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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087345
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】複数の電子警告灯を備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20220602BHJP
【FI】
H05B47/115
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068386
(22)【出願日】2022-04-18
(62)【分割の表示】P 2020169964の分割
【原出願日】2015-11-15
(31)【優先権主張番号】62/080,294
(32)【優先日】2014-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517168037
【氏名又は名称】セレバン、ジェームズ アール.
【氏名又は名称原語表記】SELEVAN,James R.
(71)【出願人】
【識別番号】517168048
【氏名又は名称】セレバン、ダニエル ジョセフ
【氏名又は名称原語表記】SELEVAN,Daniel Joseph
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】セレバン、ジェームズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】セレバン、ダニエル ジョセフ
(57)【要約】
【課題】新たな電子式警告灯装置およびそれらの利用方法を提供する。
【解決手段】電子式発光警告灯および関連する方法。本発明の警告灯は、自己同期、遠隔制御、モーション作動式または衝撃作動式機能、警告灯の位置方向性(例えば、垂直対水平)の変化に対応する側面発光および上部発光の発光体間の動的シフト、つまり、警告灯の位置方向性の変化にかかわらず、側面発光または上部発光の発光体からの継続的発光を引き起こすことを無効化すること、そしてトラフィックコーンおよび他のハザードマーキングまたは交通安全物体または装置の照明用の警告灯利用、グループでのオン/オフ機能、互いに近接する警告灯の個々のグループの使用を容易にする周波数特異性、点滅パターンの選択および変更およびその他のさまざまな機能を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子発光警告灯であって、
上部壁、底部壁及び複数の側壁を備えるハウジングと、
前記ハウジング内に配置された複数の発光体と、
電源と、
前記電源および発光体に接続されて、前記発光体の少なくともいくつかを駆動して光の点滅を発する電子回路と、
前記電子発光警告灯の配置される方向性に応じて、前記発光体が前記上部壁の光を発する上部発光モードと、前記発光体が前記ハウジングの前記側壁から光を発する側部発光モードとの間で切り替えるためのスイッチング回路と
を備える電子発光警告灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子工学および交通工学の分野に関し、より具体的には、道路上等の危険または意図された移動経路を標示する警告灯装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許法施行規則第1.71条第(e)項に従って、この特許文書は、著作権保護の対象である資料を含み、また、この特許文書の所有者は、いかなるものであれすべての著作権を保有している。
【0003】
点滅するオレンジ色の交通安全ランプは、幹線道路や河川沿いにありふれている。多くの場合、道路の境界または端を標示するために、能動的円錐標識が用いられている。それらの標識は、道路工事中、交通迂回時、および緊急時に、往来を不慣れな方向転換により経路付けるのに用いられている。それらの能動的円錐標識は、典型的には、暗闇を含み、および視界の悪さを含む可能性がある、まる24時間にわたって使用されている。多くの場合、一時的に変更されてもはやドライバーが予想する、または見慣れている経路をたどっていない道路の境界を規定するために、常時点灯している、または点滅するライトまたは反射体が用いられている。
【0004】
交通は、多くの場合、車両の後に引かれて、迂回現場に置かれている発電機または光電池を用いた大きなトレーラー状の標識を用いて制御される。それらの標識は、交通整理をする大きな矢印を発生させるが、その矢印は、カーブを曲がる、または、不慣れな道路コースを通るようドライバーを案内するわけではない。同様に、港に入ってくる海上交通はブイや陸上に設置されたライトによって案内されるが、稲妻の背景で使用された場合に混乱する可能性がある。同様に、固定翼および回転翼の両方の軍事用、民間用、警察用、および沿岸警備隊飛行装備用の緊急または一時的な飛行機の滑走路には、滑走路の方向および位置を示す適切な順序のライトが不足している。この発明は、低コストで、実施するのが容易であるシステム、すなわち、開けた場所または幹線道路で離着陸する場合に、パイロットを補助する必要があるときに、素早く展開できるシステムを提供する。
【0005】
また、従来のマグネシウムフレーム製のロードサイド警告灯(roadside flare)は、緊急またはメンテナンス事態の存在をドライバーに警告するために、第一応答者および作業者によって使用される場合がある。フレーム警告灯は、火災、汚染および有毒ガスを発生させるため、それらの利用から遠ざかろうとする動きがある。道端で明るく輝く電子式警告灯が、点火式装置に取って代わり始めている。しかし、メンテナンスまたは緊急事態時には、高い頻度で、ルーフトップおよびバンパーレベルの赤色、オレンジ色、青色のランプを点滅させている多数の車両が存在する。この「ライトノイズ」は、近づいてくるドライバーに混乱をもたらす可能性がある。
【0006】
ここ数年で、マグネシウムフレーム警告灯、反射体、円錐標識、標識および他のこれまで使用されてきた警告灯および標識装置に対する代替物として、電子式ロードサイド警告灯が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-187951号公報
【特許文献2】国際公開第2014/099953号
【特許文献3】登録実用新案第3108195号公報
【特許文献4】国際公開第2014/115541号
【特許文献5】特開2005-113636号公報
【特許文献6】特開平11-260102号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明は、新たな電子式警告灯装置およびそれらの利用方法を提供する。
本発明によれば、電子式発光警告灯および関連する利用方法が提供され、その警告灯は、全体として、上部壁、底部壁および少なくとも一つの側壁から成るハウジングであって、側壁の少なくとも一部が半透明であるハウジングと、ハウジング内に配置された複数の発光体と、電源と、それら発光体のうちの少なくともいくつかを駆動して、ハウジング側壁のすべてまたは半透明部分を通って向けられる光の点滅を発する、電源および発光体に接続された電子回路とを備えている。本願明細書に記載されているように、警告灯の電子回路およびその他の構成要素、あるいは警告灯の電子回路またはその他の構成要素は、自己同期、遠隔制御、モーション作動式または衝撃作動式機能、警告灯の位置方向性(例えば、垂直対水平)の変化に対応する側面発光および上部発光の発光体間の動的シフト、つまり、警告灯の位置方向性の変化にかかわらず、側部発光または上部発光の発光体からの継続的発光を引き起こすことを無効化すること、そしてトラフィックコーンおよび他のハザードマーキングまたは交通安全物体または装置の照明用の警告灯利用、グループでのオン/オフ機能、互いに近接する警告灯の個々のグループの使用を容易にする周波数特異性、点滅パターンの選択および変更等のさまざまな新規の機能を容易にするように適合させてもよい。
【0009】
本発明のさらなる態様および詳細は、以下に記載されている詳細な説明および実施例を読めば理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電子式交通安全誘導警告灯の実施形態の左方斜視図。
図2図1の実施形態の右側面図。
図3図1の実施形態の左側面図。
図4図1の実施形態の正面図。
図5図1の実施形態の背面図。
図6図1の実施形態の上面図。
図7図1の実施形態の底面図。
図8図1図7の警告灯装置におけるLED方向性の一実施例を説明する略図。
図9A】トラフィックコーンの内部照明の場合に図1図7の警告灯装置を用いる方法におけるステップを示す図。
図9B】トラフィックコーンの内部照明の場合に図1図7の警告灯装置を用いる方法におけるステップを示す図。
図10A-1】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。添付付録Aは、図に示す構成要素を列挙したものである。
図10A-2】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10A-3】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10A-4】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10B-1】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10B-2】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10B-3】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10B-4】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10C-1】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10C-2】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10C-3】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10C-4】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10D-1】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10D-2】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10D-3】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
図10D-4】図1乃至図7の警告灯装置の構成要素に関する電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明および実施例は、本発明の、必ずしもすべてではないが、いくつかの実施例または実施形態を非網羅的に説明するために記載されており、および本発明の範囲を決して限定するものではない。
【0012】
以下の詳細な説明およびそれが参照する添付図面では、本発明のすべてである必要はないが、いくつかの実施例または実施形態を記載することが意図されている。記載されている実施形態は、すべての点において例示的にすぎず、限定的ではないと見なすべきである。この詳細な説明の内容および添付図面は、本発明の範囲を決して限定するものではない。
【0013】
電子式ロードサイド警告灯間の照明のパターンを調節する能力は、近づいてくるドライバーの見通しをよくする。逐次点滅は方向情報を与えるが、同時点滅は、より目に焼き付く「警告」を与える。複数のロードサイド警告灯の点滅タイミングを調節する一つの方法は、それらを単一のワイヤを介して接続することである。しかし、この方法は、保管容器内でのワイヤの縺れ、作業者がワイヤにつまずく可能性、および配置の遅れを生じさせるものである。
【0014】
ワイヤを用いない警告灯間の点滅の(例えば、列状またはアレイ状の警告灯を、連続的なシーケンスでまたは他の所望のパターンで点滅させる)調節は、無線周波数送信、光または音波等のさまざまな異なる様式を用いて実現される。
【0015】
警告灯は、マイクロコントローラを用いてセンサを分析して、通信リンクを確立することができる。それを介して情報が伝達される媒体は、光、音または電波とすることができる。マイクロコントローラは、無線受信機、光センサまたは音センサから情報を受け取ることになる。マイクロコントローラは、一旦、他のセンサの数および位置に関する情報を受け取ると、その位置を順に設定して、それが列のどこにあるか、その相対距離、温度、高さ等を他の警告灯に知らせるメッセージを同報することができる。
【0016】
例えば、本発明の警告灯装置のいくつかの実施形態は、フロッキングプロトコル(flocking protocols)を用いて、警告灯間の所望の通信および機能を容易にすることができる。フロッキングプロトコルの実施例は、2014年2月21日に出願された同時係属の米国特許出願第14/186,582号明細書に記載されており、その開示全体は、参照によって本願明細書に明確に援用されるものとする。
【0017】
また、例えば、本発明の警告灯装置のいくつかの実施形態は、メッシュネットワークを利用して所望の警告灯間通信および機能を容易にしてもよい。そのようなメッシュネットワークの実施例は、2012年4月20日に発行された米国特許第8,154,424号明細書ならびに2013年11月17日に公開された米国特許出願公開第2013/0293396号明細書および2013年10月17日に公開された同第2013/0271294号明細書に記載されており、このような特許および公開された出願の各開示全体は、参照によって本願明細書に明確に組み込まれるものとする。
【0018】
メッシュネットワークを用いたおよび用いない、警告灯間通信へのアプローチ
光伝送…光を情報伝送媒体として用いる-一つの警告灯から放出された光は、別の警告灯によって受信されるメッセージを表すことができる。このメッセージは、第2の警告灯に点灯するように命じるための「トリガ」イベントのようにシンプルにすることができ、または、それは、より複雑にすることができるであろう。最もシンプルな形態では、一つの警告灯からの光の存在が、別の警告灯におけるイベントをトリガすることになる。この第2の警告灯は、例えば、100ミリ秒遅れて点滅させることができる。理想の設定では、このことは、逐次パターンの点滅をもたらすシンプルな方法の一例を表しうる。しかし、警告灯番号4が、例えば、警告灯番号1から光を受けて、不適当な間隔で点滅する可能性がある。したがって、警告灯の逐次点滅は、先行の警告灯のシンプルなトリガに依存できない。警告灯の点滅を用いて、他の警告灯へのメッセージは、「パルス幅変調」方式で光信号内に「埋め込まれる」ことができる。したがって、観察する人間に(実施例として)40または100ミリ秒の安定した光の点滅として見えるものは、実際には、調節情報を与える情報を含む2,4,8,16,32,64ビット以上の語長を表しうる。LEDおよび付随する駆動エレクトロニクス(マイクロコントローラ、トランジスタ等)は、長さがナノ秒である信号や電圧に応答することができる。(観察する人間に対して単一の点滅として見える)80ミリ秒の光の点滅は、実際には、人の眼が点滅のパルス性状を識別できないほど素早く断続的に「変調」される一連の数千回の急速点滅で構成されうる。例えば、第1の警告灯が点けられると、それは、識別メッセージ(「こんにちは、私は警告灯点滅です」を表すデジタルワード)を含む光を「探す」かまたは「聴く」ことができるであろう。このようなパターンを見ることがない場合、それは、「私は、警告灯番号1です」という旨の変調されたメッセージを伴って点滅を開始することになる。第2の警告灯が点けられると、それは、その同じ言語を話す光を「探す」ことになる。それは、そのシーケンス番号(1)を定義する警告灯1からの光を見ることになる。次に、警告灯2が点灯して、そのシーケンス番号等を定義する変調パターンを伴って点滅を始めることになる。
【0019】
光の伝送は、警告灯の点滅に固有のものである。そのため、ドライバーに警告するためのオレンジまたは赤または青または他の色のLED点滅も、メッセージを送るための光源である。各警告灯には、多数の光センサ、すなわち、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスタ等がある。それらの検出素子は、それらの周波数(感度)範囲内のどんな光の存在にも応答する。光検出器は、一つの色だけに応答するように選択または「調整」することができるであろう。しかし、警告点滅で変調されたデジタルワードの存在は、光の感度スペクトルを狭める必要性をなくす。光検出器によって感知された任意の光は、「ノイズ」を示すであろうが、適切なデジタルコードで変調された光だけは、マイクロコントローラを正しく応答させることになるであろう。
【0020】
コストを下げるために、光(閃光)を放つ発光ダイオードの物理特性は、光センサとしても用いられることによる利点のために利用することができるであろう。LEDが点滅していない期間中に、そのLEDの電圧は反転させることができる。電圧が反転されるこの期間中に、LEDは、他の警告灯からの送信光を捕捉するための光センサとして用いることができる。このことは、追加的な光検出器の必要性をなくすか、または軽減するであろう。さらに、多くの場合、ロードサイド電子式警告灯上には、12個以上のLEDがあるため、それらの各々は、光検出器として利用することができ、それによって、360度の円内を「探す」ことができるであろう。したがって、路上の警告灯の方向性は関係がなく、すなわち、オペレータは、警告灯が、隣接する警告灯からの光ビームを捕捉するために、特定の方向に向けられているか否かを考慮せずに、それらの警告灯を路上にポンと置くことができる。
【0021】
あるいは、特定の周波数またはスペクトルの光を使い情報を伝達することができるであろう。例えば、赤外線または紫外線周波数帯域の光を利用することができるであろう。それらの周波数だけに対する感度の光検出器は、夜の路上に存在する「ノイズ」を除去するであろう。日光(白色光)は、すべてのスペクトルでエネルギを含むため、情報内容(パルス幅変調)は、情報の光ノイズをインテリジェントな伝達に確実に干渉させないであろう。
【0022】
色および変調に加えて、光強度は、追加的な情報をマイクロコントローラに追加する。光の強度は、既知のおよび予測可能な方法で距離に伴って減少するため、警告灯から発出する光の「輝度」または強度は、シーケンスを判断する際に役に立つ可能性がある。警告灯の点滅をトリガ動作として用いるシンプルなケースにおいて、受光した光の相対強度は、2つ以上の警告灯から放射された光の「曖昧さをなくす」ことができるであろう。それらの光が直線的な「ストリング」または経路状に物理的に配置されて、警告灯番号5が、警告灯番号4および警告灯番号3からの光を感知した場合、それは、受光した光の強度を測定することにより、どれがどれだか識別することができるであろう。その結果、(より弱く点滅しているため、より離れている)番号3と番号4を識別することができるであろう。
【0023】
無線伝送-警告灯間で情報を送信する安価な手段の一例である。しかし、光エネルギに関連する制限がある。光の伝送は、無線伝送と比較した場合不十分である。光は、警告灯間の途中で見つける可能性のある不明瞭な物体(車、人、コーン等)によって遮断される可能性がある。伝送の範囲は、エネルギ要件によって制限される。無線伝送は、それらの制限に対する解決策を与える。警告灯は、電波を用いて、光を利用できるのとほとんど同様の方法で、パターン内の順序を識別する他の警告灯に、デジタル信号またはアナログ信号を送信することができるであろう。
【0024】
音の伝送-超音波または他の周波数の音を、伝送媒体として利用することができる。変調された音波は、警告灯番号および他の警告灯に対する位置を定義する情報を伝えることができる。また、音波は、相対的および予測可能な方法で強度が減少し、異なる距離の2つの異なる警告灯から「聞こえた」音の強度は、マイクロコントローラファームウェアが、どれがより離れているかおよびシーケンス番号は何かを確定する際に役に立つであろう。加えて、一旦、音が適当な送受波器および電子装置によって感知されると、路上の自動車によって生成されたノイズを取り除くように周波数を除去することができる。
【0025】
4)伝送媒体に関係なく、警告灯は、「メッシュ」ネットワークを用いてネットワーク化することができ、この場合、マスター警告灯またはスレーブ警告灯を要することなく、情報は、グループのいたる所で、警告灯間で送信され、また、すべての通信は、警告灯のグループに対して内部にある。外部信号は必要ないが、警告灯のグループを遠隔制御するのに利用することができるであろう。一つの警告灯が点灯され、それが、一つだけの警告灯との通信の「範囲」内にある場合には、この第2の警告灯は、範囲内の他のいずれかの警告灯に「状態」を送信する。同様に、遠隔制御ユニットは、コマンドがすべての警告灯に配信されるために、一つだけの警告灯の範囲内にある必要がある。
【0026】
警告灯によって放射される警告光の方向および省エネルギに関する制御
実用的にするために、ロードサイド警告灯は、小さくかつ軽量でなければならない。一人の人間が、10個の警告灯を路上に展開する可能性があり、10個の物体を車に積み込むには、小さなサイズでなくてはならない。小さなサイズおよび軽い重量は、バッテリのサイズおよび利用可能なエネルギに関する制限を決める。そのため、エネルギ消費を低減する方法は、ロードサイド警告灯を設計する際の重要な要因である。一つの方法は、近づいてくる車によって見られない方向に向けられているLEDは消す(照らさない)ことである。存在するすべてのロードサイド警告灯構造は、各閃光ですべてのLEDを作動させる。必要なエネルギを著しく低減し、およびバッテリの寿命を延ばす一つのアプローチは、交通の流れの方向を感知することである。このことは、近づいてくるヘッドライト、音の強度、音の周波数(通過する車両のドップラー効果)、エンジン熱の熱検出、レーダー、超音波、ソナーおよび空気圧を用いて行うことができる。交通の方向が検出されると、マイクロコントローラは、警告灯の「裏」側を照らすLEDを消すことになる。
【0027】
警告灯は、同様の方法で、(路面上の水平に対向して)垂直位置に設置することができる。この垂直方向性は、警告灯をトラックの後尾扉パネルまたは車両の側部に磁気的に取り付ける場合に用いることができるであろう。垂直方向に置かれた場合、警告灯は、(路面上の)水平面内での光出力のために設計されているため、光エネルギのほとんどは、空、地面および左および右側に向けられることになる。したがって、センサは、加速度計、ジャイロスコープ、MEMS装置、機械ボールチルトセンサ、熱チルトセンサ、光検出チルトセンサ等を用いて「傾斜」を検出して、方向角度に関するこの情報をマイクロコントローラに送信することができるであろう。傾斜の角度を「承知」しているマイクロコントローラは、どのLEDを照らすか(例えば、水平方向に取り付けられた場合には側部のLED、また、その側部に垂直方向に取り付けられた場合、または、車両の後尾扉に磁気的に取り付けられた場合には「上部の」LED)を選択するであろう。傾斜の角度に基づいて照明するこのLEDの動的な選択は、近づいてくる交通の方向における光出力を最大化し、および近づいてくる交通には見えない発光中のLEDに関連する不必要なバッテリ消費を最少化する。垂直面内に配置された場合、側部光は消すことができ、また、近づいてくる交通に対して向けられた警告灯の上部に配設されたLEDは、点けることができる。
【0028】
ロードサイド警告灯の展開および回収を容易にするための任意の機能
モーション作動または衝撃作動式オン/オフ機能:あまり照らされていないエリアでの夜間作業中のような場合には、エンクロージャの表面の標準的なボタンを見ることが難しい可能性がある。本発明の警告灯は、警告灯を発光させ始める(すなわち、「点ける」)、または、発光を終わらせる(すなわち、「消す」)ための静電容量ボタンまたは他の具体的に配置されたアクチュエータ等の個別のオン/オフスイッチを用いるのではなく、警告灯の特定の動作または警告灯に対する衝撃(例えば、タッピング)を検出するための加速度計、チルトセンサ、ジャイロスコープまたはMEMS(微小電気機械システム)セット等のモーションまたは衝撃センサによって作動されるオン/オフスイッチを必要に応じて備えてもよい。例えば、警告灯の電子回路は、警告灯の第1の方向(例えば、時計回り)における急速部分回転が、その警告灯を点灯させ、およびその後の警告灯の反対方向(例えば、反時計回り)における急速部分回転が、その警告灯を消すように適合させてもよい。あるいは、オンおよびオフは、警告灯を上下逆さまにすることによって、または、他の何らかの動作または衝撃によってトリガしてもよい。さらなる実施例として、警告灯をオペレータの掌でたたくこと(例えば、タッピングまたはラッピング)は、輸送および保管中に予想される通常の振動を除外するように「調整」されたセンサを用いて、警告灯をオンまたはオフにするためのトリガとして用いることができるであろう。例えば、その回路は、特定の数の連続打撃(例えば、連続する3回のタップまたはラップ)を、警告灯をまず点けて、または、その後、消すための信号として認識するように適合させてもよい。あるいは、またはさらに、バッテリの意図しない急激な消耗をもたらす可能性がある、警告灯の意図しない点灯を避けるために、3軸加速度計を、X,YおよびZ軸における加速度を検出するのに用いてもよい。例えば、警告灯を単に所定期間(例えば、3秒)内に3度回転させると、Z軸は、+9.8メートル毎秒毎秒(+1G)~-9.8メートル毎秒毎秒(-1G)までの振動を受けることになる。マイクロコントローラは、割り込み信号を介して加速度計からこの情報を受け取ることになる。加速度計に格納されている、この予めプログラムされた「ジェスチャー」は、加速度計からの中断を生じさせ、この中断は、マイクロコントローラを、低電力「スリープ」モードから「起動」させることになる。そのため、マイクロコントローラは、装置がオフになっている間は、低電力状態(スリープ)にすることができる。加速度計には、予めプログラムされているジェスチャーを認識して、マイクロコントローラを、その低電力モードから起動させるための十分な知能がある。予めプログラムされたジェスチャーは、X,YおよびZ軸を用いて適切な点灯を確保するが、間違った始動は避けなければならない。水平な場合、XおよびY軸は、0(ゼロ)の加速度を受ける。Z軸のみは、+9.8メートル毎秒毎秒(+1G)を受けている。しかし、表面が上下に揺さぶられた場合、加速度計は、Z軸に関してのみ加速度を受け、このことは、警告灯を反対側へ回転させることを模倣できるであろう。したがって、警告灯は、十分な大きさの三度の揺さぶりが、割当期間内に起きた場合に点灯するであろう。
【0029】
この間違ったトリガを避けるために、XおよびY軸情報が取り込まれる。自動車のトランク内で水平方向に向けられた警告灯の単純な跳ね返りは、警告灯の回転として解釈される(Z軸は、+9.8メートル毎秒毎秒(+1G)から-9.8メートル毎秒毎秒(-1G)に変化する)。XおよびY軸の変化が同様に予測される場合には、垂直方向の移動が単独で警告灯を間違って点灯させることはない。Z軸が+9.8メートル毎秒毎秒(1G)~-9.8メートル毎秒毎秒(-1G)を受ける場合、XまたはY軸は、0メートル毎秒毎秒(0G)~+9.8メートル毎秒毎秒(+1G)(または-9.8メートル毎秒毎秒(-1G)~0メートル毎秒毎秒(-0G)に変化しなければならない。論理式を導入すると、すなわち、(Z方向の変化AND((0メートル毎秒毎秒(0G)~±9.8メートル毎秒毎秒(±1G)~0メートル毎秒毎秒(0G)のX方向の変化)OR(0メートル毎秒毎秒(0G)~±9.8メートル毎秒毎秒(1G)~0メートル毎秒毎秒(0G)のY方向の変化)))が、「揺さぶり」を単独でトリガイベントとして排除する。
【0030】
グループオン/オフ機能:本発明のいくつかの実施形態は、グループオン/オフ機能を備えていてもよく、それにより、いずれか一つの警告灯を消すことで、グループ内のすべての警告灯を消すことになる。無線、音、光等を利用して、警告灯間で情報を伝えることにより、任意の一つの警告灯から、近傍の残りの警告灯にメッセージを送ることができる。このメッセージは、いずれかの単一の警告灯を消すだけで、すべての警告灯を消すのに用いることができる。
【0031】
単一の警告灯を消すことによって、すべての警告灯を消す能力は、警告灯が依然として点滅している間に、オペレータが、道端から警告灯を回収することを可能にする。このことは、警告灯が、何らかの事情で暗い車道上に取り残される可能性を減らすであろう。また、透明または半透明のケースまたは鞄内に置かれた場合、警告灯の点滅グループは、オペレータが道路の脇にいるという警告ビーコンを、近づいてくる交通に示すことになる。すべての警告灯が回収されると、オペレータは、それらの車両が安全な状態に入り、または、車道から出て、いずれか一つの警告灯を消すことができる。警告灯のグループ全体が消えることになる。オペレータは、すべての警告灯を個別に消す必要はない。
【0032】
路面上のLEDの高さは、その連なり内の位置に応じて変わる可能性がある。方向および可視性を与えるのを補助するために、照明をもたらすLEDの高さは、変えることができる。例えば、逐次的に点滅する10個の警告灯の連なりにおいて、番号1の路面上の高さは、7.6cm(3インチ)にすることができ、各警告灯は、15.2cm(6インチ)ずつ高さが増加していく。その結果、その連なりの最後の警告灯は、(フレキシブルストーク(flexible stalk)上で)路面上5フィートになる可能性がある。このことは、一定の距離からのドライバーに対する追加的な見通しを付加し、前方の危険に関する直線ならびに高さのキューを提示する。
【0033】
固定機能:空に垂直方向に向かう方向を含む特定の方向を指向LEDの場合、警告灯は、コンテナ、筒体、円錐体または視線誘導標の内側を意図的に照らすように設計される。トラフィックコーン、筒体、視線誘導標等の下の路面に置かれた場合、警告灯から垂直方向に生じる光は、コンテナを有効に照らす。しかし、警告灯が路面にあり、およびコンテナの下に置かれていない場合に垂直方向に向けられた光は、空の方へ向けられているため、不十分なエネルギ利用をもたらす。側部対上部(垂直方向)のLEDの動的切替えは、傾斜センサ(加速度計)と、センサがマイクロコントローラに提供する情報とを用いて実現される。コンテナの下に置かれた場合には、傾斜センサを無効にすることが必要である。ユーザは、特定の展開に対しては(上部または側部の)LEDの選択を「固定」できなければならない。このことは、LED選択に関する動的な、傾斜を感知するマイクロコントローラ制御を有効に不能にする。
【0034】
「固定」機能は、2つのボタンを同時に押すことにより、または、長期に及ぶ(例えば、2秒以上)スイッチ閉鎖に対して一つのボタンを押し続けることによって作動させることができる。あるいは、ボタンの単一のタップは、LED照明の方向性を、または、側部のLEDを点ける単一の押下、上部のLEDを点ける第2の押下、側部および上部の両方のLEDを点ける第3の押下等の選択によるステップを固定することができ、そのサイクルは、ボタンの追加的な押下に伴ってそれ自体を繰り返す。
【0035】
モーション作動式LED切替え:チルトセンサまたは加速度計を用いるLED方向性の動的切替え、さまざまなユーザインタフェースのボタン押下を用いるLED方向性の固定はすべて、独立型の警告灯、または、隣接するものと通信する警告灯のいずれかで実施することができる。
【0036】
これまで説明してきたすべての機能は、「グループオフ」能力を除いて、警告灯間通信のために、メッシュまたはフロッキング技術(無線周波数、光伝送、赤外線伝送、音、送信等)を組み込んだ「スマート警告灯」に、または、複数の警告灯が、それらの点滅を同期させるのではなく、非同期的に乱雑に点滅するために、それぞれが通信しない、個別にまたはグループで用いられる「ダム(dumb)」警告灯に組み込むことができる。
【0037】
図1乃至図7は、本発明の警告灯10の一つの非限定的実施例を示す。図10A図10Dは、警告灯10のこの実施形態の場合の電気回路の略図であり、付録Aは、丸みを帯びた角部を備えた概して矩形状構成を有する、図10A図10Dの電気回路図に対応する構成要素のリストのために設けられている。この実施例は、非限定的であり、他の代替的構成または形状を用いてもよい。この実施例の警告灯10は、上部壁12と、底部壁14と、側壁16とを備えている。側壁16は、半透明である。また、半透明ウィンドウ23a,23b,23cおよび23dが、上部壁12に形成されている。いくつかの実施形態では、上部壁12の全体または実質的にすべては、半透明であってもよい。また、いくつかの実施形態において、底部壁14は、全体的にまたは実質的に不透光性であってもよく、または、光が底部壁から向けられるか、または底部壁を通って向けられるいかなる位置も持っていなくてもよい。
【0038】
警告灯10の壁部内には、バッテリと、電子回路と、複数のLEDとを収容する内部領域が画定されている。LEDのいくつか(すなわち、側部発光LED)は、発した光を半透明の側壁16を通して向けるように配置されているため、光は、警告灯10の周りに(例えば、360度)投射される。図9は、光が、警告灯10の周りの360度で見えるように、側部発光LEDが、それらの光を側壁16を介して放つために、どのように配置できるかに関する実施例を示す。また、いくつかの実施形態では、側部発光LEDは、警告灯が地面または路面に、底部側を下にして配置された場合に、放射された光が警告灯10から生じるように、わずかに上方に角度を付けてもよい。例えば、側部発光LEDが、水平方向に対して5度の角度が上向きに付けられている場合、側部発光LEDからの光は、約3.7m(約120フィート)の距離から近づいてくる運転手に明瞭に見えるであろう。
【0039】
他のLED(すなわち、上部発光LED)は、警告灯10の上部壁12の半透明ウィンドウ23a,23b,23c,23dを通して光を向けるように配置されている。警告灯10の上部壁12には、制御ボタン18と、電源ボタン20と、小さな緑色のインジケータLED22aと、小さな赤色のインジケータLED22bとがある。制御ボタン18は、本願明細書においては、パイ(Π)ボタンとも呼ばれている。底部壁14は、完全に、実質的に、または、少なくとも部分的に不透明または不透光性であってもよい。底部壁14の部分は、ラッチ28によって定位置に保持されているバッテリ区画カバー30を備えている。一つのバッテリまたは複数のバッテリにアクセスするか、またはバッテリを交換することが所望される場合、ラッチ28を開けることができ、およびバッテリ区画カバー30を取り外すことができる。図示されている実施形態においては、4つのAAセルバッテリが、バッテリ区画カバー30の下の装置の内部に配置されている。ソーラーコレクタおよび再充電可能バッテリの両方またはいずれかを含む他の代替的な電源を、この実施形態の標準的なAAセルバッテリの代わりに用いてもよい。
【0040】
以下の段落は、複数のこれらの警告灯10をグループ(例えば、列またはアレイ)で用いる可能性のある方法について記載している。
第1の警告灯の点灯:グループの第1の警告灯10を点灯するために、電源ボタン20が短く押下され、またはタップされる。一旦、電源ボタンが押されると、上部壁12の安定した緑色LED22aが点灯することになる。このことは、警告灯および無線が起動されていることを示す。第1の警告灯10は、点灯するのに約4秒かかる。4秒後に緑色LEDが消えて、警告灯10が水平方向に配置されている場合には、12個の側部発光LEDが、側壁16を通って向けられた閃光を放射することになる。あるいは、警告灯が垂直方向に配置されている場合には、4つの明るい上部発光LEDが、上部壁ウィンドウ23a~23dを通る閃光を放射することになる。
【0041】
さらなる警告灯の点灯:一旦、第1の警告灯10が点いて点滅すると、オペレータは、グループ内の別の警告灯の電源ボタン20を短く押下(例えば、タップ)することができる。第1の警告灯10と同様に、一旦、電源ボタン20が押下されると、第2の警告灯が起動されていることを示す、安定した緑色のLEDが、第2の警告灯の上部壁12上で点灯することになる。この第2の警告灯10は、点灯するのに約1秒かかる。1秒の期間終了時に、緑色LEDが消えて、第2の警告灯10の側部発光LEDまたは上部発光LEDが、第2の警告灯10の方向性(すなわち、垂直方向または水平方向)によって、点滅し始めることになる。警告灯10は、上述したメッシュネットワークまたはフロッキングプロトコル等の自己シーケンシング能力を有しているため、第2の警告灯10は、そのシーケンスにおいて、それ自体を第2の警告灯として自動的に識別し、閃光を順に第1の警告灯10から放射された閃光の(後の特定の時間に)放射し始めることになる。この設定手順は、その後、グループ内の残りの警告灯10に対して繰り返される。各先行の警告灯10は、次の警告灯10を点ける前に、点滅させなければならない(およびこのことは、そのシーケンス番号を送信する)。最大範囲の場合、各警告灯10は、まず、点灯したときの先行の警告灯の視線内で地面の上に保持し、それによって、警告灯10は、地面に近接していることによる無線信号の減衰を伴うことなく、先行の警告灯からの無線信号を確実に受信することになる。
【0042】
警告灯の消灯:警告灯の電源を切るには2つの方法がある。(1)シングル警告灯オフ-正方形のパイ(Π)ボタンを(2秒間)押し続けることによって、単一の警告灯を消すことができる。赤色LEDは、2回、点滅して、それが消灯したことを示す。(2)グループオフ-電源ボタン20を2秒間、長押しするだけで、一連の警告灯全体を消すことができる。赤色インジケータLEDは、オフコマンドが、その連なりを行ったり来たりして送信されている間、点滅する。赤色LEDが、点灯状態に戻る前に点滅を止めるまで待たなければならない。
【0043】
グループ内のすべての警告灯は、それらが依然として点滅している状態の間に拾い上げて、携帯用ケースに入れてもよい。このことは、ユーザが、うっかりして、作動していない警告灯を道路脇に置き忘れることを防ぐのに役に立つであろう。さらに、携帯用ケースは、そのケースの内部で点滅している警告灯が、そのケースを光らせて、それにより、近づいてくる自動車のドライバーが、そのケースを携帯しているユーザを見て、避ける能力を高めるように構成してもよい。ユーザの車両内での安全な使用または車両交通から離れている利用の場合、ユーザは、この場合、警告灯10のうちのいずれか一つの電源ボタン20を長押しして、それにより、ケース内のすべての警告灯10の電源を切ってもよい。
【0044】
警告灯挙動の遠隔制御:警告灯の通信およびネットワーク機能により、点滅パターン、(バッテリ節約のための)上部対側部のLED選択、オン/オフ、シーケンスパターン(1警告灯マーチング(marching)、2警告灯マーチング、ファーストマーチ、スローマーチ等)を伝えるための警告灯間のいかなる通信も、遠隔制御装置、スマートフォンアプリ、セルラー方式通信、赤外線コントローラ等によって模倣することができる。したがって、オペレータは、移動中の車両から離れた距離から、およびその車両内で安全に、多くの機能の中でも特に、警告灯のグループ全体をオンオフし、動作、点滅の方向、バッテリ節約、点滅パターンを制御することができる。メッシュネットワークまたは「フロック」内のどの警告灯も、すべてのコマンドを、ネットワークまたは「フロック」内のすべての警告灯に流すため、彼らは、警告灯番号1の近くにいる必要はない。オペレータは、30個の警告灯のうちの番号20の近くにいて、ネットワーク全体を制御することもできるであろう。
【0045】
無線通信を維持している間に、LEDの点滅を抑制する能力は、バッテリ節約における重要な特徴である。例えば、法執行機関は、近づいてくる車両に警告して案内するために、警告灯を用いてアルコール検問所を設ける。彼らは、典型的には、実際の監視を始める数時間前に、DUI検問所を設置する。この期間中全体、および実際の監視の8時間の間に、警告灯が点滅している場合、バッテリ消費が過大になるであろう。しかし、オペレータは、遠隔制御ユニットを用いて、警告灯パターンを設定し、警告灯が要望通りに点滅していることを検査した後、バッテリを節約するために、LEDの点滅を「抑制」することができる。継続的な無線通信は、シーケンス番号、パターン、点滅するLEDの方向等を維持し、および毎秒ミリ秒内で行われ、少しの電力を消費する。オペレータが、車両の検査を始めたいと思ってから数時間後に、彼女は、遠隔制御装置のボタンをタップするだけで、点滅するLEDをオンにすることができる。バッテリ容量の大部分を消費するのがそのLEDであって、この能力が、バッテリ消耗のこの原因を軽減する。
【0046】
バッテリ状態チェック:警告灯10がオフになっている間に、パイボタン18を押すと、バッテリチェックを達成するであろう。上部壁12の緑色または赤色のLEDは、次のように現在のバッテリ状態を点滅して知らせる。5つの緑色点滅=バッテリ十分、4つの緑色点滅=バッテリ十分、3つの緑色点滅=バッテリ良好、2つの赤色点滅=バッテリ低下、1つの赤色点滅=バッテリ不十分。好ましくは、この実施形態では、バッテリは、3つの緑色点滅と、2つの赤色点滅との間で交換される。
【0047】
動的なLED方向性:いくつかの実施形態において、警告灯10は、上述したように、加速度計または重力センサを備えていてもよく、また、加速度計または重力センサは、警告灯10の現在の方向性(すなわち、水平方向または垂直方向)を感知するように、およびどの方向性が感知されたかにより、上部発光または側部発光のいずれかのLEDを発光させるように作動させてもよい。警告灯10が、(地面に平らに置かれている)水平な方向性になっている場合、12個の側部発光LEDが、半透明の側壁16を介して閃光を放つことになる。警告灯10が、垂直な方向性になっている場合(例えば、トラックの後尾扉の裏に磁気的に取り付けられている場合)には、4つの上部発光LEDが、上部壁ウィンドウ23a~23dを介して閃光を放つことになる。固定機能が作動されていない限り、警告灯10は、「ダイナミックポジショニングモード」に初期設定されており、この場合、加速度計または重力センサは、警告灯10が、水平の方向性と垂直の方向性との間で変化する際に、警告灯10を、側部発光モードと上部発光モードの間で行ったり来たり自動的に切替えることになる。
【0048】
動的なLED方向性の固定機能/無効化:この実施例では、警告灯10には、警告灯10の初期設定のダイナミックポジショニングモードを無効にする、上述した固定機能が備えられている。この固定機能の利用は、警告灯10が、水平の方向性で配置された場合でも、その警告灯が、上部壁ウィンドウ23a~23dを介して向けられる光の点滅を放ち続けるように、警告灯10を上部発光モードに固定できるようにする。この固定機能をトリガするには、警告灯10の電源が入れられて、水平方向または垂直方向のいずれかのモードで点滅し始めた後に、パイ(Π)ボタン18が押される。警告灯10が作動している間にパイボタン18を一度押すと、動的なLED方向性が無効にされて、警告灯10が上部発光モードに固定され、明るい上部発光LEDが、警告灯10の上部壁12の半透明ウィンドウ23a~23dを介して光の点滅を放つとともに、側部発光LEDがオフにされる。緑色インジケータLED22aは、その警告灯が上部発光モードに固定されたことを示すために、一度点滅することになる。二度目にパイ(Π)ボタン18を押すと、警告灯10が変化して、側部発光モードに固定されることになり、側部発光LEDは、側壁16を介して光を放射し、より明るい上部発光LEDは消される。その場合、緑色インジケータLED22aは、警告灯10が、今、側部発光モードに固定されたことを示すために、二度点滅する。三度目にパイ(Π)ボタン18を押すと、固定機能が解除されて、警告灯10が、その初期設定の動的なLED方向性モードに復される。緑色インジケータLED22aは、その警告灯が、今、初期設定状態にあることを示すために、三度点滅することになる。
【0049】
パターン:一旦、複数の警告灯10が作動すると、ユーザは、5つの点滅パターンから選択するオプションを有する。パターンを変更するには、オペレータは、グループ内の警告灯10のうちの一つの電源ボタン20を単にタップする(押し続けない)。このことは、その警告灯を、一連の利用可能な点滅パターンを循環させ、例えば、パターン1(初期設定)、パターン2、パターン3、パターン4、パターン5、そしてパターン1に戻らせることになる。この実施例では、初期設定のパターン1は、明るく、ゆっくりで滑らかなパターンである。パターン5は、速いパターンであり、パターン2は、2つの警告灯10がペアで点滅して、一連のペアの警告灯を進行させ、パターン3は、2つの警告灯が、非点滅警告灯によって隔てられて点滅し、それによって、閃光の間隔をあける。パターン4は、次第に弱まる点滅パターンである。一旦、グループ内の警告灯10のうちの一つが、非初期設定点滅パターンに変更されると、そのグループ内の残りの警告灯10のすべては、上述したようなメッシュネットワークまたはフロッキングプロトコルにより、選択された点滅パターンに自己同期されることになる。
【0050】
バッテリの交換:この実施例では、バッテリ区画を開けて、バッテリを交換するのに、工具は必要ない。バッテリカバーラッチ28は、それらの開位置へ手で動かすことができ、その後、バッテリカバー30は、バッテリ区画にアクセスするために取り外すことができる。
【0051】
マルチグループ:オペレータが、近接する警告灯10のいくつかの連なりまたはグループを利用したいと思った場合、警告灯10は、特定のグループに割り当てて、異なるグループ周波数に設定することができる。各グループの警告灯は、異なるグループを示すために、識別マーク(例えば、黄色、青緑色、ベージュ色または黒色のドット)を有していてもよい。例えば、異なる警察のユニットは、接近して展開された場合に、互いに妨げないように、異なるグループ番号を持っていてもよい。
【0052】
本発明を、本発明のいくつかの実施例または実施形態に関して説明してきたが、本発明の意図した主旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、削除、変更および改造を、それらの記載されている実施例や実施形態に対して行ってもよいことを正しく認識すべきである。例えば、一つの実施形態または実施例の何らかの要素、ステップ、部材、構成要素、構成、反応物、部品または部分は、他に指定されていない限り、または、その実施形態または実施例を、その意図した用途に適さないようにしない限り、別の実施形態または実施例に組み込んでもよく、または、別の実施形態または実施例とともに用いてもよい。また、方法またはプロセスのステップが、特定の順序で記載され、または列挙されている場合、そのようなステップの順序は、他に指定されていない限り、または、その方法またはプロセスを、その意図した目的に適さないようにしない限り、変えてもよい。さらに、本願明細書に記載されているいずれかの発明または実施例の要素、ステップ、部材、構成要素、構成、反応物、部品または部分は、特に断りのない限り、他のいずれかの要素、ステップ、部材、構成要素、構成、反応物、部品または部分がない場合に、または、実質的にない場合に、必要に応じて存在してもよく、または、利用してもよい。すべての合理的な追加、削除、改造および変更は、記載されている実施例および実施形態の等価物と見なすべきであり、および以下の請求の範囲内に含まれるものとする。
【0053】
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A-1】
図10A-2】
図10A-3】
図10A-4】
図10B-1】
図10B-2】
図10B-3】
図10B-4】
図10C-1】
図10C-2】
図10C-3】
図10C-4】
図10D-1】
図10D-2】
図10D-3】
図10D-4】
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
無線手段によって互いに通信する複数の子警告灯であって、前記電子警告灯の各々が、少なくとも1つの発光体、電源、及び電子回路を有し、前記複数の電子警告灯がセルラー通信のための装備を有する、複数の電子警告灯と、
前記複数の電子警告灯を遠隔で制御するために使用可能な遠隔制御装置と
を備えるシステム
【請求項2】
前記遠隔制御装置は、スマートフォン、セルラー通信デバイス、および赤外線制御装置、専用遠隔制御ユニットまたは専用遠隔制御コンピュータからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遠隔制御装置は、セルラー方式通信によって前記電子警告灯をオンオフするために使用可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電子警告灯は異なる方向に発光可能であり、前記遠隔制御装置が、セルラー方式通信によって発光の方向を変更するために使用可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子警告灯は異なる発光パターンで発光可能であり、前記遠隔制御装置は、前記複数の電子警告灯が発光するタイミング、順序、及びパターンを変更するために使用可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子警告灯の各々は、上壁、底壁、及び少なくとも1つの側壁を有するハウジングを備え、前記少なくとも1つの側壁の少なくとも一部が半透明であるため、前記発光体から放射される光が半透明部分を通過可能である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの側壁を通過する光が上向きの角度に向けられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記上壁の少なくとも一部も半透明であり、前記発光体からの光が透明半部分を通過可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子警告灯の各々の前記電子回路は、前記少なくとも1つの側壁を通して光が放射される側部発光モードと、前記上壁から光が放射される上部発光モードとの間で切り替えを行うためのスイッチング回路を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子警告灯が垂直の方向性で配置された場合、前記電子警告灯の各々の前記スイッチング回路は自動的に上部発光モードに切り替える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記電子警告灯が水平の方向性で配置された場合、前記電子警告灯の各々の前記スイッチング回路は自動的に側部発光モードに切り替える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記電子警告灯が水平の方向性で配置されている間に、上部発光モードで動作させる、前記スイッチング回路による自動切り換えを手動で無効にする機能をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記電子警告灯が水平の方向性で配置された場合、上部発光モードで動作するように設定され、
前記電子警告灯から放射された光がハザードマーキングまたは交通安全物体もしくは装置を照らすように、前記ハザードマーキングまたは交通安全物体もしくは装置が各電子警告灯の上方に配置される、システム。
【請求項14】
前記ハザードマーキングまたは交通安全物体もしくは装置は少なくとも部分的に半透明である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ハザードマーキングまたは交通安全物体もしくは装置はコーンを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電子回路は、前記電子警告灯の各々から発せられる光のタイミングを所望のタイミング、順序、または発光パターンを維持するように、前記電子警告灯を自己同期させるように適合される、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記電子警告灯は、前記電子警告灯のうちの1つまたは複数が取り除かれるか動作を停止する場合、発光のタイミング、順序、またはパターンを調整するために自己同期する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載のシステムであって、
最初の電子警告灯から最後の電子警告灯まで1つずつ順に点滅、
最後の電子警告灯から最初の電子警告灯まで1つずつ順に点滅、
一度に2つの電子警告灯を順に点滅、
複数の電子警告灯が順に点滅し、1つの非点滅の電子警告灯が続き、他の複数の電子警告灯が順に点滅、
全ての電子警告灯が同時に点滅、
順に次第に強まる点滅、
順に次第に弱まる点滅、および
上部発光に続いて側部発光そして上部発光と交互に順に点滅
からなるグループから選択される異なる点滅パターンで前記電子警告灯が発光可能である、システム。
【請求項19】
前記複数の電子警告灯は最初に初期設定の点滅パターンに従って光を点滅し、前記複数の電子警告灯のうちの1つがユーザが選択した点滅パターンに変更された場合、他の電子警告灯は前記ユーザが選択した点滅パターンと自己同期する、請求項18に記載のシステム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、一般に、電子工学および交通工学の分野に関し、より具体的には、道路上等の危険または意図された移動経路を標示する複数の電子警告灯を備えるシステムに関する。