(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022087987
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】玩具用積木ピース及び玩具用積木ブロック
(51)【国際特許分類】
A63H 33/06 20060101AFI20220607BHJP
A63H 33/04 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A63H33/06 B
A63H33/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200169
(22)【出願日】2020-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】516020938
【氏名又は名称】海野建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197734
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】海野 洋光
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA17
2C150BA28
2C150BA32
2C150FB47
(57)【要約】
【課題】正三角形を組み合わせて一体成型された台形を用いた積木ピースであって、該積木ピースを複数個組み合わせて少なくとも正三角形を構成することができる積木ピースを提供することを目的とする。
【解決手段】外観視で、6つの多角形の面と、12の線分からなる辺から構成された立体形状の玩具用積木ピースであって、前記6つの多角形の面は、前面、背面、左側面、右側面、上面、下面で構成され、対向する前面と背面は等脚台形であり、左側面、上面、右側面は、それぞれ、同一形状・同一サイズの正方形であり、下面は長方形であり、前面及び背面は、下面の前後の端縁から垂直に立設するように形成され、左側面及び右側面は、下面に対して60°の仰角を有し、上面は、下面に対して平行であることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観視で、6つの多角形の面と、12の線分からなる辺から構成された立体形状の玩具用積木ピースであって、
前記6つの多角形の面は、前面、背面、左側面、右側面、上面、下面で構成され、
対向する前記前面と前記背面は等脚台形であり、
前記左側面、前記上面、前記右側面rsは、それぞれ、同一形状・同一サイズの正方形であり、
前記下面は長方形であり、
前記前面及び前記背面は、前記下面の前後の端縁から該下面に対して垂直に立設するように形成され、
前記左側面及び前記右側面は、前記下面に対して60°の仰角を有し、
前記上面は、前記下面に対して平行である
ことを特徴とする玩具用積木ピース。
【請求項2】
前記前面と前記背面は、同一形状・同一サイズであり、
前記前面及び前記背面のそれぞれは、
同一形状・同一サイズの3つの正三角形を組み合わせて一体成型された等脚台形であり、
該等脚台形の下底両端の底角が60°に形成され、
該等脚台形の上底両端の底角が120°に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の玩具用積木ピース。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の玩具用積木ピースを3個以上組み合わせて構成され、
外観視で、少なくとも正三角形が構成されている
ことを特徴とする玩具用積木ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、玩具用積木ピース、及び、この玩具用積木ピースを複数個用いて構成した玩具用積木ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多種多様な玩具用積木ピースに関する技術が提案され、また、実際に、多種多様の玩具用積木ピースの商品が販売されている。ここで、本願発明においては、「積木ブロック」を構成する最小単位の構成を「積木ピース」という。なお、「積木ブロック」、「積木ピース」を総称して「積木」と表現することがある。
【0003】
この「積木」としては、子供の単なる遊びを目的とした玩具用積木に加え、子供(特に幼児)の創造力、数学的才能を向上させることを目的とした知育玩具用又は教育玩具用の積木等も広く知られている。また、知育玩具用積木・教育玩具用積木は、リハビリや認知予防の手段として用いられることもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、「使用上および製作上の便益を著しく増大させる積木を提供せんとする」(明細書第1頁第15行乃至同第16行参照。)ことを目的として、「相似形の大小正三角形片(1)(2)と等辺菱形片(3)と二等辺台形片(4)との組み合わせであって、上記小型三角形片(2)は大型三角形片(1)一辺の半分長さを一辺とし、菱形片(3)は2個の小形三角形片(2)(2)を合接せしめた形状とし、台形片(4)は三角形片(1)から三角形片(2)を切除せしめた形状としてなる積木玩具」(「2. 実用新案登録請求の範囲」、第1図、第3図、第5図等参照。)が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、「幼児が私用しても危険性がなく、落としても傷つくことがなく、しかも斜めに積み上げることのできる教育用積木を提供することを目的」(明細書第2頁第14行乃至第16行参照。)として、「少なくとも、弾性を有するとともに、その断面が台形であることを特徴とする教育用積木」(明細書第1頁「2.実用新案登録請求の範囲(2)」、第1図参照。)が記載されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、「子供の汎用積木」の技術分野(明細書段落[0001]参照。)において、「今日、数多くの子供の積み木商品がある。しかしながら、形状が少なく、嵌合部が一様であり、嵌合するような組立面が限られており、その魅力に乏しい。取り得る形状に変化が少なく、それにより子供の想像力が著しく抑えられている。そのため、角度の選択が最小限の幾何構造のみが組み立てられている。加えて、嵌合部が一様なため、積み木の取り位置がさらに限られている。中間に入る嵌合部の取り位置が少なく、より精密さが要求される構造上の可能性が制限されている。最後になるが、嵌合するような組立面の数が十分にないことから、最終的な組立品の構造上の可能性を無用に制限している」(明細書段落[0002]参照。)という従来の問題点を解決するために、「三次元構造体を組み立てるために互いに組み合わせ可能な、ベースとなる複数の幾何形状の積み木片を提供する」(明細書段落[0003]参照。)ことを目的として、「様々のサイズの汎用積み木は、平行に積み重なった複数の幾何形状によって形成されたブロックを有し、各幾何形状は、同一であり、かつ一様な厚みを有し、上記ブロックは、内側の面と外側の面を有し、該内側の面が凹部を形成し、該外側の面が凸部を形成する複数の凹凸の嵌合するような組立面を有し、上記複数の凹凸の嵌合するような組立面は、少なくとも4つの幾何形状を交互に積み重ねることによって形成され、上記幾何形状は、長さ方向と幅方向において同じ距離だけずれており、上記交互の積み重ねは、互いに平行で重なり合った幾何形状を一つおきに有し、かつ、上記複数の凹凸の嵌合するような組立面によって、第一のブロックから第二のブロックへスライド自在な結合がユーザーにもたらされ、上記スライド自在な結合は、上記第一のブロックの凹部と上記第二のブロックの凸部を嵌合し、上記第一のブロックの凸部と上記第二のブロックの凹部を嵌合することによって形成されることを特徴とする汎用積み木」(「請求項1」、
図1A~
図14B等参照。)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭49-067800号公報
【特許文献2】実開昭63-111198号公報
【特許文献3】特開2008-296002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された発明の「積木玩具」は、特許文献1に「相似形の大小正三角形片(1)(2)と等辺菱形片(3)と二等辺台形片(4)との組み合わせであって」(「2.実用新案登録請求の範囲」、第5図参照。)と記載されているように、相似形又は形状の異なる複数の積木ピースを用いることを前提とした発明であり、同一形状・同一サイズの積木ピースを用いるという技術思想はないものと認められる。したがって、同一形状・同一サイズの積木ピースを用いる技術に比べて、使用上および製作上の便益」は劣位であると予想される。また、「台形片(4)はその上下両辺(d)(d’)を夫々小型三角形片(2)、大型三角形片(1)の一辺(b)(c)に等しく且高さ(h)を三角形片(1)の半分高さとした台形状の立体に形成し、3個の三角形片(2)(2)(2)により1個の台形片(4)を形成し得るようにする」(明細書第2頁第11行乃至第15行参照。)と記載されているように、「台形片(4)」の台形状の前面(紙面に対して垂直方向から見た面)については辺(d)(d‘)・高さ(h)の特定がなされているものの、「台形片(4)」の左右側面(紙面左右方向から見た面)・上下面(紙面上限方向から見た面)の形状については、明細書中には何ら記載も示唆もない。
【0009】
また、特許文献2には、「教育用積木10」の断面の台形の形状が「等脚台形の内角の一つが108°であるため、もう一つの内角は72°になる」(明細書第3頁第17行乃至第18行参照。)、「各部の寸法は、側面11は400mm×295mm、上面12は400mm×190mm、底面13は400mm×370mm、断面が斜辺が295mm、底辺が370mm、高さが280mmである」(明細書第3頁だ18行乃至同第4頁第2行、第1図等参照。)と記載されているので、特許文献2に記載された発明の「教育用積木」には、「教育用積木10」を3つの内角がそれぞれ60°である正三角形で構成するという技術思想、及び、相対する2つの「側面11」及び「上面12」を全て同一形状・同一サイズの正方形で構成するという技術思想はないものと認められ、また、引用文献1には、その技術思想を示唆する記載もない。
【0010】
また、特許文献3には、「汎用積木」(本願の「玩具用積木ブロック」に対応する。)を構成する「積木片」(本願の「積木ピース」に対応する)には、複数の「幾何形状」があり、この「幾何形状は、台形を含む」(「請求項6」参照。)との記載もあるが、台形の幾何形状を有する積木片については、具体的な構成の記載も図示もされていない。また、上述したように、複数の「積木片」を積み重ねるときに、「長さ方向と幅方向において同じ距離だけずれ」させ、複数の「積木片」で構成された「ブロック」に「凹凸」を設けて、この「凹凸」を嵌合させて複数の「ブロック」からなる「汎用積木」を形成するものであり、「凹凸」がきちんと嵌合するためには、隣接する「積木片」を正確に「長さ方向と幅方向において同じ距離だけずれ」させ、しかも固定させるという、子供にとっては高難度の技術を要する。
【0011】
ここで、幾何学的図形の多角形の中で、一番安定しており、かつ、最もシンプルで美しい形状を有する図形は、3つの内角がそれぞれ60°で等しく、かつ、三辺の長さがそれぞれ等しい正三角形である。そこで、本願発明者は、玩具用積木ピースを複数組み合わせて玩具用積木ブロックを構成したときにこの玩具用積木ブロックの外観形状が少なくとも正三角形を形成することが可能な玩具用積木ピースについて、正三角形を基本とし、正三角形を組み合わせた等脚台形、この等脚台形を組み合わせた六角形等の種々の形状について鋭意検討した結果、玩具用積木ブロックを構成したときの安定性、玩具用積木ピースの製造コスト、使用時の利便性・安全性等を考慮して、正三角形を組み合わせて一体成型した台形を用いて一つの玩具用積木ピースとする構成を発明した。本発明は、この一種類の台形を用いた玩具用積木ピースを複数個組み合わせて、正三角形の玩具用積木ブロックを構成することが可能であるが、上記の特許文献1~3には、そのような技術思想は記載されていない。
【0012】
このため、本発明では、正三角形を組み合わせて一体成型された台形を用いた玩具用積木ピースであって、該玩具用積木ピースを複数個組み合わせて、外観視において、少なくとも正三角形を構成することができる玩具用積木ピースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、外観視で、6つの多角形の面と、12の線分からなる辺から構成された立体形状の玩具用積木ピースであって、前記6つの多角形の面は、前面、背面、左側面、右側面、上面、下面で構成され、対向する前記前面と前記背面は等脚台形であり、前記左側面、前記上面、前記右側面は、それぞれ、同一形状・同一サイズの正方形であり、前記下面は長方形であり、前記前面及び前記背面は、前記下面の前後の端縁から該下面に対して垂直に立設するように形成され、前記左側面及び前記右側面は、前記下面に対して60°の仰角を有し、前記上面は、前記下面に対して平行であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の玩具用積木ピースであって、前記前面及び前記背面のそれぞれは、同一形状・同一サイズの3つの正三角形を組み合わせて一体成型された等脚台形であり、該等脚台形の下底両端の底角が60°に形成され、該等脚台形の上底両端の底角が120°に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、玩具用積木ブロックであって、請求項1又は請求項2に記載の玩具用積木ピースを3個以上組み合わせて構成され、外観視で、少なくとも正三角形が構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の玩具用積木ピース及び玩具用積木ブロックによれば、玩具用積木ピースを、正三角形を組み合わせて一体成型された等脚台形を用いて単一形状に構成することで、玩具用積木ブロックを構成したときの安定性が向上し、玩具用積木ピースの製造コストを低減することができ、使用時の利便性・安全性等が向上するという顕著な効果を奏する。
【0017】
また、本発明の玩具用積木ピース及び玩具用積木ブロックによれば、玩具用積木ピースを複数個(3個以上)組み合わせて玩具用積木ブロックを構成することで、幾何学図形の多角形の中で最もシンプルで美しい正三角形の玩具用積木ブロックを構成することができるという顕著な効果を奏する。
【0018】
また、本発明の玩具用積木ピースは、無垢の国産杉材を原材料とするので、自然と対話しながら、子供の創造力や数学的才能を導き出すことができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態の玩具用積木ピースの外観斜視図である。
【
図4】
図1の左側面、上面、及び、右側面の形状を説明する図である。
【
図7】
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第1の例の玩具用積木ブロックの正面図である。
【
図9】
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第2の例の玩具用積木ブロックの正面図である。
【
図10】
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第1の応用例の玩具用積木ブロックの正面図である。
【
図11】
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第2の応用例の玩具用積木ブロックの正面図である。
【
図12】
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第3の応用例の玩具用積木ブロックの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。なお、説明の便宜上、本明細書で示す上,下,左,右,前,後の方向は、図中で示す矢印の上,下,左,右,前,後の方向と対応するものとする。
【0021】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る発明の玩具用積木ピース1について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の玩具用積木ピース1の外観斜視図であり、
図2は、
図1の正面図であり、
図3は、
図1の背面図であり、
図4は、
図1の左側面、上面、及び、右側面の形状を説明する図であり、
図5は、
図1の平面図であり、
図6は、
図1の底面図である。
【0022】
図示するように、本実施形態の玩具用積木ピース1は、立体形状の木質材料で形成され、外観視で、6つの多角形の面と、12の線分からなる辺から構成されている。6つの多角形の面は、前面fs、背面bks、左側面ls、右側面rs、上面us、下面btsから構成され、前面fsは、上面us、下面bts、左側面ls、右側面rsと隣接し、背面bksは、上面us、下面bts、左側面ls、右側面rsと隣接している。
【0023】
対向する前面fsと背面bksは等脚台形であり、左側面ls、上面us、右側面rsは、それぞれ正方形であり、下面btsは、該正方形の2倍の大きさの長方形(つまり、長辺の長さが該正方形の一辺の長さの2倍であり、短辺の長さが、該正方形の一辺の長さと等しい。)である。前面fs、背面bksは、下面btsの前後の端縁から下面btsに対して垂直に立設するように形成されている。左側面ls及び右側面rsは、下面btsに対して60°の仰角を有している。上面usは、下面btsに対して平行である。なお、玩具用積木ピース1の材料は、無垢の国産杉材が好適である。無垢の国産杉材を原材料とするので、積木をする際に、自然と対話しながら、子供の創造力や数学的才能を導き出すことができるという顕著な効果を奏する。
【0024】
図2に示すように、前面fsは、上底としての辺a1、下底としての辺b1、左脚としての辺c1、右脚としての辺d1を有する等脚台形である。下底両端の底角α11と底角α12は、それぞれ60°であり、上底両端の底角β11と底角β12は、それぞれ120°である。つまり、前面fsは、
図2に示すように、同一形状・同一サイズの3つの正三角形Tr11,Tr12,Tr13をこの並びで隣接するように構成して形成された等脚台形である。正三角形Tr11及び正三角形Tr13は、底辺が下に位置している。正三角形Tr12は、底辺が上に位置しており、このような形状は逆正三角形ともいう。前面fsの辺b1の長さは、正三角形Tr11,Tr12,Tr13の各辺の長さの2倍である。このように、前面fsは、3つの正三角形Tr11,Tr12,Tr13を組み合わせて一体成型された等脚台形である。前面fsの高さ(等脚台形の高さ)h12は、各正三角形Tr11,Tr12,Tr13の高さh11と同じである。辺c1(正三角形Tr11の斜辺)の長さと、辺b1の半分(正三角形Tr11の底辺)の長さと、高さh11(正三角形Tr11の高さ)との比は、2:2:√3である。
【0025】
図3に示すように、前面fsに対向して平行に配置される背面bksは、前面fsと全く同一形状・同一サイズであり、上底としての辺a2、下底としての辺b2、左脚としての辺c2、右脚としての辺d2を有する等脚台形である。下底両端の底角α21と底角α22は、それぞれ60°であり、上底両端の底角β21と底角β22は、それぞれ120°である。つまり、背面bksは、
図3に示すように、同一形状・同一サイズの3つの正三角形Tr21,Tr22,Tr23をこの並びで隣接するように構成して形成された等脚台形である。正三角形Tr21及び正三角形Tr23は、底辺が下に位置している。正三角形Tr22は、底辺が上に位置しており、このような形状は逆正三角形ともいう。背面bksの辺b2の長さは、正三角形Tr21,Tr22,Tr23の各辺の長さの2倍である。このように、背面bksは、3つの正三角形Tr21,Tr22,Tr23を組み合わせて一体成型された等脚台形である。背面bksの高さ(等脚台形の高さ)h22は、各正三角形Tr21,Tr22,Tr23の高さh21と同じである。辺c2(正三角形Tr21の斜辺)の長さと、辺b2の半分の長さ(正三角形Tr21の底辺)と、高さh21との比は、2:2:√3である。
【0026】
図4は、左側面ls、上面us、右側面rsを、それぞれの面に対して垂直上方から見た図を示している。
図3(a)は左側面ls、
図3(b)は上面us、
図3(c)は右側面rsを示す。図示するように、左側面lsは、辺c1、辺c2、辺e1、辺f1で囲まれた正方形であり、上面usは、辺a1、辺a2、辺e1、辺e2で囲まれた正方形であり、右側面rsは、辺e2、辺f2、辺d1、辺d2で囲まれた正方形である。左側面ls、上面us、右側面rsは、正方形であるので、それぞれの辺の長さは同じである。このように、左側面ls,上面us、右側面rsは、全て同一形状・同一サイズの正方形である。
(第2実施形態)
【0027】
次に、第2実施形態として、第1実施形態に係る発明の玩具用積木ピース1を複数個用いて構成された玩具用積木ブロック10,20について説明する。
図7は、
図1の玩具用積木ピース1を3個組み合わせて構成した第1の例の玩具用積木ブロック10の正面図であり、
図8は、
図7の外観斜視図であり、
図9は、
図1の玩具用積木ピースを複数組み合わせて構成した第2の例の玩具用積木ブロック20の正面図である。本願発明では、外観視(正面視)で、正三角形の玩具用積木ブロック10,20を形成するためには、3個以上の玩具用積木ピース1が必要である。
【0028】
図7、
図8に示すように、玩具用積木ブロック10は、3つの玩具用積木ピース11,12,13を組み合わせて構成されている。玩具用積木ピース11,12,13は、説明の便宜上、符号が異なっているが、全て、第1実施形態の玩具用積木ピース1と同一形状・同一サイズである。前述したように、玩具用積木ピース1の左側面ls、上面us、右側面rsは、全てサイズの正方形であるので、玩具用積木ピース11と玩具用積木ピース12と玩具用積木ピース13とを、それぞれの接触面にズレを生じさせることなく組み合わせて、外観視(正面視)で、正三角形を構成することができる。
図7、
図8では、玩具用積木ピース12の上面(us)と玩具用積木ピース11の右側面(rs)を重ね合わせ、玩具用積木ピース11の右側面(rs)と玩具用積木ピース13の左側面(ls)とを重ね合わせ、玩具用積木ピース11の上面(us)と玩具用積木ピース13の右側面(rs)とを、接触面をズレなく合致させて重ね合わせることで、外観視(正面視)で、美しい正三角形が構成されている。このように、実施形態1の玩具用積木ピース1を3個組み合わせて玩具用積木ブロック10を構成することで、幾何学図形の多角形の中で最もシンプルで美しい正三角形の玩具用積木ブロックを構成することができるという顕著な効果を奏する。
【0029】
図7、
図8の玩具用積木ブロック10は、最小限数(3個)の玩具用積木ピース1を用いて正三角形の玩具用積木ブロック10を構成する例を説明したが、
図9では、12個の玩具用積木ピース21~32を用いて、外観視(正面視)で、正三角形を構成する例を示している。12個の玩具用積木ピース21~32は、全て、第1の実施例の玩具用積木ピース1と同一形状・同一サイズのものである。このように、実施形態1の玩具用積木ピース1を複数個組み合わせて玩具用積木ブロック10を構成することで、幾何学図形の多角形の中で最もシンプルで美しい正三角形の玩具用積木ブロックを構成することができるという顕著な効果を奏する。
なお、
図7~
図9では、玩具用積木ピース1を垂直方向に積み上げる例を示したが、水平方向に並べてもよい。つまり、
図7、
図9を平面図となるように構成してもよい。
(応用例)
【0030】
次に、第1実施形態の玩具用積木ピース1を複数個用いて構成された玩具用積木ブロック40,50,60について説明する。
図10は、
図1の玩具用積木ピース1を複数組み合わせて構成した第1の応用例の玩具用積木ブロック40の正面図であり、
図11は、
図1の玩具用積木ピース1を複数組み合わせて構成した第2の応用例の玩具用積木ブロック50の正面図であり、
図12は、
図1の玩具用積木ピース1を複数組み合わせて構成した第3の応用例の玩具用積木ブロック60の正面図である。
【0031】
図10は、8個の玩具用積木ピース41~48を組み合わせて外観視(正面視)で正六角形の玩具用積木ブロック40を構成した応用例である。幾何学図形の多角形の中で、正六角形も、安定な図形として知られている。
図10では、中央に玩具用積木ピース47,48を下面bts同士がズレなく合致して重さなるように構成し、その周囲に6つの玩具用積木ピース41~46の上面をズレなく合致して重ね合わせて構成したものである。
図11の玩具用積木ブロック50は、
図10の中央に配置された玩具用積木ピース47,48を一体成型した正六角形の玩具用積木ピース51に置き換えて構成した応用例である。玩具用積木ピース51の周囲に6つの玩具用積木ピース41~46の上面をズレなく合致させて重ね合わせて構成したものである。
【0032】
図12は、
図9における玩具用積木ピース25,27を一体成型した正六角形の玩具用積木ピース61に置き換え、玩具用積木ピース29,30を一体成型した正六角形の玩具用積木ピース62に置き換えて構成したものである。玩具用積木ブロック60を構成する残りの8個の玩具用積木ピース21~24,26,28,31,32は、全て玩具用積木ピース1と同一形状・同一サイズである。このように玩具用積木ブロックの一部に、2つの玩具用積木ピース1を一体成型した正六角形の玩具用積木ピース61,62を用いても、外観視(正面視)で正三角形の玩具用積木ブロック60を構成することができる。
なお、
図10~
図12では、玩具用積木ピース1を垂直方向に積み上げる例を示したが、水平方向に並べてもよい。つまり、
図10~
図11を平面図となるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1,11,12,13,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,41,42,43,44,45,46,47,48,51,61,62 玩具用積木ピース
10,20,40,50,60 玩具用積木ブロック
a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2,e1,e2,f1,f2 辺
bks 背面
bts 下面
ls 左側面
rs 右側面
us 上面
α11,α12,α21,α22,β11,β12,β21,β22 底角
h11,h21 正三角形の高さ
h12,h22 等脚台形の高さ