(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087706
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】錠剤分割装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199799
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】PHCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】近江 将
(72)【発明者】
【氏名】正木 寿和
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ12
4C047JJ21
4C047JJ31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】錠剤を円滑に切断し、排出できる錠剤分割装置を提供する。
【解決手段】フィーダから供給された錠剤を載置可能であり、前記錠剤を載置する載置位置、前記錠剤を排出する排出位置、及び、前記錠剤を載置しつつ前記フィーダから供給される錠剤との干渉を避ける保持位置、の間を移動する載置部材と、前記載置位置にある前記載置部材が載置する前記錠剤を切断する切刃と、を備える錠剤分割装置。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダから供給された錠剤を載置可能であり、前記錠剤を載置する載置位置、前記錠剤を排出する排出位置、及び、前記錠剤を載置しつつ前記フィーダから供給される錠剤との干渉を避ける保持位置、の間を移動する載置部材と、
前記載置位置にある前記載置部材が載置する前記錠剤を切断する切刃と、
を備える錠剤分割装置。
【請求項2】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記錠剤を切断せずに排出する全錠排出と、前記錠剤の切断片を排出する加工排出と、の種別を有する調剤条件を取得する処理と、
前記載置部材を、前記錠剤の調剤条件に応じて、前記載置位置、前記排出位置、及び前記保持位置の間で移動させる処理と、を実行する、請求項1に記載の錠剤分割装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記調剤条件が前記全錠排出のとき、前記載置部材を前記保持位置または前記排出位置に配置して、前記フィーダから供給された前記錠剤を加工せずに排出する処理を実行する、請求項2に記載の錠剤分割装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記調剤条件が前記加工排出のとき、
前記載置部材を前記載置位置から前記排出位置に移動させて、前記切断片を排出する処理を実行する、請求項2または3に記載の錠剤分割装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記調剤条件に応じて、
前記切刃を、前記錠剤を切断する切断位置と、前記錠剤から離隔する後退位置との間で移動させる、請求項2から5のいずれか1項に記載の錠剤分割装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記調剤条件が前記加工排出のとき、
前記載置部材に載置された前記錠剤が無い場合、
前記切刃を前記切断位置に配置して前記載置部材に載置された前記錠剤を切断する処理と、
前記載置部材を前記排出位置に配置して前記切断片を排出する処理と、を実行する、請求項5に記載の錠剤分割装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記調剤条件が前記加工排出のとき、
前記切刃に載置された前記切断片がある場合、
前記切刃を前記後退位置に配置して前記切断片を排出する処理と、を実行する、請求項5に記載の錠剤分割装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記調剤条件が前記全錠排出のとき、
前記切刃を前記後退位置に配置し、前記フィーダから供給された前記錠剤を加工せずに排出する処理を実行する請求項5に記載の錠剤分割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤分割装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤を分割するための錠剤分割装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る錠剤分割装置は、分割刃を用いて錠剤を分割する機能を備えている。しかし、分割後の錠剤を斜面に滑落させて排出するため、排出時に錠剤が散らばったり、錠剤が排出口に詰まったりする虞があった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、錠剤を円滑に排出可能な錠剤分割装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フィーダから供給された錠剤を載置可能であり、前記錠剤を載置する載置位置、前記錠剤を排出する排出位置、及び、前記錠剤を載置しつつ前記フィーダから供給される錠剤との干渉を避ける保持位置、の間を移動する載置部材と、前記載置位置にある前記載置部材が載置する前記錠剤を切断する切刃と、を備える錠剤分割装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、錠剤を円滑に排出可能な錠剤分割装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における、薬品包装システムおよび錠剤分割装置の斜視図である。
【
図2】薬品包装システムおよび錠剤分割装置の正面図である。
【
図4】棚の斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図5】棚を上方から視た斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図6】棚を下方から視た斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図7】打突ユニットの斜視図であり、筐体の一部を省略して内部を図示している。
【
図8】打突ユニットの筐体内部を示す斜視図である。
【
図9】打突ユニットの筐体内部を示す斜視図である。
【
図10】棒部及び端部を示す斜視図であり、コイルバネを省略して示す。
【
図11】切断ユニットの斜視図であり、筐体の一部を省略して内部を図示している。
【
図12】切断ユニットのうち、フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図である。
【
図13】切断ユニットのうち、フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図である。
【
図14】フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図であり、フィーダの筐体を省略して示す。
【
図15】フィーダ、及び案内図の斜視図であり、フィーダの筐体を省略して示す。
【
図16A】載置部の斜視図であり、シャッタが載置位置に在る状態を示す。
【
図16B】載置部の斜視図であり、シャッタが排出位置に在る状態を示す。
【
図16C】載置部の斜視図であり、シャッタが保持位置に在る状態を示す。
【
図17】載置位置、排出位置、及び保持位置にあるシャッタと、錠剤及び開口との関係を示す概略図である。
【
図19】載置部において、錠剤を載置した部分を拡大して示した図である。
【
図20】載置部において、錠剤を載置した部分を拡大して示した図である。
【
図21】切断部と、切断部が装着された切断ユニットの筐体内部と、一部の部材を省略した状態で示す斜視図である。
【
図26】本実施形態において制御部が実行する調剤処理を示すフローチャートである。
【
図27】調剤処理の条件と制御部が実行する制御の詳細との関係を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1つの実施形態である薬品包装システム10および錠剤分割装置100を、添付図面を参照して説明する。
【0010】
なお、以下の説明において、
図1に図示するように薬品包装システム10および錠剤分割装置100における、X、Y、Zの方向軸を定める。また、X軸において、矢印の指示する方向をプラス方向として「+X方向」と示し、その反対方向を「-X方向」として示す。また、Y軸、Z軸においても同様に、+Y、-Y、+Z、-Zの各方向を規定する。取り外し可能な部材、部位などについては、薬品包装システム10に装着された状態を基準として、方向を規定し説明を行う。
【0011】
X軸、Z軸は、それぞれ水平に延びる軸である。X軸は、錠剤分割装置100の前後に延びる軸であり、+X方向を前方向、-X方向を後方向と呼ぶ場合がある。また、Z軸は錠剤分割装置100の左右に延びる軸であり、Z軸の延びる方向を左右方向と呼ぶ場合がある。Y軸は、上下に延びる軸であり、+Y方向を上方向、-Y方向を下方向などと呼ぶ場合がある。
【0012】
<概要>
図1、
図2を参照しつつ、薬品包装システム10について、以下のとおり説明する。
図1は、本実施形態に係る薬品包装システム10の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る薬品包装システム10の各棚25の扉パネル23を取り外し、下パネル22Aを開放した状態の正面図である。
【0013】
薬品包装システム10は、錠剤分割装置100から払出された所望の錠剤1を包装紙36に包装する装置である。
図1、
図2に示すように、薬品包装システム10は、本体20を含んで構成され、矩形状の本体20は、上部構造体21と下部構造体22とを有して構成されている。本実施形態において、本体20は、下部構造体22上に上部構造体21が積層されて連結された構造とする。
【0014】
錠剤1は、例えば、粉末あるいは結晶性の医薬品を略円筒形状に成形して固めた錠剤である。錠剤1は、そのほか、丸剤、坐剤、トローチ剤などであっても良い。
【0015】
上部構造体21内には、後述する錠剤分割装置100を収納するためにケース収納部21Aを備え、ケース収納部21Aの天面は、着脱可能な天板21Bで閉塞されている。
【0016】
図1、
図2に示すように、上部構造体21のケース収納部21A内には、例えば、棚25が、左右方向に4列配列され、上下方向に5段配列され、合計20個配設されている。各棚25の前端には扉パネル23が取り付けられ、全ての棚25がケース収納部21A内に収納された状態で、各扉パネル23が上部構造体21の前面開口を閉塞する。
【0017】
下部構造体22は、上面において上部構造体21と連通する。
図2に示すように、下部構造体22内には、後述する包装機構30が収納設置されている。また、前面の開口は観音開き式の下パネル22Aにより開閉自在に閉塞されている。
【0018】
棚25には、
図1に示すように、その中央に上下方向(高さ方向)に開放した通路24が前後方向に渡って形成されており、例えば、この通路24を挟む左右両側に、錠剤分割装置100が前後方向に並設して取り付けられている。錠剤分割装置100については、詳細に後述する。
【0019】
棚25の下部には、下壁25Aが設けられ、この下壁25Aには、通路24と連通した連通孔24Aが形成されている。連通孔24Aは、錠剤分割装置100から排出された錠剤1を通過させて、通路24へ案内する機能を有する(
図4)。
【0020】
図2に示すように、包装機構30は、錠剤1を包装する機能を有し、プリンタ31、ホッパー32、ホッパー32の下端部に取り付けられたノズル33、ロール35、包装紙36、分包された錠剤を下パネル22Aに設けられた取出口22Cまで搬送するコンベア39を含む。
【0021】
包装紙36は、帯状に形成された包装紙36を、帯の延伸方向に沿って谷折りで半分に折り返した状態でロール35に巻回されており、谷折りされた包装紙36によって形成される、相対する2つの面がノズル33を両側から挟むように包装機構30に装着される。そして、包装紙36は、不図示のローラによってロール35から引き出された後、プリンタ31により表面に印字が成される。
【0022】
そして、ノズル33から払出される錠剤1が包装紙36内に投入され、包装紙36は一包毎に区画される。区画されて分包化された包装紙36は、不図示のカッターで切断され、コンベア39によって本体20の正面に設けられている取出口22Cに搬送される。
【0023】
錠剤分割装置100は、打突ユニット200及び切断ユニット300の2つのユニットを有し、切断ユニット300は、棚25に対して着脱可能に設置される(
図3、
図4)。
【0024】
<駆動ベース>
駆動ベース50は、大部分が下壁25Aの下方に配置された、切断ユニット300へ駆動力を供給する機構である。駆動ベース50は、
図4~
図6に示すように、軸511、傘歯車512、傘歯車513、軸514、ギア515、モータ521、軸522、傘歯車523、524、及びギア525を備える。
【0025】
なお、
図5は、棚25を斜め上方から見た図面であり、棚25の下壁を透視した状態で描画することにより、駆動ベース50の配置を視認可能としている。また
図6は、棚25を下方から見た図面であり、棚25の下壁を透視した状態で描画し、下壁25A上方に設けられたギア515なども視認できるようにしている。
【0026】
軸511は、X軸方向に延びるように支持され、不図示のモータによって回転駆動される軸である。軸511の+X方向の端部には傘歯車512が固定される。
【0027】
軸514は、Y軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、下壁25Aを上下に貫通するように設けられる。軸514の上端部は、下壁25Aから上方に突出しており、下端部には傘歯車513が固定される。傘歯車513は、傘歯車512と噛み合っており(以下、噛合ともいう)、これらの2つの歯車により、軸511の回転は、方向を90度変えて軸514に伝達される。
【0028】
ギア515は、軸514の上端部に固定された歯車であり、下壁25Aの上方に配置される。ギア515は、軸514の回転駆動を切断ユニット300へ伝達する機能を有する。
【0029】
軸522はY軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、下壁25Aを上下に貫通するように設置される。軸522の下端部には、傘歯車524が固定される。傘歯車524は、モータ521によって回転される傘歯車523と噛合する。このように軸522には、2つの傘歯車523、524を介してモータ521からの回転駆動が伝達される。
【0030】
軸522の上端部にはギア525が固定される。ギア525は、回転を切断ユニット300に対して伝達する機能を有する。
【0031】
上述のように駆動ベース50は、軸514と軸522の2つの系統を用いて切断ユニット300に駆動力を供給する。
【0032】
<打突ユニット>
打突ユニット200は、略立方体形状に形成された装置ユニットであり、切断ユニット300に対して、動力を与える機能を有する(
図4)。
【0033】
打突ユニット200は、
図7~
図10に示すように、モータ201、ギア202、ギア203、Y軸(上下)に延びる軸部204、カム205及び打突部210を備える。
【0034】
モータ201は、ギア202などを介して、打突部210に駆動力を伝達する機能を備える。モータ201の出力軸端部には、ギア202が固定される。
【0035】
ギア203は、ギア202と係合するギアであり、軸部204の上端部に固定される。ギア203の歯数は、ギア202よりも多く、ギア202から伝達された回転を減速させて、軸部204へ伝達する機能を有する。
【0036】
カム205は、Y軸方向に軸が延びる円筒形状の部材である。また、カム205は、軸部204の下端部において、軸部204の軸心から離れた位置に固定された偏心カムである。カム205は、軸部204から伝達された駆動力を打突部210へ伝達する機能を有する。
【0037】
打突部210は、
図7に示すように、板部211、棒部212、端部213、コイルバネ214、コイルバネ215、及び支持板216を有する。
【0038】
板部211は、Y軸方向及びZ軸方向に延びる平板部材であり、中央部において棒部212を固定する(
図8、
図9)。板部211は、上端部において係合部211Aを形成する。係合部211Aは、カム205と係合可能な部位であり、カム205との係合および係合解除を繰り返すことにより、カム205の回転運動をX軸方向の往復運動に変換する機能を有する。
【0039】
棒部212は、X軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、+X方向端部において、当接部212Aを設けている。当接部212Aは、端部213と当接可能な部位であるが、打突時(後述)を除き、端部213からX軸方向に離れている(
図10)。棒部212の-X方向端部は、支持板216に摺動可能に支持される。また棒部212の中央部は、板部211に固定されており、板部211によって-X方向に駆動される。
【0040】
端部213は、略円筒形状の部材であり、コイルバネ215を介して棒部212と接続する。
【0041】
コイルバネ215の-X方向の端部は棒部212に固定される。またコイルバネ215の+X方向の端部は、端部213を固定する。コイルバネ215は、打突時(後述)以外において、端部213が当接部212Aから離間した状態を維持するように、端部213を支持する(
図10)。
【0042】
支持板216の下端部は、打突ユニット200の筐体に固定される。支持板216の中央部には円形の開口部が形成され、棒部212が挿通される。支持板216は、この開口部を介して、棒部212を摺動可能に支持する。
【0043】
コイルバネ214は、棒部212の周囲に配置されるとともに、板部211と支持板216との間に狭持される。コイルバネ214は、板部211を+X方向に付勢する機能を有する。コイルバネ214の生じる付勢力はコイルバネ215の付勢力より大きくなるように設定される。コイルバネ214は、大きな付勢力を、板部211及びこれに支持される棒部212に与え、駆動する機能を有する。
【0044】
<切断ユニット>
切断ユニット300は、フィーダ310、案内部320、載置部330、及び切断部350を有する(
図11、
図12)。切断ユニットは、略立方体形状の筐体301を有している。フィーダ310、案内部320、載置部330、及び切断部350は、筐体301に装着、支持される。
【0045】
切断ユニット300は、薬品包装システム10の棚25に配置される。切断ユニット300は、錠剤1を収容する収容箱であり、錠剤1を切断し、半分に分割された半錠の形状で払出す機能を有する。
【0046】
(フィーダ)
フィーダ310は、筐体311、回転部312、及びブラシ313を有する(
図12~
図15)。
【0047】
筐体311は、フィーダ310の外殻を形成する部材であり、側板311B及び底板311Cを有する。筐体311の内部には、錠剤1を保管する収容室311Aが形成される(
図12、
図13)。
【0048】
底板311Cは、上方視で略円形の板材であり、側板311Bの下端部に固定される(
図14、
図15)。底板311Cの上方には、回転部312が回転可能に支持される。底板311Cの-X方向の端部には切り欠き311Dが形成される。
【0049】
回転部312は、
図14、
図15などに示すように、略円柱形状の部材であり、上下に延びる中心軸312Aを持つ。回転部312は、外周部には上下に延びる複数の溝部312Bが形成されている。回転部312は、不図示のギアを介してギア525から駆動力を受け取り、中心軸312Aを中心に回転することが可能である。それぞれの溝部312Bは、回転部312の上端から下端まで切られており、収容室311Aに収容される錠剤1を、下方に案内する機能を有する。
【0050】
ブラシ313は、筐体311の内側面において固定された、X軸方向に伸びる毛である(
図14、
図15)。ブラシ313は、複数本がZ軸方向に並ぶように設けられ、溝部312Bを塞ぐことができる。ブラシ313は、溝部312Bを塞ぐことにより、ブラシ313の上方にある錠剤1が下方に落下することを防止する。このように、ブラシ313は、溝部312Bから錠剤1が1錠ずつ下方に案内されるように制御することができる。
【0051】
(案内部)
案内部320は、フィーダ310の下方に設けられる(
図15)。案内部320は、フィーダ310から払い出された錠剤1を下方に案内する機能を有する機構であり、センサ321及び案内壁322を備える。
【0052】
案内壁322は、上下かつZ軸方向に延びる壁であり、切り欠き311Dの下方に設けられる。案内壁322とセンサ321との間には、略矩形の開口320Aが形成される。開口320Aは、上下に連通する開口であり、フィーダ310から払い出された錠剤1を下方の載置部330へ案内する機能を有する。
【0053】
センサ321は、上方視で略矩形に形成されており、中央部には上下に貫通する矩形の貫通孔が形成されている。センサ321は、案内壁322を囲むように取り付けられており、開口320Aを通過する錠剤1を検知する機能を有する。
【0054】
(載置部)
載置部330は、
図16~
図20に示すように、案内部320の下方に設けられ、案内部320を通過した錠剤1を受けて、載置する機能を有する。載置部330は、シャッタ331、ねじりコイルバネ332、前壁333、軸334、バネ335、ギア336、セムスビス337、イモネジ338及びネジ339を備える。
【0055】
シャッタ331は水平方向に延びる部材であり、中央部331Aと、一端部331Cと、溝形に形成された他端部331Bとを備える。一端部331Cは上方に折れ曲がるように形成され、軸334と係合して水平方向の駆動力を受け取ることができる。中央部331Aは、軸334及びバネ335に支持されるとともに、軸334が上下に挿通される貫通孔が形成される。
図16及び
図17に示すように、シャッタ331は、軸334を中心に水平に回動し、載置位置P1(
図16A)と排出位置P2(
図16B)と保持位置P3(
図16C)との間を回動することができる。詳細には、シャッタ331は載置位置P1において錠剤1を載置し、排出位置P2に移動することによって錠剤1を下方に排出し、保持位置P3に移動することによってシャッタ331に載置された錠剤1が排出されないように保持することができる。
【0056】
他端部331Bは、シャッタ331が載置位置P1に有る状態において、錠剤1を載置することができる。シャッタ331の中央部331Aには雌ネジを設けており、ネジ339がネジ作用により結合している(
図18)。ネジ339の端部は軸334に当接し、これによりシャッタ331は軸334に固定される。そのため軸334は、自身が回転することにより、シャッタ331を回動させることができる。
【0057】
シャッタ331が保持位置P3または排出位置P2に位置する場合、開口351Fの全部または一部が開放され、フィーダ310から払い出さる錠剤1がそのまま開口351F(後述)を通過して、錠剤分割装置100の外へ排出される状態にできる。この詳細については後述する。
【0058】
ねじりコイルバネ332は、シャッタ331の上方に固定される。ねじりコイルバネ332の下端部は斜め下方に向いており、シャッタ331に載置された錠剤1を、-X方向に向けて押圧することができる(
図19、
図20)。
【0059】
前壁333は、シャッタ331の上方、かつ案内壁322の下方に配置される(
図16A~16C)。前壁333は、上下方向かつ、Z軸方向に延びる板状の部材であり、案内壁322から下方に落下する錠剤1をシャッタ331の他端部331Bに向けて案内する機能を有する。
【0060】
軸334は、上下方向に延びる略円柱形状の部材であり、シャッタ331を、水平方向に移動不能とするように支持する。軸334は、下方に折れ曲がって形成される上端部334A、及び下端部334Cを有する(
図18)。
【0061】
上端部334Aは、シャッタ331の上部と係合してシャッタ331との回転方向への動作を同期する。
【0062】
下端部334Cには雌ネジが切られており、セムスビス337とネジ作用により結合(以下、螺合ともいう)する。
【0063】
バネ335は、軸334の周囲に配置され、筐体301とシャッタ331との間に配置されるコイルバネである。バネ335の下端部は、筐体301に当接する。バネ335の上端部は、シャッタ331の中央部331Aと当接しており、シャッタ331を上方向に付勢して支持する。
【0064】
ギア336は、筐体301の下方において、軸334の下端部に固定された歯車である。ギア336は、ギア515と係合し、駆動ベース50から回転駆動を受け取ることができる。ギア336は、ギア515から駆動力を受け取って自身が回転することにより、軸334を介してシャッタ331を回動させることができる。ギア336の上下方向中央部には雌ネジが切られており、イモネジ338とネジ作用により螺合する。
【0065】
イモネジ338は、ギア336に螺合するネジである。イモネジ338の端部は、軸334と当接して押圧することにより、ギア336を軸334に固定することができる。そのため作業者は、イモネジ338を締め付けることにより、ギア336を軸334に固定させ、イモネジ338を緩めることによりギア336と軸334とが互いに固定された状態を解除できる。
【0066】
セムスビス337は、軸334の下端部に螺合するネジである。セムスビス337の頭部は、ギア336の下端部と係合し、当接した状態に維持される。作業者は、セムスビス337を回転させて軸334との螺合の程度を調整することにより、軸334のギア336に対する上下の相対位置を調整することができる。なお、セムスビス337及び軸334のネジのピッチにより、セムスビス337の回転と軸334のギア336に対する移動距離は予め把握することができる。例えば、セムスビス337が1回転する度に、軸334はギア336に対して1ミリメートル上下に移動するように設定し、位置調整を簡便にすることも可能である。
【0067】
(切断部)
切断部350は、
図21~
図24に示すように、筐体351、移動部352、シャフト353A、353B、バネ354A、354B、当接部355、切刃ユニット356、取付ネジ357、360、押さえ部材358、及び、固定刃359を備える。切断部350は、不図示のネジ等により、筐体301に対して、取り外し可能に装着される(
図11)。装着された状態において、切断部350は、案内部320の下方、かつ、載置部330のシャッタ331の上方に配置される。以下では、切断部350が筐体301に装着された状態を基準として、部材の位置、方向などを説明する。
【0068】
筐体351は略立方体形状に形成され、側壁351A、351B、後壁351C、及び前部351Eを備える(
図21など)。
【0069】
側壁351A、351Bは、それぞれX軸方向に延びる板状の部材であり、-X方向の端部は後壁351Cに固定され、+X方向の端部は、前部351Eに固定される。
【0070】
後壁351Cは、Z軸方向に延びる板状部材であり、筐体351の-X方向の端部を構成する。後壁351Cには開口351Dが形成されており、この開口351Dは、端部213、コイルバネ215及び棒部212をX軸方向に挿通させることができる。後壁351Cは、シャフト353A、353Bの-X方向端部を固定して支持する(
図22)。
【0071】
前部351Eは、筐体351の+X方向端部に設けられた、略矩形の部材であり、シャフト353A、353Bの+X方向の端部、及び、固定刃359を支持する。
【0072】
前部351Eには、中央部に矩形の開口351Fが形成される(
図17、
図21、
図22)。開口351Fは、開口320Aの下方に配置されており、案内部320を通過した錠剤1は、載置位置P1及び保持位置P3のシャッタ331に載置される際、開口351Fの中に保持される。このとき、周囲には前部351Eが位置するため、錠剤1の水平方向への移動が規制される。
【0073】
前部351Eの-X方向の端部には、Z軸方向に延びるスリット351Gが形成される(
図22)。スリット351Gは、前部351Eの一部分をX軸方向に貫通する細い貫通孔であり、切刃ユニット356が移動可能に挿入される。
【0074】
移動部352は、後壁351C及び前部351Eとの間に配置された、略立方体形状の部材である(
図21~
図23)。移動部352は、X軸方向に摺動可能にシャフト353A、353Bによって支持される。移動部352は、-X方向端部において当接部355が固定され、+X方向端部には切刃ユニット356が固定される。移動部352は、当接部355を介して打突ユニット200より駆動力を受け取り、切刃ユニット356をシャッタ331に載置された錠剤1へ向けて移動させることができる。
【0075】
シャフト353A、353Bはそれぞれ、前部351Eと後壁351Cとに端部を支持され、X軸方向に延びる棒状の部材である。シャフト353A、353Bは、X軸方向において摺動可能に、移動部352を支持する。
【0076】
バネ354A、354Bは、それぞれがシャフト353A、353Bの外周を囲むように配置されたコイルバネである。バネ354A、354Bの+X方向端部は、前部351Eに固定される。また、バネ354A、354Bの-X方向端部は移動部352に当接し、移動部352を-X方向に付勢する。バネ354A、354Bのバネ定数は、コイルバネ214、215のバネ定数よりも相当程度小さく設計される。そのためバネ354A、354Bは、両部材の付勢力を足しても、コイルバネ214、215よりも充分に弱い付勢力しか生じない。
【0077】
当接部355は、X軸方向に延びる棒状の部材であり、+X方向の端部は、移動部352に固定される(
図21、
図23)。当接部355の-X方向端部は、打突ユニット200の端部213と当接可能であり、端部213に当接することによって駆動力を受け取る機能を有する。当接部355は、さらに移動部352へ駆動力を伝達し、移動部352を+X方向に移動させることができる。
【0078】
切刃ユニット356は、錠剤1を切断するための切刃356A、切刃356Aを支持する支持部356B、及びネジ356Cを有し、移動部に対して着脱可能に固定される(
図24)。
【0079】
切刃356Aは、Z軸方向及びX軸方向(すなわち水平方向)に延びた、上下方向の刃厚を有する部材であり、+X方向の端部は、Z軸方向に直線状に形成され、刃が形成される。切刃356Aは、この刃を用いて錠剤1を切断することができる。切刃356Aは、ネジ356Cの頭部と支持部356Bとの間に狭持され、固定される。切刃356Aは、スリット351Gに挿入されており、移動部352と共にX軸方向に移動し、固定刃359の直近まで近づく切断位置L1と切断後の錠剤1及び固定刃359から離隔した後退位置L2との間を移動することができる。切刃356Aが切断位置L1にある場合、切刃356Aと固定刃359の間は狭く、切断された錠剤1の上半錠は、下方に落下せずに切刃356Aに載置された状態となる。
【0080】
取付ネジ357は、移動部352と螺合し、移動部352との間に支持部356Bを狭持、固定する(
図23)。作業者は、取付ネジ357を移動部352に対して螺合させ、又は取り外すことによって、切刃ユニット356を移動部352に着脱することができる。
【0081】
押さえ部材358は、棒状の部材であり、-X方向の端部は移動部352の上部かつ+X方向の端部に固定される(
図21、
図22)。押さえ部材358は、移動部352から+X方向に突出した端部を有している。押さえ部材358の端部は、切刃356Aが錠剤1を切断する際に錠剤1の上方に移動し、切断された錠剤1が上方に飛び出ることを防止する。
【0082】
固定刃359は、前部351Eに対して取り外し可能に固定された、水平方向に延びる部材であり、上下方向に刃厚を有する(
図22)。固定刃359は、開口351Fに対して+X方向側に設けられ、切刃356Aと同じ上下位置となるように固定される。固定刃359の-X方向の端部はZ軸方向に延び、刃が形成される。固定刃359は、この刃を用いて、切刃356Aの刃との間に錠剤1を挟み、錠剤1を切断することができる。
【0083】
固定刃359は、前部351Eと螺合する取付ネジ360によって前部351Eに固定される。詳細には、取付ネジ360の頭部と前部351Eとの間に固定刃359は狭持、固定される。作業者は、取付ネジ360を前部351Eに対して螺合させ、又は取り外すことによって、固定刃359を前部351Eに着脱することができる。
【0084】
(制御部)
制御部110は、
図25のブロック図に示すように、打突ユニット200及び切断ユニット300と電気的に接続し、これらの動作を制御する。制御部110は、特に、フィーダ310からの錠剤の払出し、案内部320からの錠剤の検知信号の受信、及び、打突ユニット200と載置部330と切断部350とによる錠剤1の切断、排出を制御し、調剤処理を実行する。
【0085】
<動作>
制御部110の制御によって実行される、錠剤1の払出し、切断、及び排出の各動作は以下のようなものである。
【0086】
〔錠剤の払出し〕
錠剤1の払出しは、回転部312が回転することにより行われる。上述の通り、回転部312の回転は、ギア525の駆動力を不図示のギアを介して受け取ることによって実行される。このとき、収容室311Aに保管される錠剤1の一部は、溝部312Bに入り込み、複数個が上下に積み重なるように配置される。
【0087】
底板311Cによって塞がれている溝部312Bの下端部は、回転部312の回転に伴い、切り欠き311D(
図15)に到達する。これにより、溝部312Bの下端部は下方に開放された状態となる。
【0088】
溝部312Bの下端部が開放されることにより、溝部312Bに配置された錠剤1は、下方に落下する。このときブラシ313が溝部312Bを塞いでいるため、錠剤1は、ブラシ313の下方にある1錠のみ、切り欠き311Dを通過して落下する。このようにして錠剤1は、溝部312Bの下端部が切り欠き311Dを通過する度に、ブラシ313の下方に配置された1錠のみ下方に案内される。センサ321を介して制御部110が錠剤1の落下を検知することで回転部312への回転が止められ、錠剤1が複数個落下することが防止される。落下した錠剤1は、案内部320によって下方に案内され、シャッタ331に載置されるか、そのまま錠剤分割装置100の外へ排出される。
【0089】
〔切断〕
錠剤1が切断される場合、錠剤1は、載置位置P1(
図16A、17)に位置するシャッタ331の、他端部331B上に載置される。開口320A、前部351Eなどにより、シャッタ331に載置される際には、錠剤1は、その厚み方向がX軸方向を向くように制御される。
【0090】
センサ321が錠剤1を検知し、シャッタ331に錠剤1が載置されたタイミングに合わせ、打突ユニット200(
図7)が駆動される。
【0091】
モータ201が駆動し、ギア202、203、軸部204などを介してカム205に駆動力が伝達される。カム205は、軸部204の軸心を中心に、上方視で反時計回りに回転する。カム205は、板部211の係合部211Aと当接または係合し、板部211を駆動する。板部211及びこれに固定される棒部212は、コイルバネ214の付勢力に抗して-X方向に移動する。
【0092】
カム205がさらに回転すると、係合部211Aとカム205の係合が解除される。コイルバネ214は、自身の復元力により、板部211及び棒部212を+X方向に付勢し、素早く移動させる。棒部212の移動により、端部213は、開口351Dを通過して切断ユニット300の内部に入り、当接部355と当接する。
【0093】
当接部355は、端部213より駆動力を受け取り、移動部352とともに+X方向へ移動する。バネ354A、354Bの生じる付勢力は、コイルバネ214、215の付勢力よりも充分弱い。そのため、棒部212、端部213、及び移動部352は、バネ354A、354Bの付勢力に抗して+X方向へ移動する。
【0094】
移動部352の移動により、切刃356Aは錠剤1へ到達し、固定刃359との間に錠剤1を挟むことにより、錠剤1を切断する。この錠剤1の切断は、以下のように2段階で実行される。
【0095】
切刃356Aが錠剤1に当接すると、錠剤1からの反力が増加するにしたがって、コイルバネ215がX軸方向に収縮する。コイルバネ215の付勢力(第1付勢力とする)は、端部213、及び移動部352などを介して切刃356Aに伝達される。第1段階として切刃356Aは、この第1付勢力を用いて、錠剤1に食い込む。
【0096】
さらにコイルバネ215が収縮すると、端部213と当接部212A(
図10)とが当接する。これによって、コイルバネ214の付勢力(第2付勢力とする)が、棒部212、端部213、及び移動部352などを介して切刃356Aに伝達される。上述のように、コイルバネ214の付勢力は、コイルバネ215の付勢力よりも大きい。切刃356Aは、さらに動いて切断位置L1に移動し、錠剤1を+X方向に貫通し、固定刃359と近接する。このように第2段階として切刃356Aは、第1付勢力よりも大きな第2付勢力を用いて、錠剤1を切断する。
【0097】
上記のように、2段階の付勢力を用いて錠剤1を切断するため、錠剤1に急激に高い荷重が加わることが防止される。そのため、錠剤1の破損が防止されるとともに、錠剤1の不測の方向への移動も防止され、正確に切断が行われる。
【0098】
錠剤1は切断されて上半錠と、下半錠との2つに分割される。上半錠は、切断時に切刃356Aに押圧されて+X方向に移動し、ねじりコイルバネ332の下端部に当接する。
【0099】
〔下半錠の排出〕
切断された錠剤1の下半錠の排出を行うときは、シャッタ331が回動して排出位置P2に移動し、錠剤1の下半錠を下方に落下させる(
図16B、白抜矢印参照)。なお、
図16Bでは錠剤1の全錠が図示されるが、切断実行後にシャッタ331の排出位置P2への移動によって排出されるのは、上述の通り下半錠である。シャッタ331が回動するとき、錠剤1は、開口351Fを画定する前部351Eと当接して移動を拘束されるため、水平方向へは移動しない。このように前部351Eは、排出補助部として機能する。シャッタ331の回動により、錠剤1の下部を支持する部材が無くなり、錠剤1の下半錠は、下方へ落下する。下半錠は、連通孔24Aを通って通路24へ案内される。
【0100】
〔上半錠の載置、排出〕
上半錠を移動させるとき、切刃356Aは、-X方向へ動いて後退位置L2に移動し、固定刃359及び錠剤1の上半錠から離隔する。切刃356Aの後退位置L2への移動は、カム205が回転して再び係合部211Aと係合し、棒部212を-X方向へ駆動することによって、実行される。移動部352及び切刃356Aは、バネ354A、354Bの付勢力によって-X方向に移動する。棒部212及び端部213は、切刃356Aが固定刃359から離隔した後も移動し、当接部355から離隔する。
【0101】
切刃356Aが後退位置L2に移動する際、シャッタ331が載置位置P1に位置していると、上半錠はシャッタ331に載置される。
【0102】
一方、切刃356Aが後退位置L2に移動する際に、シャッタ331が保持位置P3または排出位置P2に位置していると、開口351Fの少なくとも一部は、下方を塞ぐ部材がなく、開放された状態となる(
図16、
図17)。そのため、上半錠は載置部330から排出される。詳細には、錠剤1の上半錠は、ねじりコイルバネ332の下端部によって-X方向に押圧または付勢され(
図19、
図20)、-X方向へ移動して固定刃359から離隔する。その後、錠剤1の上半錠は下方へ落下する。落下した上半錠は、開口351Fを通過し、さらに連通孔24Aを通って通路24へ案内される。
【0103】
〔全錠の載置、排出〕
シャッタ331が排出位置P2または保持位置P3に位置するとき、開口351Fの少なくとも一部は、下方を塞ぐ部材がなく、開放された状態となる(
図16B、
図16C、
図17)。この状態でフィーダ310から錠剤1が払出された場合、錠剤1はシャッタ331に干渉されずにそのまま開口351Fを通過し、連通孔24Aを通って錠剤分割装置100の外へ排出される。錠剤分割装置100は、このようにして錠剤1を加工せず、全錠のまま排出することができる。
【0104】
〔保持〕
半錠を排出せずに載置部330内部に保持する場合、シャッタ331は半錠を載置したまま保持位置P3へ移動する。または、切刃356Aを切断位置L1に維持し、切刃356Aの上部に上半錠を載置させることにより、上半錠の保持が行われる。
【0105】
シャッタ331が保持位置P3にあるとき、錠剤1は開口351F内部に位置するとともに、シャッタ331に載置された状態にある(
図16C、17)。また、シャッタ331は、フィーダ310から排出される錠剤1とは干渉しない。そのため錠剤分割装置100は、フィーダ310から払出された錠剤1を、開口351Fを通過させて排出し、その一方で、シャッタ331に半錠を保持した状態を維持できる。
【0106】
<調剤の制御>
制御部110は、上述の切断、排出、保持の各動作を組み合わせることにより、錠剤1の調剤を制御する。制御の詳細について、
図26~
図27を用いて以下に説明する。
【0107】
図26に示すように、制御部110は、ステップS1において錠剤1に対する調剤条件を取得する。
【0108】
次に制御部110は、取得した調剤条件に応じて、調剤処理を行う(S2)。調剤処理は、
図27に示すように、次に排出すべき錠剤1が全錠/半錠か、また、載置部330に保持されている錠剤(端数と称する)の有無に応じて、制御A~Dが実行される。
【0109】
制御部110は、調剤が必要な錠剤全てに対する処理が完了するまで、上記処理を継続する(S3:NO)。
【0110】
制御部110は、調剤が必要な錠剤全てに対する処理が完了している場合(S3:YES)、処理を終了させる。
【0111】
なお、処理を終了させる前に半錠が切刃356Aに載置された状態となっている場合、制御部110は、シャッタ331を保持位置P3へ移動させて、切刃356Aを後退位置L2とし、半錠をシャッタ331に載置させる。その後、シャッタ331を保持位置P3へ移動させて、錠剤1を保持した状態とする。
【0112】
以下にステップS2において実行される制御A~Fについて、
図27を参照して説明する。なお、制御E、Fは、制御A~Dを補足するものであり、半錠排出と全錠排出を連続して行う場合の制御をまとめたものである。
【0113】
(制御A:端数有り、半錠排出)
載置部330に端数が有る状態で、半錠を排出する処理を行う際の制御(制御A)は、以下のとおりである。
【0114】
(パターン1)切刃356Aが上半錠を保持している場合、制御部110は、シャッタ331を排出位置P2とし、次に切刃356Aを後退位置L2へ移動させる。これにより上半錠が排出される。なお、シャッタ331を保持位置P3とし、切刃356Aを後退位置L2へ移動させることにより排出を行ってもよい。
【0115】
(パターン2)他方、シャッタ331が半錠を保持している場合、制御部110は、シャッタ331を保持位置P3から排出位置P2に移動させる。これにより半錠は排出される。
【0116】
制御Aの結果、載置部330に保持される半錠が無くなり、端数が無い状態となる。
【0117】
(制御B:端数なし、半錠排出)
載置部330に端数が無い状態で、半錠を排出する処理を行う際の制御(制御B)は以下のとおりである。
【0118】
まず制御部110は、シャッタ331の位置を載置位置P1とする。次に、フィーダ310から錠剤1の払出しを行う。これにより、シャッタ331に錠剤1が載置される。
【0119】
次に制御部110は、切刃356Aを切断位置L1へ移動させて、錠剤1の切断を行う。
【0120】
制御部110はシャッタ331を排出位置P2に移動させて、錠剤1の下半錠を排出する。
【0121】
制御Bの結果、錠剤1の下半錠は排出され、上半錠は切刃356Aの上部に載置されて保持される。すなわち、端数が有る状態となる。
【0122】
(制御C:端数有り、全錠排出)
載置部330に端数が有る状態で、錠剤1を切断せず、全錠の形状で排出する処理を行う際の制御(制御C)は、以下のとおりである。
【0123】
(パターン1)切刃356Aが上半錠を保持している場合、制御部110は、シャッタ331の位置を載置位置P1とし、切刃356Aの位置を後退位置L2とする。これにより、切刃356A上に載置されていた上半錠が、シャッタ331に載置される。
【0124】
次に制御部110は、シャッタ331を保持位置P3へ移動させ、半錠が保持された状態とする。
【0125】
シャッタ331を保持位置P3に維持し、制御部110は、フィーダ310を用いて錠剤1の払出しを行う。払出しは必要な数だけ行われる。つまり、錠剤1が2錠、3錠、または10錠など、必要分が連続で払い出され、開口351Fを通過してそのまま排出される。
【0126】
(パターン2)シャッタ331に半錠が保持されている場合、制御部110は、フィーダ310を用いて錠剤1の払出しを行う。払出しは必要な数だけ行われる。つまり、錠剤1が2錠、3錠、または10錠など、必要分が連続で払い出され、開口351Fを通過してそのまま排出される。
【0127】
制御Cの結果、載置部330には、半錠はシャッタ331に載置されて保持される。すなわち、端数が有る状態となる。
【0128】
(制御D:端数無し、全錠排出)
載置部330に端数が無い状態で、全錠を排出する処理を行う際の制御(制御D)は、以下のとおりである。
【0129】
制御部110は、シャッタ331を排出位置P2とし、フィーダ310から錠剤1の払出しを行う。払出しは必要な数だけ行われる。つまり、錠剤1が2錠、3錠、または10錠など、必要分が連続で払い出され、開口351Fを通過してそのまま排出される。
【0130】
払出された錠剤1は、開口351F及び連通孔24Aを通って錠剤分割装置100の外へ排出される。
【0131】
制御Dの結果、載置部330では、端数が無い状態が維持される。
【0132】
(制御E:端数有りから、半錠+全錠排出を行う場合のまとめ)
上記の制御A~Dの組合せにより、制御部110は、錠剤の半錠排出、全錠排出を行うことが可能である。つまり前の処理内容にかかわらず、全錠、半錠の排出を自由に実行できる。端数有りの状態から、1.5錠、2.5錠などの排出を行う場合、制御A、Dの順か、制御C、Aの順に制御が実行される。制御Aの先後によって、半錠排出と全錠排出の順番が異なる。
図27の制御Eには、一例として制御C、Aを順に実行した場合の動作内容を記載する。
【0133】
具体的には、制御部110は、制御Cまたは制御Dにおいて必要な錠数だけ、フィーダ310から払出を行い、そのまま排出する。制御Bにおいて、保持されていた半錠を排出する。これにより、1.5錠、2.5錠排出など、半錠と全錠の排出が組み合わさり、様々な調剤処理を行うことができる。
【0134】
(制御F:端数無しから、半錠+全錠排出を行う場合のまとめ)
端数無しの状態から、1.5錠、2.5錠などの排出を行う場合、
図27の制御Fとしてまとめるように、制御部110は、制御B、Cの順か、制御D、Bの順に制御が実行される。制御Bの先後によって、半錠排出と全錠排出の順番が異なる。
【0135】
具体的には、制御部110は、制御Cまたは制御Dにおいて必要な錠数だけ、フィーダ310から払出しを行い、そのまま排出する。制御Bにおいて、保持されていた半錠を排出する。これにより、半錠と全錠の排出が組み合わさり、1.5錠、2.5錠排出など、様々な調剤処理を行うことができる。
【0136】
上記まとめると、例えば、1.5錠排出のセットを繰り返すような調剤処理の場合、半錠排出と全錠排出を交互に繰り返すことで対応可能となる。この場合、制御部110は、制御B、C、A、Dの順に制御を繰り返していき、半錠と全錠との排出を交互に行う。
【0137】
半錠を連続に排出する場合、制御部110は、制御B及び制御Aを交互に繰り返すことにより半錠の排出を連続させる。全錠を連続に排出する場合、制御部110は、制御D及び制御Cを交互に繰り返すことにより半錠の排出を連続させる。
【0138】
<効果>
上記実施形態では、シャッタ331(載置部材に相当)は、フィーダ310から供給された錠剤を載置可能であり、錠剤1を載置する載置位置P1、錠剤1を排出する排出位置P2、及び、錠剤1を載置しながらフィーダ310から供給される錠剤1との干渉を避ける保持位置P3の間を移動可能である。また、切刃356Aは、載置位置P1にあるシャッタ331が載置する錠剤1を切断する。
【0139】
上記構成では、シャッタ331が3つの位置を移動することにより、錠剤1を載置して切断する処理、錠剤1を排出する処理、及び、錠剤1を保持しつつフィーダ310から錠剤1を排出する処理を実行することが可能である。そのため、錠剤分割装置100は、錠剤1の円滑な切断排出と、フィーダ310から払出された錠剤1の円滑な排出とを可能とする。
【0140】
制御部110は、シャッタ331を、半錠排出(加工排出に相当)及び全錠排出の調剤条件に応じて(S2)、載置位置P1、排出位置P2、及び保持位置P3の間で移動させる。制御部110は、シャッタ331を載置位置P1から排出位置P2に移動させて、切断後の錠剤1の切断片である半錠を排出する処理を実行する(S3)。また、制御部110は、シャッタ331を保持位置P3または排出位置P2に配置して、フィーダ310から供給された錠剤1を加工せずに排出する処理を実行することができる。
【0141】
上記構成により、錠剤分割装置100は、半錠への切断や全錠のままの排出など、様々な調剤処理に対応できる。半錠と全錠を交互に排出して1.5錠のセットを調剤し、あるいは、2.5錠や3.5錠のセットを調剤することが可能である。
【0142】
上記構成では、錠剤1の調剤処理で端数が出た場合であっても、端数を廃棄したり、余分に調剤したりする必要が無い。一例として、半錠101個を調剤した後、全錠100錠の調剤を行う場合などを考えてみる。この場合では、余った半錠をシャッタ331が保持位置P3で保持した状態として全錠を100錠排出すればよく、余った半錠(端数)を廃棄したり、余分に排出したりするなどの必要が無い。また、半錠101個の調剤後に、新たに半錠の調剤を行う場合においても、保持されている端数を次の調剤に用いることができるため、無駄のない調剤を行うことが可能である。
【0143】
また、上記構成では、調剤の違いに応じて複数種の機械の配置や、複数種の錠剤の保管、供給、排出系統を用意する必要が無い。1種類の錠剤処理系統及び簡易な機械構成によって、多様な調剤を可能とする。
【0144】
制御部110は、切刃356Aを、錠剤1を切断する切断位置L1と、切断された錠剤1から離隔する後退位置L2との間で移動させる。
【0145】
上記構成により、錠剤分割装置100は、半錠への切断、排出や全錠のままの排出など、様々な調剤処理に対応できる。
【0146】
制御部110は、切刃356Aを切断位置L1に配置してシャッタ331に載置された錠剤1を切断する処理と、シャッタ331を排出位置P2に配置して切断片を排出する処理とを実行する。
【0147】
上記構成により、制御部110は、錠剤1を切断し、さらに第1片と第2片を1つずつ順番に、円滑に排出することができる。そのため、切断された錠剤1が複数片同時に排出されたり、これに伴って排出時に詰まりを起こしたりするなどの故障を防止することができる。
【0148】
制御部110は、切刃356Aを後退位置L2に配置して錠剤1を排出する処理を実行する。また、切刃356Aを後退位置L2に配置し、フィーダ310から供給された錠剤1を加工せずに排出する処理を実行できる。
【0149】
上記のような処理を行うことにより、制御部110は、錠剤の切断処理と全錠の排出処理とを組合せつつ、錠剤1を円滑に排出することができる。複雑な調剤条件に対しても、連続して円滑な処理を継続させることができる。切断された錠剤1が複数片同時に排出されたり、これに伴って排出時に詰まりを起こしたりするなどの故障を防止することができる。
【符号の説明】
【0150】
錠剤分割装置 100
制御部 110
打突ユニット 200
切断ユニット 300
フィーダ 310
案内部 320
載置部 330
切断部 350