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  • 特開-接合構造および接合方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087528
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】接合構造および接合方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/00 20060101AFI20220606BHJP
   E02D 27/42 20060101ALI20220606BHJP
   E02D 5/24 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
E02D27/00 D
E02D27/42
E02D5/24 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199505
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】390018717
【氏名又は名称】旭化成建材株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390007607
【氏名又は名称】大鉄工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592105620
【氏名又は名称】ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】森田 信弥
(72)【発明者】
【氏名】三隅 哲志
(72)【発明者】
【氏名】西▲崎▼ 慶
(72)【発明者】
【氏名】井上 啓寿
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 摂朗
(72)【発明者】
【氏名】塚田 義明
(72)【発明者】
【氏名】小橋 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】野口 武彦
【テーマコード(参考)】
2D041
2D046
【Fターム(参考)】
2D041BA19
2D041BA36
2D041DB02
2D046AA17
2D046DA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】打設した杭が当初設定されていた位置からずれてしまった場合にも簡単な作業工程でずれを補正しつつ柱を接合することを可能とする接合構造および接合方法を提供する。
【解決手段】杭10と柱20を互いに接合する接合構造1であって、杭10と柱20との間に介在されたプレート30を備える。プレート30は、第1の端面30Aから第2の端面30Bに向かう厚み方向に貫通する貫通孔を有する。杭10と柱20とが、貫通孔に挿通された締結部材100で接合される。杭10および柱20のうちの少なくとも一方の締結部材100の挿通孔は、地盤に打設された杭10と、プレート30と、柱20とを当接させた後に穿設する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭と柱を互いに接合する接合構造であって、
前記杭と前記柱との間に介在されたプレートを備え、
前記プレートは、第1の端面から第2の端面に向かう厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
前記杭と前記柱とが、前記貫通孔に挿通された締結部材で接合されており、
前記杭および前記柱のうちの少なくとも一方の前記締結部材の挿通孔は、地盤に打設された前記杭と、前記プレートと、前記柱とを当接させた後に穿設する、接合構造。
【請求項2】
前記プレートの前記第1の端面と前記第2の端面は平面であり、互いに対し傾斜している、請求項1に記載の接合構造。
【請求項3】
前記プレートの前記貫通孔は、地盤に打設された前記杭と、前記プレートと、前記柱とを当接させた後に穿設する、請求項1または2に記載の接合構造。
【請求項4】
杭と柱とをそれらの間にプレートを介在させ締結部材で締結して接合する接合方法であって、
前記杭を打設した後、該杭の設定打設位置に対する水平方向のずれ量を測定し、
前記杭および前記柱のうちの少なくとも一方の前記締結部材の挿通孔を、前記ずれ量に相当する分オフセットさせた位置に穿設し、
前記プレートを介在させて前記杭と前記柱とを締結する、接合方法。
【請求項5】
前記プレートとして、第1の端面と第2の端面が平面であり互いに対し傾斜しているものを用いる、請求項4に記載の接合方法。
【請求項6】
前記杭の設定打設位置に対する水平方向のずれ量を測定した後に、前記プレートの前記貫通孔を穿設する、請求項4または5に記載の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合構造および接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤に埋設された杭の上に鉄骨柱などの上部構造物を支持させる接合構造がある(特許文献1参照)。かかる接合構造では、杭の杭頭の周囲に鞘管を配置し、鞘管と杭の間の空間と、鞘管の天板と鉄骨柱のベースプレートの間の空間にコンクリートを充填し、杭と鉄骨柱を間接的に接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-169577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような接合構造の場合、杭と柱との間にコンクリートを充填し固化する作業工程が必要になるため、作業時間が増大する。特に、上述のような接合構造を用いて、鉄道駅の上屋を支持する鉄骨柱を線路に沿って立てるような場合には、多数の鉄骨柱を杭に接合する必要があり、作業時間が大幅に増える。よって、より簡単な作業工程で杭と柱を接合することができる接合構造が望まれる。
【0005】
作業工程をより簡単にする手法のひとつとして、例えば杭と柱を、コンクリートを介さずに直接接合することが考えられる。しかし、打設した杭の水平位置が設計位置(当初設定されていた打設位置)からずれてしまった場合(つまり杭芯ずれが生じてしまった場合)、杭の上に柱を直接接合すると当該柱までもが芯ずれしてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、打設した杭が当初設定されていた位置からずれてしまった場合にも簡単な作業工程でずれを補正しつつ柱を接合することを可能とする接合構造および接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、杭と柱を互いに接合する接合構造であって、
杭と柱との間に介在されたプレートを備え、
プレートは、第1の端面から第2の端面に向かう厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
杭と柱とが、貫通孔に挿通された締結部材で接合されており、
杭および柱のうちの少なくとも一方の締結部材の挿通孔は、地盤に打設された杭と、プレートと、柱とを当接させた後に穿設する、接合構造である。
【0008】
鉄道駅の上屋を支持する鉄骨を線路に沿って立てるような場合、多数の鉄骨柱を杭に接合する必要があることからすれば、従前と同様、締結部材の挿通孔があらかじめ穿設された杭や柱を使うことが作業時間といった面で効率的である。ただしその反面、穿設位置が一律、一定となることから、打設した杭が当初設定位置からずれてしまった場合に当該ずれ量を補正するといった対応をすることは難しい。この点、上記のごとき態様の接合構造によれば、打設された杭の個々の状況に合わせて挿通孔の位置を最適化した構造を実現しうることから、杭のずれ量を補正しつつ柱を接合することが可能となる。しかも、かかる構造は、現場にて挿通孔ないしは貫通孔を穿設するといった作業で実現しうることから、複数種類の杭や柱をあらかじめ多数用意しておき最も適合するものを選択するといった準備、作業よりも効率的であり、かつ準備段階も含め全体として考慮すれば比較的簡単な作業工程ですれを補正しつつ柱を接合することが可能となる。
【0009】
上記のごとき接合構造において、プレートの第1の端面と第2の端面は平面であり、互いに対し傾斜していてもよい。
【0010】
上記のごとき接合構造において、プレートの貫通孔は、地盤に打設された杭と、プレートと、柱とを当接させた後に穿設してもよい。
【0011】
本発明の別の態様は、杭と柱とをそれらの間にプレートを介在させ締結部材で締結して接合する接合方法であって、
杭を打設した後、該杭の設定打設位置に対する水平方向のずれ量を測定し、
杭および柱のうちの少なくとも一方の締結部材の挿通孔を、ずれ量に相当する分オフセットさせた位置に穿設し、
プレートを介在させて杭と柱とを締結する、接合方法である。
【0012】
上記のごとき接合方法において、プレートとして、第1の端面と第2の端面が平面であり互いに対し傾斜しているものを用いてもよい。
【0013】
上記のごとき接合方法において、杭の設定打設位置に対する水平方向のずれ量を測定した後に、プレートの貫通孔を穿設してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、打設した杭が当初設定されていた位置からずれてしまった場合にも簡単な作業工程でずれを補正しつつ柱を接合することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】接合構造の構成例を示す、杭柱接合体の側面図である。
図2図1に示した杭柱接合体の斜視図である。
図3】ボルトの挿通孔が柱のフランジに予め設けられていて、杭のフランジの挿通孔などは杭打設後に穿設する構造の杭柱接合体の分解斜視図である。
図4図1等に示した接合構造を用いた施工手順の一例を示すフローチャートである。
図5】ボルトの挿通孔が杭のフランジに予め設けられていて、柱のフランジの挿通孔などは杭打設後に穿設する構造の杭柱接合体の分解斜視図である。
図6】本発明の第3の実施形態の内容を概略的に示す杭柱接合体の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
[第1の実施形態]
図1図3に、本発明に係る接合構造、接合方法の一実施形態としての杭柱接合体1について示す。杭柱接合体1は、第1の部材(杭)としての鋼管杭10と、第2の部材(柱)としての鉄骨柱20と、中間材として機能するプレート30を備えている。
【0018】
鋼管杭10は、地盤に打ち込まれて埋設される杭である。本実施形態では一例として円管で構成される筒状の杭を採用しているが、この他、角型の杭、H形鋼からなる杭などを採用してもよい。鋼管杭10の上端には、ある程度の厚みのある例えば円形のフランジ(杭フランジ)12が形成されている。
【0019】
フランジ12は、プレート30を介在させて鋼管杭10と鉄骨柱20とを締結する際の締結部として機能する。フランジ12の上面は平坦面となっている(図3参照)。
【0020】
本実施形態の杭柱接合体1において、フランジ12には、当該フランジ12と鉄骨柱20のフランジ22とを締結する際に用いられる複数のボルト挿通孔11があらかじめ設けられてはいない(図3参照)。当該ボルト挿通孔11は、鋼管杭10を打設した後で事後的に設けられる。
【0021】
鉄骨柱20は、プレート30を介して鋼管杭10に接合される柱状構造物である。本実施形態では一例として円管で構成される筒状の柱を採用しているが(図2等参照)、この他、角型の杭、H形鋼からなる柱などを採用してもよい。鉄骨柱20の下端部には厚みのある例えば円形のフランジ22が形成されている。
【0022】
フランジ22は、プレート30を介して鉄骨柱20と鋼管杭10とを締結する際の鋼管杭10との締結部として機能する。フランジ22の下面は平坦面となっている。フランジ22には、当該フランジ22と鋼管杭10のフランジ12とを締結する際に用いられる複数のボルト挿通孔21が設けられている。これら複数のボルト挿通孔21は、フランジ22に好ましくは等間隔に配置されている。本実施形態におけるボルト挿通孔21は、フランジ22の中心から等距離となるように環状に配置されている(図3参照)。本実施形態では、このようなボルト挿通孔21があらかじめ(つまり、鋼管杭10を打設するよりも前に)設けられている。
【0023】
プレート30は、鋼管杭10のフランジ12と鉄骨柱20のフランジ22との間に介在する、ある程度の厚みを有する板状部材である(図1等参照)。プレート30は鋼材、アルミニウム、カーボンなどで構成することができる。本実施形態のプレート30はフランジ22と同様の大きさ、形状とされているがこれは一例であって、鋼管杭10と鉄骨柱20との間に介在して必要かつ十分な強度の杭柱接合体1を構成するものであればよい。プレート30はその中央に孔が設けられた環状の部材であってもよい。
【0024】
プレート30の表裏各面はそれぞれが平坦である第1の端面30A、第2の端面30Bとなっている。本実施形態のプレート30は、第1の端面30Aがフランジ12と、第2の端面30Bがフランジ22とそれぞれ接するように配置される(図1図2参照)。
【0025】
プレート30は、その厚さが一定(別言すれば、第1の端面30Aと第2の端面30Bとが平行)であるものであってもよいし、その厚さが漸次変わる(別言すれば、第1の端面30Aと第2の端面30Bとが互いに対し傾斜している)ものであってもよい。後者のごとく傾斜勾配したプレート30を採用すれば、芯ずれのみならず鋼管杭10の傾きをも補正することができる。斜度が異なる複数のプレート30をあらかじめ準備しておけば、打設後の鋼管杭10の傾きに応じて最も適切な斜度のプレート30を適用することが可能となり好適である。
【0026】
本実施形態の杭柱接合体1において、プレート30には、ボルト101を通すためのボルト貫通孔31があらかじめ設けられてはいない(図3参照)。当該ボルト貫通孔31は、鋼管杭10を打設した後で事後的に設けられる。
【0027】
上記のごとき構成の杭柱接合体1を用いた施工手順の一例を説明する(図4参照)。
【0028】
まず、地盤Gの所定位置に鋼管杭10を打設する(ステップSP1)。打設後、鋼管杭10の杭芯ずれ(所定位置からの実際の水平方向ずれ量)と傾き(鉛直線P0に対する鋼管杭10の中心軸P1の傾き)を測定する(ステップSP2)。傾きが生じていれば、当該傾きに応じた斜度のプレート30を選択し、傾きが生じていなければ厚さ一定のプレート30を選択し、適用する(ステップSP3)。
【0029】
続いて、鋼管杭10の杭芯ずれを補正して鉄骨柱20の中心軸P2が所定の位置に位置するように、フランジ12にボルト挿通孔11を穿設し、プレート30にボルト貫通孔31を穿設する(ステップSP4)。なお、図3においては簡略化してボルト挿通孔11とボルト貫通孔31をひとつずつ想像線で図示しているが、実際にはボルト挿通孔21と同数あるいは締結部材100と同数ずつ設けられることはいうまでもない。
【0030】
その後、上記プレート30を介在させた状態で、締結部材100を用い、鋼管杭10のフランジ12と鉄骨柱20のフランジ22とを締結する(ステップSP5)。ボルト101とナット102からなる締結部材100を採用する本実施形態では、ボルト挿通孔11、ボルト貫通孔31、ボルト挿通孔21にボルト101を通し、ワッシャー103を付けてからナット102を螺合させて締結する(図1等参照)。
【0031】
このように、本実施形態の杭柱接合体1ないしはその接合方法は、施工現場において生じた実際の杭心ずれの量に応じて締結位置をオフセットさせるべく後加工していわば特注の構造にするというものであり、杭柱接合体1のそれぞれに個別に適用することによって杭心ずれを吸収する。これによれば、鋼管杭10の打設時に杭心ずれが生じうることを前提にしつつ、それでも鉄骨柱20を所定の位置に施工することが可能となる。
【0032】
しかも、杭柱接合体1を構成する鉄骨柱20のフランジ22、該フランジ22のボルト挿通孔21、鋼管杭10のフランジ12などは予め製作することができることから、杭施工後の杭心ずれの情報を反映させるとしてもフランジ12のボルト挿通孔11、プレート30のボルト貫通孔31を後加工するだけでよく、工程への影響が小さく、現場等で後加工するにしても比較的簡単な作業工程で済み、施工効率が高い。加えて、本実施形態のごとく傾斜勾配したプレート30を採用すれば、芯ずれのみならず鋼管杭10の傾きをも同時に補正することができる。
【0033】
また、プレート30を介して鋼管杭10と鉄骨柱20とを締結する上記のごとき杭柱接合体(接合構造)1は、コンクリートを充填するような従前の杭柱接合体に比べて簡単な作業工程で施工することができることはいうまでもない。
【0034】
[第2の実施形態]
第1の実施形態とは逆に、鋼管杭10のフランジ12にあらかじめボルト挿通孔11を設けておく構造であってもよい(図5参照)。この場合には、鉄骨柱20のフランジ22のボルト挿通孔21およびプレート30のボルト貫通孔31は、鋼管杭10を打設した後で事後的に設けられる。なお、図5においては簡略化してボルト挿通孔21とボルト貫通孔31をひとつずつ想像線で図示しているが、実際にはボルト挿通孔11と同数あるいは締結部材100と同数ずつ設けられることはいうまでもない。
【0035】
[第3の実施形態]
以下のような工法にて、第1の実施形態、第2の実施形態とは異なる構造の杭柱接合体1を構築してもよい。すなわち、鋼管杭(挿通孔なし)10を打設し、プレート(貫通孔なし)、鉄骨柱(挿通孔なし)20を位置合わせして仮接合させた状態で、ボルト挿通孔11,21と貫通孔31を事後的かつ一気に穿設し、締結部材で締結する構造としてもよい(図6参照)。なお、図6においては簡略化してボルト挿通孔11,21とボルト貫通孔31をひとつずつ想像線で図示しているが、実際には上記の実施形態と同様にそれぞれ複数設けられることはいうまでもない。
【0036】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0037】
例えば、上記の実施形態では円形(円盤状)のプレート30を例示したが、例えば環状のプレートを採用すればそのぶん軽量化が図られ、当該プレートの運搬や取り付け作業をより簡単に行うことが可能となる。なお、プレート30の外形は、円に限らず、例えば多角形であってもよい。
【0038】
また、第1の実施形態では、複数のボルト挿通孔21がフランジ22の外周寄りの位置に、フランジ22の中心から等距離となるよう円周上に等間隔に配置された形態を示したがこれは好適な一例にすぎず、プレート30のボルト貫通孔31の位置やフランジ12のボルト挿通孔11の位置が一致する限りにおいてこの限りでない。第2の実施形態についても同様のことがいえる。
【0039】
また、上述した各実施形態では1枚のプレート30を採用した例を示したがこれも好適な一例にすぎない。複数枚のプレート30を重ね合わせたとしても上記と同様の効果を奏しうることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、より簡単な作業工程で施工可能であり、なおかつ第1の部材に対する第2の部材の水平方向のずれ等を補正可能な接合構造として、例えば電化柱や柱脚に適用して好適である。
【符号の説明】
【0041】
1…杭柱接合体(接合構造)、10…鋼管杭(第1の部材)、11…ボルト挿通孔(挿通孔)、12…フランジ、20…鉄骨柱(第2の部材)、21…ボルト挿通孔(挿通孔)、22…フランジ、30…プレート、30A…プレートの第1の端面、30B…プレートの第2の端面、31…ボルト貫通孔(貫通孔)、100…締結部材、101…ボルト、102…ナット、103…ワッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6