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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087467
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/38 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
B65D81/38 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199407
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】591007295
【氏名又は名称】株式会社アプリス
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田邉 敦士
(72)【発明者】
【氏名】三堂地 広晶
(72)【発明者】
【氏名】甘利 明敏
(72)【発明者】
【氏名】井上 昌大
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA02B
3E067BA07B
3E067BA11C
3E067BA32B
3E067BA32C
3E067BB01C
3E067BB14B
3E067BB24
3E067BC03B
3E067BC03C
3E067CA18
3E067EC12
3E067ED03
3E067EE26
3E067FA04
3E067GA11
(57)【要約】
【課題】容器本体とスリーブとが外れ難い容器を提供する。
【解決手段】容器本体1とスリーブ2とを備えるようにした。容器本体1は、錐台状の胴部13を有するプラスチック製である。一方、スリーブ2は、両端開口の錐台筒状であり、容器本体1の胴部13に外嵌される紙製である。容器本体1は、胴部13の下方に周方向に沿って間欠的に並び、胴部13から外方に膨出した下部大突起部141を有する。スリーブ2は、下端232が下部大突起部141を乗り越えて上方から当該下部突起部141に着座することで、胴部13に外嵌する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆錐台状の胴部を有するプラスチック製の容器本体と、
両端開口の逆錐台筒状であり、前記容器本体の前記胴部に外嵌される紙製のスリーブと、
を備え、
前記容器本体は、前記胴部の下方に周方向に沿って間欠的に並び、前記胴部から外方に膨出した下部突起部を有し、
前記スリーブは、下端が前記下部突起部を乗り越えて上方から当該下部突起部に着座することで、前記胴部に外嵌すること、
を特徴とする容器。
【請求項2】
前記スリーブは、逆角錐台筒形状を有し、
前記下部突起部は、下部大突起部であり、
前記容器本体は、前記下部大突起部間に、前記胴部の周方向に沿って延在し、前記胴部から外方に膨出する各下部小突起部を有し、
前記下部大突起部と前記下部小突起部は、前記胴部の周方向に沿って一列に交互に並び、
前記下部大突起部は、前記下部小突起部よりも突出長が相対的に大きく、
前記下部小突起部は、前記下部大突起部よりも突出長が相対的に小さいこと、
を特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記胴部の上方に前記胴部から外方に膨出した上部突起部を有し、
前記スリーブは、当該スリーブの内周面が前記上部突起部と当接することで、前記胴部に外嵌すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の容器。
【請求項4】
前記スリーブは、逆角錐台筒形状を有し、
前記上部突起部は、前記胴部の周方向に沿って間欠的に並ぶこと、
を特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記上部突起部は、前記下部突起部よりも周方向に長く延在すること、
を特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記上部突起部は、上部大突起部であり、
前記容器本体は、前記上部大突起部間に、前記胴部の周方向に沿って延在し、前記胴部から外方に膨出する各上部小突起部を有し、
前記上部大突起部と前記上部小突起部は、前記胴部の周方向に沿って一列に交互に並び、
前記上部大突起部は、前記上部小突起部よりも突出長が相対的に大きく、
前記上部小突起部は、前記上部大突起部よりも突出長が相対的に小さいこと、
を特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の容器。
【請求項7】
前記スリーブは、マイクロフルートであること、
を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製のスリーブがプラスチック製の容器本体に嵌め込まれて成る容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットコーヒー等の熱い液体が容器に注がれて提供されることがある。即席麺やスープ等の即席食品を収容した容器に熱湯を注ぐことで食べられるようにすることがある。また、電子レンジによって容器と共に内容物を加熱する場合もある。これらの場合では、内容物又は容器から熱が手に伝わるため、容器を把持することは容易でない。
【0003】
そこで、容器本体に紙製のスリーブが装着されることがある。紙製のスリーブは高い断熱効果を有する。この断熱効果が高いスリーブを介して容器本体を把持することで、熱が直に手に伝わらない。スリーブの断熱効果を高めるためには、容器本体とスリーブとの間に空気層を作出することが重要である。そこで、スリーブは、段ボール、エンボス紙、その他の形状によって容器本体との間に空気層を作出している。
【0004】
また、容器本体がプラスチックで形成される場合がある。プラスチックは、化学的に安定な物質であり、自然分解し難い。近年、プラスチックの使用が環境問題となっており、容器本体に使用されるプラスチックの減量が要望されている。プラスチックの減量は容器本体を薄肉化させ、容器本体の強度を減少させる虞がある。そこで、紙製のスリーブを容器本体に嵌め込むことで、容器本体の強度を補うことが考えられる。この場合、容器本体に収容される飲食物は、熱せられたものに限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-168345号公報
【特許文献2】特許第5320347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
容器本体にスリーブを装着した容器においては、容器がプラスチック成型品の一部材により成り立っていた従来と遜色無く、容器本体とスリーブとが一体的であることが望ましい。即ち、輸送時の衝撃等によっても容器本体からスリーブが脱落しない処置が求められる。
【0007】
そこで、容器本体の胴部周りに嵌合凹部を延在させ、またスリーブにカールを付け、嵌合凹部とカールとを嵌合させる案が提示されている。しかしながら、紙の均質性及び紙の復元性に起因して、紙に微細な加工処理を施すには高度な設備が必要である。そのため、カールの成形精度にムラが発生し、カールが嵌合凹部に嵌らず、寧ろ容器本体からスリーブが外れ易くなる個体が出現する。嵌合凹部が深く、また嵌合凹部が幅広であれば、スリーブの成形精度の多少のムラを吸収可能であるが、嵌合凹部はアンダーカット部となるため、シート成型が多用される容器本体の嵌合凹部を大きくすることは容易ではない。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、容器本体とスリーブとが外れ難い容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る容器は、逆錐台状の胴部を有するプラスチック製の容器本体と、両端開口の逆錐台筒状であり、前記容器本体の前記胴部に外嵌される紙製のスリーブと、を備え、前記容器本体は、前記胴部の下方に周方向に沿って間欠的に並び、前記胴部から外方に膨出した下部突起部を有し、前記スリーブは、下端が前記下部突起部を乗り越えて上方から当該下部突起部に着座することで、前記胴部に外嵌すること、を特徴とする。
【0010】
前記スリーブは、逆角錐台筒形状を有し、前記下部突起部は、下部大突起部であり、前記容器本体は、前記下部大突起部間に、前記胴部の周方向に沿って延在し、前記胴部から外方に膨出する各下部小突起部を有し、前記下部大突起部と前記下部小突起部は、前記胴部の周方向に沿って一列に交互に並び、前記下部大突起部は、前記下部小突起部よりも突出長が相対的に大きく、前記下部小突起部は、前記下部大突起部よりも突出長が相対的に小さくしてもよい。
【0011】
前記下部大突起部と前記下部小突起部とにより前記胴部の一周に亘って無端状に凹凸が交互に繰り返される円環形状を有し、前記下部小突起部は、0.2mm以上1.0mm以下の突出長であり、前記下部大突起部と前記下部小突起部の突出長との差は、0.2mm以上であるようにしてもよい。
【0012】
前記下部大突起部は、前記スリーブの角数と同数形成され、周方向に沿った長さが、前記スリーブの下端の各辺長の50%以上80%以下であるようにしてもよい。
【0013】
逆角錐台筒形状を有する前記スリーブは、正8角形以上正36角形以下であるようにしてもよい。更には、逆角錐台筒形状を有する前記スリーブは、正12角形以上正24角形以下であるようにしてもよい。
【0014】
前記容器本体は、前記胴部の上方に前記胴部から外方に膨出した上部突起部を有し、前記スリーブは、当該スリーブの内周面が前記上部突起部と当接することで、前記胴部に外嵌するようにしてもよい。
【0015】
前記スリーブは、逆角錐台筒形状を有し、前記上部突起部は、前記胴部の周方向に沿って間欠的に並ぶようにしてもよい。
【0016】
前記上部突起部は、前記下部突起部よりも周方向に長く延在するようにしてもよい。
【0017】
前記上部突起部は、上部大突起部であり、前記容器本体は、前記上部大突起部間に、前記胴部の周方向に沿って延在し、前記胴部から外方に膨出する各上部小突起部を有し、前記上部大突起部と前記上部小突起部は、前記胴部の周方向に沿って一列に交互に並び、前記上部大突起部は、前記上部小突起よりも突出長が相対的に大きく、前記上部小突起部は、前記上部大突起よりも突出長が相対的に小さいようにしてもよい。
【0018】
前記スリーブは、マイクロフルートであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、スリーブの下端縁が下部突起部を乗り越え易くなり、スリーブの下端縁が容器本体の下部突起部に着座する可能性が高まり、スリーブが容器本体から脱落し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】容器本体の側面図である。
図2】容器本体の下方を底面に沿って切ったA-A断面図である。
図3】容器本体の上方を底面に沿って切ったB-B断面図である。
図4】スリーブの斜視図である。
図5】スリーブと容器本体の寸法関係を示し、上下方向に沿って切った断面図である。
図6】スリーブの展開図である。
図7】折り畳まれたスリーブを示す平面図である。
図8】スリーブを容器本体に外嵌させた容器を示す斜視図である。
図9】ズレて折り畳まれたスリーブを示す模式図である。
図10】スリーブと当該スリーブを嵌め込むときの容器本体の下方の状態を示すC-C断面図であり、(a)はスリーブの下端よりも上方が下部大突起部に位置する状態を示し、(b)はスリーブの下端が下部大突起部に位置する状態を示し、(c)はスリーブの下端が下部大突起部を乗り越えた後を示す。
図11】スリーブと当該スリーブを外嵌したときの容器本体の上方の状態を示し、上下方向に沿って切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の各実施形態に係る容器について図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面においては、理解容易のため、厚み、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。以下、容器本体の底側を下方又は下側といい、開口側を上方又は上側という。
【0022】
(容器本体)
図1に示す容器本体1は、材料にプラスチックを使用してシート成形により製造される。この容器本体1は、上端の開口17に向けて漸次拡径する逆錐台の有底筒形状を有する。筒形状としては、真円、楕円、角丸長方形、卵形、その他のオーバル状を含む各種円形状、及び多角形状が含まれる。この容器本体1は、底を塞ぐ底部11、開口17を有する胴部13、及び開口17の周りに形成された口縁12を備える。底部11は、浅い皿形状を有する。胴部13は、底部11の皿縁に沿って無端状に延在し、底部11の皿縁から立ち上がる。胴部13は、全体的には開口17に向けて漸次拡径する。口縁12は、胴部13の上端周縁に沿って無端状に延在し、容器本体1の半径方向外方に放射状に拡がって、円環形状を成す。
【0023】
この容器本体1は、底部11と胴部13で画成された内部空間に飲食物を収容する。開口17から飲食物が投入された後、フィルム(不図示)が口縁12に熱接着等で貼着され、容器本体1内部へのホコリや紙粉等の異物の混入、また飲食物の飛び出しが阻止されている。飲食時には、口縁12からフィルムが剥離され、飲食者によって開口17から飲食物が取り出される。
【0024】
胴部13は、逆円錐台筒形状又は逆角錐台筒形状を有する。図1及び図2に示すように、この胴部13の下端131、換言すれば底部11との境界には、下部大突起部141と下部小突起部142が形成されている。下部大突起部141及び下部小突起部142は、胴部13の外周面から半径方向外方へ向けて膨出する突起であり、胴部13の周方向に沿って延びている。下部大突起部141は、下部小突起部142よりも突出長が相対的に大きく、下部小突起部142は、下部大突起部141よりも突出長が相対的に小さい。突出長は、胴部13の表面から胴部13の半径方向外方へ向かう長さである。
【0025】
下部大突起部141は、好ましくは、下部小突起部142よりも0.2mm以上長く突出している。また、下部小突起部142は、好ましくは、0.2mm以上1.0mm以下の突出長を有する。例えば、下部大突起部141は1.0mmの突出長を有し、下部小突起部142は0.5mmの突出長を有する。
【0026】
下部大突起部141及び下部小突起部142は、各々が複数形成されている。下部大突起部141は、胴部13の周方向に沿って間欠的に一列に並んでいる。下部大突起部141の数は、後述のスリーブ2が逆角錐台形状の場合、当該スリーブ2の角数と同一である。下部小突起部142は、下部大突起部141間に配設されている。即ち、下部大突起部141と下部小突起部142は交互に並んでいる。好ましくは、隣り合う下部大突起部141は下部小突起部142で繋がっている。下部大突起部141と下部小突起部142の両方によって、胴部13の一周に亘って無端状に繋がった円環形状が設けられていることになり、その円環形状は、凹凸が交互に繰り返す。
【0027】
また、図1及び図3に示すように、胴部13の上端領域であるが上端132よりも下方には、上部大突起部151と上部小突起部152が形成されている。上端132は、下端131とは反対側の端部である。上部大突起部151及び上部小突起部152は、胴部13の外側周面から半径方向外方へ向けて膨出する突起であり、胴部13の周方向に沿って延びている。上部大突起部151は、上部小突起部152よりも突出長が相対的に大きく、上部小突起部152は、上部大突起部151よりも突出長が相対的に小さい。例えば、上部大突起部151は1.0mmの突出長を有し、上部小突起部152は0.5mmの突出長を有する。また、上部大突起部151は、下部大突起部141よりも周方向に長く延設されている。
【0028】
上部大突起部151及び上部小突起部152は、各々が複数形成されている。上部大突起部151は、胴部13の周方向に沿って間欠的に一列に並んでいる。上部小突起部152は、上部大突起部151間に配設されている。即ち、上部大突起部151と上部小突起部152は交互に並んでいる。好ましくは、隣り合う上部大突起部151は上部小突起部152で繋がっている。上部大突起部151と上部小突起部152の両方によって、胴部13の一周に亘って環状の突起環が設けられていることになり、その突起環は、突出長が周方向に沿って周期的に凹凸を生むように変わっている。
【0029】
(スリーブ)
図4は、スリーブ2の斜視図である。スリーブ2は、材料に紙を使用して折り曲げ加工により製造される。このスリーブ2は、波形シートの両面にライナーシートを貼り合わせた両面段ボール、又は波形シートの片面にライナーシートを貼り合わせた片面段ボールである。特に好ましくは、スリーブ2は、下部大突起部141の突出長に対する厚みの比が小さく薄厚でありながら、高い強度を有するマイクロフルートである。このスリーブ2は、両端面が開口した逆円錐台筒形状又は逆角錐台筒形状の輪を成している。
【0030】
逆角錐台筒形状の輪を成すスリーブ2は、下端232から上端231に向けて直線的に拡径する。また、このスリーブ2は、全周に亘って同一傾斜角度で拡径している。尚、下端232は、スリーブ2を窄んだ側を下にして置いたときに載置面に接する箇所であり、上端231は下端232とは反対側の端部である。下端232及び上端231は、1周に亘ってスリーブ2の軸と直交する同一平面上に延在する。即ち、下端232及び上端231は、一周に亘って平坦であり、凹み箇所や膨らみ箇所がない。
【0031】
このスリーブ2は、複数本のスリーブ側縦稜線22と複数面の台形側面21により形作られている。スリーブ側縦稜線22は、下端232と上端231を繋いで縦断する。このスリーブ側縦稜線22は、スリーブ2の周に沿って等間隔に配設されている。スリーブ側縦稜線22の仮想延長線は、角錐台の真下中心で交差する。各台形側面21は、周方向に沿った幅が下端232から上端231に向けて拡大している。各台形側面21は、スリーブ側縦稜線22を共通辺として連接し、スリーブ2の周に沿って1周に亘って連続する。
【0032】
スリーブ側縦稜線22はスリーブ2の斜辺である。台形側面21は、スリーブ2の錐体面である。例えば、スリーブ2は正十二角逆錐台形状を有する。12線分のスリーブ側縦稜線22が中心角30°の間隔で配置され、等脚台形状を有する12面の台形側面21が内角150°の角度で突き合わされて環状に連なる。好ましくは、スリーブ2が逆角錐台筒形状を有する場合、スリーブ2の角数と下部大突起部141の数は同数である。また、スリーブ2は、正8角形以上正36角形以下の角数であることが好ましく、更に好ましくは正12角形以上正24角形以下の角数である。
【0033】
スリーブ2及び容器本体1の胴部13の設計上の各部寸法は次の通りである。まず、スリーブ2が逆角錐台筒形状の場合、容器本体1の下部大突起部141の周方向長さは、好ましくは、スリーブ2の下端232の各辺長の50%以上80%以下である。また、図5に示すように、スリーブ2の下端232と、容器本体1の下部大突起部141及び下部小突起部142の座面143との高さを揃えたとき、スリーブ2は、上部大突起部151及び上部小突起部152を超える全高を有する。スリーブ2の上端231は、容器本体1の上端132に一致しても未達でもよい。
【0034】
スリーブ2の傾斜角度と容器本体1の傾斜角度は同一、又はスリーブ2の拡径度合いが若干大きい。スリーブ2の傾斜角度が容器本体1の胴部13よりも大きい場合、スリーブ2の下端232は、下部大突起部141及び下部小突起部142の座面143へ向けて大きな角度で近づき、座面143の奥側、即ち台形側面21側に着座でき、スリーブ2の抜け防止効果が高まる。
【0035】
図6は、スリーブ2の展開図である。スリーブ2のブランク28は環状扇形(annular sector)シートである。ブランク28は、スリーブ2の台形側面21を並べて成る。ブランク28の一方の端縁には、貼合片284が連接して備えられている。スリーブ2は、ブランク28を折り曲げ、貼合片284を他方の端縁領域に重ね合わせて接着することで、折りたたまれた平坦シートとして作製され、輸送及び保管される。そして、容器本体1への外嵌時に開かれて多角環形状に整形される。
【0036】
ブランク28には、ミシン目261及び折り筋263が形成されている。折り筋263は、胴部13との対面から筋押しされて成る凹みである。ミシン目261及び折り筋263は、スリーブ側縦稜線22に沿って形成される。ミシン目261及び折り筋263は、容器本体1にスリーブ2を外嵌したとき、胴部13と対面する面に形成される。更に、ブランク28には、胴部13と対向する面に、折り筋263に沿ってハーフカットを形成してもよい。
【0037】
ミシン目261は、スリーブ2の対角に位置する2本のスリーブ側縦稜線22にのみ形成されている。ブランク28においては、ミシン目261が入ったスリーブ側縦稜線22に挟まれる内側領域281のスリーブ側縦稜線22の数と、ミシン目261が入ったスリーブ側縦稜線22よりも端側の左外側領域282及び右外側領域283のスリーブ側縦稜線22の合計数とが同数となるように、ミシン目261を形成するスリーブ側縦稜線22は選択される。
【0038】
(組み付け)
図7に示すように、容器本体1に外嵌される前、スリーブ2は、ミシン目261を有するスリーブ側縦稜線22のみを折り曲げることで、折り畳まれた状態で輸送及び保管されている。左外側領域282と右外側領域283が内側領域281の同一面に重ねられている。貼合片284が下層に配置され、左外側領域282と右外側領域283のうち、貼合片284が連接していない方が貼合片284の上に重ねられ、貼合片284を含む領域が接着されている。
【0039】
このように折り畳まれて輸送及び保管されていたスリーブ2を、容器本体1に外嵌させる前に多角環状に変形させる。ミシン目261が入ったスリーブ側縦稜線22に指を添え、ミシン目261が入ったスリーブ側縦稜線22を環内側へ押し込ように、折り畳まれて平坦になっているスリーブ2を押し潰す。そうすると、折り畳まれたスリーブ2が開く。スリーブ2を環状に開いた後は、図8に示すように、当該スリーブ2を容器本体1の底部11側から挿し込む。
【0040】
図8に示すように、スリーブ2の上端231は上部大突起部151と上部小突起部152の群を乗り越えて、容器本体1の上端132と一致又は上端132の近辺にまで達する。また、スリーブ2の下端232は下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越えて、下部大突起部141と下部小突起部142の群に対して上方から引っ掛かる。
【0041】
ここで、図9に示すように、スリーブ2の製造工程における製造誤差によって、左外側領域282と右外側領域283とが設計よりもズレ量Dだけ近づいて接着される虞がある。そうすると、スリーブ2の下端232の開口径が設計よりも短くなる。その状態で、スリーブ2を容器本体1に嵌め込もうとすると、下端232の開口径が短いために、下部大突起部141と下部小突起部142の群をスリーブ2の下端232が乗り越えることができず、下部大突起部141と下部小突起部142にスリーブ2が被った状態になる可能性が考えられる。そうすると、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142に引っ掛かることができず、スリーブ2が容器本体1から外れ易くなってしまう。
【0042】
しかしながら、下部大突起部141は間欠的に形成されている。そのため、図10に示すように、下部大突起部141間は、下部大突起部141が形成されている箇所よりも可撓性が高く、スリーブ2を嵌め込む際に下端232が容器本体1に与える胴部13を絞り込もうとする力に対して、弾性変形して、間隔L1から間隔L2に縮む。従って、下部大突起部141と下部小突起部142が並ぶ胴回り位置は、スリーブ2の下端232が通過する際に一時的に縮径し、スリーブ2の下端232は、開口径が設計よりも短くなっていても、下部大突起部141と下部小突起部142の群を通り抜け易くなる。
【0043】
そして、下部大突起部141と下部小突起部142の群を通り抜けた後、下部大突起部141間は、間隔L2から間隔L1へ戻り、下端232が囲む開口よりも下部大突起部141が形成されている周の径が大きくなり、スリーブ2の下端232は下部大突起部141に引っ掛かる。このように、スリーブ2の下端232の開口径が設計よりも短くなったとしても、下部大突起部141が間欠的に形成されているために、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越え、スリーブ2の下端232が下部大突起部141に引っ掛かることができる。
【0044】
しかも、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越える際、下部大突起部141がスリーブ2の台形側面21を内側から外側へ張り拡げる。スリーブ2の角数と下部大突起部141の数が同数であると、下部大突起部141は、スリーブ2の全台形側面21を内側から均等に張り拡げる。また、スリーブ2の角数と下部大突起部141の数が同数であると、下部大突起部141がスリーブ2のスリーブ側縦稜線22を内側から張り拡げる虞がなくなる。
【0045】
台形側面21を張り拡げる下部大突起部141の周方向長さは、スリーブ2の下端232の各辺の長さの50%以上80%以下に設定されている。50%未満であると、スリーブ2の台形側面21の中心付近のみを張り拡げることになり、台形側面21が膨らんでしまう。一方、80%超であると、スリーブ2のスリーブ側縦稜線22にも下部大突起部141の張り拡げる力が波及し、スリーブ側縦稜線22の曲率が小さくなってしまい、隣の台形側面21が膨らんでしまう。
【0046】
しかし、下部大突起部141の周方向長さは、スリーブ2の下端232の各辺の長さの50%以上80%以下であるので、下部大突起部141は台形側面21を平坦に保ちつつ均等に張り拡げる。即ち、スリーブ2の下端232が膨らんで下部大突起部141に乗らなくなったり、下部大突起部141との引っ掛かりが浅くなってしまう事態を回避されている。
【0047】
更に、下部大突起部141と下部小突起部142とにより胴部13の一周に亘って無端状に凹凸が交互に繰り返される円環形状が形成されている。そして、下部小突起部142は、0.2mm以上1.0mm以下の突出長であり、下部大突起部141よりも0.2mm以上の突出長の差が付けられている。
【0048】
下部小突起部142の突出長が1.0mm超であり、下部小突起部142と下部大突起部141と突出長の差が0.2mm未満であると、下部大突起部141間の可撓性が低くなり、スリーブ2を嵌め込む際に下端232が容器本体1に与える胴部13を絞り込もうとする力に対して、弾性変形し難く、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越え難くなる。
【0049】
また、下部小突起部142の突出長が0.2mm未満であると、下部大突起部141間の可撓性が高くなり過ぎ、スリーブ2を嵌め込む際に下端232が容器本体1に与える胴部13を絞り込もうとする力に対して、簡単に弾性変形してしまい、下部大突起部141が台形側面21を張り拡げる力が弱くなってしまう。
【0050】
一方、下部大突起部141と下部小突起部142とにより胴部13の一周に亘って無端状に凹凸が交互に繰り返される円環形状が形成され、下部小突起部142は、0.2mm以上1.0mm以下の突出長であり、下部大突起部141よりも0.2mm以上の突出長の差が付けられていると、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越えるために弾性変形して縮径し易いが、下部大突起部141が台形側面21を張り拡げる力が得られる程度に弾性変形せずに下部大突起部141がスリーブ2に対して突っ張り易い。
【0051】
そして、スリーブ2の逆角錐台筒形状が正8角形以上正36角形以下である。正8角形未満のスリーブ2を下部大突起部141で張り拡げようとすると、下部大突起部141の両端部付近の長く突出し過ぎ、シート成型の際の離型性が悪化してしまう。また、正36角形超になると、台形側面21の数が増える分、全ての台形側面21を均等に張り拡げるための下部大突起部141とスリーブ2の寸法精度が要求され、全台形側面21を均等に張り拡げ難くなる。
【0052】
更に、正36角形超になると、下部大突起部141の数も36個超となり、スリーブ2を張り拡げる力が強くなり過ぎてしまう。そうすると、胴部13と対向する面にハーフカットを入れていたとしても、スリーブ2の外表面、即ち胴部13と対向する面とは反対側にあり、商品性向上のための印刷がされ、消費者が目にする面が裂け易くなってしまう。
【0053】
スリーブ2の逆角錐台筒形状が正8角形以上正36角形以下であると、スリーブ2を下部大突起部141によって正多角形に整形し易く、またスリーブ2の外表面に裂けが生じにくい。このように、スリーブ2が逆錐台筒形状の場合、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越えた後は、スリーブ2が整形されて正多角形の逆角錐台筒形状に近くなっている。そのため、スリーブ2の下端232の周方向各所が均等に下部大突起部141に引っ掛かっている。
【0054】
尚、スリーブ2の逆角錐台筒形状が正12角形以上正24角形以下であると、スリーブ2が整形されて均等に下部大突起部141に引っ掛かって外れ難くなるのに加えて、容器本体1が大容量であっても小容量であっても、スリーブ2が容器本体1から脱落し難くなる。
【0055】
例えば、スリーブ2が下端232の径が大容量である110mmであり、逆角錐台筒形状が正12角形とする。このとき、台形側面21の下端232に沿った辺の長さは29.7mmとなり、スリーブ2の下端232の辺長に対して50%以上80%以下の周長の下部大突起部141は、14.8mm以上23.8mm以下の長さを有する。従って、下部大突起部141が引っ掛かっていない領域は、5.9mm以上14.9mm以下で済む。
【0056】
一方、スリーブ2が下端232の径が110mmであり、逆角錐台筒形状が正8角形とする。このとき、台形側面21の下端232に沿った辺の長さは46.0mmとなり、スリーブ2の下端232の辺長に対して50%以上80%以下の周長の下部大突起部141は、23.0mm以上36.8mm以下の長さを有する。従って、下部大突起部141が引っ掛かっていない領域は、9.2mm以上23.0mm以下に及ぶ。即ち、正12角形であると、正8角形よりもスリーブ2と下部大突起部141とが引っ掛かっていない領域が少なく、スリーブ2が相対的に外れ難くなる。
【0057】
スリーブ2が下端232の径が小容量である50mmであり、逆角錐台筒形状が正24角形とする。このとき、台形側面21の下端232に沿った辺の長さは6.7mmとなり、スリーブ2の下端232の辺長に対して50%以上80%以下の周長の下部大突起部141は、3.3mm以上5.4mm以下の長さを有する。
【0058】
一方、スリーブ2が下端232の径が50mmであり、逆角錐台筒形状が正36角形とする。このとき、台形側面21の下端232に沿った辺の長さは4.4mmとなり、スリーブ2の下端232の辺長に対して50%以上80%以下の周長の下部大突起部141は、2.2mm以上3.5mm以下の長さを有する。即ち、正36角形であると、正24角形よりもスリーブ2と下部大突起部141とが引っ掛かっている領域が少なく、スリーブ2が相対的に外れ難くなる。
【0059】
次に、図11に示すように、断続的に延びた上部大突起部151は、容器本体1の胴部13の一周に亘って無端状に延びた環状突起と比べると、スリーブ2の内周面に食い込み易くなっている。スリーブ2を胴部13に外嵌させた後、スリーブ2を胴部13周りに回転させることで、スリーブ2の台形側面21と上部大突起部151とが向かい合う。台形側面21はスリーブ2の中心からの距離が短いため、向かい合ったところで、上部大突起部151が当該台形側面21に食い込み、スリーブ2が容器本体1の周りで回転することを規制する。
【0060】
容器本体1及びスリーブ2が上方に拡径した形状を有するために、スリーブ2が容器本体1の周りで回転すると、容器本体1からスリーブ2に対して下方への抗力成分が与えられ、スリーブ2が下方に降りてしまう。しかし、スリーブ2に上部大突起部151が食い込むことで、スリーブ2は容器本体1にロックされて回転し難くなり、スリーブ2が下方に降り難くなり、スリーブ2が容器本体1から外れ難くなる。
【0061】
このように、スリーブ2を容器本体1の上方で支えるためには、上方の突起を胴部13の1周に亘って無端状に延ばしてもよいが、スリーブ2の内周面への食い込みを発生させ、スリーブ2を容器本体1に対して回転規制させるためには、上部大突起部151が好ましい。この上部大突起部151は、下部小突起部142よりも周方向に長くなっている。そのため、スリーブ2への食い込みの範囲が長くなっており、上部大突起部151は、スリーブ2の回転をより強固に規制する。
【0062】
尚、スリーブ2の内周面に上部大突起部151を食い込ませる観点では、上部小突起部152が無く、上部大突起部151間は胴部13の外表面と同じ高さであってもよい。一方、上部小突起部152の存在により、上部大突起部151と上部小突起部152の群が連なって作出され、胴部13の周方向1周に亘って無端状に延びる突起環は、リブとなってスリーブ2による締め付けがあっても、上部小突起部152がない場合と比べて、容器本体1の上方を縮径し難くする。そのため、上部小突起部152が存在すると、上部大突起部151の食い込みが外れ難くなり、スリーブ2を支持し易くなり、またスリーブ2の回転を規制し易くなる。
【0063】
(効果)
以上のように、この容器は、容器本体1とスリーブ2とを備えるようにした。容器本体1は、逆錐台状の胴部13を有するプラスチック製である。一方、スリーブ2は、両端開口の錐台筒状であり、容器本体1の胴部13に外嵌される紙製である。容器本体1は、胴部13の下方に周方向に沿って間欠的に並び、胴部13から外方に膨出した下部大突起部141を有する。スリーブ2は、下端232が下部大突起部141を乗り越えて上方から当該下部突起部141に着座することで、胴部13に外嵌するようにした。
【0064】
このように、下部大突起部141は間欠的に存在する。従って、スリーブ2の下端232によって囲まれる開口が設計よりも小径になっていても、スリーブ2は、下部大突起部141が並ぶ周位置を引き締めによって縮径させ易く、縮径させることで下部大突起部141を乗り越えることができる。そのため、スリーブ2が容器本体1に嵌まらず出荷してしまう事態を抑制でき、スリーブ2が容器本体1から脱落することを抑制できる。
【0065】
尚、脱落し難ければ、スリーブ2の下端232の全範囲が下部大突起部141を乗り越えて下部大突起部141に嵌らなくともよい。従って、例えば、足部が付くように、下端232の一部周範囲が下方に延在していてもよい。
【0066】
また、スリーブ2による引き締めによって縮径し易くするためには、突起が周方向に沿って無端状に延在していなければよく、下部大突起部141の間に下部小突起部142を設ける他、下部小突起部142を設けず、下部大突起部141間は、胴部13の外表面と同じ高さであってもよい。
【0067】
但し、スリーブ2を折り畳んだ状態から逆角錐台筒形状に開く際、スリーブ2が歪な形状であると、下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越えたとしても、下端232の一部範囲が下部大突起部141に引っ掛からなかったり、下端232の一部範囲の下部大突起部141への引っ掛かりが浅くなってしまったりする。
【0068】
そこで、容器本体1は、下部大突起部141間に、胴部13の周方向に沿って延在し、胴部13から外方に膨出する各下部小突起部142を有するようにした。下部大突起部141と下部小突起部142は、胴部13の周方向に沿って一列に交互に並び、下部大突起部141は、下部小突起部142よりも突出長が相対的に大きく、下部小突起部142は、下部大突起部141よりも突出長が相対的に小さい。
【0069】
特に、下部大突起部141と下部小突起部142とにより胴部13の一周に亘って無端状に凹凸が交互に繰り返される円環形状を有するようにしたり、下部小突起部142は、0.2mm以上1.0mm以下の突出長であり、下部大突起部141と下部小突起部142の突出長との差は、0.2mm以上であるようにした。
【0070】
これにより、スリーブ2の下端232が下部大突起部141を乗り越える観点では胴部13が低剛性となり、スリーブ2の下端232が下部大突起部141と下部小突起部142の群を乗り越える際、下部大突起部141がスリーブ2の台形側面21を張り拡げる観点では胴部13は高剛性となる。これにより、スリーブ2が正多角形に近づくように整形され、スリーブ2の下端232が全周に亘って均等に下部大突起部141に引っ掛かり易くなる。そのため、スリーブ2が容器本体1から脱落することを更に抑制できる。
【0071】
また、容器本体1は、スリーブ2の角数と同数の下部大突起部141を有するようにしたり、下部大突起部141は、スリーブ2の下端の各辺長の50%以上80%以下の周方向長さを有するようにした。これらにより、下部大突起部141が台形側面21を張り拡げる際、台形側面21を膨らませてしまうことなく、台形側面21の平坦さを保つことができる。そのため、スリーブ2の下端232が下部大突起部141に更に引っ掛かり易くなる。
【0072】
また、逆角錐台筒形状を有するスリーブ2は、正8角形以上正36角形以下であるようにした。これにより、スリーブ2を正多角形に整形し易くなり、スリーブ2の下端232が全周に亘って更に均等に下部大突起部141に引っ掛かり易くなる。また、正12角形以上正24角形以下とすると、スリーブ2を正多角形に整形し易くなる上に、容器本体1の容量が大きくても小さくても、下部大突起部141とスリーブ2との引っ掛かりが更に良くなり、スリーブ2が脱落し難くなる。
【0073】
また、容器本体1は、胴部13の上方に胴部13から外方に膨出した上部大突起部151を有するようにした。スリーブ2は、当該スリーブ2の内周面が上部大突起部151と当接する態様も用いて胴部13に外嵌する。
【0074】
これにより、スリーブ2は上下で胴部13に支持され、下端232が下部大突起部141を乗り越えることができれば、容器本体1から更に脱落し難くなる。この上部大突起部151は、周方向に沿って無端状に延在していても、スリーブ2の上方を支持することができる。但し、スリーブ2が角錐台筒形状を有する場合には、上部大突起部151が胴部13の周方向に沿って間欠的に並ぶことで、無端状に延在する場合と比べて容器本体1から更に脱落し難くなる。
【0075】
即ち、上部大突起部151が環形状ではなく、所定の長さを有することで、上部大突起部151がスリーブ2の内周面に食い込む。上部大突起部151がスリーブ2を内側から張り拡げて密着するだけでなく、上部大突起部151のアンカー効果により、スリーブ2が容器本体1から更に脱落し難くなる。
【0076】
また、上部大突起部151がスリーブ2の内周面に食い込むことにより、スリーブ2が胴部13周りで回転し難くなる。そのため、錐台形状のスリーブ2が回転することによって下方へ位置ズレし、下端232が下部大突起部141を逆方向から乗り越えて、スリーブ2が容器本体1から脱落することを抑制できる。
【0077】
上部大突起部151は、下部大突起部141よりも長く延在するようにした。これにより、上部大突起部151がスリーブ2の内周面に食い込む範囲が長くなり、アンカー効果が強くなる。
【0078】
また、容器本体1は、上部大突起部151間に、胴部13の周方向に沿って延在し、胴部13から外方に膨出する各上部小突起部152を有するようにした。上部大突起部151と上部小突起部152は、胴部13の周方向に沿って一列に交互に並び、上部大突起部151は、上部小突起部152よりも突出長が相対的に大きく、上部小突起部152は、上部大突起部151よりも突出長が相対的に小さい。
【0079】
これにより、上部大突起部151と上部小突起部152の群が環状のリブとなり、上部大突起部151間が胴部13の外表面と同じ高さである場合と比べて、上部大突起部151の周位置が縮径し難くなる。そのため、上部大突起部151の食い込みが解除され難くなり、スリーブ2を支持する効果及びスリーブ2の回転規制効果が高まる。
【符号の説明】
【0080】
1 容器本体
11 底部
12 口縁
13 胴部
131 下端
132 上端
141 下部大突起部
142 下部小突起部
143 座面
151 上部大突起部
152 上部小突起部
17 開口
2 スリーブ
21 台形側面
22 スリーブ側縦稜線
231 上端
232 下端
261 ミシン目
263 折り筋
28 ブランク
281 内側領域
282 左外側領域
283 右外側領域
284 貼合片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11