(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008714
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】電源システムの電気エネルギ出力制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/18 20060101AFI20220106BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220106BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220106BHJP
【FI】
H02J3/18 114
H02J3/38 130
H02M7/48 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2015201699
(22)【出願日】2015-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】510063904
【氏名又は名称】群光電能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 祖成
(72)【発明者】
【氏名】黄 昭睿
【テーマコード(参考)】
5G066
5H770
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066HB08
5G066JA07
5G066JB04
5H770AA09
5H770AA15
5H770BA13
5H770CA05
5H770DA01
5H770DA11
5H770DA46
5H770DA47
5H770EA01
5H770GA19
5H770HA02Y
5H770HA03W
5H770HA03Y
5H770HA05Y
5H770HA09W
5H770HA14W
5H770HA19W
5H770HA19Y
5H770JA11W
5H770JA11Y
5H770JA13Y
5H770JA18W
5H770JA18Y
5H770KA01Y
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電源システム全体の効率を向上させることが可能な電源システムの電気エネルギ出力制御方法の提供。
【解決手段】電気エネルギ出力制御方法は、制御ユニットが、電気エネルギ変換ユニットにより出力される交流電気エネルギの位相オフセットを検出するステップと、エネルギ蓄積周期に入ると、制御ユニットが、第1力率に基づいて電気エネルギ変換ユニットに交流電気エネルギを出力させるとともに交流電気エネルギが無効電力領域であることを検出すると電気エネルギ変換ユニットを制御してエネルギ蓄積ユニットに交流電力グリッドの一部の電気エネルギを蓄積させるステップと、エネルギ放出周期に入ると、第2力率に基づいて電気エネルギ変換ユニットに交流電気エネルギを出力させるとともにエネルギ蓄積ユニットにより蓄積された電気エネルギを放出させて、併合された交流電気エネルギ及び電気エネルギを交流電力グリッドに出力するステップとを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力グリッドに適用される電源システムの電気エネルギ出力制御方法であって、
第1力率、第2力率及び平均力率が予め設定される制御ユニットが、前記電源システムの電気エネルギ変換ユニットにより出力される交流電気エネルギの位相オフセットを検出するステップと、
エネルギ蓄積周期に入ると、前記制御ユニットが、前記第1力率に基づいて前記電気エネルギ変換ユニットに前記交流電気エネルギを出力させるとともに前記交流電気エネルギが無効電力領域にあることを検出すると前記電気エネルギ変換ユニットを制御してエネルギ蓄積ユニットに前記交流電力グリッドの一部の電気エネルギを蓄積させるステップと、
エネルギ放出周期に入ると、前記制御ユニットが、前記第2力率に基づいて前記電気エネルギ変換ユニットに前記交流電気エネルギを出力させるとともに前記エネルギ蓄積ユニットにより蓄積された前記電気エネルギを放出させて、併合された前記交流電気エネルギ及び前記電気エネルギを前記交流電力グリッドに出力するステップと、を備え、
前記エネルギ蓄積周期及び前記エネルギ放出周期の力率の平均値は、前記平均力率と同一であることを特徴とする電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【請求項2】
前記制御ユニットによって、前記エネルギ蓄積ユニットにより蓄積される前記電気エネルギが検知されて第1所定値よりも大きいと判断されると、前記エネルギ放出周期に入るステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【請求項3】
前記制御ユニットによって、前記エネルギ蓄積ユニットにより蓄積される前記電気エネルギが検知されて第2所定値以下であると判断されると、前記エネルギ蓄積周期に入るステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【請求項4】
前記無効電力領域は、前記交流電気エネルギの電流波形と電圧波形とが異なる向きにあるセグメントであることを特徴とする請求項1に記載の電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【請求項5】
前記エネルギ蓄積周期の時間の長さは、前記エネルギ放出周期の時間の長さと異なることを特徴とする請求項1に記載の電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【請求項6】
前記第1力率は、前記平均力率よりも小さく、
前記第2力率は、前記平均力率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の電源システムの電気エネルギ出力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギ出力制御方法に関し、特に、光起電力電源システムに用いられる電気エネルギ出力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、太陽電池は、再生可能なエネルギとして非常に普及している。一般に、太陽電池アレイの出力端が光起電インバータに接続され、当該太陽電池アレイにおいて発生した直流電力が交流電力に変換されるようになっている。
【0003】
一般に、従来の太陽電池アレイ及び光起電インバータを備えた電源システムにおいては、動作の過程において発生した無効電力を削減可能な無効電力補償回路を設けることによって、電源システム全体の力率を向上させるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の電源システムでは、無効電力補償回路によって電源システムの入力電圧を上げると、過電圧の問題が生じる。このため、従来の電源システムでは、このような過電圧の問題を解消するため、電気エネルギを回収する電気エネルギ回収装置を別途設ける必要があった。
しかしながら、無効電力補償回路に加えて電気エネルギ回収装置を設けると、電源システムの体積(設置範囲)が増加するばかりか、回路が複雑になる、といった問題が生じる。
【0005】
本発明は、電源システム全体の効率を向上させることが可能な電源システムの電気エネルギ出力制御方法を提供する。
【0006】
本発明に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法は、交流電力グリッドに適用される。本発明による電源システムの電気エネルギ出力制御方法は、第1力率、第2力率及び平均力率が予め設定される制御ユニットが、電源システムの電気エネルギ変換ユニットにより出力される交流電気エネルギの位相オフセットを検出するステップと、エネルギ蓄積周期に入ると、制御ユニットが、第1力率に基づいて電気エネルギ変換ユニットに交流電気エネルギを出力させるとともに、交流電気エネルギが無効電力領域にあることを検出すると電気エネルギ変換ユニットを制御してエネルギ蓄積ユニットに交流電力グリッドの一部の電気エネルギを蓄積させるステップと、エネルギ放出周期に入ると、制御ユニットが、第2力率に基づいて電気エネルギ変換ユニットに交流電気エネルギを出力させるとともにエネルギ蓄積ユニットにより蓄積された電気エネルギを放出させて、併合された交流電気エネルギ及び電気エネルギを交流電力グリッドに出力するステップと、を備え、エネルギ蓄積周期及びエネルギ放出周期の力率の平均値は、平均力率と同一である。
【0007】
本発明に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法において、無効電力領域は、交流電気エネルギの電流波形と電圧波形とが異なる向きにあるセグメントであり、第1力率は、平均力率よりも小さく、第2力率は、平均力率よりも大きい。
【0008】
さらに、制御ユニットによって、エネルギ蓄積ユニットにより蓄積される電気エネルギが検知されて第1所定値よりも大きいと判断されると、エネルギ放出周期に入り、エネルギ蓄積ユニットにより蓄積される電気エネルギが検知されて第2所定値以下であると判断されると、エネルギ蓄積周期に入り、エネルギ蓄積周期の時間の長さは、エネルギ放出周期の時間の長さと異なるようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法では、電源システムがエネルギ蓄積周期に入ると、制御ユニットは、第1力率による交流電気エネルギを出力させるとともに、交流電気エネルギが無効電力領域にあると、電気エネルギ変換ユニットを制御して交流電力グリッドの一部の電気エネルギをエネルギ蓄積ユニットに蓄積させる。その後、電源システムがエネルギ放出周期に入ると、制御ユニットは、電源システムが第2力率による交流電気エネルギを出力させるとともに、電気エネルギ変換ユニットを制御してエネルギ蓄積ユニットの電気エネルギを放出させて、エネルギ蓄積ユニットが放出する電流を、電源システムが出力する交流電気エネルギとともに交流電力グリッドに出力する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法によれば、電源システム全体の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電源システムの回路を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るエネルギ蓄積ユニット及び電気エネルギ変換ユニットの回路図である。
【
図3】本発明に係る電源システムから出力される交流電気エネルギを示す波形図である。
【
図4】本発明に係る電源システムから出力される交流電気エネルギを示す他の波形図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るエネルギ蓄積ユニット及び電気エネルギ変換ユニットを示す回路図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る電源システムの電気エネルギ出力制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る電源システムの回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の電源システムの回路を示すブロック図である。
図1に示すように、電源システム1は、直流供給装置2と交流電力グリッド3との間に設けられ、直流電気エネルギ(直流電圧VDC及び直流電流IDCを含む)を電源システム1に供給することに用いられる。なお、直流供給装置2は、例えば、太陽電池モジュールであってもよい。電源システム1は、直流電気エネルギを交流電気エネルギ(交流電圧VAC及び交流電流IACを含む)に変換して交流電力グリッド3にフィードすることに用いられる。電源システム1は、電気エネルギ変換ユニット10、エネルギ蓄積ユニット12及び制御ユニット14を有している。
【0013】
電気エネルギ変換ユニット10は、光起電インバータ(photovoltaic inverter)によって実現することが可能である。エネルギ蓄積ユニット12は、直流供給装置2と電気エネルギ変換ユニット10との間に設けられ、直流供給装置2及び電気エネルギ変換ユニット10に電気的に接続されている。ここで、エネルギ蓄積ユニット12は、直流供給装置2に並列接続されている。
【0014】
制御ユニット14は、電気エネルギ変換ユニット10及びエネルギ蓄積ユニット12に電気的に接続されている。制御ユニット14には、第1力率、第2力率及び平均力率が予め設定されている。ここで、第1力率は、平均力率よりも小さく、第2力率は、平均力率より大きく設定されている。
【0015】
制御ユニット14は、エネルギ蓄積ユニット12に蓄積される電気エネルギの検出を行うほか、電気エネルギ変換ユニット10によって出力される、交流電気エネルギの交流電圧VAC及び交流電流IACの位相オフセットの検出も行う。制御ユニット14は、例えば、制御器140及び位相検出器144を有してもよい。制御器140は、電気エネルギ変換ユニット10、エネルギ蓄積ユニット12及び位相検出器144のそれぞれに電気的に接続される。位相検出器144は、電気エネルギ変換ユニット10によって出力された交流電気エネルギの交流電圧VAC及び交流電流IACの位相オフセットを検出することに用いられる。なお、本発明を実際に実施する際、制御器140は、位相検出器144を有することなく、位相検出の機能を実現することが可能である。例えば、制御器140は、交流電圧VAC及び交流電流IACを検出した後、演算により交流電圧VAC及び交流電流IACの位相オフセットを取得することができる。
【0016】
次に、
図2を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は本発明の第1実施形態に係るエネルギ蓄積ユニット及び電気エネルギ変換ユニットの回路図である。なお、説明の都合上、
図2には、直流供給装置2、交流電力グリッド3及び制御器140をさらに示している。
電気エネルギ変換ユニット10は、スイッチ素子M1、M2、エネルギ蓄積素子100、ダイオードD1、D2及び出力フィルタ102を有している。スイッチ素子M1、M2は、直列接続されるとともに直流供給装置2に並列接続される。エネルギ蓄積素子100は、スイッチ素子M1とスイッチ素子M2との間(即ち、端点a)に電気的に接続される。
本実施形態において、スイッチ素子M1、M2は、それぞれ、金属酸化物半導体場効果トランジスタであり、エネルギ蓄積素子100は、インダクタである。スイッチ素子M1のソース電極は、スイッチ素子M2のドレイン電極に接続されている。スイッチ素子M1のドレイン電極及びスイッチ素子M2のソース電極は、それぞれ、エネルギ蓄積ユニット12の両端点に接続される。スイッチ素子M1、M2のゲート電極は、それぞれ、制御器140に接続される。ダイオードD1(ダイオードD2)は、スイッチ素子M1(スイッチ素子M2)のドレイン電極とソース電極との間に跨るようにつなげられている。ここで、ダイオードD1、D2の陰極はそれぞれスイッチ素子M1、M2のドレイン電極に接続される一方、ダイオードD1、D2の陽極はそれぞれスイッチ素子M1、M2のソース電極に接続される。出力フィルタ102はエネルギ蓄積素子100と交流電力グリッド3との間に電気的に接続される。
【0017】
エネルギ蓄積ユニット12は、コンデンサC1、C2を有し、コンデンサC1、C2は、直列接続され、コンデンサC1、C2から構成される直列分岐とスイッチ素子M1、M2から構成される直列分岐とは並列接続される。
【0018】
図1及び
図2に示すように、制御ユニット14の制御器140は、電気エネルギを出力するとき、第1力率または第2力率に基づいてスイッチ素子M1、M2のデューティサイクルを制御する。
【0019】
また、制御ユニット14の位相検出器144は、交流電気エネルギの交流電圧VAC及び交流電流IACの位相を検出し、制御器140は、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積された電気エネルギを検出する。ここで、電源システム1は、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギが、第1所定値よりも大きい場合、エネルギ放出周期に入る一方、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積された電気エネルギが第1所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入るように構成されている。または、電源システム1は、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積された電気エネルギが第2所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入る一方、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積されたエネルギが第2所定値よりも大きい場合、エネルギ放出周期に入るように構成されている。なお、第1所定値は、第2所定値よりも大きく設定されている。
【0020】
エネルギ蓄積周期(
図3及び
図4に示すt1セグメント)において、制御ユニット14は、第1力率に基づいて電気エネルギ変換ユニット10に交流電気エネルギを出力させる。また、制御ユニット14は、交流電気エネルギの交流電流波形及び交流電圧波形の異なる向きにあるセグメント無効電力領域(
図3及び
図4に示すA1領域)において、スイッチ素子M1、M2のデューティサイクルを制御する。制御ユニット14は、端点aの電圧を持続して交流電力グリッド3の即時電圧よりも小さくし、交流電力グリッド3の一部の電気エネルギを電源システム1に入れてエネルギ蓄積ユニット12に蓄積する。ここで、端点aの電圧は、下記に示す式によって動作されるように構成してもよい(以下のD1はスイッチ素子M1のデューティサイクル、D2はスイッチ素子M2の開閉周期、V
C1はコンデンサC1の電圧、V
C2はコンデンサC2の電圧をそれぞれ示している)。
【0021】
制御ユニット14は、エネルギ放出周期(
図3及び
図4に示すt2セグメントにおいて、第2力率に基づいて電気エネルギ変換ユニット10によって交流電気エネルギが出力されるようにする。これに加え、制御ユニット14は、電気エネルギ変換ユニット10におけるスイッチ素子M1、M2のデューティサイクルを制御して、端点aの電圧を持続的に交流電力グリッド3の即時電圧よりも大きくし、かつ、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギを交流電気エネルギに併合して上記交流電気エネルギとともに交流電力グリッド3に出力する。
【0022】
図3においては、エネルギ蓄積周期の時間の長さは、エネルギ放出周期の時間の長さと同一であり、
図4においては、エネルギ蓄積周期の時間の長さはエネルギ放出周期の時間の長さに異なるようにしている。しかしながら、エネルギ蓄積周期の時間の長さとエネルギ放出周期の時間の長さとは、同一であるか否かを問わず、エネルギ蓄積周期及びエネルギ放出周期の力率平均値は、平均力率と同一でなければならない。
【0023】
次に、
図5を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図5は本発明の第2実施形態に係るエネルギ蓄積ユニット及び電気エネルギ変換ユニットの回路図である。なお、説明の都合上、
図5には、直流供給装置2、交流電力グリッド3及び制御器140をさらに示している。
エネルギ蓄積ユニット12は、直流供給装置2に並列接続されるコンデンサC3を有している。電気エネルギ変換ユニット10は、スイッチ素子M3、M4、ダイオードD3、D4、出力フィルタ102、エネルギ蓄積素子104及び位相変換器106を有し、出力フィルタ102は位相変換器106に並列接続されている。
【0024】
本実施形態において、スイッチ素子M3、M4は、金属酸化物半導体場効果トランジスタであり、エネルギ蓄積素子104は、一次巻線1040及び二次巻線1042を含む分離型変圧器である。一次巻線1040の一端は、エネルギ蓄積ユニット12に接続される一方、他端は、スイッチ素子M3のドレイン電極及びダイオードD3の陰極に接続されている。スイッチ素子M3のゲート電極は、制御器140に電気的に接続され、スイッチ素子M3のソース電極は、エネルギ蓄積ユニット12及びダイオードD3の陽極に電気的に接続される。二次巻線1042の一端は、出力フィルタ102に接続される一方、二次巻線1042の他端は、スイッチ素子M4のドレイン電極及びダイオードD4の陰極に接続されている。また、スイッチ素子M4のゲート電極は、制御器140に電気的に接続され、スイッチ素子M4のソース電極は、出力フィルタ102に電気的に接続される。
【0025】
図1及び
図5に示すように、制御ユニット14は、電気エネルギを出力するとき、第1力率または第2力率に基づいてスイッチ素子M3、M4のスイッチ状態を制御する。
【0026】
制御ユニット14の位相検出器144は、交流電気エネルギの交流電圧VAC及び交流電流IACの位相を検出するとともに、制御器140は、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギを検出する。
ここで、電源システム1は、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギが第1所定値よりも大きい場合、エネルギ放出周期に入るとともに、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギが第1所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入るように構成される。または、電源システム1は、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギが第2所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入るとともに、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積される電気エネルギが第2所定値よりも大きい場合、エネルギ放出周期に入るように構成される。
【0027】
制御ユニット14は、エネルギ蓄積周期(
図3及び
図4に示すt1セグメント)において、第1力率により電気エネルギ変換ユニット10によって第1力率による交流電気エネルギが出力されるようにする。制御ユニット14は、交流電気エネルギの交流電流波形及び交流電圧波形の異なる向きにあるセグメントが限定する無効電力領域(
図3及び
図4に示すA1領域)において、まず、スイッチ素子M4を導通する一方、スイッチ素子M3を遮断して、交流電力グリッド3の一部の電気エネルギを二次巻線1042に蓄積する。そして、スイッチ素子M3を導通する一方、スイッチ素子M4を遮断して、二次巻線1042に蓄積された電気エネルギを一次巻線1040に結合して、エネルギ蓄積ユニット12に蓄積する。
【0028】
制御ユニット14は、エネルギ放出周期(
図3及び
図4に示すt2セグメント)において、第2力率に基づいて電気エネルギ変換ユニット10によって交流電気エネルギが出力されるようにする。制御ユニット14は、まず、スイッチ素子M3を導通する一方、スイッチ素子M4を遮断して、エネルギ蓄積ユニット12によって蓄積された電気エネルギを一次巻線1040に蓄積する。そして、スイッチ素子M4を導通する一方、スイッチ素子M3を遮断して、エネルギ蓄積ユニット12によって放出される電気エネルギを上記交流電気エネルギに併合して、上記交流電気エネルギとともに交流電力グリッド3に出力する。ここで、エネルギ蓄積周期及びエネルギ放出周期の力率平均値は、平均力率と同一でなければならない。
【0029】
このように、本発明に係る電源システム1は、制御ユニット14を用いて、電源システム1がエネルギ蓄積周期に入ると、第1力率による交流電気エネルギを出力させるのと同時に、交流電気エネルギが無効電力領域である場合、制御ユニット14が、電気エネルギ変換ユニット10を制御して交流電力グリッド3の一部の電気エネルギをエネルギ蓄積ユニット12に蓄積させる。
その後、電源システム1がエネルギ放出周期に入ると、制御ユニット14が、第2力率による交流電気エネルギを電源システム1から出力させるともに、電気エネルギ変換ユニット10を制御してエネルギ蓄積ユニット12により蓄積された電気エネルギを放出させるようにする。そして、エネルギ蓄積ユニット12から放出される電気エネルギを、電源システム1から出力される交流電気エネルギとともに交流電力グリッド3に出力する。
【0030】
次に、
図6及び
図7を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図6及び
図7は、それぞれ、本発明の第1実施形態及び第2実施形態の電源システムの電気エネルギ出力制御方法を示すフローチャートである。ここで、
図6と
図7とは、電気エネルギシステムがエネルギ蓄積周期及びエネルギ放出周期に操作する判断根拠(判断基準)がそれぞれ異なっている。
【0031】
図6に示すように、制御ユニット14は、まず、電源システム1により出力される交流電気エネルギの交流電源及び交流電圧の位相オフセットと、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギとを検出する(ステップS100)。そして、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第1所定値より大きいか否かを判断し(ステップS102)、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第1所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入り、電気エネルギ変換ユニット10が第1力率による交流電気エネルギを出力する(ステップS104)。
そして、電気エネルギ変換ユニット10により出力される交流電気エネルギが無効電力領域であるか否かを判断する(ステップS106)。電気エネルギ変換ユニット10により出力される交流電気エネルギが無効電力領域である場合、制御ユニット14は、電気エネルギ変換ユニット10が交流電力グリッド3の一部の電気エネルギをエネルギ蓄積ユニット12に蓄積するようにする(ステップS108)。
その後、ステップS100に戻り、電源システム1により出力される交流電気エネルギの交流電源と交流電圧の位相オフセットと、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギを再び検出し、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第1所定値より大きい場合、エネルギ放出周期に入り、電気エネルギ変換ユニット10が第2力率による交流電気エネルギを出力するようにする(ステップS110)。
【0032】
図7に示すように、制御ユニット14は、まず、電源システム1により出力される交流電気エネルギの交流電源及び交流電圧の位相オフセットと、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギを検出する(ステップS200)。エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第2所定値以下であるか否かを判断し(ステップS202)、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第2所定値以下である場合、エネルギ蓄積周期に入り、電気エネルギ変換ユニット10が第1力率で交流電気エネルギを出力する(ステップS204)。
そして、電気エネルギ変換ユニット10により出力される交流電気エネルギが無効電力領域にあるか否かを判断する(ステップS206)。電気エネルギ変換ユニット10により出力される交流電気エネルギが無効電力領域である場合、制御ユニット14は、電気エネルギ変換ユニット10が交流電力グリッド3の一部の電気エネルギをエネルギ蓄積ユニット12に蓄積するようにする(ステップS208)。
その後、ステップS200に戻り、電源システム1により出力される交流電気エネルギの交流電源及び交流電圧の位相オフセットと、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギを再び検出し、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積される電気エネルギが第2所定値よりも大きい場合、エネルギ放出周期に入り、電気エネルギ変換ユニット10が第2力率による交流電気エネルギを出力するようにする(ステップS210)。
【0033】
次に、
図8を参照して本発明の実施形態を説明する。
図8は本発明の第3実施形態に係る電源システムの回路を示すブロック図である。
図8に示すように、電源システム1は、直流供給装置2と交流電力グリッド3との間に設けられている。また、電源システム1は、平均力率による交流電気エネルギを出力させるために直流供給装置2及び交流電力グリッド3の間に電気的に接続されている。
図8に示す電源システムと
図1に示す電源システムとは、
図8に示す制御ユニット14がエネルギ蓄積ユニット12の電圧レベルを検出することなく、開回路になるように制御するための一定の力率による摂動周期を提供する点が異なっている。
【0034】
電源システム1は、電気エネルギ変換ユニット10、エネルギ蓄積ユニット12及び制御ユニット14を有している。また、電源システム1は、第1力率または第2力率による交流電気エネルギが出力されるよう、電気エネルギ変換ユニット10が交流電力グリッド3に電気的に接続されている。エネルギ蓄積ユニット12は、直流供給装置2と電気エネルギ変換ユニット10との間に設けられ、直流供給装置2及び電気エネルギ変換ユニット10に電気的に接続される。
【0035】
制御ユニット14は、電気エネルギ変換ユニット10に電気的に接続され、制御ユニット14には、第1力率、第2力率及び平均力率が予め設定されている。ここで、第1力率は平均力率より小さく、第2力率は平均力率より大きく設定されている。
【0036】
電気エネルギ変換ユニット10は、エネルギ蓄積周期またはエネルギ放出周期に操作することができ、エネルギ蓄積周期及びエネルギ放出周期の力率の平均値は、平均力率に同一である。
【0037】
エネルギ蓄積周期に入ると、制御ユニット14は、第1力率に基づいて電気エネルギ変換ユニット10によって交流電気エネルギが出力されるようにする。また、制御ユニット14は、交流電気エネルギが無効電力領域である場合、電気エネルギ変換ユニット10を制御して、交流電力グリッド3の一部の電気エネルギを、電源システム1に入れて(投入して)エネルギ蓄積ユニット12に蓄積する。
【0038】
エネルギ放出周期に入ると、制御ユニット14は第2力率に基づいて電気エネルギ変換ユニット10が交流電気エネルギを出力するようにする。同時に、エネルギ蓄積ユニット12により蓄積された電気エネルギを放出する。ここで、エネルギ蓄積ユニット12により放出された電気エネルギを交流電気エネルギに併合してこれらを交流電力グリッド3に出力する。
【0039】
上記実施形態により本発明を説明したが、本発明はこれに限定させるものではなく、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変更及び修飾をすることが可能である。すなわち、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものを基準とすることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0040】
1 電源システム
10 電気エネルギ変換ユニット
100、104 エネルギ蓄積素子
102 出力フィルタ
1040 一次巻線
1042 二次巻線
106 位相変換器
12 エネルギ蓄積ユニット
14 制御ユニット
140 制御器
144 位相検出器
2 直流供給装置
3 交流電力グリッド
A1 無効電力領域
C1、C2、C3 コンデンサ
D1、D2、D3、D4 ダイオード
IAC 交流電流
M1、M2、M3、M4 スイッチ素子
VAC 交流電圧