(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086951
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】通知装置及び通知システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20220602BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20220602BHJP
【FI】
G16H80/00
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219591
(22)【出願日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020198879
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】水谷 学世
(72)【発明者】
【氏名】白木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誉久
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 泰斗
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】サービス提供者がサービス利用者の排泄記録を容易に作成することが可能な通知装置を実現する。
【解決手段】通知装置(1)は、サービス利用者(Ua)の排泄をサービス提供者(Ub)に通知するための装置である。通知装置(1)は、少なくとも1つのプロセッサ(11)を備えている。プロセッサ(11)は、サービス利用者(Ua)の排泄態様を示す排泄情報をサービス提供者(Ub)が入力するための入力画面(S12)を表示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、排泄態様を示す排泄情報を前記サービス提供者が入力するための入力画面を表示する、
ことを特徴とする通知装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記入力画面を表示する前に、前記サービス利用者の排泄を前記サービス提供者に通知する通知画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記入力画面を表示した後に、前記サービス提供者が前記入力画面を用いて入力した排泄情報を記憶又は送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記入力画面を表示した後に、前記サービス提供者が前記入力画面を用いて入力した排泄情報を、匂いセンサの出力信号に基づいて前記サービス利用者の排泄が検知された時刻を示す時刻情報と関連付けて記憶又は送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の通知装置。
【請求項5】
前記入力画面を用いて入力可能な排泄情報には、排泄物の種別を示す種別情報と、当該種別情報に応じて前記プロセッサが選択したその他の排泄情報と、が含まれる、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の通知装置。
【請求項6】
前記種別情報が便を示す場合、前記プロセッサは、前記その他の排泄情報として、便の状態を示す状態情報、便の量を示す便量情報、便に混入した血液の有無又は量を示す血液混入量情報、及び、便と共に排泄された尿の有無又は量を示す尿量情報の少なくとも何れかを選択する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通知装置。
【請求項7】
前記種別情報が尿を示す場合、前記プロセッサは、前記その他の排泄情報として、尿の量を示す尿量情報を選択する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通知装置。
【請求項8】
匂いセンサを有し、当該匂いセンサの出力信号を送信するセンサ装置と、
請求項1~7の何れか一項に記載の通知装置であって、前記センサ装置から送信された前記匂いセンサの出力信号に基づいて前記サービス利用者の排泄を検知すると共に、前記サービス利用者の排泄を前記サービス提供者に通知する通知装置と、を含んでいる、
ことを特徴とする通知システム。
【請求項9】
匂いセンサを有し、当該匂いセンサの出力信号を送信するセンサ装置と、
前記センサ装置から送信された前記匂いセンサの出力信号に基づいて前記サービス利用者の排泄を検知する検知装置と、
請求項1~7の何れか一項に記載の通知装置であって、前記サービス利用者の排泄を前記サービス提供者に通知する通知装置と、を含んでいる、
ことを特徴とする通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置及び通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設においては、サービス利用者の排泄をサービス提供者が適時に知得する必要がある。しかしながら、このような施設には、排泄をサービス提供者に知らせることが不可能又は困難なサービス利用者(夜間、眠っているサービス利用者を含む)も少なからず居る。このようなサービス利用者の排泄をサービス提供者が知得するには、サービス利用者の下着を脱がせて排泄の有無を確認する必要があり、このことがサービス提供者にとって大きな負担になっていた。
【0003】
このような負担を軽減するために、介護医療現場における情報処理技術の活用が求められている。介護医療現場での活用可能な情報処理技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、T字帯に装着したガスセンサから出力信号に基づき、患者の健康状態をモニタする生体モニタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サービス利用者の排泄を知得したサービス提供者は、下着の交換など必要な措置を講じた後、排泄態様(排泄物の種類や量など)を記した排泄記録を作成する必要がある。特許文献1に記載の技術を応用すれば、下着を脱がせることなくサービス利用者の排泄を検知できる可能性がある。しかしながら、これにより、サービス利用者の排泄を適時に知得するための負担を軽減することができたとしても、サービス利用者の排泄記録を作成するための負担を軽減することはできない。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、サービス提供者がサービス利用者の排泄記録を容易に作成することが可能な通知装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る通知装置は、サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、排泄態様を示す排泄情報を前記サービス提供者が入力するための入力画面を表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、サービス提供者がサービス利用者の排泄記録を容易に作成することが可能な通知装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る通知システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す通知システムに含まれる通知装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示す通知装置が実施する通知方法の流れを示すフロー図である。
【
図4】
図3に示す通知方法において
図2に示す通知装置が表示する通知画面及び入力画面の具体例を示す平面図である。
【
図5】
図3に示す通知方法に含まれる入力処理においてサービス提供者が種別情報を入力するフェーズにおける入力画面の状態遷移を示す状態遷移図である。
【
図6】
図3に示す通知方法に含まれる入力処理においてサービス提供者が状態情報を入力するフェーズにおける入力画面の状態遷移を示す状態遷移図である。
【
図7】
図1に示す通信システムの第1の変形例を示す模式図である。
【
図8】
図1に示す通信システムの第2の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(通知システムの構成)
本発明の一実施形態に係る通知システムSについて、
図1を参照して説明する。
図1は、通知システムSの構成を示す模式図である。
【0011】
通知システムSは、介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設において、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するためのシステムである。通知システムSは、
図1に示すように、通知装置1と、センサ装置2と、を含んでいる。通知装置1とセンサ装置2とは、ネットワークを介さずに無線通信を行う。
【0012】
センサ装置2は、サービス利用者Uaに装着される。一例として、センサ装置2は、サービス利用者Uaの下着(おむつやパンツなど)の内部に装着される。センサ装置2は、匂いセンサを有しており、その匂いセンサの出力信号を通知装置1に送信する。
【0013】
通知装置1は、サービス利用者Uaが利用する居室の入口に配置されたり、サービス提供者Ubに携帯されたりする。通知装置1は、匂いセンサの出力信号をセンサ装置2から受信する。そして、通知装置1は、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知すると共に、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知する。なお、通知装置1は、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄物の種類を判別し、判別結果をサービス提供者Ubに通知してもよい。
【0014】
従来、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubが知得するためには、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの下着を脱がして排泄の有無を確認する必要があり、サービス提供者Ubにとって大きな負担となっていた。また、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの下着を脱がして排泄の有無を確認することは、サービス利用者Uaにとっても負担になることがあった。例えば、夜間における定期的な排泄確認作業は、サービス利用者Uaの睡眠を妨げることがあった。
【0015】
これに対して、本実施形態に係る通知システムSを用いれば、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの下着を脱がすことなくサービス利用者Uaの排泄をタイムリーに知得することができる。このため、排泄確認作業に係るサービス利用者Ua及びサービス提供者Ubの負担を軽減することができる。
【0016】
(通知装置の構成)
通知システムSに含まれる通知装置1の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、通知装置1の構成を示すブロック図である。
【0017】
通知装置1は、
図2に示すように、プロセッサ11と、メモリ12と、タッチパネル13と、無線通信インタフェース14と、バス15と、を備えている。プロセッサ11、メモリ12、タッチパネル13、及び無線通信インタフェース14は、バス15を介して相互に接続されている。通知装置1として利用可能なデバイスとしては、例えば、スマートフォン又はタブレット型PC(Personal Computer)を挙げることができる。
【0018】
メモリ12には、通知プログラムが格納されている。プロセッサ11は、メモリ12に格納されている通知プログラムに含まれる命令に従って、後述する通知方法M1に含まれる各処理を実行する。プロセッサ11として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、メモリ12として利用可能なデバイスとしては、例えば、フラッシュメモリを挙げることができる。
【0019】
タッチパネル13は、出力デバイスとして機能する表示パネルと、入力デバイスとして機能するタッチセンサとが一体化されたものである。通知方法M1においてサービス提供者Ubから取得する情報(例えば、後述する排泄情報)は、このタッチパネル13を介して通知装置1に入力される。また、通知方法M1においてサービス提供者Ubに提供する情報(例えば、後述する通知画面S11及び入力画面S12)は、このタッチパネル13を介して通知装置1から出力される。
【0020】
無線通信インタフェース14は、他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェースである。無線通信インタフェース14には、ネットワークを介さずに他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェース、例えば、Bluetooth(登録商標)インタフェースが含まれ得る。また、無線通信インタフェース14には、LAN(Local Area Network)を介して他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェース、例えば、Wi-Fi(登録商標)インタフェースが含まれ得る。また、無線通信インタフェース14には、移動体通信ネットワークを介して他のコンピュータと無線通信を行うためのインタフェース、例えば、5Gインタフェースが含まれ得る。本実施形態においては、センサ装置2との通信に、Bluetooth(登録商標)インタフェースを利用する。
【0021】
(通知方法の流れ)
通知装置1が実施する通知方法M1の流れについて、
図3及び
図4を参照して説明する。
図3は、通知方法M1の流れを示すフロー図である。
図4は、プロセッサ11がタッチパネル13に表示する通知画面S11及び入力画面S12の一具体例を示す平面図である。
【0022】
通知方法M1は、
図3に示すように、通知処理M11と、入力処理M12と、記憶処理M13と、を含んでいる。
【0023】
プロセッサ11は、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知すると、通知処理M11を開始する。
【0024】
通知処理M11は、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するための通知画面S11を生成してタッチパネル13に表示する処理である。通知画面S11には、
図4に示すように、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するための通知メッセージS11aが含まれている。通知処理M11を実行することによって、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄を知得することが容易になる。
【0025】
通知画面S11には、
図4に示すように、確認ボタンS11bが更に含まれている。通知メッセ―S11を確認したサービス提供者Ubが確認ボタンS11bをタップすると、プロセッサ11は、通知処理M11を終了して入力処理M12を開始する。
【0026】
入力処理M12は、サービス利用者Uaの排泄態様を示す排泄情報をサービス提供者Ubが入力するための入力画面S12を生成してタッチパネル13に表示する処理である。入力画面S12には、
図4に示すように、サービス利用者Uaの排泄態様を示す排泄情報をサービス提供者Ubが入力するための入力フィールドS12aが含まれている。入力処理M12を実行することによって、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を作成することが容易になる。入力処理M12の具体例については、参照する図面を代えて後述する。
【0027】
入力画面S12には、
図4に示すように、登録ボタンS12bが更に含まれている。排泄情報の入力を完了したサービス提供者Ubが登録ボタンS12bをタップすると、プロセッサ11は、入力処理M12を終了して記憶処理M13を開始する。
【0028】
記憶処理M13は、入力処理M12にてサービス提供者Ubにより入力された排泄情報をメモリ12に記憶する処理である。なお、プロセッサ11は、記憶処理M13に代えて、又は、記憶処理M13と共に、入力処理M12にてサービス提供者Ubにより入力された排泄情報を他のコンピュータに送信する送信処理を実行してもよい。この場合、入力処理M12にてサービス提供者Ubにより入力された排泄情報は、他のコンピュータが備えるメモリに記憶されることになる。記憶処理M13又は送信処理を実行することによって、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を保存することが容易になる。
【0029】
サービス提供者Ubが入力した排泄情報がラベルとして付与された匂いセンサの出力信号は、匂いセンサの出力信号から排泄態様を推定する学習済モデルを構築するための教師データとして利用することができる。このめ、通知装置1(又は、通知装置1からの匂いセンサの出力信号と排泄情報とを受信した他のコンピュータ)を、(1)上記のような教師データからなる学習用データセットを作成する学習用データセット作成装置、(2)そのような学習用データセットを用いて匂いセンサの出力信号から排泄態様を推定する学習済モデルを構築する機械学習装置、又は、(3)そのような学習済モデルを用いて匂いセンサの出力信号から排泄態様を推定する排泄態様推定装置として機能させることも可能である。
【0030】
以上のように、通知装置1において、プロセッサ11は、排泄態様を示す排泄情報をサービス提供者Ubが入力するための入力画面S12を表示する。このため、通知装置1によれば、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を作成することが容易になる、という効果を奏する。
【0031】
また、通知装置1において、プロセッサ11は、入力画面S12を表示する前に、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知する通知画面S11を表示する。このため、通知装置1によれば、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄を知得することが容易になる、という効果を奏する。
【0032】
また、通知装置1において、プロセッサ11は、入力画面S12を表示した後に、サービス提供者Ubが入力画面S12を用いて入力した排泄情報を記憶又は送信する。このため、通知装置1によれば、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を保存することが容易になる、という効果を奏する。
【0033】
また、通知装置1において、プロセッサ11は、入力画面S12を表示した後に、サービス提供者Ubが入力画面S12を用いて入力した排泄情報を、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄が検知された時刻を示す時刻情報と関連付けて記憶又は送信するように構成されていてもよい。これにより、定期的に下着を脱がして行う従来の排泄確認では特定が困難であった正確な排泄時刻を含む排泄記録を保存することが可能になる。
【0034】
(入力処理の具体例)
入力処理M12の一具体例について、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0035】
本具体例に係る入力処理M12において、通知装置1は、排泄物の種別を示す種別を示す排泄情報(以下、「種別情報」と記載)の入力を受け付ける。種別情報として入力可能な便の種類は、「うんち」、「おしっこ」、及び「おなら」である。また、通知装置1は、種別情報の入力を受け付けた後、入力を受け付けた種別情報に応じてプロセッサ11が選択したその他の排泄情報の入力を受け付ける。
【0036】
排泄物の種別が「うんち」である場合、プロセッサ11は、便の状態を示す状態情報、便の量を示す便量情報、便に混入した血液の有無又は量を示す血液混入量情報、及び、便と共に排泄された尿の有無又は量を示す尿量情報を、入力を受け付けるその他の排泄情報として選択する。ここで、状態情報として入力可能な便の状態は、「ころころ便」、「硬い便」、「やや硬い便」、「普通便」、「やや柔らかい便」、「泥状便」、及び「水様便」である。便量情報として入力可能な便の量としては、「とても少ない」、「少なめ」、「やや少なめ」、「普通」、「やや多め」、及び「とても多い」である。血液混入量情報として入力可能な血液の有無又は量としては、「無し」、「少量」、「中量」、及び「多量」である。尿量情報として入力可能な尿の量は、「無し」、「少ない」、「普通」、及び「多い」である。排泄物の種別が「おしっこ」である場合、プロセッサ11は、尿の量を示す尿量情報を、入力を受け付けるその他の排泄情報として選択する。ここで、尿量情報として入力可能な尿の量は、「無し」、「少ない」、「普通」、及び「多い」である。排泄物の種別が「おなら」である場合、プロセッサ11は、その他の排泄情報の入力を受け付けない。
【0037】
図5は、種別情報の入力を受け付ける際の入力画面S12の状態遷移を示す状態遷移図である。
図5の左に示すように、入力画面S12においてサービス提供者Ubが欄「種別」をタップすると、
図5の中央に示すように、通知装置1は、種別情報をサービス提供者Ubに選択させるための選択ウインドウをポップアップ表示する。そして、
図5の中央に示すように、選択ウインドウにおいてサービス提供者Ubが項目「うんち」をタップすると、
図5の右に示すように、通知装置1は、入力画面S12の欄「種別」に「うんち」を書き込む。選択ウインドウにおいて「うんち」以外の項目が選択された場合も、同様の状態遷移が生じる。
【0038】
図6は、状態情報の入力を受け付ける際の入力画面S12の状態遷移を示す状態遷移図である。
図6の左に示すように、入力画面S12においてサービス提供者Ubが欄「状態」をタップすると、
図6の中央に示すように、通知装置1は、状態情報をサービス提供者Ubに選択させるための選択ウインドウをポップアップ表示する。そして、
図6の中央に示すように、選択ウインドウにおいてサービス提供者Ubが項目「水様便」をタップすると、
図6の右に示すように、通知装置1は、入力画面S12の欄「状態」に「水様便」を書き込む。選択ウインドウにおいて「水様便」以外の項目が選択された場合も、同様の状態遷移が生じる。
【0039】
入力画面S12においてサービス提供者Ubが欄「便量」、欄「血液混入量」、及び欄「尿量」を選択した場合にも、入力画面S12においてサービス提供者Ubが欄「種別」を選択した場合と同様の状態遷移が生じる。
【0040】
以上のように、通知装置1において、入力画面S12を用いて入力可能な排泄情報には、排泄物の種別を示す種別情報と、当該種別情報に応じてプロセッサ11が選択したその他の排泄情報と、が含まれる。このため、通知装置1によれば、排泄物の種類応じた排泄情報を含む排泄記録を容易に作成することが可能になる、という効果を奏する。
【0041】
また、通知装置1において、種別情報が便を示す場合、プロセッサ11は、入力を受け付けるその他の排泄情報として、便の状態を示す状態情報、便の量を示す便量情報、便に混入した血液の有無又は量を示す血液混入量情報、及び、便と共に排泄された尿の有無又は量を示す尿量情報の少なくとも何れか(本実施形態においては全て)を選択する。このため、通知装置1によれば、サービス利用者Uaが排便した場合、便の状態、便の量、便に混入した血液の有無又は量、及び、便と共に排泄された尿の有無又は量の少なくとも何れかを含む排泄記録を容易に作成することが可能になる、という効果を奏する。
【0042】
また、通知装置1において、種別情報が尿を示す場合、プロセッサ11は、入力を受け付けるその他の排泄情報として、尿の量を示す尿量情報を選択する。このため、通知装置1によれば、サービス利用者Uaが排尿した場合、尿の量を含む排泄記録を容易に作成することが可能になる、という効果を奏する。
【0043】
(通知システムの変形例)
本実施形態においては、匂いセンサの出力信号に基づくサービス利用者Uaの排泄検知を通知装置1が行う構成について説明したが、本発明は、これに限定されない。すなわち、匂いセンサの出力信号に基づくサービス利用者Uaの排泄検知は、通知装置1及びセンサ装置2と通信可能に構成された他のコンピュータが行ってもよい。以下、このような変形例について説明する。
【0044】
図7は、通知システムSの第1の変形例(以下、通知システムS’と記載する)を示す模式図である。本変形例に係る通知システムS’は、通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5を含んでいる。本変形例に係る通知システムS’においては、クラウドサーバ4が特許請求の範囲における「検知装置」に相当する。
【0045】
通知装置1は、例えば、サービス提供者Ubに携帯される。センサ装置2は、例えば、サービス利用者Uaに装着される。中継装置3は、例えば、サービス利用者Uaの居室に配置される。PC5は、サービス利用者Uaの居室以外の部屋(例えば、ナースステーション)に配置される。これらの装置が施設内に配置されるのに対して、クラウドサーバ4は、施設外(例えば、データセンタ)に配置される。センサ装置2と中継装置3とは、ネットワークを介さずに無線通信を行う。また、中継装置3とクラウドサーバ4とは、公衆回線(例えば、移動体通信ネットワーク)を介して無線通信を行う。クラウドサーバ4と通知装置1とは、公衆回線(例えば、移動体通信ネットワーク)を介して無線通信を行う。また、クラウドサーバ4とPC5とは、インターネットを介して通信を行う。また、PC5と通知装置1とは、LANを介して無線通信を行う。なお、本変形例においては、一台の中継装置3が一台のセンサ装置2と無線接続される。このような接続形態(1:1の接続形態)に好適な中継装置3としては、例えば、スマートフォンが挙げられる。
【0046】
センサ装置2は、匂いセンサを有しており、その匂いセンサの出力信号を中継装置3に送信する。中継装置3は、受信した匂いセンサの出力信号をクラウドサーバ4に転送する。クラウドサーバ4は、受信した匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知すると、その旨を通知装置1に通知する。通知装置1は、クラウドサーバ4からサービス利用者Uaの排泄が通知されると、上述した通知処理M11、入力処理M12、及び記憶処理M13を実行する。
【0047】
本変形例に係る通知システムS’によっても、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄を知得すること、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を作成及び保存することが容易になる。しかも、本変形例に係る通知システムS’においては、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知する処理が、通知装置1よりも処理能力の高いクラウドサーバ4において実行される。したがって、排泄検知の高精度化及び/又は高速化を図ることができる。
【0048】
なお、クラウドサーバ4は、サービス利用者Uaが排泄を行った旨の通知を、サービス提供者Ubが携帯する通知装置1に対して行う代わりに、施設内に配置されたPC5に対して行ってもよい。この場合、PC5は、クラウドサーバ4から受け取った通知を、施設内のLANを介して通知装置1に転送する。これにより、通知装置1を公衆回線に接続する必要がなくなる。このため、通知装置1の台数を増やした場合に生じ得るコスト(主には回線使用料)の増大を抑えることができる。
【0049】
また、本変形例においては、匂いセンサの出力信号に基づくサービス利用者Uaの排泄検知を、クラウドサーバ4が実行する構成について説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、匂いセンサの出力信号に基づくサービス利用者Uaの排泄検知を、中継装置3が実行する構成を採用してもよい。この場合、中継装置3は、検知結果をクラウドサーバ4を介して通知装置1に通知することになる。この場合、中継装置3が特許請求の範囲における「検知装置」に相当する。なお、中継装置3は、上述したようにスマートフォンであってもよいし、PCなどにより構成されたローカルサーバであってもよい。
【0050】
図8は、通知システムSの第2の変形例(以下、通知システムS”と記載する)を示す模式図である。本変形例に係る通知システムS”は、前変形例に係る通知システムS’と同様、通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5を含んでいる。本変形例に係る通知システムS”においては、クラウドサーバ4が特許請求の範囲における「検知装置」に相当する。
【0051】
本変形例に係る通信システムS”における通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5の配置及び接続形態は、前変形例に係る通信システムS’における通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5の配置及び接続形態と同様である。ただし、本変形例においては、一台の中継装置3が複数台のセンサ装置2と無線接続される。このような接続形態(1:nの接続形態)に好適な中継装置3としては、例えば、中継器(中継専用器)が挙げられる。
【0052】
本変形例に係る通信システムS”における通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5の配置及び動作は、それぞれ、前変形例に係る通信システムS’における通知装置1、センサ装置2、中継装置3、クラウドサーバ4、及びPC5の動作と同様である。
【0053】
本変形例に係る通知システムS”によっても、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄を知得すること、サービス提供者Ubがサービス利用者Uaの排泄記録を作成及び保存することが容易になる。しかも、本変形例に係る通知システムS”においては、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知する処理が、通知装置1よりも処理能力の高いクラウドサーバ4において実行される。したがって、排泄検知の高精度化及び/又は高速化を図ることができる。さらに、本変形例に係る通知システムS”においては、センサ装置2の台数を増やしたときに生じ得るコストの増加を抑えることができる。前変形例に係る通知システムS’においては、センサ装置2の台数と同数の中継装置3を公衆回線に接続する必要があるのに対して、本変形例に係る通知システムS”においては、その必要がないからである。
【0054】
なお、クラウドサーバ4は、サービス利用者Uaが排泄を行った旨の通知を、サービス提供者Ubが携帯する通知装置1に対して行う代わりに、施設内に配置されたPC5に対して行ってもよい。この場合、PC5は、クラウドサーバ4から受け取った通知を、施設内のLANを介して通知装置1に転送する。これにより、通知装置1を公衆回線に接続する必要がなくなる。このため、通知装置1の台数を増やした場合に生じ得るコスト(主には回線使用料)の増大を抑えることができる。
【0055】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態に開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 通知装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 タッチパネル
14 無線通信インタフェース
15 バス
S 通知システム
2 センサ装置