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特開2022-86994低刺激な日焼け止め乳及びその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086994
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】低刺激な日焼け止め乳及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20220602BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/85 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20220602BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20220602BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20220602BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/33
A61K8/34
A61K8/60
A61K8/89
A61K8/73
A61K8/35
A61K8/85
A61K8/37
A61K8/25
A61K8/9789
A61K8/42
A61K8/31
A61Q17/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132123
(22)【出願日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】202011384731.2
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520317240
【氏名又は名称】広東丸美生物技術股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】裴運林
(72)【発明者】
【氏名】孫懐慶
(72)【発明者】
【氏名】佐佐木公夫
(72)【発明者】
【氏名】胡越
(72)【発明者】
【氏名】▲ジョウ▼艶峰
(72)【発明者】
【氏名】郭朝万
(72)【発明者】
【氏名】胡露
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AB171
4C083AC011
4C083AC121
4C083AC151
4C083AC171
4C083AC211
4C083AC341
4C083AC441
4C083AC531
4C083AC641
4C083AC811
4C083AC851
4C083AD091
4C083AD151
4C083AD351
4C083AD391
4C083AD531
4C083BB01
4C083FF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低刺激な日焼け止め乳及びその調製方法を提供する。
【解決手段】日焼け止め乳は、乳化剤0.5~5%、増粘剤0.1~5%、第1の日焼け止め剤包み複合物10~15%、第2の日焼け止め剤包み複合物20~30%、第1の鎮静・抗アレルギー剤0.02~0.2%、第2の鎮静・抗アレルギー剤0.1~1%、マグノール0.01~0.3%、1,3-ブタンジオール5~10%、グルコシルルチン0.2~2%、ポリジメチルシロキサン3~6%、キサンタンガム0.1~0.5%、防腐剤0.1~1%、水30~60%を含み、上記各成分の質量百分率の合計は100%である。
【効果】本発明により調製された低刺激な日焼け止め乳は、日焼け止め指数が高く、安定性が良く、温和であり、日焼け止め剤が直接肌に接触することによる肌への刺激性を回避し、肌触りがさわやかであり、べたつき感がない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低刺激な日焼け止め乳であって、質量百分率で、前記日焼け止め乳は、
乳化剤 0.5~5%
増粘剤 0.1~5%
第1の日焼け止め剤包み複合物 10~15%
第2の日焼け止め剤包み複合物 20~30%
第1の鎮静・抗アレルギー剤 0.02~0.2%
第2の鎮静・抗アレルギー剤 0.1~1%
マグノール 0.01~0.3%
1,3-ブタンジオール 5~10%
グルコシルルチン 0.2~2%
ポリジメチルシロキサン 3~6%
キサンタンガム 0.1~0.5%
防腐剤 0.1~1%
水 30~60%を含み、
上記各成分の質量百分率の合計は100%である、ことを特徴とする日焼け止め乳。
【請求項2】
前記第1の日焼け止め剤包み複合物はメチルメタクリレート架橋ポリマー、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びエチルヘキシルトリアゾンの混合物であり、
好ましくは、前記ブチルメトキシジベンゾイルメタンと前記エチルヘキシルトリアゾンの質量比は(1~3):(1~5)である、ことを特徴とする請求項1に記載の日焼け止め乳。
【請求項3】
前記第2の日焼け止め剤包み複合物は、水、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、珪石、フェノキシエタノール、ポリビニルピロリドン、クロルフェネシン、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンの混合物であり、
好ましくは、前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量は、前記第2の日焼け止め剤包み複合物の10~30%を占める、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の日焼け止め乳。
【請求項4】
前記第1の鎮静・抗アレルギー剤はビサボロールとショウガ根抽出物であり、
好ましくは、ビサボロールとショウガ根抽出物の質量比は1:(1~3)である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の日焼け止め乳。
【請求項5】
前記第2の鎮静・抗アレルギー剤は、ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの混合物であり、
好ましくは、前記ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの質量比は1:1:(1~3):(2~5)である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の日焼け止め乳。
【請求項6】
前記乳化剤は、ステアリン酸グリセリル及び/又はヒドロキシステアリン酸のいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の日焼け止め乳。
【請求項7】
前記増粘剤は、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、イソヘキサデカン及びポリソルベート80のいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の日焼け止め乳。
【請求項8】
前記防腐剤は、エチルヘキシルグリセリン、プロピレングリコール及びカプリル酸グリセリルのいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の日焼け止め乳。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の低刺激な日焼け止め乳の調製方法であって、前記調製方法は、配合比で、乳化剤、増粘剤、ポリジメチルシロキサン及び第1の日焼け止め剤包み複合物を油相釜に加えて加熱し、水、マグノール、1,3-ブタンジオール、キサンタンガム及び防腐剤を乳化釜に加えて加熱し、油相を乳化釜に取り込み、均質化して降温し、第2の日焼け止め剤包み複合物、グルコシルルチン、第1の鎮静・抗アレルギー剤及び第2の鎮静・抗アレルギー剤を加えて均一に撹拌し、前記低刺激な日焼け止め乳を得るステップを含む、ことを特徴とする調製方法。
【請求項10】
油相釜に加えて加熱する温度は75~95℃であり、
好ましくは、乳化釜に加えて加熱する温度は75~95℃であり、
好ましくは、油相を乳化釜に取り込んだ後に降温した温度は40~50℃である、ことを特徴とする請求項9に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け止め乳の技術分野に関し、日焼け止め乳及びその調製方法に関し、特に低刺激な日焼け止め乳及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日焼け止め乳は、日焼け止めの原理を利用して紫外線の照射から肌を守ることにより、メラニンの生成と蓄積を防ぎ、日光が肌に接触しないように肌に塗布するスキンケア製品である。日焼け止めクリームと比較して、日焼け止め乳はより多くの水分を含むためよりさわやかであるので、より多くの消費者に好まれる。
【0003】
日焼け止めの役割を果たすために、日焼け止め乳に日焼け止め剤を加え、日焼け止め剤の中には、直接肌に接触することによって刺激を与えるものがあるため、敏感肌の人々は、日焼け止め乳製品を使用した後に、肌の赤み、アレルギー及び他の不快感などを引き起こす可能性がある。
【0004】
CN108670890Bは、化粧品、スキンケア製品の技術分野に関する有機日焼け止め組成物及びその使用を開示する。該有機日焼け止め組成物は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、安息香酸(C12-15)アルコール、ラウロイルサルコシンイソプロピル、オクトクリレン、ジエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクチルポリメチルシロキサン、エチルヘキシルトリアゾン(Ethylhexyl Triazone)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタンから調製されたものである。上記の有機日焼け止め組成物は、異なる波長帯域の紫外線吸収剤を含み、良好な日焼け止め効果を発揮し、且つ相溶性が良く、清涼感が高いという特徴を有し、該組成物を含む日焼け止め製品は、肌を十分に保護しながら、快適な肌触りをもたらすことができる。該有機日焼け止め組成物は、調製される日焼け止めジェル、日焼け止めスプレー、日焼け止めクリーム、日焼け止め効果のあるカラーメイクなどの様々な剤形の化粧品又はスキンケア製品に使用することができる。この発明は日焼け止め剤のメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンを開示しているが、日焼け止め剤が直接肌に接触することによって肌に刺激を与え、且つ日焼け止め剤の安定性が悪く、析出する恐れがある。
【0005】
CN110613619Aは、フラーレン含有生物学的日焼け止め組成物及びエアロゾルを開示する。この発明に係る生物学的日焼け止め組成物は、フラーレン、グルコシルルチン、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、ポリシリコーン-15、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及びジエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを含む。この発明に係る生物学的日焼け止め組成物の原料成分は、環境に優しく、安全で無害であり、各原料の相乗効果により、UVB、UVA、可視光線、及びIRAの全波長帯域を完全且つ効果的に保護し、それにより日光による皮膚疾患と皮膚損傷などの様々な皮膚問題を効果的に予防し、人々の身体健康とすばらしい生活をよりよく守ることができる。この発明はグルコシルルチン、エチルヘキシルトリアゾンを開示しているが、日光下で発生する皮膚の老化、顔面紅潮、皮膚炎症、及び紅斑の問題に対する改善は良くない。
【0006】
したがって、日焼け止め効果がよく、さわやかであり、刺激が低く、安定性に優れた日焼け止め乳を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
従来の技術の不足について、本発明の目的は、低刺激な日焼け止め乳及びその調製方法を提供することにある。本発明により調製された低刺激な日焼け止め乳は、日焼け止め指数が高く、安定性が良く、温和であり、日焼け止め剤が直接肌に接触することによる肌への刺激性を回避し、肌触りがさわやかであり、べたつき感がない。
【0008】
本発明の第1の目的は、低刺激な日焼け止め乳を提供することであり、この目的を達成するために、本発明は以下の技術案を講じた。
低刺激な日焼け止め乳であって、質量百分率で、前記日焼け止め乳は、
乳化剤 0.5~5%
増粘剤 0.1~5%
第1の日焼け止め剤包み複合物 10~15%
第2の日焼け止め剤包み複合物 20~30%
第1の鎮静・抗アレルギー剤 0.02~0.2%
第2の鎮静・抗アレルギー剤 0.1~1%
マグノール(Magnol) 0.01~0.3%
1,3-ブタンジオール 5~10%
グルコシルルチン 0.2~2%
ポリジメチルシロキサン 3~6%
キサンタンガム 0.1~0.5%
防腐剤 0.1~1%
水 30~60%を含み、
上記各成分の質量百分率の合計は100%である。
【0009】
本発明の日焼け止めは、異なる包まれた日焼け止め剤を使用することによって相乗効果を達成できるだけでなく、日焼け止め剤の安定性を高め、日焼け止め剤の結晶析出のリスクを回避し、同時に日焼け止め剤が肌に直接接触することによって肌に刺激を与えることを防ぐことができ、鎮静・抗アレルギー剤とラジカル捕捉剤を添加することにより、日光下で発生する皮膚の老化、顔面紅潮、皮膚炎症、及び紅斑の問題を緩和することができる。
【0010】
前記第1の日焼け止め剤包み複合物はメチルメタクリレート架橋ポリマー、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びエチルヘキシルトリアゾンの混合物である。
【0011】
好ましくは、前記ブチルメトキシジベンゾイルメタンと前記エチルヘキシルトリアゾンの質量比は(1~3):(1~5)であり、例えば、割合は1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、2:1、2:3、2:5、3:1、3:2、3:4又は3:5などである。
【0012】
前記第2の日焼け止め剤包み複合物は、水、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、珪石、フェノキシエタノール、ポリビニルピロリドン、クロルフェネシン(Chlorphenesin)、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンの混合物である。
【0013】
好ましくは、前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量は、前記第2の日焼け止め剤包み複合物の10~30%を占め、例えば、前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量は前記第2の日焼け止め剤包み複合物の10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%又は30%などを占める。
【0014】
本発明は、3種類の包まれた日焼け止め剤を選択し、ブチルメトキシジベンゾイルメタンとエチルヘキシルトリアゾンはメチルメタクリレート架橋ポリマーで包まれ、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルも包まれることにより、相乗効果を達成できるだけでなく、日焼け止め剤の安定性を高め、日焼け止め剤の結晶析出のリスクを回避し、同時に日焼け止め剤が肌に直接接触することによって肌に刺激を与えることを防ぐことができる。
【0015】
前記第1の鎮静・抗アレルギー剤はビサボロールとショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物である。
【0016】
好ましくは、ビサボロールとショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物の質量比は1:(1~3)であり、例えば、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5又は1:3などである。
【0017】
前記第2の鎮静・抗アレルギー剤は、ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの混合物である。
【0018】
好ましくは、前記ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの質量比は1:1:(1~3):(2~5)である。
【0019】
本発明は、鎮静・抗アレルギー剤とラジカル捕捉剤をさらに添加することにより、マグノール、グルコシルルチン、第1の鎮静・抗アレルギー剤[ビサボロール、ショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物]、第2の鎮静・抗アレルギー剤(ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸、パルミチン酸アスコルビル)は、日光下で発生する皮膚の老化、顔面紅潮、皮膚炎症、及び紅斑の問題を緩和することができる。
【0020】
前記乳化剤は、ステアリン酸グリセリル及び/又はヒドロキシステアリン酸である。
【0021】
前記増粘剤は、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、イソヘキサデカン及びポリソルベート80のいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0022】
前記防腐剤は、エチルヘキシルグリセリン、プロピレングリコール及びカプリル酸グリセリルのいずれか1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0023】
本発明の第2の目的は、第1の目的に記載の低刺激な日焼け止め乳の調製方法を提供することであり、前記調製方法は、配合比で、乳化剤、増粘剤、ポリジメチルシロキサン及び第1の日焼け止め剤包み複合物を油相釜に加えて加熱し、水、マグノール、1,3-ブタンジオール、キサンタンガム及び防腐剤を乳化釜に加えて加熱し、油相を乳化釜に取り込み、均質化して降温し、第2の日焼け止め剤包み複合物、グルコシルルチン、第1の鎮静・抗アレルギー剤及び第2の鎮静・抗アレルギー剤を加えて均一に撹拌し、前記低刺激な日焼け止め乳を得るステップを含む。
【0024】
そのうち、油相釜に加えて加熱する温度は75~95℃であり、例えば、油相釜に加えて加熱する温度は75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃又は95℃などである。
【0025】
好ましくは、乳化釜に加えて加熱する温度は75~95℃であり、例えば、温度は75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃又は95℃などである。
【0026】
好ましくは、油相を乳化釜に取り込んだ後に降温した温度は40~50℃であり、例えば、温度は40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃などである。
【0027】
従来の技術に比較して、本発明の有益な効果は以下通りである。
本発明の低刺激な日焼け止め乳は、温和であり、刺激性が低く、日焼け止め指数が高く、安定性がよく、肌触りがさわやかであり、べたつき感がなく、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン及びメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの3種類の包まれた日焼け止め剤を選択することにより、相乗効果を達成できるだけでなく、日焼け止め剤の安定性を高め、日焼け止め剤の結晶析出のリスクを回避し、同時に日焼け止め剤が肌に直接接触することによって肌に刺激を与えることを防ぐことができ、鎮静・抗アレルギー剤とラジカル捕捉剤をさらに添加することにより、日光下で発生する皮膚の老化、顔面紅潮、皮膚炎症、及び紅斑の問題を緩和することができる。
【0028】
本発明の調製方法は、安全で簡単であり、実用的で実現可能であり、製造過程において操作が容易であり、低刺激な日焼け止め乳の大量生産に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体的実施形態によって、本発明の技術案をさらに説明する。
【0030】
特に明記しない限り、本発明の様々な原料は、すべて市販で購入可能であるか、或いは当技術分野の通常の方法に従って調製して取得可能である。
【0031】
実施例1
本実施例の低刺激な日焼け止め乳は、質量百分率で、
乳化剤 1%
増粘剤 2%
第1の日焼け止め剤包み複合物 10%
第2の日焼け止め剤包み複合物 25%
第1の鎮静・抗アレルギー剤 0.1%
第2の鎮静・抗アレルギー剤 0.2%
マグノール 0.1%
1,3-ブタンジオール 8%
グルコシルルチン 2%
ポリジメチルシロキサン 5%
キサンタンガム 0.4%
防腐剤 0.4%
水 45.8%を含み、
第1の日焼け止め剤包み複合物はメチルメタクリレート架橋ポリマー、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びエチルヘキシルトリアゾンの混合物であり、ブチルメトキシジベンゾイルメタンとエチルヘキシルトリアゾンの質量比は1:1であり、第2の日焼け止め剤包み複合物は、水、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、珪石、フェノキシエタノール、ポリビニルピロリドン、クロルフェネシン、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンの混合物であり、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量は第2の日焼け止め剤包み複合物の20%を占め、第1の鎮静・抗アレルギー剤は、質量比が1:1のビサボロールとショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物であり、第2の鎮静・抗アレルギー剤は、質量比が1:1:2:3のブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの混合物であり、乳化剤はステアリン酸グリセリルであり、増粘剤はイソヘキサデカンであり、防腐剤はプロピレングリコールとカプリル酸グリセリルであった。
【0032】
本実施例の低刺激な日焼け止め乳の調製方法は、上記の配合比で、乳化剤、増粘剤、ポリジメチルシロキサン及び第1の日焼け止め剤包み複合物を油相釜に加えて加熱し、80℃まで昇温し、水、マグノール、1,3-ブタンジオール、キサンタンガム及び防腐剤を乳化釜に加えて加熱し、80℃まで昇温し、油相を乳化釜に取り込み、均質化し、45℃まで降温し、第2の日焼け止め剤包み複合物、グルコシルルチン、第1の鎮静・抗アレルギー剤及び第2の鎮静・抗アレルギー剤を加えて均一に撹拌し、低刺激な日焼け止め乳を得るステップを含んだ。
【0033】
実施例2
本実施例の低刺激な日焼け止め乳は、質量百分率で、
乳化剤 5%
増粘剤 2%
第1の日焼け止め剤包み複合物 14%
第2の日焼け止め剤包み複合物 26%
第1の鎮静・抗アレルギー剤 0.1%
第2の鎮静・抗アレルギー剤 0.5%
マグノール 0.1%
1,3-ブタンジオール 6%
グルコシルルチン 2%
ポリジメチルシロキサン 5%
キサンタンガム 0.3%
防腐剤 0.4%
水 38.6%を含み、
第1の日焼け止め剤包み複合物はメチルメタクリレート架橋ポリマー、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びエチルヘキシルトリアゾンの混合物であり、ブチルメトキシジベンゾイルメタンとエチルヘキシルトリアゾンの質量比は1:1であり、第2の日焼け止め剤包み複合物は水、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、珪石、フェノキシエタノール、ポリビニルピロリドン、クロルフェネシン、エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム及びブチルヒドロキシトルエンの混合物であり、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量は第2の日焼け止め剤包み複合物の20%を占め、第1の鎮静・抗アレルギー剤は、質量比が1:1のビサボロールとショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物であり、第2の鎮静・抗アレルギー剤は、質量比が1:1:2:3のブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸及びパルミチン酸アスコルビルの混合物であり、乳化剤はヒドロキシステアリン酸であり、増粘剤はアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体であり、防腐剤はエチルヘキシルグリセリンとプロピレングリコールであった。
【0034】
本実施例の低刺激な日焼け止め乳の調製方法は、上記の配合比で、乳化剤、増粘剤、ポリジメチルシロキサン及び第1の日焼け止め剤包み複合物を油相釜に加えて加熱し、80℃まで昇温し、水、マグノール、1,3-ブタンジオール、キサンタンガム及び防腐剤を乳化釜に加えて加熱し、80℃まで昇温し、油相を乳化釜に取り込み、均質化し、45℃まで降温し、第2の日焼け止め剤包み複合物、グルコシルルチン、第1の鎮静・抗アレルギー剤及び第2の鎮静・抗アレルギー剤を加えて均一に撹拌し、低刺激な日焼け止め乳を得るステップを含んだ。
【0035】
実施例3
本実施例と実施例1の区別は、第1の日焼け止め剤におけるブチルメトキシジベンゾイルメタンとエチルヘキシルトリアゾンの質量比が1:5であることであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0036】
実施例4
本実施例と実施例1の区別は、第1の日焼け止め剤包み複合物がメチルメタクリレート架橋ポリマーとエチルヘキシルトリアゾンの混合物であり、ブチルメトキシジベンゾイルメタンを含まず、減少されるブチルメトキシジベンゾイルメタンの量をメチルメタクリレート架橋ポリマーに増加することであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0037】
実施例5
本実施例と実施例1の区別は、第1の日焼け止め剤包み複合物がブチルメトキシジベンゾイルメタンとエチルヘキシルトリアゾンの混合物であり、メチルメタクリレート架橋ポリマーを含まず、減少されるメチルメタクリレート架橋ポリマーの量をブチルメトキシジベンゾイルメタンに増加ことであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0038】
実施例6
本実施例と実施例1の区別は、第2の日焼け止め剤包み複合物におけるメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの質量が前記第2の日焼け止め剤包み複合物の30%を占めることであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0039】
実施例7
本実施例と実施例1の区別は、第1の鎮静・抗アレルギー剤がビサボロールであり、ショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物を含まないことであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0040】
実施例8
本実施例と実施例1の区別は、第1の鎮静・抗アレルギー剤がショウガ(ZINGIBER OFFICINALE)根抽出物であり、ビサボロールを含まないことであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0041】
比較例1
本比較例と実施例1の区別は、第1の日焼け止め剤包み複合物を含まず、総量をそのままにするように、減少される重量を他の各成分に平均に増加することであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0042】
比較例2
本比較例と実施例1の区別は、第2の日焼け止め剤包み複合物を含まず、総量をそのままにするように、減少される重量を他の各成分に平均に増加することであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0043】
比較例3
本比較例と実施例1の区別は、日焼け止め剤を、包まれていないメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びエチルヘキシルトリアゾンに置き換えることであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0044】
比較例4
本比較例と実施例1の区別は、マグノール、グルコシルルチンを添加せず、総量をそのままにするように、減少される重量を他の各成分に平均に増加することであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0045】
比較例5
本比較例と実施例1の区別は、第1の鎮静・抗アレルギー剤及び第2の鎮静・抗アレルギー剤を添加せず、総量をそのままにするように、減少される重量を他の各成分に平均に増加することであり、他はすべて実施例1と同様であった。
【0046】
1、試験項目:刺激性テスト実験、鶏胚漿尿膜実験、そのテスト方法は以下の通りであった。
一定量の被験物質を胚齢10~14日の鶏受精胚の中期漿尿膜の血管に直接接触させ、一定期間作用後に血管損傷を観察し、異なる血管損傷の程度を採点し、血管損傷が激しいほど数値が大きくなった。
【0047】
有効性の評価方法と評価
本発明の実施例1~8の低刺激な日焼け止め乳及び比較例1、2、3、4、5のサンプルを、2mg/cmの塗布密度で胚齢10~14日の鶏受精胚の中期漿尿膜に塗布し、37.5℃、湿度55%で30分間培養し、生理食塩水で表面材料体を洗浄して血管損傷を観察し、異なる血管損傷の程度を採点した。
【0048】
そのうち、評価基準を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
そのうち、各サンプルは受精鶏卵10個であり、テストデータを表2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
2、試験項目:肌触り評価、テスト方法は以下の通りであった。
30人の健康なボランティアを選択し、上記のボランティアをA群とB群に分け、それぞれ15人ずつとした。
ボランティアの参加基準:1)身体健康で皮膚疾患又は全身性疾患の病歴がないこと、2)年齢が18~65歳で男性と女性に制限はないこと、3)態度が真剣で製品を連続使用することができること。妊娠中又は授乳中の女性と敏感肌が除外された。
【0053】
使用方法
洗顔後、低刺激な日焼け止め乳又は比較用サンプルを2mg/cmの塗布密度で顔全体にムラなく塗布し、製品を30日間連続使用した。
【0054】
有効性評価方法はアンケート形式で記入した。
主な評価指標:1)日焼け止め効果について、評価レベルは、明らかな効果、一般的な効果、効果なしの3つのレベルであり、2)刺激性指標について、評価レベルは、1)非常に刺激(使用過程に赤み、うずき、かゆみ、肌のはがれ又はその他の激しい不快症状が発生する)、中程度の刺激(不快症状は非常に軽微で基本的に感じなく、初期段階ではあるが後期段階ではない)、刺激がまったくない(使用過程全体に非常に快適で不快感がない)であり、3)肌触り指標については、評価レベルは、非常に嫌い(べたつく、吸収せず、重く、広がり性が悪い)、一般、非常によい(さわやかで、吸収しやすく、広がり性がよい)であった。
【0055】
日焼け止め効果、刺激性指標、肌触り指標の3つの側面を製品の評価基準とした。ユーザーの嗜好百分率を比較基準とし、テスト結果を表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】
表3のデータ分析によれば、本発明の日焼け止め乳の効果は、比較例の日焼け止め剤と同様又はそれ以上明らかであり、刺激性では、比較例よりもはるかに低く、肌触りでは、ユーザーは本発明をより好きであることを示した(比較例の群に1人が耐えられなかったので途中に棄権した)。
【0058】
本発明の低刺激な日焼け止め乳は、日焼け止め剤が包まれた後に、日焼け止め剤の安定性を向上させ、日焼け止め剤の析出結晶を減少した。
【0059】
本発明は上記実施例によって本発明の詳細なプロセスデバイス及びプロセスフローを説明したが、本発明は上記詳細なプロセスデバイス及びプロセスフローに限定されるものではなく、即ち、本発明は上記詳細なプロセスデバイス及びプロセスフローによって実施しなければならないことを意味しない。当業者にとって、本発明に対するいずれの改良、本発明の製品の各原料への等価置換及び補助成分の添加、具体的実施形態の選択などはいずれも本発明の保護範囲及び開示範囲に入ることが明瞭である。
【0060】
上記は本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本発明は、上記の実施形態の具体的な詳細に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で、様々な簡単な変更を行うことができ、これらの簡単な変更はすべて、本発明の保護範囲に属する。
【0061】
また、なお、上記の具体的実施形態に記載されたそれぞれの具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な繰り返しを避けるために、本発明では様々な可能な組み合わせを個別に説明しない。
【0062】
また、本発明の種々の異なる実施形態も、本発明の思想に反しない限り、任意に組み合わせることができ、その組合せも本発明が開示されている内容と見なすべきである。
【外国語明細書】