(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087761
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】半導体装置及び接続部材
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
H01L23/48 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199925
(22)【出願日】2020-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597114797
【氏名又は名称】株式会社加藤電器製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】漆畑 博可
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 瑛基
(72)【発明者】
【氏名】木村 渉
(72)【発明者】
【氏名】山路 剛史
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘隆
(57)【要約】
【課題】小型化された半導体チップを用いた場合であっても信頼性が低下し難い半導体装置を提供する。
【解決手段】電極23を有する半導体チップ20と、導電性の板状部材で構成され、電極23に向かって突出し、かつ、電極23と導電性接合材60を介して接合される電極接合部41を有する接続部材40とを備え、電極接合部41は、電極接合部41における電極23と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部44と、電極接合部41における電極23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と電極23との間の間隔が平坦部44の表面と電極23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45とを有し、導電性接合材60は、電極23と平坦部44の間、及び、電極23とフィレット形成部45の間の両方に配置されている半導体装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有する半導体チップと、
導電性の板状部材で構成され、前記電極に向かって突出し、かつ、前記電極と導電性接合材を介して接合される電極接合部を有する接続部材とを備え、
前記電極接合部は、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部と、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と前記電極との間の間隔が前記平坦部の表面と前記電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部とを有し、
前記導電性接合材は、前記電極と前記平坦部の間、及び、前記電極と前記フィレット形成部の間の両方に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記電極接合部は、前記平坦部側が狭いテーパ形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記フィレット形成部における前記電極と対向する側の面は、前記平坦部から斜めに延びる傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記フィレット形成部における前記電極と対向する側の面は、前記平坦部と繋がる曲面であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
断面でみたときに前記平坦部と前記フィレット形成部とで階段形状を構成していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電極は、ゲートパッドであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電極接合部における前記電極と対向する側の面には、メッキが施されていないことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
断面でみたときに前記平坦部の幅は、前記電極の幅の0.4倍~0.6倍の範囲内にあることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
断面で見たときに前記フィレット形成部の幅は、前記平坦部の幅の0.2倍~0.4倍の範囲内にあることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記平坦部の高さ位置を基準としたときの、前記電極接合部の外縁の位置における前記フィレット形成部の表面の高さをHとし、前記平坦部が形成されている領域における前記電極接合部の厚さをTとすると、0.25×T≦Hを満たすことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
導電性の板状部材で構成され、
一方向に向かって突出し、かつ、半導体チップの電極と導電性接合材を介して接合される電極接合部を有し、
前記電極接合部は、前記半導体チップの前記電極と前記導電性接合材を介して接合したときに前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部と、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と前記電極との間の間隔が前記平坦部の表面と前記電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部とを有することを特徴とする接続部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップの電極とはんだを介して接合された接続部材を備える半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照。従来の半導体装置900。)。
【0003】
従来の半導体装置900は、
図9に示すように、リードフレーム910と、リードフレーム910上に配置され、半導体チップ本体921と、リードフレーム910側とは反対側の表面に形成された電極922と、電極922の周囲に形成されたパッシベーション膜924を有する半導体チップ920と、導電性の板状部材からなり、電極922上に導電性接合材962を介して配置される導電性の接続部材940とを備える。接続部材940は、導電性の板状部材で構成され、電極922に向かって突出し、かつ、電極922と導電性接合材962を介して接合される電極接合部941を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許2018/0174951号明細書公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年、電子機器や半導体装置の小型化に伴い、半導体装置内に組み込まれる半導体チップ(例えばMOSFET)のより一層の小型化が求められている。しかしながら、小型化された半導体チップにおいては電極、特にゲート電極(ゲートパッド、
図10の符号923参照)が狭くなるため、半導体装置の製造過程において、接続部材940の電極接合部941がゲートパッド923上から位置ずれしたときにゲートパッド923の周囲のパッシベーション膜924に乗り上げてしまうおそれがある(
図10参照)。接続部材940は一般的に比較的硬い金属板で構成されているため、パッシベーション膜924に乗り上げた接続部材940の電極接合部941は熱応力等で半導体チップ920のパッシベーション膜924や半導体チップ920内部にダメージを与えるおそれがあり、信頼性が低下するおそれがある、という問題がある。
【0006】
また、接続部材940の電極接合部941が位置ずれしてゲートパッド923が形成されている領域からはみ出した場合には、電極接合部941におけるゲートパッド923が形成されている領域からはみ出した部分の表面と電極(ゲートパッド923)との間には導電性接合材962が配置されていないため、接合強度が低下するおそれがあり、この観点においても、信頼性が低下するおそれがある。
【0007】
さらにまた、半導体チップ920及び接続部材940を封止樹脂950で封止したときに、電極接合部941におけるゲートパッド923が形成されている領域からはみ出した部分の表面と半導体チップ920表面との間の狭い空間に封止樹脂が入り込むため、熱膨張率の違いから封止樹脂950にクラックが入るおそれがあり、この観点においても信頼性が低下するおそれがある、という問題がある(
図10(b)の一点鎖線Fで囲まれた領域参照)。これらの問題は、ゲートパッドだけでなく、面積が狭い電極全般に生じる問題である。
【0008】
そこで本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、小型化された半導体チップを用いた場合であっても、信頼性が低下し難い半導体装置を提供することを目的とする。また、このような半導体装置に用いられる接合部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体装置は、電極を有する半導体チップと、導電性の板状部材で構成され、前記電極に向かって突出し、かつ、前記電極と導電性接合材を介して接合される電極接合部を有する接続部材とを備え、前記電極接合部は、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部と、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と前記電極との間の間隔が前記平坦部の表面と前記電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部とを有し、前記導電性接合材は、前記電極と前記平坦部の間、及び、前記電極と前記フィレット形成部の間の両方に配置されていることを特徴とする。
【0010】
なお、本明細書中、「板状部材」とは、板状の部材そのものだけでなく、板状の部材を折り曲げ加工、打ち抜き加工、切削加工等の加工を施したものを含むものとする。また、「フィレット形成部」は、フィレット形成部の表面と電極との間の間隔が平坦部の表面と電極との間の間隔よりも長く、フィレット形成部と電極との間に平坦部の表面と電極の間よりも広い空間が形成される構成部分であり、当該広い空間には導電性接合材が入り込み、当該空間を満たすとともに、導電性接合材が平坦部よりも高い高さ位置からなだらかに丸みを帯びて広がることによりフィレット形状を形成するように構成された部分である。
【0011】
本発明の接続部材は、導電性の板状部材で構成され、一方向に向かって突出し、かつ、半導体チップの電極と導電性接合材を介して接合される電極接合部を有し、前記電極接合部は、前記半導体チップの前記電極と前記導電性接合材を介して接合したときに、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部と、前記電極接合部における前記電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と前記電極との間の間隔が前記平坦部の表面と前記電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体装置及び接続部材によれば、電極接合部は、電極接合部における電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と電極との間の間隔が平坦部の表面と電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部を有するため、半導体装置の製造過程において、接続部材の電極接合部が電極上から位置ずれしたときに電極の周囲のパッシベーション膜に接続部材の電極接合部が乗り上げてしまうことを防ぐことができる。従って、接続部材が熱応力等によって半導体チップのパッシベーション膜や半導体チップ内部にダメージを与えることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0013】
また、本発明の半導体装置及び接続部材によれば、電極接合部は、電極接合部における電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と電極との間の間隔が平坦部の表面と電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部を有し、導電性接合材は、電極と平坦部の間、及び、電極とフィレット形成部の間の両方に配置されているため、電極接合部が位置ずれした場合であっても、電極接合部における電極が形成されている領域からはみ出した部分の表面と電極との間に導電性接合材が配置されていることとなる。従って、半導体チップと接続部材との間の接合強度が低下し難くなり、この観点においても信頼性が低下することを防ぐことができる。
【0014】
さらにまた、本発明の半導体装置及び接続部材によれば、電極接合部は、電極接合部における電極と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と電極との間の間隔が平坦部の表面と電極との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部を有し、導電性接合材は、電極と平坦部の間、及び、電極とフィレット形成部の間の両方に配置されているため、仮に電極接合部が位置ずれした状態で半導体チップ及び接続部材を封止樹脂で封止したときでも、電極が形成されている領域からはみ出した部分の電極接合部の表面と半導体チップ表面との間には、導電性接合材が配置されていることとなり、当該空間に封止樹脂が入り込むことを防ぐことができる。その結果、封止樹脂にクラックが入ることを防ぐことができ、この観点においても信頼性が低下することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係る半導体装置100を説明するために示す図である。
図1(a)は半導体装置100の平面図を示し、
図1(b)は
図1(a)のA-A断面図を示し、
図1(c)は
図1(a)のB-B断面図を示す。
【
図2】第2接続部材40が位置ずれしたときの様子を示す図である。なお、
図2は、
図1(c)に対応する断面図である(以下、
図3,4及び6において同じ)。
【
図3】実施形態2に係る半導体装置101を説明するために示す断面図である。
【
図4】実施形態3に係る半導体装置102を説明するために示す断面図である。
【
図5】実施形態4に係る半導体装置103を説明するために示す図である。
図5(a)は半導体装置103の平面図を示し、
図5(b)は
図5(a)のC―C断面図を示す。
【
図6】変形例1に係る半導体装置104を説明するために示す図である。
【
図7】変形例2に係る半導体装置105を説明するために示す図である。
図7(a)は半導体装置105における第2接続部材40dを示す平面図であり、
図7(b)は
図7(a)のD-D断面図であり、
図7(c)は
図7(a)のE-E断面図である。
【
図8】変形例3に係る半導体装置106を説明するために示す平面図である。
【
図9】従来の半導体装置900を示す断面図である。符号950は封止樹脂を示し、符号964は導電性接合材を示す。
【
図10】小型化された半導体チップにおけるゲートパッド923と電極接合部941との関係を示す図である。
図10(a)は電極接合部941が正しい位置に配置された様子を示す図であり、
図10(b)は電極接合部941が位置ずれしたときの様子を示す図である。符号962は導電性接合材を示し、符号921は半導体チップ本体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の半導体装置及び接続部材について、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の寸法を厳密に反映したものではない。
【0017】
[実施形態1]
1.実施形態1における半導体装置100の構成
実施形態1に係る半導体装置100は、
図1(a)に示すように、基板10と、半導体チップ20と、半導体チップ20の表面のソースパッド22と接続された第1接続部材30と、半導体チップ20の表面のゲートパッド23と接続されている第2接続部材40と、封止樹脂50とを備える。基板10、半導体チップ20、第1接続部材30、第2接続部材40は、封止樹脂50で樹脂封止されているが、基板10の裏面、第1接続部材30の第1外部端子33、及び、第2接続部材40の第2外部端子43が封止樹脂50から露出している。
【0018】
基板10(ダイパッドフレーム)は、リードフレームからなり、半導体チップ20を配置するためのダイパッド(図示せず)を有する。基板10の裏面は、封止樹脂50から露出している。
【0019】
半導体チップ20は、ダイパッド上に導電性接合材(はんだ)を介して接合されている。半導体チップ20は、半導体基体21の表面(基板10と対向する側の面とは反対側の面)に、ソースパッド22(ソース電極)、ゲートパッド23(ゲート電極)及びパッシベーション膜24を有し、裏面(基板10と対向する側の面)にドレイン電極(図示せず)を有する。なお、本実施形態においては、半導体チップ20として、3端子MOSFETを用いるが、ダイオード、IGBT、サイリスタその他適宜の素子を用いることができる。
【0020】
ソースパッド22は、半導体基体21の表面の中央を含む領域を占めている。ソースパッド22の表面は、導体膜(例えば、NiAu膜又はNiAg膜)からなる。ゲートパッド23は、半導体基体21の表面の隅に近い領域にソースパッド22と離隔して形成されている。ゲートパッド23が占める面積は、ソースパッド22が占める面積よりも大幅に小さい。
【0021】
第1接続部材30は、導電性の板状部材(例えば、銅板)からなり、ソースパッド22上に導電性接合材(図示せず)を介して配置されている。第1接続部材30は、第1電極接合部31と、第1連結部32と、第1外部端子33とを有する。第1電極接合部31は、平面的に見て略矩形形状を有し、ソースパッド22と導電性接合材を介して接合されている。第1連結部32は、第1電極接合部31の角部と連結されており、そこから水平方向に沿って封止樹脂50の外側まで直線状に延びている。第1外部端子33は、第1連結部32の先端に形成されており、外部の配線や電極と接続することができる。
【0022】
第2接続部材40は、導電性の板状部材(例えば、銅板)で構成されている。第2接続部材40は、
図1(b)に示すように、第2電極接合部41と、第2連結部42と、第2外部端子43と係止部46とを有する。
図1(a)に示すように、第2接続部材40は、平面的に見て直線状に形成されており、第2電極接合部41の一方側には第2連結部42が連結されており、他方側には水平方向に沿って第2連結部42とは反対側に向かってわずかに張り出している係止部46が設けられている。なお、係止部46により、第2接続部材40近傍の封止樹脂50がモールドロックされる。
【0023】
第2電極接合部41は、ゲートパッド23(一方向)に向かって突出し、かつ、ゲートパッド23と導電性接合材60を介して接合される。第2電極接合部41は、平坦部44側(半導体チップ側)が狭いテーパ形状をしている。本実施形態においては、打ち出し加工によって第2電極接合部41を形成する。このため、半導体チップ20側とは反対側の表面に凹部47が形成されている。第2電極接合部41は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部44と、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔H2が平坦部44の表面とゲートパッド23との間の間隔H1よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45とを有する。第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面(平坦部44及びフィレット形成部45の表面)には、メッキが施されておらず、銅材と導電性接合材60(はんだ)とが直接接している。
【0024】
断面でみたときに平坦部44の幅L1は、ゲートパッド23の幅L2の0.4倍~0.6倍の範囲内にある。また、断面で見たときにフィレット形成部45の幅L3(平面的に見て平坦部44との境界地点から第2電極接合部41の外縁までの長さ)は、平坦部44の幅L1(ゲートパッド23と対向する面が平坦な領域の長さ)の0.2倍~0.4倍の範囲内にある。なお、「断面で見たとき」とは、矩形のゲートパッド23の対向する2辺を通る断面で見たときのことをいい、矩形のゲートパッド23の長辺に沿った断面や矩形のゲートパッド23の短辺に沿った断面を含む。
【0025】
フィレット形成部45におけるゲートパッド23と対向する側の面は、平坦部44から斜めに延びる傾斜面S1であり、第2電極接合部41の側面S0と繋がっている。言い換えると、フィレット形成部45は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する平坦部34と同一の平面と、第2電極接合部41の側面S0と同一平面とで形成される角部を面取りして傾斜面S1(C面)とした構造を有する。平坦部44に対するフィレット形成部45の傾斜面の角度は、半導体チップ20上に配置したときにパッシベーション膜24から遠くなるような角度であり、好ましくは30°~60°の範囲内にあり、例えば45度である。平坦部44を基準としたときの第2電極接合部41の外縁の位置におけるフィレット形成部45の表面の高さをHとし、平坦部44が形成されている領域における第2電極接合部41の厚さをTとすると、0.25×T≦Hを満たす。実施形態1においては、平面的に見て矩形形状の平坦部44の周囲を囲うように矩形形状の4辺全てにフィレット形成部45が形成されている。
【0026】
フィレット形成部45におけるゲートパッド23と対向する側の面全体が導電性接合材60で覆われており、導電性接合材60は、第2電極接合部41の側面S0と傾斜面S1とが繋がっている地点からゲートパッド23の端部までなだらかなカーブを描くフィレット形状が形成されている。
【0027】
第2連結部42は、第2電極接合部41と繋がり水平方向に沿って封止樹脂50の外側まで直線状に延びており、封止樹脂50の外側で段差が形成されている。第2外部端子43は、第2連結部42の先端に形成され、外部の電極や配線と接続される。第2外部端子43は、第2連結部42から直線状に延びている。
【0028】
封止樹脂50は、適宜の樹脂を用いることができる。
【0029】
導電性接合材60は、平坦部44とゲートパッド23の間、及び、フィレット形成部45とゲートパッド23の間の両方に配置されている。
【0030】
ここで、実施形態1に係る半導体装置100の製造過程において、仮に第2電極接合部41がゲートパッド23から位置ずれし、第2電極接合部41の側面S0がゲートパッド23をはみ出した場合について説明する。この場合でも、実施形態1に係る半導体装置100は、
図2に示すように、フィレット形成部45が形成されていることから第2電極接合部41がパッシベーション膜14に乗り上げることがない。また、導電性接合材60は、量は少なくなるもののゲートパッド23とフィレット形成部45の間に配置された状態を維持することができる。このため、接合強度が低下したり、封止樹脂50が入り込みクラックが発生することを防ぐことができる(
図2の破線Dで囲まれた領域参照)。
【0031】
2.実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40の効果
実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、第2電極接合部41は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44の表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45を有するため、半導体装置の製造過程において、第2接続部材40の第2電極接合部41がゲートパッド23上から位置ずれしたときにゲートパッド23の周囲のパッシベーション膜24に第2接続部材40の第2電極接合部41が乗り上げてしまうことを防ぐことができる。従って、第2接続部材40が熱応力等によって半導体チップ20のパッシベーション膜24や半導体チップ20内部にダメージを与えることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0032】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、第2電極接合部41は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44の表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45を有し、導電性接合材60は、ゲートパッド23と平坦部44の間、及び、ゲートパッド23とフィレット形成部45の間の両方に配置されているため、第2電極接合部41が位置ずれした場合であっても、第2電極接合部41におけるゲートパッド23が形成されている領域からはみ出した部分の表面とゲートパッド23との間に導電性接合材60が配置されていることとなる。従って、半導体チップ20と第2接続部材40との間の接合強度が低下し難くなり、この観点においても信頼性が低下することを防ぐことができる。
【0033】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、第2電極接合部41は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44の表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45を有し、導電性接合材60は、ゲートパッド23と平坦部44の間、及び、ゲートパッド23とフィレット形成部45の間の両方に配置されているため、仮に第2電極接合部41が位置ずれした状態で半導体チップ20及び第2接続部材40を封止樹脂50で封止したときでも、ゲートパッド23が形成されている領域からはみ出した部分の第2電極接合部41の表面とゲートパッド23との間には、導電性接合材60が配置されていることとなり、当該空間に封止樹脂50が入り込むことを防ぐことができる。その結果、封止樹脂50にクラックが入ることを防ぐことができ、この観点においても信頼性が低下することを防ぐことができる。
【0034】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、第2電極接合部41は、平坦部44側が狭いテーパ形状をしているため、パッシベーション膜24から第2接続部材40までの距離が長くなり、仮に第2接続部材40が位置ずれした場合でもパッシベーション膜24上に第2接続部材40が乗り上げ難くなる。
【0035】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、フィレット形成部45におけるゲートパッド23と対向する側の面は、平坦部44から斜めに延びる傾斜面S1であるため、比較的簡便な方法でフィレット形成部45を形成することができる。
【0036】
ところで、一般に、接続部材が導電性接合材を介して電極と接合する場合、導電性接合材に発生する熱応力を緩和するために、はんだ厚を確保することが有効であることが知られている。そして、単純にクリップに対して電極パッドを大きくできて位置ずれマージンが確保できる場合は問題ないが、電極パットを大きくできないゲート電極は位置ずれマージンが取れないため、第2電極接合部の周辺部のはんだ厚を確保することが難しい。これに対して、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40においては、電極は、ゲートパッドであり、第2電極接合部41は、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44の表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45を有し、導電性接合材60は、ゲートパッド23と平坦部44の間、及び、ゲートパッド23とフィレット形成部45の間の両方に配置されているため、設置面積が小さいゲートパッドであっても、第2電極接合部41の周辺部のはんだ厚を確保することができる。
【0037】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、第2電極接合部41におけるゲートパッド23と対向する側の面(平坦部44及びフィレット形成部45の表面)には、メッキが施されていないため、メッキ工程が必要なく、高い生産性で半導体装置を製造することができる。
【0038】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、断面でみたとき平坦部44の幅L1は、ゲートパッド23の幅L2の0.4倍~0.6倍の範囲内にあるため、製造過程において、第2接続部材40が位置ずれした場合のマージンを十分とることができる。また、ゲートパッド23と平坦部44との間隔を一定に保ち易く、電流の偏りが少なくなる。
【0039】
なお、平坦部44の幅L1をゲートパッド23の幅L2の0.4倍以上としたのは、ゲートパッド23の幅L2を0.4未満とした場合には、ゲートパッド23と第2電極接合部41との間隔にばらつきが大きくなり、ゲートの制御に用いる比較的微弱な電流のバラツキが生じ易くなることから、半導体チップ20のオンオフが高い精度でできなくなるおそれがあるからであり、平坦部44の幅L1をゲートパッド23の幅L2の0.6倍以下としたのは、ゲートパッド23の幅L2の0.6倍を超えることとすると、フィレット形成部45の領域面積が小さくなり、フィレット形成部45を設けた効果が小さくなってしまい、信頼性を高くすることが難しいからである。
【0040】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、断面で見たときにフィレット形成部45の幅L3は、平坦部44の幅L1の0.2倍~0.4倍の範囲内にあるため、半導体装置の製造過程において、第2電極接合部41がゲートパッド23の位置から位置ずれしたときに、第2接続部材40がパッシベーション膜24上に乗り上げることを防ぐことができるとともに、電流の流れが不安定になりにくくなる。
【0041】
なお、フィレット形成部45の幅L3を平坦部44の幅L1の0.2倍以上としたのは、フィレット形成部45の幅L3が平坦部44の幅L1の0.2倍未満の場合には、フィレット形成部45が形成されている面積が小さすぎて、第2電極接合部41が電極(ゲートパッド23)の位置から位置ずれした場合に第2接続部材40がパッシベーション膜24上に乗り上げるおそれがあるからであり、フィレット形成部45の幅L3を平坦部44の幅L1の0.4倍以下としたのは、フィレット形成部45の幅L3が平坦部44の幅L1の0.4倍を超える場合には、平坦部44の面積が狭くなりすぎるため、電流の流れが不安定になるおそれがあるからである。
【0042】
また、実施形態1に係る半導体装置100及び第2接続部材40によれば、平坦部44の高さ位置を基準としたときの第2電極接合部41の位置における面取りされた空間の高さをHとし、平坦部44が形成されている領域における第2電極接合部41の厚さをTとすると、0.25×T≦Hを満たすため、第2接続部材40をパッシベーション膜24の端部から十分な距離を離すことができるとともに、フィレット形成部45とゲートパッド23との間に十分な空間を形成することができる。そして、その空間に十分な厚みを有する導電性接合材(はんだ)を配置することができる。
【0043】
なお、0.25×T≦Hを満たすこととしたのは、高さHが0.25×T未満の場合には、第2接続部材40をパッシベーション膜24の端部から十分な距離を離すことが難しく、さらには第2接続部材40が位置ずれしたときに十分なはんだ厚を確保することが難しいからである。なお、高さHの上限は、第2電極接合部41の厚みと同じ厚さのとき、すなわち、第2電極接合部41における上端まで形成されている場合であるから、H=Tの場合である。
【0044】
[実施形態2]
実施形態2に係る半導体装置101は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、フィレット形成部の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る半導体装置101において、フィレット形成部45におけるゲートパッド23と対向する側の面は、平坦部44と繋がる曲面である(
図3参照)。言い換えると、フィレット形成部45aは、断面で見て平坦部44aを延ばした平面と、第2電極接合部41aの側面S0を延ばした平面との交点を中心軸として円状(円柱状)に角部を切り欠いて形成されたR形状を有する。当該曲面は、平坦部44aとフィレット形成部45aの表面との接続点、及び、フィレット形成部45aと第2電極接合部41aの側面との接続点を結んだ直線よりも第2電極接合部41aの中心に向かって凹んだ曲面である。
【0045】
このように、実施形態2に係る半導体装置101は、フィレット形成部の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、第2電極接合部41aは、第2電極接合部41aにおけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44aの表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45aを有するため、半導体装置の製造過程において、第2接続部材40aの第2電極接合部41aがゲートパッド23上から位置ずれしたときにゲートパッド23の周囲のパッシベーション膜24に第2接続部材40aの第2電極接合部41aが乗り上げてしまうことを防ぐことができる。従って、第2接続部材40aが熱応力等によって半導体チップ20のパッシベーション膜24や半導体チップ20内部にダメージを与えることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0046】
また、実施形態2に係る半導体装置101によれば、フィレット形成部45aにおけるゲートパッド23と対向する側の面は、平坦部44と繋がる曲面であるため、フィレット形成部45aの表面が傾斜面の場合よりも、フィレット形成部45aと導電性接合材60との接触面積が大きくなるため、第2接続部材40aと導電性接合材60との間の接合強度が高くなる。また、第2電極接合部41aの中心に向かって凹んだ曲面である場合には、傾斜面の場合よりも多い量の導電性接合材60をフィレット形成部45aとゲートパッド23との間に配置することができ、はんだ厚を維持することができ、導電性接合材にかかる熱応力を緩和することができる。
【0047】
なお、実施形態2に係る半導体装置101は、フィレット形成部の構成以外の点においては実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0048】
[実施形態3]
実施形態3に係る半導体装置102は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、フィレット形成部の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る半導体装置102においては、断面でみたときに平坦部44bとフィレット形成部45bとで階段形状を構成している(
図4参照)。
【0049】
フィレット形成部45bは、平坦部44bと段差を形成され、中途の位置でさらにもう一つ段差が形成され、第2電極接合部41の側面と繋がっている。これにより、平坦部44bとフィレット形成部45bとで2段の階段形状を構成している。
【0050】
このように、実施形態3に係る半導体装置102は、フィレット形成部の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、第2電極接合部41bは、第2電極接合部41bにおけるゲートパッド23と対向する側の面の外周領域に形成され、表面とゲートパッド23との間の間隔が平坦部44bの表面とゲートパッド23との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部45bを有するため、半導体装置の製造過程において、第2接続部材40bの第2電極接合部41bがゲートパッド23上から位置ずれしたときにゲートパッド23の周囲のパッシベーション膜24に第2接続部材40bの第2電極接合部41bが乗り上げてしまうことを防ぐことができる。従って、第2接続部材40bが熱応力等によって半導体チップ20のパッシベーション膜24や半導体チップ20内部にダメージを与えることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0051】
また、実施形態3に係る半導体装置102によれば、断面でみたときに平坦部44bとフィレット形成部45bとで階段形状を構成しているため、隣接する段差の間の空間に導電性接合材60が入り込みやすくなり、フィレット形成部45bのはんだ厚を確保し易くなる。また、フィレット形成部45bと導電性接合材60との接触面積が大きくなり、接合強度が高くなる。
【0052】
なお、実施形態3に係る半導体装置102は、フィレット形成部の構成以外の点においては実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0053】
[実施形態4]
実施形態4に係る半導体装置103は、基本的には実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するが、第1接続部材の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る半導体装置103においては、半導体チップ20aにおいて、ソースパッド22aは、実施形態1よりもかなり小さく、ソースパッド22aと接続される第1接続部材30aに本発明の接続部材が適用されている(
図5参照)。
【0054】
実施形態4において、第1電極接合部31aは、電極(ソースパッド22a)に向かって突出し、かつ、電極(ソースパッド22a)と導電性接合材62を介して接合されている。第1電極接合部31aは、第1電極接合部31aにおける電極(ソースパッド22a)と対向する側の面の少なくとも中央を含む領域に形成された平坦部34aと、第1電極接合部31aにおける電極(ソースパッド22a)と対向する側の面の外周領域に形成され、表面と電極(ソースパッド22a)との間の間隔が平坦部34aの表面と電極(ソースパッド22a)との間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部35aとを有し、導電性接合材62は、電極(ソースパッド22a)と平坦部34aの間、及び、電極(ソースパッド22a)とフィレット形成部35aの間の両方に配置されている。
【0055】
第1連結部32aは、第1電極接合部31の一辺と連結されており、そこから水平方向に沿って封止樹脂50の外側まで直線状に延びているとともに、中途で枝分かれして、櫛歯状に3本並行して封止樹脂50の外側まで延びている。櫛歯状に延びる第1連結部32aのそれぞれの先端には、第1外部端子33a、33b、33cがそれぞれ形成されている。
【0056】
このように、実施形態4に係る半導体装置103は、第1接続部材の構成が実施形態1に係る半導体装置100の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置100の場合と同様に、第1電極接合部31aは、第1電極接合部31aにおけるソースパッド22aと対向する側の面の外周領域に形成され、表面とソースパッド22aとの間の間隔が平坦部34aの表面とソースパッド22aとの間の間隔よりも長くなるように構成されたフィレット形成部35aを有するため、半導体装置の製造過程において、第1接続部材30aの第1電極接合部31aがソースパッド22a上から位置ずれしたときにソースパッド22aの周囲のパッシベーション膜24に第1接続部材30aの第1電極接合部31aが乗り上げてしまうことを防ぐことができる。従って、第1接続部材30aが熱応力等によって半導体チップ20のパッシベーション膜24や半導体チップ20内部にダメージを与えることを防ぐことができ、信頼性を高くすることができる。
【0057】
なお、実施形態4に係る半導体装置103は、第1接続部材の構成以外の点においては実施形態1に係る半導体装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る半導体装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0058】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0059】
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0060】
(2)上記実施形態1においては、フィレット形成部において、第2電極接合部の側面の途中から傾斜面を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。フィレット形成部において、第2電極接合部の側面全てを傾斜面としてもよい(変形例1に係る半導体装置104。
図6のフィレット形成部45c参照)。
【0061】
(3)上記各実施形態においては、平面的に見て矩形形状の平坦部44の周囲を囲うように4辺全てにフィレット形成部45を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。平面的に見て矩形形状の平坦部44の周囲を囲う4辺のうち1辺、2辺又は3辺にフィレット形成部を形成してもよい(3辺の場合、変形例2に係る半導体装置105。
図7のフィレット形成部45d参照)。
【0062】
(4)上記各実施形態においては、フィレット形成部を、平面的に見て矩形形状の電極接合部の外周領域の各辺に沿って形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。平面的に見て矩形形状の電極接合部の外周領域の各角部にフィレット形成部を形成してもよい(変形例3に係る半導体装置106。
図8の電極接合部41e参照)。電極接合部の角部が電極の外縁に近い形状(例えば、電極が円形状の場合)の場合には、上記した構成とすることにより平坦部44eとパッシベーション膜との間の距離を長くすることができ、接続部材が電極上から位置ずれした場合であってもパッシベーション膜に乗り上げ難くなる。
【0063】
(5)上記各実施形態においては、基板として、リードフレームからなる基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。一般的なプリント基板等適宜の基板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0064】
20…半導体チップ、22…ソースパッド、23…ゲートパッド、30,30a…第1接続部材、31,31a…第1電極接合部、34a,44,44a,44b,44c、44d…平坦部、35a,45,45a,45b,45c、45d…フィレット形成部、40,40a,40b,40c,40d,40e…第2接続部材、41,41a,41b,41c,41d,41e…第2電極接合部、60,62…導電性接合材、100,101,102,103,104,105,106,900…半導体装置