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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008780
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】支持フレーム構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20220106BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H01L23/12 301J
H05K3/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151945
(22)【出願日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】202010599238.6
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】馮 進 東
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】趙 江 江
(72)【発明者】
【氏名】王 聞 師
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体パッケージ技術において、支持フレーム構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、支持領域110と開口領域120を含む金属板100を提供し、金属スペーサが接続される上媒質開口130と下媒質開口140をそれぞれ、フォトリソグラフィによって金属板100の上、下面に形成し、上金属柱600aを金属板100の上面に形成し、上金属柱600aと上媒質開口130を被覆する上媒質層210を積層し、金属スペーサをエッチングし、下金属600bを金属板100の下面に形成し、下金属柱600bと下媒質開口140を被覆する下媒質層220を積層し、上、下面に対応する上、下媒質層210、220と、上、下金属柱600a、bを平坦に研磨して感光性ドライフィルムを貼り付け、その上にフォトリソグラフィーにより開口領域にパターン窓を形成し、パターン窓をエッチングしてコア埋め込み型開口フレーム400を形成する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレーム構造の製造方法であって、
支持領域および開口領域を含む金属板を提供するステップと、
その間に金属スペーサが接続される少なくとも1つの上媒質開口および少なくとも1つの下媒質開口をそれぞれ、フォトリソグラフィによって前記支持領域の上面および下面に形成するステップと、
少なくとも1つの上金属柱を前記金属板の上面に電気めっきによって形成し、上媒質層を積層し、前記上媒質層は前記上金属柱および前記上媒質開口を被覆するステップと、
前記金属スペーサをエッチングし、前記金属板に関して前記上金属柱と対称に設置される下金属柱を前記金属板の下面に電気めっきによって少なくとも1つ形成し、下媒質層を積層し、前記下媒質層は前記下金属柱と前記下媒質開口を被覆するステップと、
上面と下面に対応する前記上媒質層、前記下媒質層および前記上金属柱、前記下金属柱を平坦に研磨して感光性ドライフィルムを貼り付け、前記感光性ドライフィルムに対してフォトリソグラフィーにより前記開口領域に少なくとも1つのパターン窓を形成し、前記パターン窓をエッチングしてコア埋め込み型開口フレームを形成するステップとを含むことを特徴とする支持フレーム構造の製造方法。
【請求項2】
前記上媒質開口と前記下媒質開口とが垂直方向において揃えて設置されることを特徴とする請求項1に記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項3】
前記上金属柱および前記下金属柱はそれぞれ支持金属柱および開口金属柱を含み、前記開口金属柱は前記パターン窓によって覆われることを特徴とする請求項1記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項4】
前記上媒質層および前記下媒質層は、プリプレグまたはフィルム型樹脂の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン熱可塑性有機樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項5】
前記上媒質層の表面に導電層と保護層を順次形成することを特徴とする請求項1に記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項6】
前記導電層は、チタンまたは銅金属であることを特徴とする請求項5に記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項7】
前記保護層は、感光性光フィルムまたは液体フォトレジスト材料であることを特徴とする請求項5に記載の支持フレーム構造の製造方法。
【請求項8】
埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造であって、
支持領域および開口領域を含み、前記支持領域の上面および下面にはそれぞれ、少なくとも1つの上媒質開口および少なくとも1つの下媒質開口が設けられ、前記上媒質開口と前記下媒質開口が連通する金属板と、
上金属柱および下金属柱を含む金属柱であって、前記上金属柱および前記下金属柱はそれぞれ、前記金属板の上面および下面に垂直に接続される少なくとも1組の金属柱と、
上媒質層および下媒質層を含む媒質層であって、前記上媒質層および前記下媒質層は、それぞれ、前記金属板の上面および前記上媒質開口、前記金属板の下面および前記下媒質開口に設置される媒質層と、
前記開口領域に設置され、前記媒質層および前記金属板を貫通し、媒質層を介して前記上媒質開口および前記下媒質開口から離間する少なくとも1つのコア埋め込み型開口フレームと、を含むことを特徴とする支持フレーム構造。
【請求項9】
埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造であって、
媒質層は、プリプレグまたはフィルム型樹脂の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン熱可塑性有機樹脂を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の支持フレーム構造。
【請求項10】
埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造であって、
前記金属板または前記金属柱は、導電性金属または金属合金を含むことを特徴とする請求項8に記載の金属支持フレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半導体パッケージ技術の分野に関し、特に、支持フレーム構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業の活発な発展に伴い、電子製品がますます軽量化、薄型化になり、集積度が日々向上し、支持フレームを用いて組み込み型チップを実現するパッケージ方法の発展は大いに進んでいる。支持フレーム構造の全体的な要件は、信頼性と適切な電気的性能、薄さ、剛性、平坦度、優れた放熱性、および競争力のある単価である。
【0003】
現在、市販の埋め込みおよびパッケージ用のフレームはほとんど媒質材料を支持フレームの本体として使用しており、しかも媒質材料の中に大量の貫通孔付き金属柱アレイを製作し、貫通孔付き金属柱の高さを調整することによってフレームと埋め込んだチップの高さのマッチングを実現し、また、支持フレームのパッケージ後は主に媒質及びチップの背面の窓開きによって放熱を実現するが、媒質材料の放熱率が低いため、大電力デバイスの埋め込みおよびパッケージの需要に適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、関連技術の技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。この目的のために、本出願は、支持フレーム構造の製造方法および支持フレーム構造を提供し、以下は、本明細書に詳細に説明される主旨の概要である。本概要は、特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。前記技術的な解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本出願の実施例は支持フレーム構造の製造方法を提供し、前記支持フレーム構造の製造方法は、
支持領域および開口領域を含む金属板を提供するステップと、
その間に金属スペーサが接続される少なくとも1つの上媒質開口および少なくとも1つの下媒質開口をそれぞれ、フォトリソグラフィによって前記支持領域の上面および下面に形成するステップと、
少なくとも1つの上金属柱を前記金属板の上面に電気めっきによって形成し、上媒質層を積層し、前記上媒質層は前記上金属柱および前記上媒質開口を被覆するステップと、
前記金属スペーサをエッチングし、前記金属板に関して前記上金属柱と対称に設置される下金属柱を前記金属板の下面に電気めっきによって少なくとも1つ形成し、下媒質層を積層し、前記下媒質層は前記下金属柱と前記下媒質開口を被覆するステップと、
上面と下面に対応する前記上媒質層、前記下媒質層および前記上金属柱、前記下金属柱を平坦に研磨して感光性ドライフィルムを貼り付け、前記感光性ドライフィルムに対してフォトリソグラフィーにより前記開口領域に少なくとも1つのパターン窓を形成し、前記パターン窓をエッチングしてコア埋め込み型開口フレームを形成するステップとを含む。
【0006】
本出願の第1の実施例による支持フレーム構造の製造方法は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第1、当該フレームは金属を支持基材として採用しており、金属は良好な熱伝導性を有しており、チップが作動する時に発生した熱を、フレーム中の金属層を介して伝導し、チップの温度を低下させることができ、チップの背面で窓を開いて放熱を行う必要がなく、または高コストの高放熱性の媒質材料を利用する必要がない。第2、金属は一定の剛性と良好な延性を有し、金属板をコアとし、金属柱の生成と有機媒質層の被覆を加えることで、パッケージの反り度を改善することに有利である。第3、コアとなる金属板の厚さを増加することによってフレームの厚さを増加することができ、それによって電気めっきされる金属柱の高さを減少させ、電気めっき工程が不安定になるリスクを低減させることができ、それと同時に、薄型化と平坦化過程において金属柱が磨き出さないリスクを低減することができ、製造されたフレームが設計の仕様要件以内にあることを確保する。第4、当該支持フレームの製造方法は簡単でコストが低い。
【0007】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記上媒質開口および前記下媒質開口は、垂直方向において揃えて設置される。
【0008】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記上金属柱および前記下金属柱はそれぞれ、支持金属柱および開口金属柱を含み、前記開口金属柱は、前記パターン窓によって覆われる。
【0009】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記上媒質層および前記下媒質層は、プリプレグまたはフィルム型樹脂の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン熱可塑性有機樹脂を含む。
【0010】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記上媒質層の表面上に、導電層および保護層が順次形成される。
【0011】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記導電層はチタンまたは銅金属である。
任意選択で、本出願の一実施例では、前記保護層は、感光性光フィルムまたは液体フォトレジスト材料である。
【0012】
第2の態様では、本出願の実施例は、埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造を提供し、前記支持フレーム構造は、
支持領域および開口領域を含み、前記支持領域の上面および下面にはそれぞれ、少なくとも1つの上媒質開口および少なくとも1つの下媒質開口が設けられ、前記上媒質開口と前記下媒質開口が連通する金属板と、
上金属柱および下金属柱を含む金属柱であって、前記上金属柱および前記下金属柱はそれぞれ、前記金属板の上面および下面に垂直に接続される少なくとも1組の金属柱と、
上媒質層および下媒質層を含む媒質層であって、前記上媒質層および前記下媒質層は、それぞれ、前記金属板の上面および前記上媒質開口、前記金属板の下面および前記下媒質開口に設置される媒質層と、
前記開口領域に設置され、前記媒質層および前記金属板を貫通し、媒質層を介して前記上媒質開口および前記下媒質開口から離間する少なくとも1つのコア埋め込み型開口フレームと、を含む。
【0013】
本出願の第2の実施例による支持フレーム構造は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第1、当該フレームは金属を支持基材として採用しており、金属は良好な熱伝導性を有しており、チップが作動する時に発生した熱を、フレーム中の金属層を介して伝導し、チップの温度を低下させることができ、チップの背面で窓を開いて放熱を行う必要がなく、または高コストの高放熱性の媒質材料を利用する必要がない。第2、金属は一定の剛性と良好な延性を有し、金属板をコアとし、金属柱の生成と有機媒質層の被覆を加えることで、パッケージの反り度を改善することに有利である。第3、コアとなる金属板の厚さを増加することによってフレームの厚さを増加することができ、それによって電気めっきされる金属柱の高さを減少させ、電気めっき工程が不安定になるリスクを低減させることができ、それと同時に、薄型化と平坦化過程において金属柱が磨き出さないリスクを低減することができ、製造されたフレームが設計の仕様要件以内にあることを確保する。第4、当該支持フレームの製造方法は簡単でコストが低い。
【0014】
任意選択で、本出願の一実施例では、媒質は、プリプレグまたはフィルム型樹脂の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン熱可塑性有機樹脂を含む。
【0015】
任意選択で、本出願の一実施例では、前記金属板または前記金属柱は、導電性金属または金属合金を含む。
【0016】
本出願の他の特徴および利点は、後述の明細書に説明され、かつ、明細書から部分的に明らかになるか、または本出願を実施することによって理解される。本出願の目的および他の利点は、明細書、特許請求の範囲および図面において特に指摘される構造によって実現および取得が可能である。
【0017】
図面は、本出願の技術的解決手段のさらなる理解を提供するために使用され、本明細書の一部を構成し、本出願の実施例と共に本出願の技術的解決手段を説明するために使用され、本出願の技術的解決手段に対する限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法のステップのフローチャートである。
図2】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図3】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図4】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図5】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図6】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図7】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図8】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図9】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図10】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法の中間状態の断面図である。
図11】本出願の別の実施例によって提供される支持フレーム構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下では、図面および実施例を参照しながら、本出願をさらに詳細に説明する。ここで記載される具体的な実施例は、本出願を説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものではないため、技術的に実質的な意味を有せず、いかなる構造の修飾、比例関係の変化または大きさの調整は、本出願が発揮できる効果及び達成できる目的に影響しない限り、本出願が開示した技術内容がカバーできる範囲内に落とすべきであることを理解されたい。
【0020】
本部分は、本出願の具体的な実施例を詳細に説明するが、本出願の好適な実施例が図面に示され、図面の役割は明細書の文字部分の説明を図形で補足することであり、それにより、本出願の各技術特徴と全体の技術的解決手段を直感的かつ視覚的に理解させることができるが、本出願に対する保護範囲の制限として理解するものではない。
【0021】
本出願の説明において、「若干」とは、1つまたは複数を意味し、「複数」とは2つ以上を意味し、「より大きい」、「未満」、「超える」などは数値自身を含まず、「以上」、「以下」、「以内」などは数値自身を含むことを意味する。「第1」、「第2」との記載があれば、技術的特徴を区別するためにのみ使用され、比較的な重要性を指示もしくは暗示するか、または示された技術的特徴の数を黙示的に示すか、または示された技術的特徴の前後関係を黙示的に示すと理解するものではない。
【0022】
図1を参照すると、本出願の一実施例によって提供される支持フレーム構造の製造方法は、以下のステップを含む。
【0023】
S100において、図2に示すように、金属板100を提供する。具体的に、予め製作された1枚の金属板100を用意する。金属板100は垂直方向において2つの表面を含み、そのうち一方は上面であり、反対側は下面であり、水平方向において支持領域110と開口領域120を含み、支持領域110と開口領域120は異なる機能によって区分され、金属板100の厚さと寸法は異なる需要に応じて具体的にカスタマイズされ、金属板100の材料は銅、アルミニウム、銅‐アルミニウム合金などの金属または金属合金のうちの1種であってもよい。好ましくは、本出願における金属板100の材料は銅金属である。
【0024】
S200において、支持領域110の上面と下面には、それぞれ少なくとも一つの上媒質開口130と少なくとも一つの下媒質開口140をフォトリソグラフィによって形成し、上媒質開口130と下媒質開口140との間には金属スペーサ150が接続される。具体的には、図3に示すように、金属板100の上面と下面にはそれぞれPCBフォトレジスト170を貼り付け、PCBフォトレジスト170に対して露光、現像することで上媒質開口窓130aと下媒質開口窓140bを形成する。
【0025】
図4に示すように、エッチング工程により、エッチングの深さを制御して金属板100をエッチングし、金属板100の上面と下面に所定の深さの上媒質開口130と、下媒質開口140と、上媒質開口130と下媒質開口140との間に介在する金属スペーサ150とを形成し、続いてPCBフォトレジスト170を除去する。なお、エッチング金属板100の上面と下面の媒質をエッチングして開口する際には、金属板100が切断されないようにエッチングの深さを制御して、金属スペーサ150を残しておくことを必要とし、以降のステップの実行を容易にするためである。
【0026】
任意選択で、PCBフォトレジスト170は感光性ドライフィルムまたは液体フォトレジストを含み、PCBフォトレジスト170はフォトレジストまたはフォトレジスト剤とも呼ばれ、紫外光、深紫外光、電子ビーム、イオンビーム、X線などの光照射または放射後に耐食刻フィルム材料に変化し、好ましくは、本出願におけるPCBフォトレジスト170は感光性ドライフィルムであり、上媒質開口130及び下媒質開口130以外の感光性ドライフィルム170の領域に対して光照射露光を行い、続いて現像によって上媒質開口窓130aと下媒質開口窓140bを露出させる。
【0027】
S300において、金属板100の上面に電気めっきで少なくとも一つの上金属柱600aを形成し、媒質層210を積層し、上媒質層210は上金属柱600aと上媒質開口130を被覆する。具体的には、図5に示すように、金属板100の上面と下面に感光性ドライフィルム170を貼り付け、まず、上面感光性ドライフィルム170をフォトリソグラフィ現像により金属柱の貫通孔を形成し、下面感光性ドライフィルム170を直接全板露光し、上金属柱の貫通孔の電気めっきを行い、導通する金属柱600aを形成する。なお、感光性ドライフィルム170が露光された後に耐食性を有するので、金属板100の下面がエッチングされないように保護することができる。図6に示すように、感光性ドライフィルム170を剥離し、上面層で有機媒質材料を積層して上媒質層210を形成し、金属板100の上面と上媒質開口130を有機媒質材料で充填し、金属板100の下面に感光性ドライフィルム170をさらに貼り付けて、露出現像によって金属板100の下面における下媒質開口140に対応する位置において下媒質開口窓140bを再度形成する。なお、有機媒質材料は、プリプレグ、フィルム型樹脂等の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン等の熱可塑性有機樹脂を含み、好ましくは、本出願における有機媒質材料はプリプレグを使用する。
【0028】
S400において、金属スペーサ150をエッチングし、金属板100の下面に電気メッキで少なくとも一つの下金属柱600bを形成し、下媒質層220を積層し、下媒質層220が下金属柱600bと下媒質開口140を被覆し、上金属柱600aと下金属柱600bは金属板100に関して対称に設置される。具体的には、図7に示すように、上媒質開口130と下媒質開口140との間の金属スペーサ150をエッチングで除去して上媒質開口130と下媒質開口140とを通じさせ、金属板100の下面の感光性ドライフィルム170をフィルム剥離薬水で除去して金属板100下面を露出させ、研磨工程により上面を平坦に研磨し、上媒質層210によりその内に積層された上金属柱600aを磨き出して上金属柱600aの表面を露出させて、上金属柱600aの表面と上媒質層210の表面を同一平面に位置させ、図8に示すように、上媒質層210の表面と下金属板100の下面に感光性ドライフィルム170を圧着して、上面感光性ドライフィルム170の一面を全板で露光させて、上層線路を保護するための保護層700を形成し、続いて下面感光性ドライフィルム170に対して露光現像により金属柱600bの貫通孔を形成して、電気メッキにより下金属柱600bを形成する。図9に示すように、下面感光性ドライフィルム170をフィルム剥離薬水で除去し、下金属柱600bの表面と金属板100の下面とを露出させ、金属板100の下面で有機媒質材料を圧着して下媒質層220を形成し、金属板100下面と下媒質開口140を有機媒質材料で充填して金属柱をその中に被覆した後、下面を研磨工程により平坦になるように研磨し、下媒質層220層によりその内に積層された下金属柱600bを研き出し、下金属柱600bの表面を露出させ、下金属柱600bの表面と下媒質層220の表面が同じ平面に位置するようにする。
【0029】
なお、上媒質開口130と下媒質開口140とが垂直方向において揃えて設置され、最終的に連通するのは、金属板100が切断されて独立な支持金属とするためであり、上金属柱600aと下金属柱600bの中心とが垂直方向において同一の垂直線上にあり、金属板100と垂直に接続され、上下面の二つの面からそれぞれ金属板100を支持し、上媒質開口130と下媒質開口140との連結を通じて、最終的に支持金属、上金属柱600a(支持金属柱)と下金属柱600b(支持金属柱)を連通させて独立な金属支持フレームを形成し、単独の線路接続通路を形成し、フレーム外部の電子部品またはその他のフレームとの電気的接続を容易にする。
【0030】
ステップS400には、導電層500と保護層700とを上媒質層210の表面に順次形成するステップS410も含まれる。具体的には、上媒質層210は薄型化と平坦化処理をした後に、全ての上金属柱600aの上面が露出し、上金属柱600aの上面は上媒質層210の表面と同一の平面上に位置し、さらに、平坦に研磨した後の同じ平面の表面に導電層500を形成するための金属シード層をスパッタする。図8に示すように、S420において、導電層500の上面に感光性ドライフィルム170を貼り付けて保護層700を形成し、導電層500を形成する目的は、化学めっきの方法により化学反応セルに電極を供給して電気メッキすることにより下金属柱600bを形成することである。好ましくは、金属シード層は、チタン、銅などの金属材料からなる。
【0031】
S500において、上面及び下面に対応する上媒質層210、下媒質層220及び上金属柱600a、下金属柱600bを平坦に研磨して感光性ドライフィルム170を貼り付け、感光性ドライフィルム170にフォトリソグラフィを行って開口領域120に少なくとも一つのパターン窓300を形成し、パターン窓300に対してエッチングしてコア埋め込み型開口フレーム400を形成する。具体的には、図10に示すように、ステップS400で形成されるフレームの上下面をさらに研磨処理し、感光性ドライフィルム170を貼り付け、露光現像により少なくとも1つのパターン窓300を形成し、金属板100開口領域120において上下面に対応する金属柱(開口金属柱)の表面と媒質層表面を露出させる。図11に示すように、エッチングする方法で露出した金属柱をエッチングし、開口金属柱の中間に介在する媒質層は、金属柱の支持がないため現像過程で同時に除去され、コア埋め込み型開口フレーム400を形成し、感光性ドライフィルム170をフィルム剥離薬水で除去し、支持フレームを形成する。
【0032】
なお、コア埋め込み型開口フレーム400は、電子素子を埋め込むために用いられる。電子素子は、デバイス、チップを含むがそれらに限定されず、能動デバイスであっても、受動デバイスであってもよく、用途別に大電力デバイスであってもよく、無線周波またはロジックチップであってもよく、コア埋め込み型開口フレーム400のサイズ及び数は、実際の需要に応じて設計することができる。
【0033】
上記の支持フレーム構造の製造方法に基づき、本出願の支持フレーム構造の各実施例を提供する。
【0034】
図11に示すように、本出願の別の実施例は、埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造を提供し、それは、支持領域110および開口領域120を含み、支持領域110の上面および下面にはそれぞれ、少なくとも1つの上媒質開口130および少なくとも1つの下媒質開口140が設けられ、上媒質開口130と下媒質開口140が連通する金属板100と、
上金属柱600aおよび下金属柱600bを含む金属柱であって、上金属柱600aおよび下金属柱600bはそれぞれ、金属板100の上面および下面に垂直に接続される少なくとも1組の金属柱と、
上媒質層210および下媒質層220を含む媒質層であって、上媒質層210および下媒質層220は、それぞれ、金属板100の上面および上媒質開口130、金属板の下面および下媒質開口140に設置される媒質層と、
開口領域に設置され、媒質層および金属板を貫通し、媒質層を介して上媒質開口130および下媒質開口140から離間する少なくとも1つのコア埋め込み型開口フレーム400と、を含む。
【0035】
一実施例において、一組の金属柱は上金属柱600a及び下金属柱600bを含み、上金属柱600aと下金属柱600bの中心は垂直方向に同じ垂直線に位置し、かつ支持金属と垂直に連結して金属支持台を構成し、単独の線路接続通路を形成し、フレーム外部の電子部品またはその他のフレームとの電気的接続を容易にする。複数の金属支持フレームは、媒質層を介して隔離され、金属支持フレームには、電子素子を埋め込むためのコア埋め込み型開口フレーム400が設けられ、電子素子は、デバイス、チップを含むがそれらに限定されず、能動デバイスであっても、受動デバイスであってもよく、用途別に大電力デバイスであってもよく、無線周波またはロジックチップであってもよく、コア埋め込み型開口フレーム400のサイズ及び数は、実際の需要に応じて設計することができる。なお、コア埋め込み型開口フレーム400の側面には、金属エッジを含んでもよく、金属エッジを含まなくてもよい。金属エッジを含むコア埋め込み型開口フレーム400は、電子素子の放熱効率をさらに向上させることができ、マルチチップまたはマルチデバイスの電子素子をパッケージする時には、金属エッジには、放熱機能に加えて、ある程度の遮蔽効果があり、電子素子間の電磁干渉が低減される。
【0036】
本出願の一実施例により提供される、埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造において、媒質層は、プリプレグまたはフィルム型樹脂の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン熱可塑性有機樹脂を含む。
【0037】
一実施例では、媒質層は、プリプレグ、フィルム型樹脂等の熱硬化性有機樹脂またはポリエチレン等の熱可塑性有機樹脂を含む有機材料であり、好ましくは、本出願における有機媒質材料はプリプレグ媒質層を用いる。
【0038】
本出願の一実施例により提供される埋め込みおよびパッケージのための支持フレーム構造において、金属板100または金属柱は、導電性金属または金属合金を含む。
【0039】
一実施例では、支持金属材料は銅、アルミニウム、銅‐アルミニウム合金などの金属または金属合金のうちの1種であってもよい。好ましくは、本出願における金属板100の材料は銅金属である。
【0040】
以上は本出願の好ましい実施の詳細な説明であるが、本出願は上記の実施形態に限定されず、当業者は、本出願の精神から逸脱することなく様々な同等物による変形または置換を行うことができ、これらの同等物による変形または置換はすべて、本出願の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
金属板100、支持領域110、開口領域120、上媒質開口130、上媒質開口窓130a、下媒質開口140、下媒質開口窓140a、下媒質開口窓140b、感光性ドライフィルム170、金属スペーサ150、上金属柱600a、下金属柱600b、上媒質層210、下媒質層220、パターン窓300、コア埋め込み型開口フレーム400、導電層500、保護層700。
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