(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008789
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】水質変換装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20220106BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C02F1/68 530B
C02F1/68 510J
C02F1/68 520K
C02F1/68 520N
C02F1/68 520P
C02F1/68 510B
A01K63/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092617
(22)【出願日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0078886
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521239048
【氏名又は名称】キム、ソンキョン
【氏名又は名称原語表記】KIM, SUNG KYUNG
【住所又は居所原語表記】(Nammun-dong) 74 Woongcheonseo-ro , Jinhae-gu , Changwon-si , Gyeongsangnam-do , KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンキョン
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA08
2B104EF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長時間にわたって水の入れ替え(水換え)をしなくても済み、魚の健康、成長、発育に役立つように水質を変換する水質変換装置を提供する。
【解決手段】内部に原水が通過可能な長円状の中空140を有している容器であり、前記容器は、ミネラル溶出焼結体を包含し、原水が通過する長さに相当する長さlが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm
2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水にミネラルを含有させ、長時間にわたって原水の状態を保存できる水質変換装置であって、
前記水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造である水質変換装置。
【請求項2】
金魚鉢に供給する水がミネラルを含有し、長時間にわたって保存可能なように水質を変換する金魚鉢用水質変換装置であって、
前記金魚鉢用水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造である金魚鉢用水質変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質変換装置に係り、特に、金魚鉢用の水にミネラルを含有させ、浄化能力を有して長時間にわたって保存可能なように水質を変換することにより、長時間にわたって水の入れ替え(水換え)をしなくても済み、魚の健康、成長、発育に役立つように水質を変換する水質変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水は、常温で無色、無臭及び無味の液体であり、化学的には酸素と水素との結合物のことをいう。このような水は、人類をはじめとするあらゆる生物体において最も必要な物質であるといえるが、特に、人間の身体の色々な部分において水が占める割合を調べてみると、血液は80%が水であり、心臓は約79%、脾臓と筋肉及び脳もまた約75%が水となっている。したがって、水は、酸素とともに、人間の生存に欠かせない必須要素であるといえる。
【0003】
これに関連して、最近には、ミネラルが含有されている水が健康に非常に良いという研究結果が報告されている。ミネラルは、色々な代謝活動に与る必須栄養素に相当するものであって、人体内において自体的に生成されないため、必ず外部から摂取すべき成分である。
【0004】
しかしながら、一般に、水道水を飲用水として用いる場合、浄水器を用いたり、沸騰して飲んだりする場合でも完全に浄化し難い、あるいは有害重金属を除去し難いなどの問題が依然として存在する。
【0005】
一方、魚の場合でも、ミネラルが含有されている水が魚の健康、成長、発育に役立ち、魚もまた代謝過程を経るので、水質が汚染されないように水の浄化作用をすることが重要である。
【0006】
これに関連して、近年、大勢の人々が趣味などで魚を金魚鉢に育てているが、金魚鉢には、基本的に水道水を用いる。このような水道水は、ミネラルを豊富に含有しておらず、かつ、金魚鉢に閉じ込められた水であるため流れることができず、その結果、浄化作用をすることができないため汚染され易い。
【0007】
したがって、このような問題を解決して、水道水などの原水を用いても、このような原水にミネラルを含有させて健康に役立ち、長時間にわたって保存可能な水に変換する水質変換装置を開発する技術が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためのものであって、非常に簡単な方法でも水質を変換し易い水質変換装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の一態様によれば、原水にミネラルを含有させ、長時間にわたって原水の状態を保存できる水質変換装置であって、
前記水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(アスペクト比)(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造である水質変換装置が提供される。
【0010】
一方、本発明の他の態様によれば、
金魚鉢に供給する水がミネラルを含有し、長時間にわたって保存可能なように水質を変換する金魚鉢用水質変換装置であって、
前記金魚鉢用水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造である金魚鉢用水質変換装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、本発明に係る水質変換装置は、特定の物質を特定の含量で含み、特定の条件を満たす構造の容器に原水を通過させるという簡単な方法で原水にミネラルを含有させるだけではなく、長時間にわたって保存しても汚れないという効果がある。
【0012】
したがって、人間の健康に良いだけではなく、特に、金魚鉢用の水にミネラルを与えることにより、魚の健康、成長、発育に役立ち、かつ、長時間にわたって保存しても汚れないので、水の入れ替え(水換え)を頻繁にしなくても済み、効率的である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水質変換装置の斜視図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る水質変換装置の写真である。
【
図4】本発明の実験例に係る実施例の結果写真である。
【
図5】本発明の実験例に係る比較例の結果写真である。。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る水質変換装置について順次に且つ詳しく説明するが、前記水質変換装置の範囲が下記の説明により制限されることはない。
【0015】
本発明の一態様に係る水質変換装置は、
原水にミネラルを含有させ、長時間にわたって原水の状態を保存できる水質変換装置であって、
前記水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.01cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の態様に係る金魚鉢用水質変換装置は、
金魚鉢に供給する水がミネラルを含有し、長時間にわたって保存可能なように水質を変換する金魚鉢用水質変換装置であって、
前記金魚鉢用水質変換装置は、内部に原水が通過可能な長円状の中空を有している容器であり、
前記容器は、アベンチュリン10~30重量%、方ソーダ石5~20重量%、紫水晶2~10重量%、天気土1~10重量%、ゲルマニウム5~20重量%、シュンガイト2~10重量%、麦飯石3~10重量%、ローズクォーツ2~10重量%、七宝石1~5重量%、木化石1~5重量%を混合した混合物の焼成体であり、
前記アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、
前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であり、
前記容器は、原水が通過する長さに相当する長さが15~30cmであり、原水が通過する中空の面積が40~100cm2であり、前記中空の縦横比(短軸/長軸)は1/2~1/5であり、前記中空の内面から容器の外面までの容器の平均厚さが3~10cmであり、前記容器のうち最も厚い位置における厚さと最も薄い位置における厚さとの差は0.5cm~2cmであり、
前記容器は、それぞれ端面の方向に中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造であることを特徴とする。
【0017】
すなわち、前記水質変換装置は、原水が中空を通過するだけでも原水にミネラルを含有させ、浄化により長時間にわたって保存しても原水の状態を保つことができるので、非常に簡単な方法で本発明の目的を達成することができる。
【0018】
原水が前記容器を通過するとき、表面から摩擦により鉱物のミネラルが溶出されるとともに、鉱物が生じさせる磁性によりミネラルを含有する水質に変換され、浄化且つ改善され得る。
【0019】
このとき、本発明が意図する効果であって、人間又は魚の健康に役立つレベルで原水に十分なミネラルを含有させ且つ浄化するためには、前記物質が前記含量にて必須的に含まれていなければならない。
【0020】
いうまでもなく、前記混合物の他に、微量で、他の鉱物質が添加されることを排除するわけではない。
【0021】
前記範囲を逸脱して、それぞれの物質が過度に少量で含まれる場合、本発明に係る効果を奏することができず、過度に多量で含まれる場合には、相対的に他の鉱物の含量が減ってしまうため好ましくない。すなわち、本発明の効果を効率よく奏するためには、前記物質がいずれも適切な含量以上に含まれることが好ましい。
【0022】
前記アベンチュリンは、ケイ酸塩鉱物であって、SiO4類の大きな陰イオンと金属の小さな陽イオンから構成されている。ケイ素イオンは、4配位であり、その周りに4個の酸素イオンが正四面体の形状に配置された鉱物である。このようなアベンチュリンは、電磁波を防ぎ、抗菌作用をし、必須ミネラルを供給するために用意される。
【0023】
前記方ソーダ石(sodalite)は、ソーダライトや方ソーダ石とも呼ばれる。このような方ソーダ石は、等軸晶系に属する鉱物であって、アルカリが多い火山岩と深成岩中に産出されて、原水をアルカリ性に変えるために用意される。
【0024】
前記紫水晶は、紫石英とも呼ばれ、石英の変種鉱物である。このような紫水晶は、有害物質を中和させ、遠赤外線を放出し、老廃物の排出に役立つ役割を果たして原水の保存に大きな役割を果たす。
【0025】
前記天気土は、雲母系の天然粘土鉱物であって、多量の陰イオンと遠赤外線を放出し、必須ミネラルを供給するために用意され、前記ゲルマニウムは、原水の浄化と有機物の分解を行うことができるという効果がある。
【0026】
前記シュンガイトは、ケイ酸塩とフラーレンを含む岩石であり、フィルターを役割を果たし、原水に浄化作用を行うために用意される。
【0027】
前記麦飯石は、無水ケイ酸、酸化アルミニウムが主成分であり、ろ過材の役割を果たし、消炎の作用があり、有害金属の除去を行う。
【0028】
前記ローズクォーツ(紅水晶)は、バラのような紅色または薄紅色を呈する石英であり、必須ミネラルを与えるために用意され、前記七宝石は、遠赤外線を与え、木化石は、木が速やかに土に埋もれた後にリグニンの部分が地下水の二酸化ケイ素と取り替えられて変換されたものであり、陰イオンを与えるために用意される。
【0029】
前記物質のうちのいずれか一種でも含まれない場合には、本発明が意図するレベルのミネラル含有度を有する原水または浄化された原水を得ることができず、飲用水として使い難い他、金魚鉢用の水に用いるときに汚染度が高いため好ましくない。
【0030】
また、前記物質の重量比もまた重要な要素である。前記物質は、いずれもそれぞれの役割を果たし、このとき、本発明の効果をいずれも発揮するためには、上記において限定したように、アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は3:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は2:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~1:2であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:5であり、前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~40重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は10重量%~20重量%であることが好ましい。
【0031】
さらに詳しくは、アベンチュリン:方ソーダ石の重量比は2:1~1:1であり、前記アベンチュリン:ゲルマニウムの重量比は1.5:1~1:1であり、前記ゲルマニウム:シュンガイトの重量比は4:1~2:1であり、紫水晶:ゲルマニウムの重量比は1:2~1:3であり、前記ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石の総含量は30重量%~35重量%であり、前記ローズクォーツ、七宝石及び木化石の総含量は15重量%~20重量%であることが好ましい。
【0032】
このような範囲を逸脱する場合には、原水の保存能力が低下するなどの問題がある。
【0033】
一方、このような容器を構成する物質の他に、前記本発明が意図する効果を奏するためには、前記容器の構造もまた重要な役割を果たす。
【0034】
すなわち、本発明の水質変換装置は、内部に中空のみ含んでいればよいという簡単な装置であって、製造し易いなどのメリットを有する。
【0035】
すなわち、このとき、前記中空の断面積の形状は長円状であってもよい。これは、水の流れを円滑にし、角張った部分がないため衛生の面からみて良い形状であるだけではなく、円形と比較したとき、原水が容器と接触する部分から原水の中心点までの距離を最短化することができて、前記物質の溶出が行われ易いため、原水が容器を通過しながら、最大限のミネラルを含有するようにできるためである。
【0036】
また、前記容器は、それぞれ中空の一部を含む第1の本体と第2の本体とが機械的に組み合わせられる構造であってもよい。
【0037】
これは、このような容器を洗浄し易いように、中空の中心部において長手方向に半分に割断したときの形状、すなわち、第1の本体と第2の本体とが中空の一部を含んで組み合わせられたときに中空が形成される構造、例えば、それぞれ半円筒状の構造を有していてもよい。
【0038】
また、前記組み合わせは、いかなる機械的な形態であれば特に限定されないが、第1の本体と第2の本体の側面から突出した組合部に貫通口を形成してナットにより一体に組み立てられるものであってもよい。
【0039】
下記の
図1は、このような本発明に一実施形態に係る水質変換装置の斜視図である。
【0040】
前記
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る水質変換装置100は、半円筒状の構造を有する第1の本体110と、第2の本体120と、から構成され、これらが組合部130に形成された貫通口131によりナットで組み合わせられて内部に中空140を形成する構造を有する。
【0041】
この場合、組合部130を取り外して中空の内面を容易に洗浄することができるので好ましい。
【0042】
一方、本発明は、別途の装置なしに内部の単なる中空に原水を通過させる方法で本発明の効果を発揮するので、原水が通過する長さ、中空の面積、縦横比、粗さ及びミネラルを吹き出す容器の厚さ及び形状などがいずれも影響を及ぼし、このような条件を満たしてはじめて、本発明の効果を効果的に奏することができる。
【0043】
このような構造について説明するために、
図1及び
図2を一緒に参照する。
図2は、
図1の水質変換装置100の上面を模式的に示すものである。
【0044】
まず、
図1を参照すると、具体的に、本発明の効果を発揮するためには、前記原水が通過する長さに相当する水質変換装置100の長さlが15~30cmであってもよく、詳しくは、15~25cmであってもよく、さらに詳しくは、20cm~25cmであってもよい。
【0045】
前記範囲を逸脱して、長さlが短過ぎる場合には、原水が通過する長さが短いため原水に十分なミネラルを供給し難く、浄化作用もまた十分に行われない。これに対し、長さlが長過ぎる場合には、その重さ及び体積が増え過ぎて、原水の水質の変換に長時間がかかってしまう虞があり、原水に溶け込めるミネラルの量には限界があるため、費用対効果(コストパフォーマンス)が低いため非効率的である。
【0046】
一方、前記中空140の広さは原水の通過面積に等しいため、これもまた非常に重要である。
図3を参照すると、本発明において、原水が通過する中空140の面積Sは40~100cm
2であってもよく、詳しくは、50~90cm
2であってもよく、さらに詳しくは、60~80cm
2であってもよい。
【0047】
前記範囲を逸脱して、面積Sが狭過ぎる場合には、原水が通過する面積が過度に狭くなって、水質の変換に長時間がかかるため非効率的であり、面積Sが広すぎる場合には、原水が一回につき多量で通過してしまうためさらに多量のミネラルが十分に溶け込めず、内側に流れる原水の浄化もまた十分に行われないため好ましくない。
【0048】
また、本発明に係る水質変換装置100は、長円状の中空を有するため、本発明に係る効果を最も効率よく発揮するための構造を有するものであって、その縦横比(b/a)が1/2~1/5であってもよく、好ましくは、1/2~1/3であってもよい。
【0049】
前記範囲を逸脱して、縦横比が大き過ぎる場合、円形に近いため長円状に製造して発揮しようとする効果を効果的に得ることができず、縦横比が小さ過ぎる場合、原水の流れが円滑にならない虞があるため好ましくない。
【0050】
一方、原水が流れる量、長さなどのために、前記容器の長さと中空の面積が重要であり、その分だけ、原水の水質の変換のためにミネラルを供給し、浄化作用を行う容器の厚さもまた重要である。
【0051】
具体的に、
図3に戻ると、前記容器、すなわち、第1の本体110と第2の本体120の厚さtは、ミネラルを供給できながらも、体積、重さなどを考慮して設計できる。このとき、前記厚さtとは、任意の二つの個所を定めて、その位置における厚さt1,t2の平均を意味し、具体的に、前記厚さtは3~10cmであってもよく、詳しくは、3~7cmであってもよく、さらに詳しくは5~7cmであってもよい。
【0052】
前記範囲を逸脱して、前記第1の本体110と前記第2の本体120が過度に薄く形成される場合には、十分なミネラルを供給できず、浄化作用が十分に行われ難く、前記第1の本体110と前記第2の本体120が過度に厚く形成される場合には、体積及び重さが増え過ぎるのに対し、ミネラルの供給効果及び浄化効果の向上に限界があるため非効率的である。
【0053】
さらに、前記容器のうち最も厚い位置における厚さt1と最も薄い位置における厚さt2の厚さの差は0.01cm~2cmであってもよく、詳しくは、0.1cm~1cmであってもよい。
【0054】
厚さの差が大き過ぎる場合、機械的な欠陥、製造コストなどに問題が生じるため好ましくない。
【0055】
したがって、本発明に係る水質変換装置が本発明に係る限定事項を満たす場合、最も効果的に水質を変換しながらも、効率よい設計が可能である。
【0056】
一方、ひいては、原水が容器と接触する表面積を広げて、ミネラルの供給及び浄化作用をさらに円滑にするために、一つの例において、前記容器中空の内面の平均粗さ(roughness)は0.01~1cmであってもよい。
【0057】
前記中空の内面は、原水が直接的に触れる部位であるため、内面の粗さは、原水が接触する面積になることもあり、これと同時に、原水の円滑な流れと製造効率性をも考慮されるべきである。
【0058】
このとき、前記粗さは、粗度を意味するものであり、接触式3次元粗さ測定機(株式会社小坂研究所製、製品名:SE500)を用いて測定し、標準測定長さ0.08cmで5回繰り返して測定した平均値である。
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明するが、下記の実施例は、単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらにのみ限定されることはない。
【0060】
<実施例1>
下記の
図3に示すように、水質変換装置(長さ:約20cm、中空部の面積:約58cm
2、中空部の縦横比:1/2、厚さ:最も厚い部分と最も薄い部分の平均約7cm、厚さの差:0.5cm)を用意した。
【0061】
前記水質変換装置は、アベンチュリン20重量%、方ソーダ石15重量%、紫水晶7重量%、天気土10重量%、ゲルマニウム18重量%、シュンガイト5重量%、麦飯石9重量%、ローズクォーツ8重量%、七宝石4重量%及び木化石4重量%を粉末にして混合して混合パウダーを用意し、ここに水を混合して粉砕・攪拌し、これを下記の
図3の模型に造形し、仕上げし、且つ、乾燥させた後、1000℃の電気炉において6時間焼成して製造した。
【0062】
原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Aを用意した。
【0063】
<比較例1>
原水(水道水)を一日間常温で保管した後、いかなる処理を施せずに金魚鉢用の水Bを用意した。
【0064】
<比較例2>
前記実施例1において、アベンチュリン、方ソーダ石、紫水晶、天気土、ゲルマニウム、シュンガイト、麦飯石、ローズクォーツ、七宝石及び木化石を同量でそれぞれ10重量%ずつ混合した混合パウダーを用いた以外は、同様にして水質変換装置を製造し、ここに原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Cを用意した。
【0065】
<比較例3>
前記実施例1において、シュンガイトを含めず、方ソーダ石を20重量%で混合して水質変換装置を製造したことを除いては、同様にして水質変換装置を製造し、ここに原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Dを用意した。
【0066】
<比較例4>
前記実施例1において、紫水晶を含めず、シュンガイトを7重量%、麦飯石を14重量%で混合して水質変換装置を製造したことを除いては、同様にして水質変換装置を製造し、ここに原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Eを用意した。
【0067】
<比較例5>
前記実施例1において、紫水晶20重量%、天気土20重量%、ゲルマニウム20重量%、シュンガイト20重量%、麦飯石20重量%を混合して混合パウダーを用いた以外は、同様にして水質変換装置を製造し、ここに原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Fを用意した。
【0068】
<比較例6>
前記実施例1と比較して長さが半分である水質変換装置(長さ:約10cm、中空部の面積:約58cm2、厚さ:最も厚い部分と最も薄い部分の平均約7cm)を製造したことを除いては、同様にして水質変換装置を製造し、ここに原水(水道水)を一日間常温で保管した後、前記水質変換装置の中空部に通過させて金魚鉢用の水Gを用意した。
【0069】
<実験例1>
実施例1において用意された金魚鉢用の水Aと、比較例1~6において用意された金魚鉢用の水B、水C、水D、水E、水F、水Gを用いて、30×20×24の金魚鉢を下記の
図4及び
図5のように飾った後、グピー3匹とともに投入し、一か月後に水質状態を比較して、その結果を
図4及び
図5と下記の表1に示す。
【0070】
図4は、実施例1の写真であり、
図5は、比較例1の写真である。
【0071】
また、下記の表1は、実施例1の金魚鉢の汚染度(汚れ具合)を1、比較例1の金魚鉢の汚染度を5にして、水の濁度(濁り具合)を相対的に比較してその汚染度を示すものである。
【0072】
前記比較は、金魚鉢の後側にA4用紙を置き、色と牡蠣の殻へのカス(フンや尿、食べ残し)の溜まり具合を観察して1~5に分け、大まかな結果を示すために行った。
【0073】
1:水が澄んでおり、カスがない、2:水の色がわずかに変わる、3:水の色がわずかに変わり、カスがわずかに観察される、4:水の色が濁り、カスがわずかに観察される、5:水の色が濁り、カスが際立って観察される
【0074】
図4及び
図5を参照すると、本発明に係る水質変換装置に通過させた実施例の水を用いた場合、金魚鉢の内部の牡蠣の殻の表面がきれいであり、水質もまたほとんど変化がないことを確認できるのに対し、比較例の水を用いた場合、水の色が濁り、牡蠣の殻の表面に老廃物が多く形成されたことを確認することができた。
【0075】
表1を参照すると、本発明の条件を満たす場合、抜群の浄化効果を発揮できるのに対し、本発明の水質変換装置を構成する物質の含量比などを満たしていない場合、前記物質の一部が除外される場合、または、原水が通過する長さが短過ぎる場合には、浄化能力が低下して、原水が水質がさらに悪くなりやすいことを確認することができる。
【0076】
すなわち、本発明に係る水質変換装置に通過させた場合に限って、浄化が抜群に行われたことが分かる。
【0077】
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、前記内容を踏まえて本発明の範囲内において種々の応用及び変形を行うことが可能である筈である。