(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087582
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】圧電式バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 31/02 20060101AFI20220606BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
F16K31/02 A
F16K27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199582
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(71)【出願人】
【識別番号】502254796
【氏名又は名称】有限会社メカノトランスフォーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆文
(72)【発明者】
【氏名】徐 世傑
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC11
3H051CC15
3H062AA02
3H062CC07
3H062DD01
3H062EE06
3H062HH02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルブ本体前面の複数の気体排出口のピッチが流体機器の複数の排気通路のピッチより小さい場合でも前記流体機器に装着して利用できる圧電式バルブの提供。
【解決手段】複数のアクチュエータを内部に収納するバルブ本体20を備え、バルブ本体前面には、内部に圧縮気体を吸入する気体吸入口及び吸入した圧縮気体を複数の弁体の開弁駆動によって排出する複数の気体排出口を有し、バルブ本体前面に設けられるコネクタ部50を介して流体機器60に脱着可能とされる圧電式バルブにおいて、前記コネクタ部は、一端を前記気体吸入口と連通する一方、他端を流体機器の給気通路と連通可能とする吸入通路、及び一端を前記複数の気体排出口と連通する一方、他端を流体機器の複数の排気通路65と連通可能とする複数の排出通路を有し、前記複数の排出通路の他端側の開口ピッチを、一端側の開口ピッチよりも大きくした。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子の変位を利用して複数の弁体をそれぞれ個別に駆動する複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータを内部に収納するバルブ本体と、を備える圧電式バルブであって、
前記バルブ本体の前面には、前記バルブ本体の内部に圧縮気体を吸入する気体吸入口、及び、前記気体吸入口から前記バルブ本体の内部に吸入した前記圧縮気体を前記複数の弁体の開弁駆動によって排出する複数の気体排出口を有し、
前記バルブ本体の前面に設けられるコネクタ部を介して流体機器に脱着可能とされる圧電式バルブにおいて、
前記コネクタ部は、一端を前記気体吸入口と連通する一方、他端を前記流体機器に形成される給気通路と連通可能とする吸入通路、及び、一端を前記複数の気体排出口とそれぞれ連通する一方、他端を前記流体機器に形成される複数の排気通路とそれぞれ連通可能とする複数の排出通路を有し、前記複数の排出通路の前記他端側の開口ピッチを、前記一端側の開口ピッチよりも大きくしたことを特徴とする圧電式バルブ。
【請求項2】
前記複数の弁体とそれぞれ個別に接離する弁座及び排出路を複数有し、前記複数のアクチュエータを固定する弁座プレートをさらに備え、
前記複数のアクチュエータは、前記弁座プレートとともに前記バルブ本体の内部に収納されてなり、
前記気体吸入口から前記バルブ本体の内部に吸入した前記圧縮気体を、前記複数の弁体と前記複数の弁座との離間によって前記弁座プレートの前記複数の排出路を介して前記複数の気体排出口からそれぞれ個別に排出する請求項1に記載の圧電式バルブ。
【請求項3】
前記流体機器はマニホールドであって、圧縮気体源から供給される圧縮気体を、前記給気通路から前記コネクタ部の前記吸入通路を介して前記バルブ本体の内部に給気する一方、前記バルブ本体の内部から排出される圧縮気体を、前記コネクタ部の前記複数の排出通路を介して前記複数の排気通路から排気する請求項1又は2に記載の圧電式バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子の変位を利用してバルブの開閉を行う圧電式バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子の変位を利用してバルブの開閉を行い、圧縮気体を噴出する圧電式バルブは周知である(特許文献1~3を参照。)。
【0003】
前記圧電式バルブは、高速応答性能に優れる圧電素子の特性を利用するものであり、前記圧電素子の変位を利用して弁体を開閉動作させるアクチュエータを備えるものである。
【0004】
特許文献2,3に記載された圧電式バルブは、複数の弁体をそれぞれ個別に駆動する複数のアクチュエータをバルブ本体の内部に収納し、前記複数のアクチュエータにより前記複数の弁体をそれぞれ開弁駆動することにより、前記バルブ本体の内部に供給される圧縮気体を前記バルブ本体の前面に有する複数の気体排出口からそれぞれ個別に排出するものであり、流体機器に装着して利用することができる。
【0005】
特許文献3には、前記圧電式バルブを光学式選別機におけるエジェクタに利用する例が記載されており、前記エジェクタは、圧縮エア源から圧縮エアが供給されるマニホールドと、前記マニホールドに形成される複数の排気通路に連通する複数のノズル孔を有するノズル部材と、前記マニホールドに対しコネクタ部を介して連続状に装着される複数の前記圧電式バルブを備えるものである。
【0006】
ところで、特許文献3に記載されたエジェクタにおいて、前記複数のノズル孔のピッチ、即ち、前記マニホールドに形成される前記複数の排気通路のピッチと、前記圧電式バルブのバルブ本体の前面に有する前記複数の気体排出口のピッチは、同一であることが前提である。
【0007】
そのため、前記マニホールドに形成される前記複数の排気通路のピッチと、前記圧電式バルブのバルブ本体の前面に有する前記複数の気体排出口のピッチが異なる場合には、前記マニホールドに対し前記圧電式バルブを装着して利用することができない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-316835号公報
【特許文献2】特開2013-124695号公報
【特許文献3】特開2015-137664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、バルブ本体の前面に有する複数の気体排出口のピッチが、流体機器に形成される複数の排気通路のピッチより小さい場合でも、前記流体機器に装着して利用することができる圧電式バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、
圧電素子の変位を利用して複数の弁体をそれぞれ個別に平行な面内で駆動する複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータを内部に収納するバルブ本体と、を備える圧電式バルブであって、
前記バルブ本体の前面には、前記バルブ本体の内部に圧縮気体を吸入する気体吸入口、及び、前記気体吸入口から前記バルブ本体の内部に吸入した前記圧縮気体を前記複数の弁体の開弁駆動によって排出する複数の気体排出口を有し、
前記バルブ本体の前面に設けられるコネクタ部を介して流体機器に脱着可能とされる圧電式バルブにおいて、
前記コネクタ部は、一端を前記気体吸入口と連通する一方、他端を前記流体機器に形成される給気通路と連通可能とする吸入通路、及び、一端を前記複数の気体排出口とそれぞれ連通する一方、他端を前記流体機器に形成される複数の排気通路とそれぞれ連通可能とする複数の排出通路を有し、前記複数の排出通路の前記他端側の開口ピッチを、前記一端側の開口ピッチよりも大きくしたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、
前記複数の弁体とそれぞれ個別に接離する弁座及び排出路を複数有し、前記複数のアクチュエータを固定する弁座プレートをさらに備え、
前記複数のアクチュエータは、前記弁座プレートとともに前記バルブ本体の内部に収納されてなり、
前記気体吸入口から前記バルブ本体の内部に吸入した前記圧縮気体を、前記複数の弁体と前記複数の弁座との離間によって前記弁座プレートの前記複数の排出路を介して前記複数の気体排出口からそれぞれ個別に排出することが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記弁座プレートの前記複数の排出路の先端側の開口を、前記複数の気体排出口とすることができる。
【0013】
本発明は、
前記流体機器がマニホールドであって、圧縮気体源から供給される圧縮気体を、前記給気通路から前記コネクタ部の前記吸入通路を介して前記バルブ本体の内部に給気する一方、前記バルブ本体の内部から排出される圧縮気体を、前記コネクタ部の前記複数の排出通路を介して前記複数の排気通路から排気することが好ましい。
【0014】
本発明は、
前記マニホールドが前記複数の排気通路の先端にそれぞれノズル孔を有し、前記バルブ本体の内部から排出される圧縮気体を、前記コネクタ部の前記複数の排出通路を介して前記複数の排気通路から排気し前記各ノズル孔から噴射することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の圧電式バルブは、前記コネクタ部が、一端を前記バルブ本体の前面に有する前記気体吸入口と連通する一方、他端を前記流体機器に形成される前記給気通路と連通可能とする吸入通路、及び、一端を前記バルブ本体の前面に有する前記複数の気体排出口とそれぞれ連通する一方、他端を前記流体機器に形成される前記複数の排気通路とそれぞれ連通可能とする複数の排出通路を有し、前記複数の排出通路の前記他端側の開口ピッチを、前記一端側の開口ピッチよりも大きくしたので、バルブ本体の前面に有する複数の気体排出口のピッチが、流体機器に形成される複数の排気通路のピッチより小さい場合でも、前記バルブ本体の前面に設けられるコネクタ部を適切なものとすることで、前記流体機器に装着して利用することができる。
【0016】
本発明の圧電式バルブは、前記流体機器がマニホールドであって、圧縮気体源から供給される圧縮気体を、前記給気通路から前記コネクタ部の前記吸入通路を介して前記バルブ本体の内部に給気する一方、前記バルブ本体の内部から排出される圧縮気体を、前記コネクタ部の前記複数の排出通路を介して前記複数の排気通路から排気することとすれば、前記マニホールドに装着することで、例えば、光学式選別機におけるエジェクタに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図である。
【
図5】圧電式バルブの側面断面図であって、弁座プレートをバルブ本体の内部に配設した状態の説明図である。
【
図8】従来のエジェクタを正面側から見た概略説明図である。
【
図9】本発明のエジェクタを正面側から見た概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は圧電式バルブの一例であって斜視図を示す。
図2は
図1の圧電式バルブの組立分解図を示す。
図3は
図1の圧電式バルブに用いるアクチュエータの説明図を示す。
図4は
図1の圧電式バルブに用いる弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図を示す。
図5は
図1の圧電式バルブの側面断面図であって、弁座プレートをバルブ本体の内部に配設した状態の説明図を示す。
図1乃至
図5に示す圧電式バルブ10は、バルブ本体20、前記バルブ本体20の内部に配設されるとともに該バルブ本体20に固定される弁座プレート25、前記弁座プレート25の両面にネジで固定されるアクチュエータ30を備える。
【0019】
前記バルブ本体20は、前面が開口するケースであって、内部には外部の圧縮気体供給源(図示せず)から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室を備える。
また、前記バルブ本体20の前面には、コネクタ部50がネジにより取り付けられる。前記コネクタ部50の前面には、該バルブ本体20内に圧縮気体を吸入する吸入口51及び前記圧縮気体を排出する複数の排出口52が開口する。
ここでは、前記コネクタ部50の前面に、4つの前記排出口52が開口する例を示している。
【0020】
前記弁座プレート25は、前記アクチュエータ30の取り付け部を両面に備えるとともに、前記アクチュエータ30の後述する弁体31が当接する弁座26を有する。また、前記弁座プレート25の前方突出部251には、前記弁座26の弁座面から前記コネクタ部50の前記排出口52へ連通する複数の気体排出路261が形成される。
【0021】
前記弁座プレート25の前面には、前記バルブ本体20の開口を閉鎖する蓋材28が取り付けられる。前記蓋材28には、前記弁座プレート25の前記前方突出部251が嵌合する開口部281が形成される。また、前記蓋材28には、前記コネクタ部50の前記吸入口51から前記バルブ本体20内に連通する気体吸入路282が形成される。
【0022】
ここで、前記蓋材28には、前記開口部281を形成することに代えて、気体排出用の開口を形成し、前記蓋材28に前記弁座プレート25の前記前方突出部251の先端面を当接させて前記複数の気体排出路261を前記気体排出用の開口に連通させることもできる。
【0023】
前記アクチュエータ30は、
図3に示すように、弁体31、該弁体31の動作に必要な駆動力を変位として発生する圧電素子32、前記圧電素子32の変位を拡大して前記弁体31に作用させる変位拡大機構33を備える。
【0024】
前記変位拡大機構33は、前記圧電素子32の変位を拡大する変位拡大部34と、前記圧電素子32の変位を前記変位拡大部34に伝達する変位伝達部35を有し、前記弁体31の動作方向の軸線、ここでは、前記弁体31と前記圧電素子32の長手方向軸線を結ぶ直線に対して対称に配置される。
【0025】
前記変位伝達部35は、前記圧電素子32の一端が接合されるU字状のベース基板36と、前記圧電素子32の他端が接合されるキャップ部材37を有する。前記圧電素子32が前記U字状のベース基板36の空間内に配設されることで、前記変位拡大機構33は前記圧電素子32の長手方向軸線を中心として対称な配置とされる。
【0026】
前記変位拡大部34は、前記弁体31と前記圧電素子32の長手方向軸線を結ぶ直線に対して対称な配置とされる第1及び第2変位拡大部34a,34bから構成される。
前記第1変位拡大部34aは、第1及び第2ヒンジ39,40、第1アーム41及び第1板バネ42を有する。前記第1アーム41は前記第1ヒンジ39により前記U字状のベース基板36の一方側先端に対し一体とされ、前記第2ヒンジ40により前記キャップ部材37に対し一体とされる。前記第1アーム41の外側先端部には、前記第1板バネ42の一端が接合される。
【0027】
他方、前記第2変位拡大部34bは、第3及び第4ヒンジ43,44、第2アーム45及び第2板バネ46を有する。前記第2アーム45は前記第3ヒンジ43により前記U字状のベース基板36の他方側先端に対し一体とされ、前記第4ヒンジ44により前記キャップ部材37に対し一体とされる。前記第2アーム45の外側先端部には、前記第2板バネ46の一端が接合される。
ここで、前記変位拡大機構33は、例えば前記第1及び第2板バネ42,46を除き、インバー材を含むステンレス材等の金属材料を打ち抜いて一体に成形することができる。
【0028】
また、前記第1板バネ42と前記第2板バネ46は、例えば一枚の金属板材から成形することができる。前記第1及び第2板バネ42,46の一端は、それぞれ前記第1及び第2アーム41,45の外側先端部に接合されており、前記弁体31は、前記第1及び第2板バネ42,46の他端間であって前記圧電素子32の長手方向軸線上に位置する前記設置部に設けられている。
【0029】
前記アクチュエータ30は、閉弁状態において前記圧電素子32に通電すると、当該圧電素子32が伸長する。当該圧電素子32の伸長に伴う変位は、前記変位拡大機構33において、前記第1及び第3ヒンジ39,43を支点、前記第2及び第4ヒンジ40,44を力点、前記第1及び第2アーム41,45の外側先端部を作用点としてテコの原理により拡大され、前記第1及び第2アーム41,45の外側先端部を大きく変位させる。
【0030】
そして、前記第1及び第2アーム41,45の外側先端部の変位は、前記第1及び第2板バネ42,46を介して前記弁体31を前記弁座26から離間させ、前記気体排出路261を開放する。
【0031】
他方、前記アクチュエータ30は、前記圧電素子32への通電が解除されると該圧電素子32が収縮し、当該収縮が前記変位拡大機構33を介して前記弁体31を前記弁座26に着座させ、前記気体排出路261を閉鎖する。
【0032】
図6及び
図7は光学式選別機におけるエジェクタの説明図であって、
図6はエジェクタを正面側から見た説明図、
図7は
図6のF-F断面図であってエジェクタを側面側から見た説明図を示す。
図6及び
図7に示すエジェクタ80は、図示しない圧縮エア供給源から圧縮エアが供給されるエア空間63を内部に有するマニホールド60と、前記コネクタ部50を介して前記マニホールド60に装着される前記圧電式バルブ10と、前記マニホールド60に取り付けられるノズル部材70を備える。
【0033】
前記マニホールド60は、前記エア空間63と連通する多数の給気通路64及び多数の排気通路65を長手方向に有し、前記多数の排気通路65にはそれぞれ前記ノズル部材70のノズル孔71が連通して設けられる。
【0034】
前記圧電式バルブ10は前記マニホールド60に装着され、前記コネクタ部50の前記吸入口51が前記マニホールド60の前記給気通路64と連通し、前記コネクタ部50の複数の前記排出口52が前記マニホールド60の複数の前記排気通路65と連通する。
【0035】
前記マニホールド60には、1本の給気通路64と4本の排気通路65を対として、当該給気通路64と排気通路65の対が、前記マニホールド60に装着される前記圧電式バルブ10の数だけ長手方向に沿って形成される。
【0036】
図8は従来のエジェクタを正面側から見た概略説明図であって、マニホールドと圧電式バルブの流路の関係を示す模式図(圧電式バルブのコネクタ部については断面模式図)を示す。
前記圧電式バルブ10における前記コネクタ部50には、一端が前記バルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261と連通する一方、他端が前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65と連通する複数の排出通路521が形成される。
【0037】
図8に示すように、従来のエジェクタ80は、前記圧電式バルブ10における前記バルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261のピッチ及び前記コネクタ部50に形成される前記複数の排出通路521のピッチと、前記ノズル部材70の前記複数のノズル孔71のピッチ及び前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65のピッチが、同一であることが前提であった。
【0038】
そのため、前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65のピッチと、前記圧電式バルブ10のバルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261のピッチが異なる場合、前記マニホールド60に対し前記圧電式バルブ10を装着して利用することができない問題があった。
【0039】
図9は本発明のエジェクタを正面側から見た概略説明図であって、マニホールドと圧電式バルブの流路の関係を示す模式図(圧電式バルブのコネクタ部については断面模式図)を示す。
図9に示すように、本発明のエジェクタ80は、前記コネクタ部50に形成される前記複数の排出通路521であって、前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65と連通する側の開口ピッチを、前記バルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261と連通する側の開口ピッチよりも大きくした。
【0040】
その結果、前記バルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261のピッチが、前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65のピッチより小さい場合でも、前記圧電式バルブ10を前記マニホールド60に装着して利用することが可能となった。
【0041】
本発明の圧電式バルブ10によれば、前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65のピッチ毎に専用品を準備する必要がなく、前記バルブ本体20の前面に開口する前記複数の気体排出路261のピッチが、前記マニホールド60に形成される前記複数の排気通路65のピッチより小さい場合でも、前記コネクタ部50を適切なものとすることで、前記マニホールド60に装着して利用することができる。
【0042】
上記本発明の実施の形態において、前記圧電式バルブ10は、バルブ本体20のケース内に4つのアクチュエータ30を配設し、前記バルブ本体20の前面に4つの気体排出路261が開口する場合を例として説明したが、これに限定されるものでなく、バルブ本体のケース内に2つ以上のアクチュエータを配設し、前記バルブ本体20の前面に2つ以上の気体排出路261が開口するものであればよい。
【0043】
上記本発明の実施の形態において、前記圧電式バルブ10は、アクチュエータ30を固定する弁座プレート25を備え、前記アクチュエータ30が、前記弁座プレート25とともに前記バルブ本体20の内部に収納される場合を例として説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、弁座プレートを利用することなくアクチュエータを直接、バルブ本体の内部に収納することもできる。
【0044】
本発明の圧電式バルブにおいて、前記アクチュエータは、圧電素子の変位を利用して弁体を駆動するものであればよく、上記実施の形態のものに限定されない。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の圧電式バルブは、バルブ本体の前面に有する複数の気体排出口のピッチが、流体機器に形成される複数の排気通路のピッチより小さい場合でも、前記流体機器に装着して利用することができるものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0047】
10 圧電式バルブ
20 バルブ本体
25 弁座プレート
251 前方突出部
26 弁座
261 気体排出路
28 蓋材
281 開口部
282 気体吸入路
30 アクチュエータ
31 弁体
32 圧電素子
33 変位拡大機構
34 変位拡大部
35 変位伝達部
36 ベース基板
37 キャップ部材
39 第1ヒンジ
40 第2ヒンジ
41 第1アーム
42 第1板バネ
43 第3ヒンジ
44 第4ヒンジ
45 第2アーム
46 第2板バネ
50 コネクタ部
51 吸入口
52 排出口
521 排出通路
60 流体機器(マニホールド)
63 エア空間
64 給気通路
65 排気通路
70 ノズル部材
71 ノズル孔
80 エジェクタ