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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087832
(43)【公開日】2022-06-13
(54)【発明の名称】色光式計時装置
(51)【国際特許分類】
   G04G 9/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
G04G9/00 303E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194159
(22)【出願日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020199536
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520472653
【氏名又は名称】CS計時株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153970
【弁理士】
【氏名又は名称】久納 誠司
(72)【発明者】
【氏名】河崎 憲司
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA06
2F002EA01
2F002EA02
2F002EB11
2F002EB12
2F002ED01
2F002ED02
2F002EG06
(57)【要約】
【課題】 色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い技術を提供する。
【解決手段】 色光式計時装置は、JIS色度図の12基本色中の4乃至12色光を選択的に発光可能な発光部と制御部を備え、その制御部は一定周期の最初か最後、或いは、双方の単位時間に白かピンクの白色群光を発光させ、残りの色光を白色群の色度区分を、左、又は右回り順に選択して色光表示させる。又、色光時計では、新単位時間の黎(5分)と和(5秒)を定義し、従来の各60の分を各12の黎と5の分、及び、60の秒を各12の和と5の秒で構成し、時、黎、和の各12の単位時間より成る3種の一定周期を構成し、又、それ等を2等分した前後半周期の一方の半周期の色光を点滅・明滅させ、該・前後半周期を識別させ、各単位の同一順の単位時間には同一性色光を其々の単位の発光部より発光させて各単位とその単位時間を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤紫、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、ピンク、及び、白を12基本色とし、該12基本色の光を色光として、前記12基本色に含まれる12色の色光を選択的に発光可能な発光部と、
該発光部の発光を制御する制御部と、を備え、
4乃至12の単位時間を一定周期とし、
前記12基本色の内、白及びピンクを白色群とし、残りを10基本色とし、
該10基本色の内、紫及び赤紫を紫色群とし、
前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回りの順に、
前記紫色群の1色、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る左回り順、並びに、
前記紫色群の1色、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る右回り順があるとして、
前記制御部は、前記一定周期において、最初の単位時間と最後の単位時間の一方、又は、双方の単位時間に前記白色群の色光を発光させ、残りの各単位時間に前記左回り順又は前記右回り順に前記10基本色中の重複の無い4乃至12色光を選択して前記発光部より発光させる、色光式計時装置。
尚、前記12基本色は、日本産業規格Z8110:1995の参考付図1に示された色度図をJIS色度図とし、該JIS色度図に色度区分が定義されたものである。
【請求項2】
赤紫、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、ピンク、及び、白を12基本色とし、該12基本色の光を色光として、前記12基本色に含まれる6乃至12色の色光を選択的に発光可能な発光部と、
該発光部の発光を制御する制御部と、を備え、
12の単位時間を一定周期とし、
該一定周期の内、前半を前半周期とし、後半を後半周期とし、
前記前半周期と前記後半周期における最初の単位時間の色光を開始光とし、
前記前半周期と前記後半周期における最後の単位時間の色光を終了光とし、
前記12基本色の内、白及びピンクを白色群とし、残りを10基本色とし、
該10基本色の内、紫及び赤紫を紫色群とし、
前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回り順に、
前記紫色群の1色、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る左回り順、並びに、
前記紫色群の1色、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る右回り順があるとして、
前記制御部は、前記一定周期において、
前記前半周期の開始光と前記後半周期の終了光の一方が前記白色群の色光となり、
前記前半周期の開始光が前記白色群の色光である場合の前記後半周期の開始光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記後半周期の終了光が前記白色群の色光である場合の前記前半周期の終了光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記前・後半周期の残り5の単位時間には、各周回内で各色光の重複や前記紫色群光の 重複がないよう、又、前記前・後半周期の同一順の単位時間には前記左又は右周回り順に対応する両色光が同一色度区分光乃至は前記周回方向に隣接する隣接色度区分光となるように、前記10基本色中の各5色光を選択的に前記発光部より発光させる、色光式計時装置。
尚、前記12基本色は、日本産業規格Z8110:1995の参考付図1に示された色度図をJIS色度図とし、該JIS色度図に色度区分が定義されたものである。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の色光式計時装置において、
前記一定周期は、偶数の単位時間を含み、
前記一定周期の内、前半を前半周期とし、後半を後半周期として、
前記制御部は、前記前半周期と前記後半周期の内、一方の半周期において前記発光部に発光させる色光を点滅又は明滅させ、他方の半周期において前記発光部に発光させる色光を連続点灯させる、色光式計時装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかの項に記載の色光式計時装置において、
1時間を表す単位の第一の単位時間を時(h)、5分(m)を表す単位の第二の単位時間を黎(m)、5秒(s)を表す単位の第三の単位時間を和(s)とし、各々5で黎(m)や和(s)に桁上がりする分(m)や秒(s)を小単位時間とする色光単位系において、
前記一定周期は、12の前記第一の単位時間(h)よりなる半日(1d)を周期とする第一の一定周期、12の前記第二の単位時間(m)よりなる(1h)を周期とする第二の一定周期、12の前記第三の単位時間(s)よりなる(1m)を周期とする第三の一定周期を含み、
前記制御部は、前記第一乃至第三の各一定周期を同一順に経過する前記3種の単位時間に対応する各色光が前記白色群光の場合は、該・白色群内の何れかの色光を選択的に発光させ、前記第一乃至第三の各一定周期を同一順に経過する前記3種の単位時間に対応する各色光が前記10基本色光の場合は、左又は右回り順の前記3種の色光を同一色度区分の色光乃至は該・3種の色光の色度区分が周回方向で互いに隣接した隣接色度区分となるよう各色光を発光させる、色光式計時装置。
尚、前記(m)(s)の添字はbigを意味し、dのdはday、添字はhalfを表す。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかの項に記載の色光式計時装置において、
前記小単位時間の表示が求められる場合、
前記小単位時間の一定周期は、小単位時間5(m)より成る黎(1m)の一定周期、及び、小単位時間5(s)より成る和(1s)の一定周期を含み、
前記制御部は、前記黎(1m)や和(1s)の各一定周期を、其々5で経過する同一順の小単位時間の(m)と(s)には、5で変化する両者に共通な指示マークを其々の単位時間の発光部乃至はその近傍に表出させ、又は、5ステップでその強弱色刺激を変化する両者に共通な色光を前記各単位時間の黎(m)や和(s)の色光に重ねて該・色光の発光部乃至はその近傍の発光部より発光させ、前記小単位時間の双方或いは片方を表示する、色光式計時装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかの項に記載の色光式計時装置において、
前記3種の単位の単位時間(h)(mb)(sb)の色光が発せられる発光部を、其々第一の発光部、第二の発光部、及び第三の発光部として取決め、該・取決められた3種の発光部の各性状に、其々、形状における大・中・小の差異、空間次元における面状、線状、点状の差異、或いは位置における左・中・右、や、上・中・下の差異を設け、その内の何れかの差異、或いは、前記各性状を構成する3つの要素の同一順の組合せ要素の間の差異により、前記各単位時間の単位と其々の発光部との対応の取決めを、直感的に知覚させる、色光式計時装置(色光時計)。尚、前記性状とは、空間次元、大きさ、形状、数、位置、方向の各要素を包含した発光部の特長を表す上位概念である。又、面状、線状、点状の間には、其々、面積最大、“長辺又は長径)/該・平均巾”が最大、面積最少の関係があるものとする。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかの項に記載の色光式計時装置において、
本色光式計時装置は、アナログ時計の針を備え、前記針が前記発光部に含まれ、
前記各一定周期において各単位時間に、白色群光を開始光又は終了光或いはその双に含む順番に前記10基本色の色光を選択的に前記針から放出する、色光式計時装置双方
【請求項8】
前記請求項1乃至請求項7の何れかの項に記載の色光式計時装置に於いて、
前記色光式計時装置は、睡眠や就業等の生活時間や、朝夕、昼、夜、等の自然環境の明るさに則り、(時)の単位より成る各時間帯毎に望ましいレベルの色光輝度を定め、
前記制御部は、
12の単位時間(時)より成るAM、PMの半日(d)が2を底(k)として1日(d)に桁上がりし24時間を構成する単位系の各種時間帯が経過する毎の(時)の単位の単位時間に対応する色光の輝度を他の単位の単位時間の色光が順守すべき基準輝度として定め、(時)の単位の・単位時間(時)が経過する間の各単位の単位時間の色光の輝度を其々定められたレベルとなるよう制御し経時感覚を向上させる色光式計時装置。
尚、時間帯とは、例えば、24時間は朝夕(pm4時~7時とam4時~7時)、昼(am8時~pm4時)、夜(pm8時~am4時)の各8時間の時間区分、乃至はその区分を2乃至8区分当に変化させた時間区分の各時間(時)を云う。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかの項に記載の色光式計時装置において、
本色光式計時装置は、前記発光部を含む表示部と制御部を備え、
前記制御部は、
前記色光単位系の各一定周期において各単位の単位時間に前記白色群光を開始光又は終了光として、或いはその双方として含む、前記左回り順又は前記右回り順の前記10基本色の色光を選択的に前記発光部から発光させる色光表示設定と、
前記従来単位系の各一定周期において時、分、秒を単位として時刻を表す数値と針の少なくとも一方を前記表示部に表示させる従来表示設定と、
前記複合単位系の各一定周期において各単位の単位時間に前記白色群光を開始光又は終了光或いはその双方に含む前記左回り順又は前記右回り順の前記10基本色の色光を選択的に前記発光部に発光させ、且つ、時、分、秒を単位として時刻を表す数値と針の少なくとも一方を前記表示部に表示させる、複合表示設定の中から、何れか一つの表示設定の選択を受け付け、該・受け付けた表示設定にて前記表示部を制御する、色光式計時装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻や時間を把握させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば時計による時刻の指示には標準時の0時、0分、0秒を起点として60秒、60分、12時間という一定周期毎に桁上がりする数字の組合せが用いられるのが一般的である。
また、特許文献1(特開2002-297114号公報)のように、カラー表示が可能な表示装置に時刻を数字表示する際に文字自体や文字の背景に色彩を配し、設定時刻からの時間経過に従って色彩の色相等を順次変化させることで時間経過を把握できるようにした技術も開発されている。また、特許文献2(特開2001-343475号公報)のように「時」「分」及び「秒」の3つの色彩表示ゾーンを有する表示装置を用い、それらの各色彩表示ゾーンに予め定めた色彩を時間経過に従って順次表示させる技術もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-297114号公報
【特許文献2】特開2001-343475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の何れの技術も、人間が自然に体得してきた色彩と時間経過との関係性を無視し、例えば赤は1時を表し青は2時を表すというように、色彩と数字や単位時間とを取り決めによって関係づけているに過ぎない。
このため、従来技術による色彩を利用した計時装置では、発光部の色光を知覚した者は、予め定められている色彩と数字との取り決めを記憶からたぐり寄せて色彩を数字に翻訳し、その上で、時刻ないし経過時間を認識するという迂遠な認識プロセスを強いられる。従って、上述した両技術は、実際には直感的に時間の経過を把握するものとは言いがたいものであった。
本発明は、色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い技術を開示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
色光式計時装置の基本原理:
本発明の色光式計時装置は、赤紫、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、ピンク、及び、白を12基本色とし、該12基本色の光を色光として、前記12基本色に含まれる12色の色光を選択的に発光可能な発光部と、該発光部の発光を制御する制御部とを備え、
4乃至12の単位時間を一定周期とし、
前記12基本色の内、白及びピンクを白色群(図1、符号GW)とし、残りを10基本色光(図1、符号G10)とし、
該10基本色の内、紫及び赤紫を紫色群とし、
前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回り順に、
前記紫色群の1色、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る左回り順、並びに、
前記紫色群の1色、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤、及び、前記紫色群の他の1色の向きに回る右回り順があるとして、
前記制御部は、前記一定周期において、最初の単位時間と最後の単位時間の一方、又は、双方の単位時間に前記白色群の色光GWが発光され、残りの各単位時間に前記左回り順又は前記右回り順に色光を選択し前記発光部より発光させる、態様を有する。
尚、前記12基本色は、日本産業規格Z8110:1995の参考付図1に示された色度図をJIS色度図とし、該JIS色度図に色度区分が定義されたものである。
【0006】
色光式計時装置(色光時計):
また、本発明の色光式計時装置は、赤紫、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、ピンク、及び、白を12基本色とし、該12基本色の光を色光として、前記12基本色に含まれる6乃至12色の色光を選択的に発光可能な発光部と、該発光部の発光を制御する制御部とを備え、
12の単位時間を一定周期とし、
該一定周期の内、前半を前半周期とし、後半を後半周期とし、
前記前半周期と前記後半周期における最初の単位時間の色光を開始光とし、
前記前半周期と前記後半周期における最後の単位時間の色光を終了光とし、
前記12基本色の内、白及びピンクを白色群とし、残りを10基本色光とし、
該10基本色の内、紫及び赤紫を紫色群とし、
前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回り順に、
前記紫色群の1色、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、及び、前記紫色群の他の色の向きに回る左回り順(図1、符号R1)、並びに、
前記紫色群の1色、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤、及び、前記紫色群の他の色の向きに回る右回り順(図1、符号R2)があるとして、
前記制御部は、前記一定周期において、
前記前半周期の開始光と前記後半周期の終了光の一方が前記白色群の色光となり、
前記前半周期の開始光が前記白色群の色光である場合の前記後半周期の開始光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記後半周期の終了光が前記白色群の色光である場合の前記前半周期の終了光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記前・後半周期の残り5の単位時間には、各周回内で各色光の重複や前記紫色群光の重複がないよう、又、前記前・後半周期の同一順の単位時間には、前記左又は右回り順に対応する両色光が前記周回方向に互に隣接する隣接色度区分光、或いは、同一色度区分光となるように前記10基本色中の各5色光を選択し前記発光部より発光させる、態様を有する。
尚、前記12基本色は、日本産業規格Z8110:1995の参考付図1に示された色度図をJIS色度図とし、該JIS色度図に色度区分が定義されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】12基本色の色度区分の定義と、10基本色の回り順の模式的な説明がなされたJIS色度図。
図2】色光式計時装置の例である色光照射時計を示す斜視図。
図3】色光式計時装置の電気系の例を模式的に示すブロック図。
図4】JIS色度図において白紫交互開始2周方式の発光順を示す図。
図5】JIS色度図において白開始同一経路2周方式の発光順を示す図。
図6】JIS色度図において白開始赤系色欠如2周方式の発光順を示す図。
図7】JIS色度図において赤開始白紫終了2周方式の発光順を示す図。
図8】JIS色度図において白ピンク開始全色度区分2周方式の発光順を示す図
図9】JIS色度図において白開始紫経由右廻1周方式の発光順を示す図。
図10】JIS色度図において白開始赤紫経由1周方式の発光順を示す図。
図11】JIS色度図においてピンク開始7色度区分1周方式の発光順を示す図。
図12】実施形態5に係る色光式計時装置の例である色光絵画時計の第一の発光部、第二の発光部、及び、第三の発光部と小単位時間マークの配置の例を示す正面図。
図13】実施形態8に係るWLB時計(ワークライフバランス時計)を構成するスマートフォン式の面、線、点状の発光部を有する色光アナログ時計の外形図。
図14】実施形態6に係る色光式計時装置の例である色光アナログ時計の光路配置の例を示す断面図。
図15】実施形態6に係る小単位時間用のマークによる指示態様が変化する例の(a)~(e)を模式的に示す正面図。
図16】実施形態8に係る色光デジタル時計の表示部による表示の例を模式的に示す正面図。
図17】実施形態9に係る色光シンボル時計の表示部による表示の例を模式的に示す正面図。
図18】実施形態1、6に係る異種光源のバックライトの例を示す断面図。
図19】(a)~(c)は本技術における時間と時刻の概念を説明する模式図。
図20】色光単位系の概念を説明するための模式的な図。
図21】実施形態7に係る色光アナログ時計の制御系の例を示すブロック図。
図22】12基本色の1周回方式の発光順の例を模式的に示す図。
図23】12基本色の2周回方式の発光順の例を模式的に示す図。
図24】(a),(b)は発光部の構成例を模式的に示す図。
図25】実施形態5に係る色光絵画時計の第一の発光部、第二の発光部、及び、第三の発光部の構成例を模式的に示す図。
図26】実施形態7に係る機械式色光アナログ時計の要部の例を模式的に示す図。
図27】実施形態2に係る色光カレンダーの発光部の構成例を示す図。
図28】実施形態8に係る複合時計の電気系の例の模式的ブロック図。
図29】実施形態8に係る複合時計が行う表示方式の例を模式的に示すフローチャート。
図30】白終了、4領域1周方式の発光順の例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は本発明を例示するものであり、全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。又、各説明においては、色と光が同義な言葉として扱われているが、本来、光は一定波長帯の電磁波(物理量)で、色は各種主波長帯や刺激純度の光が人に及ぼす色感覚(心理量)である。
この為、ここでは“色光”と“基本色”という両心理物理量を、前者を心理量、後者を物理量としての意味合いの強い言葉として使い分け、後者はJIS色度図上の色度区分上の色度点座標のx、y値で表し得るものとしている。又、課題を解決するための手段に未記載の、色光表示上の時間に関わる事項が以下に整理されている。
【0010】
色光時計と新単位時間の色光単位系:
本色光式計時装置(色光時計)において、従来の時h、分m、秒sよりなる各時刻の内の分m、秒sを其々5倍、或いは、60分m、60秒sを其々12等分した5分(m)及び5秒(s)の其々黎;レイ(m)、及び、和;ワ(s)と呼ぶ新・単位時間を定義し、
半日12時間の一定周期(1d)43200(s)を、標準時の0時(0h、0m、0s)を起点とし、SI基本単位の秒(s)が5にて和(s)5sに、前記和(s)が12にて分(m)60(s)に、前記分(m)が5にて黎(m)300(s)に、前記黎(m)が12にて時(h)3600(s)に、前記時(h)が12にて半日の43200(s)に其々桁上がりと起点0への回帰を繰返す単位系として表し、該・単位系を色光単位系と呼ぶ。
尚、該・色光単位系の単位名には()を付けて表示し、叉、複数の単位時間が構成する一定周期は各単位時間の記号○○の前に1をつけて(1○○)と表示している。
さらに、該・色光単位系に於いて其々12で桁上がりする前記3種の単位の単位時間、時(h)黎(m)和(s)の中の、単位時間の時(h)を第一の単位時間及びそれが成す一定周期を第一の一定周期の半日(1d)と呼び、単位時間の黎(m)を第二の単位時間及びそれが成す一定周期を第二の一定周期の時(1h)と呼び、単位時間の和(s)を第三の単位時間及びそれが成す一定周期を第三の一定周期の分(1m)と呼ぶ。
又、前記制御部は、
前記第一乃至第三の各一定周期を構成する3種の単位の12の単位時間の時(h)黎(m)和(s)における同一順の単位時間には、該・色光が前記色群光の場合は同一色群光、準リセット光を除く10基本色光の場合は前記同一色度区分光乃至は周回方向に互に隣接した隣接色度区分光を発光させる。そして、この前記同一色群、同一色度区分乃至は隣接色度区分の色光を同一性色光と呼ぶ。ここでいう「同一色度区分光」とは、色度座標において同一色となる領域で区分される光のことであり、「隣接色度区分光」とは、色度座標において白色群を包囲するように配置された所定の色の領域を基準とした場合に、この領域と右回りまたは左回り(周回方向)に隣接する領域のことである。
尚、この同一性色光による表示方式は、前記10基本色中の2隣接光の境界線の両側付近には両色光に共通な単色光成分が存在しており、該・共通な単色光成分の存在が何れの隣接光による対応をも可能とすることによっている。
又、各単位時間(時刻)の単位毎にその発光部が取決められるが、その形状・大きさ・位置、等よりなる性状の差異が該・単位時間の単位への直感性を補完している。
【0011】
小単位時間表示(小マーク、属性値変化):
本色光式計時装置(色光時計)において、色光時計が表示する前記色光単位系の各単位時間(時刻)の(m)及び(s)を其々5等分した小単位時間の分(m)及び秒(s)を表示する場合は、
前記制御部が、前記第一乃至第三の一定周期の単位時間の黎(mb)及び和(sb)を経過する各々5つの小単位時間の分(m)及び秒(s)の経過時毎に、その性状を5段階に変化する指示マークを該・小単位時間の指示マーク部に表出させ、又、更なる直感性が求められる場合には、各単位時間黎(m)及び和(s)に対応した各色光の色度区分の範囲内で、該・色光の輝度と刺激純度(色度)の少なくとも一方を含む属性値を5段階に変化させ、各色光のもたらす強弱色刺激の出現順を各単位の単位時間の間で統一し、リズム感を創出させて各小単位時間表示の間の識別性を向上させる。
【0012】
(1)直達光成分の経時変化(想到した背景):
古来、人間は毎日繰り返される「自然光の色彩変化」に囲まれて生活しており、特に朝方の日の出や夕方の日の入り時の日差しの変化は人々の先験的な経時感覚として脳裏に定着している。即ち、朝方から白昼に至る日差し、即ち、太陽光の直達成分の変化は、その単色光スペクトルのピーク値を赤・黄赤・黄・緑・青の順に出現させて、紫(単色光の菫・藍)をも含んだ白昼光の白へと移行させておりこの日差しの変化の順が人々に経時感覚をもたらしている。尚、白昼から夕方に至る日差しの変化は、午前とは逆の順にピーク値が消滅していく変化である。
【0013】
朝夕の日差しのピーク主波長値の推移:
表1は、天空からの直達光の、赤(R)黄赤(O)黄(Y)緑(G)青(B)紫(P)の各単色光波長帯の構成比が時間経過とともに変化していく事例を示している。それは、2013年12月15日の気象庁高層気象台(つくば市)におけるける観測値(気象庁発行高層気象台彙報第72号2017「分光型全天日射計(MS-710)を用いた太陽光スペクトルにおける直達成分と散乱成分の試験観測」の掲載図8)から算出した各直達光エネルギーの百分率値を示している。なお、表1には太陽からの直達光がない午前6時40分以前のデータは記載されていないが、この時刻は天空から反射光が到来しており複合色の紫を主体とする朝焼けの色光がよく観察される。また、実際の色感覚では緑や青或いは単色光の紫は殆ど認識されないが、これ等は天空での散乱が多く地上への直達成分である日差しではその反対色割合が高位に留まりその色度点が白色の色度区分近傍となるためである。
【0014】
人々の経時感覚:
上記の表1からは、早朝から白昼への時間経過とともに、人々を取り巻く直達光の「ピーク波長帯」が赤(R)黄赤(YR)黄(Y)緑(G)青(B)の順に推移し、単色光の紫(P)を含む複合色の白(W)へと推移していることが読み取れる。表には示していないが、午後は、14時以降の夕方にかけて午前とは逆順にそのピーク波長帯の色光が消滅する推移が生じている。又、人々のL(赤)・M(緑)・S(青)の各錐体細胞は前記ピーク波長帯の出現順に強く刺激されており、幾世代にも亘るこれ等の順の色光変化は無意識下に於いて人々の先験的な直観として経時感覚をもたらしている。
【0015】
【表1】
数字は各ピーク色光のエネルギー(ワット)値の比%である、~6:40の朝焼けの紫[P、RP]等は天空からの反射光(回折光や散乱光)である、叉、経時感覚と体内時計の概日リズムには単位時間の時(h)の推移が関係している。
【0016】
主波長値の定方向増減光とリセット光
また、1日の午前、午後の区切りとなる深夜0時や白昼時の0時には、自然光が主波長値の無い複合光の白やピンクとなる。即ち、深夜0時や白昼時の0時には、主波長値の定方向増減が白やピンク光によりリセットされ、次の周期の主波長値の定方向増減の再開が意識され、経時感覚が刷新される。尚、色度図上の紫色群光は赤紫と紫より成る主波長値が存在しない複合光とされているが、そこには単色光紫の直達成分が包含されており自己のピーク値(全単色光のピークではない)を成している。この為、紫は、主波長値の存在しない複合光の性格と主波長値を定方向増減する単色光の性格との両性格を備えた色光として扱われる。本発明は、これ等の自然光の色彩変化が経時感覚をもたらしていることに着目し、新規の技術を想起するに至ったものである。
尚、前記ピンクは白に代替えし得る色群光(複合光)として位置づけられる。
【0017】
(2)時間と時刻の概念:
本発明に含まれる技術を分かり易く説明するため、図19(a)~(c)を参照して、本技術における単位時間(時刻)と時間の概念を説明する。図19(a)~(c)の下部には、発光部から発光される色光の色の例を示している。
【0018】
時間は、時の流れの二点間の長さを意味する。本方式は、時の区分の単位として「単位時間」を用いている。本方式では、図19において(a)のh(1時間)(b)の黎(m)、及び(c)の和(s)の各新・単位時間を定義し、該・単位時時間は一定巾の時間を意味している。従って、時間は、前記一定数の単位時間が構成する一定周期を経過する単位時間の数と云え、時刻は、一定周期を経過する前記単位時間の順位といえる。“時刻”とは、例えば1日のうちの時点や時間の区分を意味し、時間の経過において巾をもった概念である。又“単位時間”とは、議論の基準となる時間の長さ(区分)を表す概念である。尚、一定周期に含まれる複数の単位時間が「時法」に則っている場合、単位時間を時刻として扱うことができる。
本方式で定義された新・単位時間(時刻)の黎(m)や和(s)には前記両概念が包含されているが、本方式で定義された新単位時間(時刻)は、表示する所定の色光が対応する“時間の区分”としての意味合いが強い。この為ここでは前記概念が時点を表す場合や前記色光単位系の広義の時刻を表す場合を除き、それを“単位時間”と呼んでいる。
時間の流れにおいてこの巾のある時刻の概念に則れば、1時(h)は、一定周期としての半日における1番目の単位時間を指し、秒単位で表すと1時0分0秒から1時59分59秒までを指す。
尚、一般社団法人日本時計協会(JCWA)の公式サイト(アドレスを下記に示す。)に示されている時計用語(2017年1月)において、「計時装置」は「時刻の指示又は時間の測定を、個々に、又は同時に行う装置」と定義され、「時計」は「時刻を指示する計時装置」と定義されている。
https://www.jcwa.or.jp/pdf/jcwa_t006.pdf
【0019】
本技術は、JIS色度図に色度区分が定義された12基本色に含まれる(リセット光と3原色)4色以上の色光を選択的に発光させる特徴を有する。JIS色度図は、日本産業規格Z8110:1995(色の表示方法-光源色の色名)の参考付図1に示された色度図であり、本願の図1に示されている。図1において、x,yは、JISZ8781-3:2016(測色-第3部:CIE三刺激値)によるXYZ表色系の色度座標を示す。“色度区分”は、JIS色度図上で各基本色光の色度点の存在する領域である。又、12基本色は、JIS色度図に色度区分が定義された赤(R)、黄赤(YR)、黄(Y)、黄緑(GY)、緑(G)、青緑(BG)、青(B)、青紫(PB)、紫(P)、赤紫(RP)、ピンク(Pk)、及び、白(W)の色光である。ここでは、黄赤をだいだい(橙)と呼ぶこともある。12基本色から4色以上の色光を選択する場合には、その色光としてユニーク色(赤、黄、緑、青)、その補色(青緑、青紫、赤紫、黄赤(又は黄橙))や、これらに他の色を加えた複数の色光を対象とすることが考えられる。
ここで、上述した12基本色は、JIS色度図(図1)以外の色度図や表色系に基づいて定めたものを用いてもよい。
【0020】
尚、ここで、1時間は60分であり、1分は60秒である。1分を単位時間として一定周期を1時間にするためには60の単位時間が必要であり、1秒を単位時間として一定周期を1分にするためには60の単位時間が必要である。一方、JIS色度図の基本色は、12色である。
そこで、本技術は、1日を分けて時刻を定める時法に則り、連続した時間を1日、又は、半日単位で繰り返し経過する一定周期に区切り、その半日(d)を12等分した従来の1時間(h)と、この1時間を12等分した5分の黎(m)、更には、1分(m)を12等分した5秒の和(s)よりなる新・単位時間を定義し、該・各単位の単位時間(時刻)が12或いは5に統一された少ない底で桁上がりを繰返す単位系を構成し、数少ない色光により時刻や時間を表示している。又、ここでは、この単位系を色光単位系と呼んでいる。
叉、単位時間と時刻とは時点としての意味合いでは異なる概念であるが、時間の区分としては共通な概念でもある。この為、本明細書においては共通概念としての説明に留意すべき時には「単位時間(時刻)」と記した説明をしている。
尚、ここでは、前記(h)(m)(m)(s)(s)の色光単位系の各単位の単位時間(時刻)が経過し其々12、12、5、12、5で桁上がりする毎に、各単位の単位時間(時刻)に所定の色順で変化する色光やマークを対応させ、任意の前記単位の単位時間(時刻)や時間を表示させている。
叉、前記の黎(m)や和(s)と命名された新・単位時間は、従来の分mや秒sに比べ各々5分の1の速さで経過する緩やかな時間の流れをもたらしており、かつ、それ等の分mや秒sと黎(m)や和(s)との並列表示は、黎(m)や和(s)と5の数との積との積、及びその端数の分(m)や秒(s)との合計よりなる従来単位系の分mや秒sとして該・時間や単位時間を表すものと成っており、分や秒をイメージしやすく、従来の分mや秒sの時刻を統合的に知覚させる方式となっている。尚、添字の“b”はBigの頭文字である。
【0021】
各単位時間(時刻)と色光単位系:
【0022】
【表2】
表2は、上述の色光単位系に則った桁上がりを示している。
ここで、変数kは0又は1であり、k=0は午前を示し、k=1は午後を示す。変数jは、0~11の整数であり、一定周期に含まれる12の単位時間(時刻)の内、どの順の単位時間を指すかを示す。変数iは、0~4の整数であり、単位時間に含まれる5の「小単位時間」の内、どの順の「小単位時間」を指すのかを示す。「小単位時間」は図20に示すように単位時間を5等分した概念であり、単位時間が5分であれば「小単位時間」は1分であり、単位時間が5秒であれば「小単位時間」は1秒である。又、(T)は本・色光単位系の周期(1d)を示し、dは日、dの添字は半日のhalfを示す、尚、各時間や時刻は、各単位の時刻(上記記数)の総和により取決められ、その精度も定まる。
【0023】
色光の性格区分とその諸機能:
前記は本技術における時間や時刻の表示方式の概要であるが、本方式の主役はあくまで前記単位時間(時刻)に対応する色光である。下記には、本方式に適用される各色光の特性や諸機能がその呼称別に取り纏められている。又、この説明は、好ましい実施形態を分かり易くするための説明であり、各請求項の技術的範囲を限定するものではない。
色光用語
a.単色光:単一波長の色光であり、その色度区分にはスペクトル軌跡が存在する赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫の8基本色光よりなる。
(機能;経過する単位時間(時刻)に対応し主波長値を定方向増減する)
b.複合光:色度区分にスペクトル軌跡を含まない、白、ピンク、紫、赤紫光をいう。
(白色群光は一定周期又は1,2周回の最初又は最後の単位時間のリセット光となる。紫色群光は白に代わり準リセット光となるが一定周期のリセット光とはなれない)
c.白色群光:色度区分に主波長値や補色主波長値が存在しない複合光。一定周期中には少なくとも1白色群光がリセット光として存在する。
(機能;開始光、及び/又は終了光とのみになる。又、全12、又は11色光の選択時以外は1周期内での重複選択はなされない)。
d.紫色群光:紫、赤紫よりなる複合光、その色度区分に主波長値は存在せず純紫軌跡が存在する。但し、準リセット光以外の紫色群光は複合光ではあるが、紫の単色光成分(菫、茜)も含まれており、その主波長値を定方向増減する10基本色光ともなる。
(機能;2周回方式では、白色群光の代替え機能を果たす準リセット光ともなる。又、同一周回内の色群光の重複選択はない。尚、1周回では前記制約は無く重複選択も可)
e.リセット光:一定周期の開始光又は終了光或いは双方となる白色群光をリセット光と呼び、2周回方式では、前記一定周期のリセット光を除く前後半周回の開始光又は終了光となる紫色群光を準リセット光と呼ぶ。又、両者をリセット光等と総称する。
(機能;対応する色群光の主波長値の消滅により主波長値の定方向増減がリセットされる。又、2周回方式では各周回のリセット光は準リセット光を含めて1である。但し、1周回方式では3原色確保の条件下で2リセット光も存在する)
f.10基本色光:12基本色中の白色群の色度区分の回りに色度区分を持つ10色光を云い、それから紫色群光を除いた色光を8基本色光と云う。又、10又は8基本色より選択される色光は主波長値の定方向増減光となる。
(機能;開始又は終了光の選択後の残りの色光が10基本色の中から取決められる)
g.ユニーク色等光:赤、黄、緑、青の4ユニーク色に紫を加えた5色光をいう。尚、日差しは前記に中間色の橙を加えた色光より成る。
(機能:両者は2周回方式における色光選択の基本周回パターンの色光となる)
h.同一性色光;3種の一定周期或いは前後半周期に於ける同一順の各単位時間に対応する準リセット光以外の10基本色中の同一色度区分光乃至は周回方向に互に隣接した隣接色度区分光及び同一色群光の総称。
(機能;同一順の各単位時間へ対応する同一性色光同士は同等な色感覚をもたらす)
【0024】
(3)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~30に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。
尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向への展開状況には差があり、かつ、本技術への適用には多様性が伴っている。この為、各図の整合性にはむらがあり、本技術の各要素は符号で示される具体例に限定されるものとはならない。
【0025】
[態様1]1周回方式、経時感覚とリセット機能
本技術の一態様に係る色光式計時装置100は、日本産業規格Z8110:1995の参考付図1に色度区分が定義された12基本色に含まれる12色の色光を選択的に発光可能な発光部7と、該発光部7の発光を制御する制御部5とを備える(図1,3参照)。ここで、4乃至12の単位時間で構成された周期を一定周期とし、前記12基本色の内、白及びピンクを白色群(図1、符号GW)とし、残りを10基本色(図1、符号G10)とし、該10基本色の内の紫及び赤紫を紫色群とし、前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回り順に、
(a)前記紫色群の1色(紫色群におけるいずれか一方の色)、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、及び、前記紫色群の他の1色(紫色群におけるいずれか他方の色)の向きに回る左回り順R1、並びに、(b)前記紫色群の1色、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤、及び前記紫色群の他の1色の向きに回る右回り順R2があるとする。
前記制御部5は、前記一定周期において、最初の単位時間と最後の単位時間の少なくとも一方の単位時間に前記白色群の色光が発光され、残りの各単位時間に前記左回り順R1又は前記右回り順R2に重複の無い前記10基本色の色光が発光されるように、3原色を含む4乃至12色の色光を選択的に前記発光部7に発光させる。
(作用と効果)
上記態様1では、一定周期のうち最初と最後の少なくとも一方の単位時間を除いた各単位時間に於いて白色群の周りを回る左回り順R1又は右回り順R2に変化する10基本色の色光が経時感覚をもたらし、一定周期のうち最初と最後の少なくとも一方の単位時間において白色群の色光により経時感覚がリセットされる。従って、上記態様1は、色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い色光式計時装置を提供することが出来る。
【0026】
(補足1)紫の多様な性格
又、前記R1,R2の、両周り順の「紫色群の1色」とは、紫又は赤紫の何れかを指している。尚、R1,R2において紫と赤紫との入れ替わりが可能とされているのは、夜明け前や日没後の紫や赤紫光は天空からの反射光であり、該・反射を生じる空気層の各分子や水蒸気或いはエアロゾル等の状況によりその出現状況が様々となる為である。
又、一定周期における左回り順R1の最初の10基本色は、紫色群の1色(紫色群におけるいずれか一方の色)に限定されず、赤、黄赤、等の何れでもよく、最後の10基本色も、紫色群の他の1色に限定されず、青紫、青、等の何れでもよい。これは一定周期に於ける右回り順R2の場合も同様であり、この周回光の場合の紫色群光は主波長値を定方向増減する単色光扱いとなっている。
但し、各一定周期における色光の変化の順はどの単位の一定周期でも同じであり、各一定周期中に色光の周回方向R1、R2が変わることもない。
(補足2)経時感覚とリセット
尚、前記で一定周期に含まれる単位時間数を“4以上”としたのは、必ず存在する白色群のリセット光を除く3色光を3原色光、又は、その何れかに代わる中間色光とすることができ、それ等、3色光の色度点の軌跡が白色群の色度区分を囲む面を構成し経時感覚がもたらされるよう設定されたものである。
又、白色群光を12基本色光の中の開始光又は終了光としているが、これ等は、主波長値の存在しない複合光であり、前記定方向周回光が成す主波長値の定方向増減を中断して次の主波長値の定方向増減の再開をさせる役目を果たし得るためである。尚、このリセット光は一定周期中には必ず1色光(中断兼再開)が存在し(1周回方式では別々の2も可)、かつ、白色群光はリセット光のみに選択される。
(補足3)態様1の応用例
態様1の色光は、標準時の0時、0分、0秒を起点としてそこからの単位時間(時刻)の経過順の時刻やその経過数である時間を表示する時計としても活用される。この事例としては、2時間を単位時間とする春分・秋分時の昼夜が同一長となる時間を定時法で表す和時計、各12時間の一定周期を午前と午後で切り替えてリセット光のみを白とピンクの別色光とするパターンで表示する24時間、前・後半周期の点滅・明滅による識別を要しない1周回方式の色光時計がある。又、1日を超えた単位時間の表示としては、曜日を表す色光カレンダーや色光日めくり、1年12か月を経過する月の色光表示がある。更に、1周回方式には、操作時(基準時)から終了時迄の単位時間(時刻)の経過数としての時間を表示する色光ストップウォッチ、或いは、業務や会合等の工程進度を表す色光進度計、等の幅広い応用がある。
【0027】
(補足4)1周回方式の事例
図22には、1周回方式の12基本色の発光順の例が模式的に示されている。図22に示す図番は本願の図番に対応し、符号「9-1」は図9の変形例を、又、符号「10-1」は図10の変形例を示し、符号「11-1」~「11-3」は図11の変形例を示している。尚、「/」は「又は」を示し、下向きの矢印は上の色と同じであることを示している。
図22の1周回方式の各色光の周回は、下記(A1)~(A4)に分類される。
(A1)全12色光表示;
図9,10は、12色光をフル活用する事例である。図9は、12単位時間に色群光と10基本色光の全色光が右回り対応をし、その発光順は、1定周期の12単位時間に対し、最初と最後の単位時間に白色群光が対応し、残りの各単位時間には右回り順R2に紫から開始して、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、及び、赤を経て赤紫に至る全12色光が対応しており、この順は2時間を刻(トキ)とする和時計(24時間時計)における1日の明暗を感じさせる順となっている。図22において、図9のように最初の単位時間が白で最後の単位時間がピンクでもよいし、符号「9-1」のように最初の単位時間がピンクで最後の単位時間が白でもよい。これらの例において、丑の刻の紫を赤紫に変え、同時に戌の刻の赤紫を紫に変えてもよい。
又、図10は、前記の周回が左回りに変化した事例であり、図10図22の符号「10-1」の発光順は、最初の単位時間が白色群光(白又はピンク)であり、残りの各単位時間に左回り順R1から、紫色群の1色光より、赤紫から赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、及び、青紫、他の紫色群光を経て、他の白色群光に至る全12色光が対応しており、この順は春・夏・秋・冬の寒暖差を感じさせるものに相応しい。
(A2)部分色光表示;
図11は、12基本色中の7色光が採用された事例であり黄緑や黄赤の中間色も採用されている。この発光順は、日めくりの曜日の発光順を示しており、ここでは、7曜日(単位時間)より一定周期を構成し、最初の曜日を白色群光(ピンク)とし、残りの各曜日に左回り順R1に周回して紫で終わる色光を対応させている。尚、図22の符号「11-1」の発光順は、前記一定周期において、最初の曜日が赤紫(赤み)であり、残りの各曜日には青から開始する右回り順R2の色光が対応し、白(紫み)を終了光としている。また、図22の符号「11-2」や「11-3」の発光順等も可能である。
(A3)最少色光表示;
最少色光表示の代表事例としては、図27,30に示すように、四季や四半期を表す4色光を、春は黄緑(YG)、夏は青(B)、秋は赤紫(RP)、冬は白(W)として、若草、青空、紅葉、雪のイメージをカレンダーの単色の挿絵色にて表している。
(A4)4~12色光の選択表示;
図17に示すように、各工程を単位時間として予定時間(一定周期)の進度を表す進度計等に於いて、様々な数の工程の進度を4~12の単位時間の色光を選択して表示させ、各ステップ工程内の進度を色光とは別の要素(月面の満ち欠け等)により表示してもよい。
【0028】
[態様2]2周回方式
本技術の別の態様に係る色光式計時装置100も、発光部7と制御部5とを備える。ここで、12の単位時間で構成された周期を一定周期とし、該一定周期の内、前半を前半周期とし、後半を後半周期とし、前記前半周期と前記後半周期における最初の単位時間の色光を開始光とし、前記前半周期と前記後半周期における最後の単位時間の色光を終了光とし、前記12基本色の内の白及びピンクを白色群(図1に示す符号GW)とし、残りを10基本色(図1に示す符号G10)とし、該10基本色の内、紫及び赤紫を紫色群とし、前記白色群を囲む前記10基本色からの色光選択の回り順にR1、R2があるとする。
前記制御部5は、前記一定周期において、
前記前半周期の開始光と前記後半周期の終了光の一方が前記白色群の色光となり、
前記前半周期の開始光が前記白色群の色光である場合の前記後半周期の開始光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記後半周期の終了光が前記白色群の色光である場合は前記前半周期の終了光が前記白色群又は前記紫色群の色光となり、
前記前・後半周期の残りの5単位時間には、各周回内での各色光の重複や前記紫色群光の重複が生じないよう、又、前記前・後半周期の左又は右周回りの同一順の単位時間に対応する両色光が該・周回方向に相互に隣接する隣接色度区分光乃至は同一色度区分光となるよう、前記10基本色中の各5色光を選択的に前記発光部より発光させる、態様を有する。
(作用と効果)
上記態様2では、左回り順R1又は右回り順R2に白色群の周りを回る基本色の数を少なくして相互の識別性が高い色光とすることができる。また一定周期の最初又は最後の単位時間に於ける白色群光によりリセットされる。従って、上記態様2は前記経時感覚により2周回方式の時刻や時間を感知し易くしている。尚、前後半周期において紫色群の色光が重複しないとは、何れかの半周期に紫と赤紫の一方が入っている場合には該・半周期の残りの各単位時間に紫と赤紫の両方とも入らないという意味である。尚、上記態様2の好ましい補足1を以下に示す。
【0029】
(補足1)2周回時の同一性色光
前記態様2に於ける各半周期の色群光の選択、及び、それに続く10基本色からの残りの5色光の選択に際し、該・単位時間が1,2周回の間で同一順となる両単位時間の色光を、該・色光が色群光の場合はそれ等を同一色群光とし、該・両単位時間の色光が10基本色光の場合はそれ等を周回内で色光の重複や紫色群光の重複のない同一色度区分光乃至は周回方向に互に隣接した隣接色度区分光としている。尚、前記同一色度区分光乃至は周回方向に互に隣接した隣接色度区分光及び同一色群光を同一性色光と呼んでいる。
図8は、この同一性色光の前記前・後半周期への適用がなされた代表事例であり、前半周期の各単位時間には、其々白色群光の一方の色光及び10基本色中のユニーク色等光が対応しており、後半周期の前者と同一順の単位時間には前記の各色光に隣接した他方の白色群光、及び、前記各ユニーク色にその周回方向に互に隣接した該・各中間色光が対応している但し、図8の色光選択には相互の識別性確保とは別の点滅・明滅に依らない前・後半周期の識別性確保の目的が包含されている。
【0030】
(補足2)紫色群光の準リセット光
前記紫色群光は、不連続な極大又は極小主波長値の単色光を含む10基本色光として扱われ、且つ、主波長値の定方向増減をリセットする複合光の準リセット光ともなる。但し、2周回方式に於いて周回内で白色群光の前後に隣接する紫色群光は、準リセット光とはされず、前記10基本色中の単色光扱いの紫として主波長値を定方向増減する。叉、前記隣接光とされた紫色群光には他の紫色群光との互換性はない。尚、ここでは白色群光のリセット機能は紫色群光より強い。それは、準リセット光を構成する紫色群の単色光とそれを補完する複合光の赤(16)と青(20)の紫成分は高エネルギー(表1では44%)となっていてもその比視感度が低いため、明るい白色群のリセット光のように強くは感知されないためである。尚、不連続な極大又は極小主波長値光とは、その成分の構成比が最大又は最小値ではなくとも、該・単色光成分の主波長値そのものが周回光中で最大又は最小となる色光を指す。
(補足3)各色光に備わった経時感覚
1日の午前、午後の区切りとなる深夜0時や白昼時の0時における複合光の白やピンクは、前記12時間の各一定周期の最初又は最後の時刻に対応し主波長値の定方向増減をリセットしている。又、複合光と単色光の両性格を有する前記紫色群光は紫と赤紫より成る朝・夕何れかの準リセット光に相応しく、かつ単色光としての主波長値の定方向増減光となる機能が発揮されている。
【0031】
2周回方式の基本パターン:
図23には、2周回方式の12基本色の発光順の例が模式的に示されている。図23,に示す「図4~8」は本願の図4~8に対応し、符号「4-1」~「4-3」は図4の変形例を示し、符号「7-1」は図7の変形例を示し、符号「8-1」~「8-3」は図8の変形例を示している。図22,23に示す「/」は「又は」を示し、下向きの矢印は上の色と同じであることを示している。
尚、2周回方式の1,2周回の色光は、下記(A5)~(A8)に分類される。
(A5)1,2周回が同一色光;
図5,6は、1,2周回が色群光と10基本色光ともに同一経路となった事例であり、これは6単位時間を表す周回としても位置付けされ得る。ここでは、各色光が前・後半周期の開始光を白色群光より選択の後、左回り順R1の同一順の各5色光が10基本色光より白色群の回りを2周回する順に選ばれている。尚、図6は赤系の色の採用を回避しているが、図23の符号「6-1」は緑系の色を回避しており両者は色弱者へ対処した方式となっている。
(A6)開始光のみ入替る(WとPが入れ替わる);
図4は、朝方の色光変化に最も近い事例であり、この例では、前半周期の開始光を白色群光、後半周回の開始光を紫色群光とする各左回り順R1の5色光が10基本色より白色群の回りを2周回し10・基本色光が同一となる順に選ばれている。
(A7)終了光のみ入替る(WとPが入れ替わる);
図7図23の符号「7-1」は、終了光がリセット光及び準リセット光の事例であり、前半周回は左回り順R1にて紫色群(赤紫)へ、後半周回は左回り順R1にて白色群へ至る順の5色光が10基本色より選ばれている。
(A8)全色光が入れ替る;
図8は、1,2周回での周回方向における隣接光を活用し色光のみによりその周回の前・後半周期を表示させている。この事例は前半周期と後半周期の10・基本色光がユニーク色等光から周回方向の隣接色度区分の各中間色光に入れ替わった事例となっている。又、図23の符号「8-1」では前・後半周期の終了光をリセット光とし、前半周回は赤から左回り順R1のユニーク色等を経由し一方の白色群光へ、後半周回は黄赤から4中間色を左回り順R1に赤紫を経由し他方の白色群(Pk)へ至る順の5色光が10基本色より選ばれて前・後半周期の10基本色光が異なっている。また、ここでは隣接光が採用されているため各半周期での紫と赤紫の自由な交換はできない。図23の符号「8-2」の例では、その開始光と終了光、前半周期の中間色光と後半周期のユニーク色等光が其々入れ替わっている。又、図23の符号「8-3」の例では、1,2周回とも右回り順R2に回って1白色群と他の白色群光へ至る順の5色光が10基本色よりユニーク色とその中間色別に選ばれている。
尚、11或いは12の全色光選択時以外の紫色群光に同一周回中での重複が生じないよう10基本色光が選択される。又、図23に示すように、図5,6,8の例は前・後半周期に白色群光があり、図7の例は白色群光の一方が紫色群光へ入れ替わっている。但し、前・後半周期の色光が全く同じ色光となり前・後半周期の区分とその識別が不要な場合は、該・色光の周回は、6単位時間より成る一定周期の周回に位置付けてもよい。
【0032】
[態様3]点滅・明滅
前記制御部5は、図22の符号「5―1」~「5―4」及び符号「10―1」に示すように、発光部7に於いて前半周期と後半周期の内の一方の半周期の色光を点滅又は明滅させ、他方の半周期において色光を連続点灯させて、前半周期と後半周期の色光を識別している。尚、図22における“点滅”や”明滅”或いはその“連続”は、色光の点灯状態を意味する。態様3は、変化する色光が前半周期なのか後半周期なのかを識別し易くするので、時刻や時間をさらに感知し易くする。
点滅や明滅は図22、23に於いては図11及び符号「11―1」~「11―3」を除く多数の単位時間の色光変化に対して行い得る。尚、点滅では数Hz程度の点滅回数、明滅では1/fゆらぎ等の心地よいリズムを伴った輝度の変化とすることが望まれる。
叉、前・後半周期間の識別は、この表示方式が適用される単位時間や一定周期或いは装備される物体や場により、その適用の時期や要否が左右され易い、
例えば、1時間の単位時間では前後半の識別は自ずと明らかであり単位時間別の適用方式の検討が望まれ、秒の単位時間では低サイクルの点滅や明滅が煩わしく、叉、眼鏡等の身体に装備される色光小物時計では点滅明滅の適否が様々となる。これ等には色光の視野への入射角の変更やユニーク色等とその中間色の色光を前・後半周期毎に切り替える表示が相応しい。又、色光進度計等に於ける点滅・明滅は予定時間を経過したことへの警告ともなる。この様に、点滅・明滅は各種の単位時間に共通適用されるとは限らない。但し、多くの色光時計の直観性を保つ上では期間的要素である点滅明滅の付与は最も有力な識別方式となる。尚、点滅明滅は図22,23の偶数の単位時間より成る一定周期の前後半の単位時間の色光の識別のために行われるが、図9,10のような偶数の単位時間よりなる1周回方式の前後段周期識別への為に適用することも可能である。
【0033】
[態様4]色光単位系の同一性色光による時間の表示
本・方式は、従来の12の時h、60の分m、60の秒sの各単位時間(時刻)より成る従来単位系の60で桁上がりする分mと秒sを其々5つに括った新・単位時間の黎(m)と和(s)を定義し、半日(1d)12時間の一定周期を、(s)が5で(s)に、(s)が12で(m)に、(m)が5で(m)に、(m)が12で(h)に、(h)が12で半日(d)の原点(s=0)へと桁上がりを繰返す単位系を構成し、該・単位系を色光単位系と呼び、各5で桁上がりする前記(m)や(s)を小単位時間と呼ぶ。又、其々12より成る時(h)黎(m)和(s)の3種の単位の単位時間が構成する各一定周期の(1d)(1h)(1m)を同一順に経過する各単位時間には、前記3種の単位時間の間で共通な同一性色光を発光させ、前記、各5の小単位時間(m)(s)が構成する(1m)(1s)の各一定周期を同一順に経過する前記各小単位時間(m)(s)には、5段階で同一変化をする色光の各種属性値や表示マークより成る両者が同一な要素を、其々単位時間の単位毎に取決められた表示部より表出させ、経過する各単位時間や各小単位時間を表示している。
尚、前記(m)(s)の添字はbigを意味し、(d)のdはday、添字はhalfを表す。
態様4における前記制御部5は、
半日(1d)の前記第一の一定周期において各第一の単位時間時(h)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に前記発光部7に発光させ、1時間(1h)の前記第二の一定周期において各第二の単位時間黎(m)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に前記発光部7に発光させ、1分(1m)の前記第三の一定周期において各第三の単位時間和(s)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に前記発光部7に発光させる。
特に、前記制御部5は(1d)の第一の一定周期において各第一の単位時間(h)に発光させる色光と、前記各第二の単位時間(1m)に発光させる色光と、前記各第三の単位時間(s)に発光させる色光とを、同一色度区分光のみではなく3者が互いに隣接した隣接色度区分の色光となるように変化させてもよい。
この場合の色光は、(1d)の第一の一定周期におけるW、R、YR、Y、G、B、P、R、YR、Y、G、及びBの順の変化が、(1h)の第二の一定周期であっても、(1m)の第三の一定周期であってもW、R、YR、Y、G、B、P、R、YR、Y、G、及び、Bの順に、周回内での逆順や重複を生じることなく、図4の空白部(〇印)のYG、BG、BP、RP、Pへの越境が許容されている。尚、本技術は、上述した態様に対応する計時方法の態様も有する。
【0034】
(補足1)表示単位の選択
態様4において、前記制御部5は、(1d)(1h)(1m)及び(1m)(1s)の各々の一定周期を同一順に経過する、各12の(h)(m)(s)の単位時間、及び、各5の(m)(s)の小単位時間に、前者には其々前記同一性色光を、後者には同一表示要素を、其々の単位時間等の単位毎に取決められた発光部より表示させ、経過する各単位時間等とその単位を表示させる。この場合、本・装置の利用者は、前記表示部と単位時間の単位との間の取決めを直感するか、あらかじめ知っておく必要がある。
【0035】
[態様5]3種の単位の識別法
上述した色光単位系の単位時間における、1時間を第一の単位時間(h)、1時間を12等分した5分を第二の単位時間(m)、及び、1分を12等分した5秒を第三の単位時間(s)とし、12の第一の単位時間(h)が構成する周期を第一の一定周期(1d)12の第二の単位時間(m)が構成する周期を第二の一定周期(1h)12の第三の単位時間(s)が構成する周期を第三の一定周期(1m)とし、図12における発光部7は、前記第一の一定周期(1d)における第一の単位時間(h)の色光を発する固有の発光部として取決められた第一の発光部21、及び、第二の一定周期(1h)における各第二の単位時間(m)の色光を発する固有の発光部として取決められた第二の発光部22、及び、第三の一定周期(1m)における各第三の単位時間(s)の色光を発する固有の発光部として取決められた第三の発光部23、を含んでいてもよい。
又、図3における制御部5は、以下の制御(B1)~(B5)を行ってもよい。
(B1)第一の一定周期(1d)において経過する各第一の単位時間(h)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む同一順の前記第一乃至第三の単位時間の間で統一された前記同一性色光を選択的に前記発光部7に発光させること。
(B2)第二の一定周期(1h)において経過する各第二の単位時間(m)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む同一順の前記第一乃至第三の単位時間の間で統一された前記同一性色光を選択的に発光部7より発光させること。
(B3)第二の単位時間(1m)を一定周期とする小単位時間(m)が経過した時の両小単位時間の間で統一された同一順の前記表示要素の同一変化を発光部7の一部乃至はその近辺で実現させること。
(B4)第三の一定周期(1m)において経過する各第三の単位時間(s)に前記左回り順R1又は前記右回り順R2を含む同一順の前記第一乃至第三の単位時間の間で統一された前記同一性色光を選択的に発光部7に発光させること。
(B5)第三の単位時間(1s)を一定周期とする小単位時間(s)が経過した時の両小単位時間の間で統一された同一順の前記表示要素の同一変化を発光部7の一部乃至はその近辺で実現させること。
【0036】
(補足1)3種の単位時間の単位の識別方法
本・表示方式では、単位時間の単位と該・色光を発する発光部との対応の取決めにより単位時間の単位を識別しており、観察者はその取決めを知っていなくてはならない.従って、その取決めの明確さはその知覚の直観性を大きく左右する。この為、ここでは、発光部の大きさ、形状、及び位置、等よりなる性状の差異を重視し、各単位時間の単位毎に異なる性状の発光部を対応させて、該・取決めの直観性の向上が図られている。
【0037】
[態様6]小単位時間の表示
前記色光単位系の各単位時間の時(h)黎(m)分(m)和(s)秒(s)の内、単位時間の時(h)黎(m)和(s)は共に12で桁上がりする単位時間として、色光表示方式が規定されている。又、小単位時間の分(m)や秒(s)は、其々5にて黎(1m)や和(1s)に桁上がりするが、その表示は適用される色光式計時装置の種類や、該・小単位時間の扱い方針により様々となる。
まず、アナログ表示やデジタル表示機能を有するWLB時計では、小単位時間表示のニーズが高くはない。それは、前者ではその分針や秒針の位置が属する5つのインデックス(文字盤の目盛り)上の時針の位置が小単位時間を表し、後者では分や秒を示す数字を5で除した余りが小単位時間を表しているためである。但し、更なる直感性の求めがある場合は其々の表示要素の表示部を確保したマーク図15による表示が行われる。
また、図12の小単位時間用マーク60a,60bに示すように、前記一定周期の黎(1m)や和(1s)の一定周期を同一順に経過する両小単位時間には5段階に変化する同一な表示要素を表出させ各単位の小単位時間の相互間の識別性を確保させている。
更に、色光表示の直観性が重視される場合は、各・単位時間内で発光する色光を統一的に変化させ、そこに生じるリズム感に識別性確保を補完させることもできる。
【0038】
(補足1)ケリー図との関係
ケリー色度図をJIS色度図に代わり本方式に適用するには、それとJIS色度図との間の差異への対策が必要となる。ケリー色度図は、(1)10基本色の全中間色が明示されていること(2)青紫の色度区分が2中間色との境界線に縮小されていること、(3)白の色度区分が相対的に大きいこと、等のJIS色度図との差異があり、これ等の差異の多くは、前記同一性色光の条件の適用等により解決され得るものとなっている。
即ち、(1)では、10基本色中の赤、赤黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫は、其々○○ish△△と記された各中間色部を前記の同一性色光として扱うこと、(2)では、青紫を基本色光としその色度区分の境界の領域線を挟む2中間色を基本色の隣接光として扱うこと等の対策が有効となる。(3)における白の問題では、ケリー図にJIS色度図の白色群領域を点線の輪郭線により描き、ケリー図とJIS図の間のギャップ部分をJIS図における“うすい色”の扱いとし、該・薄い色領域へは外縁色光或いは白色群光の何れか一方の色度点に越境を許す運用が有効となる。又、代替え色度図によっては、リセット光と定方向周回光の機能分担や色光数や無彩色数の過不足への対策が必要となることもあるが、JIS色度図の他の色度図による代替えはこの成否次第と云える。
尚、ケリー図とは、日本産業規格Z8110解説付図2に記された色度区分のある図である。
【0039】
WLB時計
WLB時計とは、色光単位系の時(h)黎(m)和(s)及び小単位時間の分(m)秒(s)、並びに、従来単位系の時h、分m、秒s、及び、前記両・単位系を包含した複合単位系よりなる各単位系の単位時間(時刻)を表示する機能、並びに、採用する単位系を選択する切替機能を備えた、色光アナログ時計や色光デジタル時計である。
又、該・WLB時計が表示するよう設定した時間は、それが従来単位系(C2)の時間の場合は物理的時間の正確性がその場に備わり、それが色光単位系(C1)の時間の場合は前者に色光という心理物理量が付加された人間的時間の緩やかな時間の流れの場がそこに備わり、又、それが前2者が包含された複合単位系(C3)の時間の場合はメリハリ時間の緩急自在さがその場に備わる。
下記の表3には、時間の性格区分から見た時計と単位系との関係が示されている。
【0040】
【表3】
表3に示すように、人間的時間を表示する色光時計は、色光表示のみを行う時計であり、時黎和の各単位時間と小単位時間よりなる色光単位系が採用されている。ただし、色光時計は、時と黎の単位のみの表示も可能である。又、物理的時間を表示する従来時計には、時分秒に基づいた従来単位系が採用され、叉、メリハリ時間をも表示する複合時計には、色光単位系と従来単位系の両方が独自に又は並行して採用される。尚、WLB時計では、小単位時間の(m)(s)と従来単位系の分mと秒sは桁上がりが異なる別種の単位として並列に表現されている。又、前記表示時間を2種類に統合する場合もあり、その場合は前記人間的時間とメリハリ時間が統合された時間(これも人間的時間と呼ぶ)と物理的時間が使い分けされる。
【0041】
表3と図13,16,28に示す本・WLB時計は、発光部7を含む表示部2と制御部5を備えている。制御部5は以下の表示方式(C1)~(C3)の中から何れか一つの選択を受け付け、受け付けた表示方式により表示部2を制御する。
(C1)一定周期において時(h)黎(m)和(s)の単位時間、及び、各小単位時間分(m)、秒(s)よりなる各単位時間等には上記左回りR1又は右回りR2の順に基本色の色光を表示し、又、後者の小単位時間には5段階に変化するマーク等の表示要素を選択的に発光部7又はその近接部に表示させて時針や数字は消去させる色光表示設定。
(C2)時h、分m、及び、秒sを単位として時刻を表す数字と針の少なくとも一方を表示部2に表示させる従来表示設定。
(C3)一定周期において時(h)黎(m)和(s)の単位時間及び小単位時間の分(m)や秒(s)の各単位時間等に上記左回り順R1又は右回り順R2を含む順に基本色の色光を選択的に発光部7に発光させ、且つ、時h、分m、及び、秒sを単位として時刻を表す数値と針の少なくとも一方を表示部2に表示させる、複合表示設定。
【0042】
(補足1)色光アナログ時計における色光表示方式C1の実現方式
本来の色光アナログ時計では実物の時針の消去が必要な色光単独表示C1が実現できず、上記表示方式の選択肢がC2とC3の二通りとなってしまう。但し、図13に示すようにスマートフォン方式を採用し、該・発光部を、文字盤数字の後背部71(7)や、文字盤面中央部のリング状の発光部72(7)、又は、点状や棒状のインデックス73(7)とし、それ等を其々時針、分針、秒針に同期して移動させて12の表示色光の発光部とし、其々に時(h)黎(m)和(s)を表示させ、かつ時針70(7)を全面消去すれば前記C1パターンが実現される。尚、黎(1m)、和(1s)を構成する各単位の5小単位時間の経過時刻は、該・針が単位時間の一定周期を構成する1から5の小単位時間のインデックス中の何番目を指しているかにより自ずと示されている。叉、複合時計のインデックスでもそれは自明であり、色光表示系では、該・表示マークが何番目の表示マークであるかにより小単位時間が明確に示されている。
【0043】
[態様7]多様な生活への多様な表示方式:
上述した態様1~6を含む本技術によって、各種色光の「変化の態様」が時間経過をより直感的に感じさせている。又、数字や時針による従来表示とは異なり、人が本来の作業を遂行しながら発光部を直視することもなく時間を感知することができる。
更に、この方式はSNS等への執着時間、自己研鑽時間、等々の時間においてその生活態様の変化に応じた其々別種の時間表示設定の適用を可能としており、この表示方式適用の選択が各自の自律性を養う。又、今後普及が予想されるテレワーク等に於いてこの表示設定状況を通知することは、そのこと自体が労働契約要件の確認と成るだけではなく、集団構成員相互の立場の理解を深め、信頼性の高い集団作りへ寄与することとなる。
但し、これ等の、本・色光式計時装置で発揮される効果の本質は、そこで表示される時間の性質が、従来の物理的時間に色光という心理物理量が付加されたことにより、機械的に刻まれていた従来の物理的時間が過去から未来へと緩やかに流れる人間的時間へと転換され得ることにあり、この人間的時間の復活が、超ネットワーク社会がもたらすストレスや疲弊感を緩和させることにある。
【0044】
[態様8]制御方法、プログラム:
本技術は、色光式計時装置を利用する色光式計時装置の制御方式、コンピューターを色光式計時装置として機能させる色光式計時装置のプログラム、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等の活用を介して制御がなされる。
従来の時計は、変化する数字の形や時針の位置の網膜上での結像の変化により時間を知覚させているが、本・方式はそれに加えて色刺激そのものにより時間を感知させる。この為、制御対象が多様となるだけではなく、多くの制御目標やその良否の判定基準の設定、或いは、そのタイミング等が多岐に亘るものとなる。従って、前記コンピューターを中核とした制御体系の構築が有効となる。
【0045】
(4)本技術の具体例:
以下、本技術の詳細実施例を下記に説明する。
【0046】
<実施形態1>色光式計時装置(制御系、ブロック図)
実施形態1は、本技術の色光式計時装置への適用事例を図2図3を参照して説明するものであり、図2は色光照射時計の外観図である。
この図2は、前記色光式計時装置100の一種であり、扁平な箱形をなす本体箱1と、その上部に設置された透明クリスタルブロック8を備え、その内部には、選択された単位の時刻をその反射光により示すための被照射体8aが設置されている。被照射体8aは、発光部7からの色光を反射する3D(3次元)レザーにて彫刻された小ドット群よりなり、美感を生じさせる意匠性を有している。本体箱1の前面には、従来通りの時・分・秒を表示するデジタル時計表示部2aと、時刻合わせや起床時刻の設定等の操作を受け付けるタッチパネル等の操作部3とが並置されている。表示部2とは、発光部7と被照射体8aとデジタル時計表示部2aの総称である。本体箱1にある発光部7は、被照射体8aに向かう上方への色光を照射可能である。この照射における発光部7からの色光が被照射体8aで反射され、この反射光により時刻が表示されている。また、発光部7は異種光源のバックライトや投光器等も含まれ、デジタル時計表示部2aのバックライトともなる。
又、3の設定スイッチにより設定された起床時には各種単位の単位時間を順次切替え白色の別光源光を付加した高輝度光の警告表示もできる。尚、ここで例示された3Dレザー加工された小ドット群の像は、特色のある発光部の一事例であり、それは白色壁や、内部が空洞な半透明体の像、切り絵灯籠、穴のあるランタン、等からの反射光や、透過光、或いは漏洩光であってもよく、取決められた単位の単位時間を表示する。又、表示部2を複数化、或いは、選択表示として複数単位の単位時間を表示してもよい。
【0047】
制御系(ブロック図):
図3は、色光式計時装置100の電気系の例を模式的に示している。図3に示す色光式計時装置100は、制御部5と表示部2を備え、電源からの電力により動作する。表示部2は、発光部7、被照射体8a、及び、デジタル時計表示部2aを構成する液晶パネル2bを有している。制御部5は、操作部3、時刻受信部141、プログラム入力部142、等を有している。
【0048】
制御系の各機能:
制御部5は、RTC(RealTimeClock)101、CPU(CentralProcessingUnit)102、半導体メモリーであるROM(ReadOnlyMemory)103、半導体メモリーであるRAM(RandomAccessMemory)104、記憶装置105、I/F(インターフェイス)106,107、等を有している。これらのユニット101~107は、互いに電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。RTC101は、コンピューターに内蔵された時計回路であり、電池等で時計として常に動作し続ける回路である。ROM103には、色光式計時プログラム110を実行させるための基本的なプログラムが書き込まれている。記憶装置105は、色光式計時プログラム110、色光の発光順を示す発光順データ群121、設定値群122、等を記憶している。発光順データ群121は、図22,23に示した発光順を示す発光順データを含んでいる。色光式計時プログラム110は、コンピューターの一種である制御部5を、機能制御部111、時計制御部112、色光制御部113、等として機能させる。機能制御部111は、I/F107を介してプログラム入力部142から新たな色光式計時プログラムを読み込んだり、各種の設定を行ったりする。時計制御部112は、RTC101と協働して時刻を管理する。色光制御部113は、色光の発光順データ群121の中から発光順データに従って設定された色度区分の色光を発光部7に発光させる。記憶装置105には、フラッシュメモリーといった書き換え可能な不揮発性半導体メモリー等を用いることができる。CPU102は、記憶装置105に記憶されている情報を適宜、RAM104に読み出し、読み出したプログラムを実行することにより各種処理を行う。
【0049】
発光部の各機能:
I/F106には、発光部7と液晶パネル2bが接続されている。発光部7は、複数の色光を選択的に発光可能であり、被照射体8aと液晶パネル2bを照らす。液晶パネル2bは、図2に示すようにデジタル時計表示部2aにおける従来表示方式の時・分・秒を表示する。液晶パネル2bの背後から液晶パネル2bを照らす発光部7は、デジタル時計表示部2aのバックライトとしても機能する。
【0050】
切替の各機能:
I/F107には、操作部3、時刻受信部141、プログラム入力部142、等が接続されている。操作部3は、操作スイッチ131、設定スイッチ132、切替スイッチ133、等のスイッチ類を有している。時計の操作スイッチ131は、時刻を調整するためのスイッチである。制御部5は、時計の操作スイッチ131の操作を受け付けると、RTC101の時刻を調整し、発光部7から発せられる色光を正確な時刻で変化させ、デジタル時計の表示部2aに正確な時刻を表示させる。発光順の設定スイッチ132は、色光の発光順データ群121の中から使用する発光順データを決める。制御部5は、発光順の設定スイッチ132の設定を受け付けると、該・設定に応じた発光順データを発光順データ群121の中から選択し、選択された該・データを記憶装置105に保持する。
又、表示方式の切替スイッチ133は、色光を変化させる一定周期を12時間にするか1時間(12m)にするか1分(12m)にするか或いは他の一定周期にするかを選択するための切替スイッチである。制御部5は、個々の表示方式切替スイッチ133の選択を表すデータを記憶装置105に保持し、選択された一定周期で発光部7に発光させる色光を変化させる。時刻受信部141は、標準電波の送信局から送信される日付・時刻情報の電波を受信する。制御部5は、受信された日付・時刻情報に基づいてRTC101の時刻を調整する。これにより、標準時の0時0分0秒を起点として時刻が経過する。プログラム入力部142は、外部から新たな色光式計時プログラムを読み込むことが可能である。
【0051】
光源のPWM制御:
図24(a),(b)は、発光部7の構成例を模式的に示しており、図24(a),(b)に示す該・発光部7は複数の光源150、及び、PWM(PulseWidthModulation)制御部160を有している。図24(a)に示す複数の光源150は、JIS色度図における、赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫、ピンク、及び、白より成る各12色光の色度区分に入っている色光(例えば図1に示される○(丸)印や◇(菱形)印の色度の色光)を発光可能である。図24(b)に示す複数の光源150は、JIS色度図において、赤、緑、及び、青の色度区分に入っている色光を発光可能である。図24(a),(b)に示す各光源150には、LEDやOLED(有機LED)、等を用いることができる。
PWM制御部160は、各光源150に供給する電流をオンにさせる時間の比率を変更可能とし当該電流のオン・オフを目に感じられない程度の短い周期で繰り返させ、オン時間とオン・オフ時間の比率を各光源光の許容オン時間の範囲内でオンさせて、該・LED等の見かけの輝度を変化させる。又、同時に、前記3原色光源の組合せを変化させ各色度区分の色光を発光させる。
【0052】
12色および3原色光源の点灯方式:
図24(a)に示す発光部7は、前記12色光を選択的に発光する場合、発光する色光に対応する光源のみ点灯させ、残る11個の光源を消灯させる。例えば、現在の単位時間が赤に対応している場合、発光部7は、赤の光源のみ点灯させ、残る11個の光源を消灯させてもよい。
図24(b)に示す発光部7は、前記3原色光を選択的に発光させる。発光部7は、3原色光以外の色光が求められる場合は2個以上の光源を点灯させ、対応する色度区分となるようにPWM制御する。
【0053】
<実施形態2>「1周回方式」
1周回方式は、色光選択のない12色光の全色光発光方式と4以上の少数色光を選択的に発光させる方式があり、前者は白色群光や紫色群光の重複が許容されているため、各単位時間の色光間の色差が低下する。但し、この方式は点滅・明滅に依らない色光時計を実現する有力な手法となる。又、後者は単位時間の幅が広く確保でき、その一定周期が1日を超えてしまうものや、その巾が平均値を中心として変動するもの、等々の計時装置としての多様な性格を備えている。
尚、この1周回方式を用途別に分類すると、色光時計、ストップウォッチ、カレンダー(日めくり)、目覚まし、進度計、表示方式の切替やその選択状況の伝達、表示実績の記録(WLB計)、等があり、その機能は多岐に亘る。
【0054】
「1周回方式の用途分類」の「具体例」
“月”の単位の色光による表示
図9の「白開始紫経由右回り1周」方式の場合、制御部5は、白から出発し右回り順R2となるように発光部7の発光を制御している。この例は、1月を単位時間とする1年間の季節に併せた温暖感に適合している為、一ヶ月を単位時間とする1年の周期表示、例えば、色光カレンダーにおける月表示に好適である。
【0055】
和時計
図10の「白開始赤紫経由全領域左回り1周」方式の場合、制御部5は、白から出発し左回り順R1となるように発光部7の発光を制御している。この例は、1日(24時間)を12等分した2時間を単位時間の刻「トキ」とする春分や秋分時の時間を定時法で色光表示する色光和時計の表示に適している。又、この色光和時計の発光部7は、十二支の刻(トキ)を表す文字や記号を表出するシンボル時計の発光部としてもよい。
【0056】
色光日めくり兼カレンダー(図27);
日めくりは当日が何日何曜日であるかを明示するものであるがカレンダーには日日を特定する機能がない。但し、カレンダーは近傍の日日を俯瞰してスケージュールし、各日の予定をメモするには便利である。但し、そのメモを見忘れることも多い。
本・色光日めくり兼カレンダーは、これ等の活用を確実化する為に、カレンダー制御より出力された当日の曜日が日めくり及びカレンダーの曜日表示部7-aにて日は数字の形、曜は色光にて表示され、当日が何月何日何曜日であるかが明るい色光と数字により特定され、かつ行事予定3とその有無を明確に表示する機能を有している。
【0057】
図27は、セグメント制御方式の時02・分34・秒56の表示と、ドットマトリクス方式の曜日表示(曜は土、日は18)、及び、タッチパネル方式4の入力装置や表示装置(年・月、七曜表、小単位時間)やLCDデスプレイ(背景画)により構成された各種画面が記されている(実際は何れかの方式に集約させてもよい)。
叉、メモ書き機能ではタッチパネル4より入力したメモ内容を七曜表の日の数字にて呼び出し確認してもよい。又、カレンダーの背景画2はLCD方式の写真画の色光表示でもよいし、曜を表す1色のポジ写真としてもよい。
尚、本・色光カレンダーの起動・停止やリセット、或いは、メモのインプットや画像の切替等は、図28に則り、準備された切替スイッチ133の操作及び制御部5による各種制御により機能させる。但し、前記操作スイッチ類131はタッチパネル方式にて設置されたスイッチ4によってもよい。又、各日々の予定のメモを入力し記憶105させ該・曜日の起動時に表示部3に自動表示させ、必要時のみにタッチパネル4により日のメモ内容を呼び出して表示させてもよい。但し、表示の内容は日の経過毎にリセットされるものとする。尚、年月7-bは必要に応じて表示させる。
【0058】
「色光ステップ進度計」
会議、講演、プレゼンテーション等の活動は、様々なステップ(s)、即ち、結・起・承・転・結、等の活動の区切りが繋がった構成となっていることが多い。本・色光進度計は、4乃至12のステップ時間(t)より成る予定時間(Σt)中のあるべきステップの順sの進度と、該・ステップ時間t中のあるべき進度を同時に表示するよう試みたものである。
この方式は、入力された全ステップ時間により平均ステップ時間t(Σt/s)を求め、一定周期Tをs個のtにより構成し、計測開始後の経過する4~12の各tに対応する色光の発光時間を其々のステップ毎に修正時間±Δt(=t-t)だけ遅らせ又は進ませて、各ステップ光の発光時間をtに合致させ、叉、該・ステップ開始後に進行する該・ステップ時間内の進度を、各ステップ時間のカウント値t対前記各ステップ時間値tの割合として演算し、該・ステップ進度を前記シンボル時計の月面の満ち欠け割合等として各ステップ毎に表示する。
又、予定時間である一定周期Tの終了時には、次の一定周期を起動させ、又は、カウントを終了させる(一時中断と再開も可)。尚、予定時間への先行がある場合は、それを前後ステップや関連工程への援助を促す点滅・明滅や警音を発してもよい(遅行の場合は警告)。前記±Δt(=t-t)によりtをステップ時間のtに合致させるに際しては、図28における時計制御部112における4乃至12のカウンタをプリセットカウンタとし、入力開始前に該・各カウンタに前記演算された各修正時間(±Δt)を入力し、進度計の起動時に最初のカウンタをカウント開始させ、該・カウンタのカウント値tと前記プリセット値の合計(t±Δt)が前記ステップ時間tに到達した時を該・プリセットカウンタのカウントアップ時とし、該・カウントアップ時には該・プリセットカウンタをリセットすると共に次のカウンタのカウントを開始させ、該・ステップ時間tの規定の順の色光を発光させ、順次同様なカウントを継続して前記各ステップ時間tの進度を色光表示する。又、各ステップ内進度(t/t)は月面の満欠け、等の色光以外の要素にて表示する。
【0059】
<実施形態3>「2周回方式」、AM・PM時計
2周回方式の具体事例(白・紫開始光、AM・PM時計):
図4「白、紫交互開始2周」は、色光指示における色光変化の具体事例を示している。色光の色を1時間毎に変える場合、色光の色は表4のように推移し、12時間を一定周期とする繰り返し動作が行われる。単位時間中に、図1のJIS色度図においてその色名として定義された色度区分の色度の色光が発光される様相を示している。表4に示された午前0時から午後11時に続く、午後0時から午後11時末(午後0時直前)までの12時間の色光変化も、表4と同様に繰り返されるものとしている。
【0060】
【表4】
但し、AM・PM時計(24時間)の場合は、前記AMとPMを記憶し(表2の桁上がり表におけるkが0か1かの記憶)、AM周期とPM周期の各開始時期毎に周回のパターンの切替えを行うことができる。このパターンは午前0時と午後0時を其々家庭色の暖かなピンクと仕事色の高い白、午前6時と午後6時を其々夜明け色の紫と夕焼け色の赤紫とし他の各時刻は上記と同一順色光として人々の生活感覚に近い色光変化を採用することもできる。
尚、このAM・PM時計では前記単位時間の(時)又は、それを組合せた各時間帯毎にそれに対応する色光の輝度レベルを切替えて色光表時させれば、この方式の自然光の輝度の反映は、1日の色光変化をよりリアルに表示したものとなる。
尚、前記時間帯毎の輝度のレベルの高、中、低の差異の事例を以下に示す。
1日24時間の輝度のレベル、高;昼(am8時~pm4時)、中;朝・夕(pm4時~7時とam4時~7時)、低;夜(pm8時~am4時)の各8時間乃至はそれが季節変化した時間帯に区分される。又、前記時間帯の区切りやその組合せは、全単位時間(時)の総和が24のであれば自由となる。
【0061】
2周回方式の色光変化:
表4に示す色光変化の推移を、例えば、色度図上に午前0時から午前11時末(午後0時直前まで)の一定周期において出現順に(0),(1),(2),…,(11)と表記すると、図4となる。制御部5は、午前0時に白色から出発し、単位時間である1時間が経過する毎に、赤、黄、緑、青、及び、紫の5ユニーク色等を経て(ここまで前半周期)紫に至るように発光部7の発光を選択的に制御する。
この場合の、2周回方式の各色光は、一連の前記5ユニーク色等光及びその前後の何れかに白色群光のリセット光を含む複合光の色光が配された構成となり、開始光を白(図23の符号4-1のようにピンクも可)又は、2周回目は準リセット光の紫(図23の符号4-1のように赤紫も可)とする反時計回りの朝方の色光の変化となる。
以上より、白色群の周りを左回り順R1に回る色光の変化が経時感覚をもたらし、一定周期の最初の単位時間の白色群光及び2周回目の開始光紫により経時感覚がリセットされる。従って、本色光式計時装置100は色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い。
【0062】
他の2周回方式事例:
図5「白開始同一経路2周」の場合、制御部5は、前半周期と後半周期の両方とも、白から出発し、白色群を囲み左回り順R1に赤、黄、緑、青、及び、紫と変化するように選択的に発光部7の発光を制御する。これにより1,2周回が共通な色光の周回となる。
又、図示はしていないが、図5を第2(m)及び第3(s)の単位時間に適用して点滅・明滅による識別性を確保し、同一性色光が展開される表示方式である図8を第一の単位時間(h)に適用して点滅・明滅を省略する方式もある。
図6「白開始赤系色欠如2周」の場合、制御部5は、前半周期は白と後半周期はピンクから出発し、左回り順R1に黄緑、緑、青緑、青、青紫と変化するよう発光部7の発光を選択的に制御する。図6に示す例は、色覚障害者の8割を占める赤緑色覚障害者に識別性をもたらすことを指向したものとなっている。この場合の、発光部7からの色光はスペクトル半値幅の低い単色光と白及び偏光グラスを介したピンクにより構成されており、赤の色光は存在せず緑との識別が不要となっている。
図7「赤開始白&紫終了2周」の場合、制御部5は、発光部7の色光を前半周期において左回り順R1に赤、黄赤、黄、緑、及び、青と変化し紫で終了し、後半周期において左回り順R1に赤、黄赤、黄、緑、及び、青と変化し白で終了するように選択的に発光するよう制御している。この例は、1周回目と2周回目で其々紫の準リセット光と白のリセット光となる終了光が観察者に前半周期と後半周期とを識別させている。
図8「白ピンク開始全色度区分2周」の場合、制御部5は、前半周期において白から出発し左回り順R1に赤、黄、緑、青、及び、紫と変化するように選択的に発光部7の発光を制御し、後半周期においてピンクから出発し左回りR1順に黄赤、黄緑、青緑、及び、青紫、赤紫と変化するように選択的に発光部7の発光を制御する。これにより、発光部7の発光は、前半周期において白から出発し左回りR1順の前記ユニーク色等を発光し、後半周期においてピンクから出発し左回りR1順の前記の中間色中心の前半周期の色光と隣接領域となる色光を発光させている。この例は、1周回目と2周回目で色感の異なる色光が前・後半周期を識別させており、点滅・明滅に依らない識別を可能としている。
【0063】
<実施形態4>色光時計の色光単位系・表示
本表示方式は、従来の其々12と60の各単位の単位時間(時刻)よりなる半日(d)12時間hの一定周期を表示する各表示色光の最大数を60から12へと低下させ、少数色光による時間や時刻の指示を可能とするものである。その内容は、前記色光単位系の各12の時(h)黎(m)和(s)の各新単位時間が構成する各一定周期(1d)(1h)(1m)を同一順に経過する3種の単位の同一順の単位時間に前記同一性色光を発光させ其々の各単位時間を表示し、その単位を、各単位時間の単位とその色光を発する発光部との対応の取決めにより識別させている。
尚、前記色光単位系の導入には、色光単位系と従来の従来単位系との間での馴染みを深める両者間での統合的な運用を可能とすることが重要となる。
【0064】
新旧単位系の並存(統合的な運用):
本色光時計では、時(h)黎(m)分(m)和(s)秒(s)の各単位時間(時刻)よりなる色光単位系が採用されており、その各単位の単位時間(時刻)がその配列順に12や5を底とする桁上がりを繰返す様相が表示されている。
これ等の内、新・単位時間(時刻)の黎(m)や和(s)は“○○(m)、○○(s)”と記されるが、この(m)や(s)は略号でありその名称は“レイ”及び“ワ”と呼び、この“黎(m)”や“和(s)”の命名は、各単位時間(時刻)や時間の表示の実用性を高める上で重要となる。即ち、新・単位時間(時刻)の黎(m)や和(s)と5で桁上がりする小単位時間の分(m)や秒(s)が並存する色光単位系では、その統合的な運用が新・単位時間表示の馴染みをもたらすものとなっている。
例えば、従来単位系の分mや秒sと並存する各新・単位時間(時刻)の黎(m)や和(s)を「○○黎(m)と(:+)△分(m)」や「○○和(s)と(:+)△秒(s)」と呼べば、並存する従来単位系の各単位時間(時刻)のmやsを「○○(mb)と5の積と△(m)との合計、或いは○○(s)と5の積と△(s)との合計」とする従来単位系に統合した概念が生まれ、この新・単位時間(時刻)と従来単位の分mや秒sの単位の各時刻が統合的に知覚される。
又、逆に、従来の従来単位系の“43分m21秒s”の新・色光単位系の時刻は、前記43分mや21秒sを其々5で割った商の単位時間(時刻)である8黎(m)と余りの3分(m)、及び、商の単位時間の4和(s)と余りの1秒(s)となる。そして、この5の段の九九は直観性の高い演算であるため、この相互の関係は新・単位時間(時刻)への馴染みを深め前記統合的な知覚を自ずと実現させている。
尚、色光単位系の黎(m)や和(s)は従来の分mや秒sの5分の1の速度でゆったりと流れる時間であり、従来の分mや秒sの知覚は厳格な時間管理が求められる時にのみ使えばよく、このゆったりした時間の実現も新・複合単位系の(時)(黎)(和)、(m)(s)の適用効果と考えられる。特に、色光アナログ時計や色光デジタル時計より成る前記WLB時計では小単位時間(時刻)表示が統合されているため、その馴染みは容易に深められる。
【0065】
<実施形態5>各種単位を示す発光部の取決め
実施形態1では其々の単位の単位時間の色光を発する発光部を特定せずに発光部7を定めていたが、本技術は、1時間(h)、5分(m)、5秒(s)、よりなる選択された各単位の同一順の単位時間に同一性色光を発光させ、該・色光を其々の単位の単位時間に固有な発光部或いは選択された発光部として取決められた発光部より発光させて、経過する単位時間とその単位を表示させている。又、同一順の分(m)と秒(s)の単位の小単位時間も両単位に共通なマークや、各単位時間の色度区分内での共通な強弱色刺激光により表示され、その単位は該・発光部との対応の取決めにより表示される。
【0066】
「色光絵画時計」:
図12は、色光式計時装置100の例である色光絵画時計の第一乃至第三の発光部21,22,23の配置の例を示している。この色光絵画時計の表示部2は、額縁24内に納められた絵画風の不透明パネル25に埋め込まれた発光部7を有している。
この発光部7は、最も面積が大きな花模様の第一の発光部21、次に面積が大きな左側の蝶模様の第二の発光部22、及び、面積が最小の右下の蛙模様の第三の発光部23を含んでいる。3種類の発光部21,22,23は、互いに異なる性状の発光部であり、各単位の単位時間(時刻)毎に変化する色光をその単位毎に取決められた発光部より発光させる。
例えば、花模様の前記第一の発光部21は、時(h)の単位時間毎に色光を変化させ、その所定の色順の変化を12時間半日(1d)又は6時間(1/2d)の周期で繰り返す。
蝶模様の前記第二の発光部22は、黎(m)の単位時間毎に色光を変化させ、その所定の色順の変化を時(1h)の周期で繰り返す。
又、蛙模様の前記第三の発光部23は、和(s)の単位時間毎に色光を変化させ、その所定の色順の変化を分(1m)の周期で繰り返す。
前記各発光部21~23からの同一順の色光は各単位の間で共通な色順で変化し、
その具体的変化のパターンは実施形態1の図4~11と同様でよい。又、前記蝶々と蛙の近くに小単位時間用のマーク60a,60bを表示してもよいし和(s)の単位時間に対応する第三の発光部23を省略しても良い。又、この装置に従来のデジタル数字や時針の像を付加してWLB時計を構成してもよい。
【0067】
単位の表示機能:
図12に示す色光絵画時計は、単なる鑑賞物としての風物画であるが前述のようにそこには色光時計の「単位の表示機能」が備わっている。この色光時計の表示する単位時間の単位は、その発光部が表示する表示物の種別や、その性状、即ち、その大きさや形等の差異に則った取決めにより表わされている。但し、この取決めを知らない第三者には、色光表示の意味が分からずそれは色光時計として機能しない。この点は、従来の時計の指示方式と色光時計のそれとの大きな差異である。即ち、従来の時計では、時間、分、秒の各時刻の単位とそれを表す各時針や指示面の種別が自ずと1対1に対応しているが、色光時計では両者間の取決めが多様となっている。
図12に示す色光絵画時計は、発光部の種別の固有性、即ち、生き物の種別やその性状(大、中、小)等、において其々差異のある要素が特定できるように取決められているが、この取決めにより単位時間の単位を直感的に知覚させることはかなり難かしい。
尚、これ等の単位を特定する発光部の種別には、それが設置されている装置、置物、文字盤、時針、ケース、等の物品や色光の照射対象となる反射物や透過物、或いは、発光部が映し出す表示物がある。又、後者の発光部の性状には、その数、大きさ、形状、位置、視野への入射角、等の各要素がある。例えば、時(h)黎(m)和(s)の各単位には各発光部で其々、面状(;面積が最大)、線状(:長径又は長辺、又、リング等では周長/前者への直交線の平均巾が最大)、点状(;面積が最小)の各条件が満たされるものとされる。尚、前記条件の適合性が不明の場合は他の性状との組合せにより補完する。
【0068】
各光源と単位毎のPWM制御:
図12,25は、第一の発光部21、第二の発光部22、第三の発光部23の構成例を模式的に示している。第一の発光部21は、12時間(第一の一定周期1d)において1時間毎(各第一の単位時間h)に左回り順R1又は右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に発光するための、複数の光源151、及び、PWM制御部161を有している。又、第一の発光部21は、図3の制御部5からの指示に従ったPWM制御部161による電流制御により、図22,23で示した発光順の色光を複数の光源151のいずれかから発光可能である。第二の発光部22は、1時間(第二の一定周期1h)において5分毎(各第二の単位時間m)に左回り順R1又は右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に発光するための複数の光源152、及び、PWM制御部162を有している。
又、第二の発光部22は、制御部5からの指示に従ったPWM制御部162による電流制御により、図22,23で示した発光順の色光を複数の光源152のいずれかから発光可能である。第三の発光部23は、1分(第三の一定周期1m)において5秒毎(各第三の単位時間s)に左回り順R1又は右回り順R2を含む順番に基本色の色光を選択的に発光するための、複数の光源153、及び、PWM制御部163を有している。第三の発光部23は、制御部5からの指示に従ったPWM制御部163による電流制御により、図22,23で示した発光順の色光を光源151乃至153のいずれかから発光可能である。
但し、151乃至153の光源は多数準備されるとは限らず、PWM制御での時分割により各単位の間で共用とすることもある。しかし、反射光や透過光を活用する色光表示では極力スペクトル半値巾(FWHM)が大きな単色光光源の利用が望まれる。
【0069】
<実施形態6>小単位時間の表示
図20に示すように、単位時間の黎(1m)や和(s)の5等分を小単位時間(m)(s)とし、制御部5は単位時間の黎(1m)和(1s)を其々の一定周期として経過する各5つの小単位時間分(m)と秒(s)を、変化する表示マークや後述の色光の属性値の変化により表示する。
但し、WLB時計ではこれ等小単位時間の(m)と(s)の表示は、色光表示時(前記色光表示方式の選択時)における表示精度の確保に必要な表示(小単位時間表示の省略もある)となる為、その求めに応じて表示されるものとする。
【0070】
小単位時間のマーク表示:
また、色光式計時装置100は、図15(a)~(e)に示すように、単位時間における各小単位時間に対応する時刻を小単位時間用のマークにより表示可能なマーク指示部60をさらに備えていてもよい(図12,27参照)。該・マーク指示部60は、発光部7に異なるマークを表示可能であり、例えば、発光部7の光源150~153(図24,25参照)とは別の光源等により構成することもできる。
制御部5は、単位時間において小単位時間が経過した時にマーク指示部60に表示させるマークを色光の変化なく5段階に変化させている。むろん、図15(a)~(e)に示す小単位時間毎のマークは、該・形状の変化に加えて図2,12,24,25,27で示した発光部7が発光する色光と組み合わせた各色度区分内の5段階の属性値変化により小単位時間を表示させることも可能である。
【0071】
小単位時間用マーク表示の具体例:
図15の表示部2は発光部7中にその性状を5段階に切替え、経過する小単位時間を示すマークを表示している。又、そのマークは該・小単位時間の経過の間ずっと指示部60に表示させるものとなる。
図15(a)~(e)の方式は、発光部7の注視が必要な指示となる為、直観性が求められる場合は後記の色光による小単位時価の表示、乃至は、その平行表示が求められる。
図15(a)は、5段階のステップを表意する0~4の5種類に変化する数字を示している。尚、他の文字やトランプマーク等の表意性のあるマークもこの部類となる。図15(b)は、右下に示される小丸印の数を0から4へ変化させている。図15(c)は、小単位時間を示す小丸印マーク位置が発光部中を0から上・右・下・左の順に回転している。図15(d)は、発光部中で丸形マークの数と位置を小単位時間毎に切り替えて最後は菱形を構成する様変化させている。
図15(e)は、図形の頂点数が0,1,2,3,4と5段階に変化しており小単位時間の5ステップの進展を表しているがその零はリセットを表す零であり、該・小単位時間がリセットし開始するマークとなっている。従って、このマークはリセットし終了するマークの、5つの頂点を有する星形、等とする場合もある(図15では略記)。
【0072】
小単位時間の色光リズム(規則性)による表示
同一色度区分内の色光の色差(下記c)のみによる時間や単位時間(時刻)の表示は難しい。その為、ここでは、多種の高色刺激光源a.と低色刺激光源b.を準備し、各単位時間の間で強弱色刺激光の発生順を統一したステップ変化「表5」を作り、そこに生じるリズム感により小単位時間の経過順を知覚させる手法が採られている。
具体的には、強・弱色刺激光は下記a,b,cに分類され、強色刺激光を高輝度光(菱形1、菱形2)と前者以外の高スペクトル半値光(FWHM)(菱形3)とし、弱色刺激光を低輝度光(丸1,丸2)と低輝度低刺激純度のOLED光(丸3)とし、10基本色光の弱色刺激光は周回方向(+)でかつ前者(菱形1~菱形2)よりは低刺激純度方向へ色度点を移行させた低輝度光とし、リセット光(白色群光)では色度区分内の開始光を極力高刺激純度とし周回方向と同方向(+)順に移行して色差を確保する。又、表5では、輝度のレベルがPWM制御のデユウテイ値に則った数値モデルとしてその強弱感が示されている。尚、菱形3の光源は高色刺激なレザー光や蛍光、等となるがこれ等は状況に応じて何れかが使用される。
【0073】
【表5】
a.高色刺激光:菱形1;高輝度LED光
菱形2;高輝度OLED光
菱形3;高スペクトル半値値光(レザー光、蛍光、等)、表では“半”
b.弱色刺激光:丸1 ;低輝度OLED光
丸2 ;低輝度LED光
丸3 ;低輝度低刺激純度OLED光
c.色度の変化:0 ;境界線や前者に近い
+ ;周回と順方向の色差、数値は大きさ
(1番目の小単位時間)輝度CD5(:90%)
(2番目の小単位時間)輝度CD3(:50%)
(3番目の小単位時間)輝度CD2(:40%)
(4番目の小単位時間)輝度CD4(:80%)
(5番目の小単位時間)輝度CD(1:30%)
ここで、輝度の後の括弧内は輝度のレベルを示し、CD1<CD2<CD3<CD4<CD5である。
【0074】
強弱色刺激光の変化による小単位時間表示:
また、表5に示すように、制御部5は、色光の種別(リセット光、10基本色光)毎に複数の光源からの色光を組合わせる等により前記輝度を主体とする色光の強・弱色刺激の発生順を統一し、そこに生じるリズム感により小単位時間を表示する色光の識別性を補完している。但し、リズム感は早すぎても遅すぎてもいけないので、分(m)又は秒(s)のみへの適用も可とする。
【0075】
「異種光源のバックライト」:
5分、5秒の各単位時間を構成する小単位時間(1分、1秒)を色光の属性値により表示するには広範な属性値(輝度/Y値、刺激純度、主波長値、スペクトル半値幅、等)を同一色度区分内の5色光の変化として表出させなければならない。この属性値の変化を強化させる手法としては異種発光体のバックライト(図18参照)がある。
このバックライトは、3原色の有機EL光源93、及び、複数のLED(発光ダイオード)92を備えている。各LED92は、分光放射強度分布のスペクトル半値全幅(FWHM)が比較的狭く、強刺激光の発光に適している。複数のLED92には、例えば、5ユニーク色等や蛍光白色の煌めきのあるLEDを用いることができる。有機EL光源93は、分光放射強度分布がLEDと比べてブロードであり、弱刺激光に適している。図18のバックライトでは、図1で示したJIS色度図におけるLED光源を、煌めき光の白(蛍光)w及びr、o、y、g(色域拡大光源用)、g、b、pに配し、3原色の有機EL光源をR、G、Bとし、又、gの色度位置に緑の有機EL光源Gを設けてGと切替可能として両光源の色域拡大が図られている。従って、強刺激光は、ダイナミック制御された高輝度の有機EL光に、煌めきのあるLED光を一部混合した色光よりなる2色光で構成することもできる。表5に示すように、単位時間内の各小単位時間において計5色光の強弱刺激のパターン(例えば、強、弱、弱、強、弱)を構成し、この強・弱刺激のパターンを各単位時間の間で統一すると、パターンに従ったリズム感が創られ、各小単位時間を指示する色光の間の識別性が強化される。強刺激光以外の色光(弱)では、白色群光や10基本色光で其々色みや白み(表5の色相の+)をつけて識別性の強化が計られている。
【0076】
<実施形態7>「色光アナログ時計」
色光式計時装置100の例である色光アナログ時計(図14参照)、及び、機械式色光アナログ時計(図26参照)は、本技術を従来の伝統的なアナログ時計に組み込み、それ等に色光時計の直観性を備えさせるものとなる。
【0077】
色光アナログ時計の光路(機構):
図14に示すように、ベース板41にはステップモータ42が設けられ、その駆動軸に歯車43が取り付けられている。歯車43の駆動力は減速歯車44を介して長針駆動歯車45に伝達される。長針駆動歯車45は、支軸46に支持された透明な機能性樹脂よりなる中空軸47と一体化されており、さらにその中空軸47には長針48が一体化されその導光部以外は遮光材及び色光を時針面へと導く反射材で被覆されており、ステップモータ42の回転により長針48は支軸46を中心に1時間で1回転する。一方、長針駆動歯車45には、減速歯車44とは反対側で減速歯車49と噛み合っており、長針駆動歯車45ひいては長針48の回転が1/12に減速されて短針駆動歯車50に伝達される。短針駆動歯車50は、長針48と一体の中空軸47の外側に嵌合する中空軸51と一体化され、その中空軸51の端部に短針52が一体化されている。これらの短針駆動歯車50、中空軸51、及び、短針52は、透明な機能性樹脂により一体化され、中空軸47及び長針48と同様の被覆がなされている。ベース板41には歯車群を覆うハウジング53が固定され、さらにそのハウジング53と短針52及び長針48との間に時計文字盤54がベース板41に固定されて設けられている。時計文字盤54には、図示はしないが従来の一般的な時計と同様に、長針48の先端の回転軌跡の外側の円周上に、1~12の数字やポイント(インデックス)が等角度の間隔で配置されている。このインデックスは何れかの時針に代わる発光体とすることができる。
【0078】
色光アナログ時計光路の各要素(事例):
ハウジング53には、その内側を反射面としたランプハウス53Aが膨出して形成されている。各ランプハウス53Aの内側には光源であるLED(発光ダイオード)55が設けられ、そこからの光をハウジング53の中心側に集光できるようになっている。「図24,25」で示した光源150~153に対応する各LED55は各主波長の色光或いはダイナミック制御による三原色の複合光を発光可能である。ハウジング53の中央寄り位置には、液晶シャッター56A,56Bが2段リング状にLED55に対向するように設けられている。
ハウジング53の中央側には、円盤形の遮光板57が両歯車50,45の間に設けられている。遮光板57は、短針駆動歯車50を含む色光領域区分と長針駆動歯車45を含む色光領域区分とを図14において左右に区割している。これにより、LED55から液晶シャッター56Aを経て長針駆動歯車45に至る光路と、LED56から液晶シャッター56Bを経て短針駆動歯車50に至る光路とが独立して形成されている。各液晶シャッター56A、56Bは、長針48又は短針52への時分割された色光をLED55が発光中に開放し、各光路をLED55側に開放させる。これにより、LED55からのダイナミック制御にて構成された色光が短針駆動歯車50或いは長針駆動歯車45の側の各時針48,52の光路に選択的に導かれる。
【0079】
「機械式色光アナログ時計」:
図14に示す機械式色光アナログ時計は、発光部を有する各針21,22と該・針と軸が一体51,47となり遮蔽材兼反射材で被覆された導光体の各回転光路と、針とは上下が反対の各回転軸の下端部(図26参照)に30度巾で縦形の入光スリット40A,40B(40A、40Bの時針軸は図示の都合上で同断面とされているが実際には別断面にある)を設け、各回転軸を中心とする30度間隔の位置毎に各単位の単位時間に共通な12色光の光源55を円周位置に配置し、其々の光源を30度巾毎に放射状の区分材55Wにて扇形のブロック53Aに区分し、その各内面を反射材兼遮蔽材55wで被覆し、前記12の固定光路ブロック53Aの回転スリット側面に出光部を配し、各ブロック内の光源55からの色光、或いは、外部光源より光ファイバー等により各ブロック53Aに導光された色光を、前記回転スリット40A,40Bが回転しそれを囲む外縁の1つ又は2つの各扇型の固定光源ブロック53Aを経過する間の各単位共通な所定の色順に配置された光源の色光をその配置の順にそのブロック53A側から前記スリット40A、40Bを経由し図14の針表面21,22に導き、各時刻を表示するものとなる。
この方式は、各一定周期を経過する単位時間が成す各単位共通な30度巾の位相角の位置に光源が配置されその各固定光源55からの色光に時刻や時間を表示させ、ダイナミック制御等の制御によらない簡便な色光アナログ時計を実現させたものとなっている。
尚、点滅明滅は液晶シャッターやPMW制御に依らず単純な点滅回路に依るものとする。
又、図14,26にはないが、秒針の設置が求められる場合は、秒針の代わりに文字盤54上の時刻を示すインデックスを秒針に代わる発光部として順次発光させる方式を採用し秒針増設による構造の複雑化を回避することもできる。
【0080】
色光アナログ時計の制御系のブロック構成:
図21は、色光アナログ時計のブロック構成の例を示している。図14には示していないが、図21に示すように、色光アナログ時計に秒針58、秒針駆動部58d、及び、第三の発光部23を設けてもよい。尚、図14に示す色光アナログ時計は、LED55から短針52までの光路に対応する第一の発光部21、及び、LED55から長針48までの光路に対応する第二の発光部22を含む発光部7を有している。図21は、便宜上、針52,48,58の駆動部を短針駆動部52dと長針駆動部48dと秒針駆動部58dとに分け、これらの駆動部52d,48d,58dの駆動を制御部5が制御するように示している。また、短針52までの光路を第一の光路21aと示し、長針48までの光路を第二の光路22aと示し、秒針58までの光路を第三の光路23aと示し、これらの光路21a,22a,23aを制御部5が制御するように示している。図21に示す色光アナログ時計は、短針52から1時間毎に変化する色光を放出し、長針48から5分毎に変化する色光を放出し、秒針58から5秒毎に変化する色光を放出する。いずれも、一定周期において各単位時間に左回り順R1又は右回り順R2を含む順番に基本色の色光が選択的に針52,48,58から放出される。
【0081】
<実施形態8>色光時計とWLB時計(ワークライフバランス時計)
表3に於いて、WLB時計とは、従来単位系の時間をアナログ又はデジタル表示する従来時計と色光単位系の時間を色光表示する色光時計、及び、前2者の組合せ表示より成る複合表示機能とそれ等機能の選択機能を備えた時計を云う。又、前記色光時計は、時(h)黎(m)和(s)分(m)秒(s)の各単位時間等より成る色光単位系の時間を表示し、前記従来時計は、時h分m秒sよりなる従来単位系の時間を表示する。
尚、前記WLB時計は、前記従来単位系と前記色光単位系の時間を並列的に表示する。又、前記両単位系が並列選択された単位系を複合単位系と呼ぶ。
【0082】
実際のWLB時計
図16に示す色光デジタル時計は、従来単位系の時刻が70に、色光単位系に於ける小単位時間を除いた各単位の単位時間の(時刻)が71~73に色光表示されている。又、図27では、前記従来単位系の時刻が70に、色光単位系の各単位の単位時間が取決められた面状、線状、点状の各発光部71~73に色光表示され、各小単位時間は前記発光部の近傍・60より小単位時間数の黒丸印マークにより表示されており、従来単位系と色光単位系の両単位系の各単位時間等が並列表示されている。
又、色光アナログ時計(図13参照)には、スマートフォン方式のものと時針や分針等の針を持つ従来の色光アナログ時計のものとの2方式があり、前者は、図13に示す様に、映像の針70(7)を有し、取決められた各単位の単位時間の発光部71(7),72(7),73(7)より色光を発して表示し、色光表示の不要な場合は針の映像を消すことができる。しかし、後者の時針面を発光部とするWLB時計では実物の針の消去ができず、表示する後記単位系の種類が従来表示と複合表示からの2者択一となる。
図29には、前記3種の表示方式が混乱無く切替えられるフローが示されている。
尚、この切替は、図28の記憶装置105に記憶されている現在の表示方式を表す情報に則り、制御部5は、最初のステップS11においてタッチパネル2c又は切替スイッチ133により表示方式を切替える指示を受け付けたか否かにより処理を分岐させる。
尚、表示方式を切り替える指示を受け付けなかった場合、制御部5は表示処理を終了させる。表示方式を切り替える指示を受け付けた場合、制御部5は、ステップS12において、表示方式を以下のように切り替える。
(現在、複合表示方式C3である場合)色光表示方式C1に切り替える。
例えば、図16に示す表示画面において、面状部71と線状部72と点状部73の中から選ばれる一種以上の部分において単位時間毎の色光が選択的に放出される状態のまま、文字70が消える。
(現在、色光表示方式C1である場合)従来表示方式C2に切り替える。
この場合、面状部71と線状部72と点状部73の色光の放出が停止し、文字70により従来表示方式の時刻が表示される。
(現在、従来表示方式C2である場合)複合表示方式C3に切り替える。
この場合、文字70が残ったまま、面状部71と線状部72と点状部73の中から選ばれる一種以上の部分において単位時間毎の色光が選択的に放出される。
その後、制御部5は、ステップS13において、切り替え後の表示方式を表す情報を記憶装置105に記憶させ、図29に示す表示処理を終了させる。
本色光デジタル時計は、色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い色光式計時装置を従来時計と併せて実現させることができ、スマートフォン等に応用することができる。
【0083】
図28では、前記図3の機能中の表示部がタッチパットに変わり、表示方式がスマートフォンに変わっており、入力方式と表示方式の自由度が拡大されている。
ここでの色光デジタル時計は、制御部5と表示部2を備え、電源からの電力により機能しており、表示部2は、発光部7と液晶パネル2bを有しており、液晶パネル2bの表面には、タッチパネル2cが貼り付けられている。I/F106に接続されたタッチパネル2cは、使用者による接触操作を受け付ける。I/F107に接続された各種スイッチ131,132、133も、使用者による押し操作を受け付ける。タッチパネル2cと前記切替スイッチの少なくとも一方は、前記色光表示方式(C1)又は従来表示方式(C2)又は複合表示方式(C3)の選択操作を受け付ける。
制御部5は、RTC101、CPU102、ROM103、RAM104、記憶装置105、I/F106,107、通信入出力部108、選択連絡部109、等を有している。又、通信入出力部108は、マイクロフォンやスピーカ或いは電話等を介した通信機能と共にネット等の交信機能を有しており、通信や交信に使用される。又、選択連絡部109は、表示方式の選択状況や条件を相互に連絡し合い記号により相互の確認状況を表示する。
【0084】
色光デジタル時計に於ける具体表示
図16に示す色光デジタル時計において、従来表示方式(C2)の場合、3ブロックよりなる黒文字70により従来表示方式の時刻が表示される。色光表示方式(C1)の場合、文字70が消え、表示部2のうち面状部71と線状部72と点状部73の中から選ばれる一種以上の発光部より各単位の単位時間の色光が選択的に発光される。複合表示方式(C3)の場合、文字70により従来表示方式の時刻が表示され、それと並行して面状71と線状72と点状73の中から選ばれる一種以上の発光部より各単位の単位時間の色光が選択的に発光される。
【0085】
<実施形態9>「色光シンボル時計」(発光部形状の変化による単位時間の表示)
本技術の時刻の表示方式では、発光部の性状の差異に色光表示する単位時間の単位を表示させている。しかし、発光部の性状に前記以外の変化する時間的要素を表示する用途がある場合は、該・要素に何れかの単位の単位時間を表示させてもよい。
前記の図17は、色光式計時装置100の例である色光シンボル時計の表示部による表示の例を模式的に示している。図示してはいないが、色光シンボル時計は、図3図28で示した色光式計時装置100の要部の制御機能を備えている。又、そこには、月面を模した丸形の発光部81の中に社章等のシンボル82を描いた2重の発光部7が構成されており、発光部81とシンボル82は両者を横方向に移動する月面の明暗境界線83により、同時に左右分断され、2重の発光部は境界線を挟み左右反転した同一色度区分の色光を発光し一つの単位時間を色光表示している。
又、分断された月面とシンボル面の発光部84は新月時から満月時へかけてその発光部を変化させ左右の両発光部84から前記所定の色順で変化する色光が発光され月面内のシンボル82部分は消光され、その明暗境界線は1定周期当たりに左右何れかの一方向に1又は2回移動する。尚、その切替は一気に原点に戻し、前後の半周期の識別は原則として点滅・明滅によるものとする。又、求めに応じては、前記シンボルを0~11の一定周期の間で経過する時刻毎に変化する数字や十二支図や文字に入れえて色光式計時装置を構成することもできる(図示はない)。
又、色光シンボル時計は、本体の色光84が時間(h)を、線状発光部21が黎(m)を表する色光時計を構成し、設備時計や宣伝塔としても機能させ得る。
又、数字の25は曜日を色光表示する日めくりの機能を果たすこともでき、色光照射時計との組み合わせによりその背景となることもでき、更に、月の満欠はイベントの経過割合を表す進度計等々の、多様な機能を果たす色光計時装置となる。
【0086】
<実施形態10>「WLBと時間の性格」(物理的時間と人間的時間)
前記色光式計時装置に含まれる「WLB計」は、タッチパネル方式で構成され、入力部と、表示部、各表示時間の積算部、積算値の演算部、通信入出力部を備えている。
又、それは各単位系を構成する単位時間の長短がもたらす時間の流れ感の差異、即ち、従来表示系の細かく刻まれる正確な時間、色光表示系の大きな刻みの緩やかな時間、又、複合表示系の自由で緩急自在な時間に区分される各単位系が表出する時間を、各人が其々の生活時間に最も相応しいと判断した単位系の時間とし、該・時間を其々の各生活時間に選択して表示させる。又、各々の表示時間を積算させ、該・積算値の相互比較や別途インプットされた基準値との対比、等の数値を前記表示部に表示させる。
又、テレワーク等を実施する集団やその構成員の間に於いては、該・集団における各種生活時間とそれを表示する単位系との対応方式を取決め、各人の表示時間の選択状況を前記通信入出力部を介して発信して表示させ、各人が表示方式時間の選択状況を知り合うことにより集団構成員の連携と信頼の増進を図る、色光式計時装置(WLB計)。
【0087】
時間の種別:
時間には、セシュウム原子が放射する電磁波の一定周波数分を1秒という基本単位(SI単位)として正確に刻まれる「物理的時間」と、過去から未来へと流れる「人間的時間(メリハリ時間を含む)」がある。人々の生活の場は、前記人間的時間やメリハリ時間の元にある割合が高いが、現状ではそれ等の時間が顧みられることは殆どない。
表3に示す如く、我々の生活の場は、人々が「個の生命体」として自然に存在する緩やかに流れる色光単位系がもたらす人間的時間の場、人々が「集団の一員」としての責務を負い活動する正確に刻まれる従来単位系がもたらす物理的時間の場、及び、人々が「個の人間」として自律的に活動する緩急自在な複合単位系がもたらすメリハリ時間の場に大別できる。但し、実際の生活の場は前記区分が的確に適用され得るものとはならないが、各個乃至は各集団が自らの意思に則り区分した時間の性格区分は其々の生活実態をかなり反映すものとなり得る。以下には各人の生活の場の区分が例示されている。
“場の区分”の具体事例とその適用効果:
人々が生活する時間の場には、「個の生命体」として自然に生活する睡眠、食事、育児、介護、団らん、運動、等々の緩やかに流れる人間的時間の場があり、そこには色光単位系の表示方式が相応しい。又、「集団の一員」としての責務を負い活動する業務、授業、家事、テレワーク、等々の正確に流れる時間の場があり、そこには、物理的時間である前記従来単位系の表示方式が相応しい。又、「個の人間」として自由かつ創造的に活動する、芸術、趣味、遊び、宗教、変革、等々の緩急自在な時間の場があり、そこにはメリハリ時間である前記複合単位系の表示方式が相応しい,これ等の其々の場に相応しい的確な表時時間の設定は生活の場を上質なものへと導く。
尚、WLB(ワークライフ・バランス)という概念があるが、これは、公私の活動等の間にけじめをつける話であり、その為には本・WLB時計に於ける表示時間の選択切替は大いに役立つものと成る。又、その為のタイムマネージメントは前記各種の時間が占める割合の妥当性に関わる話でもあり、そこに生じる課題は前記各種時間の集積値の割合に関わる事項として現れることが多い。例えば、ネットやゲームへの執着等の問題はその関連時間の集積値によりその実態が明確化され解決策に迫り得ることもでき、テレワーク時における集団と個との関りに於いては、当人が選択している表示時間の種別を交信機能を介して相手に通知すれば、其々の時間の選択状況を介して各人の置かれた立場を知り合える。このことは労働条件の確認のみでなく思いやりのある集団形成に資するものとなる。
尚、図16,28に於けるこれ等の各事項の表示は、演算された選択時間の積算値やその比として表示76され、例えば、ネット交信時の互いの色光表示の選択状況C2は選択連絡部109を介してこちらの選択時間が上向きマーク△、先方の選択やその了承が下向きマーク▽等として付帯部77に表示されることとなる。
【0088】
<その他の実施形態:概日サイクル>
上述した色光式計時装置は(時)単位の単位時間を主の単位とする一定周期よりなっている。又、1日は昼夜より成るが、これは1日を2分するものではなく、夜、朝、昼、夕と4つの明暗時間帯がより相応しい。従って24単位時間(時)を4種の時間帯に区分し、其々の明るさ(輝度)のレベルを定めれば、1日の明暗サイクルが定められる。
そして、この(時)単位の単位時間の輝度を基準輝度とし、下位の単位の時間帯の単位時間の輝度もこの基準輝度に準じるものとすれば、色光計時装置は色度の変化に加えてその輝度も自然の色光に合致させることになる。尚、この様な1日周期の時間のサイクルは、生理学における体内時計では概日サイクルとよばれており、本論では広義の色光単位系として扱われている。
このための構成としては、上述したような色光式計時装置において、睡眠や就業等の生活時間や、朝夕、昼、夜、等の自然環境の明るさに則り、(時)の単位より成る各時間帯毎に望ましいレベルの色光輝度を定め、以下のようにすることが考えられる。
例えば、制御部は、12の単位時間(時)より成るAM、PMの半日(dh)が2を底(k)として1日(d)に桁上がりし24時間を構成する単位系の各種時間帯が経過する毎の(時)の単位の単位時間に対応する色光の輝度を他の単位の単位時間の色光が順守すべき基準輝度として定め、(時)の単位の・単位時間(時)が経過する間の各単位の単位時間における色光の輝度を其々定められたレベルとなるよう制御し経時感覚を向上させる、というものである。
尚、時間帯とは、例えば、24時間は朝夕(pm4時~7時とam4時~7時)、昼(am8時~pm4時)、夜(pm8時~am4時)の各8時間の時間区分、乃至はその区分を2乃至8区分当に変化させた時間区分の各時間(時)を云う。
【0089】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、色光のみでも時刻や時間を直感的に把握し易い技術等を提供することができる。むろん、独立請求項(実施形態に記載した態様を含む。)に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した各項目の間で開示した各要素を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した要素を変更した構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0090】
2…表示部、2a…デジタル時計表示部、2b…液晶パネル、3…操作部、
5…制御部、7…発光部、8…クリスタルブロック、8a…被照射体、
21…第一の発光部、22…第二の発光部、23…第三の発光部、
60…マーク指示部、
71…面状部(大きさ重視の発光部)、72…線状部(形状重視の発光部)、73…点状部(位置重視の発光部)、
100…色光式計時装置、150~153…光源、160~163…PWM制御部、
G10…10基本色、GW…白色群、
R1…左回り順、R2…右回り順。
図1
図2
図3
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図5
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