(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087488
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】積付システム、積付方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
B65G57/03 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199443
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】久保 武士
【テーマコード(参考)】
3F029
【Fターム(参考)】
3F029AA01
3F029BA01
3F029DA15
(57)【要約】
【課題】 カートに荷物を積み付けるための荷物の供給の順番を求めることの効率を高め、並べ替えを行う作業負担を軽減することに適した積付システム等を提供する。
【解決手段】 積付システム1は、保管部5から複数の荷物を取り出してカート13に積み付ける。積付パターン演算装置3は、複数の荷物をグループに分けるグループ分け部17と、複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されてもカート13に積み付けることができる積付パターン候補から、積付パターンを選択するパターン選択部21を備える。並替部9は、同じグループに属する荷物の順番は変更せずに維持して、異なるグループに属する荷物について積付パターンを用いた並べ替えを行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管部から複数の荷物を取り出してカートに積み付ける積付システムであって、
前記カートに前記複数の荷物を積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置と、
前記積付パターンを用いて保管部から取り出された前記複数の荷物を並べ替える並替部を備え、
前記積付パターン演算装置は、
前記複数の荷物をグループに分けるグループ分け部と、
複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するパターン選択部を備え、
前記並替部は、同じグループに属する荷物の順番は変更せずに維持して、異なるグループに属する荷物について前記積付パターンを用いた並べ替えを行う、積付システム。
【請求項2】
前記積付パターン演算装置は、パターン算出部を備え、
前記パターン算出部は、
各グループにおいて、
当該グループに属する複数の荷物に対して異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができるパターンを算出し、
当該グループに属する荷物が他のグループに属する荷物とともにカートに載置できるならば、当該他のグループの少なくとも一つについて前記異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができるパターンを用いて、当該他のグループに属する荷物とともに積み付けるパターンを算出し、
算出したパターンを組み合わせて前記積付パターン候補を算出する、請求項1記載の積付システム。
【請求項3】
前記パターン選択部は、前記積付パターン候補のうち、カート数が小さくなるもの、全体の荷物の分布の違いが少なくなるもの、各カートにおける荷物の分布の違いが少なくなるもの、のうち、少なくとも一つの基準によって積付パターンを選択する、請求項1又は2に記載の積付システム。
【請求項4】
保管部から複数の荷物を取り出してカートに積み付ける積付システムにおける積付方法であって、
前記積付システムは、
前記カートに前記複数の荷物を積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置と、
前記積付パターンを用いて保管部から取り出された前記複数の荷物を並べ替える並替部と、
前記積付パターンを用いて前記複数の荷物を前記カートに積み付ける積付部を備え、
前記積付パターン演算装置が備えるグループ分け部が、前記複数の荷物をグループに分けるステップと、
前記積付パターン演算装置が備えるパターン選択部が、複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するステップと、
前記並替部が、同じグループに属する荷物の順番は変更せずに維持して、異なるグループに属する荷物について前記積付パターンを用いた並べ替えを行うステップを含む積付方法。
【請求項5】
コンピュータを、保管部から取り出された複数の荷物をカートに積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の荷物をグループに分けるグループ分け部と、
複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するパターン選択部として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積付システム、積付方法及びプログラムに関し、特に、保管部から複数の荷物を取り出してカートに積み付ける積付システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にあるように、出願人は、カートに複数の荷物を自動的に積み付けるためのシステムを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、供給された荷物を積み付けるためのものである。どのように供給するかという点については、特定されていない。
【0005】
例えば、個々の荷物を区別して積付計算により積付パターンを作成して、取り出した荷物を積み付け順に上位コンベアにより供給することが考えられる。しかしながら、荷物の数が増加すると計算量が膨大になり、さらに、積み付け順への並べ替えの作業負担も膨大なものとなってしまう。
【0006】
よって、本発明は、カートに荷物を積み付けるための荷物の供給の順番を求めることの効率を高め、並べ替えを行う作業負担を軽減することに適した積付システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の観点は、保管部から複数の荷物を取り出してカートに積み付ける積付システムであって、前記カートに前記複数の荷物を積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置と、前記積付パターンを用いて保管部から取り出された前記複数の荷物を並べ替える並替部を備え、前記積付パターン演算装置は、前記複数の荷物をグループに分けるグループ分け部と、複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するパターン選択部を備え、前記並替部は、同じグループに属する荷物の順番は変更せずに維持して、異なるグループに属する荷物について前記積付パターンを用いた並べ替えを行う。
【0008】
本願発明の第2の観点は、第1の観点の積付システムであって、前記積付パターン演算装置は、パターン算出部を備え、前記パターン算出部は、各グループにおいて、当該グループに属する複数の荷物に対して異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができるパターンを算出し、当該グループに属する荷物が他のグループに属する荷物とともにカートに載置できるならば、当該他のグループの少なくとも一つについて前記異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができるパターンを用いて、当該他のグループに属する荷物とともに積み付けるパターンを算出し、算出したパターンを組み合わせて前記積付パターン候補を算出する。
【0009】
本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の積付システムであって、前記パターン選択部は、前記積付パターン候補のうち、カート数が小さくなるもの、全体の荷物の分布の違いが少なくなるもの、各カートにおける荷物の分布の違いが少なくなるもの、のうち、少なくとも一つの基準によって積付パターンを選択する。
【0010】
本願発明の第4の観点は、保管部から複数の荷物を取り出してカートに積み付ける積付システムにおける積付方法であって、前記積付システムは、前記カートに前記複数の荷物を積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置と、前記積付パターンを用いて保管部から取り出された前記複数の荷物を並べ替える並替部と、前記積付パターンを用いて前記複数の荷物を前記カートに積み付ける積付部を備え、前記積付パターン演算装置が備えるグループ分け部が、前記複数の荷物をグループに分けるステップと、前記積付パターン演算装置が備えるパターン選択部が、複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するステップと、前記並替部が、同じグループに属する荷物の順番は変更せずに維持して、異なるグループに属する荷物について前記積付パターンを用いた並べ替えを行うステップを含む。
【0011】
本願発明の第5の観点は、コンピュータを、保管部から取り出された複数の荷物をカートに積み付けるための積付パターンを演算する積付パターン演算装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数の荷物をグループに分けるグループ分け部と、複数の荷物が属するグループに対して当該グループに属する複数の荷物が異なる順番で供給されても前記カートに積み付けることができる積付パターン候補から、前記積付パターンを選択するパターン選択部として機能させる。
【0012】
なお、本願発明を、第5の観点のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の各観点によれば、供給される荷物をグループ分けして、グループを単位にしてグループ内では並べ替えを行わないことにより、カートに荷物を積み付けるための荷物の供給の順番を効率よく求めることができ、さらに、並べ替えの作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】荷物積付装置の一例について、概要を示す図である。
【
図2】本願発明の実施の形態に係る積付システム1の(a)構成の一例を示すブロック図及び(b)動作の一例を示すフロー図である。
【
図3】
図2のグループ分け部17、パターン算出部19及びパターン選択部21の処理の一例を説明するための第1図である。
【
図4】
図2のグループ分け部17、パターン算出部19及びパターン選択部21の処理の一例を説明するための第2図である。
【
図5】
図2のグループ分け部17、パターン算出部19及びパターン選択部21の処理の一例を説明するための第3図である。
【
図6】
図2のグループ分け部17、パターン算出部19及びパターン選択部21の処理の一例を説明するための第4図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0016】
図1(a)は、荷物積付装置の概要を示す図である(例えば特許文献1参照)。段積ユニット61において、荷物を段積みする。制御盤51は、段積ユニット61を含めたシステム全体の制御を行うためのものである。ケース供給コンベア59は、段積ユニット61に荷物を供給するためのものである。カートは、ケース供給コンベア59の横に投入されて、カート供給装置53により荷物搬送位置64に搬送される。ケース供給コンベア59から段積ユニット61に供給された荷物は、積み付けユニット67(スライドテーブル)上に段積みされ、1カート分として編成される。荷物搬送位置64に固定されたカートに、積み付けユニット67上に編成された荷物をプッシャ装置55及びスライダ装置65により移載する。荷物が載せられたカートは、カート供給装置53によって自動的に払い出される。
図1(b)及び(c)は、
図1(a)の具体的な一例を示す。
【0017】
図2は、本願発明の実施の形態に係る積付システム1の(a)構成の一例を示すブロック図及び(b)動作の一例を示すフロー図である。
【0018】
図2(a)を参照して、積付システム1は、積付パターン演算装置3と、N箇所(Nは自然数)の保管部5
1,…,5
N(符号の添え字は、省略する場合がある。他も同様である。)と、N箇所の取出部7
1,…,7
Nと、並替部9と、積付部11と、カート13を備える。
【0019】
積付パターン演算装置3は、出荷データ取得部15と、グループ分け部17と、パターン算出部19と、パターン選択部21と、マスタデータ記憶部23を備える。
【0020】
保管部5は、荷物を保管する。取出部7は、出荷する複数の荷物を保管部5から取り出して並替部9に供給する。並替部9は、パターン選択部21により選択された積付パターンに従って出荷する複数の荷物を並べ替える。積付部11は、カート13に、パターン選択部21により選択された積付パターンに従って出荷する複数の荷物を積み付ける。
【0021】
図2(b)を参照して、
図2(a)の積付システム1の動作の一例を説明する。
【0022】
積付パターン演算装置3において、マスタデータ記憶部23は、出荷する荷物のデータを記憶する。マスタデータ記憶部23では、例えば、各荷物のサイズ、パッケージ区分などが設定されている。パッケージ区分は、その内容物などによって区分されたものである。パッケージ区分については、あるパッケージ区分に含まれる荷物が、同じパッケージ区分に含まれる荷物に上乗せできるか否か、他のパッケージ区分に含まれる荷物に上乗せできるか否か、などの情報も管理されている。
【0023】
出荷データ取得部15は、1バッチ分(1回の搬送で積み込む分)の荷物を特定する出荷データを取得する(ステップST1)。出荷データは、例えば同じ搬送先に1度に搬送する複数の荷物を特定するものである。そして、出荷データにより特定される複数の荷物について、マスタデータ記憶部23を参照して、ケースサイズ、パッケージ区分などの情報を取得する。
【0024】
グループ分け部17は、出荷データにより特定される複数の荷物をグループ分けする(ステップST2)。グループ分けは、例えば、各荷物のパッケージ区分によりグループ分けを行う。
【0025】
パターン算出部19は、グループごとに、グループ単位積付パターンを算出する(ステップST3)。パターン算出部19は、前段で算出したグループグループ単位積付パターンを組み合わせてカートへの積付パターン候補を算出する(ステップST4)。パターン選択部21は、積付パターン候補から最終的にカートへ積み付ける積付パターンを選択する(ステップST5)。パターン算出部19及びパターン選択部21は、例えば、ケースサイズを利用して処理を行う。
図3以降を参照して、後に具体的に説明する。
【0026】
取出部7は、保管部5から出荷データにより特定される複数の荷物を取り出し、並替部9に供給する(ステップST6)。なお、この処理は、積付パターン演算装置3による処理と並列に行ってもよい。
【0027】
並替部9は、積付パターンに従って複数の荷物を並べ替える(ステップST7)。本願発明では、並替部9は、同じグループに含まれる複数の荷物については、取出部から供給されて並替部9に到達した順番を維持して、積付部11に供給する。並替部9は、異なるグループに含まれる荷物についてのみ並べ替える。そのため、並替部9における並べ替えは、すべての荷物を並べ替えることに比較して、大幅に処理が軽減される。
【0028】
積付部11は、積付パターンに従って、並替部9から供給された荷物をカート13に積み付ける(ステップST8)。
【0029】
積付部11の一例は、
図1に示される荷物積付装置である。以下では、説明を簡単にするため、カートには、荷物を棒積みし(すなわち、荷物を上に積み上げ)、前後方向に2列並べて載せ、積付パターンを作成する場合には、主として高さの制限を考慮する場合について説明する。なお、本願発明は、このような場合に限定されず、前後方向により多くの列数を並べたり、左右方向にも並べたり、複数の荷物の上に荷物を載せたり、荷物の上に複数の荷物を並べて載せたりする場合などでも応用することが可能である。
【0030】
図3以降を参照して、グループ分け部17、パターン算出部19及びパターン選択部21の処理の一例を具体的に説明する。
【0031】
この例では、各荷物の幅W、長さLは同じであり、高さHが異なるとする。高さ制限HMAXは、カートに乗せることができる高さの最大値であり、39cmとする。なお、本願発明は、幅Wや長さLが異なっているものであってもよい。
【0032】
出荷データにより特定される複数の荷物は、4つのパッケージ区分が存在する。グループ分け部17は、パッケージ区分に従って複数の荷物をグループ分けする。
【0033】
パッケージ1は、6つの荷物が存在する。各荷物の高さHは、8cm、8cm、8cm、9cm、10cm及び10cmである。それぞれ、荷物1-1、1-2、1-3、1-4、1-5及び1-6という。パッケージ1の各荷物は、パッケージ1の他の荷物には上乗せできるが、他のパッケージの荷物には上乗せできない。
【0034】
パッケージ2は、4つの荷物が存在する。各荷物の高さHは、7cm、8cm、9cm及び9cmである。それぞれ、荷物2-1、2-2、2-3及び2-4という。パッケージ2の各荷物は、パッケージ2の他の荷物には上乗せでき、パッケージ1の各荷物にも上乗せできるが、パッケージ3及び4の荷物には上乗せできない。
【0035】
パッケージ3は、2つの荷物が存在する。各荷物の高さHは、8cm及び9cmである。それぞれ、荷物3-1及び3-2という。パッケージ3の各荷物は、パッケージ3の他の荷物には上乗せでき、パッケージ1の各荷物にも上乗せできるが、パッケージ2及び4の荷物には上乗せできない。
【0036】
パッケージ4は、1つの荷物が存在する。荷物の高さHは、15cmである。この荷物を荷物4-1という。パッケージ4の荷物4-1は、パッケージ1、2及び3の各荷物に上乗せできる。
【0037】
図3を参照して、パッケージ1の荷物について、パターン算出部19による処理の一例を説明する。本願発明では、同じグループ内の複数の荷物は、並べ替えを行わない。異なる高さのものが様々な順番で供給されても、高さ制限を満たす必要がある。そのため、任意の順番で供給されても高さ制限を満たす個数について、最悪の場合(最も低い高さで積み重なる場合)に着目してパターンを検討する。
【0038】
図3(a)は、パッケージ1に含まれる6つの荷物を棒積みした場合である。この場合、高さは53cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えている。そのため、パッケージ1については、6つの荷物を棒積みすることはできない。
【0039】
図3(b)、(c)及び(d)は、パッケージ1に含まれる6つの荷物のうち5つの荷物を棒積みした場合である。高さが同じとなる組み合わせは省略している。この場合、高さは、それぞれ、43cm、44cm及び45cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えている。そのため、パッケージ1については、5つの荷物を棒積みすることはできない。
【0040】
図3(e)、(f)、(g)、(h)及び(i)は、パッケージ1に含まれる6つの荷物のうち4つの荷物を棒積みした場合である。高さが同じになるものは省略している。この場合、高さは、それぞれ、33cm、34cm、35cm、36cm及び37cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。そのため、パッケージ1については、4つの荷物がどのような順番で供給されても、これを棒積みすることができる。このうち、最悪の場合は
図3(e)であり、荷物1-1、1-2、1-3及び1-4が積み重なる場合である。この場合に、残りの荷物1-5及び1-6を棒積みしても高さ制限H
MAXを超えない。
【0041】
パターン算出部19は、パッケージ1のグループ積付パターンを、
図3(j)にあるように、荷物1-1、1-2、1-3及び1-4を棒積みし、荷物1-5及び1-6を棒積みするパターンとする。
【0042】
パッケージ1の荷物は、他のパッケージの荷物の上積みをすることができない。そのため、他のグループの荷物に上乗せするグループ組合せパターンは検討する必要がない。
【0043】
図4(a)~(f)を参照して、パッケージ2の荷物について、パターン算出部19による処理の一例を説明する。
【0044】
図4(a)は、パッケージ2に含まれる4つの荷物を棒積みした場合である。この場合、高さは33cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。そのため、パッケージ2については、4つの荷物がどのような順番で供給されても、これらを棒積みすることができる。パターン算出部19は、パッケージ2のグループ積付パターンを、荷物2-1、2-2、2-3及び2-4を棒積みするパターンとする。
【0045】
パッケージ2に含まれる荷物は、パッケージ1に含まれる荷物に上乗せできる。パターン算出部19は、グループ間での組み合わせを検討するためのグループ組合せパターンを検討する。
【0046】
荷物1-1、1-2、1-3及び1-4を棒積みしたものの上には、パッケージ2に含まれる荷物をさらに上乗せすることはできない。
【0047】
荷物1-5及び1-6を棒積みしたものの上には、パッケージ2に含まれる荷物は、3つを上乗せすることはできないが、
図4(b)、(c)、(d)及び(e)に示すように、2つを上乗せすることができる。なお、同じ高さのものは省略する。高さは、それぞれ、35cm、36cm、37cm及び38cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。このうち、最悪の場合は、パッケージ1-5及び1-6を棒積みしたものの上にパッケージ2-1及び2-2を棒積みした場合である。
【0048】
パターン算出部19は、
図4(f)にあるように、パッケージ2についてのパッケージ1に対するグループ組合せパターンとして、パッケージ1-5及び1-6の上にパッケージ2-1及び2-2を棒積みし、パッケージ2-3及び2-4を別に棒積みしたものとする。
【0049】
図4(g)及び(h)を参照して、パッケージ3の荷物について、パターン算出部19による処理の一例を説明する。
【0050】
図4(g)は、パッケージ3に含まれる2つの荷物を棒積みした場合である。この場合、高さは17cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。そのため、パッケージ3については、2つの荷物を棒積みすることができる。パターン算出部19は、パッケージ3のグループ積付パターンを、荷物3-1及び3-2を棒積みするパターンとする。
【0051】
パッケージ3に含まれる荷物は、パッケージ1に含まれる荷物に上乗せできる。パターン算出部19は、グループ間での組み合わせを検討するためのグループ組合せパターンを検討する。
【0052】
荷物1-1、1-2、1-3及び1-4を棒積みしたものの上には、パッケージ3に含まれる荷物を上乗せすることはできない。
【0053】
荷物1-5及び1-6を棒積みしたものの上には、パッケージ3に含まれる荷物は、
図4(h)に示すように、2つを上乗せすることができる。高さは、37cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。
【0054】
パターン算出部19は、
図4(h)にあるように、パッケージ3についてのパッケージ1に対するグループ組合せパターンとして、パッケージ1-5及び1-6を棒積みしたものの上にパッケージ3-1及び3-2を棒積みしたものとする。
【0055】
図4(i)~(l)を参照して、パッケージ4の荷物について、パターン算出部19による処理の一例を説明する。
【0056】
図4(i)は、パッケージ4に含まれる1つの荷物を棒積みした場合である。この場合、高さは15cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。そのため、パッケージ4については、1つの荷物を棒積みすることができる。パターン算出部19は、パッケージ4のグループ積付パターンを、荷物4-1を棒積みするパターンとする。
【0057】
パッケージ4に含まれる荷物は、パッケージ1、2及び3に含まれる荷物に上乗せできる。パターン算出部19は、グループ間での組み合わせを検討するためのグループ組合せパターンを検討する。
【0058】
パッケージ1に含まれる荷物について、荷物1-1、1-2、1-3及び1-4を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物をさらに上乗せすることはできない。荷物1-5及び1-6を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物は、
図4(j)に示すように上乗せすることができる。高さは、35cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。
【0059】
パッケージ2に含まれる荷物について、荷物2-1、2-2、2-3及び2-4を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物を上乗せすることはできない。荷物2-1、2-2、1-5及び1-6を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物を上乗せすることはできない。荷物2-3及び2-4を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物は、
図4(k)に示すように上乗せすることができる。高さは、33cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。
【0060】
パッケージ3に含まれる荷物について、荷物1-5、1-6、3-1及び3-2を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物を上乗せすることはできない。荷物3-1及び3-2を棒積みしたものの上には、パッケージ4に含まれる荷物は、
図4(l)に示すように上乗せすることができる。高さは、32cmであり、高さ制限H
MAXである39cmを超えない。
【0061】
パターン算出部19は、
図4(j)、(k)及び(l)にあるように、パッケージ4についてのグループ組合せパターンとして、パッケージ1に対しては荷物1-5、1-6及び4-1を棒積みしたもの、パッケージ2に対しては荷物2-3、2-4及び4-1を棒積みしたもの、パッケージ3に対しては荷物3-1、3-2及び4-1を棒積みしたものとする。
【0062】
図5を参照して、パターン算出部19の処理の一例を具体的に説明する。
【0063】
パターン算出部19は、グループ積付パターンと、グループ組合せパターンを参照して、必要となるカート数が少なくなるものを検討する。この場合、1つのカートですべての荷物を搬出することはできない。カート数が2である場合(すなわち、各カートに2列で、合計4列を搬出する場合)を検討する。
【0064】
高さ制限H
MAXを満たしつつ、カート数が2である場合には、
図5(a)~(e)にあるように5つのパターンが存在する。積付パターン候補は、各パターンにおいて、4つの列を2つのカートに分配したものである。
【0065】
カートで運ぶには、カートごとの棒積みの高さが近いことが望ましい。そのため、
図5(a)~(e)の5つのパターンについて、4つの列を2つのカートに分配したときの、各カートに含まれる列の標準偏差の平均値を計算して、それが最も小さくなるものを選択する。ここで、例えば、カートが増えない範囲で荷姿をできるだけ低くするための処理を行ってもよい。
図5では、(a)、(b)、(d)及び(e)では、一つの列が他の列に比較して低くなっており、標準偏差が大きい。他方、
図5(c)では、極端に低い列がなく、ほぼ高さの等しい2つの列に分けることができる。そのため、
図5(f)にあるように、
図5(c)をもとに2つのカートに分けたものを、積付パターンとして選択する。
【0066】
例えば
図6に示すように、個々のケースを区別して検討すれば、より適切な分け方も存在するとも考えられる。しかしながら、
図6のような分け方は、個々の荷物を比較するために計算量が膨大となり、さらには、並替部がすべての荷物を適切な順番に並べ替える必要があるために、処理全体として負荷が大きすぎることとなる。
【0067】
本願発明は、グループ内では並べ替えを行わないとすることにより、並替部9による並べ替えの作業を大幅に軽減することができる。さらに、積付パターン演算装置3においても、グループ分けをして、各グループ単位での積み付けとグループ間での積み付けとを別個に算出し、それらを組み合わせて積付パターン候補を求めて、それらを比較して適切なものを選択することにより、計算負荷も大幅に軽減することができる。
【0068】
なお、積付パターン候補から積付パターンを選択する基準としては、例えば、カート数が少ない(すなわち、カート1つずつに積まれている荷物が多い)、列数が少ない(すなわち、1列ずつに積まれている荷物が多い)、最後のカートの列数が少ない、最後の列が低い、でこぼこが少ない(各列の高さの標準偏差の平均値が少ない、カート単位での各列の高さの標準偏差の平均値が少ない、など。カートでの作業性を考慮。)、上乗せしたグループが少ない(上乗せグループ数が少ない)、積付合計長さ(各列のW寸の合計)が少ない、などの一部又は全部を採用することができる。
【0069】
また、2カート以上になる場合には、積み付けることができる限界値までの高さを出して、同様の計算によって再計算させてもよい。その結果、カート数が少なくなれば、新たな積付パターンを決定し、カート数が変わらなければ、元のパターンを積付パターンとして決定すればよい。また、列の高さをならすために、上限値から徐々に高さを引いて再計算を行い、カート数が増加する直前の積付パターンを決定してもよい。
【0070】
また、本願発明において、例えば、パターン選択部21は積付パターンを複数選択し、並替部9及び積付部11は、取出部7から並替部9に供給される荷物の位置を検出して、並替部9における並べ替えが少なくなる積付パターンによって並べ替え及び積み付けを行うものであってもよい。
【0071】
また、本願発明において、積み付け作業は、人手により行うものであってもよい。
1 積付システム、3 積付パターン演算装置、5 保管部、7 取出部、9 並替部、11 積付部、13 カート、15 出荷データ取得部、17 グループ分け部部、19 パターン算出部、21 パターン選択部、23 マスタデータ記憶部、51 制御盤、53 カート供給装置、55 プッシャ装置、59 ケース供給コンベア、61 段積ユニット、64 荷物搬送位置、65 スライダ装置、67 積み付けユニット