▶ 株式会社エコリーフの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087783
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】竹粉体製造装置
(51)【国際特許分類】
B27L 11/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
B27L11/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016681
(22)【出願日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2020199531
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520417975
【氏名又は名称】株式会社エコリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】堀 貞和
【テーマコード(参考)】
2B241
【Fターム(参考)】
2B241DA26
2B241DB30
(57)【要約】
【課題】分解、交換及び組立などの保守性に優れる刃体ユニットを少なくとも備える竹粉体製造装置を提供すること。
【解決手段】竹粉体製造装置1は、所定の切削機構10と、複数本の竹をまとめて搬送可能な搬送機構20と、を少なくとも備える。切削機構10は、軽量化のための凹み箇所、穴又は中空箇所を各所に設ける円筒形状の回転体11と、その外周面の幅方向にかつ一定角度の間隔をあけて配設する1体の刃体ユニット12と、を少なくとも備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹紛体製造装置であって、
前記切削機構として、円筒形状の回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニット(12)と、を少なくとも備える竹紛体製造装置。
【請求項2】
前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在である請求項1の竹粉体製造装置。
【請求項3】
前記刃体ユニットの幅方向配設個数が1であり、かつ、当該刃体ユニットの長さが前記回転体の幅と略同一である又は、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が複数であり、かつ、各々の刃体ユニットの長さを合計した長さが前記回転体の幅と略同一である請求項1又は請求項2の竹粉体製造装置。
【請求項4】
前記刃基体部(121)の配置について、刃台部(123)上の対向する複数本の平行直線上に配置するとともに、各直線上に配置した前記刃基体部相互間の隙間位置に異なる直線上の刃基体部を配置した請求項1から請求項3いずれかに記載の竹粉体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、分解、交換及び組立などの保守性に優れる刃体ユニットを備えるとともに、多量の竹粉体を短時間で製造可能な竹紛体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より、出願人は多数の金属製の円盤形状チップソーの中央を1本の軸で支え、当該軸を回転させることによって複数本の竹材をまとめて切削する竹紛体製造装置を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の竹紛体製造装置は、多量の竹紛体を短時間で製造する優れた装置であるが、円盤形状チップソーの消耗あるいは破損の際には、当該チップソー周辺の部材を分解し、当該チップソーを交換あるいは修繕をした後に再び組立を行う必要があった。
【0005】
前記チップソー周辺の機構は、金属製部材も多く相当の重量(400キログラムから500キログラム程度)であったため、分解、交換及び組立などのいわゆる保守作業には複数人の作業者が必要であった。
【0006】
また、その作業頻度も少なくはないことから、改良が望まれていた。
【0007】
そこで、竹を切削する箇所(切削機構)の分解、交換及び組立などの保守性に優れる竹紛体製造装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は上述の課題を解決するために、複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹紛体製造装置であって、前記切削機構を、円筒形状の回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニットと、を少なくとも備える竹紛体製造装置を提供する。
【0009】
また、本願発明は上記の課題を解決するために、さらに、前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在である竹粉体製造装置を提供する。
【0010】
また、本願発明は上記の課題を解決するために、さらに、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が1であり、かつ、当該刃体ユニットの長さが前記回転体の幅と略同一である又は、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が複数であり、かつ、各々の刃体ユニットの長さを合計した長さが前記回転体の幅と略同一である竹粉体製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹紛体製造装置であって、前記切削機構を、円筒形状の回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニットとを備えるため、切削機構(特に、刃体ユニット)の保守性に優れる。
【0012】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、さらに、前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在であるため、刃体ユニットの保守性がさらに向上する。
【0013】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、さらに、前記回転体の幅長と1の刃体ユニットの長さが略同一又は前記回転体の幅長と複数の刃体ユニットの各々の長さを合計した長さが略同一であるため、より多量の竹紛体を短時間で製造可能となる。また、複数の刃体ユニットを装着する竹粉体製造装置においては、より小さな単位での分解、交換及び組立が可能となるため、さらに、刃体ユニットの保守性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は実施例1の竹紛体製造装置を上方側からみた全体構成図である。
【
図2】
図2は(実施例1の)竹紛体製造装置の切断断面図である。
【
図3】
図3は実施例1の竹紛体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図4】
図4は実施例1又は実施例2の刃体ユニットを装着状態の側面側からみた拡大図である。
【
図5】
図5は実施例1又は実施例2の刃体ユニットを装着状態の正面側からみた図である。
【
図6】
図6は竹紛体製造装置の作動イメージを示す使用状態図である。
【
図7】
図7は実施例2の竹紛体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図8】
図8は実施例3の竹紛体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図9】
図9は実施例3の刃体ユニットを装着状態の正面側からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
竹を切削する箇所(切削機構)の保守性に優れた竹粉体製造装置として実施する。
【実施例0016】
まずは、竹粉体製造装置の構成について、
図1から
図5に従い説明する。
【0017】
竹紛体製造装置(1)は、所定の切削機構(10)と、前記切削機構の上流側に配設され複数本の竹をまとめて移送する搬送機構(20)と、を備える(
図1及び
図2)。
【0018】
前記切削機構(10)の構成について、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上に、一定間隔をあけて配設した1の刃体ユニット(12)と、を備える(
図2及び
図3)。
【0019】
前記回転体(11)について、円筒形状であれば良いが、軽量化を考慮するとその表面側に凹み又は穴等を、その内部側に中空箇所等を設ける方が好ましい(図示せず)。
【0020】
前記回転体(11)の幅について、竹をまとめて切削し得る程度の幅長であることを要する。
【0021】
前記刃体ユニット(12)の構成について、刃基体部(121)と、前記刃基体部の先端に配設するチップ部(122)と、前記刃基体部を固定する刃台部(123)と、で構成する(
図4及び
図5)。
【0022】
前記刃体ユニット(12)の長さについて、前記回転体(11)の幅(筒長方向の長さ)の範囲内であれば許容し得るが、より多量の竹紛体を短時間で製造することに考慮すれば、前記回転体の幅と略同一とする方が好ましい(
図3)。
【0023】
なお、前記刃体ユニット(12)の長さについて、前記回転体(11)の幅と「略」同一とは、前記回転体への装着や取り外しにおける適切かつ良好な隙間、あるいはその製造における誤差等による相違を許容する意図である。
【0024】
前記刃体ユニット(12)の前記回転体(11)に対する装着方法について、溶接や接着といった強固な固着手段でも許容し得るが、ネジ止めや嵌合等の様な比較的容易に短時間で装着可能な固着手段を採用する方が好ましい。
【0025】
前記刃体ユニット(12)が、前記回転体(11)から着脱自在とは、前記刃体ユニットの前記回転体に対する装着方法についての段落で記述した内容と同様の意図である。
【0026】
前記刃体ユニット(12)について、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ、一定間隔をあけて配設とは、前記回転体の円周360度のうち所定角度の間隔をあけて当該刃体ユニットを配設することを指し示すものとする(
図2及び
図3)。
【0027】
なお、前述の前記刃体ユニット(12)を配設する間隔について、製造する竹粉体の量、切削機構の耐久性、竹の種類、等々、様々な要素に応じて、様々なバリエーションを採用可能である。例えば、45度ごとの等間隔で配設、30度ごとの等間隔で配設、45度と90度とを組み合わせた間隔で配設などである。
【0028】
前記刃体ユニット(12)に関して、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ直線上に配設した「1の刃体ユニット」とは、
図3で示した様に前記回転体の外周面の幅方向の1本の直線上に1の刃体ユニットを配設した状態のことを指すものであり、幅方向配設個数が1と同様である(
図3)。
【0029】
前記刃台部(123)に対する前記刃基体部(121)の配置について、前記回転体(10)に装着した際の状態において1直線上に並ぶ様に配置している。
【0030】
前記刃基体部(121)相互の間隔について、本実施例では等間隔で配置している(
図3及び
図5)。
【0031】
なお、前記刃基体部(121)の配置個数について、竹を切削できる程度の個数を配置していれば許容し得るものとする。
【0032】
前記チップ部(122)とは、竹粉体製造工程において竹と接触する箇所であり、前記刃基体部(121)の先端に配設される(
図4)。
【0033】
前記搬送機構(20)の構成について、本実施例では、下段に配置する2体の搬送ロール体(21)と、その上段の対応位置に配置する2体の搬送ロール体(22)とで構成するが、複数本の竹をまとめて前記切削機構(10)まで移送し得る構成であればいかなる構成でも許容し得るものとする(
図2)。
【0034】
次に、竹粉体製造装置に、3本の竹材をまとめて投入し竹紛体を製造する際の作動について、
図6に従い説明する。
【0035】
搬送機構(20)の上流側から、3本の竹(30)をまとめて投入する。前記各々の竹は、まとめて切削機構(10)に移送され、前記切削機構に到達した部分から順に切削され、竹粉体(31)となる(
図6)。
【0036】
なお、前記竹紛体(31)は、当該竹粉体製造装置の下方側に配設する捕集容器により回収する(図示せず)。
【実施例0037】
実施例2の竹粉体製造装置は、切削機構及び刃体ユニットの構成が実施例1と異なるも装置であり、その異なる部分のみを
図7に従い説明する。
【0038】
本実施例の切削機構(10)は、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上の図示左側に配設した第1の刃体ユニット(12a)と、図示右側に配設した第2の刃体ユニット(12b)と、を備える(
図7)。
【0039】
前記第1の刃体ユニット(12a)及び前記第2の刃体ユニット(12b)に関して、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ直線上の所定位置に配設した各刃体ユニットとは、
図7で示した様に前記回転体の外周面の幅方向の1本の直線上に2の刃体ユニットを配設した状態のことを指すものであり、幅方向配設個数が2の構成を示すものである(
図7)。
【0040】
前記第1の刃体ユニット(12a)の長さと、前記第2の刃体ユニット(12b)の長さを合計した長さについて、前記回転体(11)の幅の範囲内であれば許容し得るが、より多量の竹粉体を短時間で製造することに考慮すれば、前記回転体(11)の幅と略同一とする方が好ましい。
【0041】
前記各刃体ユニットの長さについて、本実施例では、前記第1の刃体ユニット(12a)と前記第2の刃体ユニット(12b)とは、同一長さのものを採用しているが、前記回転体(11)の幅の範囲内であれば、異なる長さの刃体ユニットを組み合わせることも許容し得る。
【0042】
また、前記幅方向配設個数を3あるいは4などに変更した構成であっても許容し得る。むしり、より小さな単位での分解、交換及び組立が可能となるため、そういった観点では、幅方向配設個数を大きくした構成の方が好ましい。
【0043】
その他の構成については、実施例1の竹粉体製造装置と同様であるため省略する。
【0044】
また、竹紛体を製造する際の作動についても、実施例1の竹粉体製造装置と同様であるため省略する。
【実施例0045】
実施例3の竹粉体製造装置は、刃体ユニットの構成(刃基体部の配置)が実施例1及び実施例2と異なるものであり、その異なる部分のみを
図8及び
図9に従い説明する。
【0046】
本実施例の切削機構(10)は、実施例1と同様に、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上に配設した刃体ユニット(12)を備え、前記刃体ユニットは、刃基体部(121)と、前記刃基体部の先端に配設するチップ部(122)と、前記刃基体部を固定する刃台部(123)と、で構成する(
図8及び
図9)。
【0047】
前記刃台部(123)に対する前記刃基体部(121)の配置について、前記回転体(10)に装着した際の状態において、対向する2本の平行直線上に並ぶ様に配置している(
図8及び
図9)。
【0048】
前記刃基体部(121)の詳細な配置について、一方の直線(
図8で示す上側又は
図9で示す奥側の直線)上及び他方の直線(
図8で示す下側又は
図9で示す手前側の直線)上、各々の直線上に一定の隙間をあけながら等間隔で配置するとともに、前記一方の直線上に配置した刃基体部相互間の隙間位置に前記他方の直線上に配置した刃基体部を設ける(
図9)。
【0049】
前記配置を採用することにより、一方の直線上に配置された前記刃基体部(121)相互間の隙間位置であったとしても、他方の直線上に配置された前記刃基体部で竹を切削可能となる。また、他方の直線上に配置された前記刃基体部(121)相互間の隙間であったとしても、同様である。
【0050】
前記回転体(11)に対する前記刃体ユニット(12)の装着方法、前記刃体ユニットを配設する間隔、前記刃体ユニットの長さ、前記刃基体部(121)の配置個数については、実施例1と同様である。
【0051】
また、実施例2の様な第1の刃体ユニット(12a)及び第2の刃体ユニット(12b)等を備える構成とすることも許容し得る。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本願発明は、分解、交換及び組立などの保守性に優れる刃体ユニットを少なくとも備え、複数本の竹をまとめて搬送し多量の竹紛体を短時間で製造し得る優れた竹紛体製造装置であるので、産業上の利用性可能性を有する。
【符号の説明】
【0053】
1 竹紛体製造装置
10 切削機構
11 回転体
12 刃体ユニット
12a 第1の刃体ユニット
12b 第2の刃体ユニット
121 刃基体部
122 チップ部
123 刃台部
20 搬送機構
21 下段に配置する搬送ロール体
22 上段に配置する搬送ロール体
30 竹
31 竹粉体
【手続補正書】
【提出日】2021-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹粉体製造装置であって、
前記切削機構として、円筒形状の回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニット(12)と、を少なくとも備える竹粉体製造装置。
【請求項2】
前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在である請求項1の竹粉体製造装置。
【請求項3】
前記刃体ユニットの幅方向配設個数が1であり、かつ、当該刃体ユニットの長さが前記回転体の幅と略同一である又は、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が複数であり、かつ、各々の刃体ユニットの長さを合計した長さが前記回転体の幅と略同一である請求項1又は請求項2の竹粉体製造装置。
【請求項4】
前記刃基体部(121)の配置について、刃台部(123)上の対向する複数本の平行直線上に配置するとともに、各直線上に配置した前記刃基体部相互間の隙間位置に異なる直線上の刃基体部を配置した請求項1から請求項3いずれかに記載の竹粉体製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、分解、交換及び組立などの保守性に優れる刃体ユニットを備えるとともに、多量の竹粉体を短時間で製造可能な竹粉体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より、出願人は多数の金属製の円盤形状チップソーの中央を1本の軸で支え、当該軸を回転させることによって複数本の竹材をまとめて切削する竹粉体製造装置を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の竹粉体製造装置は、多量の竹粉体を短時間で製造する優れた装置であるが、円盤形状チップソーの消耗あるいは破損の際には、当該チップソー周辺の部材を分解し、当該チップソーを交換あるいは修繕をした後に再び組立を行う必要があった。
【0005】
前記チップソー周辺の機構は、金属製部材も多く相当の重量(400キログラムから500キログラム程度)であったため、分解、交換及び組立などのいわゆる保守作業には複数人の作業者が必要であった。
【0006】
また、その作業頻度も少なくはないことから、改良が望まれていた。
【0007】
そこで、竹を切削する箇所(切削機構)の分解、交換及び組立などの保守性に優れる竹粉体製造装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は上述の課題を解決するために、複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹粉体製造装置であって、前記切削機構を、円筒形状の回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニットと、を少なくとも備える竹粉体製造装置を提供する。
【0009】
また、本願発明は上記の課題を解決するために、さらに、前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在である竹粉体製造装置を提供する。
【0010】
また、本願発明は上記の課題を解決するために、さらに、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が1であり、かつ、当該刃体ユニットの長さが前記回転体の幅と略同一である又は、前記刃体ユニットの幅方向配設個数が複数であり、かつ、各々の刃体ユニットの長さを合計した長さが前記回転体の幅と略同一である竹粉体製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の竹粉体製造装置は、複数本の竹をまとめて移送し得る搬送機構及び当該竹をまとめて切削し得る所定の切削機構を備える竹粉体製造装置であって、前記切削機構を、円筒形状の回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に配設した1又は複数の刃体ユニットとを備えるため、切削機構(特に、刃体ユニット)の保守性に優れる。
【0012】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、さらに、前記刃体ユニットが、前記回転体から着脱自在であるため、刃体ユニットの保守性がさらに向上する。
【0013】
また、本願発明の竹粉体製造装置は、さらに、前記回転体の幅長と1の刃体ユニットの長さが略同一又は前記回転体の幅長と複数の刃体ユニットの各々の長さを合計した長さが略同一であるため、より多量の竹粉体を短時間で製造可能となる。また、複数の刃体ユニットを装着する竹粉体製造装置においては、より小さな単位での分解、交換及び組立が可能となるため、さらに、刃体ユニットの保守性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は実施例1の竹
粉体製造装置を上方側からみた全体構成図である。
【
図2】
図2は(実施例1の)竹
粉体製造装置の切断断面図である。
【
図3】
図3は実施例1の竹
粉体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図4】
図4は実施例1又は実施例2の刃体ユニットを装着状態の側面側からみた拡大図である。
【
図5】
図5は実施例1又は実施例2の刃体ユニットを装着状態の正面側からみた図である。
【
図6】
図6は竹
粉体製造装置の作動イメージを示す使用状態図である。
【
図7】
図7は実施例2の竹
粉体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図8】
図8は実施例3の竹
粉体製造装置の切削機構の拡大斜視図である。
【
図9】
図9は実施例3の刃体ユニットを装着状態の正面側からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
竹を切削する箇所(切削機構)の保守性に優れた竹粉体製造装置として実施する。
【実施例0016】
まずは、竹粉体製造装置の構成について、
図1から
図5に従い説明する。
【0017】
竹
粉体製造装置(1)は、所定の切削機構(10)と、前記切削機構の上流側に配設され複数本の竹をまとめて移送する搬送機構(20)と、を備える(
図1及び
図2)。
【0018】
前記切削機構(10)の構成について、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上に、一定間隔をあけて配設した1の刃体ユニット(12)と、を備える(
図2及び
図3)。
【0019】
前記回転体(11)について、円筒形状であれば良いが、軽量化を考慮するとその表面側に凹み又は穴等を、その内部側に中空箇所等を設ける方が好ましい(図示せず)。
【0020】
前記回転体(11)の幅について、竹をまとめて切削し得る程度の幅長であることを要する。
【0021】
前記刃体ユニット(12)の構成について、刃基体部(121)と、前記刃基体部の先端に配設するチップ部(122)と、前記刃基体部を固定する刃台部(123)と、で構成する(
図4及び
図5)。
【0022】
前記刃体ユニット(12)の長さについて、前記回転体(11)の幅(筒長方向の長さ)の範囲内であれば許容し得るが、より多量の竹紛体を短時間で製造することに考慮すれば、前記回転体の幅と略同一とする方が好ましい(
図3)。
【0023】
なお、前記刃体ユニット(12)の長さについて、前記回転体(11)の幅と「略」同一とは、前記回転体への装着や取り外しにおける適切かつ良好な隙間、あるいはその製造における誤差等による相違を許容する意図である。
【0024】
前記刃体ユニット(12)の前記回転体(11)に対する装着方法について、溶接や接着といった強固な固着手段でも許容し得るが、ネジ止めや嵌合等の様な比較的容易に短時間で装着可能な固着手段を採用する方が好ましい。
【0025】
前記刃体ユニット(12)が、前記回転体(11)から着脱自在とは、前記刃体ユニットの前記回転体に対する装着方法についての段落で記述した内容と同様の意図である。
【0026】
前記刃体ユニット(12)について、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ、一定間隔をあけて配設とは、前記回転体の円周360度のうち所定角度の間隔をあけて当該刃体ユニットを配設することを指し示すものとする(
図2及び
図3)。
【0027】
なお、前述の前記刃体ユニット(12)を配設する間隔について、製造する竹粉体の量、切削機構の耐久性、竹の種類、等々、様々な要素に応じて、様々なバリエーションを採用可能である。例えば、45度ごとの等間隔で配設、30度ごとの等間隔で配設、45度と90度とを組み合わせた間隔で配設などである。
【0028】
前記刃体ユニット(12)に関して、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ直線上に配設した「1の刃体ユニット」とは、
図3で示した様に前記回転体の外周面の幅方向の1本の直線上に1の刃体ユニットを配設した状態のことを指すものであり、幅方向配設個数が1と同様である(
図3)。
【0029】
前記刃台部(123)に対する前記刃基体部(121)の配置について、前記回転体(10)に装着した際の状態において1直線上に並ぶ様に配置している。
【0030】
前記刃基体部(121)相互の間隔について、本実施例では等間隔で配置している(
図3及び
図5)。
【0031】
なお、前記刃基体部(121)の配置個数について、竹を切削できる程度の個数を配置していれば許容し得るものとする。
【0032】
前記チップ部(122)とは、竹粉体製造工程において竹と接触する箇所であり、前記刃基体部(121)の先端に配設される(
図4)。
【0033】
前記搬送機構(20)の構成について、本実施例では、下段に配置する2体の搬送ロール体(21)と、その上段の対応位置に配置する2体の搬送ロール体(22)とで構成するが、複数本の竹をまとめて前記切削機構(10)まで移送し得る構成であればいかなる構成でも許容し得るものとする(
図2)。
【0034】
次に、竹粉体製造装置に、3本の竹材をまとめて投入し竹
粉体を製造する際の作動について、
図6に従い説明する。
【0035】
搬送機構(20)の上流側から、3本の竹(30)をまとめて投入する。前記各々の竹は、まとめて切削機構(10)に移送され、前記切削機構に到達した部分から順に切削され、竹粉体(31)となる(
図6)。
【0036】
なお、前記竹粉体(31)は、当該竹粉体製造装置の下方側に配設する捕集容器により回収する(図示せず)。
【実施例0037】
実施例2の竹粉体製造装置は、切削機構及び刃体ユニットの構成が実施例1と異なるも装置であり、その異なる部分のみを
図7に従い説明する。
【0038】
本実施例の切削機構(10)は、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上の図示左側に配設した第1の刃体ユニット(12a)と、図示右側に配設した第2の刃体ユニット(12b)と、を備える(
図7)。
【0039】
前記第1の刃体ユニット(12a)及び前記第2の刃体ユニット(12b)に関して、前記回転体(11)の外周面の幅方向に、かつ直線上の所定位置に配設した各刃体ユニットとは、
図7で示した様に前記回転体の外周面の幅方向の1本の直線上に2の刃体ユニットを配設した状態のことを指すものであり、幅方向配設個数が2の構成を示すものである(
図7)。
【0040】
前記第1の刃体ユニット(12a)の長さと、前記第2の刃体ユニット(12b)の長さを合計した長さについて、前記回転体(11)の幅の範囲内であれば許容し得るが、より多量の竹粉体を短時間で製造することに考慮すれば、前記回転体(11)の幅と略同一とする方が好ましい。
【0041】
前記各刃体ユニットの長さについて、本実施例では、前記第1の刃体ユニット(12a)と前記第2の刃体ユニット(12b)とは、同一長さのものを採用しているが、前記回転体(11)の幅の範囲内であれば、異なる長さの刃体ユニットを組み合わせることも許容し得る。
【0042】
また、前記幅方向配設個数を3あるいは4などに変更した構成であっても許容し得る。むしり、より小さな単位での分解、交換及び組立が可能となるため、そういった観点では、幅方向配設個数を大きくした構成の方が好ましい。
【0043】
その他の構成については、実施例1の竹粉体製造装置と同様であるため省略する。
【0044】
また、竹粉体を製造する際の作動についても、実施例1の竹粉体製造装置と同様であるため省略する。
【実施例0045】
実施例3の竹粉体製造装置は、刃体ユニットの構成(刃基体部の配置)が実施例1及び実施例2と異なるものであり、その異なる部分のみを
図8及び
図9に従い説明する。
【0046】
本実施例の切削機構(10)は、実施例1と同様に、円筒形状でその中心部を貫通軸支した回転体(11)と、前記回転体の外周面の幅方向に、かつ直線上に配設した刃体ユニット(12)を備え、前記刃体ユニットは、刃基体部(121)と、前記刃基体部の先端に配設するチップ部(122)と、前記刃基体部を固定する刃台部(123)と、で構成する(
図8及び
図9)。
【0047】
前記刃台部(123)に対する前記刃基体部(121)の配置について、前記回転体(10)に装着した際の状態において、対向する2本の平行直線上に並ぶ様に配置している(
図8及び
図9)。
【0048】
前記刃基体部(121)の詳細な配置について、一方の直線(
図8で示す上側又は
図9で示す奥側の直線)上及び他方の直線(
図8で示す下側又は
図9で示す手前側の直線)上、各々の直線上に一定の隙間をあけながら等間隔で配置するとともに、前記一方の直線上に配置した刃基体部相互間の隙間位置に前記他方の直線上に配置した刃基体部を設ける(
図9)。
【0049】
前記配置を採用することにより、一方の直線上に配置された前記刃基体部(121)相互間の隙間位置であったとしても、他方の直線上に配置された前記刃基体部で竹を切削可能となる。また、他方の直線上に配置された前記刃基体部(121)相互間の隙間であったとしても、同様である。
【0050】
前記回転体(11)に対する前記刃体ユニット(12)の装着方法、前記刃体ユニットを配設する間隔、前記刃体ユニットの長さ、前記刃基体部(121)の配置個数については、実施例1と同様である。
【0051】
また、実施例2の様な第1の刃体ユニット(12a)及び第2の刃体ユニット(12b)等を備える構成とすることも許容し得る。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本願発明は、分解、交換及び組立などの保守性に優れる刃体ユニットを少なくとも備え、複数本の竹をまとめて搬送し多量の竹粉体を短時間で製造し得る優れた竹粉体製造装置であるので、産業上の利用性可能性を有する。
【符号の説明】
【0053】
1 竹粉体製造装置
10 切削機構
11 回転体
12 刃体ユニット
12a 第1の刃体ユニット
12b 第2の刃体ユニット
121 刃基体部
122 チップ部
123 刃台部
20 搬送機構
21 下段に配置する搬送ロール体
22 上段に配置する搬送ロール体
30 竹
31 竹粉体
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