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特開2022-87642検知システム、検知方法及び食品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087642
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】検知システム、検知方法及び食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20220606BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
G01N21/85 B
B65B57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199691
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000111487
【氏名又は名称】ハウス食品グループ本社株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517272806
【氏名又は名称】株式会社エーオーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝晃
(72)【発明者】
【氏名】尾角 三千雄
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA48
2G051AB01
2G051CA04
2G051CB02
2G051DA01
2G051DA06
2G051DA13
(57)【要約】
【課題】流体食品Fが配管22に流れる際の圧力損失を低減する。
【解決手段】粘性を有する流体食品Fが配管から容器に充填される前に、当該流体食品Fの夾雑物を検知する検知システム30が、配管22に接続され、一方向に延び、且つ、配管22から流れる流体食品Fを膜状に吐出させるスリットノズル50と、スリットノズル50から吐出された流体食品Fの夾雑物を検知する検知手段52と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性を有する流体食品が配管から容器に充填される前に、当該流体食品の夾雑物を検知する検知システムであって、
前記配管に接続され、一方向に延び、且つ、前記配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるスリットノズルと、
前記スリットノズルから吐出された流体食品の夾雑物を検知する検知手段と、
を備える検知システム。
【請求項2】
前記スリットノズルにおける前記一方向のスリットの長さをスリット長とし、前記スリットノズルにおける当該一方向と直交する方向のスリットの長さをスリット幅としたとき、
前記スリット長は前記配管の直径より長く、前記スリット幅は当該配管の直径より短い、
請求項1に記載の検知システム。
【請求項3】
前記配管には、前記流体食品を流すためのポンプが設けられ、
前記スリット幅は、前記ポンプの脈動を抑えるような幅に設定されている、
請求項2に記載の検知システム。
【請求項4】
前記配管において前記スリットノズルの上流側には、前記夾雑物を除去するための網部材が設けられており、
前記網部材の目開きは、前記スリット幅以下である、
請求項2又は3に記載の検知システム。
【請求項5】
前記流体食品は、常温で固化するものであり、
前記スリットノズルを加熱する加熱手段、
を更に備える請求項1乃至4の何れか1項に記載の検知システム。
【請求項6】
前記スリットノズルから吐出された流体食品を受ける受け部材と、
前記スリットノズル及び前記受け部材を内部に含むボックス部材と、
を更に備え、
前記加熱手段は、前記ボックス部材の内部を加熱する、
請求項5に記載の検知システム。
【請求項7】
粘性を有する流体食品が配管から容器に充填される前に、当該流体食品の夾雑物を検知する検知方法であって、
前記配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるステップと、
吐出された流体食品の夾雑物を検知するステップと、
を有する検知方法。
【請求項8】
配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるステップと、
吐出された流体食品の夾雑物を検知するステップと、
吐出された流体食品から、検知された夾雑物を除去するステップと、
前記夾雑物が除去された流体食品を容器に充填するステップと、
を有する食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知システム、検知方法及び食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品の製造工程において、流体状の食品(以下、「流体食品」という。)が容器に充填されて固化した後に、その表面をカメラで撮影して食品の夾雑物を検知する検知システムが知られている。
【0003】
しかしながら、この検知システムでは、固化した後あるいは固化する前に不透明な食品の中や裏面の夾雑物を検知することができない。
【0004】
そこで、特許文献1には、容器に充填されて固化する前に、流体食品の夾雑物を検知する検知システムであって、その夾雑物を検知する検知部を配管の間に設け、当該検知部を配管よりも薄くした検知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3048049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の検知システムのように、配管の間に、配管よりも薄くした検知部を設けると、流体食品が粘性を有する場合、流体食品が配管を流れる際の圧力損失が大きくなってしまう。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体食品が配管に流れる際の圧力損失を低減することができる検知システム、検知方法、及び、食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る検知システムは、粘性を有する流体食品が配管から容器に充填される前に、当該流体食品の夾雑物を検知する検知システムであって、前記配管に接続され、一方向に延び、且つ、前記配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるスリットノズルと、前記スリットノズルから吐出された流体食品の夾雑物を検知する検知手段と、を備える。
【0009】
また、本発明の第二態様に係る検知システムでは、前記スリットノズルにおける前記一方向のスリットの長さをスリット長とし、前記スリットノズルにおける当該一方向と直交する方向のスリットの長さをスリット幅としたとき、前記スリット長は前記配管の直径より長く、前記スリット幅は当該配管の直径より短い。
【0010】
また、本発明の第三態様に係る検知システムでは、前記配管には、前記流体食品を流すためのポンプが設けられ、前記スリット幅は、前記ポンプの脈動を抑えるような幅に設定されている。
【0011】
また、本発明の第四態様に係る検知システムでは、前記配管において前記スリットノズルの上流側には、前記夾雑物を除去するための網部材が設けられており、前記網部材の目開きは、前記スリット幅以下である。
【0012】
また、本発明の第五態様に係る検知システムでは、前記流体食品は、常温で固化するものであり、前記スリットノズルを加熱する加熱手段を更に備える。
【0013】
また、本発明の第六態様に係る検知システムでは、前記スリットノズルから吐出された流体食品を受ける受け部材と、前記スリットノズル及び前記受け部材を内部に含むボックス部材と、を更に備え、前記加熱手段は、前記ボックス部材の内部を加熱する。
【0014】
また、本発明の第七態様に係る検知方法は、粘性を有する流体食品が配管から容器に充填される前に、当該流体食品の夾雑物を検知する検知方法であって、前記配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるステップと、吐出された流体食品の夾雑物を検知するステップと、を有する。
【0015】
また、本発明の第八態様に係る食品の製造方法は、配管から流れる流体食品を膜状に吐出させるステップと、吐出された流体食品の夾雑物を検知するステップと、吐出された流体食品から、検知された夾雑物を除去するステップと、夾雑物が除去された流体食品を容器に充填するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、流体食品が配管を流れる際の圧力損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る検知システム30を含む食品製造システム1の一部構成図である。
図2】本実施形態に係る検知方法を含む食品の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図2に示す検知・除去ステップの詳細な流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、適宜、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
<構成>
図1は、本実施形態に係る検知システム30を含む食品製造システム1の一部構成図である。
【0020】
図1に示すように、食品製造システム1は、原料部10と、加熱・混合部20と、配管22と、網部材としてストレーナー24と、検知システム30と、除去機構としてのダンパー32と、受け部材としての第一ホッパー34と、第二ホッパー36と、を含む。また、食品製造システム1は更に、ボックス部材40と、加熱手段42と、を含む。なお、図1では、第一ホッパー34以降の例えば充填部等の構成は省略している。
【0021】
原料部10は、カレールウやシチュールウ、あんかけ等の食品の原料が貯留されており、原料を適宜計量したり、予備的に混合したりする箇所である。原料部10は、例えば、液体部12と、ペースト部14と、粉体部16と、その他18と、を含む。液体部12は、原料の一つとしての液体が貯留されている。ペースト部14は、原料の一つとしてのペーストが貯留されている。粉体部16は、原料の一つとしての粉体が貯留されている。その他18は、原料の一つとして例えば調味料等が貯留されている。これら液体部12等は、加熱・混合部20に接続されており、液体部12等から各種原料が加熱・混合部20に投入される。
【0022】
加熱・混合部20は、液体部12等から投入された各種原料を加熱するとともに、混合することで、粘性を有する不透明な流体食品Fを生成する箇所である。この加熱・混合部20には、配管22が接続されており、当該配管22に、加熱・混合部20から流体食品が排出される。
【0023】
配管22は、流体食品をストレーナー24まで流す箇所である。この配管22の途中には、流体食品を効率的に流すためのポンプ、例えばロータリーポンプPが設けられても良い。
【0024】
ストレーナー24は、流体食品Fの夾雑物を除去するための網部材である。このストレーナー24は、例えば、検知システム30の上流側に設けられている。
【0025】
検知システム30は、流体食品Fが配管22から不図示の容器に充填される前に、当該流体食品Fの夾雑物を検知するシステムである。この検知システム30は、例えば、スリットノズル50と、検知手段52と、を備える。
【0026】
スリットノズル50は、ストレーナー24の下流側にある配管22に接続されている。このスリットノズル50は、一方向に延び、且つ、配管22から流れる流体食品Fを膜状に吐出させる。ここで、スリットノズル50における一方向のスリットの長さをスリット長とし、スリットノズル50における一方向と直交する方向のスリットの長さをスリット幅としたとき、スリット長は配管22の直径より長く、スリット幅は当該配管22の直径より短くされている。また、スリット幅は、ロータリーポンプPの脈動を抑えるような幅(例えば2mm以下の幅)に設定されていることが好ましい。また、ストレーナー24の目開きは、このスリット幅以下に設定されていることが好ましい。
【0027】
検知手段52は、スリットノズル50から吐出された膜状の流体食品Fの夾雑物を検知する。この検知手段52は、カメラ52Aと、照明手段52Bと、制御装置52Cと、を備える。
カメラ52Aは、膜状の流体食品Fを撮影する機能を有する。
照明手段52Bは、膜状の流体食品Fに対して照明を当てる機能を有する。
制御装置52Cは、カメラ52Aや照明手段52Bを制御して、膜状の流体食品Fの画像データ又は映像データを取得し、解析することで、膜状の流体食品Fの夾雑物を検知する機能を有する。
【0028】
ダンパー32は、例えば、軸Oを中心として回転可能である。そして、ダンパー32は、検知手段52により夾雑物が検知された場合、例えば、第一ホッパー34側に回転した後(傾斜した後)、元の状態に戻ることで、第二ホッパー36側に夾雑物を含む流体食品Fを排出する。これにより、第一ホッパー34に向かって流れる流体食品Fから夾雑物が除去される。
【0029】
第一ホッパー34は、スリットノズル50から吐出された膜状の流体食品Fを受ける。この第一ホッパー34は、不図示の充填部に接続されており、第一ホッパー34に受けられた流体食品Fが充填部に流れる。
【0030】
第二ホッパー36は、ダンパー32により除去された夾雑物を含む流体食品Fを受ける。この第二ホッパー36には、不図示の排出部に接続されており、第二ホッパー36に受けられた夾雑物を含む流体食品Fが排出部に排出される。
【0031】
ボックス部材40は、例えば、ストレーナー24と、第一ホッパー34と、第二ホッパー36と、スリットノズル50と、カメラ50Aと、照明手段52Bと、を内部に含む。
【0032】
加熱手段42は、例えば、ボックス部材40の内部にヒータを設け、これをオンしたり、ボックス部材40の内部に高温空気を導入したりすることで、ボックス部材40の内部を加熱する。これにより、ボックス部材40の内部のスリットノズル50を加熱する。この加熱手段42は、流体食品Fが常温で固化するものの場合に有効である。
【0033】
<製造方法の流れ>
図2は、本実施形態に係る検知方法を含む食品の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0034】
(ステップSP10)
原料部10にて、製造者又は制御装置52Cが、各種原料を計量したり、予め混合したり、予め加熱したり等して準備する原料準備ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP12の処理に移行する。
【0035】
(ステップSP12)
制御装置52Cが、各種原料を原料部10から加熱・混合部20に投入する原料投入ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP14の処理に移行する。
【0036】
(ステップSP14)
制御装置52Cが、加熱・混合部20を制御して、当該加熱・混合部20に投入された各種原料を混合しつつ加熱することで、流体食品Fを生成する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP16の処理に移行する。
【0037】
(ステップSP16)
制御装置52Cが、ロータリーポンプPを制御し、流体食品Fを加熱・混合部20から配管22に流し、その後、配管22からストレーナー24に流すことで、ストレーナー24にて比較的大きな夾雑物を除去する除去ステップを実行する。ここで、除去しきれない夾雑物が、後述する検知・除去ステップSP20で除去される。そして、制御装置52Cは、次のステップSP18の処理に移行する。
【0038】
(ステップSP18)
制御装置52Cは、ロータリーポンプPの制御を維持することで、流体食品Fをストレーナー24からスリットノズル50に流し、その後、当該スリットノズル50から膜状に吐出させる吐出ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP20の処理に移行する。
【0039】
(ステップSP20)
制御装置52Cは、スリットノズル50から吐出された流体食品Fの夾雑物を検知し、スリットノズル50から吐出された流体食品Fから、検知された夾雑物を除去する検知・除去ステップを実行する。この処理の詳細は、後述する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP22の処理に移行する。
【0040】
(ステップSP22)
制御装置52Cは、不図示の充填機を制御して、夾雑物が除去された流体食品Fを容器に充填する充填ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP24の処理に移行する。
【0041】
(ステップSP24)
制御装置52Cは、不図示の冷却装置を制御して、流体食品を冷却して固化することで、容器内にて食品を製造する冷却ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP26の処理に移行する。
【0042】
(ステップSP26)
制御装置52Cは、不図示の密封装置を制御して、容器に蓋シールを貼ることで、当該容器を密封する密封ステップを実行する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP28の処理に移行する。
【0043】
(ステップSP28)
制御装置52Cは、不図示の箱詰め装置を制御して、容器を箱に詰める箱詰めステップを実行する。
【0044】
<検知・除去方法の流れ>
図3は、図2に示す検知・除去ステップSP20の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0045】
(ステップSP20A)
制御装置52Cは、照明手段52Bをオン制御して、膜状の流体食品Fに対して照明を当てる。そして、制御装置52Cは、次のステップSP20Bの処理に移行する。
【0046】
(ステップSP20B)
制御装置52Cは、カメラ52Aを制御して、膜状の流体食品Fを撮影し、その画像データを取得する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP20Cの処理に移行する。
【0047】
(ステップSP20C)
制御装置52Cは、取得した画像データを解析し、流体食品Fに夾雑物があるか否か検知する。そして、制御装置52Cは、次のステップSP20Dの処理に移行する。
【0048】
(ステップSP20D)
制御装置52Cは、夾雑物を検知しなかった場合には、図3に示す処理を終了し、夾雑物を検知した場合には、次のステップSP20Eに移行する。
【0049】
(ステップSP20E)
制御装置52Cは、ダンパー32を制御し、当該ダンパー32を第一ホッパー34側に倒して、夾雑物をダンパー32の上面に載せた後、当該ダンパー32を第二ホッパー36側に回転して、夾雑物を第二ホッパー36に排出することで、流体食品Fから夾雑物を除去する。
【0050】
<効果>
以上、本実施形態では、粘性を有する流体食品が配管22から容器に充填される前に、当該流体食品Fの夾雑物を検知する検知システム30が、配管22に接続され、一方向に延び、且つ、配管22から流れる流体食品Fを膜状に吐出させるスリットノズル50と、スリットノズル50から吐出された流体食品Fの夾雑物を検知する検知手段52と、を備える。
この構成によれば、配管22の間に、配管22よりも薄くした検知部を設ける場合に比べて、流体食品Fが流れる際の圧力損失を低減することができる。また、スリットノズル50から吐出された流体食品Fの夾雑物を検知するので、配管22の中で検知する場合に比べて、検知した夾雑物をすぐに除去することができる。
【0051】
また、本実施形態では、スリットノズル50における一方向のスリットの長さをスリット長とし、スリットノズル50における一方向と直交する方向のスリットの長さをスリット幅としたとき、スリット長は配管22の直径より長く、スリット幅は当該配管22の直径より短い。
この構成によれば、スリットノズル50から吐出される流体食品Fの膜厚を薄くすることができるため、夾雑物の検知精度を高めることができる。
【0052】
また、本実施形態では、配管22には、流体食品Fを流すためのポンプPが設けられ、スリット幅は、ポンプPの脈動を抑えるような幅に設定されている。
この構成によれば、スリットノズル50から吐出される流体食品Fをより均一にすることができため、夾雑物の検知精度を高めることができる。
【0053】
また、本実施形態では、配管22においてスリットノズル50の上流側には、夾雑物を除去するためのストレーナー24が設けられており、ストレーナー24の目開きは、スリット幅以下である。
この構成によれば、スリット幅超の夾雑物がストレーナー24で除去されるため、ストレーナー24よりも下流側にあるスリットノズル50が夾雑物で詰まることを抑制できる。この結果、夾雑物の検知精度を高めることができる。
【0054】
また、本実施形態では、流体食品Fは、常温で固化するものであり、スリットノズル50を加熱する加熱手段42、を更に備える。
この構成によれば、スリットノズル50の内部で流体食品Fが固化すること抑制できる。
【0055】
また、本実施形態では、スリットノズル50から吐出された流体食品Fを受ける第一ホッパー34と、スリットノズル50及び第一ホッパー34を内部に含むボックス部材40と、を更に備え、加熱手段42は、ボックス部材40の内部を加熱する。
この構成によれば、スリットノズル50及び第一ホッパー34付近で、流体食品Fが固化すること抑制できるとともに、流体食品Fが外部に晒されることで風味等が落ちることを抑制できる。
【0056】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0057】
例えば、上記実施形態では、食品製造システム1がボックス部材40や加熱手段42を含む場合を説明したが、これらは省略することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、ボックス部材40は、ストレーナー24と、スリットノズル50と、第一ホッパー34と、第二ホッパー36と、を内部に含む場合を説明したが、ボックス部材40は、スリットノズル50と、第一ホッパー34と、を内部に含んでもよい。また、ボックス部材40は、少なくともスリットノズル50を内部に含んでもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、配管22にスリットノズル50が1つ接続される場合を説明したが、流体食品Fの流量が多い場合には、スリットノズル50を配管22に並列して複数接続してもよい。この構成によれば、流体食品Fの流量が多くなるに伴って1個のスリットノズル50のスリット長を長くする場合に比べて、スリットノズル50から吐出された流体食品Fの流れ方がムラのない安定した流れ方とすることができため、夾雑物の検知精度を高めることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、スリットノズル50のスリット幅が、ロータリーポンプPの脈動を抑えるような幅に設定されていることを説明したが、当該脈動を抑えるような幅に設定する代わりに、又は設定するとともに、当該脈動を抑える他の手段を設けてもよい。具体的には、他の手段としては、落差を配管22に設けることや、流体食品FをストックするタンクをロータリーポンプPとストレーナー24の間の配管22に設け、当該タンクを調整(例えば加圧)すること等が挙げられる。
【符号の説明】
【0061】
30:検知システム、50:スリットノズル、52:検知手段

図1
図2
図3