(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087200
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20220602BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20220602BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J2/175 301
B41J2/175 175
B41J2/175 119
B41J2/175 121
B41J2/175 141
B41J29/38 204
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064636
(22)【出願日】2022-04-08
(62)【分割の表示】P 2017252598の分割
【原出願日】2017-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】南川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】洞出 賢太
(57)【要約】
【課題】カートリッジに貯留されたインクの残量とタンクに貯留されたインクの残量とをユーザに容易に認識させる。
【解決手段】コントローラは、カートリッジに貯留されたインクの残量に応じた形状の第1オブジェクト251及びタンクに貯留されたインクの残量に応じた形状の第2オブジェクト252を含むインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、タンクに貯留されたインクの残量に応じた形状の第3オブジェクト253を含む待機画面をディスプレイ28に表示させる。コントローラは、待機画面において第3オブジェクト253がユーザによってタップされた判断すると、第1オブジェクト251及び第2オブジェクト252を含むインク残量画面をディスプレイ28に表示させる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤が貯留される第1室を有する第1容器と、
前記第1容器と接続される第2室を有する第2容器と、
前記第2室と接続される記録部と、
ディスプレイと、
コントローラと、を備えており、
前記コントローラは、
前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第1オブジェクト、及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第2オブジェクトを含む第1画面を前記ディスプレイに表示させ、
前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量と前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量との総量に応じた形状の第3オブジェクトを含む第2画面を前記ディスプレイに表示させる画像形成装置。
【請求項2】
着色剤が貯留される第1室を有する第1容器と、
前記第1容器と接続される第2室を有する第2容器と、
前記第2室と接続される記録部と、
ディスプレイと、
コントローラと、を備えており、
前記コントローラは、
前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第1オブジェクト、及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第2オブジェクトを含む第1画面を前記ディスプレイに表示させ、
前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量のいずれか一方に応じた形状の第3オブジェクトを含み、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量の他方に応じたオブジェクトを含まない第2画面を前記ディスプレイに表示させる画像形成装置。
【請求項3】
前記第3オブジェクトは、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた形状である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1オブジェクト及び前記第3オブジェクトは、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた面積で表示される複数の表示形態をそれぞれ有しており、
前記第1オブジェクト及び前記第3オブジェクトの一方の表示形態が変化したことに応じて、他方の表示形態も変化し、前記第1オブジェクトの最大表示面積に対する表示割合と、第3オブジェクトの最大表示面積に対する表示割合とが一致する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2画面における前記第3オブジェクトが表示される領域の面積は、前記第1画面における前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトが表示される領域の面積よりも小さい請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記第1容器の前記第1室の着色剤の量に応じて第4オブジェクトを前記第2画面に表示させる請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第1容器の前記第1室の着色剤の量に応じて第5オブジェクトを前記第1画面に表示させる請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記第2容器の前記第2室の着色剤の量に応じて第6オブジェクトを前記第2画面に表示させる請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記第2容器の前記第2室の着色剤の量に応じて第7オブジェクトを前記第1画面に表示させる請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
メモリ及び装着部をさらに備えており、
前記第1容器は、前記装着部に着脱可能なカートリッジであって、
前記コントローラは、
前記第1容器に貯留された着色剤の量に関する情報を前記メモリから読み出せないと判断した場合、第8オブジェクトを前記第2画面に表示させる請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
メモリ及び装着部をさらに備えており、
前記第1容器は、前記装着部に着脱可能なカートリッジであり、
前記コントローラは、
前記第1容器に貯留された着色剤の量に関する情報を前記メモリから読み出せないと判断した場合、第9オブジェクトを前記第1画面に表示させる請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
入力部をさらに備えており、
前記コントローラは、前記入力部において、前記第1画面を選択する入力及び前記第2画面を選択する入力を受け付け、選択された画面を前記ディスプレイに表示する請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記入力部は、前記ディスプレイに重畳されたタッチセンサであり、
前記コントローラは、前記第2画面において前記第3オブジェクトがタップされたことに応じて前記第2画面から前記第1画面に画面を切り替える請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
メモリをさらに備えており、
前記コントローラは、画面遷移条件に基づいて、前記第1画面と前記第2画面とのいずれを前記ディスプレイに表示させるかを決定し、
前記画面遷移条件は、
前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた値が前記メモリに記憶された第1閾値となったこと、
前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量に応じた値が前記メモリに記憶された第2閾値となったこと、
前記記録部が前記着色剤を使用したこと、
前記第1画面が前記メモリに記憶された閾値時間の間、前記ディスプレイに表示されたこと、
前記第1容器の前記第1室の着色剤の量に応じて第4オブジェクトを前記第2画面に表示したこと、
前記第2容器の前記第2室の着色剤の量に応じて第6オブジェクトを前記第2画面に表示したこと、
前記第1容器に貯留された着色剤の量に関する情報を前記メモリから読み出せないと判断した場合、第8オブジェクトを前記第2画面に表示したこと、
とのうちの少なくとも1つである請求項1から13のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
メモリ及び装着部をさらに備えており、
前記第1容器は、前記装着部に着脱可能なカートリッジであり、
前記第1オブジェクトは、面積が異なる複数の表示形態を有しており、
前記コントローラは、
前記記録部が使用した着色剤の量に応じた使用値をカウントし、カウント値を前記メモリに記憶させるカウント処理と、
前記装着部に前記第1容器が装着されたと判断した場合、前記第1容器の初期充填量を示す初期充填値と、前記第1容器に貯留された着色剤の量に応じた第1残量値と、前記第2容器に貯留された着色剤の量に応じた第2残量値と、前記使用値とを前記メモリから読み出し、前記初期充填値、前記第1残量値、前記第2残量値、及び前記使用値に基づいて、新たな前記第1残量値及び前記第2残量値を決定し、決定した新たな前記第1残量値及び前記第2残量値を前記メモリに記憶させる記憶処理と、
前記第1残量値及び所定値を前記メモリから読み出し、読み出した前記第1残量値を前記所定値で除して残量割合を決定し、決定した前記残量割合に応じて前記第1オブジェクトの表示形態を決定する決定処理と、を実行する請求項1から14のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記コントローラは、
前記残量割合が100%以上であるときの前記第1オブジェクトの表示形態を、前記残量割合が100%であるときの前記第1オブジェクトの表示形態と同じにする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の液面が所定位置以上であることに応じて第1値を出力し、着色剤が前記所定位置未満であることに応じて第2値を出力するセンサをさらに備えており、
前記コントローラは、
前記センサの出力値が前記第1値から前記第2値に変化したと判断すると、前記第1オブジェクトの面積をゼロに決定する請求項15または16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記コントローラは、
前記残量割合及び前記第1残量値に応じて前記第1オブジェクトの面積を、ゼロでない最小面積と最大面積との間で段階的に変化させ、
前記センサの出力値が前記第1値から前記第2値に変化したと判断すると、前記第1オブジェクトの面積をゼロにする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第2オブジェクトは、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量である第2残量値に応じた面積で表示される複数の表示形態を有しており、
前記コントローラは、
前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量が所定量以上であると判断すると、前記第2オブジェクトを最大面積で表示させ、
前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量が所定量未満であると判断すると、前記第2オブジェクトを、前記第2残量値に応じた面積で表示させる請求項1から18のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の液面が所定位置以上であることに応じて第1値を出力し、着色剤が前記所定位置未満であることに応じて第2値を出力するセンサをさらに備えており、
前記コントローラは、
前記センサの出力値が前記第1値であることに応じて、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量が所定量以上であると判断し、
前記センサの出力値が前記第2値であることに応じて、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量が所定量未満であると判断する請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記第1容器及び前記第2容器のセットを複数備えており、
前記コントローラは、
複数の前記セットの各々に対応する複数の前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを前記第1画面に表示し、
複数の前記セットの各々に対応する複数の前記第3オブジェクトを前記第2画面に表示する請求項1から20のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記着色剤は、インクであり、
前記第1室及び前記第2室はそれぞれ外部と連通しており、
前記第2室の一部は前記第1室よりも下方に位置する請求項1から21のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色剤を貯留する2つの容器を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクやトナーなどの着色剤の残量をディスプレイに表示する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ユーザは、ディスプレイに表示された残量により、着色剤の残量を把握する。例えば、着色剤がカートリッジ(容器)に収容されて交換可能である場合、ユーザは、着色剤の残量を把握することにより、カートリッジの交換時期が近いことや、交換時期となったことを認識できる。または、着色剤を容器に補充しなければならない時期が近いことや、着色剤を容器に補充しなければならない時期になったことを認識できる。
【0003】
また、着色剤を貯留するメインタンク及びサブタンクの2つの容器を備える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。メインタンクに貯留された着色剤は、水頭差や重力やポンプなどによってサブタンクに流出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-92816号公報
【特許文献2】特開2008-213162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
着色剤を貯留する2つの容器を備える画像形成装置では、待機画面には、画像形成装置が実行可能な機能の種類など、種々の情報を表示する必要がある。そのため、容器の着色剤の残量表示は、待機画面では、ある程度の状況が把握できれば十分であり、インク残量を表示する画面では、詳細な内容を表示することが望ましい。
【0006】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着色剤を貯留する2つの容器を有する画像形成装置において、各画面において、各容器における着色剤の残量をユーザに容易に認識させることが可能な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、様々な開示を行う。開示例の1つである画像形成装置は、着色剤が貯留される第1室を有する第1容器と、前記第1容器と接続される第2室を有する第2容器と、前記第2室と接続される記録部と、ディスプレイと、コントローラと、を備える。前記コントローラは、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第1オブジェクト、及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第2オブジェクトを含む第1画面を前記ディスプレイに表示させ、第3オブジェクトを含む第2画面を前記ディスプレイに表示させ、前記第3オブジェクトは、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量と、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量と、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の総量と、のうちの1つに応じた形状である。
【0008】
コントローラは、第1容器に貯留された着色剤の量を示す第1オブジェクト、及び第2容器に貯留された着色剤の量を示す第2オブジェクトを含む第1画面をディスプレイに表示させ、第3オブジェクトを含む第2画面をディスプレイに表示させる。第2画面は、例えば待機画面である。第3オブジェクトは、第1容器に貯留された着色剤の量を示し、或いは、第2容器に貯留された着色剤の量を示し、或いは、第1容器及び第2容器に貯留された着色剤の量を示す。第3オブジェクトが第1容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクトによって、第1容器に貯留された着色剤の残量が十分にあることや、第1容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識する。ユーザは、第1容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識すると、第2画面により、第2容器の着色剤が十分にあることや、第2容器に貯留されたインクが使い切られたことを確認する。第3オブジェクトが第2容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクトによって、第2容器の着色剤が十分にあることや、第2容器の着色剤が十分にないことや、第2容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識する。ユーザは、第2容器に着色剤が十分ないことを認識すると、第2画面により、第1容器に貯留されたインクが使い切られたことを確認する。第3オブジェクトが、第1容器及び第2容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクトによって、着色剤の総残量が十分にあることや、着色剤の総残量が十分にないことを認識する。ユーザは、着色剤の総残量が十分にないことを認識すると、第2画面により、第1容器に貯留されたインクが使い切られたか否かを確認する。第1画面または第2画面をディスプレイに表示させることにより、各容器における着色剤の個々の残量をユーザに容易に認識させることができる。
【0009】
開示例の他の1つであるプログラムは、着色剤が貯留される第1室を有する第1容器と、前記第1容器と接続される第2室を有する第2容器と、前記第2室と接続される記録部と、ディスプレイと、コンピュータと、を備える画像形成装置の前記コンピュータによって実行される。前記プログラムは、前記第1容器に貯留された着色剤の量に応じた第1残量値を決定する第1決定処理と、前記第2容器に貯留された着色剤の量に応じた第2残量値を決定する第2決定処理と、決定した前記第1残量値に応じた形状の第1オブジェクト、及び決定した前記第2残量値に応じた形状の第2オブジェクトを含む第1画面を前記ディスプレイに表示させる第1表示処理と、前記第1オブジェクトの表示領域と前記第2オブジェクトの表示領域との総領域よりも表示領域が小さい第3オブジェクトを含む第2画面を前記ディスプレイに表示させる第2表示処理と、を実行する。前記第3オブジェクトは、前記第1残量値と、前記第2残量値と、前記第1残量値及び前記第2残量値と、のうちの1つに応じた形状である。
【0010】
開示例のさらに他の1つである画像形成装置は、着色剤が貯留される第1室を有する第1容器と、前記第1容器と接続される第2室を有する第2容器と、前記第2室と接続される記録部と、ディスプレイと、コントローラと、を備える。前記コントローラは、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量に応じた形状の第1オブジェクトを含む第1画面を前記ディスプレイに表示させ、第2オブジェクトを含む第2画面を前記ディスプレイに表示させる。前記第2オブジェクトは、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量と、前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の量と、前記第1容器の前記第1室に貯留された着色剤の量及び前記第2容器の前記第2室に貯留された着色剤の総量と、のうちの1つに応じた形状である。
【0011】
コントローラは、第2容器に貯留された着色剤の量を示す第2オブジェクトを含む第1画面をディスプレイに表示させ、第2オブジェクトを含む第2画面をディスプレイに表示させる。第2画面は、例えば待機画面である。第2オブジェクトは、第1容器に貯留された着色剤の量を示し、或いは、第2容器に貯留された着色剤の量を示し、或いは、第1容器及び第2容器に貯留された着色剤の量を示す。第2オブジェクトが第1容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第2オブジェクトによって、第1容器に貯留された着色剤の残量が十分にあることや、第1容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識する。ユーザは、第1容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識すると、第2画面により、第2容器の着色剤が十分にあることや、第2容器に貯留されたインクが使い切られたことを確認する。第2オブジェクトが第2容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第2オブジェクトによって、第2容器の着色剤が十分にあることや、第2容器の着色剤が十分にないことや、第2容器に貯留されたインクが使い切られたことを認識する。ユーザは、第2容器に着色剤が十分ないことを認識すると、第1画面により、第2容器に貯留されたインクの残量の詳細を確認する。第2オブジェクトが、第1容器及び第2容器に貯留された着色剤の量を示す場合、ユーザは、待機画面に表示された第2オブジェクトによって、着色剤の総残量が十分にあることや、着色剤の総残量が十分にないことを認識する。ユーザは、着色剤の総残量が十分にないことを認識すると、第1画面により、第2容器に貯留されたインクの残量の詳細を確認する。第1画面または第2画面をディスプレイに表示させることにより、各容器における着色剤の個々の残量をユーザに容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るプリンタ10の外観斜視図であって、(A)はカバー87が被覆位置である状態、(B)はカバー87が露出位置である状態を示す。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【
図3】
図3は、装着ケース150の縦断面図である。
【
図4】
図4は、カートリッジ200の構造を示す図であって、(A)は前方斜視図を、(B)は縦断面図を示す。
【
図5】
図5は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態の縦断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るプリンタ10の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る画像形成処理のフローチャートである。
【
図8】
図8(A)は、第1更新処理のフローチャートであり、
図8(B)は、第2更新処理のフローチャートであり、
図8(C)は、第3更新処理のフローチャートであり、
図8(D)は、第4更新処理のフローチャートである。
【
図9】
図9(A)は、第1実施形態に係る第1オブジェクト目盛決定処理のフローチャートであり、
図9(B)は、第1実施形態に係る第2オブジェクト目盛決定処理のフローチャートであり、
図9(C)は、変形例2に係る第3オブジェクト目盛決定処理のフローチャートである。
図9(D)は、第2実施形態に係る第13オブジェクト目盛決定処理のフローチャートである。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る印刷可能枚数決定処理のフローチャートである。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係るオブジェクト決定処理のフローチャートである
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る画面選択処理のフローチャートである。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る待機画面を示す図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係るインク残量画面を示す図である。
【
図15】
図15(A)は、第1実施形態に係る待機画面を示す図であり、
図15(B)は、第1実施形態に係るインク残量画面を示す図である第4画面を示す図である。
【
図16】
図16(A)は、変形例1に係る待機画面を示す図であり、
図16(B)は、変形例2に係る待機画面を示す図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係るインク残量画面を示す図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係るインク残量画面を示す図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係るオブジェクト決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0014】
以下では、プリンタ10が使用可能に水平面に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義され、プリンタ10の開口13が形成された面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
【0015】
[第1実施形態]
【0016】
[プリンタ10の概要]
プリンタ10は、インクジェット記録技術を利用して用紙に画像を記録する。プリンタ10は、概ね直方体形状の筐体14を有している。また、プリンタ10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの機能を有する、所謂、「複合機」であってもよい。プリンタ10は、画像形成装置の一例である。
【0017】
筐体14の前面には、ディスプレイ28が設けられている。ディスプレイ28については後述される。
【0018】
筐体14の内部には、
図1及び
図2に示されるように、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ25と、複数のノズル29を有するヘッド21と、ヘッド21に対面するプラテン26と、排出ローラ27と、排出トレイ16と、カートリッジ200が着脱される装着ケース150と、ヘッド21及び装着ケース150に装着されたカートリッジ200を連通させるチューブ32とが位置している。ヘッド21は、記録部の一例である。装着ケース150は、装着部の一例である。
【0019】
プリンタ10は、給送ローラ23及び搬送ローラ25を駆動させて、給送トレイ15に支持された用紙をプラテン26の位置まで搬送する。次に、プリンタ10は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からチューブ32を通じて供給されるインクを、ヘッド21にノズル29を通じて吐出させる。これにより、プラテン26に支持された用紙にインクが着弾して、用紙上に画像が記録される。そして、プリンタ10は、排出ローラ27を駆動させて、画像が記録された用紙を排出トレイ16に排出する。
【0020】
より詳細には、ヘッド21は、搬送ローラ25による用紙の搬送向きと交差する主走査方向に往復移動するキャリッジ20に搭載されている。キャリッジ20は、不図示のモータの駆動力が伝達されて、主走査方向(
図2の紙面と垂直な方向)に移動する。プリンタ10は、搬送ローラ25による用紙の搬送が停止されている間に、主走査方向へキャリッジ20を移動させつつ、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。これにより、ヘッド21に対面する用紙の一部の領域(以下、「1パス」と表記する。)に画像が記録される。次に、プリンタ10は、次に画像が記録されるべき領域がヘッド21に対面するように、搬送ローラ25に用紙を搬送させる。そして、これらの処理を交互に繰り返し実行させることによって、1枚の用紙に画像が記録される。
【0021】
[カバー87]
図1に示されるように、筐体14の前面14Aで且つ左右方向9の右端部には、開口85が形成されている。筐体14は、さらにカバー87を備える。カバー87は、開口85を閉塞させる被覆位置(
図1(A)に示される位置)と、開口85を開放する露出位置(
図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー87は、例えば、上下方向7における筐体14の下端近傍において、左右方向9に沿う回動軸線周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。そして、開口85の奥に広がる筐体14内部の収容空間86には、装着ケース150が位置している。
【0022】
[装着ケース150]
装着ケース150は、
図3に示されるように、接点152と、ロッド153と、装着センサ154と、液面センサ155と、ロックピン156とを備えている。装着ケース150には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応する4つのカートリッジ200が収容可能である。すなわち、装着ケース150は、接点152、ロッド153、装着センサ154、液面センサ155は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つずつ備えている。なお、装着ケース150に収容可能なカートリッジ200の数は、4つに限定されず、1つでも良いし、5つ以上でも良い。
【0023】
装着ケース150は、装着されたカートリッジ200を収容する内部空間を有する箱形状である。装着ケース150の内部空間は、上端を画定する天壁と、下端を画定する底壁と、前後方向8の後端を画定する奥壁と、左右方向9の両端を画定する一対の側壁とで画定される。一方、装着ケース150の奥壁と対面する位置は、開口85となっている。すなわち、開口85は、カバー87を露出位置に配置したときに、装着ケース150の内部空間を、プリンタ10の外部に露出させる。
【0024】
そして、カートリッジ200は、筐体14の開口85を通じて、装着ケース150に挿入され、装着ケース150から抜かれる。より詳細には、カートリッジ200は、開口85を前後方向8の後ろ向きに通過して、装着ケース150に装着される。装着ケース150から抜かれるカートリッジ200は、開口85を前後方向8の前向きに通過する。
【0025】
[接点152]
接点152は、装着ケース150の天壁に位置している。接点152は、天壁から装着ケース150の内部空間へ向けて下方に突出している。接点152は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する電極248(
図4)に接する位置に位置している。接点152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接点152は、コントローラ130に電気的に接続されている。
【0026】
[ロッド153]
ロッド153(
図3)は、装着ケース150の奥壁から前方へ突出している。ロッド153は、装着ケース150の奥壁において、後述するジョイント180より上方に位置している。ロッド153は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、カートリッジ200の後述する大気連通口221(
図4)を通じて大気バルブ室214(
図4)に進入する。ロッド153が大気バルブ室214に進入すると、後述する大気バルブ室214を大気に連通される。
【0027】
[装着センサ154]
装着センサ154(
図3)は、装着ケース150の天壁に位置している。装着センサ154は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されているか否かを検出するためのセンサである。装着センサ154は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する遮光リブ245(
図4)は、装着センサ154の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ154の発光部及び受光部は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の遮光リブ245を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
【0028】
装着センサ154は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(図中では、「装着信号」と表記する。)を出力する。装着センサ154は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、装着センサ154は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
【0029】
[液面センサ155]
液面センサ155は、後述するアクチュエータ190の被検出部194が検出位置に位置しているか否かを検出するためのセンサである。液面センサ155は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。換言すれば、液面センサ155の発光部及び受光部は、検出位置に位置した被検出部194を挟んで、互いに対向した状態で位置している。液面センサ155は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる信号(図中では、「液面信号」と表記する。)を出力する。液面センサ155は、センサの一例である。
【0030】
[ロックピン156]
ロックピン156は、装着ケース150の内部空間の上端で且つ開口85付近において、左右方向9に沿って延びる棒状の部材である。ロックピン156の左右方向9の両端は、装着ケース150の一対の側壁に固定されている。ロックピン156は、4つのカートリッジ200が収納可能な4つの空間に亘って左右方向9に延びている。ロックピン156は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200を、
図5に示される装着位置に保持するためのものである。カートリッジ200は、装着ケース150に装着された状態で、ロックピン156に係合される。
【0031】
[タンク160]
プリンタ10は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つのタンク160を備える。詳細には、マゼンタのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、マゼンタのインクが貯留されるタンク160と、シアンのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、シアンのインクが貯留されるタンク160と、イエローのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、イエローのインクが貯留されるタンク160と、ブラックのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、ブラックのインクが貯留されるタンク160と、を備える。タンク160は、第2容器の一例である。
【0032】
タンク160は、装着ケース150の奥壁よりさらに後方に位置している。タンク160は、
図3に示されるように、上壁161と、前壁162と、下壁163と、後壁164と、不図示の一対の側壁とで構成されている。なお、前壁162は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成される。タンク160の内部は、液室171が形成されている。液室171は、第2室の一例である。
【0033】
タンク160を構成する壁のうち、少なくとも液面センサ155に対面する壁は、透光性を有している。これにより、液面センサ155が出力した光は、液面センサ155に対面する壁を透過することができる。後壁164の少なくとも一部は、上壁161、下壁163、及び側壁の端面に溶着されるフィルムでもよい。また、タンク160の側壁は、装着ケース150と共通でもよいし、装着ケース150とは独立していてもよい。さらに、左右方向9に隣接するタンク160の間は、不図示の隔壁によって仕切られている。4つのタンク160の構成は、概ね共通する。
【0034】
液室171は、流出口174を通じて不図示のインク流路に連通されている。流出口174の下端は、液室171の下端を画定する下壁163によって画定されている。流出口174は、ジョイント180(より詳細には、貫通孔184の下端)より上下方向7の下方に位置している。流出口174に連通された不図示のインク流路は、チューブ32に連通されている。これにより、液室171は、流出口174からインク流路及びチューブ32を通じて、ヘッド21と連通する。つまり、液室171に貯留されたインクは、流出口174からインク流路及びチューブ32を通じて、ヘッド21へ供給される。流出口174に連通されたインク流路及びチューブ32は、一端(流出口174)が液室171に連通され、且つ他端33(
図2参照)がヘッド21に連通されている。
【0035】
液室171は、大気連通室175を通じて大気に連通されている。より詳細には、大気連通室175は、前壁162を貫通する貫通孔176を通じて液室171に連通されている。また、大気連通室175は、大気連通ポート177及び大気連通ポート177に接続された不図示のチューブを通じて、プリンタ10の外部に連通されている。すなわち、大気連通室175は、一端(貫通孔176)が液室171に連通され、且つ他端(大気連通ポート177)がプリンタ10の外部に連通されている。なお、大気連通室175は、大気連通ポート177及び不図示のチューブを通じて、大気に連通している。
【0036】
[ジョイント180]
ジョイント180は、
図3に示されるように、ニードル181と、ガイド182とを備えている。ニードル181は、内部に流路が形成された管である。ニードル181は、液室171を画定する前壁162から前方へ突出している。ニードル181の突出先端には、開口183が形成されている。また、ニードル181の内部空間は、前壁162を貫通する貫通孔184を通じて液室171に連通されている。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通されている。ガイド182は、ニードル181の周囲に配置された円筒形状の部材である。ガイド182は、前壁162から前方に突出して、突出端が開口している。
【0037】
ニードル181の内部空間には、バルブ185と、コイルバネ186とが位置している。バルブ185は、ニードル181の内部空間において、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ185は、閉塞位置に位置すると開口183を閉塞する。またバルブ185は、開放位置に位置すると開口183を開放する。コイルバネ186は、バルブ185を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8の前向きに付勢している。
【0038】
[アクチュエータ190]
液室171には、アクチュエータ190が位置している。アクチュエータ190は、液室171内に配置された不図示の支持部材によって、矢印198、199の向きに回動可能に支持されている。アクチュエータ190は、
図3の実線で示される位置及び破線で示される位置の間を回動することができる。さらに、アクチュエータ190は、不図示のストッパ(例えば、液室171の内壁)によって、実線の位置より矢印198の向きへの回動が規制される。アクチュエータ190は、フロート191と、軸192と、アーム193と、被検出部194とを備える。
【0039】
フロート191は、液室171に貯留されるインクより比重が小さい材料で形成されている。軸192は、フロート191の右面及び左面から左右方向9に突出している。軸192は、支持部材に形成された不図示の孔に挿入されている。これにより、アクチュエータ190は、軸192を中心として回動可能に支持部材によって支持される。アーム193は、フロート191から略上方へ延びている。被検出部194は、アーム193の突出先端部に位置している。被検出部194は、上下方向7及び前後方向8に延びる板状の部材である。被検出部194は、液面センサ155の発光部から出力された光を遮光する材料又は色で形成されている。
【0040】
液室171内のインクの液面が基準位置P以上のとき、浮力によって矢印198の向きに回動されたアクチュエータ190は、ストッパによって
図3の実線で示される検出位置に保持される。一方、インクの液面が基準位置P未満のとき、アクチュエータ190は、液面の降下に追従して矢印199の向きに回動される。これにより、被検出部194は、検出位置から外れた位置に移動する。すなわち、被検出部194は、液室171に貯留されたインクの量に対応する位置に移動する。
【0041】
基準位置Pは、上下方向7において、ニードル181の軸中心と同じ高さであり、且つ後述するインク供給口234の中心と同じ高さである。しかしながら、基準位置Pは、上下方向7における流出口174より上方の位置であれば、前述の位置に限定されない。他の例として、基準位置Pは、ニードル181の内部空間の上端や下端の高さでもよいし、インク供給口234の上端や下端の高さでもよい。
【0042】
液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上のとき、液面センサ155の発光部から出力された光が被検出部194で遮られる。これにより、液面センサ155は、発光部からの光が受光部に到達しないので、ローレベル信号「L」をコントローラ130へ出力する。一方、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P未満のとき、液面センサ155は、発光部から出力された光が受光部に到達するので、ハイレベル信号「H」をコントローラ130へ出力する。すなわち、コントローラ130は、液室171内のインクの液面が基準位置P以上か否かを、液面センサ155から出力される信号によって検出することができる。液面センサ155が出力するローレベル信号は、第1値の一例であり、ハイレベル信号は、第2値の一例である。基準位置は、所定位置の一例である。
【0043】
[カートリッジ200]
カートリッジ200は、着色剤の一例であるインクを内部に貯留可能な液室210(
図2参照)を有する容器である。液室210は、第1室の一例である。カートリッジ200は、第1容器の一例である。
【0044】
液室210は、例えば、樹脂製の壁によって画定されている。カートリッジ200は、
図4(A)に示されるように、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。なお、異なる色のインクが貯留されるカートリッジ200の外形形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。カートリッジ200を構成する壁のうちの少なくとも一部は、透光性を有している。これにより、ユーザは、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの液面をカートリッジ200の外部から視認することができる。
【0045】
カートリッジ200は、筐体201と、供給管230とを備える。筐体201は、後壁202と、前壁203と、上壁204と、下壁205と、一対の側壁206、207とで構成されている。なお、後壁202は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成されている。また、上壁204は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。さらに、下壁205は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。
【0046】
カートリッジ200の内部空間には、
図4(B)に示されるように、液室210、インクバルブ室213、及び大気バルブ室214が形成されている。液室210は、上部液室211と、下部液室212とを有する。上部液室211、下部液室212、及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間である。一方、インクバルブ室213は、供給管230の内部空間である。液室210は、インクを貯留する。大気バルブ室214は、液室210とカートリッジ200の外部とを連通させる。
【0047】
液室210の上部液室211及び下部液室212は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁215によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び下部液室212は、隔壁215に形成された貫通孔216によって連通されている。また、上部液室211及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁217によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び大気バルブ室214は、隔壁217に形成された貫通孔218によって連通されている。さらに、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて下部液室212の下端に連通されている。
【0048】
大気バルブ室214は、カートリッジ200の上部において、後壁202に形成された大気連通口221を通じてカートリッジ200の外部に連通されている。すなわち、大気バルブ室214は、一端(貫通孔218)が液室210(より詳細には、上部液室211)に連通され、且つ他端(大気連通口221)がカートリッジ200の外部に連通されている。なお、大気バルブ室214は、大気連通口221を通じて、大気に連通している。また、大気バルブ室214には、バルブ222と、コイルバネ223とが位置している。バルブ222は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ222は、閉塞位置に位置すると、大気連通口221を閉塞する。また、バルブ222は、開放位置に位置すると大気連通口221を開放する。コイルバネ223は、バルブ222を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8の後ろ向きに付勢している。
【0049】
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロッド153が大気連通口221を通じて大気バルブ室214内に進入する。大気バルブ室214内に進入したロッド153は、閉塞位置のバルブ222をコイルバネ223の付勢力に抗して前向きに移動させる。そして、バルブ222が開放位置に移動することによって、上部液室211が大気に連通される。なお、大気連通口221を開放するための構成は、前述の例に限定されない。他の例として、大気連通口221を封止するフィルムをロッド153が突き破る構成でもよい。
【0050】
供給管230は、筐体201の下部において、後壁202から後方に突出している。供給管230は、その突出端(すなわち、後端)が開口されている。すなわち、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて連通された液室210と、カートリッジ200の外部とを連通させる。インクバルブ室213は、一端(貫通孔219)が液室210(より詳細には下部液室212)と連通され、且つ他端(後述するインク供給口234)がカートリッジ200の外部と連通されている。また、インクバルブ室213には、パッキン231と、バルブ232と、コイルバネ233とが位置している。
【0051】
パッキン231の中央には、前後方向8に貫通したインク供給口234が形成されている。インク供給口234の内径は、ニードル181の外径より僅かに小さい。バルブ232は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ232は、閉塞位置に位置すると、パッキン231と当接してインク供給口234を閉塞する。また、バルブ232は、開放位置に位置すると、パッキン231から離間してインク供給口234を開放する。コイルバネ233は、バルブ232を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8の後ろ向きに付勢している。また、コイルバネ233の付勢力は、コイルバネ186より大きい。
【0052】
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230がガイド182内に進入し、やがてニードル181がインク供給口234を通じてインクバルブ室213に進入する。このとき、ニードル181は、パッキン231を弾性変形させつつ、インク供給口234を画定する内周面に液密に接触する。カートリッジ200が装着ケース150へさらに挿入されると、ニードル181は、バルブ232をコイルバネ233の付勢力に抗して前向きに移動させる。また、バルブ232は、ニードル181の開口183から突出するバルブ185を、コイルバネ186の付勢力に抗して後ろ向きに移動させる。
【0053】
これにより、
図5に示されるように、インク供給口234及び開口183が開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、インクバルブ室213及びニードル181の内部空間は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を構成する。
【0054】
また、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、液室210の一部と、液室171の一部とは、水平方向から見て互いに重なる。その結果、液室210に貯留されたインクは、接続された供給管230及びジョイント180を通じて、水頭差によってタンク160の液室171に移動する。
【0055】
上壁204には、突起241が形成されている。突起241は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。突起241は、ロック面242と、傾斜面243とを有する。ロック面242及び傾斜面243は、上壁204より上方に位置している。ロック面242は、前後方向8の前方を向き且つ上下方向7及び左右方向9に延びている(すなわち、上壁204と概ね直交する)。傾斜面243は、上下方向7の上方及び前後方向8の後方を向くように、上壁204に対して傾斜している。
【0056】
ロック面242は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、ロックピン156に当接される面である。傾斜面243は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロックピン156をロック面242と当接する位置まで案内する面である。ロック面242とロックピン156とが当接した状態では、コイルバネ186、223、233の付勢力に抗して、カートリッジ200が
図5に示される装着位置に保持される。
【0057】
ロック面242より前方において上壁204から上方へと延びるようにして、平板状の部材が形成されている。この平板状の部材の上面は、カートリッジ200を装着ケース150から抜去する際に、ユーザが操作する操作部244である。カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態で且つカバー87が露出位置に位置しているとき、操作部244は、ユーザに操作可能となる。操作部244が下方へ押されると、カートリッジ200が回動することによって、ロック面242がロックピン156より下方へ移動する。その結果、カートリッジ200が装着ケース150から抜去することが可能となる。
【0058】
上壁204の外面で且つ突起241より後方には、遮光リブ245が形成されている。遮光リブ245は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。遮光リブ245は、装着センサ154の発光部から出力される光を遮光する材料又は色で形成されている。遮光リブ245は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、装着センサ154の発光部から受光部に至る光路上に位置する。すなわち、装着センサ154は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130に出力する。一方、装着センサ154は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていないことに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。すなわち、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを、装着センサ154から出力される信号によって検出することができる。
【0059】
上壁204の外面で且つ前後方向8における遮光リブ245及び突起241の間には、ICチップ247が位置している。ICチップ247には、電極248が形成されている。また、ICチップ247は、不図示の記憶部を備える。電極248は、ICチップ247の上述の記憶部と電気的に接続されている。電極248は、ICチップ247の上面において、接点152と導通可能に露出されている。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態において、電極248は、接点152と電気的に導通する。コントローラ130は、接点152及び電極248を通じてICチップ247の記憶部から情報を読み出し、接点152及び電極248を通じてICチップ247の記憶部に情報を書き込むことができる。以下では、ICチップ247の記憶部から情報を読み出し、記憶部に情報を書き込むことを、単に、ICチップ247から情報を読み出し、ICチップ247に情報を書き込むと記載する。
【0060】
[コントローラ130]
コントローラ130は、
図6に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するための制御プログラム35が格納されている。RAM133は、CPU131が上述のプログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定情報が格納される。CPU131は、コンピュータの一例である。ROM132、RAM133、EEPROM134、及び上述のICチップ247の記憶部は、メモリの一例である。制御プログラム35は、プログラムの一例である。
【0061】
ASIC135は、給送ローラ23、搬送ローラ25、排出ローラ27、及びヘッド21を動作させるためのものである。コントローラ130は、ASIC135を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ23、搬送ローラ25、及び排出ローラ27を回転させる。また、コントローラ130は、ASIC135を通じてヘッド21の駆動素子に駆動信号を出力することによって、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。ASIC135は、ノズル29を通じて吐出すべきインクの量に応じて、複数種類の駆動信号を出力可能である。
【0062】
ASIC135には、接点152と、装着センサ154と、液面センサ155と、通信I/F34とが電気的に接続されている。コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のICチップ247の記憶部に、接点152を通じてアクセスする。また、コントローラ130は、カートリッジ200の挿抜を装着センサ154を通じて検出する。さらに、コントローラ130は、液室171内のインクの液面が基準位置P以上か否かを液面センサ155を通じて検出する。
【0063】
EEPROM134は、装着ケース150に装着される4つのカートリッジ200それぞれに対応付けて、換言すれば、カートリッジ200と連通されるタンク160それぞれに対応付けて、各種情報を記憶している。各種情報は、S_Emptyフラグや、後述の初期第1残量値や初期第2残量値を含む。
【0064】
S_Emptyフラグは、タンク160がインクエンプティ状態か否かを示す情報である。S_Emptyフラグには、インクエンプティ状態であることに対応する値“ON”、或いはインクエンプティ状態でないことに対応する値“OFF”がコントローラ130によって設定される。インクエンプティ状態とは、例えば、タンク160(より詳細には、液室171)に貯留されたインクの液面が流出口174の上端の位置に達した状態である。インクエンプティ状態になった後にヘッド21によるインクの吐出を継続すると、ノズル29内がインクで満たされず、空気が混入してしまう(所謂、エアイン)可能性がある。すなわち、インクエンプティ状態は、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止しなければならない状態である。
【0065】
また、ASIC135には、ディスプレイ28と、ディスプレイ28に重畳されたタッチセンサ18とが接続されている。ディスプレイ28は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する。タッチセンサ18は、ディスプレイ28においてユーザがタップした位置を検出し、位置情報を出力する。すなわち、コントローラ130は、ディスプレイ28にオブジェクトを表示させている場合において、ユーザがオブジェクトをタップしたか否かを検知することができる。
【0066】
また、ASIC135には、ホームボタン19が接続されている。コントローラ130は、ホームボタン19がユーザによって操作され、操作信号がホームボタン19から入力されると、待機画面(
図13)をディスプレイ28に表示させる。詳しくは後述する。タッチセンサ18及びホームボタン19は、入力部の一例である。
【0067】
ディスプレイ28は、コントローラ130からの指示により、
図13及び
図15(A)に示される待機画面や、
図14及び
図15(B)に示されるインク残量画面を表示する。以下、各画面について詳しく説明する。なお、以下では、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色を区別しない場合は、マゼンタを示す「M」の文字、シアンを示す「C」の文字、イエローを示す「Y」の文字、ブラックを示す「Bk」の文字を省略して説明する場合がある。例えば、後述する第18オブジェクト268Mと第18オブジェクト268Cと第18オブジェクト268Yと第18オブジェクト268Bkとを区別しない場合は、単に、第18オブジェクト268と記載して説明する場合がある。
【0068】
[待機画面]
図13に示される待機画面は、待機状態において表示される画面である。待機画面は、「ファックス」や、「コピー」や、「スキャン」などの機能を示す機能オブジェクト73を有する。ユーザが機能オブジェクト73をタップすると、各機能の詳細を示す画面(不図示)が表示される。また、待機画面は、不図示の設定画面に画面を表示させる設定オブジェクト74や、画面をスクロールさせるスクロールオブジェクト75などを有する。
【0069】
また、待機画面は、4つのカートリッジ200にそれぞれ貯留された各色のインクの残量(以下、インク残量とも記載する)を示す4つの第3オブジェクト253を有する。図示例では、第3オブジェクト253は、待機画面の右下に配置されている。ただし、第3オブジェクト253の配置位置は、右下に限られるものではない。第3オブジェクト253を含む待機画面は、第2画面の一例である。
【0070】
4つの第3オブジェクト253は、左から順に、第3オブジェクト253M、第3オブジェクト253C、第3オブジェクト253Y、第3オブジェクト253Bkである。第3オブジェクト253Mは、マゼンタのインクを貯留するカートリッジ200のインク残量を示す。第3オブジェクト253Cは、シアンのインクを貯留するカートリッジ200のインク残量を示す。第3オブジェクト253Yは、イエローのインクを貯留するカートリッジ200のインク残量を示す。第3オブジェクト253Bkは、ブラックのインクを貯留するカートリッジ200のインク残量を示す。
【0071】
第3オブジェクト253は、縦方向71に長い縦長の矩形の枠部76と、カートリッジ200に貯留されたインクの残量に応じた長さの目盛部77とを備える。すなわち、カートリッジ200に貯留されたインクの残量がゼロである場合、第3オブジェクト253は、枠部76だけとなる。目盛部77は、カートリッジ200に貯留されたインクの残量に応じた数だけ表示される。例えば、目盛部77は、1~20個の目盛である。すなわち、第3オブジェクト253は、カートリッジ200に貯留されたインクの残量に応じた面積で表示される複数の表示形態を有している。
【0072】
第3オブジェクト253は、待機画面からインク残量画面(
図14)に画面を遷移させる切替オブジェクトでもある。インク残量画面については後述する。
【0073】
また、待機画面は、状況に応じて表示される第4オブジェクト254を有する。具体的には、第4オブジェクト254は、交換を促すべきカートリッジ200が存在する場合に表示される。すなわち、第4オブジェクト254は、ユーザにカートリッジ200の交換を促す旨を示すオブジェクトである。
【0074】
第4オブジェクト254は、図示例では、「!」の記号である、第4オブジェクト254は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたことをユーザに直感的に認識させる。なお、第4オブジェクト254は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたことをユーザに認識させることができるのであれば、「!」以外の他の記号や文字や図形であってもよい。
【0075】
第4オブジェクト254は、第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示される。具体的に説明すると、第4オブジェクト254は、交換を促すべきカートリッジ200を示す位置において第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示される。図示例では、第4オブジェクト254は、シアンを示す第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示されている。
【0076】
また、待機画面は、状況に応じて表示される第6オブジェクト256を有する。具体的には、第6オブジェクト256は、印刷を継続できるだけのインクが無くなった場合に表示される。すなわち、第6オブジェクト256は、カートリッジ200を交換しなければ印刷を継続できないことをユーザに認識させる。
【0077】
第6オブジェクト256は、図示例では、「×」の記号である。第6オブジェクト256は、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたインクが使い切られ、印刷を継続できないことをユーザに直感的に認識させる。なお、第6オブジェクト256は、印刷を継続できないことをユーザに認識させることができるのであれば、「×」以外の他の記号や文字や図形であってもよい。
【0078】
第6オブジェクト256は、交換しなければ印刷を継続できないカートリッジ200を示す位置において第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示される。図示例では、第6オブジェクト256は、イエローを示す第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示されている。
【0079】
また、待機画面は、
図15(A)に示されるように、状況に応じて表示される第8オブジェクト258を有する。第8オブジェクト258は、図示例では、「?」の文字である。第8オブジェクト258は、カートリッジ200の種類を判別できない場合に表示される。すなわち、第8オブジェクト258は、カートリッジ200の種類を判別できないカートリッジ200が装着ケース150に装着された場合に表示される。第8オブジェクト258は、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されており、インク残量を表示できないことをユーザに認識させる。なお、第8オブジェクト258は、インク残量を表示できないことをユーザに認識させることができるのであれば、「?」以外の他の文字や記号や図形であってもよい。
【0080】
第8オブジェクト258は、インク残量を表示できない第3オブジェクト253の枠部76に重ねて表示される。図示例では、第8オブジェクト258は、シアンを示す第3オブジェクト253Cの枠部76及びイエローを示す第3オブジェクト253Yの枠部76に重ねて表示されている。
【0081】
待機画面において、第3オブジェクト253がユーザによってタップされると、
図14に示されるインク残量画面がディスプレイ28に表示される。
【0082】
[インク残量画面]
インク残量画面は、マゼンタを示すMの文字である第10オブジェクト260Mと、シアンを示すCの文字である第10オブジェクト260Cと、イエローを示すYの文字である第10オブジェクト260Yと、ブラックを示すBkの文字である第10オブジェクト260Bkとを有する。なお、第10オブジェクト260は、それぞれの色を示すものであれば、他の文字や記号や図形であってもよい。インク残量画面は、第1画面の一例である。
【0083】
また、インク残量画面は、カートリッジ200のインク残量を示す第1オブジェクト251と、タンク160のインク残量を示す第2オブジェクト252とを含む。第1オブジェクト251は、各第10オブジェクト260の下方にそれぞれ位置する。第2オブジェクト252は、第1オブジェクト251の下方に位置する。第10オブジェクト260は、下方に位置する第1オブジェクト251及び第2オブジェクト252に対応するインクの色を示す。
【0084】
第1オブジェクト251は、縦方向71に長い縦長の矩形の枠部61と、インク残量に応じた長さの目盛部62とを備える。すなわち、カートリッジ200に貯留されたインクの残量がゼロである場合、第1オブジェクト251は、枠部61だけとなる。目盛部62は、カートリッジ200に貯留されたインクの残量に応じた数だけ表示される。例えば、目盛部62は、1~20個の目盛である。すなわち、第1オブジェクト251は、カートリッジ200に貯留されたインクの残量に応じた面積で表示される複数の表示形態を有している。複数の第1オブジェクト251は、横方向71に並んで配置されている。
【0085】
第2オブジェクト252は、縦方向71に長い縦長の矩形の枠部63と、インク残量に応じた長さの目盛部64とを備える。すなわち、タンク160に貯留されたインクの残量がゼロである場合、第2オブジェクト252は、枠部63だけとなる。目盛部64は、タンク160に貯留されたインクの残量に応じた数だけ表示される。すなわち、第2オブジェクト252は、タンク160に貯留されたインクの残量に応じた面積で表示される複数の表示形態を有している。複数の第2オブジェクト252は、横方向71に並んで配置されている。
【0086】
横方向72における第1オブジェクト251の長さ(幅)と、横方向72における第2オブジェクト252Mの長さ(幅)とは、同一である。なお、第1オブジェクト251の幅は、カートリッジ200の種類によって変えられてもよい。例えば、カートリッジ200が通常タイプである場合、第1オブジェクト251の幅は、第2オブジェクト252の幅と同一にされ、カートリッジ200が大容量タイプである場合、第1オブジェクト251の幅は、第2オブジェクト252の幅よりも広くされる。すなわち、第2オブジェクト252に対する第1オブジェクト251の幅により、装着ケース150に装着されているカートリッジ200の種類をユーザに直感的に認識させることができる。
【0087】
また、インク残量画面は、状況に応じて表示される第5オブジェクト255を含む。第5オブジェクト255は、上述の第4オブジェクト254と同様に、「!」の記号である。第5オブジェクト255は、第1オブジェクト251の枠部61に重ねて表示される。具体的には、第5オブジェクト255は、インクが使い切られたカートリッジ200を示す第1オブジェクト251の枠部76に重ねて表示される。図示例では、第5オブジェクト255は、シアンを示す第1オブジェクト251Cの枠部76に重ねて表示されている。第5オブジェクト255は、カートリッジ200のインクが使い切られたことをユーザに直感的に認識させる。なお、第5オブジェクト255は、第4オブジェクト254と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0088】
また、インク残量画面は、状況に応じて表示される第7オブジェクト257を含む。第7オブジェクト257は、上述の第6オブジェクト256と同様に、「×」の記号である。第7オブジェクト257は、第1オブジェクト251の枠部61及び第2オブジェクト252の枠部63に重ねて表示される。具体的には、第7オブジェクト257は、インクが使い切られたカートリッジ200を示す第1オブジェクト251の枠部61及びインクが使い切られたタンク160を示す第2オブジェクト252の枠部63に重ねて表示される。図示例では、第7オブジェクト257は、イエローを示す第1オブジェクト251Yの枠部63に重ねて表示されている。第7オブジェクト257は、カートリッジ200を交換しなければ印刷を継続できないことをユーザに直感的に認識させる。なお、第7オブジェクト257は、第6オブジェクト256と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0089】
また、インク残量画面は、
図15(B)に示されるように、状況に応じて表示される第9オブジェクト259を含む。第9オブジェクト259は、上述の第8オブジェクト258と同様に、「?」の記号である。第9オブジェクト259は、第1オブジェクト251の枠部61に重ねて表示される。具体的には、第9オブジェクト259は、インク残量を表示できない第1オブジェクト251の枠部61に重ねて表示される。図示例では、第9オブジェクト259は、シアン及びイエローを示す第1オブジェクト251Cの枠部76及び第1オブジェクト251Yに重ねて表示されている。第9オブジェクト259は、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されてインク残量を表示できないことをユーザに直感的に認識させる。なお、第9オブジェクト259は、第8オブジェクト258と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0090】
また、
図14に示されるように、インク残量画面は、「印刷可能枚数(ISO換算)」の文字である第11オブジェクト261と、印刷可能枚数を示す第12オブジェクト262M、第12オブジェクト262C、第12オブジェクト262Y、及び第12オブジェクト262Bkと有する。第11オブジェクト261は、第2オブジェクト252の下方に位置している。なお、第11オブジェクト261は、印刷可能枚数を示すものであれば、他の文字や図形や記号であってもよい。
【0091】
「印刷可能枚数(ISO換算)」とは、国際標準化機構(ISO)が規定した試験方法で印刷を行った場合に、現在のインク残量で印刷を行うことができる用紙の枚数を示す。印刷可能枚数の詳細な算出方法については後述する。
【0092】
第12オブジェクト262Mは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、マゼンタを示す第10オブジェクト260Mの下方に位置している。第12オブジェクト262Mは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたマゼンタのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Mは、「700」の数字であり、700枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0093】
第12オブジェクト262Cは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、シアンを示す第10オブジェクト260Cの下方に位置している。第12オブジェクト262Cは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたシアンのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Cは、「150」の数字であり、150枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0094】
第12オブジェクト262Yは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、イエローを示す第10オブジェクト260Yの下方に位置している。第12オブジェクト262Yは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたイエローのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Yは、「0」の数字であり、0枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0095】
第12オブジェクト262Bkは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、ブラックを示す第10オブジェクト260Bkの下方に位置している。第12オブジェクト262Bkは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたブラックのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Bkは、「2300」の数字であり、2300枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0096】
なお、カートリッジ200及びタンク160に残っているインク残量の多寡に応じて、第12オブジェクト262が示す数字が変化する。
【0097】
インク残量画面(
図14)の表示領域である第1表示領域の表示面積である第1表示面積S1は、待機画面(
図13)における第3オブジェクト253が表示された表示領域である第2表示領域の表示面積である第2表示面積S2よりも大きい。すなわち、表示面積が小さい待機画面の第2表示領域では、カートリッジ200のインク残量のみを表示し、表示面積が大きいインク残量画面の第1表示領域では、カートリッジ200のインク残量、タンク160のインク残量、及び印刷可能枚数(ISO換算)を表示する。なお、図示例では、インク残量画面の第1表示面積S1は、待機画面の第2表示面積S2の約30倍である。
【0098】
[プリンタ10の動作]
図7~
図12に示されるフローチャート、及び
図13~
図15に示される画面を参照して、本実施形態に係るプリンタ10の動作を説明する。
図7~
図12に示される各処理は、コントローラ130(
図6)によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されている制御プログラム35がCPU131において実行されてもよいし、コントローラ130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。また、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0099】
[画像形成処理]
コントローラ130は、プリンタ10に印刷指示が入力されたことに応じて、
図7に示される画像形成処理を実行する。印刷指示の取得先は特に限定されないが、例えば、印刷指示に対応するユーザ操作を操作パネル22やディスプレイ28を通じて受け付けてもよいし、通信I/F34を通じて外部装置から受信してもよい。
【0100】
まず、コントローラ130は、S_Emptyフラグの値を判断する(S11)。すなわち、コントローラ130は、印刷が可能なだけの量のインクがプリンタ10に有るか否かを判断する。コントローラ130は、S_EmptyフラグがONであると判断すると(S11:ON)、装着信号を取得し(S12)、装着信号が「L」から「H」に変化し、さらに「H」から「L」に変化したか否かを判断する(S13)。すなわち、コントローラ130は、装着信号の変化を監視することにより、カートリッジ200が交換されたか否かを監視する。
【0101】
コントローラ130は、カートリッジ200が交換されていないと判断すると(S13:No)、装着信号を再度取得する(S12)。コントローラ130は、カートリッジ200が交換されたと判断すると(S13:Yes)、第1更新処理(S14)を実行する。なお、コントローラ130は、ステップS12及びステップS13の処理に代えて他の処理を実行することにより、カートリッジ200が交換されたか否かを判断してもよい。例えば、コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ247からカートリッジ200のシリアルナンバーを読み出し、EEPROM134に記憶されたシリアルナンバーと一致するか否かにより、カートリッジ200が交換されたか否かを判断してもよい。
【0102】
[第1更新処理]
図8(A)に示される第1更新処理は、カートリッジ200が交換されたときに、第1残量を示す第1残量値及び第2残量を示す第2残量値を更新する処理である。上述のように、第1残量は、カートリッジ200に貯留されるインク残量であり、第2残量は、タンク160に貯留されるインク残量である。
【0103】
まず、コントローラ130は、カートリッジ200の初期充填量を示す初期充填値を取得する(S31)。具体的には、カートリッジ200のICチップ247から種別情報を読み出し、読み出した種別情報に対応する初期充填値をEEPROM134から読み出して、初期充填値を取得する。EEPROM134には、種別情報と初期充填値との対応を示すテーブルが予め記憶される。なお、コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ247に記憶された第1残量値の初期値を初期充填値として取得してもよい。
【0104】
また、コントローラ130は、第2残量値をRAM133から読み出す(S32)。第2残量値は、カートリッジ200が交換される直前にタンク160に貯留されていたインク残量を示す値である。
【0105】
コントローラ130は、読み出した初期充填値及び第2残量値を和算し、インクの総残量を示す総残量値を算出する(S33)。コントローラ130は、算出した総残量値から、新たな第1残量値及び第2残量値を決定する(S34)。具体的に説明すると、新たなカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、カートリッジ200に貯留されていたインクの一部が液室171に流出する。その結果、カートリッジ200に貯留されるインクの量が減り、タンク160に貯留されるインクの量が増える。新たな第1残量値は、タンク160にインクが流出した後のカートリッジ200に貯留されるインク残量を示す。新たな第2残量値は、カートリッジ200からインクが流出した後のタンク160に貯留されるインク残量を示す。ステップS34の処理は、第1決定処理及び第2決定処理の一例である。総残量値が示す総残量は、総量の一例である。
【0106】
第1残量値及び第2残量値の決定は、関数に基づいた計算式による算出や、テーブルにおける決定によって行われる。具体的に説明すると、カートリッジ200の液室210の形状及びタンク160の液室171の形状は、設計によって予め決められる。したがって、インクの総残量値が判れば、第1残量値及び第2残量値も判る。EEPROM134には、総残量値から第1残量値及び第2残量値を計算する計算式、或いは、総残量値と第1残量値と第2残量値との対応が示されたテーブルが予め記憶されている。コントローラ130は、当該計算式やテーブルにより第1残量値及び第2残量値を決定する。
【0107】
コントローラ130は、決定した第1残量値を、初期第1残量値としてEEPROM134に記憶させるとともに、RAM133に記憶させ、さらに、ICチップ247の記憶部に記憶された第1残量値に上書きする(S35)。また、コントローラ130は、決定した第2残量値を初期第2残量値としてEEPROM134に記憶させるとともに、RAMに記憶させ、第1更新処理を終了する。ステップS35の処理は、記憶処理の一例である。
【0108】
コントローラ130は、
図7に示されるように、第1更新処理が終了すると(S14)、S_Emptyフラグに「OFF」を設定し(S15)、ステップS11の処理を再び実行する。
【0109】
コントローラ130は、S_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、用紙に画像を記録する(S16)。用紙に画像が記録されたことにより、インクが消費される。インクが消費されたことにより、タンク160におけるインクの液面が下がる。コントローラ130は、画像形成(S16)の実行の前後において、液面信号を取得し(S17)、液面信号の値、及び液面信号が変化したか否かを判断する(S18)。
【0110】
コントローラ130は、液面信号が「L」のままだと判断すると(S18:L→L)、第2更新処理(S19)を実行する。すなわち、コントローラ130は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られていないと判断すると、第2更新処理を実行する。
【0111】
[第2更新処理]
図8(B)に示される第2更新処理は、印刷に使用されたインクの量を示す排出値から、新たな第1残量値及び第2残量値を決定する処理である。排出値は、例えば、ヘッド21に吐出させるインク滴の大きさを決定する電圧値などに、インク滴を吐出させる回数などを乗じて算出される値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた排出値を算出する。コントローラ130は、カートリッジ200の交換後から現在までにヘッド21が使用した排出値をカウントする。すなわち、排出値は、カートリッジ200の交換後から現在までにヘッド21が使用したインクの積算値である。排出値は、使用値の一例である。排出値をカウントする処理は、カウント処理の一例である。
【0112】
まず、コントローラ130は、初期第1残量値をRAM133またはEEPROM124から読み出し(S41)、初期第2残量値をRAM133またはEEPROM134から読み出す(S42)。コントローラ130は、読み出した初期第1残量値と初期第2残量値とを和算して初期総残量値を算出する。コントローラ130は、算出した初期総残量値から排出値(積算値)を減算し、現在の総残量値を算出する(S43)。その後、コントローラ130は、上述と同様に、計算式やテーブルを用いて新たな第1残量値及び新たな第2残量値を決定する(S44)。ステップS44の処理は、第1決定処理及び第2決定処理の一例である。
【0113】
コントローラ130は、決定した新たな第1残量値をRAM133に記憶させるとともに、ICチップ247の記憶部に記憶された第1残量値に上書きし(S45)、決定した新たな第2残量値をRAM133に記憶させ(S46)、第2更新処理を終了する。ステップS45、S46の処理は、記憶処理の一例である。
【0114】
コントローラ130は、
図7に示されるように、第2更新処理(S19)が終了すると、次ページがあるか否かを判断し(S22)、次ページがあると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行し、次ページがないと判断すると(S22:No)、画像形成処理を終了する。
【0115】
なお、上述した第1残量値及び第2残量値の決定方法は一例であり、他の方法によって第1残量及び第2残量が決定されてもよい。
【0116】
コントローラ130は、ステップS11の処理で、S_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS16、ステップS17、ステップS18の処理を実行し、液面信号が「L」から「H」に変化したと判断すると(S18:L→H)、第3更新処理(S20)を実行する。すなわち、コントローラ130は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたと判断すると、第3更新処理を実行する。
【0117】
[第3更新処理]
図8(C)に示される第3更新処理は、第1残量値を第1所定値に更新し、かつ第2残量値を第2所定値に更新する処理である。具体的に説明すると、印刷によって排出されたインクの量を示す排出値は、誤差を含む。したがって、印刷がされる度に算出される第1残量値及び第2残量値は、積算された誤差を含む。第3更新処理は、積算された誤差をリセットする処理である。
【0118】
具体的に説明すると、コントローラ130は、ICチップ247の記憶部に記憶された初期第1残量値を第1所定値で上書きする(S47)。第1所定値は、例えば「ゼロ」である。また、コントローラ130は、初期第2残量値を第2所定値としてEEPROM134及びRAM133に記憶させ(S48)、処理を終了する。第2所定値は、基準位置Pにインクの液面がある場合にタンク160の液室171に貯留されているインクの量を示す値である。第2所定値は、例えば、ROM132に予め記憶される。第1所定値は、第1閾値の一例である。第2所定値は、所定量の一例である。ステップS47の処理は、第1決定処理及び記憶処理の一例である。ステップS48の処理は、第2決定処理及び記憶処理の一例である。
【0119】
コントローラ130は、
図7に示されるように、第3更新処理(S20)が終了すると、次ページがあるか否かを判断し(S22)、次ページがあると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行し、次ページがないと判断すると(S22:No)、画像形成処理を終了する。
【0120】
一方、コントローラ130は、ステップS11の処理で、S_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS16、ステップS17、ステップS18の処理を実行し、液面信号が「H」のままだと判断すると(S18:H→H)、第4更新処理(S21)を実行する。すなわち、コントローラ130は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られた後、カートリッジ200が新しいカートリッジ200に交換されるまでは、第4更新処理を実行する。
【0121】
[第4更新処理]
図8(D)に示される第4更新処理は、第2残量値を算出し、算出した第2残量値が示す第2残量が、印刷を継続できる量であるか否かを判断する処理である。まず、コントローラ130は、第2所定値をRAM133またはEEPROM134から読み出す(S51)。また、コントローラ30は、排出値をEEPROM134から読み出す(S52)。排出値は、液面センサ155の出力値が「L」から「H」に変化した後から現在までにヘッド21が使用したインクの積算値を示す。コントローラ130は、読み出した第2所定値から排出値を減算し、新たな第2残量値を算出する(S53)。ステップS53の処理は、第2決定処理の一例である。
【0122】
コントローラ130は、算出した新たな第2残量値を、RAM133に記憶させる(S54)。なお、第1残量値については、上書きを行わず、カートリッジ200が交換されるまでは、第1所定値(ゼロ)のままである。ステップS53の処理は、記憶処理の一例である。
【0123】
次に、コントローラ130は、算出した第2残量値が第3所定値以上か否かを判断する(S55)。第3所定値は、印刷を継続できないインク残量を示す値として、EEPROM134などに予め記憶された値である。
【0124】
コントローラ130は、算出した第2残量値が第3所定値以上であって、継続して印刷を行うことができると判断すると(S55:Yes)、ステップS56の処理をスキップして第4更新処理を終了する。コントローラ130は、算出した第2残量値が第3所定値未満であって、継続して印刷できないと判断すると(S55:No)、S_Emptyフラグに「ON」を設定し(S56)、第4更新処理を終了する。第3所定値は、第2閾値の一例である。
【0125】
上述のように、1ページの画像形成が実行される度に、画像形成に使用したインクの量に応じて第1残量値及び第2残量値が決定される。なお、上述では、1ページ分の画像形成がされる度に第1残量値及び第2残量値が決定される例が説明されたが、第1残量値及び第2残量値は、1パスごとなど、他の基準単位で決定されてもよい。また、第2更新処理、第3更新処理、及び第4更新処理は、印刷だけでなく、メンテナンスなどのためにヘッド21からインクが吐出されるごとに実行される。
【0126】
コントローラ130は、第1残量値及び第2残量値を決定すると、
図11に示されるオブジェクト決定処理を実行する。オブジェクト決定処理は、上述の第1オブジェクト251~第9オブジェクト259の表示/非表示を決定し、また、印刷可能枚数を決定する処理である。
【0127】
[オブジェクト決定処理]
まず、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合するか否かを判断する(S91)。具体的には、コントローラ130は、ICチップ247にアクセスを試み、「ICチップ247にアクセスできない」、或いは、「種別情報などの所定の情報を読み出せない」と判断すると、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合しないカートリッジであると判断する。コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合しないカートリッジであると判断すると(S91:No)、「?」の記号である第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259を表示に決定する(S92)。
【0128】
次に、コントローラ130は、第1オブジェクト251の目盛部62と、第2オブジェクト252の目盛部64と、第3オブジェクト253の目盛部77と、「!」の記号である第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255と、「×」の記号である第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257とを非表示に決定し(S93)、処理を終了する。
【0129】
一方、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合する判断すると(S91:Yes)、更新した第1残量値及び第2残量値をRAM133から読み出すとともに(S94)、S_Emptyフラグの設定値を確認する(S95)。すなわち、コントローラ130は、印刷を継続できるだけのインクがあるか否かを判断する。
【0130】
コントローラ130は、S_Emptyフラグの設定値がONであり、印刷を継続できるだけのインクが残っていないと判断すると(S95:ON)、第1オブジェクト251の目盛部62を非表示(目盛の数がゼロ)に決定し(S96)、第2オブジェクト252の目盛部64を非表示(目盛の数がゼロ)に決定し(S97)、「×」の記号である第5オブジェクト255を表示に決定し(S98)、印刷可能枚数を示す第12オブジェクト262を「0」に決定し(S99)、処理を終了する。
【0131】
コントローラ130は、S_Emptyフラグの設定値がOFFであり、印刷を継続できるだけのインクが残っていると判断すると(S95:OFF)、液面センサ155の出力値を確認する(S100)。すなわち、コントローラ130は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られているか否かを判断する。
【0132】
コントローラ130は、液面センサ155の出力値が「L」であって。カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られていないと判断すると(S100:L)、第1(第3)オブジェクト目盛決定処理を実行する(S101)。第1(第3)オブジェクト目盛決定処理は、決定処理の一例である。
【0133】
[第1(第3)オブジェクト目盛決定処理]
図9(A)の第1(第3)オブジェクト目盛決定処理は、決定した第1残量値に基づいて、第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を決定する処理である。
【0134】
まず、コントローラ130は、第1残量値及び第4所定値を読み出し(S61)、第1残量割合を決定する(S62)。具体的には、第1残量値を第4所定値で除して得られた値に100を乗じて第1残量割合(%)として決定する。第4所定値は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の種類によって決まる値である。具体的には、第4所定値は、タンク160にインクが貯留されていない状態において装着ケース150に新しいカートリッジ200が装着され、水頭差によってカートリッジ200からタンク160にインクが流出し、カートリッジ200に貯留されたインクの液面の高さ位置と、タンク160に貯留されたインクの液面の高さ位置とが同一になった状態における第1残量値である。なお、上述の新しいカートリッジ200には、カートリッジ200の種類に応じた所定の初期充填量のインクが貯留されているものとする。
【0135】
第4所定値は、例えば、EEPROM134に予め記憶される。コントローラ130は、ICチップ247からカートリッジ200の種別情報を読み出し、読み出した種別情報と対応する第4所定値をEEPROM134から読み出す。EEPROM134は、第4所定値と種別情報との対応を示すテーブルを予め記憶する。第4所定値は、所定値の一例である。
【0136】
次に、コントローラ130は、決定した第1残量割合に基づいて、第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を決定する(S63)。具体的には、コントローラ130は、決定した第1残量割合が0%以上5%未満である場合は、第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を「1」に決定し、第1残量割合が5%以上~10%未満である場合は、目盛の数を「2」に決定する。同様に、第1残量割合が5%増加するごとに、目盛の数が1つずつ増やされる。ただし、第1残量割合が95%以上である場合は、目盛の数は、全て「20」に決定される。
【0137】
目盛の数を、第4所定値を基準に算出した第1残量割合に応じて決定するのは、1つの目盛が示すインクの量がばらつくことを防止するためである。詳しく説明すると、プリンタ10は、カートリッジ200とは別にインクを貯留するタンク160を備えている。したがって、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られた後も、タンク160に貯留されているインクによって印刷を継続できる。ユーザは、タンク160に貯留されているインクが使い切られる前に、カートリッジ200を交換する。したがって、タンク160にインクが残っている状態においてカートリッジ200が交換されることが想定される。タンク160にインクが残っている状態でカートリッジ200が交換されると、カートリッジ200の交換直後におけるインクの総残量を示す初期総残量値は、タンクに残っていたインクの量によって変化する。したがって、初期総残量値を基準に目盛の数を決定すると、1つの目盛が示すインクの量が変化することになる。第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を第4所定値を基準に決定することにより、カートリッジ200の交換時にタンク160に残っていたインクの量に拘わらず、1つの目盛が示すインクの量が変化せず、一定になる。
【0138】
また、第4所定値を基準に第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を決定し、かつ、第1残量割合が95%以上である場合、目盛の数を全て「20」に決定することにより、ユーザに違和感を生じさせることを抑制することができる。詳しく説明すると、カートリッジ200の初期充填量を基準に目盛の数を決定すると、カートリッジ200を交換した後、カートリッジ200からタンク160にインクが流出した後に、目盛の数が減ってしまうおそれが生じる。すなわち、1度も印刷をしていないのに、目盛の数が最大数「20」を表示しない場合が生じ得る。そうすると、ユーザに違和感を生じさせてしまう。また、例えば、第1残量割合が100%以上105%未満で第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を「21」にすると、カートリッジ200の交換時にタンク160に残っていたインクの量によって目盛の最大表示がばらつくことになる。そうすると、ユーザに違和感を生じさせてしまう。第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を第4所定値を基準に決定し、かつ、第1残量割合が95%以上である場合、目盛の数を全て「20」に決定することにより、カートリッジ200の交換後、印刷を行うまでの第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数が常に最大値「20」になる。その結果、ユーザに違和感を生じさせることを抑制することができる。
【0139】
図11に示されるように、コントローラ130は、第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253の目盛の数を決定(S101)した後、第2オブジェクト252の目盛の数を最大値「20」に決定する(S102)。また、コントローラ130は、印刷可能枚数(ISO換算)決定処理を実行し(S103)、処理を終了する。
【0140】
なお、上述のように、第1オブジェクト251と第3オブジェクト253とは、同一の数の目盛を表示する。すなわち、第1オブジェクト251の最大目盛数(20個)に対する表示目盛の割合と、第3オブジェクト253の最大メモリ数(20個)に対する表示目盛の割合とは、同一である。したがって、第1オブジェクト251の最大表示面積に対する表示割合と、第3オブジェクト253の最大表示面積に対する表示割合とは、同一である。また、第1オブジェクト251と第3オブジェクト253とは、連動してディスプレイ28に表示される。
【0141】
[印刷可能枚数決定処理]
印刷可能枚数決定処理は、各更新処理(
図8)において決定した第1残量値及び第2残量値に基づいて、第12オブジェクト262(
図14)が示す数字を決定する処理である。
【0142】
まず、コントローラ130は、
図10に示されるように、カートリッジ200のICチップ247からカートリッジ200の種別情報を読み出す(S81)。コントローラ130は、読み出した種別情報から、標準使用値を取得する(S82)。具体的には、コントローラ130は、読み出した種別情報と対応する標準使用値をEEPROM134から読み出す。EEPROM134には、種別情報と標準使用値との対応が示されたテーブルが予め記憶されている。標準使用値は、国際標準化機構(ISO)が規定した試験方法で印刷を行った場合に、インクの単位量当たりの印刷可能枚数を示す。
【0143】
次に、コントローラ130は、第1残量値及び第2残量値をRAM133から読み出す(S83)。コントローラ130は、読み出した第1残量値及び第2残量値を和算し、インクの総残量値を算出する(S84)。
【0144】
次に、コントローラ130は、算出した総残量値に標準使用値を乗じて印刷可能枚数(ISO換算)を算出する(S85)。コントローラ130は、算出した印刷可能枚数(ISO換算)をRAM133に記憶させ(S86)、処理を終了する。
【0145】
図11に示されるように、コントローラ130は、液面センサ155の出力値が「H」であり、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られていると判断すると(S100:H)、第1オブジェクト251の目盛部62を非表示に決定する(S104)。次に、コントローラ130は、「!」の記号である第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255を表示に決定する(S105)。次に、コントローラ130は、第2オブジェクト目盛決定処理(S106)及び印刷可能枚数決定処理(S107)を実行し、処理を終了する。印刷可能枚数決定処理は、ステップS103で説明した印刷可能枚数(ISO換算)決定処理と同じ処理である。
【0146】
[第2オブジェクト目盛決定処理]
図9(B)の第2オブジェクト目盛決定処理は、第4更新処理(
図8(D)で決定した第2残量値に基づいて、第2オブジェクト252の目盛の数を決定する処理である。
【0147】
コントローラ130は、第2残量値及び第2所定値を読み出し(S71)、第2残量割合を決定する(S72)。具体的には、コントローラ130は、RAM133から読み出した第2残量値をEEPROM134から読み出した第2所定値で除して得られた値に100を乗じて第2残量割合(%)として決定する。第2所定値は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたときにタンク160に貯留されているインクの量を示す値である。
【0148】
コントローラ130は、決定した第2残量割合に基づいて、第2オブジェクト252の目盛の数を決定する(S73)。具体的には、コントローラ130は、決定した第2残量割合が0%以上5%未満である場合は、目盛の数を「1」に決定し、第2残量割合が5%以上~10%未満である場合は、目盛の数を「2」に決定する。同様に、第2残量割合が5%増加するごとに、目盛の数が1つずつ増やされ、第2残量割合が95%以上100%未満である場合、目盛の数が最大値「20」に決定される。
【0149】
コントローラ130は、オブジェクト決定処理(
図11)で表示することに決定したオブジェクトを含む待機画面及びインク残量画面をディスプレイ28に表示させる。したがって、待機画面において表示される第3オブジェクト253、第4オブジェクト254(「!」)、第6オブジェクト256(「×」)、第8オブジェクト258(「?」)と、インク残量画面において表示される第1オブジェクト251、第5オブジェクト255(「!」)、第7オブジェクト257(「×」)、第9オブジェクト259(「?」)とは、連動する。すなわち、待機画面に表示される第3オブジェクト253は、インク残量画面に表示される第1オブジェクト251を縮小した形状であり、待機画面に第4オブジェクト254(「!」)が表示されると、インク残量画面にも第5オブジェクト255(「!」)が表示され、待機画面に第6オブジェクト256(「×」)が表示されると、インク残量画面にも第7オブジェクト257(「×」)が表示され、待機画面に第8オブジェクト258(「?」)が表示されると、インク残量画面にも第9オブジェクト259(「?」)が表示される。
【0150】
また、コントローラ130は、待機画面をディスプレイ28に表示させるか、インク残量画面をディスプレイ28に表示させるかを決定する画面選択処理を実行する。コントローラ130は、第3オブジェクト253をタップするユーザ操作により、或いは自動で、待機画面からインク残量画面に、或いはインク残量画面から待機画面に画面を切り替える。以下、詳しく説明する。
【0151】
[画面選択処理]
まず、コントローラ130は、
図12に示される画面選択処理において、待機画面(
図13)をディスプレイ28に表示させる(S111)。次に、コントローラ130は、第3オブジェクト253がタップされたか否か(S112)を判断する。コントローラ130は、第3オブジェクト253がタップされたと判断すると(S112:Yes)、
図7に示される画像形成処理及び
図8に示される更新処理を実行し、次いで、
図11に示されるオブジェクト決定処理により決定した内容に基づいて、待機画面(
図13)に代えて、インク残量画面(
図14)をディスプレイ28に表示させる(S116)。
【0152】
また、コントローラ130は、
図7に示される画像形成処理及び
図8に示される更新処理を実行し、次いで、
図11に示されるオブジェクト決定処理を実行後、画面選択処理において、第3オブジェクト253がタップされていないと判断すると(S112:No)、第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255(「!」)を表示に決定したか否か(S113)、第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257(「×」)を表示に決定したか否か(S114)、第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259(「?」)を表示に決定したか否か(S115)を判断する。
【0153】
また、コントローラ130は、第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255を表示に決定したと判断し(S113:Yes)、或いは、第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257を表示に決定したと判断し(S114:Yes)、或いは、第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259を表示に決定したと判断すると(S115:Yes)、ユーザ操作に拠らず、待機画面(
図13)に代えてインク残量画面(
図14)をディスプレイ28に表示させる(S116)。すなわち、待機画面からインク残量画面に画面が自動で切り換わる。ステップS116の処理は、第1表示処理の一例である。
【0154】
コントローラ130は、インク残量画面をディスプレイ28に表示された時から、不図示のタイマカウンタを用いて経時を開始する。コントローラ130は、タイマカウンタのカウント値がEEPROM134に記憶された所定の閾値時間を超えるまで(S117:No)、インク残量画面をディスプレイ28に表示させる。コントローラ130は、タイマカウンタのカウント値が閾値時間を超えたと判断すると(S117:Yes)、ユーザ操作に拠らず、インク残量画面に代えて待機画面をディスプレイ28に表示させる(S118)。ステップS111及びステップS118の処理は、第2表示処理の一例である。
【0155】
また、コントローラ130は、ホームボタン19が押下されたか否かを監視する(S117:No、S119:No)。コントローラ130は、ホームボタン19から操作信号が入力し、ホームボタン19が押下されたと判断すると(S119:Yes)、インク残量画面に代えて待機画面をディスプレイ28に表示させ(S118)、処理を終了する。
【0156】
一方、コントローラ130は、第3オブジェクト253がタップされていないと判断し(S112:No)、かつ、第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255を表示に決定していないと判断し(S113:No)、かつ、第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257を表示に決定していないと判断し(S114:No)、かつ、第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259を表示に決定していないと判断すると(S115:No)、待機画面(
図13)を継続してディスプレイ28に表示させ(S118)、処理を終了する。
【0157】
ステップS113、S114、S115において判断される条件は、画面遷移条件の一例である。
【0158】
[第1実施形態の効果]
本実施形態では、カートリッジ200に貯留されたインクの量を示す第1オブジェクト251、及びタンク160に貯留されたインクの量を示す第2オブジェクト252がインク残量画面に表示され、カートリッジ200に貯留されたインクの量を示す第3オブジェクト253が待機画面に表示される。ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクト253により、カートリッジ200に貯留されたインクが十分にあることや、インクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識する。ユーザは、カートリッジ200に貯留されたインクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識すると、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。待機画面に第3オブジェクト253を表示させ、インク残量画面に第1オブジェクト251及び第2オブジェクト252を表示させることにより、インク残量をユーザに容易に認識させることができる。
【0159】
また、本実施形態では、表示領域の面積を大きくできるインク残量画面において、インク残量の詳細を表示し、表示領域の面積を大きくできない待機画面において、インク残量の情報を限定して表示する。したがって、待機画面において、必要最低限の情報をユーザに認識させることができ、また、インク残量画面において、インク残量の詳細をユーザに認識させることができる。
【0160】
また、本実施形態では、第1オブジェクト251の目盛と、第3オブジェクト253の目盛とは、連動して変化する。したがって、第1オブジェクト251と第3オブジェクト253とが示す内容(カートリッジ200のインク残量)が同一であることをユーザに容易に認識させることができ、また、第1オブジェクト251と第3オブジェクト253とが示す内容が同一でないとの誤解をユーザに与えるおそれが低減する。
【0161】
また、本実施形態では、待機画面に第4オブジェクト254(「!」)が表示されるので、インク残量に関する情報があることをユーザに容易に認識させることができる。待機画面に表示された第4オブジェクト254を視認したユーザは、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。すなわち、第4オブジェクト254が待機画面に表示されることにより、インク残量に関する詳細の確認をユーザに促すことができる。
【0162】
また、本実施形態では、待機画面に第6オブジェクト256(「×」)が表示されるので、インク残量に関する情報があることをユーザに容易に認識させることができる。待機画面に表示された第6オブジェクト256を視認したユーザは、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。すなわち、第6オブジェクト256が待機画面に表示されることにより、インク残量に関する詳細の確認をユーザに促すことができる。
【0163】
また、本実施形態では、インク残量画面に第5オブジェクト255(「!」)が表示されるので、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたことをユーザに容易に認識させることができる。また、待機画面に表示される第4オブジェクト254とインク残量画面に表示される第5オブジェクト255とは同一の記号「!」であるので、待機画面に表示された第4オブジェクト254を視認したユーザによって待機画面からインク残量画面に画面が切り替えられた場合に、ユーザに違和感を生じさせることがない。
【0164】
また、本実施形態では、インク残量画面に第7オブジェクト257(「×」)が表示されるので、カートリッジ200を交換しなければ印刷を継続できないことをユーザに容易に認識させることができる。また、待機画面に表示される第6オブジェクト256とインク残量画面に表示される第7オブジェクト257とは同一の記号「×」であるので、待機画面に表示された第6オブジェクト256を視認したユーザによって待機画面からインク残量画面に画面が切り替えられた場合に、ユーザに違和感を生じさせることがない。
【0165】
また、本実施形態では、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着され、残量を算出できないと判断すると、待機画面に第8オブジェクト258(「?」)が表示される。したがって、適合しないカートリッジ200が使用されており、インク残量を表示できないことをユーザに容易に認識させることができる。その結果、故障によってインク残量が表示されないとの誤解をユーザが抱くことを抑制することができる。
【0166】
また、本実施形態では、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着され、残量を算出できないと判断すると、インク残量画面に第9オブジェクト259(「?」)が表示される。したがって、適合しないカートリッジ200が使用されており、インク残量を表示できないことをユーザに容易に認識させることができる。その結果、故障によってインク残量が表示されないとの誤解をユーザが抱くことを抑制することができる。また、待機画面に表示される第8オブジェクト258とインク残量画面に表示される第9オブジェクト259とは同一の記号「?」であるので、待機画面に表示された第8オブジェクト258を視認したユーザによって待機画面からインク残量画面に画面が切り替えられた場合に、ユーザに違和感を生じさせることがない。
【0167】
また、本実施形態では、ユーザが第3オブジェクト253をタップすることにより、待機画面からインク残量画面に画面が切り替わり、ユーザがホームボタン19を押下することにより、インク残量画面から待機画面に画面が切り替わる。したがって、インク残量をユーザに容易に確認させることができる。
【0168】
また、本実施形態では、第4オブジェクト254(「!」)、第6オブジェクト256(「×」)、第8オブジェクト258(「?」)を表示に決定し、或いは印刷が行われると、ユーザが第3オブジェクト253をタップしなくても、待機画面からインク残量画面に画面が切り替わる。したがって、画面を切り替えるユーザの手間が減少する。また、インク残量画面がディスプレイ28に表示されてから所定の閾値時間が経過すると、再び待機画面がディスプレイ28に表示される。したがって、画面を切り替えるユーザの手間がさらに減少する。
【0169】
また、本実施形態では、第4所定値に対する第1残量値の割合を決定し、決定した割合に応じて第1オブジェクト251のメモリの数を決定するので、第1オブジェクト251の1目盛が示す着色剤の量は、カートリッジ200の交換時にタンク160に残っていたインクの量に拘わらず一定になる。したがって、ユーザに違和感を与えることなく、カートリッジ200に貯留されたインクの残量をユーザに認識させることができる。
【0170】
また、本実施形態では、第1残量割合が100%以上であるときは、第1オブジェクト251の数は全て最大値(20個)とされる。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着されたときにタンク160に残っていたインクが使用されるまでは、第1オブジェクト251は、満量表示(最大目盛表示)を行う。したがって、カートリッジ200が交換されたときに第1オブジェクト251の目盛の数がばらつくことがない。その結果、ユーザに違和感を生じさせることなく、カートリッジ200の残量をユーザに認識させることができる。
【0171】
また、本実施形態では、液面センサ155の出力がローレベル「L」からハイレベル「H」に変化したと判断すると、第1オブジェクト251の目盛の数をゼロに決定する。すなわち、液面センサ155の出力がローレベル「L」からハイレベル「H」に変化するまでは、少なくとも1つの目盛がディスプレイ28に表示される。したがって、カートリッジ200にインクが使い切られていないにも拘わらず、目盛の数がゼロになることが防止される。その結果、インクが使い切られていないカートリッジ200が新しいカートリッジ200に交換されることを抑制することができる。
【0172】
また、本実施形態では、液面センサ155の出力がローレベル「L」からハイレベル「H」に変化したと判断すると、第1オブジェクト251の目盛の数をゼロに決定する。すなわち、算出した第1残量値に拘わらず、液面センサ155の出力がローレベル「L」からハイレベル「H」に変化したと判断すると、第1オブジェクト251の目盛の数をゼロにする。したがって、カウントした排出値が含む誤差がリセットされ、カートリッジ200の残量を、より正確に表示することができる。
【0173】
また、本実施形態では、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られるまでは、第2オブジェクト252は、最大目盛を表示し、その後、印刷などによって使用されたインクの量(排出値)に応じて目盛の数が減少する。したがって、ユーザに対して、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られるまでは、第1オブジェクト251に注目させることができ、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られた後は、第2オブジェクト252に注目させることができる。その結果、インクの残量に関する情報を選択的にユーザに認識させることができる。
【0174】
また、本実施形態では、液面センサ155により、カートリッジ200が使い切られたか否かを判断するので、排出値に基づいて判断するよりも、カートリッジ200が使い切られたか否かを正確に判断することができる。
【0175】
また、本実施形態では、4つの第3オブジェクト253を待機画面に表示するので、4つの第1オブジェクト251と、4つの第2オブジェクト252とを待機画面に表示する場合に比べ、表示が簡単である。したがって、4つの第1オブジェクト251と、4つの第2オブジェクト252とを待機画面に表示する場合に比べ、ユーザに容易に残量を認識させることができる。
【0176】
また、本実施形態では、カートリッジ200に加え、タンク160を有するので、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られた後も、印刷を継続して行うことができる。ユーザは、タンク160に貯留されたインクを使い切る前に、カートリッジ200を交換すればよい。
【0177】
[第2実施形態]
上述の第1実施形態では、カートリッジ200に貯留されたインクの残量を示す第1オブジェクト251及びタンク160に貯留されたインクの残量を示す第2オブジェクト252を含むインク残量画面がディスプレイ28に表示される例を説明した。第2実施形態では、第1オブジェクト251を含まず、第2オブジェクト252を含むインク残量画面がディスプレイ28に表示される例を説明する。
【0178】
本実施形態に係るプリンタ10は、第1実施形態で説明したプリンタ10と同構成である。
【0179】
プリンタ10のディスプレイ28は、第1実施形態と同様に、待機画面を表示する。待機画面は、第2画面の一例である。第2画面において表示される第3オブジェクト253は、第2オブジェクトの一例である。
【0180】
また、
図17において、ディスプレイ28は、第1実施形態で説明したインク残量画面に代えて、以下に説明するインク残量画面を表示する。
【0181】
[インク残量画面]
インク残量画面は、マゼンタを示すMの文字である第10オブジェクト260Mと、シアンを示すCの文字である第10オブジェクト260Cと、イエローを示すYの文字である第10オブジェクト260Yと、ブラックを示すBkの文字である第10オブジェクト260Bkとを有する。なお、第10オブジェクト260は、それぞれの色を示すものであれば、他の文字や記号や図形であってもよい。インク残量画面は、第1画面の一例である。
【0182】
また、インク残量画面は、タンク160のインク残量を示す複数の第13オブジェクト263を含む。各第13オブジェクト263は、各第10オブジェクト260の下方にそれぞれ位置する。第10オブジェクト260は、第13オブジェクト263が対応するインクの色を示す。第13オブジェクト263は、第1オブジェクトの一例である。
【0183】
第13オブジェクト263は、縦方向71に長い縦長の矩形の枠部65と、インク残量に応じた長さの目盛部66とを備える。すなわち、タンク160に貯留されたインクの残量がゼロである場合、第13オブジェクト263は、枠部65だけとなる。目盛部66は、タンク160に貯留されたインクの残量に応じた数だけ表示される。すなわち、第13オブジェクト263は、タンク160に貯留されたインクの残量に応じた面積で表示される複数の表示形態を有している。
【0184】
また、インク残量画面は、状況に応じて表示される第5オブジェクト255を含む。第5オブジェクト255は、上述の第4オブジェクト254と同様に、「!」の記号である。第5オブジェクト255は、第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。具体的には、第5オブジェクト255は、最大表示でない第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。図示例では、第5オブジェクト255は、シアンを示す第13オブジェクト263Cの枠部65に重ねて表示されている。第5オブジェクト255は、カートリッジ200のインクが使い切られたことをユーザに直感的に認識させる。なお、第5オブジェクト255は、第4オブジェクト254と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0185】
また、インク残量画面は、状況に応じて表示される第7オブジェクト257を含む。第7オブジェクト257は、上述の第6オブジェクト256と同様に、「×」の記号である。第7オブジェクト257は、第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。具体的には、第7オブジェクト257は、インクが使い切られたタンク160を示す第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。図示例では、第7オブジェクト257は、イエローを示す第13オブジェクト263Yの枠部65に重ねて表示されている。第7オブジェクト257は、カートリッジ200を交換しなければ印刷を継続して行えないことをユーザに直感的に認識させる。なお、第7オブジェクト257は、第6オブジェクト256と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0186】
また、インク残量画面は、
図18に示されるように、状況に応じて表示される第9オブジェクト259を含む。第9オブジェクト259は、上述の第8オブジェクト258と同様に、「?」の記号である。第9オブジェクト259は、第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。具体的には、第9オブジェクト259は、インク残量を表示できない第13オブジェクト263の枠部65に重ねて表示される。図示例では、第9オブジェクト259は、シアン及びイエローを示す第13オブジェクト263Cの枠部65に重ねて表示されている。第9オブジェクト259は、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されてインク残量を表示できないことをユーザに直感的に認識させる。なお、第9オブジェクト259は、第8オブジェクト258と異なる文字や記号や図形であってもよい。
【0187】
また、
図17に示されるように、インク残量画面は、「印刷可能枚数(ISO換算)」の文字である第11オブジェクト261と、印刷可能枚数を示す第12オブジェクト262M、第12オブジェクト262C、第12オブジェクト262Y、及び第12オブジェクト262Bkと有する。第11オブジェクト261は、第2オブジェクト252の下方に位置している。なお、第11オブジェクト261は、印刷可能枚数を示すものであれば、他の文字や図形や記号であってもよい。
【0188】
「印刷可能枚数(ISO換算)」とは、国際標準化機構(ISO)が規定した試験方法で印刷を行った場合に、現在のインク残量で印刷を行うことができる用紙の枚数を示す。
【0189】
第12オブジェクト262Mは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、マゼンタを示す第10オブジェクト260Mの下方に位置している。第12オブジェクト262Mは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたマゼンタのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Mは、「700」の数字であり、700枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0190】
第12オブジェクト262Cは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、シアンを示す第10オブジェクト260Cの下方に位置している。第12オブジェクト262Cは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたシアンのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Cは、「150」の数字であり、150枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0191】
第12オブジェクト262Yは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、イエローを示す第10オブジェクト260Yの下方に位置している。第12オブジェクト262Yは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたイエローのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Yは、「0」の数字であり、0枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0192】
第12オブジェクト262Bkは、第11オブジェクト261の下方であって、かつ、ブラックを示す第10オブジェクト260Bkの下方に位置している。第12オブジェクト262Bkは、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたブラックのインク残量により、何枚の用紙に印刷が可能であるかを示す。図示例では、第12オブジェクト262Bkは、「2300」の数字であり、2300枚の用紙に印刷が可能であることを示している。
【0193】
なお、カートリッジ200及びタンク160に残っているインク残量の多寡に応じて、第12オブジェクト262が示す数字が変化する。
【0194】
インク残量画面(
図14)の表示領域である第1表示領域の表示面積である第1表示面積S1は、待機画面(
図13)における第3オブジェクト253が表示された表示領域である第2表示領域の表示面積である第2表示面積S2よりも大きい。すなわち、表示面積が小さい待機画面の第2表示領域では、カートリッジ200のインク残量のみを表示し、表示面積が大きいインク残量画面の第1表示領域では、カートリッジ200のインク残量、タンク160のインク残量、及び印刷可能枚数(ISO換算)を表示する。なお、図示例では、インク残量画面の第1表示面積S1は、待機画面の第2表示面積S2の約30倍である。
【0195】
プリンタ10のコントローラ130は、第1実施形態と同一の画像形成処理、第1更新処理、第2更新処理、第3更新処理、及び第4更新処理を実行する。
【0196】
また、コントローラ130は、
図19に示されるオブジェクト決定処理を実行する。
【0197】
[オブジェクト決定処理]
まず、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合するか否かを判断する(S91)。具体的には、コントローラ130は、ICチップ247にアクセスを試み、「ICチップ247にアクセスできない」、或いは、「種別情報などの所定の情報を読み出せない」と判断すると、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合しないカートリッジであると判断する。コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合しないカートリッジであると判断すると(S91:No)、「?」の記号である第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259を表示に決定する(S92)。
【0198】
次に、コントローラ130は、第13オブジェクト263の目盛部66と、第3オブジェクト253の目盛部77と、「!」の記号である第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255と、「×」の記号である第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257とを非表示に決定し(S131)、処理を終了する。
【0199】
一方、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が適合する判断すると(S91:Yes)、更新した第1残量値及び第2残量値をRAM132から読み出すとともに(S94)、S_Emptyフラグの設定値を確認する(S95)。すなわち、コントローラ130は、印刷を継続して行えるだけのインクがあるか否かを判断する。
【0200】
コントローラ130は、S_Emptyフラグの設定値がONであり、印刷を継続して行えるだけのインクが残っていないと判断すると(S95:ON)、第3オブジェクト253の目盛部77を非表示(目盛の数がゼロ)に決定し(S132)、第13オブジェクト263の目盛部66を非表示(目盛の数がゼロ)に決定し(S133)、「×」の記号である第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257を表示に決定し(S98)、印刷可能枚数を示す第12オブジェクト262を「0」に決定し(S99)、処理を終了する。
【0201】
コントローラ130は、S_Emptyフラグの設定値がOFFであり、印刷を継続して行えるだけのインクが残っていると判断すると(S95:OFF)、液面センサ155の出力値を確認する(S100)。すなわち、コントローラ130は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られているか否かを判断する。
【0202】
コントローラ130は、液面センサ155の出力値が「L」であって。カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られていないと判断すると(S100:L)、
図9(A)に示される第1(第3)オブジェクト目盛決定処理(S101)と同一の処理である第3オブジェクト目盛決定処理を実行する(S134)。
【0203】
[第3オブジェクト目盛決定処理]
第3オブジェクト目盛決定処理は、決定した第1残量値に基づいて、第3オブジェクト253の目盛の数を決定する処理である。第3オブジェクト目盛決定処理は、
図9(A)に示される第1(第3)オブジェクト目盛決定処理と同じ処理である。ただし、本実施形態では、第1実施形態と異なり、第3オブジェクト253の目盛の数のみを決定する。
【0204】
図19に示されるように、コントローラ130は、第3オブジェクト253の目盛の数を決定(S134)した後、第13オブジェクト252の目盛の数を最大値「20」に決定する(S135)。また、コントローラ130は、第1実施形態と同一の印刷可能枚数決定処理を実行し(S103)、処理を終了する。
【0205】
図19に示されるように、コントローラ130は、液面センサ155の出力値が「H」であり、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られていると判断すると(S100:H)、第3オブジェクト253の目盛部77を非表示に決定する(S136)。次に、コントローラ130は、「!」の記号である第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255を表示に決定する(S105)。次に、コントローラ130は、第1実施形態と同一の第2オブジェクト目盛決定処理(S106)と同じ処理である第13オブジェクト決定処理を実行する。
【0206】
[第13オブジェクト目盛決定処理]
図9(D)の第13オブジェクト目盛決定処理は、
図8(D)に示される第4更新処理で決定した第2残量値に基づいて、第13オブジェクト263の目盛の数を決定する処理である。
図9(D)を参照して第13オブジェクト目盛決定処理について説明する。
【0207】
コントローラ130は、第2残量値及び第2所定値を読み出し(S71)、第2残量割合を決定する(S72)。具体的には、コントローラ130は、読み出した第2残量値を第2所定値で除して得られた値に100を乗じて第2残量割合を算出する。第2所定値は、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたときにタンク160に貯留されているインクの量を示す値である。
【0208】
コントローラ130は、決定した第2残量割合に基づいて、第13オブジェクト263の目盛の数を決定する(S74)。具体的には、コントローラ130は、決定した第2残量割合が0%以上5%未満である場合は、目盛の数を「1」に決定し、第2残量割合が5%以上~10%未満である場合は、目盛の数を「2」に決定する。同様に、第2残量割合が5%増加するごとに、目盛の数が1つずつ増やされ、第2残量割合が95%以上100%未満である場合、目盛の数が最大値「20」に決定される。
【0209】
図19に示されるように、コントローラ130は、第13オブジェクト目盛決定処理の実行後(S137)、印刷可能枚数決定処理(S107)を実行し、処理を終了する。印刷可能枚数決定処理は、ステップS103の印刷可能枚数決定処理と同じ処理である。
【0210】
また、コントローラ130は、第1実施形態と同一の画面選択処理を実行する。
【0211】
[第2実施形態の効果]
本実施形態では、第1実施形態と同じ構成の部分によって、第1実施形態と同様の効果を有する。
【0212】
また、本実施形態では、タンク160に貯留されたインクの量を示す第13オブジェクト263がインク残量画面に表示され、カートリッジ200に貯留されたインクの量を示す第3オブジェクト253が待機画面に表示される。ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクト253により、カートリッジ200に貯留されたインクが十分にあることや、インクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識する。ユーザは、カートリッジ200に貯留されたインクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識すると、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。待機画面に第3オブジェクト253を表示させ、インク残量画面に第13オブジェクト263を表示させることにより、インク残量をユーザに容易に認識させることができる。
【0213】
また、本実施形態では、表示領域の面積を大きくできるインク残量画面において、インク残量の詳細を表示し、表示領域の面積を大きくできない待機画面において、インク残量の情報を限定して表示する。したがって、待機画面において、必要最低限の情報をユーザに認識させることができ、また、インク残量画面において、インク残量の詳細をユーザに認識させることができる。
【0214】
[変形例1]
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、待機画面に表示された第3オブジェクト253が、カートリッジ200に貯留されたインクの残量を示す例が説明された。しかしながら、
図16(A)に示されるように、第3オブジェクト253は、タンク160に貯留されたインクの残量を示していてもよい。本変形例では、第3オブジェクト253は、第1実施形態で説明された第2オブジェクト252、及び第2実施形態で説明された第13オブジェクト263と連動して表示される。すなわち、第3オブジェクト253は、第2オブジェクト252及び第13オブジェクト263の目盛の数と同じ数の目盛を表示する。
【0215】
また、本変形例では、実施形態と同様に、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られると、第3オブジェクト253に重ねて、第4オブジェクト254(「!」)がディスプレイ28に表示される。また、タンク160に貯留されたインクが使い切られると、第6オブジェクト256(「×」)がディスプレイ28に表示される。また、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、第8オブジェクト258(「?」)がディスプレイ28に表示される。
【0216】
[変形例1の効果]
本変形例では、カートリッジ200に貯留されたインクの量を示す第1オブジェクト251、及びタンク160に貯留されたインクの量を示す第2オブジェクト252がインク残量画面に表示され、タンク160に貯留されたインクの量を示す第3オブジェクト253が待機画面に表示される。ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクト253により、タンク160に貯留されたインクが十分にあることや、インクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識する。ユーザは、タンク160に貯留されたインクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識すると、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。待機画面に第3オブジェクト253を表示させ、インク残量画面に第1オブジェクト251及び第2オブジェクト252を表示させることにより、インク残量をユーザに容易に認識させることができる。
【0217】
また、本変形例では、第3オブジェクト253に重ねて第4オブジェクト254(「!」)を表示するので。カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたこともユーザに容易に認識させることができる。
【0218】
[変形例2]
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、待機画面に表示された第3オブジェクト253が、カートリッジ200に貯留されたインクの残量を示す例が説明された。しかしながら、
図16(B)に示されるように、第3オブジェクト253は、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたインクの総残量を示していてもよい。
【0219】
コントローラ130は、
図9(C)に示される第3オブジェクト目盛決定処理を実行し、第3オブジェクト253の目盛の数を決定する。まず、コントローラ130は、第1残量値及び第2残量値をRAM133から読み出し、初期充填値をEEPROM134から読み出す(S121)。コントローラ130は、読み出した第1残量値、第2残量値、及び初期充填値から、総残量割合を算出する(S122)。具体的には、コントローラ130は、第1残量値と第2残量値とを和算して総残量値を算出し、算出した総残量値を初期残量値で除して総残量割合を算出する。
【0220】
コントローラ130は、算出した総残量割合に基づいて、第3オブジェクト253の目盛の数を決定する(S123)。具体的には、コントローラ130は、算出した総残量割合が0%以上5%未満である場合は、目盛の数を「1」に決定し、総残量割合が5%以上~10%未満である場合は、目盛の数を「2」に決定する。同様に、総残量割合が5%増加するごとに、目盛の数が1つずつ増やされる。ただし、総残量割合が95%以上である場合は、目盛の数は、全て最大表示の「20」に決定される。
【0221】
また、本変形例では、上述の実施形態と同様に、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られると、第3オブジェクト253に重ねて、第4オブジェクト254(「!」)がディスプレイ28に表示される。また、タンク160に貯留されたインクが使い切られると、第6オブジェクト256(「×」)がディスプレイ28に表示される。また、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、第8オブジェクト258(「?」)がディスプレイ28に表示される。
【0222】
[変形例2の効果]
本変形例では、カートリッジ200に貯留されたインクの量を示す第1オブジェクト251、及びタンク160に貯留されたインクの量を示す第2オブジェクト252がインク残量画面に表示され、カートリッジ200及びタンク160に貯留されたインクの総残量を示す第3オブジェクト253が待機画面に表示される。ユーザは、待機画面に表示された第3オブジェクト253により、インクが十分にあることや、インクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識する。ユーザは、インクが十分に無いことや、インクが使い切られたことを認識すると、第3オブジェクト253をタップしてインク残量画面をディスプレイ28に表示させ、インク残量の詳細を確認する。待機画面に第3オブジェクト253を表示させ、インク残量画面に第1オブジェクト251及び第2オブジェクト252を表示させることにより、インク残量をユーザに容易に認識させることができる。
【0223】
また、本変形例では、第3オブジェクト253に重ねて第4オブジェクト254(「!」)を表示するので、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたこともユーザに容易に認識させることができる。
【0224】
[その他の変形例]
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、インクを着色剤の一例として説明した。しかしながら、着色剤はインクに限らず、トナーであってもよい。
【0225】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、水頭差によってカートリッジ200からタンク160にインクが流出する例を説明した。しかしながら、重力によって、カートリッジ200からタンクにインクが流出されてもよいし、ポンプなどの駆動源を用いてカートリッジ200からタンクにインクが流出されてもよい。駆動源を用いる場合、タンクは、例えばヘッド21に搭載される。
【0226】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、インクを貯留するカートリッジ200及びタンク160が用いられた例を説明した。しかしながら、タンク160のみが用いられてもよいし、カートリッジ200のみが用いられてもよい。タンク160のみが用いられる場合、例えば、液面センサ155が「L」から「H」になったときにタンク160に貯留されたインクの残量が初期充填量とされる。或いは、ユーザがタンク160にインクを充填した際に、初期充填量がユーザによってコントローラ130に入力される。コントローラ130は、当該初期充填量及び排出値を用いて第2残量を算出し、ISO換算や消費量換算での印刷可能枚数を算出してディスプレイ28に表示する。
【0227】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、第1オブジェクト251、第2オブジェクト252、第3オブジェクト253、及び第13オブジェクト263が表示する目盛は、段階的に変化する例を説明した。しかしならが、目盛は、無段階で表示されてもよい。すなわち、第1オブジェクト251及び第3オブジェクト253は、第1残量値に応じた面積の目盛を表示し、第2オブジェクト252及び第13オブジェクト263は、第2残量値に応じた面積の目盛を表示してもよい。また、目盛は、20段階に限らず、10段階や5段階など、複数の段階表示であればよい。
【0228】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、第1オブジェクト251、第2オブジェクト252、第3オブジェクト253は、縦方向71に長い矩形である例を説明した。しかしながら、第1オブジェクト251、第2オブジェクト252、第3オブジェクト253は、円形など、他の形状であってもよい。
【0229】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、印刷が行われたり、カートリッジ200に貯留されたインクが使い切られたり、タンク160に貯留されたインクが使い切られたり、適合しないカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、ユーザの操作に拘わらずインク残量画面が表示される例を説明した。しかしながら、第3オブジェクト253をタップするなどのユーザの操作のみによって待機画面からインク残量画面に画面が切り替えられてもよい。
【0230】
また、上述の第1実施形態における画面選択処理(
図12)では、第4オブジェクト254及び第5オブジェクト255(「!」)が表示に決定され、第6オブジェクト256及び第7オブジェクト257(「×」)が表示に決定され、第8オブジェクト258及び第9オブジェクト259(「?」)が表示に決定されると、ユーザ操作に拠らず、待機画面からインク残量画面に画面が自動で切り換わる例を説明した。しかしながら、
図12におけるステップS113からステップS115の処理に代えて、
図7に示される画像形成処理が実行されたか否かが判断されてもよい。すなわち、印刷が行われたか否かが判断されてもよい。コントローラ130は、印刷が行われたと判断すると、ユーザ操作に拠らず、待機画面からインク残量画面に画面を自動で切り替える。すなわち、印刷が実行されてインク残量が更新される度に、待機画面からインク残量画面に画面が自動で切り替わる。その結果、印刷が実行される度に、インク残量の詳細をユーザに認識させることができる。
図7に示される画像形成処理(印刷)を実行したか否かは、画面遷移条件の一例である。
【符号の説明】
【0231】
10・・・プリンタ
18・・・タッチセンサ
21・・・ヘッド
28・・・ディスプレイ
35・・・制御プログラム
71・・・縦方向
72・・・横方向
130・・・コントローラ
134・・・EEPROM
155・・・液面センサ
160・・・タンク
171・・・液室
200・・・カートリッジ
210・・・液室
251・・・第1オブジェクト
252・・・第2オブジェクト
253・・・第3オブジェクト
254・・・第4オブジェクト
255・・・第5オブジェクト
256・・・第6オブジェクト
257・・・第7オブジェクト
258・・・第8オブジェクト
259・・・第9オブジェクト
263・・・第13オブジェクト