に突き当てられて、空気漏れの防爆タイヤ11を支えるようになり、それで、刺されて破れた幅広タイヤ外皮9がぺったんとならず、それと同時に、幅広タイヤ外皮9が刺されて破れた前の態様を保つようになり、使用者に、釘5で刺されて破れて生じる運転時の危険を与えることもなく、続けて運転できるということを特徴とし、使用者がより簡単で、修理ステーションを見つかるのが可能で、使用者への利便性と安全性を高めることができる。
【0015】
上述した内容をまとめると、本発明の防爆タイヤは、本発明者が考えを凝らして作られたもので、実用性があると同時に、構造が簡単、使いやすく、素早く組立が可能、低コストという効果があり、特許出願要件に一致するということで、法の規定により出願し、審査員がご審査のうえ、特許取得を認めていただけることを願っている。
【0016】
但し、上述した内容は、本発明の好適な実施例のみに関する説明であり、本発明の特許出願範囲は、本実施例に制限されず、本実施例の説明や特許請求の範囲に記載されたと同等な効果を得られる構造の改造などを行なわれても、それらは全て本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0017】
1 リム 101 内径底端部
2 タイヤ外皮 201 収納空間
202 内幅 203 内径上端部
3 タイヤ
4 収納空間
5 釘
6 弾性体
7 防爆タイヤ
8 リム 801 内径底端部
9 幅広タイヤ外皮 901 収納空間
902 内幅 903 内径上端部
904 厚さ
10 円柱形弾性体
11 防爆タイヤ