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▶ 北原 耕二郎の特許一覧

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  • 特開-デンタルフロスホルダー 図1
  • 特開-デンタルフロスホルダー 図2
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  • 特開-デンタルフロスホルダー 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087657
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】デンタルフロスホルダー
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/04 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A61C15/04 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199717
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】501349620
【氏名又は名称】北原 耕二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】北原 耕二郎
(57)【要約】
【課題】フロス糸の種類やその緊張度合いを容易に変更することができ、且つユーザの作業性が良好なデンタルフロスホルダーを提供する。
【解決手段】本開示のデンタルフロスホルダーは、ユーザが握るための棒状の持ち手部と、デンタルフロスが係止されるヘッド部と、持ち手部の先端とヘッド部とを繋ぐくびれ部であって、該くびれ部と隣接する持ち手部及びヘッド部における接続部分に対して、該接続部分の幅方向及び/又は厚み方向において縮小するように形成されたくびれ部と、を備える。そして、ヘッド部の先端面には、該ヘッド部の厚み方向に延在する凹部が形成され、この凹部から長手方向に切り込み部が形成され、切り込み部がくびれ部まで延在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが握るための棒状の持ち手部と、
デンタルフロスが係止されるヘッド部と、
前記持ち手部の先端と前記ヘッド部とを繋ぐくびれ部であって、該くびれ部と隣接する前記持ち手部及び前記ヘッド部における接続部分に対して、該接続部分の幅方向及び/又は厚み方向において縮小するように形成されたくびれ部と、
を備え、
前記ヘッド部の先端面には、該ヘッド部の厚み方向に延在する凹部が形成され、
前記凹部から長手方向に切り込み部が形成され、
前記切り込み部が前記くびれ部まで延在する、
デンタルフロスホルダー。
【請求項2】
前記切り込み部は、前記凹部から前記くびれ部に向かって延在する途中に、所定の鋭角で該凹部の側に折り返されたエッジ部を有する、
請求項1に記載のデンタルフロスホルダー。
【請求項3】
前記切り込み部は、前記凹部から前記エッジ部までの区間において、該凹部から長手方向に延びる仮想線に対して所定の角度を有するように形成される、
請求項2に記載のデンタルフロスホルダー。
【請求項4】
前記持ち手部には、前記デンタルフロスを巻き付け可能に構成された糸巻き部が設けられる、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のデンタルフロスホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロス糸を自在に脱着可能なデンタルフロスホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、虫歯や歯周病を予防するために、口腔内清掃において、歯面清掃には歯ブラシを、歯間清掃にはデンタルフロスや歯間ブラシを、舌表面には舌専用の柔らかなゴム質の清掃具を使用することが知られている。そして、このような口腔内ケアは、予防医学の観点で重要であるが、各人の毎回行う口腔内ケアが歯ブラシによる歯面清掃に終始してしまっている場合が多い。デンタルフロスや歯間ブラシは、虫歯や歯周病の予防に有効であるにもかかわらず、例えば、デンタルフロスの使用法が難しかったり、面倒であったり、という事情により、普及が妨げられている傾向にある。
【0003】
ここで、現在市販されているデンタルフロスは、自らの指に巻きつけて使用する方式や、フロス糸とフロスホルダーが一体成形された使い捨て式等が主流になっている。
【0004】
そして、特許文献1には、歯の長さに応じ、歯肉を傷つけることがないように調節して、歯間を清掃することができる歯科用フロスホルダーが開示されている。この歯科用フロスホルダーでは、柄の先端の二股部の各頂部と二股部の外側面に溝が設けられ、二股部の外側面の溝にフロス糸が巻き付けられる。そうすると、該フロス糸が歯の先端と接触することで、二股部の頂部間に張設した歯間清掃用のフロス糸により歯肉が傷つけられる事態が抑制される。また、特許文献2には、糸を張り替え交換可能に構成された歯間掃除用糸楊枝が開示されている。当該技術では、本体の切り込み部分に交換用の糸をきつく巻き付けることにより、糸がたるまずに歯間を清掃することができるとともに、歯間掃除用の糸楊枝の糸を交換可能にし、繰り返し使える様にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願平5-35112号公報
【特許文献2】登録実用新案第3089827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フロス糸とフロスホルダーが一体成形された使い捨て式のデンタルフロスは、口腔内清掃において毎回の使用後に廃棄されることを考慮すると不経済である。また、歯間清掃中には、フロスホルダーに取り付けられたフロス糸の緊張を微調整することができず、無理に歯間部に挿入することで破損につながったり、歯肉を傷つけてしまう虞がある。ここで、特許文献1に記載の技術によれば、二股部の外側面の溝に巻き付けられたフロス糸によって、歯肉が傷つけられる事態が抑制されるものの、歯間清掃中にフロス糸の緊張を微調整することができない。また、特許文献2に記載の技術によれば、フロス糸が交換可能に構成されるものの、やはり、歯間清掃中にフロス糸の緊張を微調整することができず、歯間清掃におけるユーザの作業性が損なわれてしまう虞がある。
【0007】
一方、自らの指に巻きつけて使用する方式のデンタルフロスは、歯間清掃用フロス糸の種類やその緊張度合いを容易に変更できる反面、手の指を口腔内に入れる必要があり不衛生である。また、フロス糸を自らの指に巻きつけることによる指の痛みや、習熟に時間がかかること等が問題となり得る。
【0008】
本開示の目的は、フロス糸の種類やその緊張度合いを容易に変更することができ、且つユーザの作業性が良好なデンタルフロスホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のデンタルフロスホルダーは、ユーザが握るための棒状の持ち手部と、デンタルフロスが係止されるヘッド部と、前記持ち手部の先端と前記ヘッド部とを繋ぐくびれ部であって、該くびれ部と隣接する前記持ち手部及び前記ヘッド部における接続部分に対して、該接続部分の幅方向及び/又は厚み方向において縮小するように形成されたくびれ部と、を備える。そして、このデンタルフロスホルダーにおいて、前記ヘッド部の先端面には、該ヘッド部の厚み方向に延在する凹部が形成され、前記凹部から長手方向に切り込み部が形成され、前記切り込み部が前記くびれ部まで延在する。
【0010】
上記の構成によると、ユーザは、デンタルフロスの一方の端部をデンタルフロスホルダーに係止させ、他方の端部をつまんで歯間清掃を行うことができる、即ち、デンタルフロスを自らの指に巻きつけて使用する必要がないため、ユーザに指の痛みを与えることなく、容易にデンタルフロスの緊張度合いを変更しながら歯間清掃を行うことができる。また、このような歯間清掃によれば、例えば、デンタルフロスホルダーのヘッド部を口腔内に入れて、口腔外からデンタルフロスの自由端を指で引っ張って歯間清掃を行うことができ、手の指を口腔内に入れる必要がないため、衛生的である。ここで、本開示のデンタルフロスホルダーでは、ヘッド部に形成された切り込み部にデンタルフロスが通されるとともに、一度該切り込み部に通されたデンタルフロスがくびれ部に数回巻き付けられて、更に該デンタルフロスが切り込み部に通されることで、デンタルフロスがデンタルフロスホルダーのヘッド部に係止される。そして、このようなくびれ部が設けられることで、一度切り込み部に通したデンタルフロスを定位置で巻き付けることができる。更に、切り込み部がくびれ部まで延在することで、ユーザによってデンタルフロスの自由端が引っ張られるとくびれ部に巻き付けられたデンタルフロスにも張力が生じ、くびれ部に巻き付けられたデンタルフロスによって切り込み部が締められ、該切り込み部に通されたデンタルフロスがデンタルフロスホルダーにしっかりと固定されることになる。これにより、デンタルフロスホルダーを用いて歯間清掃を行う際の、ユーザの作業性が良好にされる。
【0011】
なお、本開示のデンタルフロスホルダーでは、上記の構成において、前記切り込み部は、前記凹部から前記くびれ部に向かって延在する途中に、所定の鋭角で該凹部の側に折り返されたエッジ部を有してもよい。そして、このとき、前記切り込み部は、前記凹部から前記エッジ部までの区間において、該凹部から長手方向に延びる仮想線に対して所定の角度を有するように形成されてもよい。
【0012】
また、本開示のデンタルフロスホルダーでは、上記の構成において、前記持ち手部に、前記デンタルフロスを巻き付け可能に構成された糸巻き部が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、フロス糸の種類やその緊張度合いを容易に変更することができ、且つユーザの作業性が良好なデンタルフロスホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるデンタルフロスホルダーの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態におけるデンタルフロスホルダーの使用状態を説明するための図である。
図3】第1実施形態におけるデンタルフロスホルダーにおける切り込み部の詳細を説明するための図である。
図4】デンタルフロスホルダーへのデンタルフロスの係止手順を説明するための図である。
図5】デンタルフロスホルダーからのデンタルフロスの取り外しを説明するための図である。
図6】デンタルフロスホルダーに係止されたデンタルフロスの自由端の収納を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0016】
<第1実施形態>
第1実施形態におけるデンタルフロスホルダーの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるデンタルフロスホルダーの概略構成を示す図である。本実施形態に係るデンタルフロスホルダー100は、ユーザが握るための棒状の持ち手部10と、デンタルフロスが係止されるヘッド部20と、持ち手部10の先端とヘッド部20とを繋ぐくびれ部30と、を備える。ここで、本実施形態のデンタルフロスホルダー100では、持ち手部10、ヘッド部20、およびくびれ部30が一体に形成される。そして、これらは、合成樹脂やシリコン等の材料で形成することができ、その表面に抗菌処理が施されてもよい。
【0017】
持ち手部10は、ユーザがデンタルフロスホルダー100と該ホルダーに係止されたデンタルフロスとを用いて歯間清掃を行う際に、該ユーザによって握られる部分である。本実施形態では、持ち手部10に指サポート部11が設けられる。この指サポート部11は、歯間清掃の際にユーザが指を置けるように設計されたものであって、ユーザがデンタルフロスホルダー100を抑え込み易いように、丸みを帯びた凸形状に形成されている。また、持ち手部10には、後述する糸巻き部12が設けられてもよい。
【0018】
ヘッド部20は、デンタルフロスホルダー100において、デンタルフロスが係止される部分であって、ヘッド部20の先端面には、該ヘッド部20の厚み方向に延在する凹部21が形成される。本実施形態では、図1に示すように、略円形の頂に凹部21が形成されることで、ヘッド部20がハート形状にされている。また、ヘッド部20には、この凹部21から長手方向に切り込み部22が形成される。
【0019】
くびれ部30は、隣接する持ち手部10及びヘッド部20における接続部分に対して、該接続部分の幅方向及び/又は厚み方向において縮小するように形成される。本実施形態では、図1に示すように、くびれ部30が幅方向に縮小するように形成される。ただし、これに限定する意図はなく、後述するようにヘッド部20の切り込み部22に通されたデンタルフロスを定位置で巻き付け可能な形状であれば、くびれ部30が厚み方向に縮小するように形成されてもよいし、くびれ部30が幅方向および厚み方向に縮小するように形成されてもよい。
【0020】
そして、ユーザは、このようなデンタルフロスホルダー100のヘッド部20に形成された切り込み部22にデンタルフロスを通すとともに、一度該切り込み部22に通したデンタルフロスをくびれ部30に数回巻き付けて、更に該デンタルフロスを切り込み部22に通すことで、デンタルフロスをデンタルフロスホルダー100のヘッド部20に係止することができる。ここで、図2は、本実施形態におけるデンタルフロスホルダー100の使用状態を説明するための図である。ユーザは、上述したようにデンタルフロスホルダー100へデンタルフロスを係止させた状態で、該デンタルフロスにおいて自由端となっている一方の端部を指でつまんでデンタルフロスに張力を与えて、歯間清掃を行うことができる。なお、上述したような、デンタルフロスホルダー100へのデンタルフロスの係止手順は、後述する図4で詳しく説明する。
【0021】
本実施形態のデンタルフロスホルダー100を用いた、このような歯間清掃によれば、例えば、デンタルフロスホルダー100のヘッド部20を口腔内に入れて、口腔外からデンタルフロスの自由端を指で引っ張って歯間清掃を行うことができる。この場合、手の指を口腔内に入れる必要がなく、衛生的である(デンタルフロスホルダー100の表面に抗菌処理が施される場合には、より衛生的である。)。更に、本実施形態のデンタルフロスホルダー100では、ヘッド部20がハート形状にされている、つまり、ヘッド部20が丸みを帯びて形成されているため、デンタルフロスホルダー100を口腔内に入れたとしてもヘッド部20によって口腔が傷つけられてしまう事態が可及的に抑制される。また、従来の自らの指に巻きつけて使用する方式のデンタルフロスとは異なり、ユーザは、デンタルフロスの一方の端部をデンタルフロスホルダー100に係止させ、他方の端部をつまんで歯間清掃を行うことができる、即ち、デンタルフロスを自らの指に巻きつけて使用する必要がないため、ユーザに指の痛みを与えてしまう事態が可及的に抑制される。なお、このような歯間清掃によれば、デンタルフロスの緊張度合いを容易に変更できることは当然である。
【0022】
そして、本開示のデンタルフロスホルダーによれば、切り込み部22がくびれ部30まで延在する。これによる効果について、以下に詳しく説明する。上述したように、デンタルフロスがデンタルフロスホルダー100のヘッド部20に形成された切り込み部22に通されることで、該デンタルフロスがデンタルフロスホルダー100に係止される。ここで、仮にこの切り込み部22(デンタルフロスが通された隙間)が締められない場合(隙間が空いたままの場合)には、歯間清掃の際にユーザによってデンタルフロスの自由端が引っ張られると、該デンタルフロスが切り込み部22から抜けてしまう虞がある。一方で、切り込み部22がくびれ部30まで延在し、更に図2に示されるように、一度切り込み部22に通したデンタルフロスがくびれ部30に数回巻き付けられる場合には、歯間清掃の際にユーザによってデンタルフロスの自由端が引っ張られると、くびれ部30に巻き付けられたデンタルフロスにも張力が生じることになる。その結果、くびれ部30に巻き付けられたデンタルフロスによって切り込み部22が締められ、該切り込み部22に通されたデンタルフロスがデンタルフロスホルダー100にしっかりと固定される。このように、くびれ部30が設けられることで、一度切り込み部22に通したデンタルフロスを定位置で巻き付けることができ、更に、切り込み部22がくびれ部30まで延在することで、該デンタルフロスによって切り込み部22を確実に締めることができる。これにより、デンタルフロスホルダー100を用いて歯間清掃を行う際の、ユーザの作業性が良好にされる。
【0023】
ここで、本実施形態のデンタルフロスホルダー100では、切り込み部22が、凹部21からくびれ部30に向かって延在する途中に、所定の鋭角で該凹部21の側に折り返されたエッジ部23を有していてもよい。そして、このような構成において、切り込み部22は、凹部21からエッジ部23までの区間において、該凹部21から長手方向に延びる仮想線に対して所定の角度を有するように形成されてもよい。これについて、図3に基づいて説明する。
【0024】
図3は、本実施形態におけるデンタルフロスホルダー100における切り込み部22の詳細を説明するための図である。図3に示すように、エッジ部23は、凹部21から延在する切り込み部22に対して、鋭角である角度αで該凹部21の側に折り返されている。そうすると、ユーザによって、デンタルフロスが凹部21の側から切り込み部22に通される際に、該デンタルフロスがエッジ部23によって止められることになる。詳しくは、ユーザが、デンタルフロスを凹部21の側から切り込み部22に沿って長手方向に通していくと、エッジ部23で切り込み部22が凹部21の側に折り返されているため、ユーザは、それ以上長手方向にデンタルフロスを通し難くなる。これによれば、歯間清掃に好適な位置でデンタルフロスをデンタルフロスホルダー100に固定することができ、以て、ユーザの作業性が向上する。なお、このようなエッジ部23は、例えば、凹部21から5~7mmの位置に形成される。
【0025】
また、図3に示すように、切り込み部22は、凹部21からエッジ部23までの区間において、該凹部21から長手方向に延びる仮想線Lに対して角度βを有している。これによれば、ユーザがデンタルフロスホルダー100を用いて歯間清掃を行う際に、切り込み部22に通されたデンタルフロスが該切り込み部22から外れ難くなる。
【0026】
次に、デンタルフロスホルダー100へのデンタルフロスの係止手順について説明する。図4は、デンタルフロスホルダー100へのデンタルフロスの係止手順を説明するための図である。先ず、図4(a)に示すように、デンタルフロスホルダー100のヘッド部20に形成された切り込み部22にデンタルフロスが通される。ここで、ユーザによって、デンタルフロスが凹部21の側から切り込み部22に通される際に、この凹部21が形成されていることで、デンタルフロスが切り込み部22に導入され易くなる。そして、図4(b)に示すように、一度切り込み部22に通されたデンタルフロスが、くびれ部30に数回巻き付けられる。そして、図4(c)に示すように、くびれ部30に数回巻き付けられたデンタルフロスが、再度切り込み部22に通されることで、該デンタルフロスがデンタルフロスホルダー100のヘッド部20に係止されることになる。そして、このようにヘッド部20に係止されたデンタルフロスは、歯間清掃の際にユーザによって、自由端がデンタルフロスホルダー100の長手方向に対して略垂直方向に引っ張られると、くびれ部30に巻き付けられたデンタルフロスに張力が生じ、くびれ部30に巻き付けられたデンタルフロスによって切り込み部22が締められ、該切り込み部22に通されたデンタルフロスがデンタルフロスホルダー100にしっかりと固定されることになる。
【0027】
そして、本開示のデンタルフロスホルダーによれば、デンタルフロスが容易に交換され得る。これについて、図5に基づいて説明する。図5は、デンタルフロスホルダー100からのデンタルフロスの取り外しを説明するための図である。本実施形態におけるデンタルフロスホルダー100では、デンタルフロスの自由端が長手方向に対して略垂直方向に引っ張られると、該デンタルフロスがデンタルフロスホルダー100にしっかりと固定されるのに対して、図5に示すように、デンタルフロスの自由端が長手方向に引っ張られると、切り込み部22によるデンタルフロスの拘束が解かれるため、比較的簡単にデンタルフロスホルダー100からデンタルフロスを取り外すことができる。これによれば、良好な作業性でデンタルフロスの種類を交換することができ、また、使用の度にデンタルフロスのみを交換すればよいので、衛生的且つ経済的である。
【0028】
なお、持ち手部10には、デンタルフロスを巻き付け可能に構成された糸巻き部12が設けられてもよい。ここで、図6は、デンタルフロスホルダー100に係止されたデンタルフロスの自由端の収納を説明するための図である。本実施形態では、図6に示すように、デンタルフロスの自由端が糸巻き部12に巻き付けられることで、デンタルフロスが収納されてもよい。これによれば、例えば、次回の使用に備えて、予めデンタルフロスをデンタルフロスホルダー100に装着しておくような場合に、デンタルフロスの自由端が糸巻き部12に収納されることなり、デンタルフロスを衛生的に保つことができる。
【0029】
以上に述べたデンタルフロスホルダー100によれば、フロス糸の種類やその緊張度合いを容易に変更することができ、且つユーザの作業性を良好にすることができる。
【0030】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、上記の実施形態で述べたデンタルフロスホルダー100は、歯ブラシと同様の大きさで形成されてもよい。これによれば、デンタルフロスホルダー100を周知の歯ブラシケースに入れて保管することができる。
【符号の説明】
【0031】
10・・・・持ち手部
20・・・・ヘッド部
21・・・・凹部
22・・・・切り込み部
30・・・・くびれ部
100・・・デンタルフロスホルダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6