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特開2022-87108端末装置、情報通信方法、及び情報通信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087108
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】端末装置、情報通信方法、及び情報通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20220602BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20220602BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20220602BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20220602BHJP
   H04L 67/01 20220101ALI20220602BHJP
【FI】
H04M1/00 Q
H04W88/06
H04W48/18
H04W48/16 130
H04L67/01
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040150
(22)【出願日】2022-03-15
(62)【分割の表示】P 2020074629の分割
【原出願日】2020-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】土屋 仁
(72)【発明者】
【氏名】小村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】根岸 宏明
(57)【要約】
【課題】デバイスの分離使用又は端末装置のシンクライアント及びファットクライアントの併用を、低コストに実現することのできる端末装置、情報通信方法、及び情報通信プログラムを提供する。
【解決手段】端末装置10は、デバイスユニット50を取り付け及び分離可能な端末装置10であって、デバイスユニット50の取り付け又は分離を検出する検出部11と、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定する設定部12と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置であって、
前記デバイスの取り付け又は分離を検出する検出部と、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定部と、を備える、
端末装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記デバイスの取り付けが検出されたときに前記第1ドライバを設定し、前記デバイスの分離が検出されたときに前記第2ドライバを設定する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1通信方式は有線の通信方式に関するものであり、前記第2通信方式は無線の通信方式に関するものである、
請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記デバイスは、衛星測位システムの受信機を含み、
設定された前記第1ドライバ又は前記第2ドライバを用いて、前記デバイスから前記衛星測位システムの測位による位置情報を受信する受信部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置であって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出部と、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定部と、を備える、
端末装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記サーバからのログアウトが検出されたときに前記第1ドライバを設定し、前記サーバへのログインが検出されたときに前記第2ドライバを設定する、
請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記第1通信方式は有線の通信方式に関するものであり、前記第2通信方式は無線の通信方式に関するものである、
請求項5又は6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記サーバとの通信時間、前記サーバとの通信データ量、及び前記サーバと通信可能なエリアのうちの少なくとも1つに基づいて、前記サーバからログアウトさせるログアウト部をさらに備える、
請求項5から7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記サーバからのログアウトが検出されたときに、前記ソフトウェアの一部を使用不能にする停止部をさらに備える、
請求項5から8のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項10】
デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置の情報通信方法であって、
前記デバイスの取り付け又は分離を検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む、
情報通信方法。
【請求項11】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置の情報通信方法であって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む、
情報通信方法。
【請求項12】
デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置のコンピュータに実行させる情報通信プログラムであって、
前記デバイスの取り付け又は分離を検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記デバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む、
情報通信プログラム。
【請求項13】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置のコンピュータに実行させる情報通信プログラムであって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む、
情報通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、情報通信方法、及び情報通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置として、第1及び第2の筐体と入力キーを有し、第2筐体は、第1筐体に対しクローズしている第1の形態と、第1の形態から第1筐体に対してスライドさせた第2の形態と、第1筐体と分離している第3の形態とを含む変形形態をとり、入力キーは、第1筐体の表面上であって、第1の形態及び第2の形態では第2筐体によって覆われ、第3の形態では露出する位置に設けられているものが知られている(特許文献1参照)。この携帯端末装置は、第2筐体の分離前には露出しない領域を入力キーの領域として有効活用することができ、分離状態でのキー入力の操作性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-288065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、デバイスを分離し、端末装置と連携して使用可能にする場合、端末装置において、サブルーチンやクラス等のアプリケーションフレームワーク(以下、単に「フレームワーク」ともいう)を変更する必要が生じる。また、フレームワークの変更に伴い、アプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」又は「アプリ」ともいう)を修正しなければならないことがある。
【0005】
また、端末装置をサーバに接続するシンクライアントとしてだけではなく、ファットクライアントとしても利用可能にする場合も、同様に、フレームワーク及び/又はアプリケーションを修正する必要がある。
【0006】
そのため、このようなデバイスの分離使用を可能にしたり、端末装置のシンクライアント及びファットクライアントの併用を可能にしたりすると、変更にかかるコストは増える傾向にあった。
【0007】
そこで、本発明は、デバイスの分離使用又は端末装置のシンクライアント及びファットクライアントの併用を、低コストに実現することのできる端末装置、情報通信方法、及び情報通信プログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る端末装置は、デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置であって、デバイスの取り付け又は分離を検出する検出部と、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定部と、を備える。
【0009】
本発明の一側面に係る端末装置は、サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置であって、サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出部と、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定部と、を備える。
【0010】
本発明の一側面に係る情報通信方法は、デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置の情報通信方法であって、デバイスの取り付け又は分離を検出する検出ステップと、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む。
【0011】
本発明の一側面に係る情報通信方法は、サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置の情報通信方法であって、サーバへのログイン又はサーバからのログアウトを検出する検出ステップと、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む。
【0012】
本発明の一側面に係る情報通信プログラムは、デバイスを取り付け及び分離可能な端末装置のコンピュータに実行させる情報通信プログラムであって、デバイスの取り付け又は分離を検出する検出ステップと、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む。
【0013】
本発明の一側面に係る情報通信プログラムは、サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置のコンピュータに実行させる情報通信プログラムであって、サーバへのログイン又はサーバからのログアウトを検出する検出ステップと、検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、デバイスの分離使用又は端末装置のシンクライアント及びファットクライアントの併用を、低コストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における情報通信システムの概略構成の一例を示す構成図である。
図2図2は、第1実施形態における端末装置及びデバイスユニットのハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図3図3は、第1実施形態における端末装置の機能ブロック構成の一例を示す構成図である。
図4図4は、第1実施形態における端末装置及びデバイスユニットのアーキテクチャを示す概念図である。
図5図5は、第1実施形態における端末装置及びデバイスユニットのアーキテクチャを示す概念図である。
図6図6は、第1実施形態における情報通信システムが行う処理手順の第1例を説明するためのタイムチャートである。
図7図7は、第1実施形態における情報通信システムが行う処理手順の第2例を説明するためのタイムチャートである。
図8図8は、第1実施形態における端末装置が行う情報通信処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態における情報通信システムの概略構成の一例を示す構成図である。
図10図10は、第2実施形態における端末装置の機能ブロック構成の一例を示す構成図である。
図11図11は、第2実施形態における情報通信システムが行う処理手順の一例を説明するためのタイムチャートである。
図12図12は、第2実施形態における端末装置が行う情報通信処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。さらに、本発明の技術的範囲は、当該実施形態に限定して解するべきではない。
【0017】
[第1実施形態]
まず、図1を参照しつつ、第1実施形態に従う情報通信システムの概略構成について説明する。図1は、第1実施形態における情報通信システム100の概略構成の一例を示す構成図である。
【0018】
図1に示すように、情報通信システム100は、端末装置10と、デバイスユニット50と、を備える。端末装置10とデバイスユニット50とは、ネットワークNWを介して相互にデータを送受信可能、つまり、通信可能に構成されている。
【0019】
ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PAN(Personal Area Network)、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、又は、これらの組み合わせ等のいずれであってもよい。また、ネットワークNWは、有線であるか、無線であるか、有線と無線との組み合わせであるかを問わない。
【0020】
端末装置10は、デバイスユニット50を取り付け及び分離可能に構成されている。図1では、端末装置10からデバイスユニット50を分離した状態を示している。端末装置10は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、個人情報端末(PDA)、タブレット端末、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、ウェアラブル端末等の携帯型情報通信機器である。
【0021】
デバイスユニット50は、端末装置10に取り付けられた状態及び端末装置10から分離された状態の両方で、動作可能に構成されている。
【0022】
<ハードウェア構成>
次に、図2を参照しつつ、第1実施形態に従う端末装置及びデバイスユニットのハードウェア構成について説明する。図2は、第1実施形態における端末装置10及びデバイスユニット50のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0023】
図2に示すように、端末装置10及びデバイスユニット50は、それぞれ、例えば、プロセッサ21、メモリ22、記憶装置23、通信装置24、入力装置25、出力装置26、及びアンテナ27を備える。
【0024】
プロセッサ21は、端末装置10又はデバイスユニット50の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))、SoC(Sysmtem-on-a-Chip)等の集積回路を含んで構成される。
【0025】
メモリ22及び記憶装置23は、それぞれ、プログラムやデータ等を記憶するように構成されている。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及び/又はRAM(Random Access Memory)等から構成される。記憶装置23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及び/又はeMMC(embedded Multi Media Card)等のストレージから構成される。
【0026】
通信装置24は、有線及び無線ネットワークを介して通信を行うように構成されている。通信装置24は、例えば、ネットワークカード、通信モジュール等を含んで構成される。また、通信装置24には、アンプ、無線信号に関する処理を行うRF(Radio Frequency)装置と、ベースバンド信号処理を行うBB(BaseBand)装置とを含んで構成されていてもよい。
【0027】
RF装置は、例えば、BB装置から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital to Analog)変換、変調、周波数変換、電力増幅等を行うことで、アンテナ27から送信する無線信号を生成する。また、RF装置は、アンテナ27から受信した無線信号に対して、周波数変換、復調、A/D(Analog to Digital)変換等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成してBB装置に送信する。BB装置は、デジタルベースバンド信号をIPパケットに変換する処理、及び、IPパケットをデジタルベースバンド信号に変換する処理を行う。
【0028】
入力装置25は、ユーザの操作により情報を入力できるように構成されている。入力装置25は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、ポインティングデバイス、及び/又はマイク等を含んで構成される。
【0029】
出力装置26は、情報を出力するように構成されている。出力装置26は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示装置、及び/又はスピーカ等を含んで構成される。
【0030】
図示を省略するが、デバイスユニット50は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システム(全世界測位システム(GNSS:Global Nvigation Satellite System)ともいう)の受信機を備える。また、デバイスユニット50は、方位センサ、重力センサ、温度センサ、加速度センサ等のセンサ、及びカメラ等の各種のデバイスのうち、少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
【0031】
同様に、端末装置10は、前述した各種のセンサ、指紋、網膜、虹彩、顔、声紋等の各種の生体認証装置、カメラ、ライト等の各種のデバイス、及び接続端子を含む入出力インターフェース等のうち、少なくとも1つを備えていてもよい。
【0032】
<機能ブロック構成>
次に、図3を参照しつつ、第1実施形態に従う端末装置の機能ブロック構成について説明する。図3は、第1実施形態における端末装置10の機能ブロック構成の一例を示す構成図である。なお、図3は、本実施形態において必要な機能ブロックを示すためのものであり、端末装置10が図示以外の機能ブロックを備えることを排除するものではない。
【0033】
図3に示すように、端末装置10は、機能ブロックとして、検出部11と、設定部12と、受信部13と、を備える。
【0034】
検出部11は、デバイスユニット50の取り付け又は分離を検出するように構成されている。
【0035】
例えば、端末装置10及びデバイスユニット50は、それぞれ、USB(Universal Serial Bus)コネクタを備え、端末装置10はUSBデバイスのホットプラグ(プラグアンドプレイともいう)に対応している。端末装置10のUSBコネクタにデバイスユニット50のUSBコネクタが挿入されると、あるいは、USBケーブルを介して端末装置10とデバイスユニット50とが電気的に接続されると、端末装置10のUSBバスドライバがデバイスユニット50との接続を検出し、USBエニュメレーションが開始される。そして、USBエニュメレーションが完了すると、端末装置10とデバイスユニット50との間で、USBの信号線を介してシリアル通信(シリアル伝送)が可能になる。この場合、検出部11は、USBエニュメレーションが完了したことにより、デバイスユニット50の取り付けを検出する。一方、USBバスドライバがデバイスユニット50との接続を検出しない場合、デバイスユニット50が取り付けられていないと考えられる。あるいは、USBエニュメレーションの完了後、所定時間通信がない場合、デバイスユニット50が取り外されたものと考えられる。この場合、検出部11は、USBエニュメレーションが開始しない、又は、USBエニュメレーションの完了後に通信がないことにより、デバイスユニット50の分離を検出する。
【0036】
設定部12は、検出部11による検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスと通信を行う第2ドライバを設定するように構成されている。
【0037】
第1ドライバ及び第2ドライバは、それぞれ、端末装置10が備えるハードウェア又は端末装置10に接続されたハードウェアを、オペレーティングシステムによって制御するためのデバイスドライバである。一般に、デバイスドライバは、ハードウェアであるデバイスと、ソフトウェアであるオペレーティングシステム、特にその一部であるAPI(Application Programming Interface)との間の対応を受け持つ。
【0038】
第1ドライバは、例えば、USBの信号線を介してデバイスユニット50と通信を行うドライバである。この場合、第1通信方式は、USB規格に従う有線の通信方式である。
【0039】
一方、第2ドライバは、例えば、無線LANや移動体通信網等の無線ネットワークを介してデバイスユニット50と通信を行うドライバである。この場合、第2通信方式は、IEEE802.11a、IEEE802.11g、IEEE802.11ac等のWi-Fi、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、ブルートゥース(登録商標)、RoLa(又はRoLaWAN)、NB-IoT、EnOcean等のLPWA(Low Power Wide Area)、MQTT(Message Queueing Telemetry Transport)等の規格に従う無線の通信方式である。
【0040】
より詳細には、設定部12は、デバイスユニット50の取り付けが検出されたときに第1ドライバを設定し、デバイスユニット50の分離が検出されたときに前記第2ドライバを設定するように、構成されている。これにより、デバイスユニット50の取り付け時及び分離時に、第1ドライバ及び第2ドライバを容易に使い分けることができる。
【0041】
受信部13は、設定された第1ドライバ又は第2ドライバを用いて、デバイスユニット50から衛星測位システムの測位による位置情報を受信するように、構成されている。
【0042】
なお、検出部11及び設定部12は、プロセッサ21が、記憶装置23に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。受信部13は、例えばアンテナ27及び通信装置24により実現されてもよいし、通信装置24に加えてプロセッサ21が記憶装置23に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。プログラムを実行する場合、当該プログラムは、記憶媒体に格納されていてもよい。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-Transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は、特に限定されないが、例えば、USBメモリ、又はCD-ROM(Compact Disc ROM)等の記憶媒体であってもよい。
【0043】
<ソフトウェアアーキテクチャ>
次に、図4及び図5を参照しつつ、第1実施形態に従う端末装置及びデバイスユニットのソフトウェアアーキテクチャ(以下、単に「アーキテクチャ」ともいう)について説明する。図4は、第1実施形態における端末装置10及びデバイスユニット50のアーキテクチャを示す概念図である。図5は、第1実施形態における端末装置10及びデバイスユニット50のアーキテクチャを示す概念図である。なお、図4は、端末装置10にデバイスユニット50が取り付けられた状態を示し、図5は端末装置10からデバイスユニット50が分離された状態を示す。
【0044】
図4及び図5に示すように、端末装置10のアーキテクチャは、例えば、カーネル31、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL:Hardware Abstraction Layer)32、オペレーティングシステム(OS:Operating System)33、及びアプリケーション34を含む階層構造を有している。
【0045】
カーネル31は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、カメラ、USB機器、Wi-Fiモジュール等のデバイスのそれぞれに対し、ドライバを提供する。カーネル31には、前述した第1ドライバ及び第2ドライバも含まれる。
【0046】
ハードウェア抽象化レイヤ32は、ハードウェアを抽象化するためのものであり、ハードウェアとソフトウェアとの間に存在する。ハードウェア抽象化レイヤ32は、ハードウェアごとに異なる差異を隠す(見えなくする)機能を有する。そのため、ハードウェア抽象化レイヤ32より上の階層では、ハードウェアによる差異を意識することなく、ソフトウェアを設計、コーディングすることが可能となる。前述した検出部11、設定部12、及び受信部13のうち、少なくとも設定部12は、例えば、このハードウェア抽象化レイヤ32のプログラムとして組み込まれ、実装される。
【0047】
オペレーティングシステム33は、例えば、ネイティブCライブラリ、ネイティブC++ライブラリ、ランタイムライブラリ等のライブラリ、及びアプリケーションを実行するための枠組みを提供するフレームワークを含む。また、オペレーティングシステム33には、サブルーチン、クラス、各アプリケーションに対して当該アプリケーション利用するための機能や関数をまとめたAPI等が含まれていてもよい。
【0048】
アプリケーション34は、例えば、通話アプリ、メールアプリ、カメラアプリ、カレンダアプリ、地図アプリ等、端末装置10に当初からインストールされているアプリケーションを含む。
【0049】
デバイスユニット50のアーキテクチャは、端末装置10と同様に、例えば、カーネル41、ハードウェア抽象化レイヤ42、オペレーティングシステム43、及びアプリケーション44を含む階層構造を有している。なお、カーネル41、ハードウェア抽象化レイヤ42、オペレーティングシステム43、及びアプリケーション44は、それぞれ、前述したカーネル31、ハードウェア抽象化レイヤ32、オペレーティングシステム33、及びアプリケーション34と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
デバイスユニット50は、例えば、図示しないGPS受信機を含んでおり、アプリケーション44は、GPSを利用してデバイスユニット50の位置測定を行う。この位置測定によって、GPS受信機は位置情報を取得する。
【0051】
図4に示すように、端末装置10にデバイスユニット50が取り付けられた状態では、デバイスユニット50の受信機が取得した位置情報は、有線の通信方式である第1通信方式を用いて、有線で伝送される。この場合、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の取り付けを検出し、設定部12は、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバを設定する。そして、受信部13は、設定された第1ドライバを用いて、デバイスユニット50から位置情報を受信する。
【0052】
一方、図5に示すように、端末装置10にデバイスユニット50から分離された状態では、デバイスユニット50の受信機が取得した位置情報は、無線の通信方式である第2通信方式を用いて、ネットワークNWを介して無線で伝送される。この場合、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の分離を検出し、設定部12は、第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定する。そして、受信部13は、設定された第2ドライバを用いて、デバイスユニット50から位置情報を受信する。
【0053】
このように、デバイスユニット50の取り付け又は分離の検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定することにより、デバイスユニット50の取り付け及び分離に伴うデバイスユニット50との通信の差異を、ハードウェアであるデバイスユニット50とAPIとの間の対応を受け持つ第1ドライバ及び第2ドライバで吸収することが可能になる。従って、従来と比較して、オペレーティングシステム33等のフレームワーク及びアプリケーション34の変更が少なく、デバイスユニット50の分離使用を低コストに実現することができる。
【0054】
なお、デバイスユニット50が取得する情報は、前述した位置情報のみに限定されるものでない。デバイスユニット50は、デバイスの種類に応じて様々な情報を取得することができる。取得した情報は、位置情報と同様に、端末装置10に送信されてもよい。例えば、デバイスユニット50は、加速度センサから加速度を取得することで、経過時間と加速度からおおよその移動距離を割り出すことができる。また、気圧センサから気圧を取得することで、標高を割り出すことができる。また、ジャイロセンサから端末の傾きの変化を取得することで、加速度センサと組み合わせて、デバイスユニット50を所持するユーザの歩数や動作などを割り出すことができる。当該計算ロジックはデバイスユニット50又は端末装置10で持つことが可能である。また、デバイスユニット50が歩数や動作を割り出す場合は、歩数の値を端末装置10へ送出する。また、地磁気センサから地磁気情報を取得することで、端末の向いている方角がわかったり、地磁気情報を端末装置10に送出し、端末装置10とサーバの連携で地磁気から屋内測位を行うことが考えられる。また、Wi-FiモジュールからWi-Fiアクセスポイントのスキャン結果、例えばBSSIDを取得することで、端末装置10とWi-Fi測位ソリューション提供ベンダのサーバとの連携でいわゆるWi-Fi測位を行うことができる。また、マイク入力からの音声を取得して端末装置10に送出することで、端末装置10側でデバイスユニット50側の状況判断に利用できる。
【0055】
以上の例では、端末装置10又はデバイスユニット50は、これらのデバイスから取得した値に基づいて、移動距離や歩数等を直接算出してもよいし、デバイスから取得した値を端末装置10が受信し、ネットワークNW上のサードパーティのサーバにデータを送り、当該サーバ上で移動距離や歩数等を算出してもよい。
【0056】
また、これらのデバイスから取得した値を端末装置10へ送出するタイミングは、前述した位置情報と同じタイミングで行ってもよいし、別々に行ってもよい。あるいは、GPS測位が一定時間できない場合に、Wi-Fi測位に必要な情報を端末装置10に送出する等、GPS受信機から位置情報の値を取得できない場合に、これらのデバイスから取得した値を送出してもよい。また、通信によるデバイスユニット50からの問い合わせ、端末装置10からのPush等、どの情報が必要であるかを端末装置10から指示する方法も採用し得る。
【0057】
<処理手順>
次に、図6及び図7を参照しつつ、第1実施形態に従う情報通信システムが行う処理手順について説明する。図6は、第1実施形態における情報通信システム100が行う処理手順の第1例を説明するためのタイムチャートである。図7は、第1実施形態における情報通信システム100が行う処理手順の第2例を説明するためのタイムチャートである。なお、図6は端末装置10に取り付けられたデバイスユニット50を分離する場合を示し、図7は分離されていたデバイスユニット50を端末装置10に取り付ける場合を示す。
【0058】
(情報通信システムの第1例の処理手順)
図6に示すように、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の取り付けを検出する(S101)。前述したように、デバイスユニット50がUSBに取り付けられる場合、検出部11は、USBエニュメレーションが完了したか否かに基づいて、デバイスユニット50の取り付けを検出する。
【0059】
次に、端末装置10の設定部12は、デバイスユニット50の取り付けが検出されたので、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバを設定する(S102)。第1ドライバは、例えば、USBの接続線を介して通信を行うUSBドライバである。
【0060】
デバイスユニット50は、例えばGPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得する(S103)。位置情報は、例えば緯度及び経度の情報である。また、デバイスユニット50は、定期的に、及び/又は不定期に、位置情報を取得している。なお、デバイスユニット50は、GPS受信機を用いて測位に加えて、例えば、Wi-Fi、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)等を介して、基地局との間で測位を行い、更なる位置情報を取得してもよい。これにより、デバイスユニット50の位置情報の精度を高めることが可能となる。
【0061】
次に、デバイスユニット50は、USBを介して取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第1ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S104)。これにより、デバイスユニット50の位置情報が有線で通信される。
【0062】
ここで、端末装置10からデバイスユニット50が取り外されると、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の分離を検出する(S105)。前述したように、デバイスユニット50がUSBから取り外される場合、検出部11は、USBエニュメレーションの完了後、最後の通信から所定時間が経過したか否かに基づいて、デバイスユニット50の分離を検出する。
【0063】
次に、端末装置10の設定部12は、デバイスユニット50の分離が検出されたので、第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定する(S106)。第2ドライバは、例えば、無線LANを介して通信を行うWi-Fiドライバである。
【0064】
デバイスユニット50は、ステップS103と同様に、GPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得する(S107)。
【0065】
次に、デバイスユニット50は、周辺の無線LANアクセスポイント(以下、単に「アクセスポイント」ともいう)を検索し、アクセスポイントを検出する(S108)。
【0066】
ステップS108の後、無線LANを介してデバイスユニット50は取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第2ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S109)。これにより、デバイスユニット50の位置情報が無線LAN(Wi-Fi)で通信される。
【0067】
一方、デバイスユニット50は、ステップS107と同様に、GPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得し(S110)、周辺のアクセスポイントを検索したところ、移動による位置の変化、又は、信号強度の増加等の通信環境の変化により、アクセスポイントが検出できないことがある(S111)。
【0068】
このとき、SIM(Subscriber Identity Module)カードが挿入されている場合、デバイスユニット50は、移動体通信網を介して取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第2ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S112)。これにより、デバイスユニット50の位置情報がモバイル(移動体通信事業者が提供する回線)で通信される。
【0069】
(情報通信システムの第2例の処理手順)
以下の第2例の処理手順において、第1例の処理手順と重複する内容については、その説明を適宜省略する。
【0070】
図7に示すように、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の分離を検出する(S151)。前述したように、デバイスユニット50がUSBから分離されている場合、検出部11は、USBバスドライバがデバイスユニット50との接続を検出するか否かに基づいて、デバイスユニット50の分離を検出する。
【0071】
次に、端末装置10の設定部12は、デバイスユニット50の分離が検出されたので、第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定する(S152)。第2ドライバは、例えば、無線LANを介して通信を行うWi-Fiドライバである。
【0072】
デバイスユニット50は、GPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得する(S153)。
【0073】
次に、デバイスユニット50は、周辺のアクセスポイントを検索するが、ここでは、アクセスポイントを検出できない(S154)。この場合、デバイスユニット50は、移動体通信網を介して取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第2ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S155)。これにより、デバイスユニット50の位置情報が、移動体通信事業者が提供する回線、つまり、モバイルで通信される。
【0074】
一方、デバイスユニット50は、ステップS153と同様に、GPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得する(S156)。そして、デバイスユニット50は、周辺のアクセスポイントを検索したところ、移動による位置の変化、又は、信号強度の増加等の通信環境の変化により、アクセスポイントが検出できることがある(S157)。
【0075】
この場合、デバイスユニット50は、無線LANを介して取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第2ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S158)。これにより、デバイスユニット50の位置情報が無線LAN(Wi-Fi)で通信される。
【0076】
ここで、端末装置10にデバイスユニット50が取り付けられると、端末装置10の検出部11は、デバイスユニット50の取り付けを検出する(S159)。前述したように、デバイスユニット50がUSBに取り付けられる場合、検出部11は、USBエニュメレーションが完了したか否かに基づいて、デバイスユニット50の取り付けを検出する。
【0077】
次に、端末装置10の設定部12は、デバイスユニット50の取り付けが検出されたので、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバを設定する(S160)。第1ドライバは、例えば、USBの接続線を介して通信を行うUSBドライバである。
【0078】
デバイスユニット50は、例えばGPS受信機を用いて測位を行い、GPS衛星からデバイスユニット50の位置情報を取得する(S161)。
【0079】
次に、デバイスユニット50は、USBを介して取得した位置情報を送信し、端末装置10の受信部13は、第1ドライバを用いてこの位置情報を受信する(S162)。これにより、デバイスユニット50の位置情報が有線で通信される。
【0080】
このように、第1ドライバの第1通信方式は有線の通信方式に関するものであり、第2ドライバの第2通信方式は無線の通信方式に関するものであることにより、取り付けられていたデバイスユニット50を分離したときに、デバイスユニット50との通信を有線通信から無線通信に切り替えることができ、分離されていたデバイスユニット50を取り付けたときに、デバイスユニット50との通信を無線通信から有線通信に切り替えることができる。
【0081】
また、設定された第1ドライバ又は第2ドライバを用いて、デバイスユニット50から衛星測位システムの測位による位置情報を受信することにより、デバイスユニット50の取り付け時には親機である端末装置10の位置情報を得ることができ、デバイスユニット50の分離時には子機であるデバイスユニット50の位置情報を得ることができる。
【0082】
図6及び図7では、デバイスユニット50がUSBに物理的に取り付けられる例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置10をアクセスポイントとして動作するように設定しておき、デバイスユニット50は、テザリングにより端末装置10に無線で接続し、論理的に取り付けられてもよい。この場合、デバイスユニット50は、端末装置10のアクセスポイントを検索する際に、ESSID(Extended Service Set Identifier)の一致に加え、BSSID(Basic Service Set Identifier)の一致を条件として、端末装置10に接続するようにしてもよい。また、端末装置10は、デバイスユニット50による接続を厳密に判定するために、デバイスユニット50のMACアドレスによるフィルタリングを行ってもよい。さらに、デバイスユニット50は、デザリングに代えて、Wi-Fi Direct又はブルートゥース(登録商標)によって、端末装置10に無線で接続し、論理的に取り付けられてもよい。
【0083】
(端末装置の処理手順)
次に、図8を参照しつつ、第1実施形態に従う端末装置が行う処理手順について説明する。図8は、第1実施形態における端末装置10が行う情報通信処理S200の一例を説明するためのフローチャートである。
【0084】
図8に示すように、最初に、検出部11は、デバイスユニット50の取り付けを検出したか否かを判定する(S201)。
【0085】
ステップS201の判定の結果、デバイスユニット50の取り付けを検出した場合、設定部12は、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバを設定する(S202)。
【0086】
一方、ステップS201の判定の結果、デバイスユニット50の取り付けを検出しない場合、検出部11は、デバイスユニット50の分離を検出したか否かを判定する(S203)。
【0087】
ステップS203の判定の結果、デバイスユニット50の分離を検出した場合、設定部12は、第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバを設定する(S204)。
【0088】
一方、ステップS203の判定の結果、デバイスユニット50の分離を検出しない場合、検出部11は、ステップS201に戻り、デバイスユニット50の取り付け又は分離を検出するまで、ステップS201及びステップS203を繰り返す。
【0089】
ステップS202又はステップS204の後、受信部13は、設定された第1ドライバ又は第2ドライバを用いて、デバイスユニット50から位置情報を受信する(S205)。ステップS205で受信した位置情報は、例えば、図4及び図5に示すアプリケーション34の地図アプリにおいて、地図上の位置を表示するために使用される。このとき、当該位置情報が第1ドライバを用いて受信されたものか、あるいは、第2ドライバを用いて受信されたものかは、オペレーティングシステム33上で動作するアプリケーション34に影響を及ぼさない。
【0090】
ステップS205の後、端末装置10は、情報通信処理S200を終了する。
【0091】
なお、本実施形態で説明したシーケンス及びフローチャートは、処理に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えてもよい。
【0092】
[第2実施形態]
【0093】
[第2実施形態]
次に、図9から図12を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は類似の構成について同一又は類似の符号を付している。以下、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同一又は類似する点については説明を省略する。また、同様の構成による同様の作用効果については、逐次言及しない。
【0094】
まず、本発明の第2実施形態に従う情報通信システムの概略構成について説明する。図9は、第2実施形態における情報通信システム100Aの概略構成の一例を示す構成図である。
【0095】
図1に示すように、情報通信システム100Aは、端末装置10Aと、サーバ60と、管理装置70と、を備える。すなわち、情報通信システム100Aは、図1に示すデバイスユニット50に代えて、サーバ60及び管理装置70を備える点で、第1実施形態の情報通信システム100と相違する。端末装置10A、サーバ60、及び管理装置70は、それぞれ、ネットワークNWを介して相互にデータを通信可能に構成されている。
【0096】
サーバ60は、端末装置10Aの親機として動作可能に構成されている。すなわち、端末装置10Aは、サーバ60にログイン(ログオン)又はログアウト(ログオフ)することができる。なお、サーバ60は、端末装置10Aがログインする際に、端末装置10A又は当該端末装置10Aを利用するユーザの認証を行ってもよい。
【0097】
端末装置10Aは、サーバ60にログインしている間、シンクライアントして使用される。すなわち、端末装置10Aでは、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイク、センサ等入力デバイスと、ディスプレイ、スピーカ等の出力デバイスとが主に使用され、サーバ60では、データを記憶するストレージと、フレームワークやアプリケーション等のソフトウェアとが主に使用される。
【0098】
一方、端末装置10Aは、サーバ60からログアウトしている間、ファットクライアントして使用される。すなわち、端末装置10Aは、端末装置10A自体が備える全て又はほぼすべての機能を使用することができる。
【0099】
管理装置70は、情報通信システム100Aの管理者が使用するためのものである。管理装置70は、管理者の操作により、後述するポリシーを設定及び更新することが可能に構成されている。
【0100】
<機能ブロック構成>
次に、図10を参照しつつ、本発明の第2実施形態に従う端末装置の機能ブロック構成について説明する。図10は、第2実施形態における端末装置10Aの機能ブロック構成の一例を示す構成図である。なお、図10は、本実施形態において必要な機能ブロックを示すためのものであり、端末装置10Aが図示以外の機能ブロックを備えることを排除するものではない。
【0101】
図10に示すように、端末装置10Aは、機能ブロックとして、検出部11Aと、設定部12Aと、ログアウト部14と、停止部15と、を備える。すなわち、端末装置10Aは、図3に示す受信部に代えて、ログアウト部14及び停止部15を備える点で、第1実施形態の端末装置10と相違する。
【0102】
検出部11Aは、サーバ60へのログイン又はサーバ60からのログアウトを検出するように構成されている。
【0103】
例えば、端末装置10Aは、起動中にサーバ60へのログインを自動的に試みるように構成されている。そして、サーバ60へのログインに成功した場合、検出部11Aは、例えば、ログイン成功を示す情報をサーバ60から受信することより、サーバ60へのログインを検出する。一方、例えば、通信環境の変化により、サーバ60との通信が切断された場合、検出部11Aは、ログイン後にサーバ60との通信が所定時間ないことにより、サーバ60からのログアウトを検出する。あるいは、例えば、ログイン中にユーザの操作に従い、サーバ60からのログアウトに成功した場合、検出部11Aは、例えば、ログアウト成功を示す情報をサーバ60から受信することより、サーバ60からのログアウトを検出する。
【0104】
設定部12Aは、検出部11Aによる検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置10Aのソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバ60と通信を行う第2ドライバを設定するように、構成されている。
【0105】
本実施形態における第1ドライバ及び第2ドライバは、第1実施形態と同様に、それぞれ、端末装置10Aが備えるハードウェア又は端末装置10Aに接続されたハードウェアを、オペレーティングシステムによって制御するためのデバイスドライバである。但し、本実施形態では、第1ドライバは、端末装置10Aのオペレーティングシステムが端末装置10Aのハードウェアを制御するためのものであり、第2ドライバは、サーバ60のオペレーティングシステムが端末装置10Aのハードウェアを制御するためのものである。
【0106】
第1ドライバは、例えば、端末装置10Aのバス等を介して端末装置10Aのソフトウェアと通信を行うドライバである。この場合、第1通信方式は、シリアル伝送等に従う有線の通信方式である。
【0107】
一方、第2ドライバは、例えば、第1実施形態と同様に、無線LANや移動体通信網等の無線ネットワークを介してサーバ60と通信を行うドライバである。この場合、第2通信方式は、Wi-Fi、TCP/IP、ブルートゥース(登録商標)、LPWA等の規格に従う無線の通信方式である。
【0108】
より詳細には、設定部12Aは、サーバ60からのログアウトが検出されたときに第1ドライバを設定し、サーバ60へのログインが検出されたときに第2ドライバを設定するように、構成されている。
【0109】
このように、サーバ60へのログイン又はサーバ60からのログアウトの検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置10Aのソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバ60と通信を行う第2ドライバを設定することにより、サーバ60へのログイン及びサーバ60からのログアウトに伴う端末装置10Aにおける通信の差異を、ハードウェアとAPIとの間の対応を受け持つ第1ドライバ及び第2ドライバで吸収することが可能になる。従って、従来と比較して、図4及び図5に示すオペレーティングシステム33等のフレームワーク及びアプリケーション34の変更が少なく、端末装置10Aのシンクライアント及びファットクライアントの併用を低コストに実現することができる。
【0110】
ログアウト部14は、サーバ60との通信時間、サーバ60との通信データ量、及びサーバ60と通信可能なエリアのうちの少なくとも1つに基づいて、サーバ60からログアウトさせるように構成されている。
【0111】
例えば、サーバ60にログインしてからの経過時間、つまり、通信時間が、所定時間以上になったときに、ログアウト部14は、端末装置10Aをサーバ60からログアウトさせる。また、例えば、サーバ60にログインして通信を開始してからの通信データ量が所定値以上になったときに、ログアウト部14は、端末装置10Aをサーバ60からログアウトさせる。さらに、例えば、サーバ60にログイン中の端末装置10Aが、サーバ60と通信可能なエリアから外れたときに、ログアウト部14は、端末装置10Aをサーバ60からログアウトさせる。端末装置10Aがサーバ60と通信可能なエリアから外れたか否かは、例えば、無線の信号強度、端末装置10Aの位置情報等に基づいて判定することが可能である。なお、通信時間と比較される所定時間、及び通信データ量と比較される所定値は、後述するポリシー情報に基づいて設定されてもよい。
【0112】
このように、サーバ60との通信時間、サーバ60との通信データ量、及びサーバ60と通信可能なエリアのうちの少なくとも1つに基づいて、サーバ60からログアウトさせることにより、所定の条件に従い、サーバ60から強制的にログアウトさせることができ、ユーザはサーバ60からログアウトするための操作が不要になる。
【0113】
停止部15は、サーバ60からのログアウトが検出されたときに、端末装置10Aのソフトウェアの一部を使用不能にするように、構成されている。
【0114】
なお、端末装置10Aのソフトウェアアーキテクチャは、図4及び図5に示す端末装置10Aのソフトウェアアーキテクチャと同一であり、サーバ60のソフトウェアアーキテクチャは、図4及び図5に示すデバイスユニット50のソフトウェアアーキテクチャと同一又は略同一であるため、図示及びその説明を省略する。なお、前述した検出部11A、設定部12A、ログアウト部14、及び停止部15のうち、少なくとも設定部12Aは、第1実施形態と同様に、図4及び図5に示すハードウェア抽象化レイヤ32のプログラムとして組み込まれ、実装される。
【0115】
<処理手順>
次に、図11を参照しつつ、第2実施形態に従う情報通信システムが行う処理手順について説明する。図11は、第2実施形態における情報通信システム100Aが行う処理手順の一例を説明するためのタイムチャートである。
【0116】
(情報通信システムの処理手順)
図11に示すように、ユーザの操作によりポリシーが設定され、管理装置70は、ポリシーを示すポリシー情報をサーバ60に送信する(S181)。一旦ポリシーを設定した後は、管理装置70は、ポリシーを更新することができる。この場合、更新されたポリシー情報がサーバ60に送信される。
【0117】
ポリシー情報は、端末装置10Aがサーバ60からログアウトした場合に関する情報を含んでいる。例えば、ポリシー情報は、端末装置10Aが所定のエリア、例えば空港内又はホテル内から出たときの動作を示すジオフェンス情報を含む。また、ポリシー情報は、端末装置10Aがサーバ60と通信可能なエリアから出たときの動作を示す圏外時情報、端末装置10Aとサーバ60との通信データ量が所定の制限値に到達したときの動作を示す制限到達時情報、当該所定の制限値を示す通信データ制限値情報、端末装置10Aをロックする際にロック画面に表示するテキストを示すロック画面テキスト情報、及び当該ロック画面から通話機能を使用可能にするか否かを示すロック画面通話可否情報を含む。さらに、ポリシー情報は、当該ポリシー情報の取得に失敗したときの次回リトライのタイミングを示すリトライ情報を含んでいてもよい。
【0118】
サーバ60は、受信したポリシー情報を記憶装置等に記憶させる(S182)。
【0119】
一方、端末装置10Aは、ポリシー情報のデフォルト値をメモリ22又は記憶装置23等に記憶しており、サーバ60に記憶されたポリシー情報の値と同期させるために、同期タイミングを設定する(S183)。ポリシーの同期タイミングには、例えば、所定時間ごと、所定時刻ごと、サーバ60へのログイン時、端末装置10Aの電源オン時、指定日時、等が設定される。ポリシー情報の同期タイミングの設定は、端末装置10Aのユーザの操作に基づいて行われてもよいし、サーバ60は他の装置から送信される情報に基づいて行われてもよい。
【0120】
ここで、例えば、端末装置10Aがサーバ60と通信可能なエリア内に移動し、サーバ60にログインすると、端末装置10Aの検出部11Aは、サーバ60へのログインを検出する(S184)。
【0121】
次に、端末装置10Aの設定部12Aは、サーバ60へのログインが検出されたので、第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバ60と通信を行う第2ドライバを設定する(S185)。第2ドライバは、例えば、無線LANを介して通信を行うWi-Fiドライバである。
【0122】
次に、端末装置10Aはポリシー情報の要求をサーバ60に送信し(S186)、サーバ60は、この要求に対し、ステップS182において記憶したポリシー情報を読み出し、当該ポリシー情報を応答として端末装置10Aに送信する(S187)。端末装置10Aは、受信したポリシー情報を記憶装置23等に記憶させる(S188)。ステップS188の前に端末装置10Aがポリシー情報を記憶している場合、当該ポリシー情報は、受信したポリシー情報によって更新される。
【0123】
なお、ポリシー情報は、AES(Advanced Encryption Standard)等で暗号化されてから送信されてもよい。また、通信エラー等により、端末装置10Aが応答を受信できなかった場合、ポリシー情報は更新されず、ポリシー情報の要求前のままとなる。
【0124】
ここで、例えば、端末装置10Aが所定のエリア内から出て、サーバ60からログアウトすると、端末装置10Aの検出部11Aは、サーバ60からのログアウトを検出する(S189)。
【0125】
次に、端末装置10Aの設定部12Aは、サーバ60からのログアウトが検出されたので、第1通信方式を用いて端末装置10Aのソフトウェアと通信を行う第1ドライバを設定する(S190)。
【0126】
一部ソフトウェアを使用不可(ロック)S191
次に、端末装置10Aの停止部15は、端末装置10Aのソフトウェアの一部を利用不能にする(S191)。停止部15が利用不能にするソフトウェアは、例えば、前述したステップS188において記憶されたポリシー情報に従う。
【0127】
このように、サーバ60からのログアウトが検出されたときに、端末装置10Aのソフトウェアの一部を使用不能にすることにより、端末装置10Aがファットクライアントとしての利用されるときに、一部の機能を制限することができる。
【0128】
(端末装置の処理手順)
次に、図12を参照しつつ、第2実施形態に従う端末装置が行う処理手順について説明する。図12は、第2実施形態における端末装置10Aが行う情報通信処理S250の一例を説明するためのフローチャートである。
【0129】
図12に示すように、最初に、検出部11Aは、サーバ60へのログインを検出したか否かを判定する(S251)。
【0130】
ステップS251の判定の結果、サーバ60へのログインを検出した場合、設定部12Aは、第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバ60と通信を行う第2ドライバを設定する(S252)。ステップS252の後、端末装置10Aは情報通信処理S250を終了する。
【0131】
一方、ステップS251の判定の結果、サーバ60へのログインを検出しない場合、検出部11は、サーバ60からのログアウトを検出したか否かを判定する(S253)。
【0132】
ステップS253の判定の結果、サーバ60からのログアウトを検出した場合、設定部12Aは、第1通信方式を用いて端末装置10Aのソフトウェアと通信を行う第1ドライバを設定する(S254)。
【0133】
一方、ステップS253の判定の結果、サーバ60からのログアウトを検出しない場合、検出部11Aは、ステップS251に戻り、サーバ60へのログイン又はサーバ60からのログアウトを検出するまで、ステップS251及びステップS253を繰り返す。
【0134】
ステップS254の後、受信部13は、停止部15は、端末装置10Aのソフトウェアの一部を利用不能にする(S255)。ステップS255の後、端末装置10Aは、情報通信処理S250を終了する。
【0135】
なお、本実施形態で説明したシーケンス及びフローチャートは、処理に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えてもよい。
【0136】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。第1実施形態における端末装置10、情報通信方法、及び情報通信プログラムによれば、デバイスユニット50の取り付け又は分離の検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてデバイスユニット50と通信を行う第2ドライバが設定される。これにより、デバイスユニット50の取り付け及び分離に伴うデバイスユニット50との通信の差異を、ハードウェアであるデバイスユニット50とAPIとの間の対応を受け持つ第1ドライバ及び第2ドライバで吸収することが可能になる。従って、従来と比較して、オペレーティングシステム33等のフレームワーク及びアプリケーション34の変更が少なく、デバイスユニット50の分離使用を低コストに実現することができる。
【0137】
また、第2実施形態における端末装置10A、情報通信方法、及び情報通信プログラムによれば、サーバ60へのログイン又はサーバ60からのログアウトの検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて端末装置10Aのソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は第1通信方式と異なる第2通信方式を用いてサーバ60と通信を行う第2ドライバが設定される。これにより、サーバ60へのログイン及びサーバ60からのログアウトに伴う端末装置10Aにおける通信の差異を、ハードウェアとAPIとの間の対応を受け持つ第1ドライバ及び第2ドライバで吸収することが可能になる。従って、従来と比較して、図4及び図5に示すオペレーティングシステム33等のフレームワーク及びアプリケーション34の変更が少なく、端末装置10Aのシンクライアント及びファットクライアントの併用を低コストに実現することができる。
【0138】
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0139】
10,10A…端末装置、11,11A…検出部、12,12A…設定部、13…受信部、14…ログアウト部、15…停止部、21…プロセッサ、22…メモリ、23…記憶装置、24…通信装置、25…入力装置、26…出力装置、27…アンテナ、31…カーネル、32…ハードウェア抽象化レイヤ、33…オペレーティングシステム、34…アプリケーション、41…カーネル、42…ハードウェア抽象化レイヤ、43…オペレーティングシステム、44…アプリケーション、50…デバイスユニット、60…サーバ、70…管理装置、100,100A…情報通信システムNW…ネットワーク、S200…情報通信処理、S250…情報通信処理。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置であって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出部と、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定部と、を備え、
前記設定部は、前記サーバからのログアウトが検出されたときに前記第1ドライバを設定し、前記サーバへのログインが検出されたときに前記第2ドライバを設定する
端末装置。
【請求項2】
前記第1通信方式は有線の通信方式に関するものであり、前記第2通信方式は無線の通信方式に関するものである、
請求項に記載の端末装置。
【請求項3】
予め設定されたポリシー情報に基づいて、前記サーバからログアウトさせるログアウト部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記サーバからのログアウトが検出されたときに、前記ソフトウェアの一部を使用不能にする停止部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置の情報通信方法であって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含み、
前記設定ステップは、前記サーバからのログアウトが検出されたときに前記第1ドライバを設定し、前記サーバへのログインが検出されたときに前記第2ドライバを設定する
情報通信方法。
【請求項6】
サーバにログイン及びログアウト可能な端末装置のコンピュータに実行させる情報通信プログラムであって、
前記サーバへのログイン又は前記サーバからのログアウトを検出する検出ステップと、
前記検出の結果に基づいて、第1通信方式を用いて前記端末装置のソフトウェアと通信を行う第1ドライバ、又は前記第1通信方式と異なる第2通信方式を用いて前記サーバと通信を行う第2ドライバを設定する設定ステップと、を含み、
前記設定ステップは、前記サーバからのログアウトが検出されたときに前記第1ドライバを設定し、前記サーバへのログインが検出されたときに前記第2ドライバを設定する
情報通信プログラム。
【請求項7】
前記第1ドライバは、前記端末装置のソフトウェアが前記端末装置のハードウェアを制御するためのドライバであり、
前記第2ドライバは、前記サーバのソフトウェアが前記端末装置のハードウェアを制御するためのドライバである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記ポリシー情報は、前記サーバとの通信時間、前記サーバとの通信データ量、及び前記サーバと通信可能なエリアのうちの少なくとも1つを含む、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項9】
前記ポリシー情報は、前記サーバと前記端末装置の双方に記憶され、
前記端末装置は、予め設定された同期タイミングに応じて、前記サーバから前記ポリシー情報を受信する、
請求項3又は8に記載の端末装置。