(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087044
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
G05F 1/56 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
G05F1/56 310J
G05F1/56 310C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189351
(22)【出願日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】109142065
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512078904
【氏名又は名称】立積電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】RichWave Technology Corp.
【住所又は居所原語表記】3F, No.1, Alley 20, Lane 407, Section 2, Tiding Blvd., NeiHu District, Taipei City 114, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】戴 順南
【テーマコード(参考)】
5H430
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB09
5H430BB11
5H430EE04
5H430FF02
5H430FF13
5H430GG04
5H430HH03
5H430KK03
5H430KK05
(57)【要約】
【課題】電圧レギュレータを提供する。
【解決手段】電圧レギュレータは、出力端子、トランジスタ、一次駆動回路、及び二次駆動回路を含む。出力端子は、出力電圧を出力するよう構成される。一次駆動回路は、トランジスタの制御端子へ結合される。二次駆動回路は、トランジスタの制御端子と所定電圧端子との間に結合される。電圧レギュレータが起動モードで作動するとき、トランジスタは一次駆動回路及び二次駆動回路によって駆動され、トランジスタの制御端子と所定電圧端子とは、二次駆動回路によって電気的に結合される。電圧レギュレータが通常モードで作動するとき、トランジスタは一次駆動回路によって駆動され、トランジスタの制御端子と所定電圧端子との間の電気結合は、二次駆動回路によって切られる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧レギュレータであって、
出力電圧を出力するよう構成される出力端子と、
第1端子、第2端子、及び制御端子を有する第1トランジスタであり、前記第1トランジスタの前記第1端子は、第1電圧端子へ結合され、第1電圧を受けるよう構成され、前記第1トランジスタの前記第2端子は、当該電圧レギュレータの前記出力端子へ結合される、前記第1トランジスタと、
第1入力端子、第2入力端子、及び出力端子を有する一次駆動回路であり、前記一次駆動回路の前記第1入力端子は、当該電圧レギュレータの前記出力端子へ結合され、前記出力電圧を受けるよう構成され、前記一次駆動回路の前記第2入力端子は、基準電圧を受けるよう構成され、前記一次駆動回路の前記出力端子は、前記第1トランジスタの前記制御端子へ結合される、前記一次駆動回路と、
第1端子及び第2端子を有する二次駆動回路であり、前記二次駆動回路の前記第1端子は、前記第1トランジスタの前記制御端子へ結合され、前記二次駆動回路の前記第2端子は、所定電圧端子へ結合される、前記二次駆動回路と
を有し、
当該電圧レギュレータが起動モードで作動するとき、前記第1トランジスタは前記一次駆動回路及び前記二次駆動回路によって駆動され、前記第1トランジスタの前記制御端子及び前記所定電圧端子は、前記二次駆動回路によって電気的に結合され、
当該電圧レギュレータが通常モードで作動するとき、前記第1トランジスタは前記一次駆動回路によって駆動され、前記第1トランジスタの前記制御端子と前記所定電圧端子との間の電気結合は、前記二次駆動回路によって切られる、
電圧レギュレータ。
【請求項2】
前記所定電圧端子は、当該電圧レギュレータの前記出力端子へ結合され、前記出力電圧を受けるよう構成される、
請求項1に記載の電圧レギュレータ。
【請求項3】
前記二次駆動回路は、
第1端子、第2端子、及び制御端子を有するスイッチを有し、
前記スイッチの前記第1端子は、前記二次駆動回路の前記第1端子へ結合され、前記スイッチの前記第2端子は、前記二次駆動回路の前記第2端子へ結合され、前記スイッチの前記制御端子は、制御信号を受けるよう構成される、
請求項1に記載の電圧レギュレータ。
【請求項4】
前記二次駆動回路は、
第1受電端子、第2受電端子、及び第1出力端子を有する制御回路を有し、
前記制御回路の前記第1受電端子は、前記第1電圧端子へ結合され、前記制御回路の前記第2受電端子は、前記二次駆動回路の前記第2端子へ結合され、前記制御回路の前記第1出力端子は、前記スイッチの前記制御端子へ結合され、前記制御信号を出力するよう構成される、
請求項3に記載の電圧レギュレータ。
【請求項5】
前記制御回路は、
第1端子、第2端子、及び出力端子を有するトリガ回路を有し、
前記トリガ回路の前記第1端子は、前記制御回路の前記第1受電端子へ結合され、前記トリガ回路の前記第2端子は、前記制御回路の前記第2受電端子、又は第2電圧端子へ結合され、前記トリガ回路の前記出力端子は、前記制御回路の前記第1出力端子へ結合される、
請求項4に記載の電圧レギュレータ。
【請求項6】
前記制御回路は、ロジック回路を更に有し、
前記トリガ回路の前記出力端子は、前記ロジック回路を通じて前記制御回路の前記第1出力端子へ結合され、
前記ロジック回路は、第1端子、第2端子、入力端子、及び第1出力端子を有し、
前記ロジック回路の前記第1端子は、前記制御回路の前記第1受電端子へ結合され、前記ロジック回路の前記第2端子は、前記制御回路の前記第2受電端子へ結合され、前記ロジック回路の前記入力端子は、前記トリガ回路の前記出力端子へ結合され、前記ロジック回路の前記第1出力端子は、前記制御回路の前記第1出力端子へ結合される、
請求項5に記載の電圧レギュレータ。
【請求項7】
前記トリガ回路の前記第2端子は、前記制御回路の前記第2受電端子へ結合され、前記トリガ回路は、
第1端子及び第2端子を有するプルアップ回路であり、前記プルアップ回路の前記第1端子は、前記トリガ回路の前記第1端子へ結合され、前記プルアップ回路の前記第2端子は、前記トリガ回路の前記出力端子へ結合される、前記プルアップ回路と、
第1端子、第2端子、及び入力端子を有する検出回路であり、前記検出回路の前記第1端子は、前記プルアップ回路の前記第2端子へ結合され、前記検出回路の前記第2端子は、前記トリガ回路の前記第2端子へ結合され、前記検出回路の前記入力端子は、入力電圧を受けるよう構成される、前記検出回路と
を有する、
請求項5に記載の電圧レギュレータ。
【請求項8】
前記検出回路は、
第1端子、第2端子、及び制御端子を有する第2トランジスタを有し、
前記第2トランジスタの前記第1端子は、前記検出回路の前記第1端子へ結合され、前記第2トランジスタの前記第2端子は、前記検出回路の前記第2端子へ結合され、前記第2トランジスタの前記制御端子は、前記検出回路の前記入力端子へ結合される、
請求項7に記載の電圧レギュレータ。
【請求項9】
前記第2トランジスタの前記第2端子での電圧が閾値よりも小さいとき、当該電圧レギュレータは前記起動モードで作動する、
請求項8に記載の電圧レギュレータ。
【請求項10】
前記第2トランジスタの前記第2端子での電圧が閾値よりも大きいとき、当該電圧レギュレータは前記通常モードで作動する、
請求項8に記載の電圧レギュレータ。
【請求項11】
前記閾値は、前記入力電圧と前記第2トランジスタのターンオン電圧との間の差である、
請求項9又は10に記載の電圧レギュレータ。
【請求項12】
前記制御回路は、
第1端子、第2端子、及び出力端子を有する電圧生成回路を更に有し、
前記電圧生成回路の前記第1端子は、前記制御回路の前記第1受電端子へ結合され、前記電圧生成回路の前記第2端子は、前記第2電圧端子へ結合され、前記電圧生成回路の前記出力端子は、前記検出回路の前記入力端子へ結合され、前記入力電圧を供給するよう構成される、
請求項7に記載の電圧レギュレータ。
【請求項13】
前記トリガ回路は、
第1端子、第2端子、及び出力端子を有する遅延回路を有し、
前記遅延回路の前記第1端子は、前記トリガ回路の前記第1端子へ結合され、前記遅延回路の前記第2端子は、前記トリガ回路の前記第2端子へ結合され、前記遅延回路の前記出力端子は、前記トリガ回路の前記出力端子へ結合される、
請求項6に記載の電圧レギュレータ。
【請求項14】
前記遅延回路は、
第1端子及び第2端子を有する第1抵抗であり、前記第1抵抗の前記第1端子は、前記遅延回路の前記第1端子へ結合され、前記第1抵抗の前記第2端子は、前記遅延回路の前記出力端子へ結合される、前記第1抵抗と、
第1端子及び第2端子を有する第1キャパシタであり、前記第1キャパシタの前記第1端子は、前記第1抵抗の前記第2端子へ結合され、前記第1キャパシタの前記第2端子は、前記遅延回路の前記第2端子へ結合される、前記第1キャパシタと
を有する、
請求項13に記載の電圧レギュレータ。
【請求項15】
前記遅延回路の前記出力端子での電圧が閾値よりも小さいとき、当該電圧レギュレータは、前記起動モードで作動し、
前記遅延回路の前記出力端子での前記電圧が前記閾値よりも大きいとき、当該電圧レギュレータは、前記通常モードで作動し、
前記閾値は、前記ロジック回路のトランジション電圧である、
請求項14に記載の電圧レギュレータ。
【請求項16】
前記スイッチは、
第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を有する第3トランジスタを有し、
前記第3トランジスタの前記第1端子は、前記スイッチの前記第1端子へ結合され、前記第3トランジスタの前記第2端子は、前記スイッチの前記第2端子へ結合され、前記第3トランジスタの前記第3端子は、電気的に浮いているか、あるいは、前記第3トランジスタの前記第2端子へ結合され、前記第3トランジスタの前記制御端子は、前記スイッチの前記制御端子へ結合され、
前記二次駆動回路は、
第1端子及び第2端子を有するPN接合素子を更に有し、
前記PN接合素子の前記第1端子は、前記二次駆動回路の前記第1端子へ結合され、前記PN接合素子の前記第2端子は、前記第3トランジスタの前記第1端子へ結合される、
請求項6に記載の電圧レギュレータ。
【請求項17】
前記PN接合素子は、第1ダイオード又は第4トランジスタを有する、
請求項16に記載の電圧レギュレータ。
【請求項18】
前記制御回路は、第2出力端子を更に有し、
前記第4トランジスタは、第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を有し、
前記第4トランジスタの前記第1端子は、前記PN接合素子の前記第1端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記第2端子は、前記PN接合素子の前記第2端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記第3端子は、電気的に浮いているか、又は前記第4トランジスタの前記第2端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記制御端子は、前記制御回路の前記第2出力端子を通じて前記トリガ回路の前記出力端子へ結合される、
請求項17に記載の電圧レギュレータ。
【請求項19】
前記制御回路は、第2出力端子を更に有し、
前記第4トランジスタは、第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を有し、
前記第4トランジスタの前記第1端子は、前記PN接合素子の前記第1端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記第2端子は、前記PN接合素子の前記第2端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記第3端子は、電気的に浮いているか、又は前記第4トランジスタの前記第2端子へ結合され、前記第4トランジスタの前記制御端子は、前記制御回路の前記第2出力端子へ結合され、
前記ロジック回路は、
前記制御回路の前記第2出力端子へ結合される第2出力端子と、
第1端子、第2端子、入力端子、及び出力端子を有する第1インバータであり、前記第1インバータの前記第1端子は、前記ロジック回路の前記第1端子へ結合され、前記第1インバータの前記第2端子は、前記ロジック回路の前記第2端子へ結合され、前記第1インバータの前記入力端子は、前記ロジック回路の前記入力端子へ結合され、前記第1インバータの前記出力端子は、前記ロジック回路の前記第1出力端子へ結合される、前記第1インバータと、
第1端子、第2端子、入力端子、及び出力端子を有する第2インバータであり、前記第2インバータの前記第1端子は、前記ロジック回路の前記第1端子へ結合され、前記第2インバータの前記第2端子は、前記ロジック回路の前記第2端子へ結合され、前記第2インバータの前記入力端子は、前記第1インバータの前記出力端子へ結合され、前記第2インバータの前記出力端子は、前記ロジック回路の前記第2出力端子へ結合される、前記第2インバータと
を有する、
請求項17に記載の電圧レギュレータ。
【請求項20】
前記所定電圧端子は、所定の電圧を受けるよう構成され、
当該電圧レギュレータは、前記出力電圧、前記所定の電圧、又は前記第1電圧に従って前記起動モードで又は前記通常モードで選択的に作動する、
請求項1に記載の電圧レギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電圧レギュレータに、より具体的には、起動モードで出力電圧を即時に増大させることが可能な電圧レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
電圧レギュレータの現在の設計傾向は、高電力から低電力へと、そして、出力電流を増大させる方へ進化している。しかし、このタイプの電圧レギュレータは、通常、より遅い応答速度で作動する内部要素を備えており、電圧レギュレータが出力電圧を必要とされる電圧値へ調整する時間は長くなる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、低電力、高速起動、及びトランジスタ損傷のリスクの低減を達成可能な電圧レギュレータを提供する。
【0004】
本開示の電圧レギュレータは、出力端子、第1トランジスタ、一次駆動回路、及び二次駆動回路を含む。出力端子は、出力電圧を出力するよう構成される。第1トランジスタは、第1端子、第2端子、及び制御端子を含む。第1トランジスタの第1端子は、第1電圧端子へ結合され、第1電圧を受けるよう構成され、第1トランジスタの第2端子は、電圧レギュレータの出力端子へ結合される。一次駆動回路は、第1入力端子、第2入力端子、及び出力端子を含む。一次駆動回路の第1入力端子は、電圧レギュレータの出力端子へ結合され、出力電圧を受けるよう構成される。一次駆動回路の第2入力端子は、基準電圧を受けるよう構成され、一次駆動回路の出力端子は、第1トランジスタの制御端子へ結合される。二次駆動回路は、第1端子及び第2端子を含む。二次駆動回路の第1端子は、第1トランジスタの制御端子へ結合され、二次駆動回路の第2端子は、所定電圧端子へ結合される。電圧レギュレータが起動モードで作動するとき、第1トランジスタは一次駆動回路及び二次駆動回路によって駆動され、第1トランジスタの制御端子及び所定電圧端子は、二次駆動回路によって電気的に結合される。電圧レギュレータが通常モードで作動するとき、第1トランジスタは一次駆動回路によって駆動され、第1トランジスタの制御端子と所定電圧端子との間の電気結合は、二次駆動回路によって切られる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】
図1の動作中の電圧レギュレータの選択された信号を表す波形図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に従う電圧レギュレータのブロック図である。
【
図4】本開示の第1実施形態の二次駆動回路の略回路図である。
【
図6】
図3の動作中の電圧レギュレータの選択された信号の波形図である。
【
図7】本開示の第1実施形態の他の二次駆動回路の略回路図である。
【
図8】本開示の第1実施形態の他の二次駆動回路の略回路図である。
【
図9】本開示の第2実施形態に従う電圧レギュレータのブロック図である。
【
図10】本開示の第1実施形態又は第2実施形態の他の二次駆動回路の略回路図である。
【
図11】本開示の第1実施形態又は第2実施形態の他の二次駆動回路の略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、電圧レギュレータ100のブロック図である。電圧レギュレータ100は
、出力電圧Voutを所要の電圧値へ調整する低ドロップアウトレギュレータ(Low-Dropout Regulator,LDO)を含む。
図1を参照すると、電圧レギュレータ100は、出力端子NOUT、トランジスタM1、及び一次駆動回路110を含む。出力端子NOUTは、出力電圧Voutを出力するよう構成される。いくつかの実施形態で、電圧レギュレータ100の出力端子NOUTは、負荷へ結合されるよう構成されてよく、適切な出力電圧Voutを負荷へ供給し得る。更に、本開示における一次駆動回路110の紙の上での設計によれば、一次駆動回路110は、極めて低い電流で通常は作動可能である。このようにして、電圧レギュレータ100は、低電力の特性を備える。
【0007】
トランジスタM1は、P型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ、P型電界効果トランジスタ(PFET)、又はPNP型バイポーラトランジスタ(BJT)を含んでよい。実施形態では、PMOSトランジスタを含むトランジスタM1が例として表されている。トランジスタM1は、第1端子SN、第2端子DN、及び制御端子GNを含む。トランジスタM1の第1端子SNは、例えば、ソース端子であり、第2端子DNは、例えば、ドレイン端子であり、制御端子GNは、例えば、ゲート端子である。トランジスタM1の第1端子SNは、電圧端子VN1へ結合され、電圧V1を受けるよう構成される。電圧V1は、供給電圧又はシステム電圧であってよい。トランジスタM1の第2端子DNは、電圧レギュレータ100の出力端子NOUTへ結合される。いくつかの実施形態で、トランジスタM1は、N型金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタ、N型電界効果トランジスタ(NFET)、又はNPN型BJTとして実装されてもよい。
【0008】
一次駆動回路110は、入力端子IN1、入力端子IN2、及び出力端子OUT1を含む。一次駆動回路110の入力端子IN1は、電圧レギュレータ100の出力端子NOUTへ結合され、出力電圧Voutを受けるよう構成される。一次駆動回路110の入力端子IN2は、基準電圧Vrefを受けるよう構成される。いくつかの実施形態で、基準電圧Vreは、バンドギャップ基準電圧であってよい。一次駆動回路110の出力端子OUT1は、トランジスタM1の制御端子GNへ結合される。一次駆動回路110は、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとを比較して、出力端子OUT1で動作信号PGを生成するよう構成される。動作信号PGは、トランジスタM1を流れる出力電流Ioを調整するよう構成され、それによって、出力電圧Voutは、動作信号PGによって調整される。
【0009】
図2は、
図1の動作中の電圧レギュレータ100の選択された信号の波形図である。
図1及び
図2の両方を参照すると、それによって、電圧レギュレータ100の動作が説明される。
図2の横軸は時間を表し、
図2の縦軸は電圧値を表す。起動時T0で、電圧V1は、電力を電圧レギュレータ100へ供給するために急速に0vから6vへ増大する。トランジスタM1の初期状態は、カットオフ状態にあるようセットされているので、動作信号PGのレベルは、起動時T0でハイレベルに向かって増大し、電圧レギュレータ100のダンピング効果は、動作信号PGを発振させる(破線円210として図示)。依然として非常に低い電流で通常は動作可能である一次駆動回路110は、より遅い応答速度を有しており、トランジスタM1のより大きいサイズは、本開示でトランジスタM1がより大きい出力電流を流すことを可能にするために採用されているので、トランジスタM1を駆動する一次駆動回路110の能力は弱く、動作信号PGのレベルはゆっくりと低下する。従って、トランジスタM1はゆっくりと導通する、つまり、トランジスタM1が完全に導通するには長い時間がかかる。他方で、出力電圧Voutのレベルは、ゆっくりと低下する動作信号PGのレベルに対応して0vからゆっくりと増大し、これは、電圧レギュレータ100が出力電圧Voutから所要の電圧値へ増大するのに長い時間がかかるという事実をもたらす。更に、電圧V1は、トランジスタM1の第1端子SNでの電圧と同等であり、出力電圧Voutは、トランジスタM1の第2端子DNでの電圧と同等である。
図2から、出力電圧Voutのゆっくりと増大するレベルは、トランジスタM1を長期間大きい電圧差に耐えさせるので、トランジスタM1は損傷の危険にさらされていることが分かる。
【0010】
図3は、本開示の第1実施形態に従う電圧レギュレータ300のブロック図である。電圧レギュレータ300及び100の間の違いは、電圧レギュレータ300が二次駆動回路320を更に含むことである。二次駆動回路320は、第1端子SDN1及び第2端子SDN2を含む。二次駆動回路320の第1端子SDN1は、トランジスタM1の制御端子GNへ結合され、第2端子SDN2は、所定電圧端子VPRNへ結合される。所定電圧端子VPRNは、所定の電圧Vprを受けるよう構成される。いくつかの実施形態で、所定の電圧は、出力電圧Voutに関係があってよく、あるいは、所定の電圧Vprは、出力電圧Voutと同じであってもよい。本実施形態を適用する者は、彼らのニーズに応じて、所定の電圧Vprと出力電圧Voutとの間の電圧関係を調整してもよい。所定の電圧Vprが出力電圧Voutと同じでるようセットされる実施形態では、所定電圧端子VPRNは、電圧レギュレータ300の出力端子NOUTへ結合されてよく、出力電圧Voutを受けるよう構成されてもよいことに留意されたい。
【0011】
電圧レギュレータ300が起動モードで作動するとき、トランジスタM1は、一次駆動回路110及び二次駆動回路320によって駆動され、トランジスタM1の制御端子GNと所定電圧端子VPRNとは、二次駆動回路320によって電気的に結合される。電圧レギュレータ300が通常モードで作動するとき、トランジスタM1は、一次駆動回路110によって駆動され、トランジスタM1の制御端子GNと所定電圧端子VPRNとの間の電気結合は、二次駆動回路320によって切られる。いくつかの実施形態で、電圧レギュレータ300は、出力電圧Vout、所定の電圧Vpr、又は電圧V1に従って起動モードで又は通常モードで選択的に作動してもよい。二次駆動回路320は、出力電圧Vout、所定の電圧Vpr、又は電圧V1に応じて電圧レギュレータ300の動作モードを決定してもよく、それによって、二次駆動回路320は選択的に、トランジスタM1の制御端子GNを所定電圧端子VPRNへ電気的に結合するか、あるいは、所定電圧端子VPRNからトランジスタM1の制御端子GNを電気的に切断し得る。
【0012】
実施形態で、様々な回路構造が、電圧レギュレータ300の二次駆動回路320を実装するよう適応され、これらは、以下で例として1つずつ説明される。
図4は、本開示の第1実施形態における二次駆動回路320-1の略回路図である。二次駆動回路320-1の第1端子SDN1及び第2端子SDN2は夫々、
図3の2二次駆動回路320の第1端子SDN1及び第2端子SDN2に対応する。二次駆動回路320-1は、スイッチ410を含む。スイッチ410の第1端子は、二次駆動回路320-1の第1端子SDN1へ結合され、第2端子は、二次駆動回路320-1の第2端子SDN2へ結合され、制御端子は、制御信号CS1を受けるよう構成される。制御信号CS1は、スイッチ410のターンオン状態制御するよう適応され、それによって、スイッチ410は選択的に、トランジスタM1の制御端子GNを所定電圧端子VPRNへ電気的に結合するか、あるいは、所定電圧端子VPRNからトランジスタM1の制御端子GNを電気的に切断し得る。言い換えると、制御信号CS1は、電圧レギュレータ300の動作モードに関係がある。制御信号CS1は、二次駆動回路320-1の内部回路によって、又は二次駆動回路320-1以外の外部回路によって供給されてもよい。
【0013】
二次駆動回路320-1の内部回路によって供給される制御信号CS1は、例として
図4に表される。二次駆動回路320-1は、制御回路421-1を更に含む。制御回路421-1は、受電端子RN1、受電端子RN2、及び出力端子NOUT2を含む。制御回路421-1の受電端子RN1は、電圧端子VN1へ結合され、電圧V1を受けるよう構成される。制御回路421-1の受電端子RN2は、二次駆動回路320-1の第2端子SDN2へ結合され、所定の電圧Vprを受けるよう構成される。制御回路421-1の出力端子NOUT2は、スイッチ410の制御端子へ結合され、制御信号CS1を出力するよう構成される。
【0014】
制御回路421-1の詳細な回路構成が以下で説明される。制御回路421-1は、トリガ回路422-1を含む。トリガ回路422-1は、第1端子KN1、第2端子KN2、及び出力端子KN3を含む。トリガ回路422-1の第1端子KN1は、制御回路421-1の受電端子RN1へ結合され、第2端子KN2は、制御回路421-1の受電端子RN2へ結合され、出力端子KN3は、制御回路421-1の出力端子NOUT2へ結合される。
【0015】
具体的に、トリガ回路422-1は、プルアップ回路PU1及び検出回路DET1を含む。プルアップ回路PU1は、第1端子及び第2端子を含む。プルアップ回路PU1の第1端子は、トリガ回路422-1の第1端子KN1へ結合され、第2端子は、トリガ回路422-1の出力端子KN3へ結合される。プルアップ回路PU1は、抵抗又は電流源を含んでもよい。抵抗R1を含むプルアップ回路PU1は、例として
図4に表されている。
【0016】
検出回路DET1は、第1端子、第2端子、及び入力端子を含む。検出回路DET1の第1端子は、プルアップ回路PU1の第2端子へ結合され、第2端子は、トリガ回路422-1の第2端子KN2へ結合され、入力端子は、入力電圧Vinを受けるよう構成される。入力電圧Vinは、固定電圧又は可変電圧あってよい。更に、入力電圧Vinは、制御回路421-1の内部回路によって、又は制御回路421-1以外の外部回路によって供給されてもよい。検出回路DET1は、トランジスタM3を含んでもよい。トランジスタM3は、NMOSトランジスタ、NFET、又はNPN型BJTによって実装されてもよい。実施形態では、NMOSトランジスタを含むトランジスタM3が例として表されている。トランジスタM3は、第1端子、第2端子、及び制御端子を含む。トランジスタM3の第1端子は、例えば、ドレイン端子であり、第2端子は、例えば、ソース端子であり、制御端子は、例えば、ゲート端子である。トランジスタM3の第1端子は、検出回路DET1の第1端子へ結合され、第2端子は、検出回路DET1の第2端子へ結合され、制御端子は、検出回路DET1の入力端子へ結合される。
【0017】
実施形態で、制御回路421-1は、出力電圧Vout、所定の電圧Vpr、又は電圧V1に応じて然るべく電圧レギュレータ300の動作モードを決定してよく、それに応じて制御信号CS1を出力する。具体的に、トリガ回路422-1によって、制御回路421-1は、電圧レギュレータ300の動作モードを決定してよく、それに応じて制御信号CS1を出力する。更に、出力電圧Voutと同じであるようセットされた所定の電圧Vpr、及び固定電圧としてセットされた入力電圧Vinが、例として
図4に表されている。
図3及び
図4の両方を参照すると、トリガ回路422-1の第2端子KN2は、所定の電圧Vprを受けるよう構成される。言い換えると、トランジスタM3の第2端子での電圧は、所定の電圧Vprに関係があり、つまり、実施形態において、トランジスタM3の第2端子での電圧は、出力電圧Voutに関係がある。このようにして、電圧レギュレータ300の動作モードは、トランジスタM3の第2端子での電圧とセットされた閾値電圧との間の関係によって決定され得る。トランジスタM3の第2端子での電圧が閾値よりも小さいとき、制御回路421-1は、電圧レギュレータ300が起動モードで作動すると決定してもよく、トランジスタM3の第2端子での電圧が閾値よりも大きいとき、制御回路421-1は、電圧レギュレータ300が通常モードで作動すると決定してもよいことに留意されたい。実施形態の閾値は、入力電圧VinとトランジスタM3のターンオン電圧との間の差としてセットされる。実施形態を適用する者は、トリガ回路422-1の回路構造を変更することによって閾値を調整してもよい。
【0018】
スイッチ410は、トランジスタM2を含む。トランジスタM2は、NMOSトランジスタ、NFET、NPN型BJT、PMOSトランジスタ、PFET、PNP型BJTによって実装されてもよい。NMOSトランジスタとしてのトランジスタM2が、例として
図4に表されている。トランジスタM2がNMOSトランジスタ、NFET、又はNPN型BJTによって実装される場合に、制御回路421-1は、適切なレベルで制御信号CSをトランジスタM2へ供給するロジック回路424-1を更に含むことに留意されたい。実施形態で、トリガ回路422-1の出力端子KN3は、ロジック回路424-1を通じて制御回路421-1の出力端子NOUT2へ結合される。ロジック回路424-1は、第1端子LN1、第2端子LN2、入力端子LN3、及び出力端子LN41を含む。ロジック回路424-1の第1端子LN1は、制御回路421-1の受電端子RN1へ結合され、第2端子LN2は、制御回路421-1の受電端子RN2へ結合され、入力端子LN3は、トリガ回路422-1の出力端子KN3へ結合され、出力端子LN41は、制御回路421-1の出力端子NOUT2へ結合される。ロジック回路424-1はインバータINV1を含む。インバータINV1の第1端子は、ロジック回路424-1の第1端子LN1へ結合され、第2端子は、ロジック回路424-1の第2端子LN2へ結合され、入力端子は、ロジック回路424-1の入力端子LN3へ結合され、出力端子は、ロジック回路424-1の出力端子LN41へ結合される。インバータINV1は、トランジスタIM1及びIM2によって実装されてもよい。トランジスタIM1は、PMOSトランジスタ、PFET、又はPNP型BJTであってもよく、トランジスタIM2は、NMOSトランジスタ、NFET、又はNPN型BJTであってもよい。言い換えると、トランジスタM2がPMOSトランジスタ、PFET、又はPNP型BJTによって実装される場合に、ロジック回路424-1は省略されてもよく、トリガ回路422-1が適切なレベルで制御信号CS1をトランジスタM2へ供給する。
【0019】
他方で、制御回路421-1の内部回路によって供給される入力電圧Vinha、例として
図4に表される。制御回路421-1は、電圧生成回路426を更に含む。電圧生成回路426は、第1端子VGN1、第2端子VGN2、及び出力端子VGN3を含む。電圧生成回路426の第1端子VGN1は、制御回路421-1の受電端子RN1へ結合され、第2端子VGN2は、電圧端子VN2へ結合され、出力端子VGN3は、検出回路DET1の入力端子へ結合され、入力電圧Vinを供給するよう構成される。電圧端子VN2は、電圧V2を供給するよう構成され、電圧V2は、接地電圧、又は低レベルを有する他の固定電圧であってもよい。
【0020】
図5は、
図4の電圧生成回路426を表す略回路図である。
図5の部分(a)での電圧生成回路426-1の第1端子VGN1、第2端子VGN2、及び出力端子VGN3は夫々、
図4の電圧生成回路426の第1端子VGN1、第2端子VGN2、及び出力端子VGN3に対応する。電圧生成回路426-1は、電圧駆動回路VD1を含む。電圧駆動回路VD1は、抵抗R2及びR3を含む。抵抗R2及びR3は、第1端子及び第2端子を夫々含む。抵抗R2の第1端子は、電圧生成回路426-1の第1端子VGN1へ結合され、第2端子は、電圧生成回路426-1の出力端子VGN3へ結合される。抵抗R3の第1端子は、抵抗R2の第2端子へ結合され、第2端子は、電圧生成回路426-1の第2端子VGN2へ結合される。実施形態を適用する者は、抵抗R2及びR3の抵抗を適切に調整してもよく、あるいは、彼らは、適切な抵抗を有する抵抗R2及びR3を選択してもよく、それにより、電圧生成回路426-1は、出力端子VGN3で適切な入力電圧Vinを供給する。
【0021】
図5の部分(b)における電圧生成回路426-2の第1端子VGN1、第2端子VGN2、及び出力端子VGN3は夫々、
図4の電圧生成回路426の第1端子VGN1、第2端子VGN2、及び出力端子VGN3に対応する。電圧生成回路426-2は、クランプ回路CL1を含む。クランプ回路CL1は、プルアップ回路PU2及びダイオードD1を含む。プルアップ回路PU2及びダイオードD1は、第1端子及び第2端子を夫々含む。プルアップ回路PU2の第1端子は、電圧生成回路426-2の第1端子VGN1へ結合され、第2端子は、電圧生成回路426-2の出力端子VGN3へ結合される。実施形態のプルアップ回路PU2は、抵抗R4によって実装されてもよい。ダイオードD1の第1端子は、プルアップ回路PU2の第2端子へ結合され、第2端子は、電圧生成回路426-2の第2端子VGN2へ結合される。実施形態を適用する者は、適切な抵抗を有する抵抗R4と、適切な順方向バイアスを有するダイオードD1とを選択してもよく、それにより、電圧生成回路426-2は、出力端子VGN3で適切な入力電圧Vinを供給する。更に、実施形態は、クランプ回路CL1を実装するために単一のダイオードD1を採用するが、実施形態において、複数のダイオードが、クランプ回路CL1を実装するよう直列に接続されてもよい。
【0022】
図6は、
図3の動作中の電圧レギュレータ300の選択された信号の波形図である。
図3、
図4、及び
図6を一緒に参照すると、それによって、電圧レギュレータ300の動作モードが説明される。
図6の横軸は時間を表し、
図6の縦軸は電圧値を表す。起動時T0で、電圧V1は、電力を電圧レギュレータ300へ供給するために急速に0vから6vへ増大する。トランジスタM1の初期状態は、カットオフ状態にあるようセットされているので、動作信号PGのレベルは、起動時T0でハイレベルに向かって増大する。しかし、この時点で、トランジスタM3の第2端子での電圧は、入力電圧VinとトランジスタM3のターンオン電圧との間の差よりも小さく、制御回路421-1は、電圧レギュレータ300が起動モードTP1で作動すると決定し得る。従って、トランジスタM3はターンオン状態にあるので、ロジック回路424-1の入力端子LN3での電圧は、所定の電圧Vpr近くにプルダウンされ、低レベルを有しており、ロジック回路424-1の出力端子LN41は、高レベルで制御信号CS1を供給し、それによってトランジスタM2をオンする。トランジスタM1の制御端子GN及び所定電圧端子VPRNは、ターンオントランジスタM2によって電気的に結合される。言い換えると、トランジスタM1の制御端子GNは、所定電圧端子VPRNへ短絡される。従って、高レベルに向かって増大し続けるはずである動作信号PGのレベルは、所定の電圧Vprに近いレベルに直ちにプルダウンされ、トランジスタM1は直ちにオンされる。他方で、出力電圧Voutのレベルは、動作信号PGの急降下したレベルに対応して0vから直ちに増大するので、電圧レギュレータ300は、短時間で出力電圧Voutを所要の電圧値に増大させることが可能である。すなわち、起動モードTP1で、一次駆動回路110と二次駆動回路320及び二次駆動回路320-1のうちの一方とによって一緒にトランジスタM1を駆動することを通じて、出力電圧Voutが必要とされる電圧まで増大する時間は短縮される。実施形態の所定の電圧Vprは、出力電圧Voutと同じであるようセットされているので、起動モードTP1で、動作信号PGのレベルは、出力電圧Voutのレベルとともに変化することに留意されたい。
図6の動作信号PGの曲線は、出力電圧Voutの曲線と部分的に一致する。更に、動作信号PGは、そのレベルが直ちに低レベルにプルダウンされるので、発振する可能性が低い。それに加えて、電圧V1は、トランジスタM1の第1端子SNでの電圧と同等であり、出力電圧Voutは、トランジスタM1の第2端子DNでの電圧と同等である。
図6から、出力電圧Voutの即時に増大するレベルは、トランジスタM1をより小さい電圧差に耐えさせるので、トランジスタM1に対する損傷のリスクは低減することが分かる。
【0023】
トランジスタM3の第2端子での電圧が入力電圧VinとトランジスタM3のターンオン電圧との間の差よりも大きい場合に、制御回路421-1は、電圧レギュレータ300が通常モードTP2で作動する(すなわち、電圧レギュレータ300は動作時間T1に入る)と決定し得る。従って、トランジスタM3はカットオフ状態にあるので、ロジック回路424-1の入力端子LN3での電圧は、電圧V1近くにプルアップされ、高レベルを有しており、ロジック回路424-1の出力端子LN41は、低レベルで制御信号CS1を供給し、それによってトランジスタM2をオフする。トランジスタM1の制御端子GNと所定電圧端子VPRNとの間の電気結合は、カットオフトランジスタM2によって切られる。言い換えると、通常モードTP2で、一次駆動回路110はトランジスタM1を駆動し、二次駆動回路320又は320-1は、一次駆動回路110とトランジスタM1との間の制御ループに影響を及ぼす可能性が低い。一次駆動回路110の適切な設計によれば、電圧レギュレータ300は、低電力の特性を有しているだけではなく、二次駆動回路320又は320-1の性質により短時間に出力電圧Voutを所望の電圧値へ調整することも可能である。要するに、電圧レギュレータ300は高速起動の特性を有している。
【0024】
図4で、トランジスタM2は、第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を含む。トランジスタM2の第1端子は、例えば、ドレイン端子であり、第2端子は、例えば、ソース端子であり、第3端子は、例えば、バルク端子であり、制御端子は、例えば、ゲート端子である。トランジスタM2の第1端子は、スイッチ410の第1端子へ結合され、第2端子は、スイッチ410の第2端子へ結合され、第3端子は、電気的に浮いているか、又はトランジスタM2の第2端子へ結合され(すなわち、トランジスタM2の第3端子及び第2端子は一緒に短絡される)、制御端子は、スイッチ410の制御端子へ結合される。実施形態では、トランジスタM2の第2端子へ結合されたトランジスタM2の第3端子が例として表されている。実施形態で、寄生ダイオードPD1は、トランジスタM2の第1端子から第3端子の間に存在し、寄生ダイオードPD1のアノード及びカソードは夫々、トランジスタM2の第3端子及び第1端子へ接続される。詳細に、
図3及び
図4の両方を参照すると、例えば、電圧レギュレータ300が通常モードで作動し、例えば、出力電圧Voutが必要とされる電圧値に調整されているとき、負荷がこの時点で重いならば、負荷は、より多くの出力電流Ioを引き込んで、出力電圧Vout電圧値を下げる。その場合に、電圧レギュレータ300は、動作信号PGの電圧をより低い電圧値へ調整し、より多くの出力電流Ioを供給する。通常モードでのトランジスタM2はカットオフ状態であるが、しかし、出力電圧Voutの電圧値と動作信号PGの電圧値との間の差がトランジスタM2の寄生ダイオードPD1のターンオン電圧よりも大きい場合には、導通経路がトランジスタM2の寄生ダイオードPD1によって形成され得るので、出力電流Ioの部分が、出力端子NOUTからトランジスタM2の寄生ダイオードPD1を通じてトランジスタM1の制御端子GNへ不適切に漏れて、動作信号PGの電圧値を増大させ、トランジスタM1を駆動する一次駆動回路110の能力に影響を及ぼす。
【0025】
この状況を改善するために、実施形態の二次駆動回路は、PN接合素子を更に含む。PN接合素子及びトランジスタM2の寄生ダイオードPD1は、二次駆動回路の第1端子SDN1から第2端子SDN2の間に直列に背中合わせに接続されてよい。例えば、背中合わせとは、PN接合素子の1つの端子が同じ極性で寄生ダイオードPD1の端子へ結合される構成として理解され得る。実施形態で、PN接合素子は、様々な回路構造によって実装されてもよく、これらは以下で1つずつ説明される。
図7は、本開示の第1実施形態における二次駆動回路320-2の略回路図である。二次駆動回路320-2と320-1との間の違いは、二次駆動回路320-2がPN接合素子728-1を更に含むことである。PN接合素子728-1は、第1端子及び第2端子を含む。PN接合素子728-1の第1端子は、二次駆動回路320-2の第1端子SND1へ結合され、第2端子は、トランジスタM2の第1端子へ結合される。PN接合素子728-1は、ダイオード又はトランジスタを含んでもよい。ダイオードD2を含むPN接合素子728-1が例として
図7には表されている。ダイオードD2のアノードは、PN接合素子728-1の第1端子へ結合され、カソードはPN接合素子728-1の第2端子へ結合される。具体的に、ダイオードD2のカソードは、寄生ダイオードPD1のカソードへ結合され、つまり、ダイオードD2及び寄生ダイオードPD1は、二次駆動回路320-2の第1端子SDN1から第2端子SDN2の間に直列に背中合わせに接続される。このようにして、トランジスタM2のターンオン電圧は、ダイオードD2によって増大され、それにより、出力電流Ioは、トランジスタM2の寄生ダイオードPD1を通ってトランジスタM1の制御端子GNへ容易には漏れ出さない。いくつかの実施形態で、ダイオードD2は、ダイオード接続型トランジスタで置換されてもよい。
【0026】
図8は、本開示の第1実施形態における他の二次駆動回路320-3の略回路図である。二次駆動回路320-3と320-2との間の違いは、二次駆動回路320-3の制御回路421-2の回路構造及びPN接合素子728-2の回路構造にある。制御回路421-2及び421-1は、類似した要素を含むが、制御回路421-2は、出力端子NOUT3を更に含む。トリガ回路422-1の出力端子KN3は、制御回路421-2の出力端子NOUT3へ更に結合される。
【0027】
他方で、
図8のPN接合素子728-2は、トランジスタM4を含む。トランジスタM4は、PMOSトランジスタ、PFET、又はPNP型BJTによって実装されてもよい。トランジスタM4は、第1端子、第2端子、第3端子、及び制御端子を含む。トランジスタM4の第1端子は、PN接合素子728-2の第1端子へ結合され、第2端子は、PN接合素子728-2の第2端子へ結合され、第3端子は、電気的に浮いているか、あるいは、トランジスタM4の第2端子へ結合され、制御端子は、制御回路421-2の出力端子NOUT3へ結合される。言い換えると、トランジスタM4の制御端子は、制御回路421-2の出力端子NOUT3を通じてトリガ回路422-1の出力端子KN3へ結合される。このようにして、トリガ回路422-1は、適切なレベルを有する信号をトランジスタM4の制御端子へ供給して、トランジスタM4のターンオン状態を制御する。起動モードでのトランジスタM2及びM4は両方ともターンオン状態にあり、通常モードでのトランジスタM2及びM4は両方ともカットオフ状態にあるが、制御信号CS1のレベル及びトランジスタM4の制御端子によって受け取られる信号のレベルは逆であることに留意されたい。
【0028】
実施形態では、PMOSトランジスタを含むトランジスタM4及びその第2端子へ結合されたトランジスタM4の第3端子が例として表されている。トランジスタM4の第1端子は、例えば、ソース端子であり、第2端子は、例えば、ドレイン端子であり、第3端子は、例えば、バルク端子であり、制御端子は、例えば、ゲート端子である。実施形態で、寄生ダイオードPD2は、トランジスタM4の第1端子から第3端子の間に存在し、寄生ダイオードPD2のアノード及びカソードは、トランジスタM4の第1端子及び第3端子へ夫々接続される。具体的に、寄生ダイオードPD2のカソードは、寄生ダイオードPD1のカソードへ結合され、つまり、寄生ダイオードPD2及びPD1は、二次駆動回路320-3の第1端子SDN1から第2端子SDN2の間に直列に背中合わせに接続される。このようにして、トランジスタM2のターンオン電圧は、寄生ダイオードPD2によって増大され、それにより、出力電流Ioは、トランジスタM2の寄生ダイオードPD1を通じてトランジスタM1の制御端子GNへ容易には漏れ出さない。本開示は、トランジスタM4の寄生ダイオード及びトランジスタM2の寄生ダイオードが二次駆動回路320-3の第1端子SDN1から第2端子SDN2の間に直列に背中合わせに接続される限りは、トランジスタM4及びM2の製造プロセスのタイプを限定しないことに留意されたい(例えば、トランジスタM4及びM2は、シリコン・オン・インシュレータ(Silicon On Insulator,SOI)プロセスによって、又はバルク相補型金属酸化膜半導体(Bulk Complementary Metal-Oxide-Semiconductor,Bulk CMOS)プロセスによって製造されてもよい)。例えば、これは、トランジスタM4の第3端子を電気的に浮かせること、若しくはトランジスタM4の第3端子をその第2端子へ結合する、及び/又はトランジスタM2の第3端子を電気的に浮かせること、若しくはトランジスタM2の第3端子をその第2端子へ結合することによって達成され得る。いくつかの実施形態で、トランジスタM2がSOIプロセスによって、又はBulk CMOSプロセスによって製造され、トランジスタM2の第3端子が電気的に浮いている場合に、PN接合素子728-1又はPN接合素子728-2は省略されてもよい。
【0029】
図9は、本開示の第2実施形態に従う電圧レギュレータ900のブロック図である。電圧レギュレータ900及び300の間の違いは、電圧レギュレータ900が電圧駆動回路990を更に含むことである。電圧駆動回路990は、第1端子N990-1、第2端子N990-2、及び出力端子N990-3を含む。電圧駆動回路990の第1端子N990-1は、電圧レギュレータ900の出力端子NOUTへ結合され、第2端子N990-2は、電圧端子VN2へ結合され、出力端子N990-3は、一次駆動回路110の入力端子IN1へ結合される。電圧駆動回路990は、直列に接続された抵抗R5及びR6によって実装されてもよい。このようにして、実施形態を適用する者は、彼らのニーズに応じて抵抗R5及びR6の抵抗値を適切に調整する(例えば、抵抗R5及びR6の間の抵抗比を調整する)ことができ、それにより、出力電圧Voutの電圧値は調整される。
【0030】
他方で、二次駆動回路320-4と320-3との間の違いは、制御回路421-3のロジック回路424-2の回路構造及び制御回路421-3の出力端子NOUT3の接続方法にある。
図9で、ロジック回路424-2は、出力端子LN42及びインバータINV2を更に含む。ロジック回路424-4の出力端子LN42は、制御回路421-3の出力端子NOUT3へ結合される。インバータINV2の第1端子は、ロジック回路424-2の第1端子LN1へ結合され、第2端子は、ロジック回路424-2の第2端子LN2へ結合され、入力端子は、インバータINV1の出力端子へ結合され、出力端子は、ロジック回路424-2の出力端子LN42へ結合される。インバータINV2は、トランジスタIM3及びIM4によって実装されてもよい。トランジスタIM3は、PMOSトランジスタ、PFET、PNP型BJTであってもよく、トランジスタIM4は、NMOSトランジスタ、NFET、又はNPN型BJTであってもよい。更に、実施形態で、トランジスタM4の制御端子は、制御回路421-3の出力端子NOUT3へ結合され、このようにして、インバータINV2は、適切なレベルを有する信号をトランジスタM4の制御端子へ供給して、トランジスタM4のターンオン状態を制御し、インバータINV1は、適切なレベルを有する制御信号CS1をトランジスタM2の制御端子へ供給して、トランジスタM2のターンオン状態を制御する。それに加えて、インバータINV2によって、駆動トランジスタM4の速度は改善される。実施形態を適用する者はまた、
図9の二次駆動回路320-4を、本開示の実施形態に従って、対応する電圧レギュレータに適用してもよい。例えば、
図3の電圧レギュレータ300の二次駆動回路320は、二次駆動回路320-4によって実装されてもよい。
【0031】
図9の電圧レギュレータ900の一次駆動回路110は、誤差増幅器EAMPを含む。一次駆動回路110の入力端子IN1は、誤差増幅器EAMPの非反転入力端子であり、入力端子IN2は、誤差増幅器EAMPの反転入力端子であり、出力端子OUT1は、誤差増幅器EAMPの出力端子である。
【0032】
図3の電圧レギュレータ300の二次駆動回路320が
図4、
図7、
図8、又は
図9の二次駆動回路320-1~320-4によって実装される場合に、あるいは、
図9の電圧レギュレータ900の二次駆動回路320-4が
図4、
図7、又は
図8の二次駆動回路320-1~320-3によって実装される場合に、電圧レギュレータ300又は電圧レギュレータ900は選択的に作、出力電圧Vout、所定の電圧Vpr、又は電圧V1に応じて起動モードで又は通常モードで動する。しかし、いくつかの実施形態で、電圧レギュレータ300又は電圧レギュレータ900はまた、セットされた遅延時間に応じても選択的に起動モードで又は通常モードで作動する。これは、以下で1つずつ説明される。
【0033】
図10は、本開示の第1実施形態又は第2実施形態の他の二次駆動回路320-5の略回路図である。二次駆動回路320-5及び320-1の間の違いは、二次駆動回路320-5の制御回路421-4の回路構造にある。
図3の電圧レギュレータ300の二次駆動回路320又は
図9の電圧レギュレータ900の二次駆動回路320-4が
図10の二次駆動回路320-5によって実装される場合に、電圧レギュレータ300又は900は、セットされた遅延時間に応じて起動モードで又は通常モードで選択的に作動する。二次駆動回路320-5は、セットされた遅延時間に応じて電圧レギュレータ300又は900の動作モードを決定することによって、それによって、二次駆動回路320-5は選択的に、トランジスタM1の制御端子GNを所定電圧端子VPRNへ電気的に結合されるか、あるいは、所定電圧端子VPRNからトランジスタM1の制御端子GNを電気的に切断し得る。
【0034】
制御回路421-4の詳細な回路構成が表されている。制御回路421-4は、トリガ回路422-2を含む。トリガ回路422-2は、第1端子KN1、第2端子KN2、及び出力端子KN3を含む。トリガ回路422-2の第1端子KN1は、制御回路421-4の受電端子RN1へ結合され、第2端子KN2は、制御回路421-4の受電端子RN2へ結合され、出力端子KN3は、制御回路421-4の出力端子NOUT2へ結合される。いくつかの実施形態で、実施形態を適用する者は、彼らのニーズに応じて、トリガ回路4222の第2端子KN2を、制御回路421-4の受電端子RN2又は電圧端子VN2へ結合されるよう設計してもよい
トリガ回路422-2は、遅延回路DEL1を含む。遅延回路DEL1は、第1端子、第2端子、及び出力端子を含む。遅延回路DEL1の第1端子は、トリガ回路422-2の第1端子KN1へ結合され、第2端子は、トリガ回路422-2の第2端子KN2へ結合され、出力端子は、トリガ回路422-2の出力端子KN3へ結合される。遅延回路DEL1は、抵抗R7及びキャパシタC1を含む。抵抗R7及びキャパシタC1は、第1端子及び第2端子を夫々含む。抵抗R7の第1端子は、遅延回路DEL1の第1端子へ結合され、第2端子は遅延回路DEL1の出力端子へ結合される。キャパシタC1の第1端子は、抵抗R7の第1端子へ結合され、第2端子は、遅延回路DEL1の第2端子へ結合される。実施形態を適用する者は、遅延時間の長さをセットするために、彼らのニーズに応じて、抵抗R7の抵抗値及びキャパシタC1のキャパシタンス値を設計してもよい。
【0035】
NMOSトランジスタとしてのトランジスタM2は、
図10に例として表されている。実施形態において、制御回路421-4は、適切なレベルを有する制御信号CS1をトランジスタM2へ供給するロジック回路424-1を更に含む。トリガ回路422-2の出力端子KN3は、ロジック回路424-1を通じて制御回路421-4の出力端子NOUT2へ結合される。ロジック回路424-1の回路構造は、
図4のロジック回路424-1のそれと類似しており、繰り返されない。
【0036】
実施形態の制御回路421-4は、セットされた遅延時間に従って電圧レギュレータ300又は900の動作モードを決定することができ、それに応じて制御信号CS1を出力する。詳細に、制御回路421-4は、遅延回路DEL1によって電圧レギュレータ300又は900の動作モードを決定することができ、それに応じて制御信号CS1を出力する。更に、抵抗R7の抵抗値及びキャパシタC1のキャパシタンス値は、遅延時間に関係があるので、電圧レギュレータ300又は900の動作モードは、遅延回路DEL1の出力端子での電圧とセットされた閾値との間の関係によって決定されてもよい。遅延回路DEL1の出力端子での電圧が閾値よりも小さい(すなわち、セットされた遅延時間に届かない)場合に、制御回路421-4は、電圧レギュレータ300又は900が起動モードで作動すると決定してもよく、遅延回路DEL1の出力端子での電圧が閾値よりも大きい(すなわち、セットされた遅延時間に達する)場合に、制御回路421-4は、電圧レギュレータ300又は900が通常モードで作動すると決定してもよい。実施形態の閾値は、ロジック回路424-1のトランジション電圧としてセットされてもよい。実施形態を適用する者は、トリガ回路422-2の回路構造を変えることによっても、閾値を調整してもよい。
【0037】
制御回路421-4の動作が以下で説明される。出力電圧Voutと同じであるようセットされた所定の電圧Vprは、
図10に例として表されている。起動時に、電圧V1は、電力を電圧レギュレータ300又は900へ供給し、キャパシタC1は、その初期状態が0vである所定の電圧Vprを変化させ始める。つまり、実施形態で、キャパシタC1は、その初期状態が0vである出力電圧Voutを変化させ始める。従って、遅延回路DEL1の出力端子での電圧は閾値よりも小さく、制御回路421-4は、電圧レギュレータ300又は900が起動モードで作動すると決定し得る。それに応じて、ロジック回路424-1の入力端子LN3での電圧は、所定の電圧Vpr近くにプルダウンされ、低レベルを有しており、ロジック回路424-1の出力端子LN41は、高レベルで制御信号CS1を供給して、トランジスタM2をオンする。セットされた遅延時間が過ぎる°、所定の電圧Vpr及び出力電圧Voutのレベルは、必要とされる電圧値近くまで増大している。従って、遅延回路DEL1の出力端子での電圧は、閾値よりも大きく、制御回路421-4は、電圧レギュレータ300又は900が通常モードで作動すると決定し得る。従って、ロジック回路424-1の入力端子LN3の電圧は、電圧V1近くにプルアップされ、高レベルを有しており、ロジック回路424-1の出力端子LN41は、低レベルで制御信号CS1を供給してトランジスタM2をオフする。
【0038】
図11は、本開示の第1実施形態又は第2実施形態の他の二次駆動回路320-6の略回路図である。二次駆動回路320-6と320-5との間の違いは、二次駆動回路320-6がPN接合素子728-2を更に含むこと、及び二次駆動回路320-6の制御回路421-5の回路構造である。PN接合素子728-2、制御回路421-5の出力端子NOUT3の接続方法、並びに
図11の制御回路421-5のロジック回路424-2の回路構造及び機能は、
図9のPN接合素子728-2、制御回路421-3の出力端子NOUT3、及びロジック回路424-2と類似しており、繰り返されない。いくつかの実施形態で、PN接合素子728-2は、ダイオードを含む。実施形態で、ロジック回路424-2のインバータINV2は省略されてもよく、回路構造及び関連する記載に関しては
図7を参照されたく、繰り返されない。他の実施形態では、トランジスタM4の制御端子はまた、制御回路421-5の出力端子NOUT3を通じてトリガ回路422-2の出力端子KN3へも結合されてもよい。実施形態で、ロジック回路424-2のインバータINV2は、やはり省略されてもよく、それにより、トリガ回路422-2は、適切なレベルを有する信号をトランジスタM4の制御端子へ供給して、トランジスタM4のターンオン状態を制御し、そして、回路構造及び関連する記載について
図8を参照されたく、繰り返されない。つまり、
図11の回路構造は、PN接合素子728-2によってトランジスタM2のターンオン電圧を増大させ、それにより、出力電流Ioは、トランジスタM2の寄生ダイオードPD1を通じてトランジスタM1の制御端子GNへ容易には漏れ出さない。
【0039】
上記に基づき、一次駆動回路の適切な設計によれば、電圧レギュレータは、低電力の特性のみならず、電圧レギュレータが起動モードで作動するときの高速起動の特性も有し、出力電圧の出力値は、実施形態において一次駆動回路及び二次駆動回路によって直ちに増大し、電圧レギュレータは、トランジスタ損傷のリスクを減らすことが可能である。他方で、電圧レギュレータが通常モードで作動する場合に、実施形態において、トランジスタの制御端子は、二次駆動回路によって所定電圧端子から電気的に切り離され、それにより、一次駆動回路とトランジスタとの間の制御ループは、二次駆動回路によって容易に影響を及ぼされない。
【符号の説明】
【0040】
110 一次駆動回路
300,900 電圧レギュレータ
320 二次駆動回路
410 スイッチ
421 制御回路
422 トリガ回路
424 ロジック回路
426 電圧生成回路
728 PN接合素子
990 電圧駆動回路
DEL1 遅延回路
DET1 検出回路
M1 トランジスタ
NOUT 出力端子
NV1 電圧端子
PU1 プルアップ回路
VPRN 所定電圧端子