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特開2022-8704船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ
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  • 特開-船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008704
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B63B 3/56 20060101AFI20220106BHJP
   F16L 5/04 20060101ALI20220106BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B63B3/56
F16L5/02 M
F16L5/02 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2014203876
(22)【出願日】2014-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】514250872
【氏名又は名称】ワスコリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チヨン アン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気密を維持した状態で貫通管材の設置を正確かつ効率的に行うことができる船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリを提供する。
【解決手段】船舶の第1隔室61とこれに隣り合う第2隔室62との間を区画する隔壁の取付孔に挿入されて係止され、両端部が前記第1隔室61および前記第2隔室62に露出するホルダーユニット10と、前記取付孔と前記ホルダーユニット10との間に少なくとも一つ配置され、前記取付孔および前記ホルダーユニット10に密着して気密を維持するシーリングユニットと、前記ホルダーユニット10に結合して前記隔壁に密着する締結ユニットと、前記ホルダーユニット10に結合し、前記締結ユニットと前記隔壁との間に配置されて前記締結ユニットの回転を制限する制限ユニットとを含んでなり、前記ホルダーユニット10が前記取付孔に固定されると、前記ホルダーユニット10の両端部を貫通する貫通管材が設置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記ホルダーユニットは、
前記取付孔の縁部に接触して前記隔壁に固定されて前記第1隔室に配置される固定部と、
前記固定部から延長されて前記取付孔を貫通して設けられ、前記第2隔室に配置される支持部とを含んでなり、
前記シーリングユニットは、前記固定部と前記隔壁との間および前記支持部と前記取付孔との間に配置され、
前記締結ユニットおよび前記制限ユニットは、前記支持部に設置されることを特徴とする、船舶の隔壁貫通設置用ホルダーアセンブリ。
【請求項2】
前記シーリングユニットは、少なくとも一つのリング状の弾性部材であるOリングを含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ。
【請求項3】
前記締結ユニットは、
前記ホルダーユニットの一側の外周面に形成されたねじ山に締結されて前記第2隔室に配置されるリング状の締結ナット本体と、
前記締結ナット本体の外周面に沿って等間隔で凹設された複数の固定溝とを含み、
前記制限ユニットは、前記締結ナット本体と前記隔壁との間に配置され、一部が前記固定溝に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ。
【請求項4】
前記制限ユニットは、
中心部が前記ホルダーユニットの一側の外周面を通して挿入され、前記隔壁に接触固定されて前記第2隔室に配置される平板状のリング固定片と、
前記リング固定片の外側縁に沿って前記隔壁から遠くなる方向に傾くように形成されたリング傾斜片と、
前記リング傾斜片の縁部から前記リング固定片の外側縁まで切開されて形成された切欠部に設けられるもので、前記リング固定片の外側縁から延長されて折曲可能に備えられ、前記締結ユニットの外周面に凹設された固定溝に折曲装着される回転制限片とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリに係り、より詳しくは、気密を維持した状態で貫通管材の設置を正確かつ効率的に行うことができるようにする、船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は、一般に、運航中に起こる可能性のある外部からの衝撃や爆発などにより、艦内に海水が流入して浸水し或いは火災が起こるおそれがある。
【0003】
このような場合、船舶には、外部圧力または空気汚染から乗組員を保護し生存率を高めるために、艦の内部を複数の脱出区画に仕分ける耐圧隔壁を設置する。
【0004】
このような船舶の耐圧隔壁には電気配線の配置または流体の流れを許容するための貫通具を設計するが、前述した貫通具は耐圧隔壁に貫設される。
【0005】
このような貫通具は、耐圧隔壁に貫設するとき、通常、貫通具と耐圧隔壁との連結部を溶接する方式で固定した。
【0006】
ところが、このような貫通具は、溶接作業者の熟練度の差による溶接品質の不均一などの問題により、耐圧隔壁を基準に隣り合う2つの脱出区画を形成する隔室間の適正圧力の維持に支障がないように設置することが非常に難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2013-0013893号明細書
【特許文献2】韓国公開特許第10-2014-0062828号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような問題点を改善するためになされたもので、その目的は、気密を維持した状態で貫通管材の設置を正確かつ効率的に行うことができるようにする、船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、船舶の第1隔室とこれに隣り合う第2隔室との間を区画する隔壁の取付孔に挿入されて係止され、両端部が前記第1隔室および前記第2隔室に露出するホルダーユニットと;前記取付孔と前記ホルダーユニットとの間に少なくとも一つ配置され、前記取付孔および前記ホルダーユニットに密着して気密を維持するシーリングユニットと;前記ホルダーユニットに結合して前記隔壁に密着する締結ユニットと;前記ホルダーユニットに結合し、前記締結ユニットと前記隔壁との間に配置されて前記締結ユニットの回転を制限する制限ユニットと;を含んでなり、前記ホルダーユニットが前記取付孔に固定されると、前記ホルダーユニットの両端部を貫通する貫通管材が設置されることを特徴とする、船舶の隔壁貫通設置用ホルダーアセンブリを提供することができる。
【0010】
ここで、前記ホルダーユニットは、前記取付孔の縁部に接触して前記隔壁に固定されて前記第1隔室に配置される固定部と、前記固定部から延長されて前記取付孔を貫通して設けられ、前記第2隔室に配置される支持部とを含んでなり、前記シーリングユニットは、前記固定部と前記隔壁との間および前記支持部と前記取付孔との間に配置され、前記締結ユニットおよび前記制限ユニットは、前記支持部に設置されることを特徴とする。
【0011】
この際、前記固定部は、前記取付孔の直径より大きい直径を有し、前記隔壁に接触配置される固定プレートを含み、前記支持部は前記固定プレートの中心部から前記取付孔を貫通して設けられ、前記シーリングユニットは前記固定プレートと前記隔壁との間に配置されることを特徴とする。
【0012】
前記固定プレートは、前記取付孔の縁部の外側に対応する前記隔壁と対向する面に、少なくとも一つの同心円状に凹設された第1Oリング溝をさらに含み、前記シーリングユニットは、前記第1Oリング溝に装着されて前記隔壁に密着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述したような構成の本発明によれば、次の効果を図ることができる。
【0014】
まず、本発明は、ホルダーユニットと隔壁との間に締結ユニットが配置され、ホルダーユニットに締結ユニットおよび制限ユニットが結合した状態で貫通管材を設置するようにするので、気密を維持した状態で貫通管材の設置を正確かつ効率的に行うことができる。
【0015】
よって、本発明は、作業者の熟練度を問わず、貫通管材の外周面とホルダーユニットとの間に均一な気密性能を保つことができ、作業工数を減らして作業の効率性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリが隔壁に設置された状態を示す断面概念図である。
図2図1の部分拡大断面概念図であって、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部であるホルダーユニットの一端部に締結ユニットと制限ユニットが相互結合した部位を示す図である。
図3】本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの全体的な結合関係を示す分解断面概念図である。
図4図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である締結ユニットの構造を示す概念図である。
図5図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である制限ユニットの構造を示す概念図である。
図6図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である制限ユニットと締結ユニットがホルダーユニットに締結された状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について説明する。
【0018】
参考として、図1は本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリが隔壁に設置された状態を示す断面概念図、図2図1の部分拡大断面概念図であって、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部であるホルダーユニットの一端部に締結ユニットと制限ユニットが相互結合した部位を示す図、図3は本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの全体的な結合関係を示す分解断面概念図、図4図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である締結ユニットの構造を示す概念図、図5図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である制限ユニットの構造を示す概念図、図6図1のA視点から見たもので、本発明の一実施例に係る船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリの主要部である制限ユニットと締結ユニットがホルダーユニットに締結された状態を示す概念図である。
【0019】
参考として、図1における未説明符号11rは、レンチまたは別途の工具と結合してホルダーユニット10を取付孔41に結合させるために設けられた突出片を示す。
【0020】
本発明は、図示の如く、ホルダーユニット10、シーリングユニット20、締結ユニット30および制限ユニット50を含む構造であることを把握することができる。
【0021】
ホルダーユニット10は、船舶の第1隔室61とこれに隣り合う第2隔室62との間を区画する隔壁40の取付孔41に挿入されて係止され、両端部が第1隔室61と第2隔室62に露出する。
【0022】
シーリングユニット20は、取付孔41とホルダーユニット10との間に少なくとも一つ配置され、取付孔41とホルダーユニット10に密着して気密を維持するためのものである。
【0023】
締結ユニット30は、ホルダーユニット10に結合して隔壁40に密着する。
【0024】
制限ユニット50は、ホルダーユニット10に結合し、締結ユニットと隔壁40との間に配置されて締結ユニット30の回転を制限するために設けられたものである。
【0025】
ここで、ホルダーユニット10が取付孔41に固定されると、ホルダーユニット10の両端部を貫く貫通管材70(図1の破線部分を参照)が設置されるのである。
【0026】
よって、本発明は、気密を維持した状態で貫通管材70の設置を正確かつ効率的に行うことができ、作業者の熟練度を問わず、貫通管材70の外周面とホルダーユニット10との間に均一な気密性能を保つことができ、作業工数を減らして作業の効率性を図ることもできる。
【0027】
本発明は、前述したような実施例の適用が可能であり、次の様々な実施例の適用も可能である。
【0028】
ホルダーユニット10は、具体的には、取付孔41の縁部に接触して隔壁40に固定されて第1隔室61に配置される固定部11と、固定部11から延長されて取付孔41を貫通して設けられ、第2隔室62に配置される支持部12とを含む構造の実施例を適用することができる。
【0029】
ここで、後述するシーリングユニット20は固定部11と隔壁40との間および支持部12と取付孔41との間に配置され、後述の締結ユニット30および制限ユニット50は支持部12に設置されることを把握することができる。
【0030】
固定部11は、さらに詳しくは、取付孔41の直径より大きい直径をもって隔壁40に接触配置される固定プレート11pを含み、支持部12は、固定プレート11pの中心部から取付孔41を貫通して設けられることが分かる。
【0031】
よって、後述のシーリングユニット20は固定プレート11pと隔壁40との間に配置される。
【0032】
また、固定プレート11pは、シーリングユニット20の固定装着および隔壁40への密着のために取付孔41の縁部の外側に対応する隔壁40と対向する面に、少なくとも一つの同心円状に凹設された第1Oリング溝11gをさらに備えることが好ましい。
【0033】
よって、シーリングユニット20は第1Oリング溝11gに装着されて隔壁40に密着する。
【0034】
ここで、第1Oリング溝11gが固定プレート11pから陥没した深さは、シーリングユニット20の弾性変形による密着および気密性能を高めることができるように、シーリングユニット20の厚さより薄いことが好ましい。
【0035】
一方、支持部12は、さらに詳しくは、取付孔41に対応する直径をもって固定部11の中心から突出して取付孔41に嵌合される第1段差部12aと、取付孔41より小さい直径をもって第1段差部12aの中心から突出して第2隔室62に配置される第2段差部12bとを含む構造であることを把握することができる。
【0036】
ここで、ねじ山13は第2段差部12bの外周面に沿って形成され、後述のシーリングユニット20は第1段差部12aの外周面と取付孔41の内周面との間に配置され、後述の締結ユニット30および締結ユニット50は第2段差部12bを介して結合する。
【0037】
この際、支持部12は、第1段差部12aの外周面に沿って少なくとも一つ凹設されたリング状の第2Oリング溝12gをさらに含むことができ、後述のシーリングユニット20は第2Oリング溝12gに装着されて取付孔41の内周面に密着することを把握することができる。
【0038】
また、第2Oリング溝12gが第1段差部12aの外周面から陥没した深さは、シーリングユニット20の弾性変形による密着および気密性能を高めることができるように、シーリングユニット20の厚さより薄いことが好ましい。
【0039】
このようなシーリングユニット20は、少なくとも一つのリング状の弾性部材であるOリングを含み、前述したOリングは、装着される位置、すなわち第1Oリング溝11gおよび第2Oリング溝12gの陥没深さによって形成された直径に対応して製作されたものを使用することができる。
【0040】
一方、支持部12は、第2段差部12bの端部縁から第1段差部12a側に向かって第2段差部12bの外周面に沿って直線状に凹設された案内溝12dをさらに含むこともできる。
【0041】
後述する制限ユニット50の一部は、前述した案内溝12dに固定されることにより正確な結合位置を決定し、後述する締結ユニット30が空回りし或いは回転してホルダーユニット10から分離されることを防止することができる。
【0042】
一方、締結ユニット30は、具体的には、ホルダーユニット10の一側の外周面に形成されたねじ山13に締結されて第2隔室62に配置されるリング状の締結ナット本体31と、締結ナット本体31の外周面に沿って等間隔で凹設された複数の固定溝32とを含む構造であることを把握することができる。
【0043】
ここで、後述する制限ユニット50は、締結ナット本体31と隔壁40との間に配置され、制限ユニット50の一部が固定溝32に固定されることにより、締結ナット本体31が空回りし或いは解けてねじ山13から分離されることを防止することができる。
【0044】
この際、締結ユニット30は、後述する制限ユニット50の一部が円滑に案内され、折り曲げられて固定溝32に固定できるように、締結ナット本体31の外側縁に沿って隔壁40に向かって上方傾斜するように削られて形成されたリング状の傾斜面33をさらに備えることが好ましい。
【0045】
このような固定溝32の一端部は傾斜面33の縁部の内側を共有し、制限ユニット50の一部は傾斜面33および固定溝32に接触して取り付けられる。
【0046】
一方、制限ユニット50は、具体的には、中心部がホルダーユニット10の一側の外周面、すなわちねじ山13を通して挿入され、隔壁40に接触固定されて第2隔室62に配置される平板状のリング固定片51を含む。
【0047】
そして、制限ユニット50は、リング固定片51の外側縁に沿って隔壁40から遠くなる方向に傾くように形成されたリング傾斜片55を含む。
【0048】
リング傾斜片55は、前述した締結ユニット30、すなわち締結ナット本体31の傾斜面33が案内されて接触固定できるようにするためのもので、リング傾斜片55が形成する直径は締結ナット本体31の外径と同一またはそれより大きく形成できるようにする。
【0049】
また、制限ユニット50は、リング傾斜片55の縁部からリング固定片51の外側縁まで切開されて形成された切欠部56に設けられるもので、リング固定片51の外側縁から延長されて折曲可能に備えられ、締結ユニット30、すなわち締結ナット本体31の外周面に凹設された固定溝32に折り曲げられて取り付けられる回転制限片52を含む。
【0050】
よって、前述した制限ユニット50の一部は回転制限片52であるといえる。
【0051】
また、制限ユニット50は、第2段差部12bのねじ山13を通して第1段差部12a側の正確な位置を指向して装着固定できるように、第2段差部12bの外周面に向かって突出した延長片53と、延長片53から第1段差部12a側に向かって折り曲げられて延長され、案内溝12dに収容される装着片54とをさらに備えることが好ましい。
【0052】
したがって、作業者は、第1、2Oリング溝11g、12gにシーリングユニット20をそれぞれ配置し、第2段差部12bを取付孔41を介して挿入した後、固定プレート11Pを隔壁40に密着させると、第1、2Oリング溝11g、12gに装着されたシーリングユニット20が形状変形を許容しながらそれぞれ隔壁40および取付孔41の内周面に密着して気密を維持する。
【0053】
その後、作業者は、ねじ山13を横切って第2段差部12bの形成方向に凹設された案内溝12dに沿って装着片54を移動させて制限ユニット50を隔壁40に密着させた後、締結ナット本体31をねじ山13に螺合させてリング固定片51に密着させる。
【0054】
この際、作業者は、締結ナット本体31の固定溝32のいずれか一つをリング固定片51の回転制限片52に対応するように回して、回転制限片52が折り曲げられて装着固定される位置決めの準備を仕上げる。
【0055】
続いて、作業者は、リング固定片51の回転制限片52を折り曲げて締結ナット本体31の固定溝32に接触装着させることにより、貫通管材70を設置する準備が完了する。
【0056】
以上のように、本発明は、気密を維持した状態で貫通管材の設置を正確かつ効率的に行うことができるようにする、船舶の隔壁貫通管材設置用ホルダーアセンブリを提供することを基本的な技術的思想としていることが分かる。
【符号の説明】
【0057】
10 ホルダーユニット
11 固定部
11g 第1Oリング溝
11p 固定プレート
11r 突出片
12 支持部
12a 第1段差部
12b 第2段差部
12d 案内溝
12g 第2Oリング溝
13 ねじ山
20 シーリングユニット
30 締結ユニット
31 締結ナット本体
32 固定溝
33 傾斜面
40 隔壁
41 取付孔
50 制限ユニット
51 リング固定片
52 回転制限片
53 延長片
54 装着片
55 リング傾斜片
56 切欠部
61 第1隔室
62 第2隔室
70 貫通管材
図1
図2
図3
図4
図5
図6