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特開2022-87125低侵襲導入ツールに補助ツールを固定するためのデバイス及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087125
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】低侵襲導入ツールに補助ツールを固定するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
A61B1/018 512
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022044036
(22)【出願日】2022-03-18
(62)【分割の表示】P 2018513533の分割
【原出願日】2016-11-18
(31)【優先権主張番号】62/258,143
(32)【優先日】2015-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】オスキン クリストファー エル
(72)【発明者】
【氏名】バレンボイム マイケル
(57)【要約】
【課題】低侵襲導入ツールに補助ツールを固定するためのデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】
内視鏡システムは、近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースとを含む内視鏡を含むことができる。細長シースは、少なくとも1つの内腔を定めることができる。内視鏡の近位端は、細長シースの近位部分に作動可能に結合されたハンドルを含むことができる。内視鏡システムはまた、内視鏡のハンドルに結合されたクリップを含むことができる。クリップは、補助ツールのハンドルを受け入れるように構成された少なくとも1つの保持アームを含むことができる。少なくとも1つの内腔は、補助ツールの遠位部分を受け入れるように構成することができる。関連のデバイス及び方法も開示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡システムであって、
近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースとを含む内視鏡であって、該シースが、少なくとも1つの内腔を定め、該近位端が、該シースの近位部分に作動可能に結合されたハンドルを含む前記内視鏡と、
前記内視鏡の前記ハンドルに結合されたクリップであって、補助ツールのハンドルを受け入れるように構成された少なくとも1つの保持アームを含む前記クリップと、
を含み、
前記少なくとも1つの内腔は、前記補助ツールの遠位部分を受け入れるように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記クリップは、前記内視鏡の前記ハンドルに取り外し可能に結合されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記クリップは、平面ベースを含み、前記少なくとも1つの保持アームは、該ベースから離れるように延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの保持アームは、複数の保持アームを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記複数の保持アームは、第1の保持アームと、第2の保持アームと、該第1及び第2の保持アームを接続する横側壁とを含むことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記複数の保持アームの各々が、前記補助ツールの前記ハンドルを受け入れるように構成された半円形面を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記なくとも1つの保持アームは、曲がる又は撓むように構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの保持アームは、複数の個別アーム部分を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記複数の個別アーム部分のうちの少なくとも1つが、該複数の個別アーム部分のうちの別のものに回転可能に結合されることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの保持アームの少なくとも一部分が、前記補助ツールの前記ハンドルと共形であるように構成された弾性材料を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの保持アームは、前記補助ツールを受け入れるための空洞を定め、該空洞は、内視鏡の前記ハンドルの長手軸線からオフセットされた中心長手軸線を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記空洞の前記中心長手軸線は、前記平面ベースの中心から横方向にオフセットされることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
補助ツールのハンドルを内視鏡のハンドルに固定する方法であって、
平面ベース、
前記補助ツールの前記ハンドルを受け入れるための空洞を定めるために前記ベースから離れるように延びる少なくとも1つの保持アーム、及び
前記ベースの中心からオフセットされた中心長手軸線を含む前記空洞内に前記補助ツールの前記ハンドルを保持するように構成された少なくとも1つの幾何学的特徴部、
を含むクリップを前記内視鏡の前記ハンドルに取り外し可能に固定する段階と、
前記少なくとも1つの幾何学的特徴部を前記補助ツールの前記ハンドルに係合させるように前記空洞内に該補助ツールの該ハンドルを位置決めする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記内視鏡は、近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースと、該シースによって定められる少なくとも1つの内腔とを含み、
方法が、
前記補助ツールの遠位部分を前記少なくとも1つの内腔内に挿入する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記内視鏡の前記ハンドルは、前記少なくとも1つの内腔に連通するポートを含み、
方法が、
前記遠位部分を前記ポート内に挿入する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、この出願にその全体が引用によって組み込まれている2015年11月20日出願の米国仮特許出願第62/258,143号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示の態様は、一般的に医療デバイス及び手順に関する。特に、本発明の開示の態様は、低侵襲導入ツールに補助ツールを固定するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡のような医療デバイス又は他の適切な導入デバイスは、腹腔鏡検査、関節鏡検査、婦人科鏡検査、胸腔鏡検査、尿管鏡検査、膀胱鏡検査などのような様々な診断及び治療手順に関して使用される。内視鏡は、ハンドルと、ハンドルの遠位端から延びて身体開口部内に挿入されるように構成された可撓性チューブとを有する公知の医療器具である。ハンドルは、内視鏡の第1のオペレータが身体通路内で可撓性チューブの遠位端部分を操作し、空気又は水を可撓性チューブの遠位端部分に送出し、可撓性チューブの遠位端部分に吸引を供給し、可撓性チューブの遠位端部分から画像を撮ることなどを可能にするノブ及び/又はボタンを含むことができる。
【0004】
ハンドルはまた、ワーキングチャネル開口部を含むことができ、これは、第2のオペレータが補助デバイス(把持器、生検鉗子、回収バスケット、又はスネアのような)のハンドルを補助デバイスの遠位端をワーキングチャネル開口部内に挿入しながら保持することを可能にする。内視鏡のワーキングチャネル内に挿入された状態で、補助デバイスの遠位部分は、1又は2以上の診断又は治療手順を実施するために内視鏡の遠位端に隣接して位置決めすることができる。すなわち、従来の内視鏡は、典型的に、補助ツールの使用を必要にする手順を実施するのに2人のオペレータを必要とする。2人のオペレータの使用は、そのような手順を非効率かつ高価にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の開示は、上述の様々な欠点及び当業技術の他の欠点に対処することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示の各例は、取りわけ、低侵襲導入ツールに補助ツールを固定するためのデバイス及び方法に関する。本明細書に開示する各例の各々は、他の開示する例のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。
【0007】
一例では、内視鏡システムは、近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースとを含む内視鏡を含む。シースは、少なくとも1つの内腔を定めることができ、近位端は、シースの近位部分に作動可能に結合されたハンドルを含むことができる。システムは、内視鏡のハンドルに結合されたクリップを更に含むことができる。クリップは、補助ツールのハンドルを受け入れるように構成された少なくとも1つの保持アームを有することができる。シースによって定められた少なくとも1つの内腔は、補助ツールの遠位部分を受け入れるように構成することができる。
【0008】
システムの態様は、これに加えて及び/又はこれに代えて、以下に列挙する特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。クリップは、内視鏡のハンドルに取り外し可能に結合することができる。クリップは、平面ベースを含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、ベースから離れるように延びることができる。少なくとも1つの保持アームは、複数の保持アームを含むことができる。複数の保持アームは、第1の保持アームと、第2の保持アームと、第1及び第2の保持アームを接続する横側壁とを含むことができる。複数の保持アームの各々は、補助ツールのハンドルを受け入れるように構成された半円形面を有することができる。少なくとも1つの保持アームは、曲がる又は撓むように構成することができる。少なくとも1つの保持アームは、複数の個別アーム部分を含むことができる。複数の個別アーム部分のうちの少なくとも1つは、複数の個別アーム部分のうちの別のものに回転可能に結合することができる。少なくとも1つの保持アームの少なくとも一部分は、補助ツールのハンドルと共形であるように構成された弾性材料を含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、補助ツールを受け入れるための空洞を定めることができる。空洞は、内視鏡のハンドルの長手軸線からオフセットされた中心長手軸線を含むことができる。空洞の中心長手軸線は、平面ベースの中心から横方向にオフセットすることができる。システムは、空洞に補助ツールを保持するように構成された幾何学的特徴部を含むことができる。幾何学的特徴部は、中心長手軸線に向けて少なくとも1つの保持アームから離れるように延びることができる。内視鏡のハンドルは、少なくとも1つの内腔に連通するポートを含むことができる。補助ツールの遠位部分は、ポート及び少なくとも1つの内腔内に挿入されるように構成することができる。
【0009】
別の例は、内視鏡のハンドルに補助ツールのハンドルを固定するためのクリップである。クリップは、平面ベースと、ベースの中心からオフセットされた中心長手軸線を含む空洞を定めるためにベースから離れるように延びる少なくとも1つの保持アームとを含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、曲がる又は撓むことによって空洞の中心長手軸線に対して移動するように構成することができる。少なくとも1つの保持アームは、空洞の中心長手軸線に向けて延びる少なくとも1つの幾何学的特徴部を有する内面を含むことができる。
【0010】
クリップの態様は、以下に列挙する特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、複数の保持アームを含むことができる。横側壁は、複数の保持アームのうちの少なくとも2つを接続することができる。少なくとも1つの保持アームの内面は、半円形面を定めることができ、少なくとも1つの幾何学的特徴部は、空洞の中心長手軸線に向けて半円形面から離れるように延びることができる。内面の少なくとも一部分は、弾性材料を含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、複数の個別アーム部分を含むことができる。ヒンジは、複数の個別アーム部分のうちの少なくとも1つを複数の個別アーム部分のうちの別のものに回転可能に結合するように構成することができる。
【0011】
更に別の態様は、補助ツールのハンドルを内視鏡のハンドルに固定する方法である。方法段階は、内視鏡のハンドルにクリップを取り外し可能に固定する段階を含むことができる。クリップは、平面ベースを含むことができる。少なくとも1つの保持アームは、補助ツールのハンドルを受け入れるための空洞と空洞内に補助ツールのハンドルを保持するように構成された少なくとも1つの幾何学的特徴部とを定めるためにベースから離れるように延びることができる。空洞は、ベースの中心からオフセットされた中心長手軸線を含むことができる。本方法は、少なくとも1つの幾何学的特徴部を補助ツールのハンドルに係合させるように空洞内に補助ツールのハンドルを位置決めする段階を更に含むことができる。
【0012】
少なくとも一態様では、内視鏡は、別の方法段階が補助ツールの遠位部分を少なくとも1つの内腔内に挿入する段階を含むことができるように、近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースと、シースによって定められる少なくとも1つの内腔とを有することができる。これに代えて又はこれに加えて、内視鏡のハンドルは、別の方法段階が遠位部分をポート内に挿入する段階を含むことができるように、少なくとも1つの内腔に連通するポートを含むことができる。
【0013】
以上の概要及び以下の詳細説明の両方は、例示的及び説明的に過ぎず、特許請求するような本発明の開示の制限ではないことは理解することができる。本明細書に使用される場合に、用語「comprises」、「comprising」、又はそのあらゆる他の変形は、要素のリストを含む工程、方法、物品、又は装置が、これらの要素のみを含まないが、明示的に列挙されないか又はそのような工程、方法、物品、又は装置に固有ではない他の要素を含む場合があるように、包括的包含を網羅するように意図している。用語「例示的」は、「理想的」ではなく「実施例」の意味に使用される。
【0014】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の開示の例示的態様を示し、かつその説明と共に本発明の開示の原理を説明するのに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の開示の態様と共に使用するための例示的内視鏡デバイスの等角投影図である。
図2A図1の例示的内視鏡デバイスと共に使用するための例示的補助ツールクリップの様々な図である。
図2B図1の例示的内視鏡デバイスと共に使用するための例示的補助ツールクリップの様々な図である。
図2C図1の例示的内視鏡デバイスと共に使用するための例示的補助ツールクリップの様々な図である。
図3図1の例示的内視鏡デバイスと共に使用するための補助ツールクリップの別の例示的態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述して添付図面に示す本発明の開示の実施例をここで詳細に以下に参照する。可能である時はいつでも、同じ参照番号が、以下で同じ又は類似の部分を参照するために全体を通して使用される。
【0017】
用語「近位」及び「遠位」は、例示的医療デバイスの構成要素の相対位置を指すように本明細書では使用される。本明細書に使用される時に、「近位」は、身体の外部に相対的により近い又は医療デバイスを使用するユーザにより近い位置を指す。対照的に、「遠位」は、医療デバイスを使用するユーザから相対的に遠く離れた又は身体の内部により近い位置を指す。
【0018】
以下の開示は、「内視鏡」、「内視鏡的」、又は「内視鏡検査」を参照するが、本明細書に説明する原理/態様は、あらゆる適切な導入シース又はデバイスと共にたとえそのような導入シース又はデバイスが典型的に「内視鏡」に関連付けられた1又は2以上の特徴を含まなくても使用することができる。
【0019】
ここで図1を参照すると、内視鏡10は、遠位端14から近位端16まで延びる可撓性細長挿入チューブ12を含むことができる。近位端16は、1又は2以上のアクチュエータ20、22を含有する制御ハンドル18に取り付けることができる。アクチュエータ20、22は、1又は2以上のケーブル24を通じて従来の外部制御ユニット26に作動可能に結合することができる。制御ユニット26は、ケーブル24を通じて遠位端14に流体を送出する又は吸引を供給するように構成することができる。ケーブル24はまた、挿入チューブ12の遠位端14で照明(図1には示さず)を提供するための手段を含むことができる。例えば、ケーブル24は、ユニット26からの照明を挿入チューブ12内の光ファイバ束を通して遠位端14で照明窓に結合する第1の光ファイバ束を含有することができる。同様に、ケーブル24は、遠位端14からユニット26まで画像を形成する光を伝達するための第2の光ファイバ束を含むことができる。更に、図2A~3に示すように、制御ハンドル18は、細長挿入チューブ12内に配置された1又は2以上のワーキングチャネルに至る1又は2以上のポート70を含むことができる。各ポート70は、挿入チューブ12内のワーキングチャネルへのアクセスを可能にする1又は2以上の開口部72を含むことができる。以下により詳細に説明するように、ワーキングチャネルは、隣接する遠位端14を位置決めして1又は2以上の診断及び/又は治療手順を実施するための挿入チューブ12を通して補助ツール(例えば、レーザファイバ、把持器、生検鉗子、回収バスケット、又はスネア)の挿入を容易にするように使用することができる。補助ツールの使用を容易にするために、ハンドル18は、以下により詳細に説明するように、補助ツールのハンドルをハンドル18に固定するように構成されたクリップ30を含むことができる。
【0020】
クリップ30は、例えば、プラスチック、ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又は膨張PTFE(ePTFE)のようなあらゆる適切な材料で作ることができる。更に、クリップ30は、以下に限定されないが、成形及び押出しを含むあらゆる適切な製造工程を通じて製作することができる。
【0021】
ここで図2A~2Cを参照すると、クリップ30の複数の図が示されている。クリップ30は、ベース32を含むことができる。ベース32は、あらゆる適切な形状、構成、及び/又は寸法を含むことができる。少なくともベース32の形状、構成、及び/又は寸法は、ハンドル18及び/又は望ましい補助ツールのハンドルの構成に依存する場合があるように考えられている。一態様では、ベース32は、実質的に平面又は平坦な構成を含むことができる。図2Aに示すように、ベース32は、実質的にD字形構成を含むことができる。例えば、ベース32は、短い側面32cによって第2の実質的に湾曲した側面32bに接合された第1の実質的に真っ直ぐな側面32aを含むことができる。ベース32は、望ましいあらゆる適切な厚みを含むことができる。ベース32は、補助ツールのハンドルを支持するのに十分な剛性を有するベース32を提供することができる厚みを含むことができるように考えられている。ベース32は、平面の一体構成を含むことができる。これに代えて、ベース32は、側面32a、32b、及び/又は32cのうちのいずれかにおいて、例えば、1又は2以上の貫通開口部、1又は2以上の面特徴部(折目つけ、窪み、突起など)、及び/又は1又は2以上の幾何学的特徴部(例えば、ノッチ、スカロップ、突起など)のようなあらゆる望ましい幾何学的特徴部を含むことができる。
【0022】
クリップ30はまた、側面32aに沿って配置された1又は2以上の受け入れ又は保持アーム40を含むことができる。本発明の開示の描いた態様は、2つの受け入れアーム40を含むに過ぎないが、ベース32は、あらゆる適切な数の受け入れアーム40を含むことができる。更に、各受け入れアーム40は、クリップ30の他の受け入れアーム40と実質的に類似である場合があると考えられている。従って、簡潔にするために、本明細書では単に1つの受け入れアーム40を以下に説明する。しかし、少なくとも一態様では、受け入れアーム40のうちの少なくとも1つは、他の受け入れアーム40とは異なる場合がある。更に、1よりも多い受け入れアーム40がベース32上に提供される態様では、各受け入れアーム40の一部分は、隣接する受け入れアーム40間の接続が空洞42に隣接する横壁を定めるように、隣接する受け入れアーム40の対応する部分に接続することができる。
【0023】
図2A~2Cを続けて参照すると、受け入れアーム40は、長手軸線Z(図2C)を定める実質的に半円形の構成を含むことができる。当業者は、受け入れアーム40があらゆる適切な幾何学的構成を含むことができることを認識するであろう。例えば、受け入れアーム40は、実質的に多角形の構成を定めることができる。上記で触れたように、受け入れアーム40は、図2Cに示すように、軸線Zが側面32aから離間するように側面32aから延びることができる。一部の態様では、受け入れアーム40は、軸線Zが側面32aと同じ垂直平面に配置されるように側面32aから延びることができる。いずれの場合でも、軸線Zは、ベース32の中心長手軸線から離間するように考えられている。更に、一部の態様では、軸線Zは、内視鏡ハンドル18及び/又は導入シース12の中心長手軸線からオフセットすることができる。軸線Zのそのような位置決めは、左利き対右利きオペレータに関してより容易な制御を容易にする。以下に説明するように、クリップ30は、ハンドル18に取り外し可能に固定することができる。その結果、クリップ30は、軸線Zが図2A~2Cに示すものと反対方向にベース32の中心長手軸線から離間するようにハンドル18上で向け直すことができる。
【0024】
受け入れアーム40は、補助ツールの一部分(例えば、ハンドル)を受け入れるための空洞42(図2A)を定めることができる。図2A~2Cは、実質的に半円形又は曲線の構成を含むように空洞42を示すが、空洞42は、以下に限定されないが、多角形構成を含むあらゆる適切な構成を含むことができる。受け入れアーム40は、軸線Zの周りに約180度延びることができる。一部の態様では、受け入れアーム40は、軸線Zの周りを約45度と360度の間で延びることができる。受け入れアーム40が軸線Zの周りを360度延びる態様では、受け入れアーム40は、補助ツールのハンドルを受け入れるために実質的に閉鎖した空洞42を定めることができる。一例示的態様では、受け入れアーム40は、軸線Zの周りを90度よりも多く(例えば、約270度)延びることができる。本明細書に使用される場合に、用語「約」は、陳述数値の±10%の尺度を伝えるように理解される。当業者は、受け入れアーム40が軸線Zの周りを360度未満で延びる時に、空間が、受け入れアーム40の両端間に提供され、例えば、補助ツールのハンドルに関連付けられたアクチュエータの往復運動を可能にすることができることを理解するであろう。
【0025】
受け入れアーム40が軸線Zの周りを180度よりも多く延びる態様では、受け入れアーム40は、補助ツールのハンドルの挿入を可能にするように弾力的に変形することができる。すなわち、受け入れアーム40の両端は、補助ツールのハンドルを空洞42に通すことを可能にするように互いから押し離すことができる。受け入れアーム40の両端は、受け入れアーム40の弾性により、補助ツールのハンドルが空洞42に入った後で互いに向けて移動することができる。これに代えて、ユーザは、互いに向けて受け入れアーム40の両端を押圧することができる。更に、受け入れアーム40は、単体又は一体構成を有するように示されているが、受け入れアーム40は、例えば、隣接するアーム部分が互いに対して移動することを可能にするように構成されたヒンジ機構(図示せず)によって互いに結合された複数の個別アーム部分(図示せず)を含むことができる。例えば、一態様では、受け入れアーム40は、2つの個別アーム部分(図示せず)を含むことができる。2つの個別アーム部分は、各アーム部分の反対端が他方のアーム部分から離れて移動して空洞42内に通路を提供するように、ヒンジを通じて一方の端部で互いに結合することができる。一部の態様では、個別アーム部分は、空洞42内に受け入れたハンドルの保持を容易にするためにバネによって互いに向けて付勢することができる。
【0026】
例えば、図2Aに示すように、空洞42は、受け入れアーム40の内面44によって定めることができる。内面44は、補助ツールのハンドルを受け入れて保持するように構成された1又は2以上の幾何学的特徴部(例えば、突起)を含むことができる。図2A~2Bに示す例では、受け入れアーム40の末端は、隆起斜面46を含むことができる。すなわち、斜面46は、空洞42に受け入れたハンドルを保持するために内面44から離れて空洞42内に延びることができる。他の態様では、内面44は、空洞42内にハンドルを摩擦によって保持するように構成されたエラストマーコーティングを含むことができる。更に別の態様では、受け入れアーム40の実質的な部分(例えば、50%よりも多く)は、受け入れアーム40が撓んで様々なサイズのハンドルと共形になることを可能にする弾性材料で作ることができるように考えられている。空洞42内に受け入れるハンドルがそこに保持されることを保証するために、クリップ30の一部の態様は、例えば、受け入れたハンドルの上を側面32bから延びるように構成されて側面32aに固定されるか又はその逆も可能であるストラップ(図示せず)を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、ストラップは、受け入れアーム40の自由端の間の間隙を横切って延びることができる。
【0027】
図2A~2Cを続けて参照すると、クリップ30は、あらゆる適切な機構によってハンドル18に取り外し可能に固定することができる。しかし、一部の態様では、クリップ30は、ハンドル18に固定的に固定することができる。そのような態様では、クリップ30は、ハンドル18との単体構成で形成することができる。クリップ30がハンドル18から取り外し可能である態様では、ハンドル18は、ハンドル18上にクリップ30を受け入れ、方向付けし、及び/又は固定するように構成された1又は2以上の幾何学的特徴部を含むことができる。一例では、ハンドル18は、クリップ30を受け入れるように構成された垂直スプライン48及び隣接する溝50を含むことができる。クリップ30はまた、クリップ30をハンドル18に固定するように構成された1又は2以上の対応する幾何学的特徴部を含むことができる。例えば、クリップ30は、クリップ30がハンドル18の上に摺動することができるように、スプライン48をそこに受け入れるように構成された長手チャネルを含むことができる。クリップ30の長手チャネル(図示せず)は、図2A~2Bに示すように、1又は2以上の側壁52によって定めることができる。クリップ30の長手チャネルとスプライン48とは、例えば、摺動ダブテール継手を形成することができる。これに加えて又はこれに代えて、長手チャネルの片側又は両側の側壁52の1又は2以上の面は、側壁52及びスプライン48がスナップ式接続を形成することができるように、スプライン48のうちの1又は2以上の面に係合することができる。これは、スプライン48がその上に形成されるハンドル18の面に垂直な方向に沿ってハンドル18上にクリップ30が装着されることを可能にすることができる。
【0028】
一部の態様では、1又は2以上の係止特徴部がクリップ30及び/又はハンドル18上に設けられ、クリップ30がスプライン48から摺動して離れるのを防止することができる。例えば、クリップ30の長手チャネルは、スプライン48上の窪み(図示せず)と係合してハンドル18上のクリップ30の保持を容易にするように構成された突起(図示せず)を含むことができる。当業者は、ハンドル18上にクリップ30を固定するための上述の機構が反転される及び/又はいずれかの他の適切な機構と置換される場合があることを容易に認識するであろう。
【0029】
ここで図3を参照すると、本発明の開示によるクリップ300の別の例示的態様が示されている。クリップ300は、クリップ30に関連して上述した特徴のいずれをも含むことができる。しかし、一部の態様では、クリップ300は、補助ツールのハンドル100を受け入れるための細長チャネル420を定めることができる。細長チャネル420は、第1の方向にベース320から離れるように延びる湾曲横側壁400と、第1の方向と反対の第2の方向にベース320から離れるように延びる1又は2以上のアーム440とによって定めることができる。使用中に、湾曲横側壁400は、ハンドル100の第1の側面の周りを延びることができ、アーム440は、ハンドル100の別の側面を延びることができる。描いた態様は2つのアーム440を含むが、当業者は、本発明の開示の原理から逸脱することなく、より多くの又はより少ない数のアームを提供することができることを認識するであろう。
【0030】
湾曲横側壁400は、ベース320から第1の方向にハンドル100の周りを約180度延びることができる。アーム440のうちの1又は2以上は、ベース320から第2の方向にハンドル100の周りを約45度延びることができる。両方のアーム440は、ハンドル100の周りをほぼ同じ度数で延びるように示されているが、各アーム400は、ハンドル100の周りを異なる度数で延びることができる。湾曲横側壁400は、アーム440の把持及び/又はハンドル100をクリップ300から解除するようにアーム440から離れる湾曲横側壁400の移動を支援する1又は2以上の幾何学的特徴部(例えば、突起)を更に含むことができる。
【0031】
新たに図1~3を参照して、クリップ30/300を使用する一例示的方法をここで以下に説明する。挿入チューブ12を位置決めする前又は後のいずれかで、ユーザは、補助ツールの遠位端(例えば、回収バスケット又はスネア)をポート70の開口部72内に内視鏡10のワーキングチャネルを通して進めることができる。2人のオペレータを有する必要性を排除するために、ユーザは、クリップ30をハンドル18に固定し(既に固定されていない場合)、ハンドル100をクリップ30/300によってハンドル18上に保持することができるように空洞42/チャネル420内に補助ツールのハンドル100を配置することができる。
【0032】
本発明の開示の原理は、特定の用途のための例示的態様を参照して本明細書に説明しているが、本発明の開示はこれに限定されないことを理解しなければならない。当業技術及び本明細書に与えた教示へのアクセスを有する当業者は、本明細書に説明する態様の範囲に全てが該当する追加の修正、応用、態様、及び均等物による置換を認識するであろう。従って、本発明の開示は、以上の説明によって限定されるように考えないものとする。
【符号の説明】
【0033】
10 内視鏡
12 挿入チューブ
14 遠位端
18 ハンドル
30 クリップ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡システムであって、
近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースとを含む内視鏡であって、該シースが、少なくとも1つの内腔を定め、該近位端が、該シースの近位部分に作動可能に結合されたハンドルを含む前記内視鏡と、
前記内視鏡の前記ハンドルに結合されたクリップであって、補助ツールのハンドルを受け入れるように構成された少なくとも1つの保持アームを含む前記クリップと、
を含み、
前記少なくとも1つの内腔は、前記補助ツールの遠位部分を受け入れるように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡システムであって、
近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースとを含む内視鏡であって、該シースが、少なくとも1つの内腔を定め、該近位端が、該シースの近位部分に作動可能に結合された内視鏡ハンドルを含み、前記内視鏡ハンドルはスプラインを含む、前記内視鏡と、
クリップであって、一組の側壁によって規定される長手方向チャンネルと、補助ツールの補助ツールハンドルを受け入れるように構成された複数の保持アームを含み、前記クリップの前記長手方向チャンネルは、前記クリップを前記内視鏡ハンドルに結合するため前記内視鏡ハンドルの前記スプラインを受けるように構成される、前記クリップと、を含み、
前記少なくとも1つの内腔は、前記補助ツールの遠位部分を受け入れるように構成され、
前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つが、前記一組の側壁のうちの最も遠位の側壁よりもさらに前記クリップの遠位側に配置される、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記クリップは、前記内視鏡の前記補助ツールハンドルに取り外し可能に結合されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つは、前記補助ツールを受け入れるための空洞を定め、該空洞は、前記内視鏡の前記補助ツールハンドルの長手軸線からオフセットされた中心長手軸線を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記クリップは、平面ベースを含み、前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つは、前記平面ベースから離れるように延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つは、前記補助ツールを受け入れるための空洞を定め、前記空洞は、前記内視鏡の前記補助ツールハンドルの長手軸線からオフセットされた中心長手軸線を含み、前記空洞の前記中心長手軸線が前記平面ベースの中心から横方向にオフセットされていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記複数の保持アームは、第1の保持アームと、第2の保持アームと、前記第1の保持アーム及び前記第2の保持アームを接続する横側壁とを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記複数の保持アームの各々が、前記補助ツールの前記補助ツールハンドルを受け入れるように構成された半円形面を有することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つは、曲がる又は撓むように構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つは、複数の個別アーム部分を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記複数の個別アーム部分のうちの少なくとも1つが、該複数の個別アーム部分のうちの別のものに回転可能に結合されることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記複数の保持アームのうちの前記少なくとも1つの保持アームの少なくとも一部分が、前記補助ツールの前記補助ツールハンドルと共形であるように構成された弾性材料を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
補助ツールの補助ツールハンドルを内視鏡のハンドルに固定する方法であって、
クリップを前記内視鏡の前記ハンドルに取り外し可能に固定する段階であって、前記内視鏡の前記ハンドルはスプラインを含み、前記クリップは、
一組の側壁によって規定される長手方向チャンネルであって、前記クリップの前記長手方向チャンネルが前記クリップを前記内視鏡の前記ハンドルに固定するように前記スプラインを受け入れるように構成される、前記長手方向チャンネルと、
前記補助ツールの前記補助ツールハンドルを受け入れるように構成された複数の保持アームであって、前記複数の保持アームは、前記補助ツールの前記補助ツールハンドルを受け入れるための空洞を規定し、前記複数の保持アームからの少なくとも1つの保持アームが前記一組の側壁のうちの最も遠位の側壁よりもさらに前記クリップの遠位側に配置される、前記複数の保持アームとを含む、前記固定する段階と、
前記補助ツールを係合させるように前記空洞内に前記補助ツールの前記補助ツールハンドルを位置決めする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記内視鏡は、近位端と、遠位端と、それらの間を延びる細長シースと、前記細長シースによって定められる少なくとも1つの内腔とを含み、
前記方法が、前記補助ツールの遠位部分を前記少なくとも1つの内腔内に挿入する段階、を更に含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記内視鏡の前記ハンドルは、前記少なくとも1つの内腔に連通するポートを含み、
前記方法が、前記遠位部分を前記ポート内に挿入する段階、を更に含む、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記クリップは、平面ベースと、前記平面ベースから離れるように延びる前記複数の保持アームのうちの少なくとも1つと、を含み、前記複数の保持アームにより規定される前記空洞は、前記内視鏡の前記ハンドルの長手方向軸線からオフセットされた中心長手軸線を含み、前記空洞の前記中心長手軸線が前記クリップの前記平面ベースの中心から横方向にオフセットされている、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】