(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087256
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】タッチ表示パネルおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220602BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 412
G06F3/044 120
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066470
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2018514827の分割
【原出願日】2017-07-28
(31)【優先権主張番号】201710002677.2
(32)【優先日】2017-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Xihuanzhonglu, BDA, Beijing, 100176, P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 金▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 月
(72)【発明者】
【氏名】李 彦辰
(57)【要約】
【課題】タッチ表示パネルの製造プロセスを簡略化し、製造コストを削減する。
【解決手段】該タッチ表示パネルは、表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、前記周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含む。前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含む。前記複数のリード端子は、マトリックス状に配列される。行方向または列方向について、前記第1、第2端子は、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置される。本発明の実施例に係るタッチ表示パネルおよび表示装置によれば、データ信号線に対応するリードとタッチ信号線に対応するリードとの同層での配線を実現することで、製造コストを削減させ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含み、
前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、マトリックス状に配列される
タッチ表示パネル。
【請求項2】
隣接する2行の前記リード端子は、行方向に互いに所定の距離だけずらされている
請求項1に記載のタッチ表示パネル。
【請求項3】
前記所定の距離は、前記リード端子の幅の半分である
請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項4】
前記表示領域は、複数列の画素を含み、2列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されている
請求項1~3のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項5】
前記表示領域は、複数列の画素を含み、1列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されている
請求項1~3のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項6】
前記画素は、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素および青色のサブ画素を含み、前記タッチ信号線は、赤色のサブ画素と緑色のサブ画素との間に配設されている
請求項4または5に記載のタッチ表示パネル。
【請求項7】
前記データ線と前記タッチ信号線とは、同層に設置されるとともに、互いに絶縁される
請求項1~6のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のタッチ表示パネルを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年01月03日に提出した中国特許出願第201710002677.2号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全ての内容は本願の一部として援用される。
【0002】
本発明は、表示技術分野に関し、特に、タッチ表示パネルおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチパネルの薄型化および軽量化に伴い、タッチパネルと液晶表示基板とのタッチ表示パネルへの一体化に対する研究が盛んになってきている。ただし、タッチパネルとの機能を液晶表示基板の内部に組み込むエンベディッド型タッチ方式が人々に注目されている。従来、自己容量式インセルタッチパネルの実現方法としては、表示基板での共通電極である透明電極層をタッチ電極として複数の電極ブロックに分割し、タッチ信号線を、一端をタッチ電極と接続し、他端をタッチ用ドライバチップと接続することで、タッチ信号の伝達が図れて、ひいてはタッチが生じている位置が決められる。具体的には、表示パネルを指が触れると、対応する位置におけるタッチ電極の容量値のばらつきが生じる。タッチ用ドライバチップは、容量値のばらつきに対する検出でタッチポイントの位置を決定でき、それによってタッチ機能を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第105653087号公報
【特許文献2】特開2014-157219号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/0378254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、タッチ表示パネルにおけるタッチ用ドライバチップと、データ線およびタッチ信号線との接続用配線の設計を簡略化させることにより、タッチ表示パネルの製造プロセスの簡略化および製造コストの削減が図れる、タッチ表示パネルおよび表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によれば、タッチ表示パネルを提供する。該タッチ表示パネルは、表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含む。前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含む。前記複数のリード端子は、マトリックス状に配列される。行方向または列方向について、前記第1、第2端子は、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置される。
【0007】
実施形態の選択肢として、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、隣接する2行の前記リード端子は、行方向に互いに所定の距離だけずらされている。
【0008】
実施形態の選択肢として、前記所定の距離は、前記リード端子の幅の半分である。
【0009】
実施形態の選択肢として、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、前記表示領域は、複数列の画素を含み、2列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されている。
【0010】
実施形態の選択肢として、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、前記表示領域は、複数列の画素を含み、1列ごとの画素に1つのタッチ信号線が配設されている。
【0011】
実施形態の選択肢として、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、前記画素は、赤色のサブ画素、緑色のサブ画素および青色のサブ画素を含み、前記タッチ信号線は、赤色のサブ画素と緑色のサブ画素との間に配設されている。
【0012】
実施形態の選択肢として、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、前記データ線と前記タッチ信号線とは、同層に設置されるとともに、互いに絶縁される。
【0013】
本発明の第2態様によれば、上記実施例のいずれか1つに記載のタッチ表示パネルを備える表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例に係るタッチ表示パネルおよび表示装置によれば、データ線と接続された第1端子とタッチ信号線と接続された第2端子をハイブリッド配列することで、データ信号線に対応するリードとタッチ信号線に対応するリードとの同層での配線が図れる。このように、1層の金属および対応する製造プロセスを余分に追加してタッチ信号線に対応するリードを別に製造する必要がなくなり、ひいては製造コストを削減可能である。また、金属配線の余分的な追加による各種の不都合および大きなスペースを必要とする配線という問題も解消し、製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】タッチ表示パネルにおけるタッチ用ドライバチップのリード端子の例示的な分布の模式図である。
【
図2】
図1に示されるリード端子の分布を有するタッチ表示パネルとタッチ用ドライバチップとの接続時のリードの配線模式図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図4】本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図5】本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図6】本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図7】本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図8】本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネルの模式図である。
【
図9】本発明の実施例に係るタッチ表示パネルとタッチ用ドライバチップとの接続時のリードの配線模式図である。
【
図10】本発明の実施例に係る表示装置の構造模式図である。 図面では、最後2桁の数字の同じである符号が同じ要素に対応する。なお、図面における要素は例示的なものであって、縮尺で描かれたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
タッチ表示パネルの表示領域には、複数のタッチ信号線と複数のデータ線が設けられている。その周辺領域には、それぞれリードを介してタッチ信号線およびデータ線と接続された複数のリード端子が設けられている。タッチ信号線およびデータ線がリード端子を介してタッチ用ドライバチップに接続されることで、タッチ用ドライバチップの、データ線によるデータ信号の伝送、およびタッチ信号線によるタッチ信号の伝送を実現して、タッチ表示パネルのタッチ機能および表示機能を実現する。
図1は、タッチ表示パネルにおけるタッチ用ドライバチップのためのリード端子の例示的な分布の模式図である。
図1に示されるリード端子の分布を有するタッチ表示パネルにおいて、タッチ信号線と接続されたリード端子aと、データ線と接続されたリード端子bとは、区画に配列される。
図2は、
図1に示されるリード端子の分布を有するタッチ表示パネルとタッチ用ドライバチップとの接続時のリードの配線模式図である(リード端子は図示略)。リード端子が区画に設置されるため、リードの交差を防止するように、それぞれデータ線に対応するリードL1とタッチ信号線に対応するリードL2を配設するための2つのリード層は必要となる。
図2に示すように、
図1の設計の利用には、パターニングプロセスを余分に追加する必要があり、すなわち、タッチ信号線に対応するリードL2の配線設計を実現するように、データ線に対応するリードL1に加えて1層の金属を追加する必要があり、あるいは、データ線とタッチ信号線のリードの交差を回避させるように、配線量と配線スペースを余分に追加する必要がある。このように、配線スペースが大きくなり、タッチ表示パネルの製造プロセスの簡略化および製造コストの削減にも不利である。
【0017】
本発明の実施例は、タッチ表示パネルの製造プロセスの簡略化および製造コストの削減を実現できる、タッチ表示パネルおよび表示装置を提供する。該タッチ表示パネルは、表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含む。複数のリード端子は、複数の第1端子と複数の第2端子を含む。第1端子の各々は、リードを介して1つのデータ線と接続される。第2端子の各々は、リードを介して1つのタッチ信号線と接続される。複数のリード端子は、マトリックス状に配列される。行方向または列方向について、第1、第2端子は、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致して設置される。
【0018】
以下、本発明の実施例に係るタッチ表示パネルおよび表示装置の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図3は、本発明の一実施例に係るタッチ表示パネル300の模式図を示す。該実施例において、タッチ表示パネル300は、表示領域310に設けられた複数のタッチ信号線Txおよび複数のデータ線Dxと、周辺領域320に設けられたタッチ用ドライバチップ(図示略)と、周辺領域に設けられ、かつタッチ用ドライバチップの各ピンにそれぞれ対応するリード端子と、各リード端子にそれぞれ対応するリードLと、を含む。該タッチ表示パネル300において、リード端子はマトリックス状に配列する。リード端子は、第1端子P1と第2端子P2を含む。第1端子P1の各々は、1つのリードLを介して1つのデータ線Dxと接続されており、第2端子P2の各々は、1つのリードLを介して1つのタッチ信号線Txと接続されている。第1端子P1および第2端子P2は、接続されているデータ線Dxおよびタッチ信号線Txと配列順序が一致するように、一行に配列される。
図3に示すように、データ線Dxとタッチ信号線Txが「データ線Dx、データ線Dx、データ線Dx、タッチ信号線Tx」との順で繰り返して配列される場合、第1端子P1と第2端子P2は相応的に、「第1端子P1、第1端子P1、第1端子P1、第2端子P2」との順で繰り返して一行に配列される。このようなデータ線Dxに対応する第1端子P1とタッチ信号線Txに対応する第2端子P2のハイブリッド配列によって、データ信号線Dxに対応するリードLとタッチ信号線Txに対応するリードLが、互いに交差せず同層に配線されることが図れる(
図9に示される)。
【0020】
図4は、本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネル400の模式図を示す。
図3に示される例とは異なり、
図4に示される例において、第1端子P1および第2端子P2は、接続されているデータ線Dxおよびタッチ信号線Txと配列順序が一致するように、複数行に配列される。データ線Dxとタッチ信号線Txが「データ線Dx、データ線Dx、データ線Dx、タッチ信号線Tx」との順で繰り返して配列される場合、相応的には、左側から、最初の4つのリード端子が「第1端子P1、第1端子P1、第1端子P1、第2端子P2」との順で第1行に配列され、次の4つのリード端子も「第1端子P1、第1端子P1、第1端子P1、第2端子P2」との順で第2行に配列される。図示されないが、残りのリード端子が上記配列規則に従って引き続き配列可能であることは、当業者にとって当然のことと理解される。
図4から分かるように、このようなデータ線Dxに対応する第1端子P1とタッチ信号線Txに対応する第2端子P2のハイブリッド配列によっても、データ信号線Dxに対応するリードLとタッチ信号線Txに対応するリードLが、互いに交差せず同層に配線されることが図れる(
図9に示される)。
【0021】
図5は、本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネル500の模式図を示す。
図4に示された例とは異なり、
図5に示される例において、データ線Dxとタッチ信号線Txが「データ線Dx、データ線Dx、データ線Dx、タッチ信号線Tx」との順で繰り返して配列される場合、相応的には、左側から、最初の4つのリード端子が「第1端子P1、第1端子P1、第1端子P1、第2端子P2」との順で第1行に配列され、次の4つのリード端子が「第2端子P2、第1端子P1、第1端子P1、第1端子P1」との順で第2行に配列される。図示されないが、残りのリード端子が上記配列規則に従って引き続き配列可能であることは、当業者にとって当然のことと理解される。
図5から分かるように、このようなデータ線Dxに対応する第1端子P1とタッチ信号線Txに対応する第2端子P2のハイブリッド配列によっても、データ信号線Dxに対応するリードLとタッチ信号線Txに対応するリードLが、互いに交差せず同層に配線されることが図れる(
図9に示される)。
【0022】
図6は、本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネル600の模式図を示す。
図3~5に示される例とは異なり、
図6に示される例において、第1端子P1および第2端子P2は、接続されているデータ線Dxおよびタッチ信号線Txと配列順序が一致するように、複数列に配列される。データ線Dxとタッチ信号線Txが「データ線Dx、データ線Dx、データ線Dx、タッチ信号線Tx」との順で繰り返して配列される場合、相応的には、各列の最内側のリード端子から最外側のリード端子までの順に従って、最初の2つのリード端子が「第1端子P1、第1端子P1」のと順で第1列に配列され、次の2つのリード端子は「第1端子P1、第2端子P2」のと順で第2列に配列され、次の4つのリード端子も前の4つのリード端子の順で第3列および第4列に配列される。図示されないが、残りのリード端子が上記配列規則に従って引き続き配列可能であることは、当業者にとって当然のことと理解される。
図5から分かるように、このようなデータ線Dxに対応する第1端子P1とタッチ信号線Txに対応する第2端子P2のハイブリッド配列によっても、データ信号線Dxに対応するリードLとタッチ信号線Txに対応するリードLが、互いに交差せず同層に配線されることが図れる(
図9に示される)。
【0023】
行方向または列方向について第1端子と第2端子が、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致するように設置されることに、上記例以外、多種の実施形態が含くまれており、本発明の実施例が行ごとまたは列ごとのリード端子の数量を限定しないことは、当業者にとって明白であろう。
【0024】
本発明の実施例に係るタッチ表示パネルによれば、行方向または列方向について、第1端子と第2端子を、接続されているデータ線およびタッチ信号線と配列順序が一致するように設置することで、1層の金属および対応する製造プロセスを余分に追加してタッチ信号線に対応するリードを別に製造する必要がなくなり、それによって製造コストを削減できる。また、金属配線の余分的な追加による各種の不都合および大きなスペースを必要とする配線という問題も解消し、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0025】
図7は、本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネル700の模式図を示す。上記実施例とは異なり、
図7に示されるタッチ表示パネルにおいて、隣接する2行のリード端子は、行方向に互いに所定の距離だけずらされている。所定の距離は、例えばリード端子の幅の半分である。このように、短いリードを介してリード端子とデータ線およびタッチ信号線を接続するように、隣接する列のリード端子間の隙間を利用してリードを配線することにより、製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減される。隣接する2行のリード端子が行方向に互いにずらされている所定の距離が、リード端子の幅の半分以外の値を含んでもよいことは、当業者にとって当然のことと理解される。
【0026】
本発明の実施例に係るタッチ表示パネルは、複数列の画素を含む。画素ごとには、赤色R、緑色Gおよび青色Bの3色のサブ画素が含まれている。列ごとのサブ画素は、1つのデータ線Dxに対応するとともに、1つの第1端子P1に対応する。以下、
図7および
図8を参照して、表示領域におけるタッチ信号線Txのサブ画素間の位置に対して、第1端子と第2端子を配列する例を説明する。
【0027】
図7に示されるタッチ表示パネルにおいて、2列ごとの画素には、1つのタッチ信号線Txが設けられ、すなわち、6つのデータ線Dxおきに1つのタッチ信号線Txが設けられている。より具体的には、2列ごとの画素において、タッチ信号線Txが第2列の画素である赤色サブ画素と緑色サブ画素との間に配設される。列方向について、第1端子P1と第2端子P2を、接続されているデータ線Dxおよびタッチ信号線Txと配列順序が一致するように設置することで、データ線Dxおよびタッチ信号線Txと接続されるリードの交差を回避させる。
図7に示される例では、列ごとの最外側のリード端子から最内側のリード端子までの順に従って、最左側の第1端子P1から、7つごとのリード端子を1つのリード端子群mとする。リード端子群mごとには、6つの第1端子P1と1つの第2端子P2が含まれており、リード端子群mごとにおける5番目のリード端子は、第2端子P2である。第1端子P1と第2端子P2のハイブリッド配列によって、各リード端子に対応するリードLが同層に設置される。このように、リードの相互交差を回避させるように、1層の金属および対応する製造プロセスを余分に追加してタッチ信号線Txに対応するリードを別に製造する必要がない。また、タッチ信号線TxをRサブ画素とGサブ画素との間に設置することは、RGクロスカラーの問題の改善にも有利である。
【0028】
図8は、本発明の別の実施例に係るタッチ表示パネル800の模式図を示す。
図7に示される実施例とは異なり、
図8に示されるタッチ表示パネルにおいて、列ごとの画素には、1つのタッチ信号線Txが設けられ、すなわち、3つのデータ線Dxおきに1つのタッチ信号線Txが設けられている。より具体的には、列ごとの画素において、タッチ信号線Txが赤色サブ画素と緑色サブ画素との間に配設される。列方向について、第1端子P1と第2端子P2を、接続されているデータ線Dxおよびタッチ信号線Txと配列順序が一致するように設置することで、データ線Dxおよびタッチ信号線Txと接続されるリードの交差を回避させる。
図8に示される例では、列ごとの最外側のリード端子から最内側のリード端子までの順に従って、最左側の第1端子P1から、4つごとのリード端子を1つのリード端子群mとする。リード端子群mごとには、3つの第1端子P1と1つの第2端子P2が含まれており、リード端子群mごとにおける2番目のリード端子は、第2端子P2である。第1端子P1と第2端子P2のハイブリッド配列によって、各リード端子に対応するリードLが同層に設置される。このように、リードの相互交差を回避させるように、1層の金属および対応する製造プロセスを余分に追加してタッチ信号線Txに対応するリードを別に製造する必要がない。また、タッチ信号線TxをRサブ画素の列とGサブ画素の列との間に設置することは、RGクロスカラーの問題の改善にも有利である。
【0029】
なお、上述したタッチ信号線とリード端子に関わる各設置形態は例示的なものであり、実用の際に、タッチ表示パネルの解像度および寸法によって、タッチ信号線の位置や第1端子P1と第2端子P2とのハイブリッド配列形態を調整することができる。ただし、第1端子P1と第2端子P2とのハイブリッド配列形態は、表示領域におけるタッチ信号線Txの設計と対応する必要がある。
【0030】
本発明の実施例では、データ線とタッチ信号線とは、同層に設置されるとともに、互いに絶縁される。具体的には、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルにおいて、共通電極層は、分割されてタッチ電極に多重化される。データ線とタッチ信号線とは同一のパターニングプロセスで形成され、すなわち、データ線とタッチ信号線とは同層に設置され、ひいては製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減される。その代わりに、データ線とタッチ信号線とを別層に設置してもよく、ここで限定されない。
【0031】
同じ発明構想に基づいて、本発明の実施例は表示装置を提供しており、
図10に示すように、該表示装置は、本発明の実施例に係る上記タッチ表示パネルのいずれかを備える。該表示装置において、タッチ信号線Txとデータ線Dxの配列形態は実状に応じて調整可能である。
図10は、2つのデータ線Dxおきに1つのタッチ信号線Txを設置することを例として説明する。タッチ用ドライバチップのすべてのリードLは、すべてのタッチ信号線Txおよびデータ線Dxに対応する。
【0032】
該表示装置は、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ウェアラブル機器またはナビゲータなどの表示機能を持つ任意の製品または部材である。該表示装置の作動原理がタッチ表示パネルと類似しているので、該表示装置の実施形態についてタッチ表示パネルの実施形態を参照すればよく、重複の説明は省略する。
【0033】
本発明は、その趣旨や範囲を逸脱しない限り、当業者にとって多くの修正や変更が可能である。このように、本発明に関わるこれらの修正や変更が本発明の請求の範囲またはその均等技術の範囲に属すれば、本発明にはこれらの変更や変形が含まれている。
【0034】
適用性のあるさらなる態様および範囲は、本明細書に記載の説明から明らかであろう。なお、本願における各態様は、別々に実施してもよく、他の1つまたは複数の態様と組み合わせて実施してもよい。また、本明細書における説明および特定の実施例は、説明のためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するためのものではない。
【0035】
特に断らない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語の単数形は複数形を含み、逆にしても同様である。したがって、単数形に言及する場合、一般的に対応する用語の複数形を含む。同様に、「含む」および「備える」という表現は、挙げられた要素に加えて、他の要素が共存してもよいことを意味する。同様に、「備える」および「または」という用語は、本明細書において明示的に禁止されていない限り、挙げられた要素に加えて、他の要素が共存してもよいことを意味する。本明細書では、用語「例」が使用され、特に1組の用語の後に位置する場合、この「例」は例示や解釈のためのものに過ぎず、排他的または汎用的なものと見なされない。
【0036】
以上、説明または記載のため、実施例の前述の説明を提供した。上記説明は、本願の実施形態を網羅、または本願を限定するためのものではない。特定の実施例の素子や特徴の各々は、通常、特定の実施例に限定されないが、具体的に図示または説明されなくても、適当であれば、これらの素子や特徴は交換可能であり、かつ選択される実施例に用いられてもよい。同様に、様々な方法で変更することも可能である。このような変更は、本願を逸脱するものではなく、そのすべてが本願の範囲内に含まれている。
【符号の説明】
【0037】
L1 リード
L2 リード
300 タッチ表示パネル
310 表示領域
320 周辺領域
400 タッチ表示パネル
500 タッチ表示パネル
600 タッチ表示パネル
700 タッチ表示パネル
800 タッチ表示パネル
【手続補正書】
【提出日】2022-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含み、
前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、第1端子が接続されているデータ線および第2端子が接続されているタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、マトリックス状に配列され、
前記表示領域は、複数の画素の列を含み、1つずつの画素の列または2つずつの画素の列にタッチ信号線が配設されており、
前記複数の画素の列における各画素の列は、赤色のサブ画素の列、緑色のサブ画素の列および青色のサブ画素の列を含み、前記タッチ信号線が赤色のサブ画素の列と緑色のサブ画素の列との間に配設されている
タッチ表示パネル。
【請求項2】
表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含み、
前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、第1端子が接続されているデータ線および第2端子が接続されているタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、同層でマトリックス状に配列され、
前記複数のリード端子における7つずつのリード端子または4つずつのリード端子を1つのリード端子群とし、各リード端子群が1つの第2端子を含む
タッチ表示パネル。
【請求項3】
表示領域に設けられた複数のタッチ信号線および複数のデータ線と、周辺領域に設けられた複数のリード端子と、を含むタッチ表示パネルであって、
前記複数のリード端子は、前記複数のデータ線とそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数のタッチ信号線とそれぞれ接続された複数の第2端子と、を含み、
前記複数のリード端子は、行方向または列方向について前記第1、第2端子が、第1端子が接続されているデータ線および第2端子が接続されているタッチ信号線と配列順序が一致して設置されるように、マトリックス状に配列され、
隣接する2行の前記リード端子は、行方向に互いに所定の距離だけずらされており、前記所定の距離は、前記リード端子の幅の半分である
タッチ表示パネル。
【請求項4】
前記表示領域は、複数の画素の列を含み、前記複数の画素の列における各画素の列は、赤色のサブ画素の列、緑色のサブ画素の列および青色のサブ画素の列を含み、前記タッチ信号線は、前記赤色のサブ画素の列と緑色のサブ画素の列との間に配設されている
請求項2または3に記載のタッチ表示パネル。
【請求項5】
赤色のサブ画素の列、緑色のサブ画素の列および青色のサブ画素の列は、行方向に順に配設されている
請求項1~4のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項6】
前記表示領域は、複数の画素の列を含み、各前記画素の列は、複数のサブ画素の列を含み、各前記サブ画素の列は、1つのデータ線に対応する
請求項1、2または4のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項7】
前記複数のリード端子における7つずつのリード端子を1つのリード端子群とし、
前記リード端子群は、6つの第1端子を含み、6つの第1端子のいずれもデータ線に接続され、前記データ線は、隣接する2つの画素の列における1つのサブ画素の列に対応し、
前記リード端子群は、第2端子を含み、前記第2端子は、1つの隣接する2つの画素の列における2番目の画素の列の赤色のサブ画素の列と緑色のサブ画素の列との間に設けられたタッチ信号線に接続される
請求項4に記載のタッチ表示パネル。
【請求項8】
前記複数のリード端子における4つずつのリード端子を1つのリード端子群とし、
前記リード端子群は、3つの第1端子を含み、3つの第1端子のいずれもデータ線に接続され、前記データ線は、1つの画素の列における1つのサブ画素の列に対応し、
前記リード端子群は、1つの第2端子を含み、前記第2端子は、前記画素の列において赤色のサブ画素の列と緑色のサブ画素の列との間におけるタッチ信号線に接続される
請求項4に記載のタッチ表示パネル。
【請求項9】
隣接する2行の前記リード端子は、行方向に互いに所定の距離だけずらされている
請求項1または2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項10】
前記所定の距離は、前記リード端子の行方向の幅の半分である
請求項9に記載のタッチ表示パネル。
【請求項11】
前記データ線と前記タッチ信号線とは、同層に設置されるとともに、互いに絶縁される
請求項1~3のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のタッチ表示パネルを備える表示装置。
【外国語明細書】