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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087454
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】スチーマー
(51)【国際特許分類】
   D06F 75/14 20060101AFI20220606BHJP
   D06F 75/26 20060101ALI20220606BHJP
   D06F 75/18 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
D06F75/14 Z
D06F75/26
D06F75/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199389
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庭山 晃一
【テーマコード(参考)】
4L029
【Fターム(参考)】
4L029DA04
4L029DA09
4L029DB05
4L029DB09
4L029DC03
4L029EA09
4L029EB07
4L029GB02
4L029GB03
4L029GB05
4L029GB08
(57)【要約】
【課題】使用用途に合わせてコード付き/コードレスでのスチーム量を可変させるスチーマーを提供する。
【解決手段】本発明のスチーマーは、スチーマー本体1と、液体を内部に貯留するタンク組立体17と、タンク組立体17の下方に設けられ、ヒータ6を有するベース7と、タンク組立体17からの液体を気化させるためにヒータ6で加熱された気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させるスチーム孔12と、商用電力を供給するための電源コード61を有しスチーマー本体1に接続されるプラグユニット2と、を備え、プラグユニット2がスチーマー本体1に着脱可能であり、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無により、スチーム孔12から噴出させるスチーム量を可変させる構成を有している。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
液体を内部に貯留するタンクと、
前記タンクの下方に設けられ、加熱手段を備えたベースと、
前記タンクからの液体を気化させるために、前記加熱手段で加熱された気化室と、
前記気化室で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部と、
電力を供給するための電源コードを有し、前記本体に接続されるプラグ機構と、を備え、
前記プラグ機構が前記本体に着脱可能であり、
前記プラグ機構の前記本体への接続の有無により、前記噴出部から噴出させるスチーム量を可変させる構成としたことを特徴とするスチーマー。
【請求項2】
前記電源コードを通して給電される電力波形を検知する接続検知手段をさらに備え、
前記電力波形の有無により前記プラグ機構の前記本体への接続の有無を検出する構成としたことを特徴とする請求項1記載のスチーマー。
【請求項3】
前記本体および前記プラグ機構のいずれか一方がスイッチ機構を備え、
前記スイッチ機構が前記プラグ機構の前記本体への接続の有無を検出する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のスチーマー。
【請求項4】
前記プラグ機構の前記本体への接続が無しから有りに切り替わったことを検出したとき、それに連動させて前記スチームの噴出を停止させる動作に切替える構成としたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のスチーマー。
【請求項5】
前記プラグ機構の前記本体への接続が有りから無しに切り替わったことを検出したとき、それに連動させて前記スチームの噴出を開始させる動作に切替える構成としたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のスチーマー。
【請求項6】
前記タンクの液体を前記気化室に供給する液体供給部と、
前記液体供給部を制御する制御部と、をさらに備え、
前記制御部が前記液体供給部からの前記供給の量を可変させることにより、前記スチーム量を可変させる構成としたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のスチーマー。
【請求項7】
前記本体の動作状態を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のスチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類などの繊維製品にスチームを噴出してしわ伸ばしを行なうスチーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコードレスアイロンは多数存在し、例えば本願出願人は従来の機械的なスチーム発生機構に代わって、直流モータを駆動源とした電磁ポンプをスチームアイロンに組み込む考えを提案し(特許文献1)、既に特許を取得している。この場合、直流モータへの通断電を繰り返して電磁ポンプを駆動させることにより、気化室の内圧に拘わらず、またアイロン本体がどのような姿勢で使用されても、噴出部からスチームをスムーズに噴出させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6534886号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記特許文献1の技術は、電源プラグ付きのコードを通してアイロン本体に商用電力が常時供給されるスチームアイロンを前提としている。そのため、使用時にアイロン本体が置台から離脱して、アイロン本体への電力供給が途絶えるコードレスの状態では、アイロン本体に組み込まれた電磁ポンプを動作させることができず、噴出部からスチームを噴出させることができない。
【0005】
この問題に対して、本願出願人は電磁ポンプを動作させるために二次電池を搭載するスチーマーも提案しているが、コードレスの状態、コード付きの状態の2WAY機能を有するスチーマーでは、コードレスの状態とコード付きの状態とでスチームの噴出量は同一であった。しかしながら、コードレスの状態ではスチーム量を抑えつつ持続時間を保つ設計がなされ、コード付きの状態では大容量のスチームをより効率よく噴出させる設計がなされるため、お互いに相反する性能とされており、仕様としてスチームの持続時間もしくはスチーム量のどちらかを犠牲にする必要があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、使用用途に合わせてコード付き/コードレスでのスチーム量を可変させるスチーマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスチーマーは、本体と、液体を内部に貯留するタンクと、前記タンクの下方に設けられ、加熱手段を備えたベースと、前記タンクからの液体を気化させるために、前記加熱手段で加熱された気化室と、前記気化室で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部と、電力を供給するための電源コードを有し、前記本体に接続されるプラグ機構と、を備え、前記プラグ機構が前記本体に着脱可能であり、前記プラグ機構の前記本体への接続の有無により、前記噴出部から噴出させるスチーム量を可変させる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、使用用途に合わせてコード付き/コードレスでのスチーム量の可変を自動的に設定することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、前記プラグ機構の前記本体への接続の有無を自動的に検出可能であるためユーザーによる手動の設定が不要になり、よりユーザーフレンドリーなスチーマーを提供できる。また新たに部品を追加することがなく、部品点数や費用を削減することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、スイッチ機構が前記プラグ機構の前記本体への接続を機械的に検知するため、より確実にこの接続を検知することができる。
【0011】
請求項4の発明によれば、コードレス状態で本体のスチーム噴出の停止をし忘れた場合においても、プラグ機構を本体へ接続した際に自動的に本体のスチーム噴出が停止するため、安全に配慮した構成のスチーマーを提供できる。
【0012】
請求項5の発明によれば、本体がプラグ機構から切り離されると、操作体の操作なしにスチームを噴出するように構成され、ユーザーが本体を持ち上げるだけでスチームを噴出するためにユーザーの手間が省略され、利便性が向上する。
【0013】
請求項6の発明によれば、制御部が液体供給部を駆動させることで噴出部から所望のスチーム量をより確実且つスムーズに噴出させることが可能となる。
【0014】
請求項7の発明によれば、ユーザーが本体の動作状態を一目で確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスチーマーの右側面図である。
図2】同上、スチーマーの右側後方から見た斜視図である。
図3】同上、コード付きでの使用状態を示すスチーマー本体の右側後方から見た斜視図である。
図4】同上、コードレスでの使用状態を示すスチーマー本体の右側後方から見た斜視図である。
図5】同上、スチーマー本体の内部構造を示す立体断面図である。
図6】同上、スチーマー本体の右側前方から見た立体断面図である。
図7】同上、給電プラグの内部構造を示すプラグユニットの一部切り欠き斜視図である。
図8】同上、置台にプラグユニットを取付けた状態を示す右側前方から見た斜視図である。
図9】同上、スチーマーの電気的な接続の構成を示す回路ブロック図である。
図10】同上、(A)コードレスの状態のスチーマー本体で各温度設定と各スチーム設定で噴出するスチーム量の表、(A)コード付きの状態のスチーマー本体で各温度設定と各スチーム設定で噴出するスチーム量の表である。
図11】同上、スチーマー本体の特徴を示す説明図である。
図12】本発明の第2の実施形態におけるスチーマーの電気的な接続の構成を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましいスチーマーの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【実施例0017】
図1図11は、本発明の第1の実施形態におけるスチーマーを示している。これらの各図において全体の構成を説明すると、本実施形態のスチーマーは、液体である水を加熱気化してスチームを外部に噴出するスチーマー本体1と、家庭用のコンセント(図示せず)からスチーマー本体1に商用電力を供給するプラグユニット2と、床面Sに置いた状態で使用され、スチーマー本体1を着脱可能に載置する置台3と、を主な構成要素とする。プラグユニット2は、スチーマー本体1と置台3の何れにも着脱可能な構成となっている。
【0018】
スチーマー本体1は、電力を受ける凹状の受電部5が後部に設けられる一方で、加熱手段としてヒータ6を埋設した金属製のベース7を下部に備えている。ベース7は、ダイキャスト成形品によるベース基体8の底面に、掛け面部材となるベースプレート9が具備された構成を有し、ベースプレート9に固着された締結部材10によって、ベース基体8に密着固定される。ベース7の内部には、ヒータ6の近傍に位置して蒸気室すなわち気化室11が形成され、この気化室11に連通する複数のスチーム孔12が、ベース7の下面をなすベースプレート9に開口形成される。また、ベース7は金属板状の上蓋となるスチームカバー13を備え、ベース基体8に取付け固定されたスチームカバー13により、気化室11の上面が形成される。なお、気化室11はベース7に形成されずに、別体であってもよく、その場合も、気化室11で液体となる水を加熱気化させるために、ヒータ6もしくは別な加熱手段が設けられる。
【0019】
15はベース7の上部から側部を覆うように設けられた樹脂製のカバーであり、16はカバー15の上方に固定して設けられ、側面から見て後端を開放した略U字状に形成された把手である。把手16の内部前方から後方にかけては、液体を貯留するタンクに相当するタンク組立体17が設けられる。タンク組立体17は、何れも樹脂製のタンクカバー18とタンクベース19とにより構成され、タンクカバー18の底面開口を覆うようにタンクベース19を取付け固定することで、タンク組立体17の内部に液体の貯留空間20が形成される。
【0020】
21は、タンク組立体17の前部に設けられ、前述の貯留空間20に直接連通する注水口である。この注水口21に対向して把手16の前部には、注水口21を手動で開閉可能にする注水口蓋22が設けられ、注水口蓋22を手前側に起こして注水口21を開けることで、ここからタンク組立体17内に液体である水を収容したり、タンク組立体17内の不要水を廃棄したりするようになっている。またスチーマー本体1の内部において、タンクカバー18の後方に形成された立壁18Aで貯留空間20と仕切られた上部収容空間23には、タンク組立体17の貯留空間20に収容される水を、ヒータ6で加熱される気化室11に供給するための電磁ポンプ24が配設される。電磁ポンプ24には、タンク組立体17の貯留空間20に連通する吸込管25と、気化室11に連通する吐出管26がそれぞれ接続され、吸込管25は立壁18Aに形成された連結管27に液密状態で連結して、電磁ポンプ24の上部収容空間23から水の貯留空間20に延設される。これにより、電磁ポンプ24とタンク組立体17とが液密状態で連結し、スチーマー本体1がどのような姿勢で使用されても、貯留空間20に収容した水が電磁ポンプ24を配置した把手16の後端の内部の空間に侵入することなく、電磁ポンプ24の動作時に貯留空間20から吸込管25を通して電磁ポンプ24に吸い込んだ水を、吐出管26を通して気化室11に送り出すことが可能となる。また本実施形態のスチーマー本体1は把手16の内部前方から後方にかけてタンク組立体17および上部収容空間23が設けられ、タンク組立体17および上部収容空間23が後述する下部収容空間54の上方を全部覆っているため、タンク組立体17の貯留空間20内の水または空気、および上部収容空間23内の空気がベース7からの熱を遮断する層の役割を果たし、後述するように把手16の内部に配置される部品、例えば電磁ポンプ24や基板37に搭載される各部品などの温度上昇が回避できる。
【0021】
把手16は、何れも樹脂製の把手ベース28と把手カバー29との二部品で構成され、スチーマー本体1の最上部に位置して、前方から後方に延びる棒状の握り部31が形成される。握り部31は、スチーマー本体1の腹部32との間に空洞33を有しており、握り部31の後部には、スチーマー本体1の後部から空洞33に手を差し入れて、握り部31を手で握ることができるように、空洞33に連通する開口部34が開口形成される。つまり、ここでの握り部31は、その後部がスチーマー本体1のどの部位にも連結せずに、開口部34を形成して開放した形状を有する。また、ここでいう腹部32とは、握り部31に対向したスチーマー本体1の平坦状の中央上面部を指すものであり、把手ベース28の基部28Aとして形成される。把手ベース28は、カバー15上に取り付けられるこの基部28Aの他に、基部28Aの前側でU字状に立ち上がる連結部28Bと、前方連結部28Bより後方に延びる延設部28Cと、からなり、延設部28Cを把手カバー29で覆うことで、スチーマー本体1の握り部31が構成される。
【0022】
スチーマー本体1の上部に位置する握り部31の前側には、手動操作が可能な操作体として、ベース7の温度設定と電源の入・切とスチーム噴出の“ショット”の設定とを兼用する第1操作体としての温度設定/切ボタン35と、スチーム孔12からのスチーム噴出の開始/停止を行なう第2操作体としてのスチームボタン36と、スチーム孔12から噴出するスチームの種類の切換を行なう第3操作体としてのスチーム切換スイッチ39と、がそれぞれ配設される。これらの操作用のボタン35,36およびスイッチ37は、握り部31の内部前方に配置された第1基板37Aに搭載される。なお、操作体の数は本実施形態のような3つに限定されず、押動式やスライド式以外の操作体であってもよい。また、どの操作体にどの機能を割り当てても構わない。
【0023】
第1基板37Aには、温度設定/切ボタン35やスチームボタン36、スチーム切換スイッチ39の他に、握り部31の上部前側に設けられ、複数のLEDを並べた表示ランプ38と、電源の入・切およびベース7が設定温度に達したのを音で知らせる報知部としてのブザー42と、スチーマー本体1の負荷となるヒータ6や、電磁ポンプ24や、表示ランプ38や、ブザー42の動作を制御する制御装置40などが搭載される。表示ランプ38は、温度設定/切ボタン35による設定温度や、温度検知手段41が検知したベース7の温度が設定温度に達したか否かを表示したり、またスチーム孔12から噴出するスチームの量の設定を表示したり、スチーマー本体1がコード付きの状態かコードレスの状態かを表示したりするもので、スチーマー本体1の動作状態を表示する表示手段に相当する。また温度検知手段41は、スチーマー本体1の動作状態を表示するセンサ部として、スチーマー本体1の内部でベース7に取付け固定される。
【0024】
握り部31の内部には、制御用の第1基板37Aよりも後方に位置して、電源用の第2基板37Bが配設される。これらの基板37A,37Bは、配線47によってお互いに電気的に接続される。第2基板37Bには、プラグユニット2からの外部商用電力とは別に、スチーマー本体1の内部で発電機能を有する発電装置43と、発電装置43で発生した電力を受けて、スチーマー本体1の各部に適切な動作電力を出力する電源回路44などが搭載される。なお、スチーマー本体1に組み込まれる基板37A,37Bの数や、どの基板37A,37Bにどの部品を搭載するのかは、特に限定されない。
【0025】
発電装置43は、プラグユニット2からの外部商用電力とは別に、スチーマー本体1の内部で発電機能を有するものであり、図9で後述するように、電源回路44と、電源供給用の蓄電装置としての電気2重層コンデンサ45と、急速充電回路としての定電流回路82と、逆流防止用のダイオード84,85と、を主に備えて構成される。電源回路44は、プラグユニット2からの外部商用電力からの電力を受けて、スチーマー本体1の各部に適切な動作電力を出力するものである。
【0026】
制御装置40は、発電装置43から動作電力が与えられると、温度設定/切ボタン35からの操作信号に基づく設定温度と、温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度と、後述するゼロクロス回路92からの検知信号に基づくプラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無とにより、表示ランプ38への制御駆動を行なう。また制御装置40は、発電装置43から動作電力が与えられると、温度設定/切ボタン35からの操作信号に基づき電源の入・切を報知するようにブザー42の制御駆動を行ない、また温度設定/切ボタン35からの操作信号に基づく設定温度と、温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度とにより、表示ランプ38への制御駆動を行なう。そして制御装置40は、発電装置43から動作電力が与えられると、温度設定/切ボタン35やスチーム切換スイッチ39からの操作信号に基づき設定された流量のスチームが、スチームボタン36からの操作信号に基づきスチーム孔12を通してスチーマー本体1の外部に噴出されるように、電磁ポンプ24の駆動を制御する。このとき電磁ポンプ24は、同じく発電装置43からの動作電力が与えられて、設定されたスチーム流量に応じた動作を行なう構成となっている。
【0027】
タンク組立体17から気化室11に至る液体の通路46には、前述の吸込管25や吐出管や連結管27を含む電磁ポンプ24が組み込まれる。電磁ポンプ24は、タンク組立体17から気化室11に水を供給すると共に、温度設定/切ボタン35やスチーム切換スイッチ39で設定されたスチーム流量に応じて、気化室11に供給する水の流量を可変する液体供給部として、スチーマー本体1内部の上部収容空間23に配設される。電磁ポンプ24の具体的な構成は、例えば特許文献1に開示される直流モータ駆動式のポンプを採用してもよい。
【0028】
この場合、後述するマイコン87が温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度に従い、ベース7が液体の気化温度よりも高い場合には電磁ポンプ24への通断電を繰り返すように、制御装置40が電磁ポンプ24を駆動制御することで、タンク組立体17から気化室11に所定量の水を送り出すことが可能となり、電磁ポンプ24からの送水量、ひいてはスチーム孔12からのスチーム流量は、電磁ポンプ24への通断電のタイミングを変えることで任意に増減できる。一方、ベース7が液体の気化温度よりも低い場合には、マイコン87が電磁ポンプ24を駆動停止するように制御している。
【0029】
一方、低温時液体流入防止機構48は、ベース7の温度を感知して変形する感熱応動体としてのバイメタル51と、バイメタル51に応動して通路46を開閉する弁部材52と、を主な構成とする。バイメタル51は、ベース基体8の上面に設けた凹状のバイメタル収納室53に収納され、ベース7が液体の気化温度よりも低い場合は、バイメタル51が復帰状態となって、通路46を閉塞する方向に弁部材52が移動するのに対し、ベース7が液体の気化温度以上になると、バイメタル51が反転状態となって、通路46を開放する方向に弁部材52が移動する。このとき、前述の電磁ポンプ24が動作していれば、スチーマー本体1がどのような姿勢であっても、タンク組立体17からの水が低温時液体流入防止機構48を通して気化室11に強制的に送り出され、気化室11に液体が確実に滴下される構成となっている。したがって、ベース7がある温度以上に達するまでは気化室11に水を送り出さず、ある温度以下に低下したときにも気化室11に水を送り出さずにスチーム孔12からの液漏れを防止する、という目的において、マイコン87が温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度に従って電磁ポンプ24の駆動を制御するというソフト的な構成と併せて、ベース7がある温度以上に達するまではバイメタル51が反転せず、低温時液体流入防止機構48から気化室11に水が送り出されないというハード的な構成も追加することができ、より確実にスチーム孔12からの液漏れを防止することができる。
【0030】
スチーマー本体1の内部において、タンク組立体17の底面を形成するタンクベース19と、ヒータ6で加熱されるベース7の上面との間には、スチームカバー13の上面に載置された温度検知手段41などをカバー15で覆って収容する下部収容空間54が形成される。タンクベース19とベース7との間の下部収容空間54には、カバー15の上面が遮熱部15Aとして介在しており、図6に示すようなベース7の底面を水平に向けた状態、すなわちスチーマー本体1を水平にした状態で、電磁ポンプ24や、基板37A,37Bに搭載される各部品、例えば発電装置43などは、何れもタンクベース19や下部収容空間54よりも上方の高い位置に配置される。
【0031】
電磁ポンプ24や基板37に搭載される各部品をタンクベース19よりも高い位置に配置することで、ベース7と、電磁ポンプ24や、基板37A,37Bに搭載される各部品との間には、ベース7からの熱を遮断する、下部収容空間54や貯留空間20および上部収容空間23が介在し、電磁ポンプ24や、基板37A,37Bに搭載される各部品の温度上昇が回避される。また、下部収容空間54にはカバー15の遮熱部15Aも配置されるため、この遮熱部15Aもベース7からの熱を効果的に遮断して、電磁ポンプ24や基板37に搭載される各部品の温度上昇を一層回避できる。特に発電装置43は、ベース7から最も離れた把手16の握り部31の最後方部に設けられているため、ベース7から発電装置43に対する熱影響を最大限に回避できる。
【0032】
図7および図8を参照してプラグユニット2および置台3の構成を説明すると、プラグユニット2は、可撓性の電源コード61と、電源コード61の基端に設けられる給電プラグ62と、を主な構成要素とする。図示しないが、電源コード61の先端には、家庭用のコンセントに挿抜が可能な電源プラグが設けられる。給電プラグ62は、何れも樹脂製であるプラグ基台63とプラグカバー64とを外郭部材とし、プラグカバー64の下面開口をプラグ基台63で塞ぐ構成となっている。本実施形態では、電源コード61付きの給電プラグ62を、スチーマー本体1と置台3の何れにも着脱できる構成となっている。
【0033】
給電プラグ62には、手動操作で給電プラグ62をスチーマー本体1の凹状の受電部5に嵌合可能または嵌合不可能にするコードレス切換スイッチ65が設けられる。コードレス切換スイッチ65は、給電プラグ62の上面側で前後に摺動可能に設けられており、図8に示すような給電プラグ62を置台3に装着した状態では、プラグユニット2をスチーマー本体1から取り外したコードレスの状態で、スチーマー本体1を使用するために、コードレス切換スイッチ65を一側前方に動かして、スチーマー本体1と給電プラグ62との嵌合を解除する。これに対して図3に示されるように、置台3から給電プラグ62を取り外し、プラグユニット2をスチーマー本体1に取り付けたコード付きの状態で、スチーマー本体1を使用するためには、コードレス切換スイッチ65を他側後方に動かして、スチーマー本体1と給電プラグ62とを嵌合させる。このとき、給電プラグ62の前側部分はスチーマー本体1の受電部5に装着されるが、コードレス切換スイッチ65を含む給電プラグ62の後側部分は、受電部5に囲まれることなく露出し、ユーザーが何時でもコードレス切換スイッチ65を手動操作できるようになっている。スチーマー本体1の受電部5には、プラグユニット2の給電端子66と電気的に接続が可能な一対の受電端子67が設けられる。
【0034】
置台3は、スチーマー本体1の前方を斜め上方向に向けて載置するために、床面Sに対して傾斜して形成された本体載置部69と、本体載置部69の後方に設けられる凹状のプラグ収容部70と、置台3の後部に設けられ、給電プラグ62をプラグ収容部70に装着したときに、置台3の外部に電源コード61を引き出すコード引出部71と、を備えている。給電プラグ62をプラグ収容部70の開放した前側から差し込むと、給電プラグ62がプラグ収容部70に嵌合保持される一方、この状態から給電プラグ62を前側に向けて引抜くと、給電プラグ62とプラグ収容部70との嵌合が解除される構成となっている。
【0035】
給電プラグ62は、前述したコードレス切換スイッチ65の他に、嵌合爪73と、シャッター部材74とを備えている。嵌合爪73は、給電プラグ62の内部に設けたスプリングなどの第1弾性部材75により、給電プラグ62の上面部から突出するように常時付勢される。この第1弾性部材75の付勢に抗して、コードレス切換スイッチ65を一側前方の「コードレス」側に動かすと、給電プラグ62の上面部からの嵌合爪73の突出長を少なくする構成となっている。これにより、コードレス切換スイッチ65が「コードレス」側にある場合は、給電プラグ62の上面部からの嵌合爪73の突出長が僅かになるため、前述のように給電プラグ62を置台3のプラグ収容部70に収容保持すれば、嵌合爪73に干渉することなく、置台3の本体載置部69に載せたスチーマー本体1の受電部5を、給電プラグ62に抜き差しできるようになり、スチーマー本体1をコードレスで使用することが可能となる。
【0036】
一方、コードレス切換スイッチ65を他側後方の「コード付き」側に動かすと嵌合爪73には第1弾性部材75の付勢力だけが作用するため、給電プラグ62の上面部からの嵌合爪73の突出長が、「コードレス」の場合よりも増加する。したがって、コードレス切換スイッチ65が「コード付き」側にある場合に、スチーマー本体1の凹部5を給電プラグ62に差し込むと、第1弾性部材75の付勢力により大きく突出した嵌合爪73が、受電部5に形成した受け部(図示せず)に嵌合し、コードレス切換スイッチ65を「コードレス」側に切換えない限り、スチーマー本体1をプラグユニット2が装着したままのコード付きで使用することが可能となる。
【0037】
樹脂製のシャッター部材74は、給電プラグ62の前方に開口形成した一対の給電孔76から、給電プラグ62の内部に設けられた導電性の給電端子66が何れも露出しない方向に、同じく給電プラグ62の内部に設けられたトーションバネなどの第2弾性部材(図示せず)で常時付勢される。そしてスチーマー本体1をコードレスまたはコード付きの何れで使用する場合にも、スチーマー本体1の凹部5を給電プラグ62に挿入すると、給電孔76から給電端子66が露出するように、第2弾性部材の付勢力に抗してシャッター部材74が回動し、スチーマー本体1の受電端子67が、給電プラグ62の給電孔76を挿通して給電端子66に接触する。これにより、家庭用のコンセントからプラグユニット2を介してスチーマー本体1への給電が可能となる。
【0038】
図9は、本実施形態のスチーマーの電気的な接続の構成を示す回路ブロック図である。同図において、81は例えば商用電源などの交流(AC)電源であり、この交流電源81から供給される交流電力が、プラグユニット2および受電部5を介して、ヒータ6や、発電装置43の電源回路44に印加され、電源回路44がこの交流電力を整流平滑して直流電力に変換し、この直流電力を電磁ポンプ24や制御装置40に供給する構成となっている。
【0039】
発電装置43の接続を説明すると、電源回路44の一対の入力端子と、ヒータ6および制御装置40のリレー回路89の直列回路とが、受電部5に並列に接続される。電源回路44の出力端子にはダイオード84のアノードが接続され、ダイオード84のカソードに、例えば制御装置40のマイクロコンピュータ(マイコン)87や電磁ポンプ24などのスチーマー本体1の各部が接続される。また電源回路44の別の出力端子には、定電流回路82およびダイオード85の直列回路が接続され、ダイオード84およびダイオード85のカソード同士が接続される。そして定電流回路82の出力側およびダイオード84のアノードの接続点と、接地ラインGLとの間に、蓄電装置としての電気2重層コンデンサ45が接続される。なお、本実施形態では蓄電装置として電気2重層コンデンサ45を採用しているが、アルミ電解コンデンサなどの他のコンデンサを使用してもよく、また二次電池を用いてもよい。
【0040】
電源回路44は、交流電源81から供給される電力をプラグユニット2経由で受け、基板37に搭載された表示ランプ38や、ブザー42や、制御装置40の各部に、それぞれを動作させるに必要な動作電力を送り出すと共に、電磁ポンプ24にも動作させるのに必要な動作電力を送り出すものである。なお電源回路44が複数ある出力端子のそれぞれに、別個で電力を送り出すことができるように構成されてもよい。定電流回路82は、電源回路44から供給された電力により電気2重層コンデンサ45を急速充電するものであり、この定電流回路82が出力する電流を制御する制御ICなどの制御部82Aを備え、この制御部82Aが定電流回路82の出力電圧を監視して、この出力電圧がある電圧の値を超えると、所定の電流値で電圧が出力されるように定電流回路82を制御している。なお制御部82Aを備えた定電流回路82の代わりに、制御ICなどの制御部を備えた定電圧回路を使用してもよい。
【0041】
電気2重層コンデンサ45は定電流回路82からの出力電力を充電してスチーマー本体1の各部に電力を供給するものであり、スチーマー本体1にプラグユニット2からの商用電力が供給されているときには、電源回路44からの直流電力を定電流回路82に供給し、その定電流回路82の出力電力が電気2重層コンデンサ45に充電され、スチーマー本体1にプラグユニット2からの商用電力が供給されていないコードレスの状態のときには、電気2重層コンデンサ45からの電力が、ダイオード85のカソードに接続されたスチーマー本体1の各部に供給されるように構成される。なお本実施形態では、スチーマー本体1にプラグユニット2からの商用電力が供給されていれば、スチーマー本体1の使用時、未使用時を問わず、その商用電力を利用して電源回路44が定電流回路82経由で電気2重層コンデンサ45を自動的に充電できるように構成されているが、スチーマー本体1の各部が動作していない未使用時の切状態に電気2重層コンデンサ45を自動的に充電できるように構成されてもよい。
【0042】
制御装置40は、スチーマー本体1の制御手段としてのマイコン(マイクロコンピュータ)87と、電磁ポンプ24を駆動させるスイッチング素子88と、ヒータ6をON/OFFさせるリレー回路89と、温度設定/切ボタン35やスチームボタン36からの操作信号をマイコン87に送信するSW(スイッチ)回路90と、表示ランプ38をON/OFFさせるLED回路91と、受電部5に印加される交流電圧を検知してマイコン87に送信するゼロクロス回路92と、ブザー42をON/OFFさせる報知回路93と、を主に備えて構成される。
【0043】
温度検知手段41はマイコン87の入力側に接続されており、上述したようにベース7の温度を検知してマイコン87に送信している。スイッチング素子88は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などで構成され、電磁ポンプ24と接地ラインGLとの間に接続される。また制御端子となる例えばIGBTのゲートにマイコン87が接続され、マイコン87の出力側から、例えばPMW(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御信号などのパルス駆動信号が送出されて、スイッチング素子8のスイッチング動作に伴い発電装置43から電磁ポンプ24への直流電力を断続させて、電磁ポンプ24を駆動させている。
【0044】
SW回路90は、温度設定/切ボタン35およびスチームボタン36と、マイコン87の入力側との間に接続され、温度設定/切ボタン35やスチームボタン36が操作されると、その操作信号をマイコン87に送信するものである。またLED回路91は、マイコン87の出力側と、表示ランプ38との間に接続され、マイコン87の制御信号に従い表示ランプ38のON/OFFを行なうものである。そしてリレー回路89は、マイコン87の制御信号に従いヒータ6のON/OFFを行なうものであり、リレー回路89に含まれるリレーの一次側にマイコン87の出力側が接続され、このリレーの二次側にヒータ6が接続されている。
【0045】
ゼロクロス回路92は、受電部5からの高出力である交流電力からリレー回路89のリレーの接点を保護するために受電部5に印加される交流電圧を検知してマイコン87に送信するものであり、リレー回路89および受電部5の接続点と、マイコン87の入力側との間に接続される。マイコン87は、ゼロクロス回路92からの検出信号に基づき、リレー回路89のリレーに印加される電圧が0VのときにこのリレーのON/OFFが行なわれるように制御信号を送出している。またゼロクロス回路92は、電源コード61を通して受電部5経由で給電される交流電圧の電力波形を検知する接続検知手段としての機能も有し、マイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号に基づき、この電力波形の有無によりプラグユニット2の接続の有無を検出するように構成される。報知回路93は、マイコン87の出力側と、ブザー42との間に接続され、マイコン87の制御信号に従いブザー42のON/OFFを行なうものである。なお報知回路93が、マイコン87の制御信号に従いブザー42の音声や音色を変更するように構成されてもよい。
【0046】
次に、上記構成のスチーマーについて、その動作を説明する。スチーマー本体1に設けられた注水口蓋22を開閉して、所定量の水をタンク組立体17の貯留空間20に収容する。続いて、置台3のプラグ収容部70にプラグユニット2の給電プラグ62を嵌合収容し、その置台3の本体載置部69にスチーマー本体1を載置するか、或いは置台3を用いずに、スチーマー本体1の受電部5に給電プラグ62を差し込んで嵌合させて、家庭用のコンセントから供給される商用電力を、給電プラグ62を介してスチーマー本体1に給電する。ここで、スチーマー本体1をコードレスで使用する場合は、プラグユニット2のコードレス切換スイッチ65を一側前方の「コードレス」側に動かし、給電プラグ62の上面部からの嵌合爪73の突出長を少なくし、スチーマー本体1をコード付きで使用する場合は、コードレス切換スイッチ65を他側後方の「コード付き」側に動かし、第1弾性部材75の付勢力により大きく突出した嵌合爪73を受電部5に形成した受け部に嵌合させる。
【0047】
給電直後の温度設定/切ボタン35やスチームボタン36を操作しない切状態では、商用電力が受電部5経由で発電装置43の電源回路44に供給され、この電源回路44の出力端子からスチーマー本体1の各部に直流電力が送り出される。また電源回路44の別の出力端子から送り出された直流電力により、定電流回路82経由で電気2重層コンデンサ45が自動的に充電される。
【0048】
定電流回路82経由で電気2重層コンデンサ45を充電すると、所定の電圧値までは一次関数的に電気2重層コンデンサ45の電圧が上昇していく。そして、この電圧が、電気2重層コンデンサ45において電荷を所定量蓄えた時の、所定の電圧の値を超えるまで上昇したことを定電流回路82の出力電圧から制御部82Aが検知すると、制御部82Aは定電流回路82から所定の電流値で電力が供給されるように定電流回路82を制御するため、電気2重層コンデンサ45の電圧の上昇値がこれまでの一次関数的なものよりも増加し、電荷か蓄えられて電気2重層コンデンサ45の容量が一杯になってきても充電速度が遅くなることなく、電気2重層コンデンサ45が蓄えた電荷の量に影響されずに一定の電流で充電できる。そのため電気2重層コンデンサ45の電圧が高い際でも急速に充電でき、スチーマーやコードレスアイロンのように充放電のサイクルが短い製品においても短時間で充電できる。また電気2重層コンデンサ45の蓄電容量を増加させた場合でも、充電時間も増加されるという弊害を抑制できる。
【0049】
電気2重層コンデンサ45の電圧が充電完了となる値まで上昇したことを定電流回路82の出力電圧から制御部82Aが検知すると、制御部82Aは定電流回路82からの電力の供給を停止するように定電流回路82を制御する。そのため、電気2重層コンデンサ45の充電が完了した後も電気2重層コンデンサ45に充電し続けて過充電になることを防止することができる。したがって定電流回路82は、電気2重層コンデンサ45の過充電保護機能も有している。
【0050】
定電流回路82からの電力の供給が停止されると、電気2重層コンデンサ45からの放電が少しずつ行なわれ、この放電された電力がダイオード85経由で、ダイオード84経由の電源回路44からの電力と共にスチーマー本体1の各部に送り出される。また電気2重層コンデンサ45の電圧が再充電を開始する値にまで低下したことを制御部82Aが検知すると、制御部82Aは定電流回路82から所定の電流値で電力が再度供給されるように定電流回路82を制御し、電気2重層コンデンサ45の電圧が上述した充電完了となる値に上昇するまで再度充電される。
【0051】
ここでユーザーが切状態から温度設定/切ボタン35を押動操作し、スチームの噴出対象物となる衣類の布地などに合わせた温度を設定、またはスチームの噴出量に対応する温度を設定すると、スチーマー本体1の内部において、制御装置40のマイコン87は、温度検知手段41で検知されるベース7の温度が、温度設定/切ボタン35で設定した温度に近付くように、リレー回路89に制御信号を送出してヒータ6を通断電制御し、気化室11を含むベース7を加熱する。本実施形態のマイコン87は、図10(A)(B)の表に示されるように、スチーム切換スイッチ39の設定と、温度設定/切ボタン35で設定した温度と、温度設定/切ボタン35による「ショット」の設定の有無とによりスチーム流量を設定する構成となっている。例えば温度設定が「低」に設定されているときは、スチーム切換スイッチ39で「シャワー」を設定した場合、もしくは温度設定/切ボタン35で「ショット」を設定した場合は、ユーザーがスチームボタン36を初期位置から指で押動操作し、マイコン87がSW回路90からの操作信号を受けても、マイコン87はスイッチング素子88の制御端子にパルス駆動信号を送出せず、スチーム噴出しないように構成される。なお図10(A)(B)の設定は一例であり、温度設定やスチーム設定、スチーム量は他の数値や設定を採用してもよい。
【0052】
そしてヒータ6への通電に伴いベース7がある温度以上に達すると、ベース基体8のバイメタル収納室53に収納したバイメタル51が反転し、低温時液体流入防止機構48の内部で液体の通路46を開放する方向に弁部材52が移動する。これにより電磁ポンプ24は、タンク組立体17の貯留空間20から吸込管25を通して吸込んだ水を吐出管26を通して送り出した際に、低温時液体流入防止機構48を通して気化室11に送り出すことが可能となる。
【0053】
その後、ヒータ6への通電に伴いベース7がある温度以上に達すると、マイコン87がLED回路91に制御信号を送出し、設定した温度に対応する表示ランプ38の中の一つのLEDを点滅動作させるように制御し、温度検知手段41で検知されるベース7の温度が設定した温度に達したとマイコン87が判断すると、LED回路91に制御信号を送出して、点滅したLEDを点灯動作に切替えるように制御すると共に、報知回路93に制御信号を送出して、ブザー42を所定の時間ONに切替えるように制御する。
【0054】
ここでスチーマー本体1を前述のコード付きで使用する場合、ユーザーが握り部31を手で握ってスチーマー本体1を前方向に持ち上げると、上述のようにコードレス切換スイッチ65が他側後方の「コード付き」側になっているため、嵌合爪73が大きく突出して受電部5に形成した受け部に嵌合しており、給電プラグ62が受電部5に差し込まれてプラグユニット2が装着したままのスチーマー本体1を置台3から取り外すことができる。
【0055】
このときユーザーがスチーム機能を利用する場合は、図11に示されるように、握り部31を手で握ったまま、スチームボタン36を初期位置から指で一回押動操作すると、SW回路90がスチームボタン36の操作信号をマイコン87に送出する。マイコン87は、SW回路90からの操作信号を受け、また温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度に従い、ベース7が液体の気化温度よりも高い場合にはスイッチング素子88の制御端子にパルス駆動信号を送出する。ここでマイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号を受けて受電部5に交流電圧が印加されていると判断すると、図10(B)の表に示されるようなコード付き時のスチーム量の設定で設定された流量のスチームがスチーム孔12から噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。コード付き時は常に電源供給が可能でスチーマー本体1の使用中もヒータ6が駆動し、ベース7の蓄熱を考慮せずにすむため、大容量のスチームを噴出できるように構成される。例えば温度設定が「中」に設定され、スチーム切換スイッチ39で「スチーム」を設定した場合、マイコン87は11g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御し、温度設定が「高」に設定され、スチーム切換スイッチ39で「シャワー」を設定した場合、マイコン87は20g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。また例えば、温度設定が「高」に設定され、温度設定/切ボタン35を5秒間など所定時間長押し操作することにより「ショット」を設定した場合、マイコン87は50g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。これにより電磁ポンプ24は、設定されたスチーム流量に対応したタイミングで通断電が繰り返され、タンク組立体17の貯留空間20から吸込管25を通して吸込んだ水を、吐出管26、液体の通路46および低温時液体流入防止機構48を通して気化室11に送り出すことが可能となり、マイコン87が電磁ポンプ24を駆動させることでスチーム孔12から所望のスチーム量をより確実且つスムーズに噴出させることが可能となる。またユーザーによる手動の設定なしにプラグユニット2の接続の有無の設定が自動的に行われ、コード付き/コードレスでのスチーム量の可変も自動的に設定することができる。
【0056】
また、ユーザーがスチーム機能を停止する場合は、スチームを噴出しているときにスチームボタン36を初期位置から指で一回押動操作すると、SW回路90がスチームボタン36の操作信号をマイコン87に送出し、マイコン87は、スイッチング素子88の制御端子へのパルス駆動信号の送出を停止する。これを受けて電磁ポンプ24はその動作を停止し、タンク組立体17の貯留空間20から気化室11への水の送出が遮断される。なお本実施形態のスチーマー本体1では、スチームボタン36を一回押動操作するとスチームを噴出し、再度スチームボタン36を一回押動操作するとスチーム噴出を停止する構成を採用しているが、スチームボタン36を長押し操作している間だけスチームを噴出する構成にしてもよい。
【0057】
そしてユーザーがドライ機能を利用する場合は、スチームボタン36を操作せずにスチーマー本体1を使用する。このときマイコン87は、スイッチング素子88の制御端子へのパルス駆動信号の送出を停止しているので、電磁ポンプ24はその動作を停止しており、タンク組立体17の貯留空間20から気化室11への水の送出が遮断されている。したがって、この場合は全てのスチーム孔12からスチームが噴出しないドライスチーマーとして、スチーマー本体1を使用できる。
【0058】
一方、スチーマー本体1をコードレスで使用する場合、消費電力の大きいヒータ6以外は、電気2重層コンデンサ45を電源として、スチーマー本体1の各部をコード付きの場合と同様に動作させることができる。
【0059】
具体的には、ユーザーが握り部31を手で握ってスチーマー本体1を前方向に持ち上げると、上述のようにコードレス切換スイッチ65が一側前方の「コードレス」側になっているため、嵌合爪73に干渉することなく、スチーマー本体1の受電部5から給電プラグ62が切り離されて、スチーマー本体1への商用電力の供給が停止する。これにより第2基板37Bに搭載された電源回路44の出力端子からの直流電力の供給が停止し、定電流回路82から電気2重層コンデンサ45への充電も停止する。またダイオード84経由の電力の供給も停止するため、ダイオード84のカソードの電位が低下する。そしてこのダイオード84のカソードの電位よりもダイオード85のカソードの電位、すなわち充電された電気2重層コンデンサ45の電位が高くなると、この電気2重層コンデンサ45からダイオード85経由で、第1基板37Aや第2基板37Bに搭載された表示ランプ38や、ブザー42や、制御装置40などに動作電力を供給する。これにより動作した制御装置40のマイコン87は、温度設定/切ボタン35で設定したSW回路90からの操作信号に基づく設定温度と、温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度とにより、前述したLED回路91および報知回路93を制御するための制御信号をそれぞれ送出し、表示ランプ38の中の一つのLEDは、電気2重層コンデンサ45から与えられた動作電力により制御信号に従い点灯または点滅動作し、ブザー42は、電気2重層コンデンサ45から与えられた動作電力により制御信号に従いON/OFFする。そのためスチーマー本体1のコードレスでの使用中にも、電気2重層コンデンサ45からの電力を利用して、スチーマー本体1の動作状態であるベース7の温度を、スチーマー本体1の上面部に設けた表示ランプ38で引き続き表示確認でき、またベース7の温度が低下したときにブザー42で報知できる。
【0060】
マイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号を受けて受電部5に交流電圧が印加されていないと判断すると、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続が有りから無しに切り替わったことを検出したとして、報知回路93に操作信号を送出してブザー42を駆動させ、LED回路91に操作信号を送出して表示ランプ38の表示を変更させてスチーマー本体1がコードレスであることをユーザーに報知する。なお、当該検出したことに連動させて、マイコン87がスイッチング素子88の制御端子にパルス駆動信号を送出して電磁ポンプ24の駆動を制御し、スチームの噴出を開始させる動作に切替える構成としてもよく、この場合、スチーマー本体1の受電部5から給電プラグ62が切り離されると、スチームボタン36の押動操作なしに設定された流量でスチームを噴出するように構成される。
【0061】
ここで、ユーザーがスチーム機能を利用する場合は、上述したコード付きと同様、図11に示されるように、握り部31を手で握ったままスチームボタン36を指で押動操作すると、SW回路90が操作信号をマイコン87に送出し、マイコン87は、SW回路90からの操作信号を受け、また温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度に従い、ベース7が液体の気化温度よりも高い場合にはスイッチング素子88の制御端子にパルス駆動信号を送出する。ここでマイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号を受けて受電部5に交流電圧が印加されていないと判断すると、図10(A)の表に示されるようなコードレス時のスチーム量の設定で設定された流量のスチームがスチーム孔12から噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。コードレス時はヒータ6を駆動できないため、ベース7の蓄熱を短時間で放熱することを避けるために、コード付き時よりもスチーム量を抑制してスチーム噴出の持続時間を確保するように構成される。例えば温度設定が「中」に設定され、スチーム切換スイッチ39で「スチーム」を設定した場合、マイコン87は6g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御し、温度設定が「高」に設定され、スチーム切換スイッチ39で「シャワー」を設定した場合、マイコン87は14g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。また例えば、温度設定が「高」に設定され、温度設定/切ボタン35を5秒間など所定時間長押し操作することにより「ショット」を設定した場合、マイコン87は40g/分のスチームが噴出されるように電磁ポンプ24の駆動を制御する。また上述のように、コードレスの状態で電気2重層コンデンサ45からダイオード85経由で電磁ポンプ24にも動作電力を供給するため、コード付き時と同様に、マイコン87のパルス駆動信号により電磁ポンプ24が動作することができ、タンク組立体17の貯留空間20からの水を、吐出管26、液体の通路46および低温時液体流入防止機構48を通して気化室11に送り出し、加熱された気化室11に水が確実に達してそこで気化され、スチーム本体1の底面からスチーム孔12を通して、設定された流量でスチームを噴出することができる。なお、ユーザーがスチーム機能を停止する場合やドライ機能を利用する場合はコード付き時と同様であるので説明を省略する。
【0062】
その後、ベース7の温度がある温度を下回るまで低下すると、ベース基体8のバイメタル収納室53に収納したバイメタル51が復帰状態となり、低温時液体流入防止機構48の内部で液体の通路46を閉塞する方向に弁部材52が移動する。そのため、タンク組立体17からの水が気化室11に流れ込むのを機械的に防止でき、スチーム孔12からの液漏れを防止できる。また本実施形態のスチーマー本体1は、マイコン87が温度検知手段41からの検知信号に基づくベース7の温度に従って電磁ポンプ24の駆動を制御するというソフト的な構成と併せて行なっており、より確実にスチーム孔12からの液漏れを防止することができる。
【0063】
またユーザーがスチーマー本体1を置台3に載置した場合、置台3の前方から後方へとスチーマー本体1を載置し、給電プラグ62が受電部5に差し込まれると、嵌合爪73が受電部5に形成した受け部に嵌合して、スチーマー本体1の受電端子67が給電プラグ62の給電孔76を挿通して給電端子66に接触する。これによりスチーマー本体1へ商用電力が供給され、第2基板37Bに搭載された電源回路44の出力端子から直流電力が供給される。マイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号を受けて受電部5に交流電圧が印加されたと判断すると、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続が無しから有りに切り替わったことを検出したとして、報知回路93に操作信号を送出してブザー42を駆動させ、LED回路91に操作信号を送出して表示ランプ38の表示を変更させてスチーマー本体1がコード付きであることをユーザーに報知する。
【0064】
ここで図11に示されるように、ユーザーがスチーム機能を停止せずにスチーマー本体1を置台3に載置した場合、マイコン87は、スイッチング素子88の制御端子へパルス駆動信号を送出しており、SW回路90からの操作信号を受けていない状態で、ゼロクロス回路92からの検知信号を受けて受電部5に交流電圧が印加されたと判断すると、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続が無しから有りに切り替わったことを検出したとして、それに連動させてスイッチング素子88の制御端子へのパルス駆動信号の送出を停止する。これを受けて電磁ポンプ24はその動作を停止し、タンク組立体17の貯留空間20から気化室11への水の送出が遮断されて、スチーマー本体1のスチームの噴出が停止する。したがってコードレス状態でスチーマー本体1のスチーム噴出の停止をし忘れた場合においても、スチーマー本体1を置台3に載置した際に自動的にスチーマー本体1のスチーム噴出が停止し、安全に配慮した構成となっている。
【0065】
以上のように本実施形態のスチーマーは、本体としてのスチーマー本体1と、液体を内部に貯留するタンクとしてのタンク組立体17と、タンク組立体17の下方に設けられ、加熱手段としてのヒータ6を有するベース7と、タンク組立体17からの液体を気化させるためにヒータ6で加熱された気化室11と、気化室11で気化したスチームを外部に噴出させる噴出部としてのスチーム孔12と、商用電力を供給するための電源コード61を有しスチーマー本体1に接続されるプラグ機構としてのプラグユニット2と、を備え、プラグユニット2がスチーマー本体1に着脱可能であり、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無により、スチーム孔12から噴出させるスチーム量を可変させる構成を有している。
【0066】
この場合、プラグユニット2がスチーマー本体1へ接続されたコード付きの状態のときは大容量のスチームをスチーム孔12から噴出できるように構成され、コードレスの状態のときはコード付き時よりもスチーム量を抑制してスチーム噴出の持続時間を確保するように構成されるため、使用用途に合わせてコード付き/コードレスでのスチーム量の可変を自動的に設定することができる。
【0067】
また本実施形態のスチーマーでは、電源コード61を通して給電される商用電力の電力波形を検知する接続検知手段としてのゼロクロス回路92をさらに備え、マイコン87は、ゼロクロス回路92からの検知信号に基づき、前記電力波形の有無によりプラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無を検出するように構成される。
【0068】
この場合、プラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無を自動的に検出可能であるためユーザーによる手動の設定が不要になり、よりユーザーフレンドリーなスチーマーを提供できる。またリレー回路89のリレーの接点を保護するための回路であるゼロクロス回路92を使用して電力波形を検知しているため、新たに部品を追加することがなく、部品点数や費用を削減することができる。
【0069】
また本実施形態のスチーマーでは、マイコン87がプラグユニット2のスチーマー本体1への接続が無しから有りに切り替わったことを検出したとき、それに連動させて、スイッチング素子88の制御端子へのパルス駆動信号の送出を停止してスチームの噴出を停止させる動作に切替える構成としている。
【0070】
この場合、コードレス状態でスチーマー本体1のスチーム噴出の停止をし忘れた場合においても、スチーマー本体1を置台3に載置し、プラグユニット2をスチーマー本体1へ接続した際に自動的にスチーマー本体1のスチーム噴出が停止するため、安全に配慮した構成のスチーマーを提供できる。
【0071】
また、本実施形態のスチーマーのマイコン87がプラグユニット2のスチーマー本体1への接続が有りから無しに切り替わったことを検出したとき、それに連動させて、スイッチング素子88の制御端子にパルス駆動信号を送出して電磁ポンプ24の駆動を制御し、スチーム噴出を開始させる動作に切替える構成としてもよい。
【0072】
この場合、スチーマー本体1の受電部5から給電プラグ62が切り離されると、スチームボタン36の押動操作なしに設定された流量でスチームを噴出するように構成され、ユーザーがスチーマー本体1を持ち上げるだけでスチームを噴出するためにユーザーの手間が省略され、利便性が向上する。
【0073】
また本実施形態のスチーマーでは、タンク組立体17の液体を気化室11に供給する液体供給部としての電磁ポンプ24と、電磁ポンプ24を制御する制御部としてのマイコン87と、をさらに備え、マイコン87が電磁ポンプ24から気化室11への液体の供給の量を可変させることによりスチーム量を可変させる構成としており、マイコン87が電磁ポンプ24を駆動させることでスチーム孔12から所望のスチーム量をより確実且つスムーズに噴出させることが可能となる。
【0074】
また本実施形態のスチーマーでは、温度設定/切ボタン35による設定温度や、温度検知手段41が検知したベース7の温度が設定温度に達したか否かや、スチーム孔12から噴出するスチームの量の設定や、スチーマー本体1がコード付きの状態かコードレスの状態かというスチーマー本体1の動作状態を表示する表示手段としての表示ランプ38を備えており、ユーザーがスチーマー本体1の動作状態を一目で確認できる。
【実施例0075】
図12は、本発明の第2の実施形態におけるスチーマーの電気的な接続の構成を示す回路ブロック図であり、本実施形態ではスイッチ機構96が追加されている。その他の構成は第1の実施形態と共通であるので、説明を省略する。
【0076】
スイッチ機構96は、プラグユニット2とスチーマー本体1との接続を機械的に検出してマイコン87に送信するもので、例えばマイクロスイッチなどが用いられ、プラグユニット2とスチーマー本体1との接続検知手段として作用している。スイッチ機構96はプラグユニット2の給電プラグ62が受電部5に差し込まれたときに給電プラグ62を検出するように構成されており、例えばスチーマー本体1の受電部5に設けられて、スイッチ機構96が給電プラグ62に接触したときにマイコン87に検知信号を送出するように構成される。この場合、スイッチ機構96がプラグユニット2とスチーマー本体1との接続を機械的に検知するため、より確実にこの接続を検知することができる。なおゼロクロス回路92およびスイッチ機構96を第1の接続検知手段および第2の接続検知手段として併せて採用する構成としてもよく、給電プラグ62が受電部5に差し込まれたことをゼロクロス回路92が電気的に検知し、またスイッチ機構96が機械的に検知するため、さらに確実にプラグユニット2とスチーマー本体1との接続を検知することができる。
【0077】
また例えば、スイッチ機構96が給電プラグ62に設けられて、この給電プラグ62が受電部5に差し込まれたときに、スイッチ機構96がマイコン87に検出信号を送出するように構成してもよい。このとき、スイッチ機構96とマイコン87が電気的に接続されていてもよく、給電プラグ62が受電部5に差し込まれたときにスイッチ機構96とマイコン87が電気的に接続される構成としてもよい。
【0078】
以上のように本実施形態のスチーマーは、スチーマー本体1およびプラグユニット2のいずれか一方がスイッチ機構96を備え、スイッチ機構96がプラグユニット2のスチーマー本体1への接続の有無を検出する構成としており、スイッチ機構96がプラグユニット2とスチーマー本体1との接続を機械的に検知するため、より確実にこの接続を検知することができる。
【0079】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。本発明の名称である「スチーマー」は、スチームを噴出して衣類などのしわ伸ばしを行なうあらゆる機器に適用され、例えば本実施形態に示すような離れた位置から衣類へのスチーム噴出を行なうのに適したスチーマーは勿論、ベースの掛け面を衣類に押し当てるアイロン掛けを行ないながらスチーム噴出を行なうのに適したスチームアイロンも含まれる。また表示部はLEDに限らず、その他の各種表示素子や表示器を利用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 スチーマー本体(本体)
2 プラグユニット
6 ヒータ(加熱手段)
7 ベース
11 気化室
12 スチーム孔(噴出部)
17 タンク組立体(タンク)
24 電磁ポンプ(液体供給部)
38 表示ランプ(表示手段)
61 電源コード
87 マイコン(制御部)
92 ゼロクロス回路(接続検知手段)
96 スイッチ機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12