(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087802
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】光拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、情報機器、及び光拡散シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20220606BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220606BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220606BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220606BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20220606BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220606BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20220606BHJP
【FI】
G02B5/02 C
G02F1/1335
G02F1/13357
F21S2/00 481
F21V3/00 530
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158248
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2020199599
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000165088
【氏名又は名称】恵和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鋤柄 正幸
(72)【発明者】
【氏名】古田 旭
(72)【発明者】
【氏名】岡部 元彦
【テーマコード(参考)】
2H042
2H291
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA12
2H042BA15
2H042BA20
2H291FA02Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA37Z
2H291FA42Z
2H291FA45Z
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2H291FA54Z
2H291FA60Z
2H291FA62Z
2H291FA63Z
2H291FA85Z
2H291FA86Z
2H291FB04
2H291FC24
2H291FC33
2H291FD22
2H291FD26
2H291GA19
2H291LA24
2H291LA40
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB08
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC23
2H391AC25
2H391AC26
2H391EA02
2H391EA11
2H391EA13
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA28
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA25
3K244FA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA11
3K244GA17
3K244GB02
3K244GB06
3K244GB12
3K244GB14
3K244GC17
3K244LA03
3K244LA04
(57)【要約】
【課題】輝度均一性を向上させながら、積層しても損傷が生じにくい光拡散シートを提供する。
【解決手段】光拡散シート43は、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部22を少なくとも第1面43aに有する。複数の凹部22を区画する稜線23は、稜線23の交点23a同士を結ぶ直線に対して、当該交点23a間において凹んだ形状を有する。複数の凹部22の配列ピッチをPとし、複数の凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとすると、比率Wr/Pは、0.3以下である。稜線23の交点23a同士を結ぶ直線と、稜線23との最大高低差dは、1μm以上10μm以下である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部を少なくとも第1面に有する光拡散シートであって、
前記複数の凹部を区画する稜線は、当該稜線の交点同士を結ぶ直線に対して、当該交点間において凹んだ形状を有し、
前記複数の凹部の配列ピッチをPとし、前記複数の凹部の配列方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとすると、比率Wr/Pは、0.3以下であり、
前記直線と前記稜線との最大高低差dは、1μm以上10μm以下である、
光拡散シート。
【請求項2】
前記最大高低差dは、1.5μm以上7μm以下である
請求項1に記載の光拡散シート。
【請求項3】
前記最大高低差dは、2.5μm以上5μm以下である
請求項2に記載の光拡散シート。
【請求項4】
前記比率Wr/Pは、0.2以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の光拡散シート。
【請求項5】
前記比率Wr/Pは、0.1以下である、
請求項4に記載の光拡散シート。
【請求項6】
前記配列ピッチPは、50μm以上500μm以下であり、
前記複数の凹部の壁面が前記光拡散シートのシート面となす角度は、40度以上65度以下である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の光拡散シート。
【請求項7】
前記稜線は、前記交点間において略放物線状、略円弧状、略三角形状又は略台形状に凹んでいる、
請求項1~6のいずれか1項に記載の光拡散シート。
【請求項8】
前記複数の凹部は、略逆四角錐又は略逆四角錐台形に形成され、
前記稜線は、第1方向及び第2方向に延び、
前記最大高低差dは、前記第1方向における前記直線と前記稜線との最大高低差dxと、前記第2方向における前記直線と前記稜線との最大高低差dyとの平均値であり、
前記配列ピッチPは、前記第1方向における前記複数の凹部の配列ピッチPxと、前記第2方向における前記複数の凹部の配列ピッチPyとの平均値であり、
前記寸法Wrは、前記第1方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法Wrxと、前記第2方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法Wryとの平均値である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の光拡散シート。
【請求項9】
前記複数の凹部は、前記第1面のみに設けられ、
第2面は、マット面である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の光拡散シート。
【請求項10】
液晶表示装置に組み込まれ、光源から発せられた光を表示画面の方に導くバックライトユニットであって、
前記表示画面と前記光源との間に、請求項1~9のいずれか1項に記載の光拡散シートを備える、
バックライトユニット。
【請求項11】
前記光源は、前記光拡散シートから見て前記表示画面の反対側に設けられた反射シートの上に配置される、
請求項10に記載のバックライトユニット。
【請求項12】
前記光拡散シートは、複数枚積層して前記表示画面と前記光源との間に配置される
請求項10又は11に記載のバックライトユニット。
【請求項13】
前記光拡散シートは、3枚以上積層して前記表示画面と前記光源との間に配置される
請求項12に記載のバックライトユニット。
【請求項14】
3枚以上積層された前記光拡散シートのうち、前記表示画面に最も近い光拡散シートは、拡散剤を含有し、その他の光拡散シートは、実質的に拡散剤を含有しない
請求項13に記載のバックライトユニット。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか1項に記載のバックライトユニットと、
液晶表示パネルとを備える、
液晶表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載の液晶表示装置を備える、
情報機器。
【請求項17】
請求項1~9のいずれか1項に記載の光拡散シートの製造方法であって、
ライン速度が10m/分以上30m/分以下、圧縮線圧力が100kgf/cm以上500kgf/cm以下で前記光拡散シートを押出成形する、
光拡散シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、情報機器、及び光拡散シートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器の表示装置として、液晶表示装置(以下、液晶ディスプレイということもある。)が広く利用されている。液晶ディスプレイのバックライトとしては、光源が液晶パネルの背面に配置される直下型方式、又は、光源が液晶パネルの側面の近傍に配置されるエッジライト方式が主流となっている。
【0003】
直下型バックライトを採用する場合、発光面においてLED(Light Emitting Diode)等の光源のイメージを消して面内輝度の均一性を上げるために、光拡散部材(光拡散板、光拡散シート、光拡散フィルム)が使用される。
【0004】
特許文献1に開示された直下型バックライトでは、輝度均一性を向上させるために、逆多角錐状(逆ピラミッド状)又は逆多角錐台状の複数の凹部が設けられた光拡散板が用いられている。特許文献1には、光拡散板と他の光学フィルムとの積層構造において、輸送時の振動に起因して光拡散板や他の光学フィルムが磨耗して損傷することを抑制するために、光拡散板の凹部の内側面を、開口縁部において、曲率中心が凹部の深さ方向側に位置する曲面にすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された直下型バックライトでは、光拡散板や他の光学フィルムの損傷を十分に抑制することができない。
【0007】
そこで、本開示は、輝度均一性を向上させながら、積層しても損傷が生じにくい光拡散シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本開示に係る光拡散シートは、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部を少なくとも第1面に有する。前記複数の凹部を区画する稜線は、当該稜線の交点同士を結ぶ直線に対して、当該交点間において凹んだ形状を有する。前記複数の凹部の配列ピッチをPとし、前記複数の凹部の配列方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとすると、比率Wr/Pは、0.3以下である。前記直線と前記稜線との最大高低差dは、1μm以上10μm以下である。
【0009】
本開示に係る光拡散シートによると、少なくとも第1面に、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部を有するため、輝度均一性を向上させることができる。また、凹部を区画する稜線(凹部の開口縁)が摩耗や損傷の原因となるところ、稜線の交点間で稜線が凹んだ形状を有する。このため、他の光学シートや他の光拡散シートと重ねて使用しても、摩耗や損傷が生じにくくなる。また、凹部の配列方向において稜線頂部の曲線部分が占める寸法Wrを、凹部の配列ピッチPの30%以下に抑制している。このため、稜線頂部が急峻な形状を保てるので、稜線の交点間で稜線を凹ませても輝度均一性が低下しにくい。また、稜線の交点同士を結ぶ直線と稜線との最大高低差dを1μm以上とするため、耐傷付き性が向上すると共に、最大高低差dを10μm以下とするため、輝度均一性の低下を抑制することができる。
【0010】
尚、本開示に係る光拡散シートにおいて、通常の形状転写技術により幾何学的に厳密な逆多角錐又は逆多角錐台形の凹部を形成することが難しいことを考慮して、「略逆多角錐」又は「略逆多角錐台形」との表記を用いているが、これらの表記は、真正の又は実質的に逆多角錐又は逆多角錐台形とみなせる形状を含むことは言うまでもない。
【0011】
また、本開示に係る光拡散シートにおいては、稜線の全ての交点間で稜線が凹んだ形状であることが好ましいが、全ての交点間で稜線が凹んだ形状を有することは必須ではない。言い換えると、一部の交点間で稜線が凹んだ形状を有していなくてもよい。
【0012】
また、本開示において、「光拡散シート」は、板状の「光拡散板」や膜状の「光拡散フィルム」を包含するものとする。
【0013】
また、本開示において、「光学シート」とは、拡散、集光、屈折、反射などの光学的諸機能を有するシートを意味し、「光拡散シート」は、「光学シート」の1つである。
【0014】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記最大高低差dが、1.5μm以上7μm以下であると、耐傷付き性及び輝度均一性の両方をさらに向上させることができる。この場合、前記最大高低差dが、2.5μm以上5μm以下であると、耐傷付き性及び輝度均一性の両方をより一層向上させることができる。
【0015】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記比率Wr/Pが、0.2以下であると、輝度均一性をさらに向上させることができる。この場合、前記比率Wr/Pが、0.1以下であると、輝度均一性をより一層向上させることができる。
【0016】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記配列ピッチPが、50μm以上500μm以下であり、前記複数の凹部の壁面(つまり略逆多角錐又は略逆多角錐台形の斜面)が前記光拡散シートのシート面となす角度が、40度以上65度以下であると、輝度均一性を向上させることができる。
【0017】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記稜線が、前記交点間において略放物線状、略円弧状、略三角形状又は略台形状に凹んでいると、耐傷付き性を向上させることができる。
【0018】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記複数の凹部は、略逆四角錐又は略逆四角錐台形に形成されてもよい。この場合、前記稜線は、第1方向及び第2方向に延びてもよい。また、前記最大高低差dは、前記第1方向における前記直線と前記稜線との最大高低差dxと、前記第2方向における前記直線と前記稜線との最大高低差dyとの平均値であってもよい。また、前記配列ピッチPは、前記第1方向における前記複数の凹部の配列ピッチPxと、前記第2方向における前記複数の凹部の配列ピッチPyとの平均値であってもよい。また、前記寸法Wrは、前記第1方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法Wrxと、前記第2方向において前記稜線の頂部の曲線部分が占める寸法Wryとの平均値であってもよい。このようにすると、耐傷付き性及び輝度均一性に優れた光拡散シートが製造しやすくなる。
【0019】
本開示に係る光拡散シートにおいて、複数の凹部は、前記第1面のみに設けられ、第2面は、マット面であると、第2面での摩耗や損傷を抑制しながら、輝度均一性をさらに向上させることができる。
【0020】
本開示に係るバックライトユニットは、液晶表示装置に組み込まれ、光源から発せられた光を表示画面の方に導くバックライトユニットであって、表示画面と光源との間に、前述の本開示に係る光拡散シートを備える。
【0021】
本開示に係るバックライトユニットによると、前述の本開示に係る光拡散シートを備えるため、輝度均一性を向上させることができると共に、光拡散シートと他の光学シートとを積層しても損傷を抑制することができる。
【0022】
本開示に係るバックライトユニットにおいて、前記光源が、前記光拡散シートから見て前記表示画面の反対側に設けられた反射シートの上に配置されると、輝度均一性がより一層向上する。
【0023】
本開示に係るバックライトユニットにおいて、前記光拡散シートは、複数枚(例えば3枚以上)積層して前記表示画面と前記光源との間に配置されてもよい。このようにすると、輝度均一性がさらに向上する。前記光拡散シートを3枚以上積層する場合、前記表示画面に最も近い光拡散シートは、拡散剤を含有し、その他の光拡散シートは、実質的に拡散剤を含有しないと、輝度均一性がより一層向上する。
【0024】
本開示に係る液晶表示装置は、前述の本開示に係るバックライトユニットと、液晶表示パネルとを備える。
【0025】
本開示に係る液晶表示装置によると、前述の本開示に係るバックライトユニットを備えるため、輝度均一性を向上させることができると共に、光拡散シートと他の光学シートとを積層しても損傷を抑制することができる。
【0026】
本開示に係る情報機器は、前述の本開示に係る液晶表示装置を備える。
【0027】
本開示に係る情報機器によると、前述の本開示に係る液晶表示装置を備えるため、輝度均一性を向上させることができると共に、光拡散シートと他の光学シートとを積層しても損傷を抑制することができる。
【0028】
本開示に係る光拡散シートの製造方法は、前述の本開示に係る光拡散シートを製造する方法であって、ライン速度が10m/分以上30m/分以下、圧縮線圧力が100kgf/cm以上500kgf/cm以下で前記光拡散シートを押出成形する。
【0029】
本開示に係る光拡散シートの製造方法によると、凹部の配列方向において稜線頂部の曲線部分が占める寸法Wrを、凹部の配列ピッチPの30%以下にできるので、稜線頂部の形状が急峻で輝度均一性に優れた光拡散シートを製造することができる。
【0030】
また、本開示に係る光拡散シートの製造方法によると、稜線の交点同士を結ぶ直線と稜線との最大高低差dを1μm以上10μm以下にできる。すなわち、稜線同士の交点間において稜線が凹んでおり、稜線同士の交点部分が高くなった光拡散シートが得られる。このため、当該光拡散シートと他の光学シートとを積層させても、稜線同士の交点間では稜線が他の光学シートと接触しにくいため、摩耗や損傷が生じにくくなり、稜線同士の交点では他の光学シートと点接触するため、滑りが生じて摩耗や損傷が生じにくくなる。従って、耐傷付き性に優れた光拡散シートを製造することができる。
【0031】
また、本開示に係る光拡散シートの製造方法によると、押出成形を用いるため、前述の本開示に係る光拡散シートを低コストで製造することができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によると、輝度均一性を向上させながら、他の光学シートと積層しても損傷が生じにくい光拡散シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【
図2】実施形態に係るバックライトユニットの断面図である。
【
図3】
図2に示すバックライトユニットにおける光源の配置例を示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る光拡散シートの斜視図である。
【
図5】実施形態に係る光拡散シートに形成した凹部を拡大して示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係る光拡散シートにおいて凹部を区画するX方向稜線の形状の一例を示す模式図である。
【
図7】実施形態に係る光拡散シートにおいて凹部を区画するY方向稜線の形状の一例を示す模式図である。
【
図8】実施形態に係る光拡散シートにおいて凹部を区画する稜線の形状のバリエーションを示す模式図である。
【
図9】実施形態に係る光拡散シートを、X方向に隣り合う凹部の各中心と当該凹部間に位置する稜線の中間点とを通り且つシート面に垂直な面で切断した場合の断面構成の一例を示す模式図である。
【
図10】実施形態に係る光拡散シートを、Y方向に隣り合う凹部の各中心と当該凹部間に位置する稜線の中間点とを通り且つシート面に垂直な面で切断した場合の断面構成の一例を示す模式図である。
【
図11】
図6に示すX方向稜線の形状、寸法をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示す図である。
【
図12】
図7に示すY方向稜線の形状、寸法をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示す図である。
【
図13】
図9に示す断面構成の形状、寸法等をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示す図である。
【
図14】
図10に示す断面構成の形状、寸法等をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示す図である。
【
図15】実施例において光拡散シートの耐傷つき性を測定するための装置の構成図である。
【
図16】実施例において光拡散シートの製造に用いたロール上の正四角錐の形状を示す図である。
【
図17】比較例において光拡散シートの製造に用いた平板上の正四角錐の形状を示す図である。
【
図18】実施例及び比較例の各サンプルに対して耐傷つき性試験を行った結果を示す図である。
【
図19】変形例に係るバックライトユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本開示の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0035】
<液晶表示装置>
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置50は、液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の下面に貼付された第1偏光板6と、液晶表示パネル5の上面に貼付された第2偏光板7と、液晶表示パネル5の背面側に第1偏光板6を介して設けられたバックライトユニット40とを備えている。液晶表示パネル5は、互いに対向するように設けられたTFT基板1及びCF基板2と、TFT基板1とCF基板2との間に設けられた液晶層3と、TFT基板1とCF基板2との間に液晶層3を封入するために枠状に設けられたシール材(図示省略)とを備える。
【0036】
液晶表示装置50の表示画面50aを正面(
図1の上方)から見た形状は、原則、長方形又は正方形であるが、これに限らず、長方形の角が丸くなった形状、楕円形、円形、台形、又は、自動車のインストルメントパネル(インパネ)などの任意の形状であってもよい。
【0037】
液晶表示装置50においては、各画素電極に対応する各サブ画素において、液晶層3に所定の大きさの電圧を印加して液晶層3の配向状態を変えると共にバックライトユニット40から第1偏光板6を介して入射した光をその透過率を調整して第2偏光板7を介して出射することにより、画像が表示される。
【0038】
本実施形態の液晶表示装置50は、種々の情報機器(例えばカーナビゲーション等の車載装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コピー機、券売機、現金自動預け払い機など)に組み込まれる表示装置として用いられる。
【0039】
TFT基板1は、例えば、ガラス基板上にマトリクス状に設けられた複数のTFTと、各TFTを覆うように設けられた層間絶縁膜と、層間絶縁膜上にマトリクス状に設けられ且つ複数のTFTにそれぞれ接続された複数の画素電極と、各画素電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。CF基板2は、例えば、ガラス基板上に格子状に設けられたブラックマトリクスと、ブラックマトリクスの各格子間にそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層を含むカラーフィルターと、ブラックマトリクス及びカラーフィルターを覆うように設けられた共通電極と、共通電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。液晶層3は、電気光学特性を有する液晶分子を含むネマチック液晶材料等により構成される。第1偏光板6及び第2偏光板7は、例えば、一方向の偏光軸を有する偏光子層と、その偏光子層を挟持するように設けられた一対の保護層とを備える。
【0040】
<バックライトユニット>
図2に示すように、本実施形態のバックライトユニット40は、反射シート41と、反射シート41上に2次元状に配置された複数の小型光源42と、複数の小型光源42の上側に設けられた第1光拡散シート43の積層体と、第1光拡散シート43の積層体の上側に設けられた第2光拡散シート44と、第2光拡散シート44の上側に順に設けられた第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46とを備える。本例では、第1光拡散シート43の積層体は、同じ構造の第1光拡散シート43が2層積層されて構成される。図示は省略しているが、第2プリズムシート46の上側に偏光シートが設けられてもよい。
【0041】
反射シート41は、例えば、白色のポリエチレンテレフタレート樹脂製のフィルム、銀蒸着フィルム等により構成される。
【0042】
小型光源42の種類は特に限定されないが、例えばLED素子やレーザー素子等であってもよく、コスト、生産性等の観点からLED素子を用いてもよい。小型光源42となるLED素子の出光角度特性を調節するために、LED素子にレンズを装着してもよい。例えば
図3に示すように、数mm角のLED素子よりなる複数の小型光源42を一定の間隔をもって2次元アレイ状に反射シート41上に配置してもよい。小型光源42は、平面視した場合に長方形状を有していてもよく、その場合、一辺の長さは10μm以上(好ましくは50μm以上)20mm以下(好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下)であってもよい。
【0043】
また、小型光源42の配置数も特に限定されないが、複数の小型光源42を分散配置する場合は、反射シート41上に規則的に配置することが好ましい。規則的に配置するとは、一定の法則性をもって配置することを意味し、例えば、小型光源42を等間隔で配置する場合が該当する。等間隔で小型光源42が配置される場合、隣り合う2つの小型光源42の中心間距離は、0.5mm以上(好ましくは2mm以上)20mm以下であってもよい。
【0044】
各第1光拡散シート43は、基材層21を有する。第1光拡散シート43の第1面(小型光源42と対向する面)43aには、複数の凹部22が設けられる。複数の凹部22は、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成される。本例では、複数の凹部22は、略逆正四角錐に形成される。隣り合う凹部22同士は、稜線23によって区画される。凹部22の配列ピッチは、例えば50μm程度以上500μm程度以下である。凹部22の壁面(略逆多角錐又は略逆多角錐台形の斜面)が第1光拡散シート43のシート面(凹部22のない仮想鏡面)となす角度は、例えば40度以上65度以下である。言い換えると、凹部22の頂角は、例えば50度以上100度以下である。第1光拡散シート43の第2面43bは、鏡面であってもよいが、拡散性を向上させるために、マット面であることが好ましい。
図4は、第1光拡散シート43の第1面43aに、略逆正四角錐に形成された凹部22が5×5のマトリクス状に配置された様子を例示する。
【0045】
基材層21は、例えばポリカーボネートを母材(マトリックス樹脂)として構成され、拡散剤を含まないことが好ましいが、母材100質量%に対して、例えば0.1~4質量%程度の拡散剤を含有してもよい。拡散剤としては公知の材料を適宜用いることができる。本例では、第1光拡散シート43を基材層21の一層構造としたが、これに代えて、凹部22が形成された層を含む2層以上の構造としてもよい。
【0046】
第2光拡散シート44は、第1面(第1プリズムシート45と対向する面)44aにマット面を有し、第2面44bに鏡面、又は略逆正四角錐に形成された凹部を有してもよい。第2光拡散シート44は、例えばポリカーボネートを母材(マトリックス樹脂)として構成され、拡散剤を含むことが好ましく、母材100質量%に対して、例えば0.5~4質量%程度の拡散剤を含有してもよい。第2光拡散シート44は、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂99質量部に対して、拡散剤としてシリコーン複合パウダー(平均粒子径2.0μm)1質量部を混合して構成される。
【0047】
第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46は、例えば、横断面が二等辺三角形の複数の溝条が互いに隣り合うように形成され、隣り合う一対の溝条に挟まれたプリズムの頂角が90°程度に形成されたフィルムである。ここで、第1プリズムシート45に形成された各溝条と、第2プリズムシート46に形成された各溝条とは、互いに直交するように配置される。第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46は、一体に形成されていてもよい。第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46としては、例えば、PET(polyethylene terephthalate)フィルムにUV硬化型アクリル系樹脂を用いてプリズム形状をつけたものを用いてもよい。
【0048】
図示は省略しているが、第2プリズムシート46の上側に偏光シートを設ける場合、偏光シートとしては、例えば、3M社製のDBEFシリーズを用いてもよい。偏光シートは、バックライトユニット40から出射された光が液晶表示装置50の第1偏光板6に吸収されることを防止することによって、表示画面50aの輝度を向上させる。
【0049】
<光拡散シートの詳細構成>
図2に示す例では、第1光拡散シート43の第1面(小型光源42と対向する面)43aに複数の凹部22を形成したが、これに代えて、或いは、これに加えて、第1光拡散シート43の第2面43bに、凹部22と同様の他の凹部を複数形成してもよい。
【0050】
複数の凹部22は、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成されてもよい。複数の凹部22は、規則的に2次元配列されてもよい。「逆多角錐(台形)」としては、隙間なく二次元配置することが可能な三角錐(台形)、四角錐(台形)又は六角錐(台形)が好ましい。凹部22を設ける際の押出成形や射出成形などの製造工程では金型(金属ロール)が用いられるが、この金型(金属ロール)表面の切削作業の精度を考慮して、「逆多角錐(台形)」として逆四角錐(台形)を選択してもよい。
【0051】
尚、通常の形状転写技術により幾何学的に厳密な逆多角錐又は逆多角錐台形の凹部を形成することが難しいことを考慮して、「略逆多角錐」又は「略逆多角錐台形」との表記を用いているが、これらの表記は、真正の又は実質的に逆多角錐又は逆多角錐台形とみなせる形状を含むことは言うまでもない。また、「略」とは、近似可能であることを意味し、例えば「略四角錐」とは、四角錐に近似可能な形状な形状をいう。また、工業生産上の加工精度に起因する不可避的な形状のばらつきの範囲内で「逆多角錐」又は「逆多角錐台形」から変形した形状も、「略逆多角錐」又は「略逆多角錐台形」に包含される。
【0052】
複数の凹部22が規則的に2次元配列される場合、複数の凹部22は、第1光拡散シート43の表面全体に隙間無く設けられていてもよいし、一定の間隔(ピッチ)で設けられていてもよい。
【0053】
第1光拡散シート43は、拡散剤を含まない基材層21、例えばクリアポリカーボネートからなる基材層21で構成されてもよい。基材層21に拡散剤を含有させる場合、拡散剤の材質は、特に限定されないが、無機粒子として、例えば、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等、有機粒子として、例えば、アクリル、アクリルニトリル、シリコーン、ポリスチレン、ポリアミド等を用いてもよい。拡散剤の粒径としては、光拡散効果の観点で、例えば、0.1μm以上(好ましくは1μm以上)10μm以下(好ましくは8μm以下)としてもよい。第1光拡散シート43は、略逆多角錐形状による反射及び屈折の効果と、拡散剤による光拡散効果の観点で、拡散剤を含まないことが好ましいが、基材層21を構成する材料(マトリックス)を100質量%として、拡散剤の含有量を、例えば、0.1質量%以上(好ましくは0.3質量%以上)10質量%以下(好ましくは8質量%以下)としてもよい。拡散剤の屈折率と基材層21のマトリックスの屈折率との差は、0.01以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、最も好ましくは0.15以上としてもよい。拡散剤の屈折率と基材層21のマトリックスの屈折率との差が0.01未満であると、拡散剤による拡散効果が不十分になる。
【0054】
基材層21のマトリックスとなる樹脂は、光を透過させる材料であれば、特に限定されないが、例えば、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合)樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロールアセテート、ポリイミド等を用いてもよい。
【0055】
第1光拡散シート43の厚さは、特に限定されないが、例えば、3mm以下(好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1mm以下)で0.1mm以上であってもよい。第1光拡散シート43の厚さが3mmを超えると、液晶ディスプレイの薄型化の達成が難しくなる。一方、第1光拡散シート43の厚さが0.1mmを下回ると、輝度均一性向上効果を発揮することが難しくなる。
【0056】
第1光拡散シート43が多層構造(例えば第1層の基材層及び第2層の凹部形成層)を持つ場合は、凹部形成層の厚さは、凹部22の最大深さよりも大きい厚さを持つ。例えば深さ20μmの凹部が設けられる層の場合は、厚さを20μmよりも大きくする。第1光拡散シート43を、基材層及び凹部形成層を含む3層以上の構造で構成してもよい。或いは、基材層と凹部形成層とをそれぞれ独立したシートとして構成し、両者を積層してもよいし、別個に配置してもよい。
【0057】
<光拡散シートの製造方法>
以下、第1光拡散シート43の製造方法について説明する。第1光拡散シート43の製造方法は、特に限定されないが、例えば、押出成形法、射出成形法などを用いてもよい。第1光拡散シート43を押出成形する場合、例えば、ライン速度を10m/分以上30m/分以下、圧縮線圧力を100kgf/cm以上500kgf/cm以下に設定してもよい。
【0058】
押出成形法を用いて、凹凸形状を表面に持つ単層の光拡散シートを製造する手順は次の通りである。まず、拡散剤が添加されたペレット状のプラスチック粒子(併せて、拡散剤が添加されていないペレット状のプラスチック粒子を混合してもよい)を単軸押し出し機に投入し、加熱しながら溶融、混錬する。その後、T-ダイスにより押し出された溶融樹脂を2本の金属ロールで挟んで冷却した後、ガイドロールを用いて搬送し、シートカッター機により枚葉平板に切り落とすことによって、拡散シートを作製する。ここで、所望の凹凸形状を反転した形状を表面に持つ金属ロールを使用して溶融樹脂を挟むことにより、ロール表面の反転形状が樹脂に転写されるので、所望の凹凸形状を拡散シート表面に賦形することができる。また、樹脂に転写された形状は、必ずしもロール表面の形状が100%転写されたものとはならないので、転写度合いから逆算して、ロール表面の形状を設計してもよい。
【0059】
押出成形法を用いて、凹凸形状を表面に持つ2層構造の光拡散シートを製造する場合は、例えば、2つの単軸押出機のそれぞれに、各層の形成に必要なペレット状のプラスチック粒子を投入した後、各層毎に前述と同様の手順を実施し、作製された各シートを積層すればよい。
【0060】
或いは、以下のように、凹凸形状を表面に持つ2層構造の光拡散シートを作製してもよい。まず、2つの単軸押出機のそれぞれに、各層の形成に必要なペレット状のプラスチック粒子を投入し、加熱しながら溶融、混錬する。その後、各層となる溶融樹脂を1つのT-ダイスに投入し、当該T-ダイス内で積層し、当該T-ダイスにより押し出された積層溶融樹脂を2本の金属ロールで挟んで冷却する。その後、ガイドロールを用いて積層溶融樹脂を搬送し、シートカッター機により枚葉平板に切り落とすことによって、凹凸形状を表面に持つ2層構造の拡散シートを作製してもよい。
【0061】
また、UV(紫外線)を用いた賦形転写によって、以下のように光拡散シートを製造してもよい。まず、転写したい凹凸形状の反転形状を有するロールに未硬化の紫外線硬化樹脂を充填し、当該樹脂に基材を押し当てる。次に、紫外線硬化樹脂が充填されたロールと基材とが一体になっている状態で、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。次に、樹脂によって凹凸形状が賦形転写されたシートをロールからはく離させる。最後に、再度シートに紫外線照射をして樹脂を完全硬化させ、凹凸形状を表面に持つ拡散シートを作製する。
【0062】
<光拡散シートの特徴>
以下、本実施形態の第1光拡散シート43の特徴について、
図5~
図10を参照しながら詳細に説明する。
【0063】
図5に示すように、第1光拡散シート43の第1面43aには、例えば略逆正四角錐に形成された複数の凹部22が設けられる。複数の凹部22は、略逆正四角錐台形に形成されてもよい。凹部22の中心22aは、凹部22の最深部である。複数の凹部22は、互いに直交するX方向(第1方向)及びY方向(第2方向)に沿って配列される。隣り合う凹部22同士は、稜線23によって区画される。稜線23は、X方向及びY方向に沿って延びる。
【0064】
第1光拡散シート43の特徴の1つとして、稜線23は、稜線23の交点23a同士を結ぶ直線Lx、Lyに対して、当該交点23a間において凹んだ形状を有する。ここで、交点23a同士を結ぶ直線Lx、Lyと稜線23との最大高低差dは、1μm以上10μm以下であることが必要であり、1.5μm以上7μm以下であることがさらに好ましく、2.5μm以上5μm以下であることがより一層好ましい。
【0065】
尚、第1光拡散シート43においては、稜線の全ての交点23a間で稜線が凹んだ形状であることが好ましいが、全ての交点23a間で稜線23が凹んだ形状を有することは必須ではない。言い換えると、一部の交点間23aで稜線23が凹んだ形状を有していなくてもよい。
【0066】
図6は、
図5のAx-Bx線に沿ってX方向に延びる稜線23を、シート面に平行で且つX方向に対して垂直な方向から見たときの形状の一例を示し、
図7は、
図5のAy-By線に沿ってY方向に延びる稜線23を、シート面に平行で且つY方向に対して垂直な方向から見たときの形状の一例を示す。
図6に示すように、X方向において稜線23の交点23a同士を結ぶ直線Lxに対して、稜線23は、交点23a間において凹んだ形状を有する。凹部22のX方向の配列ピッチをPxとして、X方向に延びる稜線23は、例えば交点23aからPx/2(半ピッチ)の位置に最下点23bを有し、直線Lxから最下点23bまでの距離(最大高低差)はdxである。また、
図7に示すように、Y方向において稜線23の交点23a同士を結ぶ直線Lyに対して、稜線23は、交点23a間において凹んだ形状を有する。凹部22のY方向の配列ピッチをPyとして、Y方向に延びる稜線23は、例えば交点23aからPy/2(半ピッチ)の位置に最下点23bを有し、直線Lyから最下点23bまでの距離(最大高低差)はdyである。
【0067】
尚、凹部22が逆正四角錐に形成される場合、凹部22のX方向の配列ピッチPxは、X方向における交点23a同士の間隔(水平距離)に等しく、凹部22のY方向の配列ピッチPyは、Y方向における交点23a同士の間隔(水平距離)に等しい。
【0068】
また、X方向での最大高低差dxとY方向での最大高低差dyとの平均値を最大高低差dとして、最大高低差dを1μm以上10μm以下に設定することが必要であり、好ましくは1.5μm以上7μm以下、より好ましくは2.5μm以上5μm以下に設定してもよい。
【0069】
また、交点23a間における稜線23の凹んだ形状は、特に限定されるものではないが、例えば
図8に示すように、交点23a同士を結ぶ直線Lに対して、稜線23は、交点23a間において略円弧状(
図8の(A))、略放物線状(
図8の(B))、略三角形状(
図8の(C))又は略台形状(
図8の(D))に凹んでいてもよい。
【0070】
第1光拡散シート43の別の特徴として、凹部22の配列ピッチをPとし、凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとすると、比率Wr/Pは、0.3以下であることが必要であり、0.2以下であることがさらに好ましく、0.1以下であることがより一層好ましい。
【0071】
図9は、
図5のCx-Dx線における第1光拡散シート43の断面構成の一例を示し、
図10は、
図5のCy-Dy線における第1光拡散シート43の断面構成の一例を示す。詳しくは、
図9は、X方向に隣り合う凹部22の各中心22aと、当該凹部22間に位置する稜線23における交点23a間の中間点とを通り、且つシート面に垂直な面で第1光拡散シート43を切断した場合の断面構成を示す。
図10は、Y方向に隣り合う凹部22の各中心22aと、当該凹部22間に位置する稜線23における交点23a間の中間点とを通り、且つシート面に垂直な面で第1光拡散シート43を切断した場合の断面構成を示す。
【0072】
図9に示す断面構成では、X方向に隣り合う凹部22のそれぞれの中心22aの間隔(水平距離)が、X方向における凹部22の配列ピッチPxに等しい。稜線23の頂部の曲線部分がX方向において占める寸法は、Wrxである。稜線23を挟んで隣り合う凹部22のそれぞれの壁面(逆四角錐の斜面)の直線部分がX方向において占める寸法は、Wsx1、Wsx2である。X方向において凹部22の壁面(逆四角錐の斜面)とシート面とがなす角度は、θxである。凹部22の中心22aから稜線23(Y方向に延びる稜線23)の頂点(交点23a間の中間点)までの高さは、Hxである。
【0073】
図10に示す断面構成では、Y方向に隣り合う凹部22のそれぞれの中心22aの間隔(水平距離)が、Y方向における凹部22の配列ピッチPyに等しい。稜線23の頂部の曲線部分がY方向において占める寸法は、Wryである。稜線23を挟んで隣り合う凹部22のそれぞれの壁面(逆四角錐の斜面)の直線部分がY方向において占める寸法は、Wsy1、Wsy2である。Y方向において凹部22の壁面(逆四角錐の斜面)とシート面とがなす角度は、θyである。凹部22の中心22aから稜線23(X方向に延びる稜線23)の頂点(交点23a間の中間点)までの高さは、Hyである。
【0074】
尚、凹部22が逆四角錐に形成される場合、配列ピッチPxと配列ピッチPyとの平均値をPとし、寸法Wrxと寸法Wryとの平均値をWrとして、比率Wr/Pを0.3以下に設定することが必要であり、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下に設定してもよい。
【0075】
図11は、
図6に示すX方向稜線の形状、寸法をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示し、
図12は、
図7に示すY方向稜線の形状、寸法をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示し、
図13は、
図9に示す断面構成の形状、寸法、角度をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示し、
図14は、
図10に示す断面構成の形状、寸法、角度をレーザー顕微鏡により測定した結果の一例を示す。
【0076】
尚、
図11、
図12において、稜線23の交点23a間を結ぶ直線Lx、Lyと稜線23との距離の最大値(最大高低差)dx、dyの測定では、稜線23上の点から直線Lx、Lyに垂直に引いた垂線の長さの最大値をdx、dyとした。
【0077】
また、配列ピッチPx、Pyの測定では、X方向、Y方向のそれぞれにおける「交点23a間の水平距離」をPx、Pyとして求めた。このように「交点23a間の水平距離」を測定する方法でも、配列ピッチPx、Pyを容易且つ正確に求めることができる。
【0078】
<実施形態の効果>
以上に説明したように、本実施形態の第1光拡散シート43は、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部22を少なくとも第1面43aに有する。複数の凹部22を区画する稜線23は、稜線23の交点23a同士を結ぶ直線に対して、当該交点23a間において凹んだ形状を有する。複数の凹部22の配列ピッチをPとし、複数の凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとすると、比率Wr/Pは、0.3以下である。稜線23の交点23a同士を結ぶと稜線23との最大高低差dは、1μm以上10μm以下である。
【0079】
本実施形態の第1光拡散シート43によると、少なくとも第1面43aに、略逆多角錐又は略逆多角錐台形に形成された複数の凹部22を有するため、輝度均一性を向上させることができる。また、凹部22を区画する稜線23(凹部22の開口縁)が摩耗や損傷の原因となるところ、稜線23の交点23a間で稜線23が凹んだ形状を有する。このため、他の光学シートや他の光拡散シートと重ねて使用しても、摩耗や損傷が生じにくくなる。また、凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法Wrを、凹部の配列ピッチPの30%以下に抑制している。このため、稜線23の頂部が急峻な形状を保てるので、交点23a間で稜線23を凹ませても輝度均一性が低下しにくい。また、交点23a同士を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dを1μm以上とするため、耐傷付き性が向上すると共に、最大高低差dを10μm以下とするため、輝度均一性の低下を抑制することができる。
【0080】
本実施形態の第1光拡散シート43において、交点23a同士を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが、1.5μm以上7μm以下であると、耐傷付き性及び輝度均一性の両方をさらに向上させることができる。この場合、最大高低差dが、2.5μm以上5μm以下であると、耐傷付き性及び輝度均一性の両方をより一層向上させることができる。
【0081】
本実施形態の第1光拡散シート43において、複数の凹部22の配列ピッチをPとし、複数の凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法をWrとして、比率Wr/Pが、0.2以下であると、輝度均一性をさらに向上させることができる。この場合、比率Wr/Pが、0.1以下であると、輝度均一性をより一層向上させることができる。
【0082】
本実施形態の第1光拡散シート43において、複数の凹部22の配列ピッチPが、50μm以上500μm以下であり、複数の凹部22の壁面(つまり略逆多角錐又は略逆多角錐台形の斜面)がシート面となす角度が、40度以上65度以下であると、輝度均一性を向上させることができる。
【0083】
本実施形態の第1光拡散シート43において、稜線23が、交点23a間において略放物線状、略円弧状、略三角形状又は略台形状に凹んでいると、耐傷付き性を向上させることができる。
【0084】
本実施形態の第1光拡散シート43において、複数の凹部22は、略逆四角錐又は略逆四角錐台形に形成されてもよい。この場合、稜線23は、X方向(第1方向)及びY方向(第2方向)に延びてもよい。また、交点23a同士を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dは、X方向における当該直線と稜線23との最大高低差dxと、Y方向における当該直線と稜線23との最大高低差dyとの平均値であってもよい。また、複数の凹部22の配列ピッチPは、X方向における凹部22の配列ピッチPxと、Y方向における凹部22の配列ピッチPyとの平均値であってもよい。また、凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法Wrは、X方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法Wrxと、Y方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法Wryとの平均値であってもよい。このようにすると、耐傷付き性及び輝度均一性に優れた光拡散シートが製造しやすくなる。
【0085】
本実施形態の第1光拡散シート43において、複数の凹部22は、第1面43aのみに設けられ、第2面43bは、マット面であると、第2面43bでの摩耗や損傷を抑制しながら、輝度均一性をさらに向上させることができる。
【0086】
本実施形態のバックライトユニット40は、液晶表示装置50に組み込まれ、光源42から発せられた光を表示画面50aの方に導くバックライトユニット40であって、表示画面50aと光源42との間に、本実施形態の第1光拡散シート43を備える。
【0087】
本実施形態のバックライトユニット40によると、本実施形態の第1光拡散シート43を備えるため、輝度均一性を向上させることができると共に、第1光拡散シート43同士を積層したり、第1光拡散シート43と他の光学シートとを積層しても、損傷を抑制することができる。
【0088】
本実施形態のバックライトユニット40において、光源42が、第1光拡散シート43から見て表示画面50aの反対側に設けられた反射シート41の上に配置されると、輝度均一性がより一層向上する。
【0089】
本実施形態の液晶表示装置50は、本実施形態のバックライトユニット40と、液晶表示パネル5とを備える。
【0090】
本実施形態の液晶表示装置50、及び液晶表示装置50を備えた情報機器によると、本実施形態のバックライトユニット40を備えるため、輝度均一性を向上させることができると共に、第1光拡散シート43同士を積層したり、第1光拡散シート43と他の光学シートとを積層しても、損傷を抑制することができる。
【0091】
本実施形態の光拡散シート製造方法は、本実施形態の第1光拡散シート43を製造する方法であって、ライン速度が10m/分以上30m/分以下、圧縮線圧力が100kgf/cm以上500kgf/cm以下で第1光拡散シート43を押出成形する。
【0092】
本実施形態の光拡散シート製造方法によると、凹部22の配列方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法Wrを、凹部22の配列ピッチPの30%以下にできるので、稜線23の頂部の形状が急峻で輝度均一性に優れた第1光拡散シート43を製造することができる。
【0093】
また、本実施形態の光拡散シート製造方法によると、交点23a同士を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dを1μm以上10μm以下にできる。すなわち、交点23a間において稜線23が凹んでおり、交点23aの部分が高くなった第1光拡散シート43が得られる。このため、第1光拡散シート43同士を積層したり、第1光拡散シート43と他の光学シートとを積層しても、交点23a間では稜線23が他の光学シート等と接触しにくいため、摩耗や損傷が生じにくくなり、交点23aでは他の光学シート等と点接触するため、滑りが生じて摩耗や損傷が生じにくくなる。従って、耐傷付き性に優れた第1光拡散シート43を製造することができる。
【0094】
また、本実施形態の光拡散シート製造方法によると、押出成形を用いるため、本実施形態の第1光拡散シート43を低コストで製造することができる。
【0095】
(実施例)
以下、実施例に係る第1光拡散シート43について、比較例と対照しながら説明する。
【0096】
<凹部の形状、寸法、角度の測定>
後述する各実施例の第1光拡散シート43に形成された凹部22の形状観察は、キーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK-100を使用して行った。具体的には、逆正四角錐に形成された凹部22の稜線23の断面形状(
図6、
図7、
図9、
図10に示す断面形状)、
図6、
図7に示す最大高低差dx、dy(交点23a間を結ぶ直線と稜線23との距離の最大値)とその平均値d、
図9、
図10に示す高さHx、Hy(凹部22の中心22aから稜線23の頂点までの高さ)とその平均値H、
図9、
図10に示す寸法Wrx、Wry(X方向、Y方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法)とその平均値Wr、
図6、
図7に示す凹部22の配列ピッチPx、Py(X方向、Y方向における交点23a同士の水平距離)とその平均値P、配列ピッチPに対する寸法Wrの比率Wr/P(単位:%)、及び、
図9、
図10に示す角度θx、θy(X方向、Y方向において凹部22の壁面(逆正四角錐の斜面)と第1光拡散シート43のシート面とがなす角度)の測定を行った。
【0097】
<光学物性の測定>
後述する各実施例の第1光拡散シート43の光学物性として、Haze(ヘーズ)、及び波長450nmにおける光線透過率を測定した。Hazeは、JIS K-7105に準拠して、スガ試験機株式会社製のHZ-2を用いて、逆正四角錐に形成された凹部22の有る面(第1面43a)から光を入射させて測定した。また、波長450nmにおける光線透過率は、日本分光株式会社製のV-670を用いて、逆正四角錐に形成された凹部22の有る面(第1面43a)から光を入射させて測定した。
【0098】
<耐傷付き性の評価>
後述する各実施例の第1光拡散シート43の耐傷付き性試験には、
図15に示した装置を用いた。
図15に示すように、固定サンプルとなる第1光拡散シート43の下面を第1面43a(逆正四角錐形状の凹部22が形成された面)にし、移動サンプルとなる第1光拡散シート43の上面を第2面43b(マット面)にして、ガラス板上に移動サンプル及び固定サンプルを順次積層し、上方から、直径20mmの円形の面積に荷重516gfの重りを載せて、引取速度10mm/秒の速さで移動サンプルを引き取りながら100mm移動させて、移動サンプルと固定サンプルとの摩擦面の傷付き度合を目視で検査、判定した。検査、判定は、固定サンプルの下面(逆正四角錐の凹部22の形成面)、及び移動サンプルの上面(マット面)の両方について行った。
【0099】
検査、判定での評価は、以下の基準で行った。
AA:目視では傷付きが全く見えず、耐傷付き性に大変優れた光拡散シートである。
A :目視では傷付きが殆ど見えず、耐傷付き性のかなり優れた光拡散シートである。
B :目視で傷付きがわずかに見え、耐傷付き性がある程度優れた光拡散シートである。
C :目視で傷つきが少し見え、耐傷付き性が何とか許される下限近くである光拡散シートである。
× :目視でも傷付きがはっきり多く見え、耐傷付き性の劣る光拡散シートである。
【0100】
<輝度及び輝度均一性の測定>
後述する各実施例の第1光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の測定は、
図2及び
図3に示すバックライトユニット40の構成で実施した。すなわち、アレイ状に配列された小型光源42(LEDアレイ)の上に、後述する実施例で得られた逆正四角錐形状の凹部22を有する第1光拡散シート43を、凹部22が形成された第1面43aを光源42側に向けて2枚重ねて配置した。第1光拡散シート43の積層体の上には、後述の実施例18と同じ芳香族ポリカーボネート樹脂に同じ拡散剤を同じ組成で配合して用いた厚さ120μmの第2光拡散シート44を1枚、鏡面である第2面44bを光源42側に向けて重ねて配置した。第2光拡散シート44の製造では、一方のロールに鏡面ロールを用い、他方のロールに後述の実施例1と同じランダムなマット形状(表面粗さRa=2.5μm)を表面に持ったロールを用いて、実施例1と同じ方法で作成した。第2光拡散シート44においては、マット面(第1面44a)側の表面粗さRaが1.6μm、鏡面(第2面44b)側の表面粗さRaが0.4μmであった。第2光拡散シート44の上には、2枚のプリズムシート45、46を重ねて配置した。以上の構成で輝度及び輝度均一性の測定を行った。尚、LEDアレイとしては、LEDピッチ3mmのものを使用し、LED(小型光源42)としては、Cree社製の青色LED(品番XPGDRY-L1-0000-00501)を使用した。
【0101】
輝度均一性の測定では、まず、
図3に示すLEDアレイ(6個×6個)において、LED(小型光源42)直上を通る対角線Lに沿って断面輝度を取得し、続いて、この断面輝度の平均値及び標準偏差を算出し、
輝度均一性(%)=(断面輝度の平均値)÷(断面輝度の標準偏差)×100
の計算式に従って、輝度均一性(%)を求めた。このようにして求められた輝度均一性の数値が高いほど、輝度が均一であることを示す。
【0102】
輝度均一性の評価基準は、以下の通りである。
AA:輝度均一性が210%以上で、目視で輝度ムラが全く見えないレベルで、最も優れた均一性を示す光拡散シートである。
A :輝度均一性が200%以上210%未満で、目視で輝度斑は殆ど見えない、優れた均一性を示す光拡散シートである。
B :輝度均一性が190%以上200%未満で、目視で輝度斑がわずかに見えるが、合格レベルの均一性を示す光拡散シートである。
C :輝度均一性が180%以上190%未満で、目視で輝度斑が見えるが、合格レベル最低限の均一性を示す光拡散シートである。
X :輝度均一性が180%未満で、目視で輝度斑がはっきり見える、均一性に劣る光拡散シートである。
【0103】
また、輝度の評価基準は、以下の通りである。
A:断面輝度の平均値が3150cd/m2 以上の光拡散シートである。
B:断面輝度の平均値が3100cd/m2 以上3150cd/m2 未満の光拡散シートである。
C:断面輝度の平均値が3050cd/m2 以上3100cd/m2 未満の光拡散シートである。
【0104】
<総合評価>
後述する各実施例の第1光拡散シート43の総合評価は、耐傷付き性試験の結果、及び輝度均一性の評価結果に基づいて、以下の基準で行った。
AA:逆正四角錐面及びマット面の両方の耐傷付き性試験の評価結果と、輝度均一性の評価結果において、全てA以上であり且つ2つ以上AAがある総合的に最も優れた光拡散シートである。
A :逆正四角錐面及びマット面の両方の耐傷付き性試験の評価結果と、輝度均一性の評価結果において、全てA以上である総合的に最も優れた光拡散シート(ただしAA評価品を除く)である。
B :逆正四角錐面及びマット面の両方の耐傷付き性試験の評価結果と、輝度均一性の評価結果において、全てB以上である総合的に優れた光拡散シート(ただしAA、A評価品を除く)である。
C :逆正四角錐面及びマット面の両方の耐傷付き性試験の評価結果と、輝度均一性の評価結果において、全てC以上である総合的に最低限度以上の性能を有する使用可能な光拡散シート(ただしAA、A、B評価品を除く)である。
× :逆正四角錐面及びマット面の両方の耐傷付き性試験の評価結果と、輝度均一性の評価結果において、どれか1つ以上に×評価がある総合的に劣った光拡散シートである。
【0105】
<実施例1>
実施例1の第1光拡散シート43の製造方法は、以下の通りである。まず、ISO1133に準拠して測定したメルトマスフローレイトが15g/10分である芳香族ポリカーボネート樹脂を押出機に投入して、溶融混錬してからT-ダイより樹脂を押し出す。その後、2本の金属ロールのうち一方のロールとして、
図16の(A)、(B)((B)は(A)のX-Y線断面方向から見た形状図)に示した形状(高さ50μm、ピッチ100μmで頂角90度の正四角錐のピラミッド形状)を表面に持ったロールを使用し、他方のロールとして、ランダムなマット形状(表面粗さRa=2.5μm)を表面に持ったロールを使用し、T-ダイより押し出された溶融樹脂を当該2つのロールで挟んで形状転写しながら冷却する。これにより、表1に示すように、ロール上の正四角錐の高さに依存した深さの凹(逆)ピラミッド形状を1つの表面に持ち、表面粗さRa=1.67μmのマット面を別の表面に持つ厚さ180μmの単層の光拡散シートを押出成形法によって作成した。尚、成形条件としては、表1に示すように、ライン速度が17m/分、2つのロール間の圧縮力(圧縮線圧力)が280kgf/cmとなるように加圧を行い、ポリカーボネート樹脂への形状転写が良好で、且つロールからのシートの剥離が良好な樹脂温度条件(230~310℃)において光拡散シートを得た。
【0106】
【0107】
以上のようにして作製された実施例1の第1光拡散シート43に形成された凹部(逆正四角錐)22の形状観察を、キーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK-100を使用して行った。具体的には、逆正四角錐に形成された凹部22の稜線23の断面形状(
図6、
図7、
図9、
図10に示す断面形状)、
図6、
図7に示す最大高低差dx、dy(交点23a間を結ぶ直線と稜線23との距離の最大値)とその平均値d、
図9、
図10に示す高さHx、Hy(凹部22の中心22aから稜線23の頂点までの高さ)とその平均値H、
図9、
図10に示す寸法Wrx、Wry(X方向、Y方向において稜線23の頂部の曲線部分が占める寸法)とその平均値Wr、
図6、
図7に示す凹部22の配列ピッチPx、Py(X方向、Y方向における交点23a同士の水平距離)とその平均値P、配列ピッチPに対する寸法Wrの比率Wr/P(単位:%)、及び、
図9、
図10に示す角度θx、θy(X方向、Y方向において凹部22の壁面(逆正四角錐の斜面)と第1光拡散シート43のシート面とがなす角度)の測定を行った。
【0108】
<実施例2~3>
実施例2の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ54.6μm、ピッチ100μmで頂角が85度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、表1に示すように、実施例1と同じ条件を用いた。
【0109】
実施例3の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ59.6μm、ピッチ100μmで頂角が80度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、表1に示すように、実施例1と同じ条件を用いた。
【0110】
<比較例1~3>
比較例1では、まず、実施例1と同じ芳香族ポリカーボネート樹脂を用いて、厚さ1mmのプレス原板を作った。続いて、
図17の(A)、(B)((B)は(A)のX-Y線断面方向から見た形状図)に示した形状(実施例1と同じ形状の正四角錐のピラミッド形状においてピラミッドの谷部分を曲率半径4.2μmの曲面形状に丸めた形状)を表面に持った平板金型と、実施例1と同じランダムなマット形状(表面粗さRa=2.5μm)を表面に持った平板金型とを使用し、2枚の金型でプレス原板を挟んで、加熱冷却装置の付いたプレス機に入れて、プレス板温度250℃、面圧200kg/cm
2 の条件で20分間プレスした。その後、加圧したままでプレス板温度を20℃まで冷却して、樹脂板が十分冷却されるまで加圧保持し、表1に示す厚さ180μmの光拡散シートを圧縮成形法によって作成した。
【0111】
比較例2では、比較例1と同様にしてプレス原板を作った後、実施例2と同じ形状の正四角錐のピラミッド形状において比較例1と同様にピラミッドの谷部分を曲率半径4.2μmの曲面形状に丸めた形状を表面に持った平板金型を使用した点を除いて、比較例1と同じ条件でプレス機での加熱、加圧、冷却を行って、表1に示す厚さ180μmの光拡散シートを圧縮成形法によって作成した。
【0112】
比較例3では、比較例1と同様にしてプレス原板を作った後、実施例3と同じ形状の正四角錐のピラミッド形状において比較例1、2と同様にピラミッドの谷部分を曲率半径4.2μmの曲面形状に丸めた形状を表面に持った平板金型を使用した点を除いて、比較例1、2と同じ条件でプレス機での加熱、加圧、冷却を行って、表1に示す厚さ180μmの光拡散シートを圧縮成形法によって作成した。
【0113】
<実施例1~3及び比較例1~3の評価>
実施例1~3で得られた第1光拡散シート43について、測定で得られた各要素の形状、寸法及び角度などを比較例1~3と合わせて表2に示し、光学物性の測定結果、耐傷付き性試験の結果、輝度及び輝度均一性の評価結果、並びに総合評価結果を比較例1~3と合わせて表3に示す。
【0114】
【0115】
【0116】
表2、表3に示す結果から、実施例1~3で得られた、逆正四角錐形状の凹部22が形成された第1光拡散シート43においては、交点23a間を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが1.0μm以上であり、交点23a間で稜線23が凡そ放物線状に凹んだ形状を有する。このため、重ねて使用しても稜線23に起因する摩耗や損傷が生じにくくなる結果、耐傷付き性試験において良好な結果が得られた。
【0117】
一方、比較例1~3では、稜線23の頂点付近に曲率半径4.2μm程度の曲面形状が付与されているものの、最大高低差dが0μmで稜線23の凹みが全く無く、交点23a間で稜線23が水平な形状を持つ。このため、耐傷付き性試験において稜線23に起因する傷が生じる結果、耐傷付き性において劣った結果となった。
【0118】
また、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3のそれぞれにおいて、比率Wr/Pは全て10%以下であり、稜線23の頂部の急峻な形状が保たれているので、輝度均一性については、それぞれ同等の良好な評価結果が得られた。
【0119】
以上から、総合評価については、実施例1~3は「C」であり、比較例1~3は「×」であった。
【0120】
<実施例4~10及び比較例4>
実施例4~7では、表4に示すように、成形条件のうちライン速度を15m/分~4m/分に変更した点を除いて、実施例1と同じ方法で光拡散シートを作製した。
【0121】
実施例8~10及び比較例4では、表4に示すように、成形条件のうち、2つのロール間の圧縮線圧力を180kgf/cm~40kgf/cmに変更した点を除いて、実施例1と同じ方法で光拡散シートを作製した。
【0122】
【0123】
<実施例4~10及び比較例4の評価>
実施例4~10で得られた第1光拡散シート43について、測定で得られた各要素の形状、寸法及び角度などを比較例4と合わせて表5に示し、光学物性の測定結果、耐傷付き性試験の結果、輝度及び輝度均一性の評価結果、並びに総合評価結果を比較例4と合わせて表6に示す。
【0124】
【0125】
【0126】
表5、表6に示す結果から、実施例4~10及び比較例4で得られた、逆正四角錐形状の凹部22が形成された第1光拡散シート43においては、交点23a間を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが1.0μm以上であり、交点23a間で稜線23が凡そ放物線状に凹んだ形状を有する。このため、重ねて使用しても稜線23に起因する摩耗や損傷が生じにくくなる結果、耐傷付き性試験において良好な結果が得られた。
【0127】
また、実施例4~10においては、比率Wr/Pは全て30%以下であり、稜線23の頂部の急峻な形状が保たれているので、輝度均一性については、それぞれ同等の良好な評価結果が得られた。
【0128】
しかし、比較例4においては、比率Wr/Pが30%を超えているため、稜線23の頂部の急峻な形状が保たれず、輝度均一性について、劣った結果となった。
【0129】
以上から、総合評価については、実施例4~10は「C」であり、比較例4は「×」であった。
【0130】
<実施例11~14>
実施例11の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ90.0μm、ピッチ180μmで頂角が90度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、実施例1とほぼ同じ条件を用いて、表7に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0131】
【0132】
実施例12の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ98.2μm、ピッチ180μmで頂角が85度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、実施例1とほぼ同じ条件を用いて、表7に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0133】
実施例13の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ107.3μm、ピッチ180μmで頂角が80度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、実施例1とほぼ同じ条件を用いて、表7に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0134】
実施例14の第1光拡散シート43の製造方法では、2本の金属ロールのうち正四角錐形状のロールとして、高さ117.3μm、ピッチ180μmで頂角が75度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用した点を除いて、実施例1とほぼ同じ条件を用いて、表7に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0135】
<実施例15~17及び比較例5>
実施例15~17においては、実施例13と同じロールを用いて、表7に示すように、成形条件のうちライン速度を15m/分~11m/分に変更して、厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0136】
比較例5においては、比較例1と同様にしてプレス原板を作った後、実施例11と同じ形状の正四角錐のピラミッド形状において比較例1と同様にピラミッドの谷部分を曲率半径4.2μmの曲面形状に丸めた形状を表面に持った平板金型を使用した点を除いて、比較例1と同じ条件でプレス機での加熱、加圧、冷却を行って、表7に示す厚さ200μmの光拡散シートを圧縮成形法によって作成した。
【0137】
<実施例11~17及び比較例5の評価>
実施例11~17で得られた第1光拡散シート43について、測定で得られた各要素の形状、寸法及び角度などを比較例5と合わせて表8に示し、光学物性の測定結果、耐傷付き性試験の結果、輝度及び輝度均一性の評価結果、並びに総合評価結果を比較例5と合わせて表9に示す。
【0138】
【0139】
【0140】
表8、表9に示す結果から、実施例11~17で得られた、逆正四角錐形状の凹部22が形成された第1光拡散シート43においては、交点23a間を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが2.5μm以上であり、交点23a間で稜線23が凡そ放物線状に凹んだ形状を有する。このため、重ねて使用しても稜線23に起因する摩耗や損傷がより一層生じにくくなる結果、耐傷付き性試験において実施例の中で最も良好な結果が得られた。
【0141】
一方、比較例5では、稜線23の頂点付近に曲面形状が付与されているものの、最大高低差dが0μmで稜線23の凹みが全く無く、交点23a間で稜線23が水平な形状を持つ。このため、耐傷付き性試験において稜線23に起因する傷が生じる結果、耐傷付き性において劣った結果となった。
【0142】
また、実施例11~17及び比較例5においては、比率Wr/Pは全て10%以下であり、稜線23の頂部がより一層急峻な形状に保たれているので、輝度均一性についても特に良好な評価結果が得られた。特に、実施例11~17では、最大高低差dが5.0μm以下であるので、交点23a間で稜線23が凹んだ形状を有することに起因する輝度均一性の低下は見られなかった。
【0143】
以上から、総合評価については、実施例11は「A」であり、実施例12~17は最も優れた「AA」であり、比較例5は「×」であった。
【0144】
<実施例18~23>
実施例18においては、実施例1で用いた芳香族ポリカーボネート樹脂99質量部に対して、拡散剤としてシリコーン複合パウダー(平均粒子径2.0μm)1質量部をあらかじめ混合したものを押出機に投入して溶融混錬を行う点を除いて、実施例1と同じ条件を用いて、表10に示す厚さ180μmの光拡散シートを作製した。
【0145】
【0146】
実施例19~23においては、実施例18と同じ方法を用いて、表10に示すように、成形条件のうちライン速度を15m/分~9m/分に変更して、厚さ180μmの光拡散シートを作製した。
【0147】
<実施例18~23の評価>
実施例18~23で得られた第1光拡散シート43について、測定で得られた各要素の形状、寸法及び角度などを表11に示し、光学物性の測定結果、耐傷付き性試験の結果、輝度及び輝度均一性の評価結果、並びに総合評価結果を表12に示す。
【0148】
【0149】
【0150】
表11、表12に示す結果から、実施例18~23で得られた、逆正四角錐形状の凹部22が形成された第1光拡散シート43においては、交点23a間を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが1.6μm以上であり、交点23a間で稜線23が凡そ放物線状に凹んだ形状を有する。このため、重ねて使用しても稜線23に起因する摩耗や損傷が生じにくくなる結果、耐傷付き性試験において良好な結果が得られた。
【0151】
また、実施例18~23においては、比率Wr/Pは6~13%の範囲内にあり、稜線23の頂部の急峻な形状が保たれているので、輝度均一性については、良好な評価結果が得られた。
【0152】
以上から、総合評価について、実施例18~23は「C」であった。
【0153】
<実施例24~27>
実施例24においては、実施例1で用いた芳香族ポリカーボネート樹脂、及び表13に示す成形条件を用いると共に、2本の金属ロールのうち一方のロールとして、
図16の(A)、(B)に示した形状(高さ50μm、ピッチ100μmで頂角90度の正四角錐のピラミッド形状)を表面に持ったロールを使用し、他方のロールとして、ランダムなマット形状(表面粗さRa=1.6μm)を表面に持ったロールを使用し、表13に示す厚さ120μmの光拡散シートを作製した。
【0154】
【0155】
実施例25においては、実施例18と同じ拡散剤含有芳香族ポリカーボネート樹脂、及び表13に示す成形条件を用いると共に、実施例24と同じ2本の金属ロールを使用して、表13に示す厚さ120μmの光拡散シートを作製した。
【0156】
実施例26においては、実施例24と同じ芳香族ポリカーボネート樹脂、及び表13に示す成形条件を用いると共に、2本の金属ロールのうち一方のロールとして、実施例13で用いた、高さ107.3μm、ピッチ180μmで頂角が80度の正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用し、他方のロールとして、ランダムなマット形状(表面粗さRa=2.0μm)を表面に持ったロールを使用し、表13に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0157】
実施例27においては、実施例25と同じ拡散剤含有芳香族ポリカーボネート樹脂、及び表13に示す成形条件を用いると共に、2本の金属ロールのうち一方のロールとして、実施例24、25と同じ正四角錐のピラミッド形状を表面に持ったロールを使用し、他方のロールとして、ランダムなマット形状(表面粗さRa=2.0μm)を表面に持ったロールを使用し、表13に示す厚さ200μmの光拡散シートを作製した。
【0158】
<実施例24~27の評価>
実施例24~27で得られた第1光拡散シート43について、測定で得られた各要素の形状、寸法及び角度などを表14に示し、光学物性の測定結果、耐傷付き性試験の結果、輝度及び輝度均一性の評価結果、並びに総合評価結果を表15に示す。また、実施例24~27、及び比較例1のそれぞれにおける耐傷つき性試験後のサンプル、具体的には、固定サンプル下面(逆四角錐面)、及び移動サンプル上面(マット面)の表面写真を
図18に示す。
【0159】
【0160】
【0161】
表14、表15に示す結果から、実施例24~27で得られた、逆正四角錐形状の凹部22が形成された第1光拡散シート43においては、交点23a間を結ぶ直線と稜線23との最大高低差dが2.7μm以上であり、交点23a間で稜線23が凡そ放物線状に凹んだ形状を有する。このため、重ねて使用しても稜線23に起因する摩耗や損傷が生じにくくなる結果、
図18に示すように、マット面(移動サンプル上面)のみならず、逆四角錐面(固定サンプル下面)でも、耐傷付き性試験において良好な結果が得られた。一方、比較例1では、前述の通り(表2等参照)、最大高低差dが0μmで稜線23の凹みが全く無く、交点23a間で稜線23が水平な形状を持つため、
図18に示すように、逆四角錐面(固定サンプル下面)では耐傷付き性試験で稜線23に起因する傷がはっきりと生じており、耐傷付き性が悪かった。
【0162】
尚、実施例24、25では、第1光拡散シート43の厚さが比較的薄いことにより、稜線23に比較的大きい凹みが生じており、実施例26では、凹部22の逆四角錐が比較的大きいことにより、稜線23に比較的大きい凹みが生じている。
【0163】
また、実施例24~27においては、比率Wr/Pは5~11%程度の範囲内にあり、稜線23の頂部の急峻な形状が保たれているので、輝度均一性については、良好な評価結果が得られた。
【0164】
以上から、総合評価について、実施例24は「A」であり、実施例25、27は「C」であり、実施例26は最も優れた「AA」であった。
【0165】
(その他の実施形態)
以上、本開示についての実施形態(実施例を含む。以下同じ。)を説明したが、本開示は前述の実施形態のみに限定されず、開示の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前述の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。例えば、光拡散シートの構成(層構造、材質等)は、前述の実施形態の第1光拡散シート43の構成に限定されないことは言うまでもない。また、光拡散シートが適用されるバックライトや、当該バックライトを備えた液晶表示装置の構成も、前述の実施形態のバックライトユニット40や液晶表示装置50の構成に限定されないことは言うまでもない。
【0166】
例えば、
図2に示す前述の実施形態のバックライトユニット40における第1光拡散シート43の2枚積層と第2光拡散シート44との組合せに代えて、
図19に示す変形例のバックライトユニット40のように、第1光拡散シート43の3枚積層を用いてもよいし、或いは、第1光拡散シート43を4枚以上積層してもよい。尚、第1光拡散シート43を3枚以上積層する場合、略逆多角錐形状による反射及び屈折の効果と、拡散剤による光拡散効果とのトレードオフの観点で、表示画面50a(つまり第1プリズムシート45)に最も近い光拡散シート43は、拡散剤を含有し、その他の光拡散シート43は、実質的に拡散剤を含有しなくてもよい。これにより、輝度均一性をより一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0167】
1 TFT基板
2 CF基板
3 液晶層
5 液晶表示パネル
6 第1偏光板
7 第2偏光板
21 基材層
22 凹部
22a 中心
23 稜線
23a 交点
23b 最下点
40 バックライトユニット
41 反射シート
42 小型光源
43 第1光拡散シート
43a 第1面
43b 第2面
44 第2光拡散シート
44a 第1面
44b 第2面
45 第1プリズムシート
46 第2プリズムシート
50 液晶表示装置
50a 表示画面