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特開2022-87086次世代通信ネットワークの自動計画のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087086
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】次世代通信ネットワークの自動計画のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20220602BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20220602BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W16/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021194683
(22)【出願日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】202021052180
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】520433964
【氏名又は名称】ジオ プラットフォームズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】エージャイ クマール グプタ
(72)【発明者】
【氏名】アルン ネアー
(72)【発明者】
【氏名】アディティア ガネーシャ
(72)【発明者】
【氏名】アーユシュ バトナーガル
(72)【発明者】
【氏名】ダールメシュ チタリヤ
(72)【発明者】
【氏名】アトゥール ベルマ
(72)【発明者】
【氏名】シュバム グプタ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067LL11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ODSCセル及びマクロセルを異機種ネットワークで展開するための費用効果の高い方法で既存のネットワークにおけるマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完する次世代ネットワークの計画を進めるシステム及び方法を提供する。
【解決手段】エリア内の通信オーバーレイの展開を容易にするシステムであって、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器と、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築することと、サンプルのセットを抽出することと、抽出されたサンプルのセットを複数のグリッドにマッピングすることと、マッピングした抽出されたサンプルのセット及び展開基準に基づいて、複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定することと、をシステムに実行させる計画サーバと、を備える。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内の通信オーバーレイの展開を容易にするシステムであって、
ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器と、
メモリに格納されている実行可能命令のセットを実行するプロセッサを備える計画サーバであって、実行時に、前記プロセッサによって、
事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築することと、
サンプルのセットを抽出することであって、抽出された前記サンプルのセットは、前記エリアから観察された前記グリッドの空間的測定に関連し、空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連することと、
抽出された前記サンプルのセットを前記複数のグリッドにマッピングすることと、
マッピングした抽出された前記サンプルのセット及び展開基準に基づいて、前記複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定することと、
を前記システムに実行させる計画サーバと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記複数のグリッドのサイズは、計画実行のために設定可能であり、グリッドは、前記グリッドの重心の緯度及び経度によって識別される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
抽出された前記サンプルのセットは、消費された総トラフィック、サービングセル識別子のリスト、ユーザの携帯電話機の分類のマップ及びセル容量インジケータのマップである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
複数のフィルタ処理されたグリッドは、前記複数のグリッドからの事前に定義されたグリッドの除去及び包含のいずれか又は組合せによって構成され、前記事前に定義されたグリッドの除去は、所定のグリッドトラフィックしきい値未満の総トラフィックを有するグリッドに対応し、前記事前に定義されたグリッドの包含は、第2の事前に定義されたしきい値未満の支配的なセルの容量インジケータを有するグリッドに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記一つ以上のソリューションセットは、GFのグリッドのそれぞれの一つ以上の設定のソリューションで構成された前記複数のグリッドの各グリッドのマクロセルのソリューション及び前記複数のグリッドの各グリッドの屋外スモールセル(ODSC)のためのソリューションのいずれか又は組み合わせから構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
フィルタ処理されたグリッドのマクロセルに対応する前記一つ以上のソリューションは、設定可能なカバレージ半径に亘るグリッドの位置にマッピングされ、フィルタ処理されたグリッドのマクロセルに対応する前記一つ以上のソリューションは、設定可能なカバレージ半径で囲まれたグリッドのリストを備え、フィルタ処理されたグリッドのマクロセルに対応する前記一つ以上のソリューションは、総トラフィックと、ユーザの携帯電話機の分類の集約されたマップと、複数のフィルタ処理されたグリッドが設定可能なカバレージ半径で囲まれるセル容量インジケータの集約されたマップと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
フィルタ処理されたグリッドのODSCに対応する前記一つ以上のソリューションは、フィルタ処理されたグリッドの一つ以上の隣接するグリッドの可用性に応じて親グリッド及び一つ以上の隣接するグリッドのいずれか又は組合せに対するグリッドの位置にマッピングされ、フィルタ処理されたグリッドのOSDCに対応する前記一つ以上のソリューションは、総トラフィックと、ユーザの携帯電話機の分類の集約されたマップと、セル容量インジケータの集約されたマップで構成され、複数のフィルタ処理されたグリッドがグリッド及び一つ以上の隣接するグリッドのいずれか又は組合せに存在するセル容量インジケータの集約されたマップと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
フィルタ処理されたソリューションのセットは、第1の設定可能なしきい値を超える集約されたトラフィック、第2の設定可能なしきい値を超える事前に定義された分類を超える携帯電話機の集約された数及び第3の設定可能なしきい値未満の集約されたセル容量インジケータのいずれか又は組合せを有するソリューションを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
マクロセルに対応する前記一つ以上のソリューションは、前記一つ以上のソリューションの第1のマクロソリューションの選択時にODSCソリューションよりも高い優先度で反復され、前記第1のマクロソリューションの選択時に、マクロセル及びODSCに対応する残りの前記一つ以上のソリューションは、選択された前記第1のマクロソリューションとのグリッドのオーバーラップをチェックする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記一つ以上のソリューションと前記第1のマクロソリューションとのオーバーラップを判断した場合に前記一つ以上のソリューションが廃棄され、一つ以上の残りのODSCソリューションは、前記第1のマクロソリューションの選択後に反復され、前記反復は、親グリッドと一つ以上の隣接グリッドのいずれか又は組合せで一つ以上のODSCソリューションを選択するために実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記反復中に、ODSCに対応する前記一つ以上のソリューションは、第1のODSCソリューションの選択に供される反復の順序で選択され、前記第1のODSCソリューションの選択時に、残りのODSCソリューションは、選択した前記第1のODSCソリューションに対するグリッドのオーバーラップについてチェックされ、オーバーラップが見つかった場合、オーバーラップした一つ以上のODSCソリューションは、反復リストから破棄される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
エリア内の通信オーバーレイの展開を容易にする方法であって、
事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築することであって、前記複数のグリッドは、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器に関連する複数のマクロセル及びスモールセルに対応することと、
サンプルのセットを抽出することであって、抽出された前記サンプルのセットは、前記エリアから観察された前記グリッドの空間的測定に関連し、空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連することと、
抽出された前記サンプルのセットを前記複数のグリッドにマッピングすることと、
マッピングした抽出された前記サンプルのセット及び展開基準に基づいて、前記複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定することと、
を備える方法。
【請求項13】
フィルタ処理されたグリッドのODSCに対応する前記一つ以上のソリューションは、フィルタ処理されたグリッドの一つ以上の隣接するグリッドの可用性に応じて親グリッド及び一つ以上の隣接するグリッドのいずれか又は組合せに対するグリッドの位置にマッピングされ、フィルタ処理されたグリッドのOSDCに対応する前記一つ以上のソリューションは、総トラフィックと、ユーザの携帯電話機の分類の集約されたマップと、セル容量インジケータの集約されたマップで構成され、複数のフィルタ処理されたグリッドがグリッド及び一つ以上の隣接するグリッドのいずれか又は組合せに存在するセル容量インジケータの集約されたマップと、を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
フィルタ処理されたソリューションのセットは、第1の設定可能なしきい値を超える集約されたトラフィック、第2の設定可能なしきい値を超える事前に定義された分類を超える携帯電話機の集約された数及び第3の設定可能なしきい値未満の集約されたセル容量インジケータのいずれか又は組合せを有するソリューションを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
マクロセルに対応する前記一つ以上のソリューションは、前記一つ以上のソリューションの第1のマクロソリューションの選択時にODSCソリューションよりも高い優先度で反復され、前記第1のマクロソリューションの選択時に、マクロセル及びODSCに対応する残りの前記一つ以上のソリューションは、選択された前記第1のマクロソリューションとのグリッドのオーバーラップをチェックする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記一つ以上のソリューションと前記第1のマクロソリューションとのオーバーラップを判断した場合に前記一つ以上のソリューションが廃棄され、一つ以上の残りのODSCソリューションは、前記第1のマクロソリューションの選択後に反復され、前記反復は、親グリッドと一つ以上の隣接グリッドのいずれか又は組合せで一つ以上のODSCソリューションを選択するために実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記反復中に、ODSCに対応する前記一つ以上のソリューションは、第1のODSCソリューションの選択に供される反復の順序で選択され、前記第1のODSCソリューションの選択時に、残りのODSCソリューションは、選択した前記第1のODSCソリューションに対するグリッドのオーバーラップについてチェックされ、オーバーラップが見つかった場合、オーバーラップした一つ以上のODSCソリューションは、反復リストから破棄される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気通信に関するものであり、更に具体的には、ゼロタッチ電気通信計画の自動化に関するものであり、次世代通信ネットワークの効率的な展開のために使用されることを意図する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の以下の説明は、本開示の分野に関する背景情報を提供することを意図する。このセクションは、本開示の様々な特徴に関連することがある当技術分野の特定の態様を含んでもよい。しかしながら、このセクションが先行技術の承認としてではなく本開示に関する読者の理解を高めるためにのみ使用されることを理解されたい。
【0003】
今日、GSM(登録商標)、EDGE(登録商標)、HSPA、LTE(登録商標)等のワイヤレス技術の出現により、ワイヤレスネットワーク内の全ての通信は、音声、ビデオ、データ、広告、コンテンツ、メッセージング、ブロードキャスト等のような様々な通信サービスを提供する。このようなネットワークの一つの例は、Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)があり、これは、3GPPリリース5以降で指定されているUMTS及びHSDPA/HSUPA技術に代わるものとなる無線アクセスネットワーク標準である。E-UTRAは、モバイルネットワーク向けの3GPPのLong Term Evolution(LTE(登録商標))アップグレードパスのエアインタフェースである。LTE(登録商標)のE-UTRAは、HSPAとは異なり、全く新しいエアインタフェースシステムであり、W-CDMA(登録商標)とは無関係で互換性がない。それは、更に高いデータレート及び更に低い遅延を提供し、パケットデータ用に最適化されている。Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))技術の後継であるUMTSは、現在、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA(登録商標))、時間分割符号分割多元接続(TD-CDMA)及び時間分割-同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)のような様々なエアインタフェース規格をサポートする。UMTSは、高速パケットアクセス(HSPA)のような拡張3Gデータ通信プロトコルもサポートし、これにより、関連するUMTSネットワークに更に高いデータ転送速度及び容量を提供する。容量及び更に高速なデータ転送速度により、セル及びセルの最適化に関連する多くの問題がある。
【0004】
5Gセルラー展開では、マクロセルは、様々なスモールセルと共に、ターゲットエリア全体にカバレージ及び容量のソリューションを提供するように計画される。したがって、サイト間の距離はネットワークにとって狭くなる。さらに、新興ネットワークで進行中のデータ需要を軽減するために、更に多くのサイト/eNodeBが必要になる。これにより、大都市で高密度から超高密度の無線アクセスネットワークが作成される。
【0005】
現在、ネットワーク計画は、高度なスキルを持つ通信計画エンジニアによる数千の工数を伴う長期にわたる活動であり、実行には数か月かかる。ネットワーク計画は、計画を最終的に考案する前に、数か月に亘って作業するとともに大規模なデータセットを個別に分割及び分析する1000人のエンジニアが関与する長期に亘る退屈な活動である。
【0006】
無線周波数(RF)特性(RF伝搬など)は、セルタワーのカバレージエリアを定義する。セクターと、単一のアンテナでカバーされる明確なサイズ及び形状の地理的領域である。例えば、サービスプロバイダーは、セルに360°のRFカバレージを提供するために複数のアンテナを使用してもよい。サービスプロバイダーは、都市環境の半径数十メートルの加入者にワイヤレス通信サービスを提供するために一つのセルタワーを使用してもよく、それに対し、地方において、サービスプロバイダーは、数平方マイルのエリアに一つのセルタワーを使用してもよい。加入者に対する質の高いエクスペリエンス及びネットワークの最大限の使用を保証するために、全てのサービス事業者は、ネットワークの完全なビューと、様々な展開シナリオを正確に分析する機能とを必要とする。RF計画の精度は、ネットワーク容量、カバレージ及びネットワークパフォーマンスを最大化するためにネットワークシナリオを最適化する方法に直接影響を及ぼす。RF計画の較正は、新しい周波数帯及び新しい地理的領域に展開するときに必要になることがよくある。現在、ほとんどの事業者は、リンクバジェット及び低解像度のマップデータを使用した標準伝搬モデルに基づいて初期RF計画を実行する。RF計画は、複数のステップからなるプロセスであり、本質的に反復的であり、ワイヤレス通信技術にとって非常に重要なステップであり、従来のアプローチに従って、サイトの物理パラメータを変更することにより手動で実行される。LTE(登録商標)無線ネットワークの計画も、他のセルラー技術と同様に機能する。大量展開のために新しいセルラー技術を検討するときは常に、多くのRFパラメータは、最適値を見つけるためにチューニングプロセスが課される。しかしながら、この段階は、時間及び費用がかかる。したがって、商用展開の前に、大規模なシミュレーションを実行する場合、様々な方法でチューニング段階を容易にすることができる。したがって、大規模な商用展開の前にシミュレーションを実行すると、コストが大幅に抑えられる。明らかに、最小限の時間で重要なパラメータを最適化することは、ネットワーク事業者にとって難しい問題である。RF計画ツールベースの予測は、ネットワーク計画のプロセスにおいて不可欠な要件である。
【0007】
RF伝搬をモデル化するための従来の手法は、経験的測定又は光線追跡法のいずれかに基づく。例えば、経験的な方法は、様々なサイトで一般的な設定で行われた広範な測定にのみ基づいているので、サイトの場所、測定方法、測定頻度等に依存する。特に、信号強度は、例えば、地方の伝搬環境、郊外の伝搬環境及び都市の伝搬環境に対する様々な一般的な伝搬問題に使用される様々な経験的モデルを使用して様々な場所及び様々な高さで測定される。しかしながら、、伝搬環境の詳細、例えば、実際の建物並びに通りの場所及び構成については考慮されない。したがって、経験的な方法は、平均伝搬損失の桁数を予測できるが、不感帯域及びマルチパス干渉のような伝搬チャネルに関する詳細を予測することができない。さらに、経験的な方法は、実験が行われた環境以外の環境への一般化を可能にする十分な基礎となる論理がない実験に関する統計に基づく。
【0008】
光線追跡法は、幾何光学と均一回折理論(UTD)に基づく決定論的方法であり、直接(LOS)光、反射光、透過光、回折光及びいくつかの組み合わせた光のような伝播メカニズムを計算するために使用することができる。光線追跡法は、広範囲に亘る測定に基づくのではなく、建物の実際の幾何学的及び構造的情報、例えば、ファサードの構造及び形状のような場所固有の情報に依存する。光線追跡法の基本的な手順は、三つの基本的なプロセスを含む射撃及び反射光線(SBR)アルゴリズムであり、第1のプロセスは、光線を発射する。第2のプロセスは、レイオブジェクト交差テスト(ray-object intersection test)と称する方法で光線がオブジェクトに当たるか否かを判断することである。さらに、第3のプロセスは、受信機の位置で光を受光するか否かを判断することである。
【0009】
エリア上で次世代ネットワークを計画する上記の既存のアプローチは、そのエリアにすでに展開されているネットワークの問題を考慮していないので、計画の結果は、既存の展開を十分に補完しない。現在、既存のシステムには次のようないくつかの課題がある。
・計画段階で計画要件をリアルタイムで微調整するための設定パラメータに関する様々なノブを提供するソリューションがない。
・信頼性及びスケーラビリティを確保するとともに独立したモジュールで実装するパイプライン方式の実装を提供するソリューションがない。
・屋外スモールセルソリューションで様々な設定のオプションを利用できる計画アプローチを提供するソリューションがない。
・次世代通信ネットワーク向けのマクロセルソリューションと屋外スモールセルソリューションの両方の計画アプローチを提供するソリューションがない。
【0010】
したがって、異機種ネットワークにODSCセル及びマクロセルを展開するように費用効果の高い方法で既存のネットワークにマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完する次世代ネットワークの計画を進める必要がある。
【0011】
この開示は、異機種ネットワークにODSCセル及びマクロセルを展開するように費用効果の高い方法で既存のネットワークにマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完する次世代ネットワークを計画することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここでの少なくとも一つの実施形態が満たす本開示の目的のいくつかは、ここで以下にリストする通りである。
【0013】
本開示の目的は、計画段階で計画要件をリアルタイムで微調整するために設定パラメータに関して様々なノブを容易にするシステムを提供することである。
【0014】
本開示の目的は、信頼性及びスケーラビリティを確保するとともに独立したモジュールで実装するパイプライン方式でソリューションの実装を容易にするシステムを提供することである。
【0015】
本開示の目的は、屋外スモールセルソリューションで様々な設定のオプションを利用できる計画アプローチを提供することである。
【0016】
本開示の目的は、次世代通信ネットワーク向けのマクロセルソリューションと屋外スモールセルソリューションの両方の計画アプローチを提供することである。
【0017】
本開示の目的は、異機種ネットワークにODSCセル及びマクロセルを展開するように費用効果の高い方法で既存のネットワークにマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このセクションは、以下の詳細な説明で更に説明する簡略化された形式で本開示の特定の目的及び態様を紹介するために設けられる。この要約は、主張された主題の主要な特徴又は範囲を特定することを意図するものではない。
【0019】
一態様では、本開示は、エリア内の通信オーバーレイの展開を容易にするシステムを提供する。システムは、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器と、ネットワークに関連するとともにユーザ機器に通信可能に結合された複数のマクロセル及びスモールセルと、メモリに格納されている実行可能命令のセットを実行するプロセッサを備える計画サーバであって、実行時に、プロセッサによって、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築することをシステムに実行させる計画サーバと、を有してもよい。プロセッサによって、エリアから観察されたグリッドの空間的測定に関連するサンプルのセットを抽出することをシステムに実行させてもよい。空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連してもよい。さらに、プロセッサによって、抽出されたサンプルのセットを複数のグリッドにマッピングすることと、マッピングした抽出されたサンプルのセット及び展開基準に基づいて、複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定することと、をシステムに実行させてもよい。
【0020】
一態様では、本開示は、エリアにおける通信オーバーレイ展開を容易にする方法を提供する。方法は、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築するステップを有してもよい。複数のグリッドは、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器に関連する複数のマクロセル及びスモールセルに対応してもよい。方法は、エリアから観察されたグリッドの空間的測定に関連するサンプルのセットを抽出するステップを有してもよく、空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連してもよい。さらに、方法は、抽出されたサンプルのセットを複数のグリッドにマッピングし、マッピングした抽出されたサンプルのセット及び展開基準に基づいて、複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定するステップを有してもよい。
【0021】
ここに組み込まれるとともに本開示の一部を構成する添付図面は、同様の参照番号が異なる図面全体に亘って同一の部分を指す開示された方法及びシステムの例示的な実施形態を示す。図面の構成要素は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。一部の図面は、ブロック図を使用して構成要素を示す場合があり、各構成要素の内部回路を表していない場合がある。そのような図面の開示は、そのような構成要素を実施するために一般的に使用される電気構成要素又は回路の開示を含むことが当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施形態による既存の通信展開を示す。
図2A】本開示の一実施形態による本開示のシステムを実装することができる又はそれを用いて実施することができる例示的なネットワークアーキテクチャを示す。
図2B】本開示の一実施形態によるシステム又は計画サーバの例示的な表現を示す。
図3】本開示の一実施形態による通信展開ソリューションを容易にするための方法を示す例示的な方法の流れ図を示す。
図4】本開示の一実施形態による例示的な提案された自動計画パイプラインを示す。
図5】本開示の実施形態による例示的な提案された計画サービングブロック図を示す。
図6】本開示の一実施形態による例示的な提案された屋外スモールセルソリューションタイプを示す。
図7】本開示の実施形態による例示的な提案されたマクロセル展開基準を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、説明のために、本発明の実施形態の完全な理解を提供するための様々な特定の詳細を示す。しかしながら、本発明の実施形態をこれらの特定の詳細なしで実施できることは明らかである。以下で説明するいくつかの機能は、それぞれ互いに独立して又は他の機能の任意の組合せで使用することができる。個々の機能は、上記の問題のいずれにも対処できない場合又は上記の問題の一部のみに対処する場合がある。上記の問題のいくつかは、ここで説明する機能のいずれによっても完全に対処されない場合がある。本発明の例示的な実施形態を、同様の参照番号が異なる図面全体に亘って同一の部分を指す様々な図面に示されるように以下で説明する。
【0024】
一態様では、本開示は、屋外スモールセルソリューション及びマクロセルを異機種ネットワークで展開するための費用効果の高い方法で既存のネットワークにおけるマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完する次世代ネットワークの計画に関する。
【0025】
一態様では、図1は、マクロセル1003及びスモールセル[1005]のような複数のソリューションの組合せが存在してもよい典型的なレガシー通信ネットワークを示す。ユーザ機器がネットワーク上で通信を行うとき、ユーザ機器は、特定の地理的位置[1004]に属する可能性のあるデータサンプルを生成してもよい。既存の通信ネットワークのUEによって生成された地理的に配置されたサンプルを、例として使用するとともにマッピングしてもよいが、これは、事前に定義されたサイズの長方形の地理グリッド[1001]を限定するものではない。各グリッド[1001]は、構成サンプルのデータを集約することによって計算された(交換可能に集約されたパラメータとも称する)一つ以上のサンプルでタグ付けされてもよい。したがって、ターゲットグリッドデータセットグリッドフィルタを、検討中の通信ネットワークエリアに対して最終的に実現してもよい。このグリッドデータセットを、エリアの次世代ネットワークのソリューションを計画するために使用してもよい。
【0026】
図2Aは、本開示の実施形態による本開示のシステムを実装することができる又はそれを用いて実施することができる例示的なネットワークアーキテクチャを示す。
【0027】
本開示の実施形態による本開示のシステムを実装することができる又はそれを用いて実施することができる例示的なネットワークアーキテクチャを示す図2Aを参照する。図示したように、例示的なアーキテクチャ100は、既存の通信展開を補完する次世代ネットワークを計画するためのAIエンジン214を備えた計画サーバ106を有する。計画サーバ106を、ネットワーク104を介して通信可能に結合された一つ以上のユーザ機器102-1、102-2、102-3・・・102-n(以下、まとめてユーザ機器102と称するとともに個別にユーザ機器102と称する)に更に結合されてもよい。
【0028】
一実施形態によれば、図2Aに示すように、アーキテクチャによって、エリアでの通信オーバーレイの展開を可能にすることができる。計画サーバ106は、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築するとともに複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定するように構成してもよいAIエンジン210を有してもよい。
【0029】
一実施形態では、オーバーレイ展開のためのソリューションのセットは、Android(登録商標)、iOS (登録商標)等を含むがそれに限定されない任意のオペレーティングシステムに存在する命令のセットを介してユーザ機器を使用してチェックされてもよい。一実施形態では、一つ以上のユーザ機器は、任意のスマートコンピュータデバイスであってもよく、任意の電気機器、電子機器、電気機械機器又は上記のデバイスの一つ以上の組合せに対応する。スマートコンピュータデバイスは、携帯電話機、スマートフォン、IoTデバイス、仮想現実(VR)デバイス、拡張現実(AR)デバイス、ページャ、ラップトップ、汎用コンピュータ、デスクトップ、携帯情報端末、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ又は当業者に明らかな他のコンピュータデバイスを含むが、それに限定されない。一般的には、スマートコンピュータデバイスは、ユーザが設定したデジタルのコンピューターネットワークデバイスであり、それは、自律的に動作することができる。スマートコンピュータデバイスは、データ及び他の個人情報/機密情報を保存するための適切なシステムの一つである。上記のデバイスは、ISO参照モデルの七つのレベル全てで動作するが、主な機能は、タッチスクリーン、アプリエコシステム、物理的及び生体認証セキュリティ等の追加機能を有するネットワーク、セッション及びプレゼンテーション層と共にアプリケーション層に関連する。
【0030】
スマートコンピュータデバイス又はユーザ機器は、携帯電話機又はハンドヘルドでの使用に役立つ他の機能を備えたパーソナルコンピュータオペレーティングシステムを使用することによってエンドユーザが2G、3G、4G又は5Gモバイルブロードバンドインターネット接続でサービスを使用できるようにしてもよいモビリティワイヤレスセルラー接続デバイスを備えたスマートフォンを有してもよい。スマートフォンは、インターネットにアクセスすることができ、タッチスクリーンユーザインタフェースを有し、オンラインアプリケーション及び音楽プレーヤーをホストする機能を含むサードパーティのアプリを実行することができ、ビデオ通話、ホットスポット機能、モーションセンサー、モバイル決済メカニズム並びに緊急時のアラーム及びアラートを有する強化されたセキュリティ機能を有する高速モバイルブロードバンド4G/5GLTE(登録商標)インターネットを有するカメラフォンである。モビリティデバイスは、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、スマートバンド、ウェアラブル拡張デバイス等を含んでもよい。具体的に説明するために、本開示では、モビリティデバイスは、フィーチャーフォンとスマートフォンの両方を指すが、開示の範囲を限定するものではなく、技術的ソリューションを実装する際の任意のモビリティデバイスに拡張されてもよい。スマートフォンを含む上記のスマートデバイスと、IoTデバイスを含むフィーチャーフォンとは、デバイス上での通信を可能にする。
【0031】
ユーザ機器102を、ネットワーク104を介して計画サーバ106に通信可能に結合してもよい。一例であるが限定されない例示的な実施形態では、ネットワーク104は、Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)があり、これは、3GPPリリース5以降で指定されているUMTS及びHSDPA/HSUPA技術に代わるものとなる無線アクセスネットワーク標準である。LTE(登録商標)のE-UTRAは、HSPAとは異なり、全く新しいエアインタフェースシステムであり、W-CDMA(登録商標)とは無関係で互換性がないそれは、更に高いデータレート及び更に低い遅延を提供し、パケットデータ用に最適化されている。初期のUTRANは、無線アクセスネットワーク(RAN)であり、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によってサポートされている第3世代(3G)携帯電話技術であるUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)の一部として定義されていた。Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))技術の後継であるUMTSは、現在、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA(登録商標))、時間分割符号分割多元接続(TD-CDMA)及び時間分割-同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)のような様々なエアインタフェース規格をサポートする。UMTSは、高速パケットアクセス(HSPA)のような拡張3Gデータ通信プロトコルもサポートし、これにより、関連するUMTSネットワークに更に高いデータ転送速度及び容量を提供する。モバイルデータ及び音声アクセスの需要が増加し続けるにしたがって、研究開発は、アクセスの需要の増加に対応するだけでなくユーザ機器のユーザエクスペリエンスを向上及び強化するために技術を進歩させ続けている。進化した技術の一部は、3GPPリリース8のGSM(登録商標)/EDGE(登録商標)、UMTS/HSPA、CDMA2000(登録商標)/EV-DO及びTD-SCDMA無線インタフェースを開始し、e-UTRAは、データ速度及びスペクトル効率を向上させるための単一の進化パスを提供するように設計され、更に多くの機能の提供を可能にする。
【0032】
限定としてではなく一例として、本開示は、3GPPのリリース13において新技術NB-IOTを使用することができる。低価格のIoTアプリケーションは、この技術に適合することができる。NB-IoTの標準化の完了に伴うIoT市場に対処する努力を要した。NB-IoT技術は、認可された帯域に実装された。LTE(登録商標)の認可された帯域は、この技術を活用するために使用される。この技術は、18 kHzの最小システム帯域幅を利用する、すなわち、この技術には、一つのPRB(物理リソースブロック)が割り当てられる。NB-IoTを、別個のRAT(無線アクセス技術)と見なすことができる。NB-IoTを、「インバンド」、「ガードバンド」及び「スタンドアロン」の三つのモードで展開することができる。「インバンド」動作では、LTE(登録商標)キャリア内に存在するリソースブロックが使用される。NB-IoTに使用されないLTE(登録商標)信号の同期用に容易された特定のリソースブロックが存在する。「ガードバンド」動作では、どの事業者も利用していないLTE(登録商標)キャリア間のリソースブロックが使用される。「スタンドアロン」動作では、GSM(登録商標)周波数が使用される又は場合によっては未使用のLTE(登録商標)帯域が使用される。リリース13は、不連続受信(eDRX)及び省電力モードのような重要な改良点を有する。PSM(省電力モード)は、リリース12でバッテリーの寿命を保証し、更に頻繁にデータを受信する必要があるデバイス用にeDRXによって完成される。
【0033】
図2Bは、本開示の実施形態によるシステム又は計画サーバの例示的な表現を示す。
【0034】
一態様では、システム(106)/ユーザ機器102は、一つ以上のプロセッサ202を備えてもよい。一つ以上のプロセッサ202を、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドデジタルプロセッサ、中央処理装置、論理回路及び/又は操作命令に基づいてデータを処理するデバイスとして実現してもよい。他の機能の中で、一つ以上のプロセッサ202を、システム106のメモリ204に格納されたコンピュータ可読命令をフェッチ及び実行するように構成してもよい。メモリ204を、ネットワークサービスを介してデータパケットを作成又は共有するためにフェッチ及び実行してもよい非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の一つ以上のコンピュータ可読命令又はルーチンを格納するように構成してもよい。メモリ206は、例えば、RAMのような揮発性メモリ又はEPROM、フラッシュメモリ等のような不揮発性メモリ、フラッシュメモリなどを含む任意の非一時的記憶装置を備えてもよい。
【0035】
一実施形態では、モデリングシステム106/ユーザ機器(102)は、(一つ以上の)インタフェース204を有してもよい。(一つ以上の)インタフェース204は、様々なインタフェース、例えば、I/O装置と称されるデータ入出力装置、記憶装置等のためのインタフェースを備えてもよい。(一つ以上の)インタフェース204は、モデリングシステム106の通信を容易にすることができる。(一つ以上の)インタフェース204は、ユーザ機器102の一つ以上の構成要素のための通信経路を提供してもよい。そのような構成要素の例は、(一つ以上の)処理エンジン208及びデータベース210を含むが、それに限定されない。
【0036】
(一つ以上の)処理エンジン208を、処理エンジン208の一つ以上の機能を実装するハードウェア及びプログラミング(例えば、プログラム可能な命令)の組合せとして実装してもよい。ここに記載の例では、ハードウェアとプログラミングのそのような組合せを、いくつかの異なる方法で実装してもよい。例えば、(一つ以上の)処理エンジン208のためのプログラミングは、非一時的な機械可読記憶媒体に格納されたプロセッサ実行可能命令であってもよく、(一つ以上の)処理エンジン208のためのハードウェアは、そのような命令を実行する処理リソース(例えば、一つ以上のプロセッサ)を備えてもよい。本実施例では、機械可読記憶媒体は、処理リソースによって実行されるとき、処理エンジン208を実装する命令を記憶することができる。そのような例では、システム106/ユーザ機器102は、命令を格納する機械可読記憶媒体及び命令を実行するための処理リソースを備えてもよい、又は、機械可読記憶媒体は、別個であるがシステム106/ユーザ機器102及び処理リソースにアクセス可能であってもよい。他の例では、(一つ以上の)処理エンジン208を、電子回路によって実装してもよい。
【0037】
処理エンジン208は、グリッド生成エンジン212、人工知能(AI)エンジン214及び他のエンジン216のいずれかから選択される一つ以上のエンジンを有してもよい。
【0038】
例示的な実施形態では、グリッド生成エンジンを、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築するように構成してもよい。複数のグリッドは、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器に関連する複数のマクロセル及びスモールセルに対応する。AIエンジン214を、エリアから観察されたグリッドの空間的測定に関連するサンプルのセットを抽出するように構成してもよい。空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連してもよい。AIエンジン214は、抽出されたサンプルのセットを複数のグリッドにマッピングしてもよく、したがって、AIエンジン214は、マッピングした抽出されたサンプル及び展開基準に基づいて、各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定してもよい。
【0039】
図3は、本開示の実施形態による通信展開ソリューションを容易にするための方法を示す例示的な方法の流れ図を示す。
【0040】
ステップ402において、方法は、事前に定義されたサイズの複数のグリッドを構築するステップを有する。複数のグリッドは、ネットワークに動作可能に結合された複数のユーザ機器に関連する複数のマクロセル及びスモールセルに対応する。さらに、ステップ404において、方法は、サンプルのセットを抽出するステップを有する。抽出されたサンプルのセットは、エリアから観察されたグリッドの空間的測定に関連し、空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類並びにセル容量インジケータに関連する。
【0041】
さらに、ステップ404において、方法は、抽出されたサンプルのセットを複数のグリッドにマッピングするステップを有し、マッピングした抽出されたサンプルのセット及び展開基準に基づいて、複数のグリッドの各グリッドの一つ以上のソリューションセットを決定するステップ406を有する。
【0042】
一態様では、方法は、既存の通信展開の一部であるエリアAにおける好適なオーバーレイ展開ソリューションの自動計画を有し、方法は、計画サーバによって実行され、方法は、通信エリアAで観測された各空間的測定サンプルを、限定されないサイズGAの矩形の空間グリッドにマッピングすることによって、既存の通信エリアAのサイズGAの矩形グリッドの収集を構築することを有する。
【0043】
別の実施形態では、方法は、各グリッドについて一つ以上の集約されたパラメータを計算することを更に有し、集約は、グリッドにマッピングされる全ての測定サンプルに対して行われる。さらに、方法は、フィルタ処理されたグリッドGFのセットについての全ての可能な展開ソリューションSTの収集を構築することを有し、ソリューションセットは、GFの各グリッドに関して全ての可能な展開シナリオを計算することによって構築される。各展開ソリューションは、ソリューションが構築されているグリッドによってインデックス付けされる。さらに、方法は、ソリューションセットSTの各ソリューションについて一つ以上の集約されたパラメータを計算することを含み、集約は、展開ソリューションがカバーする全てのグリッドに亘って行われ、各ソリューションについて計算された一つ以上の集約されたパラメータの値に基づいて、全ての可能な展開ソリューションSTの収集をフィルタ処理し、フィルタ処理されたソリューションのセットはSFと称され、最終的に、フィルタ処理されたソリューションのセットSFから展開ソリューションのサブセットSを、エリアAについてのオーバーレイ展開ソリューションの最終セットとして選択する。
【0044】
さらに、本開示の実施形態は、無線ネットワークの計画に関連してもよく、様々なサブ要素を含み、各空間的測定サンプルは、緯度及び経度、消費されたトラフィック、サービングセル識別子、ユーザの携帯電話機の分類、セル容量インジケータ等の値を提供してもよい。別の実施形態では、グリッドサイズは、計画実行のために設定可能であってもよく、グリッドを、グリッドの重心の緯度及び経度によって識別してもよい。各グリッドに対するサンプルのセット又は集約されたパラメータは、消費された総トラフィック、サービングセル識別子のリスト、ユーザの携帯電話機の分類のマップ、集約されたセル容量インジケータのマップ等であってもよい。
【0045】
さらに別の実施形態では、GFは、グリッドトラフィックしきい値(GTH)と称する特定のしきい値未満の総トラフィックを有する可能性があるグリッドを除去することによって構成される。さらに、GTHを、設定可能にすることができる。GFを、設定可能なしきい値未満の支配的なセルの容量インジケータを有するグリッドを含めることによって構成してもよい。ソリューションセットは、GFの各グリッドのマクロソリューションと屋外スモールセル(ODSC)ソリューションのいずれか又は組合せを有してもよい。
【0046】
さらに別の実施形態では、GFのグリッドに対して計画された各マクロソリューションは、グリッド内の場所にマッピングされてもよく、かつ、全ての方向の設定可能な最小カバレージ半径に及んでもよく、GFのグリッドに対して計画された各マクロソリューションは、マクロソリューションの最小カバレージ半径で囲まれたグリッドのリストを有してもよく、GFのグリッドに対して計画された各マクロソリューションは、集約された総トラフィック、ユーザの携帯電話機の分類の集約されたマップ及びセル容量インジケータの集約されたマップのようなパラメータを有してもよく、集約は、マクロソリューションの最小カバレージ半径で囲まれた全てのグリッドで行われる。
【0047】
例示的なものであるが限定されるものではない例示的な実施形態では、GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、1+0構成のグリッドの場所にマッピングされてもよいが、それに限定されず、それは、ODSCロケーションが主に親グリッドのみのカバレージを提供してもよいがそれに限定されないことを意味する。別の実施形態では、GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、1+1構成のグリッドの場所にマッピングされてもよいが、それに限定されず、それは、ODSCロケーションが主にGFの隣接するグリッドの可用性に応じて親グリッド及び一つ以上の隣接するグリッドのカバレージを提供してもよいことを意味し、GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、1+2構成のグリッドの場所にマッピングされてもよいがそれに限定されず、それは、ODSCロケーションが主にGF内の少なくとも二つの隣接するグリッドの可用性に応じて親グリッド及び少なくとも二つの隣接するグリッドのカバレージを提供してもよいがそれに限定されないことを意味する。別の例示的な実施形態では、限定的ではないが、GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、1+3構成のグリッドの場所にマッピングされてもよいが、それに限定されず、それは、GFの少なくとも三つの隣接するグリッドの可用性に応じて親グリッド及び少なくとも三つの隣接するグリッドのカバレージを提供してもよいがそれに限定されないことを意味する。
【0048】
さらに別の例示的な実施形態では、GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、親グリッド及び0個以上の隣接するグリッドを有してもよい。GFのグリッドに対して計画された各ODSCソリューションは、集約された総トラフィック、ユーザの携帯電話機の分類の集約されたマップ、集約されたセル容量インジケータ等のようなパラメータを有してもよく、集約は、ODSCソリューションの部分を形成する親グリッド及び0個以上の隣接するグリッドで行われる。さらに別の例示的な実施形態では、設定可能なしきい値を超える集約されたトラフィックを有するソリューションのセットは、フィルタ処理されたソリューションのセットSFに含まれてもよい。設定可能なしきい値を超える特定のカテゴリを超える携帯電話機の集約された数を有するソリューションのセットは、フィルタ処理されたソリューションのセットSFに含まれてもよい。
【0049】
さらに別の例示的な実施形態では、設定可能なしきい値未満の集約されたセル容量インジケータを有するソリューションのセットは、フィルタ処理されたソリューションのセットSFに含まれてもよく、SFにおけるソリューションの最終セットを選択するために、マクロソリューションは、ODSCソリューションよりも高い優先度で反復されてもよい。マクロソリューションの反復を開始する前に、マクロソリューションを、各マクロソリューションに対して計算された一つ以上のパラメータに基づいて順序付けてもよい。例示的な実施形態では、反復中に、マクロソリューションの選択時に(残りのマクロソリューション及びODSCソリューションを含む)残りの全てのソリューションが選択したマクロソリューションとのグリッドオーバーラップについてのチェックが行われるとともにオーバーラップが見つかった場合にソリューションのセットを反復リストから破棄してもよいという条件に応じてマクロソリューションを反復の順序で選択してもよい。別の実施形態では、SFにおけるソリューションの最終セットを選択するために、マクロソリューションの選択後に残りのODSCソリューションを反復してもよく、反復は、ODSCソリューションを選択するために行われる。ODSCソリューションをそれぞれ1+3、1+2、1+1、1+0の順序で反復してもよいが、それに限定されない。反復中、ODSCソリューションの選択時に残りの全てのODSCソリューションが選択したODSCマクロソリューションとのグリッドオーバーラップについてのチェックが行われるとともにオーバーラップが見つかった場合にODSCソリューションのセットを反復リストから破棄してもよいという条件に応じてODSCソリューションを反復の順序で選択してもよい。
【0050】
図4は、提案した発明の主要な態様による自動計画パイプラインを示す。(以下、パイプラインとも称する)計画パイプラインを、計画サーバで実行してもよい。さらに、計画パイプラインは、計画エリアAについて期間Tの間にキャプチャされたジオロケーションサンプルの収集で動作してもよい。図4に示すように、パイプラインの最初のステップ400は、各空間サンプルを特定のサイズの地理的な空間長方形グリッドにマッピングする。グリッドのサイズは、設定可能であってもよい。サンプルをグリッドにマッピングした後、ステップ402は、各グリッドのパラメータのセットを計算し、パラメータは、グリッドにマッピングされたサンプルに含まれる様々なデータを集約することによって計算される。次に、ステップ404は、計画パイプラインごとに個別に定めることができる一つ以上の条件に基づいてグリッドをフィルタ処理する。ステップ406は、フィルタ処理された各グリッドのソリューションを計画するために、フィルタ処理されたグリッドのセットを操作する。各グリッドのソリューションを、マクロソリューション及び一つ以上の屋外スモールセルソリューションで構成することができる。各グリッドの複数の屋外ソリューションが可能であり、各ソリューションは、親グリッド及び特定の数の隣接グリッドをカバーすることを目的とする。ステップ408は、ステップ404によって計算された各ソリューションのパラメータのセットを計算し、パラメータのセットは、ソリューションによって影響が及ぼされる全てのグリッドのパラメータを集約することによって計算される。ステップ410は、各計画パイプラインに個別に定めることができるソリューションパラメータの一つ以上の条件に基づいて様々なソリューションをフィルタ処理する。ステップ412は、計画パイプラインの出力としての最終的なソリューションサブセットを作成するために、フィルタ処理されたソリューションのセットを操作する。最終的なソリューションサブセットを取得するために、ステップ412は、フィルタ処理されたソリューションを特定の順序で反復することができる。各反復ステップについて、優先順位の高いソリューションが選択され、その後、選択されたソリューションとオーバーラップする他の全てのソリューションが削除される。優先順位は、各パイプラインについて設定可能であってもよい。
【0051】
図5は、本発明の様々な態様による計画サーバの様々なモジュールを示す。502は、Planning Pipeline executor(PPE)と称する計画サーバの主要モジュールである。PPEは、Oracle(登録商標)、PostgreSQL(登録商標)等のような一般的なデータベースのいずれかによって実装することができるデータベース504から未実行の計画要求を取得する。計画要求は、要求ID、様々な設定可能なパラメータの値及び空間サンプルデータを取得するための詳細によって構成することができ、空間データの詳細は、ストレージモジュール504の空間サンプルの位置情報、関心のある時間及び所望の計画エリアから構成される。ストレージモジュール504を、Hadoop分散ファイルシステム(HDFS)を含むがそれに限定されない任意のストレージフレームワークによって実装することができる。HDFSは、信頼性が高くて効率的な方法で分散マシン全体に大量のデータを保存することができる。Planning Pipeline Executorを、モノリシックソフトウェアアプリケーションによって実装してもよい又は一連の調整されたマイクロサービスによって実装してもよい。各マイクロサービスは、パイプライン実行の特定の部分を対象とする。さらに、パイプラインエグゼキュータを、一連の調整されたApache Spark(登録商標)アプリケーションによって実装することができ、各アプリケーションは、パイプライン実行の特定の部分を対象とする。Spark(登録商標) Jobsを使用した埋め込みは、パイプラインエグゼキュータが何億もの空間サンプルを処理する必要がある計画要求を実行するために望ましい。508及び510は、計画サーバの様々なモジュールの実行を可能にするための計画サーバのCPU及びRAMを示す。
【0052】
図6は、親グリッドに関する屋外スモールセルソリューションの可能なオプションの様々な例を示す。例示として、1+1方向の屋外スモールセルソリューション(ODSC)を例として示すが、限定として示さない。これは、ODSCが計画されるグリッドに隣接する少なくとも一つのグリッドがある場合に可能である。この方向では、ODSCソリューションは、二つのグリッドの共通の境界に近い適切な場所に適切な方向で二つのODSCセルを設置することによって二つのグリッドをカバーすることができる。701は、1+0方向の屋外スモールセルソリューション(ODSC)を示す。これは、ODSCソリューションがグリッドに関して計画されるときに常に可能である。この方向では、ODSCソリューションは、下にあるグリッドの中心に近い適切な場所でのみ下にあるグリッドをカバーすることができる。702は、1+2方向の屋外スモールセルソリューション(ODSC)を示す。これは、ODSCが計画されるグリッドに隣接して少なくとも二つのグリッドがあるときに可能である。この方向では、ODSCソリューションは、三つのグリッドの交点の角に近い適切な位置に適切な方向で三つのODSCセルを設置することによって三つのグリッドをカバーすることができる。703は、1+3方向の屋外スモールセルソリューション(ODSC)を示す。これは、ODSCが計画されるグリッドに隣接して少なくとも三つのグリッドがあるときに可能である。この方向では、ODSCソリューションは、四つのグリッドの交点の角に近い適切な位置に適切な方向に四つのODSCセルを設置することによって四つのグリッドをカバーすることができる。
【0053】
図7は、親グリッド701に関するマクロソリューションの例を示す。702は、「マクロソリューションの最小オーバーラップ半径」と称する設定可能なパラメータによって支配されるマクロソリューションのカバレージエリアを示す。703は、マクロソリューションのカバレージエリアに含まれる他のグリッドのセットを示す。これらのグリッドの全てを、マクロソリューションの子グリッドと称する。
【0054】
ここでは、開示した実施形態にかなりの重点を置いているが、本発明の原理から逸脱することなく多くの実施形態が可能であるとともに実施形態に多くの変更を加えることができることが理解される。本発明の実施形態におけるこれらの変更及び他の変更は、当業者には明らかであり、それにより、実施される上記の説明事項が例示的であるとともに非限定的であることを理解すべきである。
【0055】
現在の開示の利点
本開示は、計画段階で計画要件をリアルタイムで微調整するための設定パラメータに関する様々なノブを容易にするシステムを提供する。
【0056】
本開示は、信頼性及びスケーラビリティを確保するとともに独立したモジュールで実装するパイプライン方式の実装を容易にするシステムを提供する。
【0057】
本開示は、次世代通信ネットワーク向けのマクロセルソリューションと屋外スモールセルソリューションの両方の計画アプローチを提供する。
【0058】
本開示は、次世代通信ネットワークのためのマクロセルソリューションと屋外スモールセルソリューションの両方のための計画アプローチを提供する。
【0059】
本開示は、異機種ネットワークにODSCセル及びマクロセルを展開するように費用効果の高い方法で既存のネットワークにマクロセル計画とスモールセル計画の両方について結合ネットワークから所望のKPIを達成するために、既存の通信展開を補完するシステムを提供する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】