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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087643
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/24 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A47G25/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199692
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】520472963
【氏名又は名称】前沢 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】前沢 明男
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA15
3K099DA05
3K099DA13
(57)【要約】
【課題】取り扱いが容易なハンガーを提供することを目的とする。
【解決手段】上述の課題を解決する本願発明は、衣類を支持するハンガー本体1と、ハンガー本体1を上部から吊り下げ支持するフック部2と、を備え、ハンガー本体1は、側方に向かって延びる掛部11を有し、フック部2は、フック本体21と、掛部11の軸を包囲して設けられる取付け部22と、を有し、フック部2が、掛部11上を自在に移動可能であり、かつ、掛部11の軸方向に向けて回倒可能であるハンガーである。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を支持するハンガー本体と、前記ハンガー本体を上部から吊り下げ支持するフック部と、を備え、
前記ハンガー本体は、側方に向かって延びる掛部を有し、
前記フック部は、フック本体と、前記掛部の軸を包囲して設けられる取付け部と、を有し、
前記フック部が、前記掛部において自在に移動可能であり、かつ、前記掛部の軸方向に向けて回倒可能であるハンガー。
【請求項2】
前記掛部には、屈曲部分が設けられている請求項1に記載のハンガー。
【請求項3】
前記フック部は、前記フック部を前記屈曲部分において係止する掛け止め部を有する請求項2に記載のハンガー。
【請求項4】
前記屈曲部分には、前記フック部を篏合して係止する篏合部が設けられる請求項2または3に記載のハンガー。
【請求項5】
前記掛部は、前記屈曲部分から前記ハンガー本体の下部へ向かって設けられる引掛け部を有し、
前記掛け止め部は、前記引掛け部に当接されることにより前記フック部を係止する請求項3または4に記載のハンガー。
【請求項6】
前記掛け止め部と、前記掛部と、は、磁力によって付着する請求項3~5の何れかに記載のハンガー。
【請求項7】
前記掛部の下端には、閉ループを形成する底部が設けられている請求項1~6の何れかに記載のハンガー。
【請求項8】
前記フック本体と、前記取付け部と、は、回転部材を介して相対回転可能に設けられる請求項1~7の何れかに記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフック部分が可動するハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンガーは、衣類を吊り下げた状態で支持することで、衣類が空気に触れる表面積を増やし、狭いスペースでも衣類を乾燥させやすくすることを可能とする日用品である。
【0003】
しかしながら、通常のハンガーは、衣類の襟の幅よりも本体の幅が広いため、特にTシャツなど左右の襟がつながった衣類を掛ける際には、取り付ける際に襟の部分を大きく広げる必要があり、衣類を痛める原因になっていた。
【0004】
このような問題を解決するために、ハンガーのフック部分の接続位置をハンガー本体に対して変更可能にすることによって、襟を広げずとも衣類を取り付けることができるハンガーが、例えば特許文献1に記載されている、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-43620
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のハンガーでは、ハンガー本体の構成要素が全て同一平面上に設けられているため、接続位置を変更する際にハンガー本体に力を加えて移動させなければならない。
【0007】
すなわち、衣類がハンガー本体に掛けられた状態のままフック部分の接続位置を変更するためには、衣類越しにハンガー本体を掴まなければならないため、衣類の内面が滑らかな素材である場合には、うまくフック部分を移動させることが難しく、作業性が悪いという問題があった。
【0008】
また、フック部分を移動させる際に、掛けられた衣類を腕方向に引っ張る必要があり、衣類に通常かからない方向への力をかけなければならず、衣類の寿命が短くなるという問題もあった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、取り扱いが容易なハンガーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、衣類を支持するハンガー本体と、前記ハンガー本体を上部から吊り下げ支持するフック部と、を備え、前記ハンガー本体は、側方に向かって延びる掛部を有し、前記フック部は、フック本体と、前記掛部の軸を包囲して設けられる取付け部と、を有し、前記フック部が、前記掛部上を自在に移動可能であり、前記掛部の軸方向に向けて回倒可能であるハンガーである。
【0011】
このような構成にすることによって、前記衣類を取り付ける工程に合わせて、前記ハンガーの状態を変えることができるようになり、前記衣類を前記ハンガーに容易に取り付けられるようになる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記掛部には、屈曲部分が設けられている。
【0013】
このような構成にすることによって、前記屈曲部分において、前記フック部が前記ハンガー本体を安定した状態で吊り下げることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記フック部は、前記フック部を前記屈曲部分において係止する掛け止め部を有する。
【0015】
このような構成にすることによって、前記屈曲部分において、前記ハンガー本体をより安定した状態で保持することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記屈曲部分には、前記フック部を篏合して係止する篏合部が設けられる。
【0017】
このような構成にすることによって、前記フック部と前記ハンガー本体の係止具合をより強固にすることができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記掛部は、前記屈曲部分から前記ハンガー本体の下部へ向かって設けられる引掛け部を有し、前記掛け止め部は、前記引掛け部に当接されることにより前記フック部を係止する。
【0019】
このような構成にすることによって、簡便な構成で前記ハンガー本体を安定した状態で保持することができるようになる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記掛け止め部と、前記掛部と、は、磁力によって付着する。
【0021】
このような構成にすることによって、より簡便な構成で前記ハンガー本体を安定した状態で保持することができるようになる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記掛部の下端には、閉ループを形成する底部が設けられている。
【0023】
このような構成にすることによって、前記ハンガー本体が三次元的な形状となるため、前記衣類が空気に触れる表面積が増加し、前記衣類を早く乾かすことができるようになる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記フック本体と、前記取付け部と、は、回転部材を介して相対回転可能に設けられる。
【0025】
このような構成にすることによって、前記フック部が回転するようになり、衣類の取り付けがより簡便にできるようになる。
【発明の効果】
【0026】
上記構成によって、取り扱いが容易なハンガーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、全体像を表す斜視図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、不使用時の状態を表す斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、掛け止め部の機構を表す説明図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、掛け止め部の変更例を表す説明図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、フック部の変更例を表す説明図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、使用されている状態を表す斜視図である。
図7】本発明の第一の実施形態に係るハンガーの、収納方法を表す模式図である。
図8】本発明の第二の実施形態に係るハンガーの、全体を表す斜視図である。
図9】本発明の第二の実施形態に係るハンガーの、掛け止め部の機構を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係るハンガーについて説明する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において符号Xは、ハンガーを示しており、本明細書において、上部とは、後述する後述するハンガー本体1に対して、フック部2がある方向を表している。
【0029】
《第一の実施形態》
図1は、ハンガーXの斜視図を表し、図2は、ハンガーXが使用されていないときの状態を示す斜視図を表している。
ハンガーXは、使用時に衣類が当接されるハンガー本体1と、ハンガー本体1を上部から吊り下げた状態で支持するフック部2と、を備えている。
【0030】
なお、本実施形態においてハンガー本体1は、線材等の細長部材を組み合わせることにより構成されており、例えば針金や、プラスチック等の素材が用いられる。また、それぞれの線材は、適切な箇所において接着剤や溶接によって接続されることを想定しているが、線材同士の接続方法はこれに限られず、線材同士を圧着する方法や、すべての線材が一体となるように射出成型されていてもよい。
【0031】
ハンガー本体1は、ハンガー本体1の側方に向かって延びる2本の掛部11を有している。
掛部11の中央部には、上部に向かって凸になるように屈曲部分111が設けられており、これにより掛部11は、略V字状となる。なお、屈曲部分111の角度は120-160°程度であることが望ましい。
【0032】
なお、掛部11の形状はV字状となることに限られず、上部から下部に向けて湾曲を有していてもよく、その湾曲の具合は吊り下げる衣類の形状に合わせて変更することが望ましい。
また、屈曲部分111は、掛部11の中途に複数設けられていてもよい。
【0033】
ハンガー本体1には、屈曲部分111の下部に、屈曲部分111が含まれない平面上に形成される閉曲線に沿って設けられる底部12を有しており、本実施形態において、底部12の形状は、略ひし形状の閉ループを形成するように設けられている。これにおいて、ひし形の頂点にあたる部分は、丸みを持つように形成されている。
以下、底部12を上面視してひし形とみた際に、長い方の対角線を長軸Axとし、短い方の対角線を短軸Ayとする。
【0034】
2つの掛部11は、底部12に、上面視した際にそれぞれが長軸Axに平行となり、かつ掛部11同士は、長軸Axに対して対称となるように設けられる。
【0035】
なお、2つの掛部11は、短軸Ayの方向に1~10cm程度離されて設けられており、掛部11を上面視した際の長さは、それぞれ長軸Axの長さよりも10%程度短い。
【0036】
また、掛部11の下端には、底部12が形成する面に対して垂直に突出する立ち上げ部13がそれぞれ設けられており、立ち上げ部13の端部と、底部12と、はそれぞれ結合されている。
【0037】
また、ハンガー本体1は、底部12において短軸Ayの両端にある頂点から、掛部11の屈曲部分111にかけて設けられる中掛部14を有する。
さらに、中掛部14の上端部は、それぞれ屈曲部分111と結合しており、2つの屈曲部分111の間には、屈曲部分111同士をかけ渡すかけ渡し部15が設けられている。
上記構成にすることによって、2つの掛部11の間の距離を一定に保ち、後述するフック部2の可動を円滑に行うことができるようになる。
【0038】
中掛部14は、その略中央部において中掛部14同士を渡設し、上部に向かって凸になるように設けられた略コの字状の引掛け部141を有する。
ここで、中掛部14の長さは、衣類Cの襟の長さよりも短いことが好ましい。
【0039】
引掛け部141は、中掛部14に沿うように結合して設けられた沿設部141aと、2つの沿設部141aを渡設する引掛け部本体141bと、によって構成されており、沿設部141aはその全体において、中掛部14と結合されている。
このように構成にすることによって、ハンガー本体1に結合される引掛け部141の強度を増加させることができる。
【0040】
また、中掛部14と、沿設部141aと、の間には、さらに沿設部141aと略同一形状である位置調整部141cが設けられていてもよい。
位置調整部141cは、フック部2が引掛け部141に引きかかる位置を、ハンガー本体1に対して垂直になるように調整し、これによってハンガー本体1が傾くことなく吊り下げられる。
【0041】
フック部2は、ハンガー本体1を吊り下げるためのフック本体21と、掛部11の軸を包囲して設けられる取付け部22と、引掛け部141に当接される掛け止め部23と、を有している。
【0042】
フック本体21は、フック部2の上部に設けられる鉤状の部材であり、物干し竿のような長物に引きかけることによって一時的に係止可能とする。
【0043】
図3は、取付け部22及び掛け止め部23の係止機構を表す説明図を示し、図4は、取付け部22及び掛け止め部23の機構の変更例を示しており、それぞれ短軸Ayの方向から見た断面図を表している。
【0044】
取付け部22は、掛け止め部23に連接して設けられる略長方形のループを形成する部材であって、ここにおいてフック部2がハンガー本体1に取り付けられる。
【0045】
また、取付け部22は、ハンガー本体1が有する2つの掛部11の軸を同時に包囲できるように設けられており、内周面と、掛部11との間には、図3に示すように隙間Vを有する。
このような構成によって、取付け部22は、掛部11の軸方向に対して摺動することができるようになり、さらに、前記した隙間Vの範囲内において、フック部2は、軸方向に向かって回倒可能になる。
逆に、フック部2を固定した際には、ハンガー本体1を摺動・回倒させることができる。
【0046】
図1の状態から、フック部2を摺動及び回倒させることによって、図2の状態のような状態にすることができる。これにおいて、取付け部22は立ち上げ部13に当接された状態でハンガー本体1を吊り下げる。
【0047】
なお、取付け部22には、単なる線材によって形成することに限られず、カラビナやシャックルなどの取り外し可能な部材を用いることも考えられる。
【0048】
掛け止め部23は、フック本体21の下方に設けられ、ハンガー本体1と当接することによってフック部2の摺動及び回倒を阻止し、フック部2を屈曲部分111に留める部分であり、中掛部14またはかけ渡し部15と当接する上掛け止め部231と、上掛け止め部231の下方に設けられ、引掛け部141と当接する下掛け止め部232と、によって構成されている。
【0049】
図1に示すように、上掛け止め部231は、フック本体21から二股に分かれ、かけ渡し部15と略同一幅になるまで広がり、そこから下部へ向かって伸びている。
なお、掛け止め部23は、2つの掛部11に挟み込まれるように設けられているが、二つの掛部11を挟み込むように設けられていてもよい。
【0050】
下掛け止め部232は、鉤状に形成されており、鉤を引掛け部141に係止させることにより、フック部2を一時的に固定する。
【0051】
また、図4に示すように、掛け止め部23の一部または全部を磁石によって形成し、鉄などの磁性部材で作られた引掛け部141に付着させることにより、係止させる構成にしてもよい。
【0052】
また、図5は、フック部2の変更例を表している。
【0053】
図5(a)に示す変更例では、フック部2が、フック本体21および掛け止め部23が略楕円状のループを形成する。
このような構成によって、フック部2の構造が単純になり、フック部2と引掛け部141との取り外しが行いやすくなる。
また、このような構成を採用するにあたっては、下掛け止め部232を係止させるための係止部を、引掛け部本体141b上に設けることが好ましい。
【0054】
図5(b)に示す変更例は、フック本体21と、掛け止め部23との間に回転部材Rを設け、上下方向を軸として相対回転可能にしたフック部2である。
回転部材Rには、ボールベアリングやそれに類似した部品が用いられることが想定される。
【0055】
以下、図面を用いて、本実施形態に係るハンガーXの使用方法について詳述する。なお、使用方法は以下に記載の方法に制限されず、その順番は前後してもよい。
また、ハンガーXは、衣類を乾燥させる目的をもつ使用者によって使用され、以下には、衣類の取り付け及び取り外しについての説明を行う。
【0056】
衣類CをハンガーXに取り付ける際は、使用者はまず、フック部2を図2に示す状態で、物干し竿などに係止する。
【0057】
次に、使用者は、衣類Cの襟部C1から肩部C2へかけて、ハンガー本体1を長軸Axの方向から入れ込む。
ここで、中掛部14の長さが襟部C1の最大幅よりも短く構成されていることによって、襟部C1を広げることなくハンガー本体1の全体を衣類Cに入れ込むことができる。
【0058】
ハンガー本体1を十分に入れ込んだ後、使用者は、フック部2を屈曲部分111の方向へ摺動させると同時に、ハンガー本体1の衣類Cに入れ込んでいない部分を襟部C1から入れ込み、衣類Cが対称的に取り付けられるように、ハンガー本体1の位置を調整する。
【0059】
次に、使用者は、ハンガー本体1をかけ渡し部15に向けて摺動及び回動させることによって、図3(a)に示すように、掛け止め部23を、かけ渡し部15と、引掛け部本体141bと、の間に入れ込む。
【0060】
次に、使用者は、図3(b)に示すように、上掛け止め部231と、引掛け部本体141bを当接させる。そして、このままハンガー本体1を下方へ略垂直に移動させることにより、引掛け部本体141bを下掛け止め部232に載せ置くことで係止する。
以上により、図6に示すように、衣類CをハンガーXに取り付けることができる。
【0061】
衣類Cをハンガーから取り外す際は、使用者は、ハンガー本体1の取り付けの際に先に入れたほうの肩部C2に下向きの力を加える。
【0062】
すると、下掛け止め部232による引掛け部141の係止が解かれ、ハンガー本体1が回倒し、さらに取付け部22が重力に従って摺動することによって、ハンガーXは図2のような状態となる。
図2の状態では、ハンガーXは衣類Cを吊り持つことができないため、衣類Cは自動的に取り外される。
【0063】
上記の構成によって、衣類を乾燥させるにあたって取り扱いが容易なハンガーXを提供することができる。
【0064】
また、掛部11を2本有し、ハンガーXが立体的に形成されていることによって、衣類Cを掛けた際に衣類Cの腹側と背側が当接されないため、空気に触れる表面積が増加し、衣類Cを早く乾かすことができるようになる。
【0065】
なお、かけ渡し部15の長さは、短軸Ayの長さよりも短くすることが望ましい。
このような構成にすることによって、ハンガーXの形状が略四角錐状になり、図7に示すように、複数のハンガーXを重ね合わせて置くことができるようになる。
なお、この状態で重ねて置く際には、フック部2は引掛け部141に係止させておくことが好ましい。
【0066】
なお、実施形態の使用時においてハンガー本体1は、引掛け部15と取付け部22が当接することによって吊り持たれているが、取付け部22と下掛け止め部232との間隔を狭めることで、引き掛部本体141bと下掛け止め部232とが当接することによってハンガー本体1を吊り持ってもよい。
【0067】
《第二の実施形態》
以下に、本発明の第二の実施形態におけるハンガーXについて説明を行う。
なお、本発明の第一の実施形態と同様の構成および使用方法については、同様の符号を用いて、説明を省略する。
【0068】
図8には、本実施形態に係るハンガーXの全体を表す斜視図を示す。
ハンガーXは、ハンガー本体1と、フック部2によって構成されている。
【0069】
ハンガー本体1は、二つの掛部11を有しており、その屈曲部分111には、屈曲部分111同士を連結する篏合部3が設けられている。なお、本実施形態において篏合部3は、中掛部14と連結している。
また、フック部2は、フック本体21と、取付け部22と、フック本体1と取り付け部22とを結合する掛け止め部23と、によって構成される。
【0070】
篏合部3は、使用時にフック部2を篏合する部材であって、下向きの凹部を有する上篏合部31と、上向きの凹部を有する下篏合部32と、使用時に掛け止め部23を篏合する掛け止め篏合部33と、を有する。
【0071】
上篏合部31と、下篏合部32と、の距離は、取り付け部22の高さよりも大きく、取付け部22をその間に篏合することができる。
また、上篏合部31の端部には、上向きに屈曲する突出部34が設けられており、上篏合部31の凹部の深さは、下篏合部32よりも浅い。このように構成することによって後述するフック部2の取り外しを容易に行うことができるようになる。
【0072】
掛け止め部23は、上篏合部32と、略同一の高さにおいて、略水平に設けられる凹部であって、使用時に掛け止め部23を凹部に篏合することによって、フック部2を支持する。
【0073】
以下、図9を用いて、本実施形態においてフック部2をハンガー本体1に取り外しする方法について説明を行う。
なお、図9は、ハンガー本体1の屈曲部分111の付近を拡大した断面を表す説明図である。
【0074】
まず、使用者は、フック部22を摺動・回転させることで、図9(a)に示すように、取付け部22の下端を、上篏合部31と下篏合部32との間に挿入する。この際、取付け部22の下端が下篏合部32に接触することが好ましい。
【0075】
次に、使用者は、取付け部22を回転させることによって、取付け部22の上端部を上篏合部31と下篏合部32との間に入れこみ、また、掛け止め篏合部33に掛け止め部23を篏合する。その後、図9(b)に示すようにフック部2を上部へ持ち上げる。これにより、フック部2がハンガー本体1に取り付けられる。
【0076】
また、使用者がフック部2をハンガー本体1から取り外す際には、取り付け部22の上端部が突出部34に向かうようにハンガー本体1またはフック部2を傾けることで、篏合部3から取付け部22を取り外す。
【0077】
上記の構成によって、ハンガー本体1とフック部2との取り外しがさらに容易なハンガーXを提供することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、ハンガー本体1の内部に積み重ねを阻害する部材がないため、収納性をより高めることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 ハンガー本体
11 掛部
111 屈曲部分
12 底部
13 立ち上げ部
14 中掛部
141 引掛け部
141a 沿設部
141b 引掛け部本体
141c 位置調整部
15 かけ渡し部
2 フック部
21 フック本体
22 取付け部
23 掛け止め部
231 上掛け止め部
232 下掛け止め部
3 篏合部
31 上篏合部
32 下篏合部
33 掛け止め篏合部
34 突出部
X ハンガー
R 回転部材
V 隙間
Ax 長軸
Ay 短軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9